以下、本発明に係る画像形成装置を図面に則して更に詳しく説明する。尚、画像形成装置の構成部品の寸法、材質、形状、及びその相対位置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
実施例1
1.画像形成装置の全体構成及び動作
先ず、図1を参照して本実施例の画像形成装置の全体構成及び動作について説明する。図1は、本実施例の画像形成装置100の概略断面構成を示す。本実施例の画像形成装置100は、複写機能、プリンタ機能、FAX機能を併せ持つ複合機である。画像形成装置100の装置本体は、記録材に対する画像形成処理を行うプリンタ部10と、原稿読み取り装置20とを有する。そして、原稿読み取り装置20によって読み取られた原稿画像情報、或いは装置本体に通信可能に接続されたパーソナルコンピュータ、デジタルカメラなどの外部機器からの画像情報信号に応じて、電子写真方式によりフルカラー画像を形成する。
プリンタ部10は、像形成手段たる複数(本実施例では5個)の画像形成部を有する。先ず、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各有色トナーにより画像を形成するための第1、第2、第3、第4の有色画像形成部Pa、Pb、Pc、Pdである。更に、透明トナーによる画像を形成する透明画像形成部Ptである。
即ち、プリンタ部10には、像担持体としての円筒型の5つの感光体である(感光ドラム)1a、1b、1c、1d、1tが設けられている。そして、この5つの感光体1a、1b、1c、1d、1tのそれぞれに対し、それぞれ異なる分光特性の現像剤が装填された現像装置4a、4b、4c、4d、4tが対応して設けられている。これら1個の感光体と1個の現像装置との組み合わせを含む画像形成部Pa、Pb、Pc、Pd、Ptが、被転写体としての中間転写体である中間転写ベルト12の表面に対向して、その表面の移動方向に沿って直列に配置されている。そして、各像担持体上のトナーを中間転写体上に転写(一次転写)した後に記録材に転写(二次転写)して画像を出力するようになっている。
尚、本実施例では、各画像形成部の基本的な構成及び動作は、使用されるトナーの種類が異なることを除いて実質的に同一である。従って、以下、特に区別を要しない場合は、いずれかの種類のトナー用の要素であることを示すために符号に与えた添え字a、b、c、d、tは省略して総括的に説明する。
画像形成部Pにおいて、感光体1は、図示矢印R1方向(時計回り)に回転可能に支持されている。感光体1の周りには、以下の各手段が配置されている。先ず、感光体1を帯電させる帯電手段(一次帯電手段)としての帯電器(帯電ローラ)2が配置されている。次に、帯電した感光体1上を画像情報に応じて露光する露光手段としての露光装置(レーザー露光光学系)3が配置されている。次に、感光体1にトナーを供給してトナー像を形成する現像手段としての現像装置4が配置されている。次に、中間転写ベルト12を介して感光体1に対向するように、一次転写手段としての一次転写ローラ5が配置されている。更に、感光体1上のトナーを回収するクリーニング手段としてのクリーニング装置(クリーナ)6が配置されている。
中間転写ベルト12は、複数のローラとして、駆動ローラ13、従動ローラ14、二次転写対向ローラ15の3個のローラに掛け回されている。中間転写ベルト12は、駆動ローラ13に駆動力が伝達されることによって、図示矢印R2方向(反時計回り)に周回移動(回転)する。中間転写ベルト12の裏面側には、中間転写ベルト12を挟んで各感光体1に対向する位置に、一次転写手段としての一次転写ローラ5が配置されている。一次転写ローラ5の位置で中間転写ベルト12が感光体1に接触して一次転写部(一次転写ニップ)N1が形成される。又、中間転写ベルト12を介して二次転写対向ローラ15に対向する位置には、二次転写手段としての二次転写ローラ11が配置されている。二次転写ローラ11が中間転写ベルト12に接触して二次転写部(二次転写ニップ)N2が形成される。又、中間転写ベルト12の移動方向において二次転写部N2より下流、透明画像形成部Ptの一次転写部N1tよりも上流において、中間転写ベルト12を介して駆動ローラ13に当接するように、中間転写体クリーニング装置16が設けられている。
例えば、フルカラー画像の形成時には、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各有色画像形成部Pa、Pb、Pc、Pd、及び透明画像形成部Ptにおいて感光体1a、1b、1c、1d、1tが図示矢印R1方向に回転する。回転する感光体1は、帯電ローラ2により一様に帯電される。次いで、例えば、原稿読み取り装置20によって読み込まれた画像情報に従って、各感光体1上に、分解色毎に光像が照射される。これにより、各々の感光体1上に静電潜像(静電像)が形成される。
各感光体1上に形成された静電潜像は、各現像装置4により反転現像される。つまり、本実施例では、感光体1の表面の帯電極性と同極性(本実施例では負極性)に帯電したトナーが、露光により電荷が減衰した画像部(露光部)に付着し、感光体1上にトナー像が形成される。この時、現像装置4が備える現像剤担持体としての現像スリーブには、現像バイアス出力手段たる現像バイアス電源(図示せず)により現像バイアスが印加される。
各感光体1上に形成されたトナー像は、各一次転写ローラ5によって、被転写体としてのベルト状の中間転写体、即ち、中間転写ベルト12上に転写(一次転写)される。この時、各一次転写ローラ5には、各一次転写ローラ5に対してそれぞれ設けられた一次転写バイアス出力手段としての一次転写バイアス電源(図示せず)により、トナーの正規の帯電極性(本実施例では負極性)とは逆極性の一次転写バイアスが印加される。
有色画像形成部Pa〜Pd、及び透明画像形成部Ptにおいて形成されたトナー像は、中間転写ベルト12上で重ね合わされるように、中間転写ベルト12上に順次に一次転写される。その結果、中間転写ベルト12上にフルカラートナー像が形成される。
ここで、本実施例では、画像の光沢性、平滑性を向上するために、多重トナー像が略均一平面となるようにされている。つまり、本実施例では、作像可能領域の全面において、有色トナーの載り量の多い部分にはそれに応じた少量の透明トナーが重ねられ、一方、有色トナーの載り量の少ない部分にはそれに応じた多量の透明トナーが重ねられる(図5参照)。
尚、作像可能領域の全面に透明トナーを乗せた上に、略均一平面となるように有色トナー及び透明トナーを乗せてトナー像を形成するなどしてもよい。又、有色トナー及び透明トナーにより形成される略均一な平面上の全面に更に透明トナー像を形成するなどしてもよい。
その後、中間転写ベルト12上のフルカラートナー像は、二次転写部N2において記録材Sに一括して転写(二次転写)される。この時、二次転写ローラ11には、二次転写バイアス出力手段としての二次転写バイアス電源(図示せず)により、トナーの正規の帯電極性(本実施例では負極性)とは逆極性の二次転写バイアスが印加される。
記録材Sは、記録材供給部30から二次転写部N2に搬送される。つまり、記録材供給部30において、記録材収納部(カセット)31に収納された記録材Sが、記録材供給手段としてのピックアップローラ32などによって1枚ずつ送り出される。次いで、記録材Sは、レジストローラ33によって所望のタイミングにて二次転写部N2に搬送される。
二次転写部N2にてトナー像が転写された記録材Sは、搬送部を通り、定着手段としての熱ローラ定着器(定着器)9に搬送される。定着器9の加熱加圧ローラ対が形成する定着ニップを転写材Sが通過することによって、トナー像は記録材Sに定着される。その後、記録材Sは、排出トレイ又は記録材後処理装置(図示せず)に排出される。
尚、中間転写ベルト12上のトナーを検知する検知手段としての光学センサ21が以下の位置に配置されている。中間転写ベルト12のトナー像の転写面を形成するローラであって、中間転写ベルト12の移動方向において最下流の画像形成部Pdの一次転写部N1dよりも下流側にある従動ローラ14の対向位置である。光学センサ21は、各画像形成部Pa、Pb、Pc、Pd、Ptの感光体1a、1b、1c、1d、1tから転写された画像の位置ズレ及び濃度の検知を行う。光学センサ21の検知出力は制御回路70に入力される。これにより、制御回路70は、随時、各画像形成部Pa、Pb、Pc、Pd、Ptに対して、画像濃度、トナー補給量、画像書き込みタイミング、及び画像書き込み開始位置などに対して補正をする制御を行う。
本実施例での画像形成装置100のプロセススピードは300mm/secである。
2.感光体
次に、感光体1について更に説明する。感光体1は、支持体の上に、電荷発生層、電荷輸送層が順に設けられて形成される。更に、磨耗レートの小さい(機械的強度が高い)感光体1には、最表面に保護層が設けられる(実施例4等)。又、支持体と電荷発生層との間に、結着層、更には干渉縞防止などを目的とする下引き層が設けられていてよい。
支持体としては、支持体自身が導電性を持つもの、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金又はステンレスなどを用いることができる。その他に、アルミニウム、アルミニウム合金又は酸化インジウム−酸化スズ合金などを真空蒸着によって被膜形成された層を有する前記支持体やプラスチックを用いることができる。又、導電性微粒子(例えば、カーボンブラック、酸化スズ、酸化チタン及び銀粒子など)を適当な結着樹脂と共にプラスチックや紙に含浸した支持体、導電性結着樹脂を有するプラスチックなどを用いることができる。
