本発明は、電子写真方式を利用した複写機、プリンタ、ファクシミリ、それらの複合機などの画像形成装置における現像装置に係り、特に、磁性キャリアを用いて非磁性のトナーを帯電させる2成分現像剤を使用し、現像ローラ上に帯電されたトナーのみを保持させて静電潜像に飛翔させ、該潜像を現像するようにした画像形成装置における現像装置に関するものである。
電子写真方式を利用した複写機、プリンタ、ファクシミリ、それらの複合機などの画像形成装置における現像方式には、トナーと磁性キャリアを用いた2成分現像方式、絶縁トナーや導電トナーを用いた1成分現像方式、磁性キャリアを用いて非磁性のトナーを帯電させる2成分現像剤を使用し、現像ローラ上に帯電されたトナーのみを保持させて静電潜像に飛翔させ、該潜像を現像するようにしたハイブリッド現像方式などがある。
2成分現像方式は、キャリアによるトナーの帯電性に優れ、長寿命化が可能であると共にベタ画像の均一化などの利点がある反面、現像装置が大きく複雑になる、トナー飛散やキャリア引きが発生する、キャリアの耐久性によって画質が変化するなどの欠点がある。また1成分現像方式は、現像装置がコンパクトになってドット再現性に優れているが、現像ローラ、チャージローラの劣化のために耐久性が低く、現像装置を交換するため消耗品価格が高価になる、選択現像が発生するなどの欠点を有している。ハイブリッド現像方式は、ドット再現性に優れて長寿命化、高速の画像形成が可能な方式ではあるが、従来では、現像ゴーストの発生やトナー粒度分布の変化に伴って現像剤中に微粉トナーが増え、この微粉トナーによるキャリア表面が汚染されて帯電量が低下し、現像装置からのトナーの飛散、現像ローラ上への微粉トナーの付着などの問題があった。
そしてハイブリッド現像方式は、従来、非接触の1成分現像の手段として検討されてきたが、近年、高速の画像形成が可能な現像方式として、特に感光体上に複数のカラー画像を順次形成する1ドラム色重ね方式用としても検討されてきた。この方式では、感光体上に正確にトナーを重ねることで色ズレの少ないカラー画像形成が可能であり、カラーの高画質化に対応する技術として注目されてきた。
しかしながらこの1ドラム色重ね方式では、使用する色数分の現像装置を感光体の周りに配置せねばならないから、感光体が大型になり、画像形成装置の小型化の妨げになる。そのため、使用するトナーの色に対応した複数の電子写真プロセス部材を並べて配置し、転写部材の送りに同期させてカラ−画像を形成して転写部材上で色重ねを行うタンデム方式が注目されてきた。しかしながらこの方式では、高速性に優れている利点があるものの、各色の電子写真プロセス部材を並べて配置しなければならないために大型化する欠点を有していた。この対策として感光体同志の間隔を狭くし、小型化した画像形成ユニットを配置した小型タンデム型画像形成装置が提案されている。
このように構成された小型のタンデム型画像形成装置においては、画像形成ユニットの幅方向のサイズを極小にするため、現像装置を縦型とすることが有利である。すなわち、感光体の上部方向に現像装置を配置することがレイアウト上望ましい。しかしながら従来の2成分現像方式では、このように現像装置を縦型に配置した場合、現像剤の還流、すなわち現像剤攪拌部から感光体に近接した現像部材への供給が複雑になり、装置の小型化に限界が生じると共に感光体へのキャリアの付着、トナーの飛散が避けられないという間題があった。
他の方法として、キャリアを用いない1成分現像方式も提案されているが、現像ローラを感光体に接触する方式では感光体のトルク変動をきたし、タンデム型の弱点である色ずれを助長させてしまう欠点があった。また、感光体に非接触な方式では、トナーをチャージロールで帯電させ、弾性規制ブレードで現像ローラ上の層厚を規制していたため、トナーの添加剤がチャ−ジロールに付着して帯電能力が低下したり、規制ブレードにトナーが付着し層形成が不均一になってしまい、画像欠陥をきたすことがあった。
そのため、これらの問題を解決する手段の一つとして、一旦キャリアを用いてトナーを帯電させ、その後、感光体に対して非接触でトナーを飛翔させる前記したハイブリッド現像方式が注目されてきた。すなわちハイブリッド現像方式では、現像ローラが感光体と非接触であるからトルク変動をきたすことがなく、ドット再現性に優れて長寿命化が可能な高速の画像形成装置が提供できる。
こういった技術に関する従来技術としては、特許文献1に潜像担持体に対して非接触に設置したドナーロール(現像ローラ)上に非磁性トナーで薄層を形成し、交流電界によって潜像担持体上の潜像に該トナーを飛翔させる提案がなされている。また特許文献2には、磁気ロールを用いて現像剤をドナーロールに進ませ、このドナーロール上にトナーを転移させてトナー層を形成する現像装置が示されている。
しかしながらこれらの提案では、2成分現像剤を採用してドナーロール上への薄層形成は可能なものの、トナーの帯電が高くなった場合にドナーロール上のトナーの分離が困難になり、強い交流電界が必要とされる。この電界が潜像担持体上のトナー層を乱してしまうので、色重ねなどには間題を有していた。そのため特許文献3には、ドナーロールと潜像担持体の間にワイヤからなる補助電極を設け、この補助電極に弱い交流電界を印加して現像されたトナーを乱さないようにした、いわゆるパウダ−クラウド現像法が提案されている。
