JP2009151068A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】初期における感光体表面の帯電電位の安定化が可能な電子写真方式の画像形成装置を提供することを目的とする。
【解決手段】非画像形成時の所定時間、転写手段を動作させることなく、帯電手段により感光体表面を帯電させるエ−ジング動作を行わせるエ−ジング手段を具備し、画像形成動作前に、感光体を2回転させ、1回転目に、帯電手段による帯電と、静電潜像を形成する際に用いる露光手段もしくは除電する際に用いる露光手段、あるいはその2つの露光手段を用いて全面露光することで感光体内部に電荷対を生成し、2回転目に感光体を帯電手段により帯電し、3回転目に感光体を帯電手段により帯電した際の帯電電流測定を行い、測定された電流値に応じて、画像形成動作時に感光体を帯電するために帯電手段に印加する帯電バイアスを制御し、3回点目途中より画像形成を行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、複写機、プリンタ、ファックスなどの電子写真方式の画像形成装置に関するものである。
電子写真方式の画像形成装置は、像担持体としての回転可能な電子写真感光体と、この感光体に作用する電子写真プロセス手段を有する。電子写真プロセス手段は、一般的には、帯電装置、像露光装置、現像装置、転写装置、クリーニング装置、露光除電装置などである。帯電装置はコロナ帯電器・帯電ローラなどであり、感光体の表面を所定の極性・電位に一様に帯電する。像露光手段は感光体の一様帯電面に対して画像情報に対応した像露光をして静電潜像を形成する。現像装置は静電潜像をトナー像(現像剤像)として現像する。転写装置は感光体上のトナー像を記録材に転写する。クリーニング装置は転写後の感光体上から残留トナーを除去する。露光除電装置は感光体面を全面露光して除電することで電気的な残留メモリを消去する。そして、画像形成装置は、記録材上の未定着トナー像を定着するための定着装置を有している。
従来、電子写真方式の画像形成装置では、一般に感光体は、電荷発生層及び電荷輸送層で構成された感光層を有する。そして、プリント開始の信号により、感光体は一定方向に回転駆動されることで、表面が移動するようになっている。
そして、その感光体の表面を帯電装置により一定の電位まで帯電する。このときの感光体の表面電位を帯電電位(暗電位)Vdと呼ぶ。さらに、像露光装置により、コントローラからの信号に基づいてオン/オフ制御されたレーザー光或いはLED光を感光体表面に照射する。感光体表面の光照射された部分は電位が低下することで、感光体表面には静電潜像が形成される。この光照射された感光体表面部分の電位を潜像電位(明電位)Vlと呼ぶ。
そして、感光体に対向配置した、トナー(現像剤)が収容された現像装置の現像部材に現像電位Vdevを印加し、所定の電荷が付与されたトナーを感光体上の静電潜像に移すことにより、静電潜像をトナー像とする。
そして、感光体に隣接して配置され、感光体と略同速度で順方向に回転する転写ローラ等の転写部材にトナーの帯電極性とは逆極性のバイアスを印加し、その状態で感光体と転写部材との間に記録材(転写材)を通過させる。これにより、感光体上のトナー像が記録材上に転写される。
以上のような画像形成プロセスにおいて、帯電装置により感光体を帯電する帯電工程における帯電電位の均一性は、画像濃度の均一性を決定している。そのため、感光体表面の帯電を均一に行うことは、画像濃度が安定した印字を行う上で非常に重要である。また、たとえ1つの画像上で均一に帯電を行うことができても、温度・湿度による環境の変化、又は繰り返し印字を行うことにより、帯電電位が変化して画像濃度が変化するという問題がある。つまり環境の変化や、繰り返し印字に対する帯電電位の安定性も、画像濃度が安定した印字を行う上では非常に重要なことである。
また、感光体に静電潜像を形成する際、もしくは感光体を除電する手段として露光を行う際に、感光体中に生成された電荷対が残留電荷として留まるために、時間と共に表面電位(帯電電位)Vdが変動する現象が生じる。これは、感光層内の残留電荷数が減少することにより表面電位Vdが低下するためである。
図10に示すように、このような表面電位Vdの低下に伴い(A→B)、同時に潜像電位Vlが低下することで、結果的に現像コントラストがページ毎に増加し、主にハーフトーンの色味がページ毎に濃くなってしまい、安定した印字を行う弊害となってくる。ここで、現像コントラストとは潜像部での露光後の潜像電位Vlと現像部の現像時の現像電位Vdevとの差のことである。
よって、このような表面電位Vdの変動を加味した上で、画像形成動作時に帯電装置に印加する帯電バイアス値を制御することが非常に重要となってくる。
特許文献1には、帯電時の電流を検知して系全体のインピーダンスを演算し、帯電装置に印加する帯電バイアスを制御することで、環境や繰り返し印字による帯電時の電位の不安定性を補正する方法が開示されている。
しかし、帯電装置による帯電時の電位を安定させても、前記のような露光により感光体の感光層に発生する残留電荷の影響で帯電後の感光体表面電位が変化することを防ぐことはできない。