又、支持体と感光層との間には、バリアー機能と接着機能を持つ結着層(接着層)を設けることができる。結着層は、感光層の接着性改良、塗工性改良、支持体の保護、支持体の欠陥の被覆、支持体からの電荷注入性改良及び感光層の電気的破壊に対する保護などのために形成される。結着層は、カゼイン、ポリビニルアルコール、エチルセルロース、エチレン−アクリル酸コポリマー、ポリアミド、変性ポリアミド、ポリウレタン、ゼラチン又は酸化アルミニウムなどによって形成できる。結着層の膜厚は、5μm以下が好ましく、特には0.1〜3μmが好ましい。
用いられる電荷発生物質としては、(1)モノアゾ、ジスアゾ及びトリスアゾなどのアゾ系顔料、(2)金属フタロシアニン及び非金属フタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料、(3)インジゴ及びチオインジゴなどのインジゴ系顔料、(4)ペリレン酸無水物及びペリレン酸イミドなどのペリレン系顔料、(5)アンスラキノン及びピレンキノンなどの多環キノン系顔料、(6)スクワリリウム色素、(7)ピリリウム塩及びチアピリリウム塩類、(8)トリフェニルメタン系色素、(9)セレン、セレン−テルル及びアモルファスシリコンなどの無機物質、(10)キナクリドン顔料、(11)アズレニウム塩顔料、(12)シアニン染料、(13)キサンテン色素、(14)キノンイミン色素、(15)スチリル色素、(16)硫化カドミウム及び(17)酸化亜鉛などが挙げられる。
電荷発生層に用いる結着樹脂としては、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、ブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ジアリルフタレート樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ポリスルホン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂及び塩過ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは、単独・混合或いは共重合体ポリマーとして1種又は2種以上用いることができる。
電荷発生層用塗料に用いる溶剤は、使用する樹脂や電荷発生物質の溶解性や分散安定性から選択されるが、有機溶剤としては、アルコール類、スルホキシド類、ケトン類、エーテル類、エステル類、脂肪族ハロゲン化炭化水素類又は芳香族化合物などを用いることができる。
電荷発生層は、前記の電荷発生物質を質量基準で0.3〜4倍量の結着樹脂及び溶剤と共に、ホモジナイザー、超音波、ボールミル、サンドミル、アトライター又はロールミルなどの方法でよく分散し、塗布、乾燥されて形成される。その厚みは、5μm以下が好ましく、特には0.01〜1μmの範囲が好ましい。
又、電荷発生層には、種々の増感剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤及び公知の電荷発生物質を必要に応じて添加することもできる。
用いられる電荷輸送物質としては、各種トリアリールアミン系化合物、各種ヒドラゾン系化合物、各種スチリル系化合物、各種スチルベン系化合物、各種ピラゾリン系化合物、各種オキサゾール系化合物、各種チアゾール系化合物及び各種トリアリールメタン系化合物などが挙げられる。
電荷輸送層を形成するのに用いられる結着樹脂としては、アクリル樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート、ポリサルホン、ポリフェニレンオキシド、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、アルキド樹脂及び不飽和樹脂などから選ばれる樹脂が好ましい。特に好ましい樹脂としては、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、ポリカーボネート樹脂及びジアリルフタレート樹脂が挙げられる。
電荷輸送層は、一般的には前記の電荷輸送物質と結着樹脂を溶剤に溶解し、塗布して形成する。電荷輸送物質と結着樹脂との混合割合(質量比)は、2:1〜1:2程度である。溶剤としては、アセトンやメチルエチルケトンなどのケトン類、酢酸メチルや酢酸エチルなどのエステル類、トルエンやキシレンなどの芳香族炭化水素類、クロロベンゼン、クロロホルム及び四塩化炭素などの塩素系炭化水素類、テトラヒドロフランやジオキサンなどのエーテル類などが用いられる。この溶液を塗布する際には、例えば、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法及びスピンナーコーティング法などのコーティング法を用いることができる。乾燥は10℃〜200℃が好ましく、より好ましくは20℃〜150℃の範囲の温度で、5分〜5時間が好ましく、より好ましくは10分〜2時間の時間で送風乾燥又は静止乾燥下で行うことができる。
電荷輸送層は、上述の電荷発生層と電気的に接続されており、電界の存在下で電荷発生層から注入された電荷キャリアを受け取ると共に、これらの電荷キャリアを輸送する機能を有している。保護層が設けられる場合には、電荷輸送層は、上記電荷発生層から注入された電荷キャリアを受け取ると共に、これらの電荷キャリアを保護層との界面まで輸送する機能を有する。この電荷輸送層は、電荷キャリアを輸送する限界があるので必要以上に膜厚を厚くすることができないが、5〜40μmが好ましく、特には7〜30μmの範囲が好ましい。
更に、電荷輸送層中に酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤及び公知の電荷輸送物質を必要に応じて添加することもできる。
本実施例では、アルミニウムシリンダー(JIS A3003アルミニウム合金)を支持体として、この上にポリアミド樹脂(商品名:アミランCM8000、東レ製)の5質量%メタノール溶液を浸漬法で塗布し、膜厚が0.5μmの下引き層を形成した。
次に、電荷発生材料としてCuKαのX線回折における回折角2θ±0.2が28.1°に最も強いピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニンの結晶3部とポリビニルブチラール2部をシクロヘキサノン100部に添加する。そして、1mmφガラスビーズを用いたサンドミルで1時間分散し、これにメチルエチルケトン100部を加えて希釈して電荷発生層用塗料を調製する。そして、上記下引き層上に、この電荷発生層用塗料を浸漬塗布し、90℃で10分間乾燥して、膜厚0.17μmの電荷発生層を形成した。
次いで、下記の化学式(1)の電荷輸送材料化合物7部及びポリカーボネート樹脂(ユーピロンZ400、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)社製)10部を、モノクロロベンゼン105部及びジクロロメタン35部に溶解した。この溶液を、前記電荷発生層上に浸漬塗布し、110℃で1時間熱風乾燥し、膜厚が13μmの電荷輸送層を形成した。
本実施例では、有色画像形成部Pa〜Pd及び透明画像形成部Ptのいずれの感光体1の最表面にも保護層は設けられていない。
3.現像
次に、現像装置4について更に説明する。本実施例では、各画像形成部Pa、Pb、Pc、Pd、Ptの現像装置4a、4b、4c、4d、4tは、使用するトナーの色が異なることを除いて、実質的に同一の構成とされる。又、本実施例における現像装置4の構成は、一般的な2成分現像剤を用いる現像装置と変わりない。
即ち、現像装置4は、現像剤を収容する容器(現像装置本体)を有する。容器内には、非磁性トナー(トナー)と磁性キャリア(キャリア)とを混合した2成分現像剤が収容されている。容器は、感光体1に対向した領域に開口部を有しており、この開口部に一部露出するようにして現像剤担持体としての現像スリーブが回転可能に配置されている。現像スリーブは、非磁性材料で構成され、その内部に磁界発生手段である固定のマグネットロールが配置されている。又、容器内には、現像剤攪拌搬送部材として撹拌スクリューが設けられている。容器内の現像剤は、この撹拌スクリューによって撹拌されながら容器内を循環搬送される。
現像動作時には、摩擦帯電により表面にトナーが付着しているキャリア、即ち、現像剤が、回転する現像スリーブ上に供給される。現像スリーブ上の現像剤は、現像剤規制部材によりその量が規制される。感光体1と対向する現像領域(現像部)に搬送された現像剤は、マグネットロールの発生する磁界により穂立ちして磁気ブラシを形成する。この磁気ブラシを感光体1に近接又は接触させることによって、静電潜像に応じて現像剤のトナーが感光体1上に供給される。本実施例では、磁気ブラシを感光体1に接触させて現像を行う接触2成分現像方式を採用している。この時、現像スリーブには、直流電圧に交流電圧を重畳した現像バイアスが、現像バイアス電源(図示せず)により印加される。静電潜像を現像した後の現像剤は、現像スリーブの回転によって容器内に回収される。