そして理論面では、非特許文献1で東芝(株)から、2成分現像剤を用いた現像ローラ上のトナー層の形成についての報告がなされ、特許文献4に特許としての出願がある。
また上記した従来の技術では、現像性の高いトナーの粗粉が選択的に潜像担持体に現像されやすく、連続印刷を行ったばあい、帯電性の高いトナーの微粉が現像スリーブに堆積して選択現像が起こり、画像濃度の低下が生じる傾向があった。さらに、トナーの帯電制御が複雑で、潜像担持体に高い表面電位と大きな現像電界を印加することを必要としていた。そのため、現像ローラ上にトナーの消費領域と非消費領域とが生じると、その現像ローラ上におけるトナーの付着状態とトナーの電位差にばらつきが生じる関係から、図7に示したように前の現像画像の一部が次の現像時に残像(ゴースト)として現れる現象、いわゆる履歴現象が発生しやすいという不具合がある。すなわちこの図7において、35は矩形の黒ベタで構成されたソリッド画像であり、36、37はそれに続くこのソリッド画像より広いハーフトーン画像で、図7(a)のようにこのソリッド画像35に続けてこのハーフトーン画像36、37を印刷すると、現像ロール上にトナーの消費領域と非消費領域とが生じた場合、図7(b)における38のような残像(ゴースト)が生じる。さらに、高濃度の現像パターンを連続して印刷した場合に、画像濃度にムラが生じるなどの画像不均一性がおこりやすく、現像器を小型化する場合の課題となっていた。
これを防止するため特許文献5には、現像ロール上の現像残トナーを掻き取るための部材と、掻き取られたトナーの回収装置に関しての提案がなされ、また、現像ローラ上のトナーを確実に回収する方法として特許文献6には、専用の回収ロールを用いる提案がなされている。しかしながらこれらの方法は、現像部のトナーと非現像部のトナーに電位差が生じ、連続印字時の現像ゴーストの発生を防止するために複雑な機構が必要で、小型の電子写真プロセスには実用化されていない。さらに磁気ブラシを用いた履歴現象の対応策として特許文献7に、磁気ロールの磁束密度の半値幅領域を広く設定することにより、現像ローラ上のトナーの回収と供給を図る提案がなされている。また、タンデム型の現像装置の制御方法として特許文献8には、転写工程を行っている画像形成部以外の画像形成部における現像装置の動作を停止させ、現像剤の劣化を防ぐようにした出願がなされている。
またこういったハイブリッド現像方式においては、選択現像による画像濃度低下、トナーを現像ローラに保持させたまま長時間放置することによる現像欠陥、画像劣化、現像ゴースト、トナー飛散、スリーブ付着などが生じるため、特許文献9、特許文献10(特許文献11)、特許文献12などには、2成分現像剤による磁気ブラシを形成する磁気ロールと、この磁気ロールから供給されたトナーの薄層を担持するドナーロール(現像ローラ)と、このドナーロールと潜像担持体との間に設けられた電極とを有し、この電極には直流と交流からなるバイアスを、現像ローラには直流バイアスを、そして磁気ロールにはスイッチで異極性となる電圧に切り替えられるようにした直流バイアス(特許文献10(特許文献11))、またはこの直流バイアスに重畳した交流バイアス(特許文献9、特許文献12)を印加するよう構成し、コピーとコピーの間や紙間を利用して、電位差で現像ローラ上のトナーを磁気ロールに回収することで、トナーの帯電を安定化させて上記問題点を解決するようにしたハイブリッド型現像装置が示されている。
すなわちこの特許文献9、特許文献10に示された現像装置においては、磁気ロールと現像ロールの直流電位差(特許文献10)、及び交流バイアス(特許文献9、特許文献12)で磁気ロール上に形成された磁気ブラシで現像ロール上にトナー薄層を形成し、さらに現像ロールと電極間に印加された直流と交流が重畳されたバイアスで電極近辺にトナークラウド(雲)を形成して潜像担持体上の潜像を現像すると共に、画像形成完了時(特許文献10、特許文献12)、または一定間隔で(特許文献9)、スイッチを切り替えて現像ロールから磁気ロールへトナーを剥離させる方向の直流バイアスを印加して現像ロール上のトナーを回収し、再度の画像形成に際してスイッチの切り替えで磁気ロール上のトナーを現像ロールへ移動させる方向の直流バイアスを印加して(特許文献10)画像形成に備えるようにし、上記問題を解決するようにしたものである。
しかしながら前記特許文献3に記載されたパウダークラウド現像法は、補助電極のワイヤが非常に汚れやすく、また、振動による画像劣化等が発生するため、あまり一般的な方法とはなっていない。さらに特許文献5、特許文献6、特許文献7などに示された装置も、トナーの掻き取り装置や回収ロールの設置が必要であったり、特別な回収バイアスの印加などによってトナーのストレスが増し、トナーの耐久性能劣化の要因になったり、次の現像タイミングでの現像ローラの層形成に時間を要し、高速性を損なったりしていた。また長期使用時に、キャリアの耐久性能劣化によってトナーの帯電性が変化し、現像ローラ上のトナーの帯電特性が大きく変化して補給トナーや回収トナーの帯電の分布が広くなり、帯電不良によるトナーの飛散やカブリの原因になっていた。さらに劣化したキャリアの交換の煩わしさがあり、実用にはいたっていないのが実情である。