ここで、本実施例にて用いられる2成分現像剤について説明する。
有色画像形成部Pa、Pb、Pc、Pdの現像装置4a、4b、4c、4dには、2成分現像剤のトナーとして、樹脂と顔料を基体とした有色トナーが収容されている。一方、透明画像形成部Ptの現像装置4tには、2成分現像剤のトナーとして、樹脂を基体とした透明トナーが収容されている。
更に説明すると、有色トナーは、結着樹脂、着色剤含む着色樹脂粒子である。透明トナーは、光透過性が高く、着色剤の入らない樹脂粒子である。
トナーには、必要に応じてその他の添加剤が添加される。本実施例では、有色トナーには、トナー100重量部に対してシリカ(不定形、平均粒径約20nm)1.8重量部、酸化チタン(不定形、平均粒径約20nm)1.8重量部が添加されている。又、透明トナーには、シリカ(不定形、平均粒径約20nm)1.8重量部、酸化チタン(不定形、平均粒径約20nm)1.8重量部に加えて、無機微粉体として一次粒子の平均粒径が110nmで粒子形状が立方体状及び/又は直方体状のチタン酸ストロンチウムが3.0重量部添加されている。
無機微粉体は、硬度が高く研磨性能を有するが、粒子形状を立方体状及び/又は直方体状とすることで対象物との接触面積を大きくすることができ、又立方体又は直方体の稜線が対象物に当接することで特に優れた摺擦性を得ることができる。無機微粉体の一次粒子の平均粒径は、30nm以上300nm以下が好ましく、30nm未満では十分な研磨性能が得られず、300nmを超えるようだと研磨性能が強すぎて感光体の表面に傷がつき易くなる場合がある。無機微紛体としては、本実施例ではチタン酸ストロンチウムを用いるが、これに限定されるものではなく、チタン酸バリウム、チタン酸カルシウム、炭酸カルシウムなども用いることができる。
ここで、上記トナーの外添剤の平均粒径については、電子顕微鏡にて5万倍の倍率で撮影した写真から100個の粒径を測定して、その平均を求めた。粒径は、一次粒子の最長辺をa、最短辺をbとしたとき、(a+b)/2として求めた。
有色トナー、透明トナーとしては、公知のトナーを適宜使用可能である。本実施例では、トナーは、負帯電性のポリエステル系樹脂を基体とするものである。トナーの体積平均粒径は、5μm以上8μm以下が好ましい。本実施例では7.0μmであった。
又、キャリアは、例えば表面酸化或は未酸化の鉄、ニッケル、コバルト、マンガン、クロム、希土類などの金属、及びそれらの合金、或は酸化物フェライトなどが好適に使用化能であり、これらの磁性粒子の製造法は特に制限されない。キャリアは、体積平均粒径が20μm以上50μm以下、好ましくは30μm以上40μm以下である。又、キャリアは、抵抗率が107Ωcm以上、好ましくは108Ωcm以上である。本実施例では、体積平均粒径が35μm、抵抗率が5×109Ωcm、磁化量が200emu/ccのキャリアを用いた。
又、各現像装置4a、4b、4c、4d、4t内のトナーは、各色トナー(有色トナー及び透明トナーを含む。)毎に設けられたトナー収納部(ホッパー)から、現像装置4内のトナー比率(或いはトナー量)を一定に保つように、所望のタイミングにて随時補給される。
4.帯電
本実施例では、帯電手段は、感光体1に近接又は接触して配置されるローラ形状の帯電部材(帯電ローラ)2である。帯電ローラ2の芯金には、電源(図示せず)より所定の条件の帯電バイアス電圧が印加される。これにより、回転する感光体1の表面は、所定の極性・電位に接触帯電処理される。本実施例においては、帯電ローラ2に対する帯電バイアス電圧は、直流電圧Vdcと交流電圧Vacとを重畳した振動電圧である。より具体的には、−600Vの直流電圧Vdcと、周波数2.5kHz、後述する制御より求められた値のピーク間電圧Vpp、正弦波の交流電圧Vacと、を重畳した振動電圧である。
この帯電バイアス電圧により、回転している感光体1の表面は帯電ローラ2に印加した直流電圧と同じ−600V(暗電位Vd)に一様に接触帯電処理される。
帯電ローラ2に印加する交流電圧Vacのピーク間電圧Vppを必要以上に大きくした場合には、帯電ローラ2と感光体1との間に過剰な放電(放電電流)が発生し、感光体1上に帯電生成物が多く付着する。この帯電生成物は、感光体1の表面の劣化を誘発し、画像流れ、フィルミングなどの画質低下を引き起こす。そのために、感光体1の表面を一様に帯電処理する必要最小限のピーク間電圧(放電電流)に印加電圧を抑えることが好ましい。
そこで、本実施例の画像形成装置100では、以下のような制御を実施している。制御回路70は、画像形成装置100の画像形成準備回転動作時(前回転動作)において、帯電ローラ2に対して、図2の6点のピーク間電圧Vpp1〜Vpp6を順次に印加する。ピーク間電圧Vpp4、Vpp5、Vpp6は、放電領域である3点のピーク間電圧であり、Vpp4<Vpp5<Vpp6の関係にある。ピーク間電圧Vpp1、Vpp2、Vpp3は、未放電領域である3点のピーク間電圧であり、Vpp1<Vpp2<Vpp3の関係にある。そして、その時の感光体1を介して帯電ローラ2に流れる交流電流値(帯電AC電流量)を、交流電流値測定回路(図示せず)で測定し、制御回路70に入力させる。制御回路70は、上記測定された各3点の電流値から、最小二乗法を用いて、放電領域と未放電領域のピーク間電圧と交流電流の関係をそれぞれ直線近似する。ここで、放電領域の近似直線と未放電領域の近似直線との交点が、帯電ローラ2と感光体1との間の放電を開始する「放電開始ピーク間電圧」であり、放電領域における2つの近似直線の差分が放電電流である。
図3に、ピーク間電圧と放電電流との関係、及び帯電ローラ2に直流電圧−600Vを印加した時の感光体1の表面電位の関係を示す。この関係から、放電を開始するピーク間電圧以上の交流電圧(図3中のA点;1200Vpp)を帯電ローラ2に印加すると、感光体1の表面電位はおよそ−600Vに帯電処理されることが分かる(マクロ電位安定領域)。
但し、放電開始ピーク間電圧の近傍のピーク間電圧では、十分に感光体1の表面を均一に帯電処理することができず、局所的な帯電不良を原因とした「かぶり」、所謂、「砂地かぶり」を発生してしまう。
このような問題を解決するためには、一定以上の放電(放電電流)を発生させる必要がある。本実施例の場合には、雰囲気温度23℃・雰囲気湿度50%RHの環境下で、放電電流が40μA(図3中のB点;1425Vpp)以上になるようにすることで、感光体1の表面の電位を均一化することが可能となる(ミクロ電位安定領域)。
即ち、上記「砂地かぶり」が発生する範囲とは、マクロ電位安定領域であって、且つ、ミクロ電位が安定してない領域(図3中のA―B間)のことである。
目標放電電流は、画像形成装置100を使用する雰囲気環境によりそれぞれ異なり、一般に低湿環境では目標放電電流が大きくなり、高湿環境になるに伴って目標放電電流は小さくなる。
以上の制御を実施することにより、雰囲気温度23℃・雰囲気湿度50%RHの環境下での目標放電電流40μA(必要最小限の放電電流)になるピーク間電圧は1425Vpp(図3中のB点)と算出された。
同様に、雰囲気温度23℃・雰囲気湿度5%RHの環境下での目標放電電流(必要最小限の放電電流)は60μA、雰囲気温度30℃・雰囲気湿度80%RHの環境下での目標放電電流(必要最小限の放電電流)は30μAと算出された。
帯電ローラ2は、芯金(支持部材)の外回りに、下層と、中間層と、表層とを、下から順次に積層した3層構成である。下層は帯電音を低減するための発泡スポンジ層であり、表層は感光体1上にピンホールなどの欠陥があってもリークが発生するのを防止するために設けている保護層である。
より具体的には、本実施例における帯電ローラ2の仕様は下記の通りである。
・芯金:直径6mmのステンレス丸棒
・下層:カーボン分散の発泡EPDM、比重0.5g/cm3、体積抵抗値102〜109Ωcm、層厚3.0mm
・中間層:カーボン分散のNBR系ゴム、体積抵抗値102〜105Ωcm、層厚700μm
・表層:フッ素化合物のトレジン樹脂に酸化錫、カーボンを分散、体積抵抗値107〜1010Ωcm、表面粗さ(JIS規格 10点平均表面粗さRa)1.5μm、層厚10μm
又、帯電ローラ2の表面に付着したトナーや外添剤を除去する部材を設けることが好ましい。本実施例では、この部材として、可撓性を有するクリーニングフィルムを設けた。このクリーニングフィルムは、帯電ローラ2の長手方向に対し平行に配置され、且つ、同長手方向に対し一定量の往復運動をする支持部材に一端を固定され、自由端側近傍の面において帯電ローラ2と接触ニップを形成するよう配置されている。そして、その支持部材が、画像形成装置100の駆動モータ(図示せず)によりギア列を介して上記長手方向に一定量の往復運動するように駆動されて、帯電ローラ2の表層がクリーニングフィルムで摺擦される。これにより帯電ローラ2の表面の付着物(微粉トナー、外添剤など)が除去される。
5.クリーニング装置
次に、本実施例におけるクリーニング装置6について、図4を用いて説明する。
クリーニング装置6は、板金65に支持されたクリーニングブレード61、トナー捕集シート62、廃トナー回収容器63、クリーニングブラシ64、固形潤滑剤66などから構成されている。