また、タンデム型の現像装置の制御方法としての特許文献8に示された装置は、転写工程を行っている画像形成部以外の現像装置の動作を停止させたり、現像ローラと磁気ロール間に印加する高圧を高周波数で切り替える装置や制御が必要であり、高価にならざるを得ないと共に、現像装置はトナーロールや磁気ロール、及び撹拌部材を横に並べた構成となっており、小型化が難しいという欠点がある。さらに、特許文献9、特許文献10(特許文献11)、特許文献12に示された装置も、前記したパウダークラウド現像法であって、補助電極のワイヤが非常に汚れやすく、振動による画像劣化等が発生する。
そのため本願出願人は特許文献13において、図8に示したように、前記したハイブリッド方式現像を行う縦型に構成した現像装置を提案した。この現像装置50Aの枠体12内には、感光体3に所定距離離間して現像ローラ2が配設されている。そしてその現像ローラ2から所定距離離間して、非磁性金属材料で円筒状に形成され、内部に複数の固定磁石が配設されて該固定磁石の周囲を回転可能としたスリーブ状の磁気ロール1が配設されている。またこの磁気ロール1の上流には、パドルミキサー22、仕切り板26を挟んで撹拌ミキサー23が設けられ、トナーとキャリアからなる2成分現像剤は、この撹拌ミキサー23とパドルミキサー22の回転によって撹拌、帯電され、仕切り板26両端の仕切がない部分によってこの撹拌ミキサー23とパドルミキサー22の間を循環してゆく。そのため、この2成分現像剤によって磁気ロール1の表面に磁気ブラシが形成され、その磁気ブラシは、穂切りブレード9によって一定の層厚とされ、現像ローラ2に接触する。
一方、この磁気ロール1と現像ローラ2の間には、直流(DC)電源7a、交流(AC)電源7bによって直流に交流が重畳されたバイアスが、直流(DC)電源8によって直流バイアスがそれぞれ印加され、磁気ロール1上の磁気ブラシ中のトナーは、この直流(DC)電源7aと直流(DC)電源8によるバイアスの電位差|DC7a−DC8|(以下Δと表現する)によって現像ローラ2上にトナーのみの薄層を形成する。そしてこの現像ローラ2上のトナー薄層は、直流(DC)電源7a、交流(AC)電源7bによって現像ローラ2に印加されたバイアスで感光体3との間を飛翔し、感光体3上に形成された潜像を現像する。なお、トナーの飛散を防ぐため、交流(AC)電源7bによるバイアスは、現像の直前に印加する。
また、現像に使われずに現像ローラ2上に残ったトナーは、掻き取りブレードなどの特別な装置を設けることなく、磁気ロール1上の磁気ブラシが現像ローラ2上のトナー層に接触し、両ロールの周速差によるブラシ効果とパドルミキサー22による磁気ブラシの攪拌で、現像剤の回収と入れ替えがおこなうようになっている。
しかしながらこのように構成したハイブリッド現像装置は、縦型であるため画像形成装置本体の小型化のためにはよいが、磁気ロール1上に形成された磁気ブラシは密度差があったりして回収したトナーを含む現像剤の磁気ロール1からの分離性能が低く、パドルミキサー22による分離がうまくいかずに回収してトナー量が少なくなった現像剤が、そのままあまり撹拌されることなく再び磁気ロール1上に磁気ブラシを形成するといったことがあった。そのため、画像濃度が低下したり、濃度ムラが生じるといった問題があった。
こういった問題を解決するための先行技術として例えば特許文献14には、感光体周囲に各色に対応し、現像終了時に供給ローラから現像ローラへの現像剤の供給を絶ち、現像ローラ上に残留している現像剤を回収、待避するようにしたパージ方式の現像装置を設けたカラー画像形成装置においては、回転機構やリトラクト機構を設ける必要がないので構成が簡略化されるが、供給ローラの回転中心を現像ローラの回転中心よりも高くすると、現像剤を一時的に回収、待避するに当たり、自重による現像剤の落下を期待できないため、現像ハウジング内にスムーズに回収するのが困難になる。そのため、供給ローラにおける現像ローラから現像剤を最初に受け取る磁極とその隣接磁極を互いに異極構成にすると共に、供給ローラの磁界が及ぶ範囲の少なくとも一部に、供給ローラとのギャップが狭いシール兼用回収通路を形成した現像装置が示されている。
また特許文献15には、タンデム型カラー画像形成装置の現像装置を縦型に構成し、画像形成装置を小型に構成したが、現像領域を通過した後の現像剤を現像ローラから剥離して上方に配置した現像剤収納部に搬送するために特別な配慮が必要であり、第2の現像剤搬送ロールと現像装置ハウジングとの距離を最適に定め、現像剤が安定的に上方に搬送されるようにした現像装置が示されている。
そして特許文献16には、2成分現像剤を用い、トナー濃度検知手段を用いずに現像剤の動きでトナーを取り込むようにした現像装置に於いて、内部に複数の磁極を有し、その周囲に第1と第2の規制部材を有してこの第1と第2の規制部材間の現像剤収納部に、磁気ブラシロールから分離した現像剤と、磁気ブラシロールに供給する現像剤を分けるようにしてレイアウトし、現像剤を滞留させて循環させるようにしたとき、部分的にトナー濃度が不安定になって濃度ムラが生じるのを解消するため、前記磁極による磁力極小点を前記現像剤収納部との対向範囲内に位置させた現像装置が示されている。