クリーニング部材としてのクリーニングブレード61は、支持部材としての板金65の先端部に一体的に保持されている。クリーニングブレード61は、矩形板状の弾性部材であり、その長手方向が感光体1の長手方向と略平行となるように、短手方向の一方の端部側が板金65の先端部に固定され、短手方向の他方の端部である自由端が感光体1に当接するように配設されている。本実施例では、クリーニングブレード61は、感光体1に対してカウンター方向に、即ち、板金65との固定部に対して感光体1に当接する自由端が感光体1の表面の移動方向の上流側に位置するように配置されている。本実施例では、クリーニングブレード61は、ポリウレタンゴムから成り、感光体1に対して所定の侵入量、設定角の条件で当接されている。
クリーニングブレード61のゴム硬度としては、50〜85°(JIS A)が好ましく、より好ましくは60〜80°(JIS A)である。
クリーニングブレード61の当接圧は、10〜50g/cmであることが好ましい。クリーニングブレード61の当接圧が10g/cm未満である場合、トナーのすり抜けによるクリーニング不良が発生しやすくなり、又、50g/cmを超える場合、クリーニングブレード61の磨耗により満足な耐久性が得られ難くなる。
本実施例では、ゴム硬度が70°(JIS A)のウレタンゴムから成るクリーニングブレード61を用い、設定角は25°、侵入量は0.5〜1.3mmの範囲で、クリーニングブレード61の感光体1への当接圧が25g/cmとなるようにした。
ここで、図9に示す通り、クリーニングブレード61の「侵入量」とは、クリーニングブレード61の先端部が変形せずにそのまま感光体1へ侵入した仮想量である(図9中のδ)。又、図9に示す通り、クリーニングブレード61の「設定角」とは、上記仮想状態において、クリーニングブレード61の先端部と感光体1とが交わる点での接線とクリーニングブレード61とのなす角である(図9中のθ)。
又、クリーニングブレード61の「当接圧」の測定方法は、次の通りである。図10を参照して、先ず、1cm幅に切断したクリーニングブレード61を、モータ92により図中矢印方向へ移動可能なブレード台93にセットし、クリーニングブレード61を所望の設定角に設定して、荷重センサ94に当接させる。次いで、ブレード台93を求めたい侵入量分だけ荷重センサ94方向に移動させ、その時の荷重センサ94の出力値をアンプ95で増幅して電圧計96で読み取る。そして、予め求めておいた単位電圧当たりの荷重を、単位長さ当たりの線圧と置き換え、このようにして得られた値を当接圧とする。
クリーニングブラシ64は、感光体1の表面の移動方向においてクリーニングブレード61の上流側に配設されている。クリーニングブラシ64は、導電性の繊維を基布に織りこみ、それを直径6mmの芯金上に巻き付けて直径16mmのブラシ状に構成したものである。本実施例では、導電性繊維として、太さ6デニールのアクリルの導電糸を用い、繊維密度が50000本/inch2となるようにW織りで基布に植え込んだものをシート状に形成し、芯金との導通を確保するようにして巻き付けている。そして、クリーニングブラシ64は、感光体1に対する侵入量が1mm、当接幅(Lnip)が7mmとなるように感光体1に接している。又、クリーニングブラシ64は図示矢印R3方向に所定の周速度で回転駆動されている。即ち、クリーニングブラシ64は、感光体1とクリーニングブラシ64との接触部位において感光体1と同方向に移動するように回転して、感光体1を摺擦している。クリーニングブラシ64は、その回転軸線が感光体1の回転軸線と略平行となるように配設されている。
ここで、図4に示す通り、クリーニングブラシ64の「侵入量」とは、クリーニングブラシ64のブラシ部が変形せずにそのまま感光体1へ侵入した仮想量である(図4中のI)。又、クリーニングブラシ64の「当接幅」とは、上記仮想状態において、クリーニングブラシ64の先端が形成する円周と感光体1との交点間の直線距離である(図4中のLnip)。
固形潤滑材66としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウムなどが好適に用いられるが、本実施例ではステアリン酸亜鉛棒(小西製作所(株)製)を使用した。ステアリン酸亜鉛棒は、その長手方向が感光体1の長手方向と略平行となるように配設される。ステアリン酸亜鉛棒は、クリーニングブラシ64に当接しており、クリーニングブラシ64が回転することで削り取られる。回転する感光体1とクリーニングブラシ64とが擦れ合うと、クリーニングブラシ64上のステアリン酸亜鉛は感光体1の表面に塗布される。このように、クリーニングブラシ64は、潤滑剤塗布手段としての機能を有する。本実施例では、潤滑剤塗布手段は、クリーニングブラシ64としてクリーニング装置6に設けられているが、クリーニング装置6とは別個に設けてもよい。
本実施例において感光体1の表面にステアリン酸亜鉛を塗布する目的は、感光体1の削れ量の低減やフィルミングの抑制による耐久性の向上である。又、上記効果を継続して弊害無く保つためには、放電生成物を吸着したステアリン酸亜鉛膜を感光体1の表面から剥ぎ取り、新鮮なステアリン酸亜鉛と随時入れ替える必要がある。
放電生成物を吸着した潤滑剤の膜が感光体1の表面上に残っていた場合、画像流れが発生したり、感光体1の表面とクリーニングブレード61との間のトルクが増大しクリーニング不良、捲れ、クリーニングブレードの損傷などが誘発されたりする。
放電により劣化したステアリン酸亜鉛膜は、通常、クリーニングブレード61で掻き落とされ、新しいステアリン酸亜鉛と入れ替わっていくが、感光体1の長期使用後では、劣化したステアリン酸亜鉛が感光体1の表面上に残り易くなる。この劣化したステアリン酸亜鉛膜を除去するには、何らかの研磨剤を供給することが有効である。
この点、本実施例においてトナーの外添剤として用いる粒子形状が立方体状及び/又は直方体状の無機微粉体は、特に研磨性能が優れたものである。そのため、この無機微粉体をクリーニングブレード61と感光体1との当接部(クリーニングブレードニップ部)に介在させて摺擦することで、劣化したステアリン酸亜鉛膜を速やかに感光体1から除去することができる。
又、劣化したステアリン酸亜鉛は、クリーニングブレードニップ部の上流の、通常外添剤などの微粒子から構成される阻止層部でパッキングした状態になり易い。ここで、阻止層とは、ブレードクリーニングを円滑に行う為に通常必要とされるものであり、阻止層を形成している外添剤等の微粒子が微量にクリーニングブレードを通過することによりブレード捲れを防いでいる。又、阻止層の存在によりトナーが直接ブレードニップ部に進入するのを防ぎ、トナーがすり抜け難い状態を作っている。この阻止層部がパッキングした状態で、阻止層を形成する外添剤等の動きがなくなると、適量の微粉がすり抜けなくなり、クリーニングブレードのビビリ、捲れ等が発生したりする。そのためこのパッキング状態をほぐす必要がある。それをほぐすためにも、ここで用いる立方体状及び/又は直方体状の無機微粉体をクリーニングブレードニップ部に供給することが有効となる。
即ち、本実施例においてクリーニングブレード61に無機微粉体を供給する目的は、第1には、潤滑剤を感光体1の表面に塗布する構成において、劣化した潤滑剤の膜の残存による画像流れを発生させないことである。第2には、安定したクリーニング阻止層を作り長期的に安定したクリーニング性能を得ることである。
ここで、本発明の目的の一つは、潤滑剤を感光体1の表面に供給して、且つ、トナー載り量が多くなるような画像形成装置100においても、終始安定して良好なクリーニング性能と定着性能を得られるようにすることである。
そこで、本実施例では、有色トナー及び透明トナーのうち透明トナーだけに立方体状及び/又は直方体状の無機微粉体を外添する。そして、この透明トナーを、透明画像形成部Ptから、他の有色画像形成部Pa〜Pdのクリーニング装置6a〜6dに供給する。
つまり、クリーニング装置6に無機微粉体を供給するのが目的であれば、各色トナーに無機微粉体を外添して、直接各画像形成部のクリーニング装置6に無機微粉体を供給する方法を採っても、上記クリーニングに関する課題は解消されると考えられる。
しかしながら、各色トナーに無機微粉体を外添してしまうと、各色トナーを重ね合わせた時の無機微粉体の量が多くなり、定着性が悪化するため好ましくない。特に、本実施例のような高速機においては、定着ニップを通過する時間が短いので、トナーを瞬時に定着させなければならない。そのため、定着性に不利になるような無機微粉体の量は極力減らしたい。更に、本実施例では、画像形成装置100は、透明画像形成部Ptを搭載したフルカラー画像形成装置であり、画像の光沢性、平滑性を向上するために、図5に示すようにトナー載り量が全体的に多くなる機会が増える。この場合、全色トナー(有色トナー及び透明トナーを含む。)に無機微粉体が外添されていると、定着性に不利な方向になる。
又、透明トナーではなく、有色トナーのうちいずれか一色のトナーに無機微粉体を外添して、そのトナーを各画像形成部(有色画像形成部及び透明画像形成部を含む。)のクリーニング装置6に供給する方法が考えられる。
しかしながら、クリーニング装置6に供給したトナーをクリーニングブレード61で完全に止めることは難しく、極少量ではあるがクリーニングブレード61からすり抜けてしまう。そのため、他色のトナーが現像装置4内へ混入することがある。例えば、本実施例のような接触2成分現像では、このような他色のトナーの現像装置4内への混入が生じ易い。現像装置4内への他色のトナーの混入は、色再現性を乱す原因となり、フルカラー画像形成装置において問題となるが、混色するトナーが透明トナーの場合は、その量が微量の場合それほど大きな影響を与えない。又、クリーニングブレード61からすり抜け難くするために、透明トナーの粒径を有色トナーの粒径に比べてやや大きくする、又は円形度低くするなどの手法を用いても良い。
一方で、透明画像形成部Pt内への有色トナーの再転写による混色を避けるためには、本実施例のように、透明画像形成部Ptは、中間転写ベルト12の移動方向において最上流の画像形成部にすることが好ましい。最上流に透明画像形成部Ptを持ってくると、その下流にある画像形成部に透明トナーを供給し易い。又、最上流に透明画像形成部Ptを配置すれば、その下流にある画像形成部に透明トナーを供給するために、二次転写ローラ11、中間転写体クリーニング装置16を中間転写ベルト12から離脱しなくても良い。そのため、当該下流の画像形成部に透明トナーを簡便に供給することができる。
6.無機微粉体の供給方法
次に、本実施例における粒子形状が立方体状及び/又は直方体状の無機微粉体が外添された透明トナーを有色画像形成部Pa〜Pdに供給する方法を具体的に説明する。
先ず、透明画像形成部Ptにおいて、有色画像形成部Pa〜Pdに供給するための透明トナー像を形成するための所定の静電潜像(例えば、感光体1の回転方向の所定の幅で、感光体1の回転軸線方向に伸びる帯状の静電潜像)を形成する。次いで、この静電潜像を、現像装置4tにより透明トナーで現像する。こうして現像装置4tから感光体1t上に供給された負極性に帯電した透明トナーを、通常の一次転写工程と同様に一次転写ローラ5tに正極性のバイアスを印加することで、中間転写ベルト12上に転写させる。そして、その透明トナーを供給したい画像形成部の一次転写ローラ5に負極性のバイアスを印加することで、その画像形成部の感光体1上に透明トナーを転移させ、その感光体1の回転に伴い、その画像形成部のクリーニング装置6に透明トナーを供給する。例えば、第1の有色画像形成部Paのクリーニング装置6aに透明トナーを供給したい場合は、第1の有色画像形成部Paの一次転写ローラ5aに負極性のバイアスを印加する。これにより、第1の有色画像形成部Paの感光体1a上に透明トナーが転移され、第1の有色画像形成部Paのクリーニング装置6aに透明トナーが供給される。同様に、第2〜第4の有色画像形成部Pb、Pc、Pdのクリーニング装置6b、6c、6dに透明トナーを供給したい場合は、それぞれ第2〜第4の有色画像形成部Pb、Pc、Pdの一次転写ローラ5b、5c、5dに負極性のバイアスを印加する。
尚、下記のような量の透明トナーを各有色画像形成部Pa〜Pdの感光体1a〜1dに転移させるために一次転写ローラ5a〜5dに印加するバイアスは、高い転写性を求めているわけではないので、それほど大きな値に設定にする必要はない。例えば、画像形成時において透明トナーを一次転写するための一次転写バイアスが+500V〜+1500V程度である。これに対して、透明トナーを有色画像形成部Pa〜Pdにおいて感光体1a〜1dに転移させるためのバイアスは、−200V〜−1000V程度が適当である。
透明トナーを各画像形成部のクリーニング装置6に送る供給動作を実行するタイミングは、記録材に転写して出力するための出力画像を形成する画像形成時以外の期間である非画像形成中(前回転、紙間、後回転、調整モードなど)に設定する。ここで、前回転とは、出力画像の形成動作の前に感光体などを回転させて行う準備動作である。又、紙間とは、複数の記録材に対する連続した出力画像の形成動作中における記録材と記録材との間に対応する期間である。又、後回転とは、出力画像の形成動作の後に感光体などを回転させて行う整理動作である。又、調整モードとは、画像濃度調整、レジスト合わせ調整などの調整動作である。本実施例では、記録材Sに対する画像出力50枚毎に、感光体1の表面の移動方向と略直交する方向の画像形成幅全域にわたって、単位面積当たりの重量が0.5mg/cm2の透明トナーを、感光体1の表面の移動方向において1cm分供給する。
より具体的に説明すると、画像形成幅×1cmの横帯を4本、透明画像形成部Ptで作像し、中間転写ベルト12上に転写する。そして、中間転写ベルト12上の先頭の横帯が最近接の画像形成部であるイエロー画像形成部Paの転写部に到達するタイミングで、一次転写ローラ5aに−500Vを印加し、感光体1aに透明トナーを転移させる。この時、感光体1aの表面電位は0Vとしている。一次転写ローラ5aにバイアスが印加されるのは1本目の横帯が一次転写ニップN1aを通過するまでで、2本目の横帯が到達するまでには切られている。同様の方法で2本目の横帯がマゼンタ画像形成部Pb、3本目がシアン画像形成部Pc、4本目がブラック画像形成部Pdという具合に本実施例では透明トナーを各感光体に転移させた。
上記構成で以下の画像評価を行った。
(1)耐久性試験
Lゾーン:雰囲気温度23℃・雰囲気湿度5%RHの環境下
Mゾーン:雰囲気温度23℃・雰囲気湿度50%RHの環境下
Hゾーン:雰囲気温度30℃・雰囲気湿度80%RHの環境下
上記3環境で耐久性試験を行った。試験条件は、5枚間欠モードでの5万枚の通紙試験とした。ここで、通紙試験とは、下記評価チャートを記録材Sに形成して出力する動作を繰り返す試験である。又、5枚間欠モードとは、5枚連続プリント後、休止期間を設けるモードのことを言う。
評価チャートとしては、各色それぞれ5%の画像比率で長手方向に均一になるものを用いた。
耐久性の評価項目としては、クリーニング性に関わる項目として、クリーニングブレード欠け、すり抜けによる帯電ローラ汚れ、画像流れを評価した。
ここで、クリーニングブレード欠けの評価は、図8に示すように、5万枚の耐久試験の終了後の、クリーニングブレード61のエッジ抉れ(えぐれ)、クリーニングブレード61のエッジ落ちのレベルを評価した。エッジ抉れとは、クリーニングブレード61の短手方向の自由端側の端面61Aにおける厚み方向の感光体1側のエッジ部61Bを除く、その端面61Aの一部分が破損して欠落することを言う。又、エッジ落ちとは、上記エッジ部61Bの一部分が破損して欠落することを言う。図8に示すように、これらエッジ抉れ、エッジ落ちにより欠落した部分の、クリーニングブレード61の厚み方向の幅の最大値をW(μm)、クリーニングブレード61の短手方向の幅(深さ)の最大値をD(μm)とする。そして、D×Wの値として、50μm2未満の場合は評価A、50〜100μm2で評価B、100μm2を超えると評価Cとした。又、これらの値はクリーニングブレード61の長手方向に5点測定した時の平均値である。評価A、B、Cはそれぞれ下記の通りである。
A・・・良好な耐久性能が得られた。
B・・・耐久性能にやや難あるが、実用上問題無し
C・・・耐久性難有り。
帯電ローラ汚れの評価は、上記条件で耐久試験した帯電ローラを用いて画像形成することで行った。評価画像は以下の2種類を用いた。1つは帯電ローラ2により感光体1の表面に形成する暗部電位VDに直接現像させたものである(以下アナログHTと称す)。具体的には感光体の表面を暗部電位VDとして約−600Vに帯電させ、現像スリーブの電位を約−700Vに設定することで暗部電位VDに現像させる。この条件だと帯電ローラの汚れにより発生する帯電ムラが直接画像に反映するので、厳しい条件で汚れを評価できる。もう1つは通常の像露光を経て画像形成する方法を用いた(以下デジタルHTと称す)。上記画像は共にX−riteで測定した反射濃度が0.3乃至0.6の範囲のハーフトーン画像になるよう調整した。又、ハーフトーン画像は各色単色モードで評価した。評価ランクは以下の様に判断した。
ランクA:アナログHTで画像に帯電ローラ起因のムラが出ない。
ランクB:アナログHTではスジ状にムラが発生するが、デジタルHTでは画像に出ない。
ランクC:デジタルHTでムラが発生し実用上問題である。
画像流れは、通紙耐久後、2日間画像形成装置を放置させた後の画像で評価した。評価画像はデジタルHT、文字画像で行った。評価ランクは以下の様に判断した。
ランクA:デジタルHTにおいてドットが再現できている。
ランクB:反射濃度0.3以下のデジタルHTにおいて濃度がやや低下気味で文字がやや細リ気味の領域があるが、実用上問題無し。
ランクC:文字画像がボケており実用上問題である。
又、感光体1の表面の面荒れ・傷について、光学顕微鏡での表面観察と、デジタルHTでの画像評価を行った。表面観察において目立った面荒れ、傷がなく、デジタルHT画像も傷起因の画像不良がない場合は評価Aとした。又、表面観察において面荒れ、傷はある程度確認されたが、デジタルHT画像で感光体表面の面荒れ・傷起因の画像不良がない場合は評価Bとした。又、デジタルHT画像で感光体表面の面荒れ・傷起因の画像不良が見られる場合は評価Cとした。評価A、B、Cはそれぞれ下記の通りである。
A・・・良好な耐久性能が得られた。
B・・・耐久性能にやや難あるが、実用上問題無し
C・・・耐久性難有り。
評価結果を表1に示す。
(2)定着性試験
定着画像の定着性試験を、次のようにして行った。記録材S上に得られた画像をシルボン紙で、往復10回、約100g荷重で擦り、画像の剥がれをマクベス反射濃度の低下率(%)で評価した。即ち、定着画像(ベタ部)の摺擦前の画像濃度をD1、摺擦後画像濃度をD2としたとき、定着性F(濃度の低下率)は、下記式、
F=(D1−D2)/D1×100(%)
で表される。