さらに特許文献17には、内部に固定磁石を有して2成分現像剤からなる磁気ブラシを担持し、感光体上の潜像を現像した後、反発磁極によって磁気ブラシを分離して下方に設けた撹拌部材により現像剤の入れ替えを行うようにした現像ローラを有する現像装置は、小型に構成した場合、現像ローラとハウジングの間隔が狭くなって分離した現像剤が下方に落下しないで再び現像ローラに付いてしまい、濃度が低下したり濃度ムラなどが発生してしまう。そのため、搬送極後の分離極近辺からハウジングと現像ローラ間隔を広げるようにした現像装置が示されている。
米国特許第3,866,574号公報
米国特許第3,929,098号公報
特開平3−113474号公報
特開昭59−121077号
特開平11−231652号公報
特開2000−81788号公報
特開平7−128983号公報
特開昭63−249164号公報
特開平6−67546号公報
特開平7−72733号公報
USP5,420,375号公報
特開平7−92804号公報
特開2003−107898号公報
特開平11−212366号公報
特開2000−89570号公報
特開2000−305362号公報
特開2003−122127号公報
電子写真学会誌第19巻第2号(1981)第44頁〜第51頁、 「タッチダウン現像法」東芝(株)、保坂靖夫、米田等
しかしながら、特許文献14に示された現像装置は構成が縦型でなく、供給ローラ中心より下側に回転中心を有した撹拌部材が配置されていて、前記したように縦型に構成した現像装置にそのまま応用することはできない。また、特許文献15に示された現像装置は、タンデム型カラー画像形成装置のために縦型に構成した現像装置ではあるが、分離極に向かう磁気ブラシの密度差を解消して磁気ロールからの分離性能を高めることについては記載がない。さらに特許文献16、17に示された現像装置はハイブリッド方式現像装置ではなく、現像装置内部に第1と第2の規制部材間で構成した現像剤収納部を有する複雑な構成(特許文献16)であったり、単に搬送極後の分離極近辺からハウジングと現像ローラ間隔を広げた現像装置であり、前記したように分離極に向かう磁気ブラシの密度差を解消して磁気ロールからの分離性能を高めることについては記載がない。
上記の事情に鑑み本発明は、現像装置を複雑にすることなく、磁気ロール上に形成された磁気ブラシの密度差を無くし、現像ローラから回収したトナーを含む現像剤の磁気ロールからの分離性能を高めて長期にわたって現像ローラ上のトナー層厚を常に安定させ、濃度変化のない安定した画像を維持できるようにした画像形成装置における現像装置を提供することが課題である。
上記課題を解決するため本発明の画像形成装置における現像装置は、
固定磁極部材を内包する供給ローラの外周に磁性キャリアと非磁性トナーからなる磁気ブラシを形成し、該磁気ブラシを現像ローラに摺擦させながら両ローラ間の電位差を利用して現像ローラへトナーのみを転移させ、現像ローラ上のトナー薄層にて潜像担持体上の潜像を非接触現像する現像方式を用い、
前記固定磁極部材が、層厚規制ブレードの対向磁極と前記供給ローラ回転方向上流側に位置する搬送磁極とを同極性に形成して両磁極間の供給ローラ周面上に磁気ブラシ分離磁界帯を形成してなる画像形成装置における現像装置において、
前記搬送磁極を対向磁極の下方に位置させて反重力方向に現像剤が移動するように磁気ブラシ分離磁界帯を形成するとともに、磁気ブラシ分離磁界帯上方位置にパドルミキサを配し、更に該磁界帯入り口側の前記搬送磁極と対向する搬送空間上に該搬送空間を狭域化する磁気穂圧縮手段を設け、
前記磁気穂圧縮手段の狭域化幅域は、前記した層厚規制ブレードのギャップより大きく、対向磁極で形成される磁気穂高さより小さく設定したことを特徴とする。
そして、前記磁気穂圧縮手段が、前記搬送磁極と対向する搬送空間を狭域化する機械的手段であることを特徴とする。
また、前記狭域化幅域が層厚規制ブレードギャップより大きく磁気穂高さより小さく設定されていることを特徴とする。
そして前記磁気穂圧縮手段が、前記搬送磁極と対向する搬送空間に反発磁界を形成する磁気的手段であっても良い。
また、本発明になる現像方式の現像装置が、トナー供給部が供給ローラ上方に位置し、磁気ブラシ分離磁界帯がローラ軸心より水平線より上方に位置する構造をもち、かつ磁気ブラシ分離磁界帯下方側の搬送磁極と現像ケースとの幅域xが1mm≦x≦3mmであるように構成することが好ましい。
このように、ハイブリッド現像方式を用いる画像形成装置における現像装置を、固定磁極部材が、層厚規制ブレードの対向磁極と供給ローラ回転方向上流側に位置する搬送磁極とを同極性に形成して両磁極間の供給ローラ周面上に磁気ブラシ分離磁界帯を形成し、前記搬送磁極を対向磁極の下方に位置させて反重力方向に現像剤が移動するように磁気ブラシ分離磁界帯を形成するとともに、該磁界帯入り口側の前記搬送磁極と対向する搬送空間上に磁気穂圧縮手段を設けたことにより、磁気ブラシはこの磁気穂圧縮手段で圧縮されて薄くされ、密度差が無くなって、現像ローラから回収したトナーを含む現像剤の供給ローラからの分離性能が高められて長期にわたり、現像ローラ上のトナー層厚を安定させて濃度変化のない、安定した画像を維持できるようにした画像形成装置における現像装置を提供することができる。
そして、前記磁気穂圧縮手段は、前記搬送磁極と対向する搬送空間を狭域化する機械的手段であり、この狭域化幅域が、層厚規制ブレードギャップより大きく磁気穂高さより小さく設定されていることがこのましい。
そしてこの磁気穂圧縮手段が、搬送磁極と対向する搬送空間に反発磁界を形成する磁気的手段であっても良い。
また、本発明になる現像方式の現像装置が、トナー供給部が供給ローラ上方に位置し、磁気ブラシ分離磁界帯がローラ軸心より水平線より上方に位置する構造をもち、かつ磁気ブラシ分離磁界帯下方側の搬送磁極と現像ケースとの幅域xが1mm≦x≦3mmであるように構成することにより、より好ましい結果が得られる。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。但しこの実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
図1は本発明になる画像形成装置における現像装置の一実施形態の断面図、図2は本発明になる画像形成装置における現像装置の供給ローラ内部に配置された固定磁石の位置と、磁気穂圧縮手段の位置関係を示した図、図3は本発明になる画像形成装置における現像装置の感光体と現像装置との関係を説明する模式図、図4は本発明になる現像方法を実施するハイブリッド型現像装置の概略構成図、図5は本発明になる現像方法を実施する画像形成装置の一実施例の模式図、図6は本発明になる画像形成装置における現像装置の磁気穂圧縮手段により、搬送磁極と対向する搬送空間を狭域化した実験結果を示した表である。
図中1は非磁性金属材料で円筒状に形成され、内部に複数の固定磁石が配設されて該固定磁石の周囲を回転可能としたスリーブ状の供給ローラ(磁気ローラ)、2は供給ローラ(磁気ローラ)1上に形成される磁気ブラシ10によってトナーの薄層6を形成される現像ローラ、3は感光体(潜像担持体)、4は現像剤を構成するキャリア、5は同じくトナー、6は現像ローラ2上に形成されたトナー薄層、7aは現像ローラ2へ直流(DC)バイアス(Vdc1)を印加する電源、7bは同じく現像ローラ2へ交流(AC)バイアス(Vac)を印加する電源、8は供給ローラ(磁気ローラ)1へ直流(DC)バイアス(Vdc2)を印加する電源、9は供給ローラ(磁気ローラ)1上に形成された磁気ブラシ10の高さを一定に保つための穂切りブレード(層厚規制ブレード)、11は露光装置57による露光、12は現像装置の枠体、20は画像形成装置、22は現像剤を撹拌して磁気ロール1へ供給するパドルミキサー、23は同じく現像剤を撹拌しながら搬送して帯電させる撹拌ミキサー、25は現像装置50A内のトナー量を検出するトナーセンサー、26は現像装置内の仕切り板で、この仕切り板は、図3から明らかなように、長手方向両端が現像装置50Aの長さより短く、両端を現像剤が自由に通り抜けられるようになっている。30は磁気穂圧縮手段、31は供給ローラ1の回転方向、図5における50Aは画像形成装置20のブラック用現像装置、50Bは同じくイエロー用現像装置、50Cは同じくシアン用現像装置、50Dは同じくマゼンタ用現像装置、53は記録紙を収容した給紙カセット、54は記録紙を搬送するための無端状ベルト、56は感光体3を帯電するための帯電器、57は帯電された感光体3を露光して潜像を形成するための露光装置、58は現像されたトナー像を記録紙に転写するための転写装置、59はトナー像を転写された記録紙上のトナー像を定着するための定着装置である。なお、タンデム型画像形成装置においては、前記したように感光体(潜像担持体)3の周りに設置する帯電器56、露光装置57、現像装置50、転写装置58、クリーニング装置などをコンパクトに設計することが重要であり、本発明においては、現像装置50は感光体3に対して隣接し、略垂直の方向に配置される。
感光体3の材料としては、アモルファスシリコン(a−Si)感光体、有機感光体(OPC)などを用いることができ、a−Si感光体を用いた場合、その表面の露光後電位は10V以下の非常に低い特徴を有しているが、その膜厚を薄くすると飽和帯電電位が低下し、絶縁破壊に至る耐電圧が低下する。その一方、潜像形成した時における感光体3の表面の電荷密度は向上し、現像性能は向上する傾向がある。この特性は、誘電率が約10程度と高いa−Si感光体では25μm以下、さらに好ましくは20μm以下の場合に特に顕著である。現像バイアスとして直流(DC)バイアス(Vdc1)電源7aの出力電圧を150V以下、さらに好ましくは100V以下、交流(AC)バイアス(Vac2)電源7bのAC成分としてVpp500〜2000V、周波数が1〜3kHzに設定して現像することが可能である。
また、画像形成装置に用いる感光体3としては従来からOPC感光体が知られており、正帯電の有機感光体(OPC)を用いた場合、残留電位を100V以下にするため、感光層の膜厚を25μm以上に設定し、電荷発生材料の添加量を増やすことが特に重要である。特に単層構造のOPCは感光層の中に電荷発生材を添加することから感光層の膜減りによっても感度が変化が少なく、有利である。この場合でも現像バイアスとして直流(DC)バイアス(Vdc1)電源7aの出力電圧を400V以下、さらに好ましくは300V以下に設定することが、トナーに強い電界をかけることを防止する意味でも好ましい。この様に現像バイアスを低く設定することは、薄膜のa−Si感光体の絶縁破壊を抑制するとともに、トナーの過剰帯電を防止し、現像の履歴現象の発生を抑止するのに有効である。