定着性試験において、画像の反射濃度の低下率が10%以下であれば、定着性は良好である。又、低下率が20%を超えてしまうと、出力された画像を使用者が使用している時に、文字が剥がれたり、ハーフトーン画像がぼやけたり、場合によっては手や衣服や他の紙が汚れたりすることがあるため、好ましくない。
定着性試験の操作は、低温低湿(5℃、5%RH)環境下で行った。又、この定着試験の記録材S上におけるトナーの単位面積当たりの付着量(載り量)は、フルカラーモードでの最大載り量を想定して1.5mg/cm2とした。より詳しく説明すると、イエロー、マゼンタ、シアントナーをそれぞれ0.5mg/cm2で重ね合わせたものと、ブラックトナー0.5mg/cm2に透明トナーを1.0mg/cm2重ね合わせたもので評価した。
評価結果を表1に示す。評価A、B、Cはそれぞれ下記の通りである。尚、表1の結果は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各有色画像形成部Pa〜Pdについて同じであった。
A・・・良好な定着性が得られた。濃度低下率10%以下。
B・・・やや定着性に難があるが、実用できるレベル。濃度低下率10〜20%の範囲。
C・・・定着性難有り。濃度低下率20%超。
比較例1
本例では、透明トナーとして、トナー100重量部に対してシリカ(不定形、平均粒径約20nm)1.8重量部、酸化チタン(不定形、平均粒径約20nm)1.8重量部を外添したものを用いた。
その他の条件は実施例1と同じとし、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表1に示す。
本例では、粒子形状が立方体状及び/又は直方体状のチタン酸ストロンチウムが外添されていない透明トナーを用いた。そのため、放電により劣化したステアリン酸亜鉛膜の除去が確実に行えず、クリーニング性が不安定になり、Lゾーンでの帯電ローラ汚染、Hゾーンでのクリーニングブレード欠けが発生した。
比較例2
本例では、有色トナーとして、トナー100重量部に対してシリカ1.8重量部、酸化チタン1.8重量部、一次粒子の平均粒径が110nmで粒子形状が立方体状及び/又は直方体状のチタン酸ストロンチウム3.0重量部を添加したものを用いた。又、透明トナーとして、トナー100重量部に対してシリカ(不定形、平均粒径約20nm)1.8重量部、酸化チタン(不定形、平均粒径約20nm)1.8重量部に加えて、一次粒子の平均粒径が110nmで粒子形状が立方体状及び/又は直方体状のチタン酸ストロンチウム3.0重量部添加したものを用いた。
その他の条件は実施例1と同じとし、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表1に示す。
本例では、全ての画像形成部に粒子形状が立方体状及び/又は直方体状のチタン酸ストロンチウムを外添している。そのため、トータルの無機微粉体量が多くなり過ぎて、良好な定着性が得られなかった。
比較例3
本例では、透明トナーとして、トナー100重量部に対してシリカ(不定形、平均粒径約20nm)1.8重量部、酸化チタン(不定形、平均粒径約20nm)1.8重量部に加えて、一次粒子の平均粒径が20nmで粒子形状が立方体状及び/又は直方体状のチタン酸ストロンチウム3.0重量部を添加したものを用いた。
その他の条件は実施例1と同じとし、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表1に示す。
本例では、粒子形状が立方体状及び/又は直方体状のチタン酸ストロンチウムの粒径として20nmのものを用いている。そのため、満足な研磨能力が得られず、放電により劣化したステアリン酸亜鉛膜の除去が確実に行えず、Hゾーンでのクリーニングブレード欠けが発生した。
比較例4
本例では、透明トナーとして、トナー100重量部に対してシリカ(不定形、平均粒径約20nm)1.8重量部、酸化チタン(不定形、平均粒径約20nm)1.8重量部に加えて、一次粒子の平均粒径が310nmで粒子形状が立方体状及び/又は直方体状のチタン酸ストロンチウム3.0重量部を添加したものを用いた。
その他の条件は実施例1と同じとし、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表1に示す。
本例では、粒子形状が立方体状及び/又は直方体状のチタン酸ストロンチウムの粒径として310nmのものを用いている。そのため、Lゾーン及びHゾーンで、研磨能力が強過ぎ、感光体1の表面の面荒れが激しくなり、所々に傷も発生した。
比較例5
本例では、透明トナーとして、トナー100重量部に対してシリカ(不定形、平均粒径約20nm)1.8重量部、酸化チタン(不定形、平均粒径約20nm)1.8重量部に加えて、一次粒子の平均粒径が110nmで粒子形状が不定形のチタン酸ストロンチウム3.0重量部を添加したものを用いた。
その他の条件は実施例1と同じとし、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表1に示す。
本例では、粒子形状が不定形のチタン酸ストロンチウムを用いている。そのため、満足な研磨能力が得られず、放電により劣化したステアリン酸亜鉛膜の除去が確実に行えず、Hゾーンでのクリーニングブレード欠けが発生した。
実施例2
本実施例では、有色トナーとして、トナー100重量部に対してシリカ1.6重量部、酸化チタン1.6重量部を添加したものを用いた。又、透明トナーとしては、トナー100重量部に対してシリカ(不定形、平均粒径約20nm)1.6重量部、酸化チタン(不定形、平均粒径約20nm)1.6重量部に加えて、一次粒子の平均粒径が110nmで粒子形状が立方体状及び/又は直方体状のチタン酸ストロンチウム3.0重量部を添加したものを用いた。
その他の条件は実施例1と同じとし、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表1に示す。
本実施例では、トータルの外添量がトナー100重量部に対して3.8重量部であり、実施例1の4.2重量部よりも少ない。このように、トータルの外添量を更に少なくしたことにより、より良好な定着性が得られた。
ここで、上記「トータルの外添量(トナー100重量部に対して)」の算出方法は、次の通りである。本実施例の場合、イエロートナーでは、シリカ1.6重量部と酸化チタン1.6重量部なので合わせて3.2重量部である。同様に、マゼンタトナーでは3.2重量部、シアントナーでは3.2重量部、ブラックトナーでは3.2重量部である。又、透明トナーでは、粒子形状が立方体状及び/又は直方体状のチタン酸ストロンチウムが3.0重量部追加されているので6.2重量部である。これら全て合計すると19.0重量部であるが、これはトナー500重量部に対する量である。これをトナー100重量部当たりに換算すると3.8重量部となる。
このように、画像形成装置100において用いられる有色トナー及び透明トナーを含む全てのトナーの外添量の総量は、トナー100重量部に対して4.0重量部以下であることが好ましい。
実施例3
本実施例では、有色トナーとしては、トナー100重量部に対してシリカ1.5重量部、酸化チタン1.5重量部を添加したものを用いた。又、透明トナーとしては、トナー100重量部に対してシリカ(不定形、平均粒径約20nm)1.5重量部、酸化チタン(不定形、平均粒径約20nm)1.5重量部に加えて、一次粒子の平均粒径が110nmで粒子形状が立方体状及び/又は直方体状のチタン酸ストロンチウム2.0重量部を添加したものを用いた。
その他の条件は実施例1と同じとし、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表1に示す。
本実施例では、トータルの外添量がトナー100重量部に対して3.4重量部であり、実施例1の4.2重量部よりも少ない。このように、トータルの外添量を更に少なくしたことにより、より良好な定着性が得られた。又、現像性などのその他の耐久性も良好であった。
実施例4
本実施例では、有色画像形成部Pa〜Pdの感光体1の表面に保護層を設けた。この感光体1の表面の保護層としては、下記の化学式(2)の正孔輸送性化合物を電子線照射により重合させた化合物を含有する表層を塗工し硬化させたものを用いた。
この正孔輸送性化合物45部をn−プロピルアルコール55部に溶解し、更にテトラフルオロエチレン微粒子を5重量部添加して、高圧分散機(マイクロフルイタイザー、Microfluidics社製)にて分散させた表面保護層用塗料を調整した。この塗料を実施例1の3層感光体上に塗布した後、加速電圧150KV、線量40kGyの条件で電子線を照射し、膜厚3μmの保護層を形成し、電子写真感光体を得た。
感光体の表面の耐磨耗性の評価を次のようにして行った。感光体の表面の耐磨耗性の評価方法としては、テーバー磨耗試験方法を用いた。即ち、テーバー磨耗試験機(Y.S.S.Taber 安田製作所製)の試料台にサンプルを装着する。そして、2個の表面にラッピングテープ(冨士写真フィルム製 品名:C2000)を装着したゴム製の磨耗輪(CS−0)に各々荷重500gを掛け、1000回転後のサンプルの重量減少を精密天秤にて測定する。
本実施例の感光体1についてテーバー磨耗試験を行ったところ、0.5(mg/1000回転)であった。一方、実施例1で用いた感光体1についてテーバー磨耗試験を行ったところ、3.0(mg/1000回転)であった。