しかしながら、OPC感光体は感光層表面が軟らかく、クリーニングブレードの摺擦により、感光層が削れやすいという問題が見られた。そこで、OPC感光体と比較して表面が硬質であり、耐久性や機能保持性(メンテナンスフリー)に優れていることから、感光層の厚さが25μm以上のa−Si感光体が近年使用されている。しかしながら、a−Si感光体はグロー放電分解法等を用いて製膜するため、このように感光層が厚いと製造時間や製造コストがかかり、経済的に不利であるという問題も見受けられる。
露光装置57は、半導体レーザ、もしくはLEDを用いることができる。正帯電有機感光体を用いた場合は770nm付近の波長が有効であり、アモルファスシリコン感光体の場合は685nm付近の波長が有効である。以下本発明においては、感光体3として正帯電有機感光体を用い、露光装置57の光源としてLEDを用いた場合を例に説明してゆく。
現像ローラ2の最表面は、均一な導電性のアルミニュウム、SUS、導電樹脂被覆などからなるスリーブで構成する。そしてそのシャフト部には、直流(DC)バイアス(Vdc1)7a、交流(AC)バイアス(Vac)7bを接続し、回転する現像ローラ2と感光体3、及び供給ローラ1との間にこの直流と交流を重畳したバイアスが作用するようにする。そして、この交流バイアス7bが供給する交流成分は、デューティ(Duty)比を50%以下の矩形波で構成する。本発明においては、一例として直流バイアス(Vdc1)7aを100V、交流バイアス7bをVppが1.5kV、周波数3.0kHz、デューティ(Duty)
比30%に設定した。このように直流バイアス(Vdc1)7aと交流バイアス7bを現像ローラ2に直接印加することによって、現像時に現像ローラ2と感光体3、及び、供給ローラ1との間に鋭いバイアス成分を印加することができ、現像開始時のトナー層形成の反応を良くすることができる。また、感光体3上の潜像に対して良好な現像性と共に、供給ローラ1に対してのトナー薄層の回収性が高まり、連続印字の安定性が改善される。感光体3と現像ローラ2との間隔は、一例として約250μmとしてこの間にワイヤ電極等は用いない。
トナー5は、5〜20μC/gに制御され、トナー飛散・カブリを防止し、なお且つ、低電界で現像することで現像ローラ2上に現像履歴現象を残さず、トナー5の回収性に優れた現像システムができる。
現像剤には、トナーの回収と供給の役割を有する106Ωcm〜109Ωcmの抵抗のキャリア4を使い、現像ローラ2と供給ローラ1の間のニップで、強固に静電的に付着したトナーを磁気ブラシ10で引き剥がし、現像に必要なトナーを供給する。このとき、トナーとの接点を増やすためには、40μm以下の小径キャリアを用い、キャリアの表面積を高めることが好ましい。キャリア4としては、マグネタイトキャリア、Mn系フェライト、Mn−Mg系フェライトなどを用いることができ、適正な抵抗値を上げない範囲で表面処理して用いることも可能である。本発明では一例として、体積固有抵抗が107Ωcmにシリコーン樹脂被覆をし、飽和磁化が70emu/g、平均粒径35μmのフェライトキャリアを用いた。106Ωcm以下では回収を重視した低抵抗キャリアは現像ゴースト対策には有効であるが、正確な帯電をトナーに付与しカブリの発生の無い現像を維持することは困難であり、さらに長期間運転した場合に現像ローラ2表面からトナーが飛散し、帯電器56や露光装置57を汚染する不具合を発生させてしまう。109Ωcm以上の抵抗では、帯電性能を付与することは可能であるが帯電が上昇しやすい問題があった。キャリア4の抵抗値を適正にすることで、現像ローラ2上のトナー薄層6を回収しつつ、確実に帯電させたトナー5を現像ローラ2に再度投入することが可能になる。
またトナーとキャリアの混合割合は、キャリアおよびトナーの合計量に対しトナーを5〜20重量%、好ましくは5〜15重量%とする。トナーの混合割合が5重量%未満であると、トナーの帯電量が高くなって十分な画像濃度が得られなくなり、20重量%を超えると今度は十分な帯電量が得られなくなるため、トナーが現像器から飛散して画像形成装置内を汚染したり、画像上にトナーカブリが生じる。
現像ローラ2上のトナー薄層6は、現像剤の抵抗や現像ローラ2と供給ローラ1の回転速度差などによっても変化するが、この両ローラに与えられる直流バイアス(Vdc2)8と直流バイアス(Vdc1)7aの電位差|(Vdc2)−(Vdc1)|(以下Δと表現する)によっても制御することが可能である。Δを大きくすると現像ローラ2上のトナーの薄層6が厚くなり、Δを小さくすると薄い層になる。Δの範囲は、一般的に100Vから250V程度が適切である。そして、現像ローラ20上に10〜100μm、好ましくは30〜70μmのトナー層を形成し、現像ローラ2と感光体3とのギャップを150〜400μm、好ましくは200〜300μmとし、この空間を直流と交流電界によってトナーを感光体3上に飛翔させることで鮮明な画像を得ることができる。
現像残のトナーは掻き取りブレードなどの特別な装置を設けることなく、供給ローラ1上の磁気ブラシ10が現像ローラ2上のトナー薄層6に接触し、各ロールの周速差によるブラシ効果と、磁気ブラシ10の現像材をミキサーで攪拌することによって現像材を入れ替えることにより、容易にトナーの回収と入れ替えを可能にする。現像材の入れ替えを促進するための方法として、供給ローラ1の回転速度を現像ローラ2の速度に対して1.0〜2.0倍に設定し、現像ローラ2上のトナーを回収すると共に、適切なトナー濃度に設定された現像材を現像ロールに供給することで、均一なトナー層を形成することが可能になる。また、均一な画像濃度を維持するためには、現像タイミング以外の時間に現像ローラ2と供給ローラ1間の電位差Δを0にすることで、トナーに負担をかけずに現像ローラ2上のトナーを供給ローラ1に回収することが有効である。この時供給ローラ1の磁気ブラシ10の幅H3が、現像ローラ2上のトナーを回収する幅である為、現像ローラ2の幅H1を供給ローラ1の磁気ブラシ10の幅H3より短くすることにより確実に未回収領域をなくすことができる。そうすることにより、供給ローラ1領域外の現像ローラ2のスリーブに付着するトナーがなくなり、両端部のトナー飛散をなくすことが可能となる。(図3参照)
最初に本発明になる現像装置を有する画像形成装置の動作につき、図5の模式図を用いて簡単に説明すると、この画像形成装置20は、無端状ベルト54が、給紙カセット53からの記録紙を定着装置59に向かって搬送可能に配設されており、記録紙を搬送する無端状ベルト54の上側には、ブラック用現像装置50A、イエロー用現像装置50B、シアン用現像装置50C及びマゼンタ用現像装置50Dが配設されている。そしてこれらの現像装置50(A、B、C、D)には、それぞれ供給ローラ1(A、B、C、D)、該供給ローラ1(A、B、C、D)に近接して現像ローラ2(A、B、C、D)が配設され、該現像ローラ2に対面して感光体3(A、B、C、D)が、さらにこの感光体ド3の周囲には、帯電器56(A、B、C、D)及び露光装置57(A、B、C、D)が配置されている。
このように構成したハイブリッド型現像装置を有する本発明のタンデム型画像形成装置において、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックなどのそれぞれの色に対応したトナー5とキャリア4からなる2成分現像剤は、現像剤容器からそれぞれの現像装置50に供給され、図4に示した供給ローラ1上に磁気ブラシ10を形成し、攪拌によってトナー5が帯電される。そして、供給ローラ1上の磁気ブラシ10は規制ブレード9によって層規制され、供給ローラ1に加えられた直流バイアス(Vdc2)8と現像ローラ2に加えられた直流バイアス(Vdc1)7a間の電位差Δで現像ローラ2上に飛翔してトナー薄層6として保持され、感光体3との間の直流及び交流の重畳されたバイアス7bによって現像される。トナーの飛散を防ぐために、交流は現像の直前に印加する。
そして、図示していない制御回路からプリント開始信号が来ると、まず、帯電器56によって正帯電有機感光体(正OPC)で構成された感光体3が例えば400Vに帯電され、その後、例えば770nmの波長のLEDを用いた露光装置57による露光により、感光体3の露光後電位は約70Vになって潜像が形成される。そしてこの潜像は、現像ローラ2に加えられた直流バイアス(Vdc1)7aと交流バイアス7bにより、現像ローラ2上のトナー薄層6から感光体3に飛翔したトナーで現像され、トナー像が形成される。そして記録紙が、給紙カセット53から送りだされて無端状ベルト54で送られ、その記録紙が感光体3に達したとき、転写装置58(A、B、C、D)による転写バイアスが印加されて記録紙にトナー像が転写され、定着装置59で定着されて排紙される。その後前記したように、印刷データによって定期的に、交流(AC)バイアス(Vac)7bを印加したまま、直流(DC)バイアス(Vdc2)8を変化させて現像ローラ上のトナー薄層6を磁気ブラシ10に回収する。
そして本発明になる画像形成装置における現像装置50は、図1に示した供給ローラ1内部と、図2に示した固定磁石の位置と磁気穂圧縮手段の位置関係のように、現像ローラ2に対向して主磁極N1、その下流側に搬送磁極S1、さらに下流側に搬送磁極を構成すると共にさらに下流側の穂切りブレード(層厚規制ブレード)9と対向した対向磁極N3と共に分離磁極を構成するN2、そしてトリミング磁極S2とで構成される固定磁石を有し、さらに搬送磁極N2に対向する搬送空間上、すなわち図2にAで示した位置に磁気穂の圧縮手段30を置いて、この空間を狭域化したしたものである。
このように、供給ローラ1内部に設けられた搬送磁極N2に対向する搬送空間上、すなわち図2にAで示した位置に、磁気穂の圧縮手段30を設けることにより、供給ローラ1上に形成されて現像ローラ2上にトナー薄層6を形成してトナー量が少なくなった磁気ブラシ10は、矢印31方向に搬送磁極S1で運ばれて搬送磁極N2に達すると、この磁気穂の圧縮手段30によって圧縮されて薄くなり、密度と厚みが安定化されて搬送磁極N2と対向磁極N3で作られる0ガウス空間で確実に供給ローラ1から分離される。そして分離された現像剤は、パドルミキサー22により新たなトナーを含む現像剤と共に撹拌され、さらに対向磁極N3で磁気穂、すなわち磁気ブラシ10が形成されて穂切りブレード9で一定高さにされ、トリミング磁極S2を経由して主磁極N1で現像ローラ2上にトナーの薄層を形成する。