尚、この表面層(保護層)は、本実施例のものに限定されるものではなく、少なくとも熱、光、放射線の何れかにより重合或いは架橋し硬化させたものを好適に用いることができる。
本実施例のような感光体1の表面の保護層を用いることで、感光体1の削れを抑えることができ、更なる高耐久化が達成される。しかし、通常、感光体1の磨耗レートを低く抑えると、感光体1の表面に放電生成物や紙粉などが蓄積し、高温高湿下で画像流れなどの画質低下が問題となり易くなる。
これに対して、本実施例では、有色画像形成部Pa〜Pdの感光体1の表面には、ステアリン酸亜鉛を塗布しているため、磨耗レートの低い感光体1を用いながらも、画像流れの発生を抑えることができる。
一方、本実施例では、透明画像形成部Ptの感光体1の表面には保護層を設けていない。しかし、本実施例では、透明画像形成部Ptは、図6に示すように、クリーナレスシステムとする。これにより、透明画像形成部Ptにおいても更なる高耐久化を達成している。
このように、画像形成装置100における感光体1の長寿命化の点では、有色画像形成部Pa〜Pdの感光体1は少なくとも熱、光、放射線の何れかにより重合或いは架橋し硬化させた表面層を有するものとすることが好ましい。又、透明画像形成部Ptの感光体1は表面層を有しないものであり、且つ、透明画像形成部Ptはクリーナレスシステムであることが好ましい。
ここで、クリーナレスシステムとは、クリーニングブレードを取り外し、感光体上の転写残トナーを、現像手段によって「現像同時クリーニング」で感光体上から除去して、現像手段において回収・再利用するようにした装置構成である。又、「現像同時クリーニング」とは、転写後に感光体上に若干残留したトナーを、次工程以後の現像時に、かぶり取りバイアス(現像手段に印加する直流電圧と感光体の表面電位間の電位差であるかぶり取り電位差Vback)によって回収する方法である。この方法によれば、転写残トナーは現像手段に回収されて次工程以後に用いられるため、廃トナーを無くすことができる。従って、クリーナレスシステムは、他の画像形成部に供給するために透明トナーの使用量が多くなる透明画像形成部において、トナー消費量を低減できるので好ましい。
尚、タンデム式の画像形成装置において、被転写体の移動方向において或る画像形成部よりも下流の画像形成部でクリーナレスシステムを採用する場合、当該クリーナレスシステムを採用する画像形成部では、色味変動を引き起こし易い。つまり、上流の画像形成部で被転写体上に形成されたトナー像が、その下流に位置するクリーナレスシステムを採用する画像形成部を通過する際に、再転写現象によって当該クリーナレスシステムを採用する画像形成部の感光体に逆戻りする。そして、このトナー像が、クリーナレスシステムによって現像装置に取り込まれ、色味変動を引き起こし易いのである。従って、本実施例においても、実施例1と同様に、透明画像形成部Ptを、中間転写ベルト12の移動方向において最上流に配置している。
又、本実施例では、クリーナレスシステムである透明画像形成部Ptにおいては、感光体1に潤滑剤を塗布しない構成とした。これは、次のような理由による。第1には、クリーニングブレードが無いので、潤滑剤を塗布しなくても感光体1の磨耗が大幅に低減できることである。第2には、ステアリン酸亜鉛などの潤滑剤を塗布した際には、放電により劣化した潤滑剤の膜を除去する術が無いために、画像流れなどの画質低下を引き起こしてしまう場合があるためである。
その他の条件は実施例2と同じとし、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表1に示す。
本実施例では、耐久性能、定着性能共に問題なく、且つ、実施例2に比べて透明トナーの消費量を抑えることができた。
実施例5
本実施例では、透明画像形成部Ptをクリーナレスシステムにして、更に以下に説明するトナー吐き出し・回収モードを設けた。
本実施例では、図7に示すように、透明画像形成部Ptには、帯電補助手段として第1、第2の帯電補助部材7t、8tが設けられている。
第1、第2の帯電補助部材7t、8tは、一次転写部N1tよりも感光体1tの表面の移動方向の下流側、且つ、帯電ローラ2tによる感光体1tの帯電部よりも上流側に配置される。第1、第2の帯電補助部材7t、8tは、感光体1tの表面の移動方向において上流側から第1の帯電補助部材7t、第2の帯電補助部材8tの順に、それぞれ感光体1tに当接させて配置される。第1の帯電補助部材7tは残留トナー均一化手段としての機能を有し、第2の帯電補助部材8tはトナー帯電量制御手段としての機能を有する。
本実施例では、第1、第2の帯電補助部材7t、8tとしては、それぞれ導電性の繊維からなるブラシ部材を用いた。第1、第2の帯電補助部材7t、8tには、それぞれ電圧印加手段としての帯電補助バイアス電源(図示せず)より所定の電圧が印加される。
第1、第2の帯電補助部材7t、8tのブラシ部は、レーヨン、アクリル、ポリエステルなどの繊維にカーボンや金属粉を含ませて電気抵抗値を制御したものである。ブラシ部は、感光体1tの表面及び転写残トナーに均一に接触できるように、太さとしては30デニール以下、密度としては1〜50万本/inch2以上が好ましい。本実施例では、第1、第2の帯電補助部材7t、8tのブラシ部は共に、6デニール、10万本/inch2、毛足の長さ5mmで、ブラシの体積抵抗率は6×103Ω・cmとした。そして、第1、第2の帯電補助部材7t、8tを、ブラシ部が感光体1tの表面に対して侵入量1mmとなるように、感光体1tに当接させた。又、感光体1tの表面の移動方向におけるブラシ部と感光体1tとの当接ニップ部幅は5mmとした。又、第1、第2の帯電補助部材7t、8tは、感光体1tの回転軸線方向に、振幅2.5mm、周波数2.0Hzの往復運動を行なわせた。
ここで、第1、第2の帯電補助部材7t、8tの「侵入量」とは、それぞれのブラシ部が変形せずにそのまま感光体1tへ侵入した仮想量である。又、第1、第2の帯電補助部材7t、8tの「当接幅」とは、第1、第2の帯電補助部材7t、8tのそれぞれの先端の感光体1tに対する接触領域の、感光体1tの表面の移動方向の上流側の端部と下流側の端部との間の直線距離である。
通常、一次転写工程後の感光体1t上に残留した転写残トナーには、負極性トナー(正規極性トナー)、正極性トナー(逆極性トナー)が含まれている。本実施例では、このような正規極性のトナーと逆極性のトナーとが混在する転写残トナーを、第1の帯電補助部材7tにより回収することにより、基本的には帯電部に転写残トナーが送られないようにする。そのために、第1の帯電補助部材7tに印加する電圧の条件を、転写残トナーの回収性を高めるように設定する。本実施例では、第1の帯電補助部材7tには、画像形成時に、直流電圧を重畳した交流電圧を印加する。第1の帯電補助部材7tに交流電圧を印加することによって、感光体1t上の転写残トナーを静電的に回収する能力を向上させる。更に、第1の帯電補助部材7tには、上記交流電圧に重畳して、トナーの正規の帯電極性とは逆極性の直流電圧を印加する。これにより、感光体1t上の静電潜像を除電して、ポジゴーストを防止する。
又、第2の帯電補助部材8tには、画像形成時に、トナーの正規の帯電極性と同極性である負極性の電圧が印加される。これは、第1の帯電補助部材7tから僅かながらすり抜けてくるトナーによって帯電ローラ2tが汚されるのを防止するためである。本実施例では、第2の帯電補助部材8tに対して、放電開始電圧以上である−700V以上の直流電圧を印加する。これにより、第1の帯電補助部材7tからすり抜けて第2の帯電補助部材8tに至ったトナーは、十分な放電により負極性(正規極性)に帯電される。即ち、第2の帯電補助部材8tを通過するトナーは、その極性が負極性に一様に揃えられる。
その後、帯電工程にて、第2の帯電補助部材8tを通過した転写残トナーの上から感光体1tの表面を帯電処理する。この場合、転写残トナーの極性は第2の帯電補助部材8tによって負極性に一様に揃えられているため、トナーの帯電ローラ2tへの付着はない。又、帯電ローラ2tに印加する交流バイアスによって、転写残トナーの帯電電荷は適度に除電される。
続いて、露光部における露光装置3tによる露光工程において、転写残トナーの上から露光を行うが、転写残トナーの量は少ないため、更にはこの転写残トナーは透明トナーであるため、画像上に転写残トナーの存在による影響は現れない。
そして、転写残トナーは、現像装置4tの現像スリーブと感光体1tとの接触部(現像部)において、現像同時クリーニングにより、感光体1t上から現像装置4c内に回収される。
上述のように、透明画像形成部Ptでは、画像形成時に転写されずに感光体1tの表面に残った転写残トナーを、感光体1tに接触させた第1の帯電補助部材7tに回収させている。そのため、第1の帯電補助部材7tにはトナーが捕集される。第1の帯電補助部材7tに捕集されたトナーがそのまま蓄積されていけば、第1の帯電補助部材7tのトナー回収能力・トナー帯電能力が阻害される。
又、感光体1tの表面の移動方向において第1の帯電補助部材7tの下流側において感光体1に接触させた第2の帯電補助部材8tにも、第1の帯電補助部材7tを通過した転写残トナーが少なからず捕集される。そして、第2の帯電補助部材8tに捕集されたトナーがそのまま蓄積されていけば、第2の帯電補助部材8tのトナー帯電能力が阻害される。