図6に示した表は、この磁気穂圧縮手段30と供給ローラ1との間隔をいろいろ変えて、ミキサームラと現像剤漏れを調べた実験結果である。すなわち、図2に示した供給ローラ1内の磁極N2と対向する位置に置いた磁気穂圧縮手段30とにより形成される狭域化された空間Aの、供給ローラ1と磁気穂圧縮手段30との距離(N2極と現像フレームの距離)を0.5mm,1mm,1.5mm,2mm,2.5mm,3mm,3.5mm,4.0mmと変化させ、現像剤の分離性として、全面ベタ画像におけるミキサームラの程度と現像漏れの程度を観察した物である。
この図6の表からわかるとおり、N2極と磁気穂圧縮手段30との距離を狭くしていくと、ミキサームラは良くなり、3.5mm,4.0mmと広げていくとミキサームラは悪化していった。これは、N2極に現像剤の圧力をかけることによって現像剤の分離性が向上したためと思われる。 また、この距離を0.5mmまで狭くすると、今度は現像剤漏れが発生した。これはN2極と現像フレームとの間を現像剤が通過できなくなったためと思われる。なお、本発明の現像装置構成では、分離帯(0ガウス空間)が供給ローラ1の中心位置より上部に位置させたため、現像剤はN2極からN3極へ移動し易い。しかしながら分離帯、特にN2極に現像剤による圧力をかけることで、供給ローラ1上の現像剤が確実にこの分離帯で分離され、入れ替わりが十分に行われる。
なお、搬送磁極N2と対向する搬送空間を狭域化する磁気穂圧縮手段30の狭域化幅域は、前記した層厚規制ブレード9のギャップより大きく、磁気穂高さより小さく設定する。この図6に示した表からもわかるとおり、このギャップは1mm以上、3mm以下であるように構成するとより好ましい結果が得られることがわかる。
また以上の説明では、磁気穂圧縮手段30を搬送磁極N2と対向する搬送空間を狭域化する機械的手段としたが、これはこういった機械的手段だけでなく、搬送磁極N2と対向する搬送空間に反発磁界を形成する磁気的手段であっても良いことはいうまでもない。
以上が本発明になる画像形成装置における現像装置であるが、本発明によれば、ハイブリッド現像方式を用いる画像形成装置における現像装置を、固定磁極部材が、層厚規制ブレードの対向磁極N3と供給ローラ1の回転方向上流側に位置する搬送磁極N2とを同極性に形成して両磁極間の供給ローラ1周面上に磁気ブラシ10の分離磁界帯を形成し、前記搬送磁極N2を対向磁極N3の下方に位置させて反重力方向に現像剤が移動するように磁気ブラシ10分離磁界帯を形成するとともに、該磁界帯入り口側の前記搬送磁極N2と対向する搬送空間上に磁気穂圧縮手段30を設けたことにより、磁気ブラシ10はこの磁気穂圧縮手段30で圧縮されて薄くされ、密度差が無くなって、現像ローラ2から回収したトナーを含む現像剤の供給ローラ1からの分離性能が高められて長期にわたり、現像ローラ2上のトナー層厚を安定させて濃度変化のない、安定した画像を維持できるようにした画像形成装置における現像装置を提供することができる。
そして、前記磁気穂圧縮手段30は、前記搬送磁極N2と対向する搬送空間を狭域化する機械的手段であり、この狭域化幅域が、層厚規制ブレード9のギャップより大きく磁気穂高さより小さく設定されていることが好ましく、より具体的には、このギャップが1mm以上、3mm以下であるように構成するとより好ましい結果が得られる。
本発明によれば、現像装置を複雑にすることなく、供給ローラ上に形成された磁気ブラシの密度差を無くし、現像ローラから回収したトナーを含む現像剤の磁気ロールからの分離性能高めて長期にわたって現像ローラ上のトナー層厚を常に安定させ、濃度変化のない安定した画像を維持できるようにした画像形成装置における現像装置を提供することができる。
本発明になる画像形成装置における現像装置の一実施形態の断面図である。
本発明になる画像形成装置における現像装置の供給ローラ内部に配置された固定磁石の位置と、磁気穂圧縮手段の位置関係を示した図である。
本発明になる画像形成装置における現像装置の感光体と現像装置との関係を説明する模式図である。
本発明になる現像方法を実施するハイブリッド型現像装置の概略構成図である。
本発明になる現像方法を実施する画像形成装置の一実施例の模式図である。
本発明になる画像形成装置における現像装置の磁気穂圧縮手段により、搬送磁極と対向する搬送空間を狭域化した実験結果を示した表である。
従来のハイブリッド方式現像装置における残像発生状況を説明するための図である。
従来のハイブリッド方式現像装置の一例の断面図である。
符号の説明
1 供給ローラ(磁気ローラ)
2 現像ローラ
3 感光体(潜像担持体)
9 穂切りブレード
12 現像装置の枠体
20 画像形成装置
22 パドルミキサー
23 撹拌ミキサー
25 トナーセンサー
26 仕切り板
30 磁気穂圧縮手段
31 供給ローラ1の回転方向
N1 主磁極
S1 搬送磁極
N2 搬送磁極
N3 対向磁極
S2 トリミング磁極