そこで、本実施例では、第1、第2の帯電補助部材7t、8tから感光体1tの非画像域へトナーを吐き出させる制御を実行する。
先ず、第1、第2の帯電補助部材7t、8tからのトナーの吐き出し動作を略同時に行なう前動作として、帯電ローラ2tに印加する電圧を交流電圧のみにして、感光体1tの電位を略0Vに均す動作を行なう。そして、第1、第2の帯電補助部材7t、8tに印加する電圧を、トナー吐き出し用電圧に制御する。このトナー吐き出し用電圧は、略0Vである感光体1tの表面の電位が変動しない程度の電圧(本実施例では±300V)に制御する。又、トナーを吐き出した感光体1tの表面に対して帯電ローラ2tの電位は略0Vとする。これによって、正規極性のトナーと逆極性のトナーとが混在する、第1、第2の帯電補助部材7t、8tから吐き出されたトナーを、帯電ローラ2tに付着させずに帯電部を通過させることが可能である。即ち、第1、第2の帯電補助部材7t、8tから吐き出されたトナーによる帯電ローラ2tの汚染を防止することができ、その帯電ローラ2tのトナー汚染による画像不良の発生を軽減することができる。
ここで、第1、第2の帯電補助部材7t、8tに印加する、トナー吐き出し動作によって略0Vである感光体1tの表面の電位が変動しない程度のトナー吐き出し用電圧は、画像形成時の帯電開始電圧以下の電圧であることが好ましい。
第1、第2の帯電補助部材7t、8tから感光体1tの非画像域へ吐き出されたトナーは、感光体1tの回転により現像部に運ばれる。この現像部に運ばれたトナーは、基本的には、現像装置4tにおいて回収されるべきである。しかし、吐き出されたトナーの量が多量の場合は、現像装置4tにおいて回収しきれず現像部をそのまま通過するものも出てくる。
そこで、本実施例では、第1、第2の帯電補助部材7t、8tから吐き出されたトナーが現像部を通過するタイミングに合わせて、透明画像形成部Ptから各有色画像形成部Pa〜Pdに供給する透明トナーを、現像装置4tから感光体1t上に供給する。これにより、第1、第2の帯電補助部材7t、8tから吐き出されたトナーも同時に透明画像形成部Ptから各有色画像形成部Pa〜Pdに供給され、有効に用いられる。
クリーナレスシステムの透明画像形成部Ptにおいて、第1、第2の帯電補助部材7t、8tから感光体1tへのトナーの吐き出しは、次のようなタイミングで行う。即ち、中間転写ベルト12上に一次転写される画像が形成される感光体1t上の領域以外の非画像領域が一次転写部N1tに到達した際に、感光体1tの非画像域に吐き出したトナーを中間転写ベルト12上に転写できるタイミングで行なう。
上述のようにして中間転写ベルト12の非画像領域に転写された有色画像形成部Pa〜Pdに供給するための透明トナーは、中間転写ベルト12の移動に伴って透明画像形成部Ptの下流の有色画像形成部Pa〜Pdに運ばれる。ここで、透明画像形成部Ptの感光体1tから中間転写ベルト12の非画像領域に転写されるトナーは、第1、第2の帯電補助部材7t、8tから感光体1t上に吐き出されたトナー及び現像装置4tから感光体1t上に供給されたトナーである。そして、有色画像形成部Pa〜Pdの一次転写部N1a〜N1dにおいて感光体1a〜1d上に回収される。感光体1a〜1d上に回収された透明トナーは、感光体1a〜1dの回転に伴ってクリーニング装置6a〜6dに供給される。
本実施例においては、中間転写ベルト12に転写された有色画像形成部Pa〜Pdに供給するための透明トナーは、正規の帯電極性である負極性に帯電している。この透明トナーを有色画像形成部Pa〜Pdのクリーニング装置6a〜6dに供給するためには、各有色画像形成部Pa〜Pdの一次転写ローラ5a〜5dに、通常の画像形成時に印加する正規のバイアスとは逆極性のバイアスを印加する。尚、各有色画像形成部Pa〜Pdのクリーニング装置6a〜6dに供給する透明トナーの量は実施例1と同様であってそれほど多量でない。そのため、各有色画像形成部Pa〜Pdの一次転写ローラ5a〜5dに印加する逆極性のバイアスは、それほど大きな値に設定にする必要はない。
このように、本実施例では、透明画像形成部Ptは、感光体1t上のトナーを捕集して静電像を現像するトナーと同じ極性に帯電させる帯電補助手段7t、8tを有している。又、出力画像の形成時以外の期間に、帯電補助手段7t、8tから感光体1t上に上記捕集されたトナーを吐き出す動作を行う。そして、その吐き出されたトナーが、中間転写ベルト12を介して有色画像形成部Pa〜Pdのクリーニング装置6a〜6dに供給される。
その他の条件は実施例4と同じとし、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表1に示す。
本実施例では、いずれの環境でも良好な耐久性、定着性能が得られた。
本実施例では、第1、第2の帯電補助部材7t、8tに捕集されたトナーを中間転写ベルト12に吐き出す構成とした。それ以外に、透明画像形成部Ptの現像装置4t中に含まれる、正規の帯電極性とは反対の極性に帯電している反転トナーや電荷量の低いトナーなどの不要なトナーを強制的に現像装置4tから感光体1t上に吐き出す構成とすることもできる。そして、その吐き出した透明トナーを各有色画像形成部Pa〜Pdに供給することができる。現像装置4tから上記の如きトナーを吐き出すためには、感光体の表面の帯電電位に対して現像スリーブの電位を反転トナー極性側に設定すれば良い。例えば反転トナーがポジ(正極性)の場合、感光体の表面電位を一様に−600V、現像スリーブ電位を−450Vとすると、反転トナーは感光体の表面側に飛翔する。より積極的に吐き出したい時は、現像バイアスに交流成分(例えば2KVpp)を重畳すればよい。
尚、本実施例では、第1、第2の帯電補助部材7t、8tとしてデッキブラシ形状のものを用いたが、この形状に限定されるものではなく、同様の効果が得られるのであれば、例えばロールブラシなどでも良い。又、制御するバイアスの値も本実施例の数値に限るものではなく、良好な帯電性能、吐き出し性能を得ることができ、そして有色画像形成部Pa〜Pdに透明トナーを問題無く供給できるものであればよい。
実施例6
本実施例では、透明画像形成部Ptの帯電ローラ2tの放電電流を、感光体1tの表面のマクロ電位が安定領域でミクロ電位が不安定領域である、所謂、砂地かぶり発生領域に設定する。
放電電流設定を高くすると、発生するオゾン量が多くなり、感光体1の表面及び帯電ローラ2の表面に付着する放電生成物(NOxなど)が増加する。これに起因して帯電ローラ2の表面はべた付き感が増し、外添剤やトナーの付着力が高まり、汚染され易くなる。又、感光体1の表面は、画像流れやフィルミングが発生し易くなるのと同時に、感光体1の表面の分子結合が放電エネルギーによって切断されるか或いは弱まり、感光体1の磨耗が促進される。このような観点から、放電電流はできるだけ低く設定した方が良いが、放電電流の下限値は、通常、砂地かぶりが発生しない領域で設定しなければならない。
しかし、透明画像形成部Ptでは、帯電ローラ2tの放電電流を砂地かぶり発生領域に設定しても、透明トナーは無色透明であるため、画像特性上は影響を受けない。本実施例における透明画像形成部Ptの帯電ローラ2tの放電電流は次のように設定した。
Lゾーン:50μA
Mゾーン:20μA
Hゾーン:15μA
このように、透明画像形成部Ptの感光体1を帯電させる帯電手段は、感光体1tに近接又は接触するローラ形状の帯電部材(帯電ローラ)2tであり、これに直流電圧に交流電圧を重畳したバイアスを印加することにより感光体1tの帯電処理が行われる。そして、本実施例では、帯電ローラ2tにバイアスを印加した際に帯電ローラ2tと感光体1tとの間に発生する放電電流量を、感光体1tの被帯電処理面をほぼ一定の帯電電位に帯電処理できるが、局所的には帯電電位が不安定な領域が生じる範囲内で制御する。
その他の条件は実施例2と同じとし、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表1に示す。
本実施例では、いずれの環境でも良好な耐久性、定着性能が得られた。
又、実施例2に比べて、透明画像形成部Ptの帯電ローラ2tの表面の外添剤付着のレベルは良いものであった。又、感光体1tの磨耗も減少した。本実施例によれば、透明画像形成部Ptの更なる長寿命化が図れた。
実施例7
本実施例では、実施例6と同様に、透明画像形成部Ptの帯電ローラ2tの放電電流を、砂地かぶり発生領域に設定した。本実施例における透明画像形成部Ptの帯電ローラ2tの放電電流は次のように設定した。
Lゾーン:50μA
Mゾーン:20μA
Hゾーン:15μA
その他の条件は実施例5と同じとし、実施例1と同様の評価を行った。
本実施例では、いずれの環境でも良好な耐久性、定着性能が得られた。
又、実施例5に比べて、透明画像形成部Ptの帯電ローラ2tの表面の外添剤付着レベルは更に良いものとなった。透明画像形成部Ptがクリーナレスシステムを採用する場合においても、本実施例によれば、透明画像形成部Ptの更なる長寿命化が図れ、長期的に安定した画像を形成することができた。
以上説明したように、本発明によれば、感光体の表面に潤滑剤が塗布された状態で安定したクリーニングがなされて、高耐久性の感光体を用いた場合においても画像流れ/フィルミングの発生が防止され、且つ、安定した画像特性を高水準に維持することができる。