特許文献2には、この残留電荷の影響で主に初期の表面電位が変動することを解消する手段が開示されている。これはエージング動作として画像形成前に帯電バイアスを印加したまま感光体を回転させ、帯電電流が所定の値以下になった時点、つまり感光体の表面電位変動の小さくなった時点で画像形成を開始し、安定した、高い画像品位を得る方法である。
特開平8−166706公報 特開平7−92752公報
しかしながら、特許文献2では以下のような問題点があった。
1)感光体の表面電位低下、感光体の昇温が安定するまで画像形成を行えず、生産性が低下する。すなわち、プリント開始の信号が入力してから、1枚目の画像が出力されるまでの時間(FPOT:First Print Out Time)が長くなる。
2)エージング動作に伴い感光体・帯電部材の寿命が短くなる。
そこで、本発明の目的は、上記2つの問題を解決し、電子写真感光体表面の帯電電位の安定化を短時間でまた部材の消耗を避けるような方法で図ることにより、良好な画質の画像を得ることを可能にした画像形成装置を提供することにある。
上記の目的を達成するための本発明に係る画像形成装置の代表的な構成は、回転可能な電子写真感光体と、帯電バイアスが印加されて前記電子写真感光体の表面を一様に帯電する帯電手段と、帯電された前記電子写真感光体の表面に露光により静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記静電潜像を現像剤像として現像する現像手段と、前記現像剤像を記録材に転写する転写手段と、現像剤像転写後の前記電子写真感光体の表面を露光して除電をおこなう露光除電手段と、を有する画像形成装置において、前記帯電手段が前記電子写真感光体の表面を帯電するための帯電電流値を測定する帯電電流測定手段と、測定された前記帯電電流値に応じて、画像形成動作時に前記帯電手段に印加する帯電バイアス値を制御する帯電バイアス制御モードを実行する制御手段と、を有し、
前記帯電バイアス制御モードは、画像形成動作前における前記電子写真感光体の回転状態時に、
1)前記電子写真感光体の表面に対して、前記帯電手段を用いた帯電と、前記静電潜像形成手段又は前記露光除電手段、あるいは前記静電潜像形成手段及び前記露光除電手段を用いた全面露光を行う第1行程と、
2)前記帯電と前記全面露光がなされた電子写真感光体の表面に対して、前記帯電手段を用いた帯電を行う第2行程と、
3)前記第2行程後の電子写真感光体の表面を前記帯電手段を用いて帯電した際の前記帯電電流測定手段により測定された前記帯電電流値に応じて画像形成動作時に前記帯電手段に印加する帯電バイアス値を演算する第3行程と、
を有していることを特徴とする。
本発明の画像形成装置によれば、電子写真感光体に表面電位の変動が生じる状態でも現像時の感光体表面電位、現像電位、潜像電位の差を一定に保つことができる。そして、生産性を大きく低下させることなく、また、表面電位の変動が安定するまで過剰なエージング等を行うことがない。そのため、電子写真感光体やこれに作用する部材の短寿命化を抑制し、画像濃度の安定した高画質印字を行うことができる。
<実施例1>
(1)画像形成部
図3は本実施例における画像形成装置100の概略構成を示す模型図である。この画像形成装置100は、電子写真画像形成プロセスを用いた、4色フルカラーのレーザービームプリンタであり、パソコン等の外部ホスト装置200から制御手段10に入力する電気的画像信号に対応した画像を記録材(記録媒体)に形成する。制御手段(コントローラ、制御回路部)10は、外部ホスト装置200との間で各種情報の授受をすると共に、画像形成装置の動作を所定の制御プログラムや参照テーブルにしたがって制御する。記録材は、例えば、記録用紙、OHPシート或いは布などの転写材、また、中間転写ドラムや中間転写ベルト等の中間転写体である。
Y・M・C・Bは図面上右から左に順に配列した第1〜第4の4つの色トナー像形成ステーション(画像形成部)である。各ステーションY・M・C・Bは、それぞれ形成するトナー像の色が異なるだけで作像機構は互いに同様の電子写真プロセス機構である。図4は、その1つの色トナー像形成ステーションの拡大図である。
各ステーションY・M・C・Bは、何れも、回転可能な像担持体としてのドラム型の電子写真感光体(以下、感光ドラムと記す)1と、この感光ドラム1に作用するプロセス手段を有する。感光ドラム1は中心支軸(不図示)を中心に矢印R1の時計方向に所定の周速度をもって回転駆動される。プロセス手段は、感光ドラム1の周囲に、ドラム回転方向に沿って配設された、帯電手段2、静電潜像形成手段35、現像手段31、転写手段32、クリーニング手段33、露光除電手段3である。
ステーションYは感光ドラム1の面にフルカラー画像のイエロー(Y)成分像に対応するY色トナー像を形成する。ステーションMは感光ドラム1の面にフルカラー画像のマゼンタ(M)成分像に対応するM色トナー像を形成する。ステーションCは感光ドラム1の面にフルカラー画像のシアン(C)成分像に対応するC色トナー像を形成する。そして、ステーションBは感光ドラム1の面にフルカラー画像のブラック(B)成分像に対応するB色トナー像を形成する。
34は複数の支持ローラ37間に懸架させて張設した転写ベルトであり、各ステーションY・M・C・Bの下側に、全ステーションに亘たらせて配設してある。転写ベルト34は矢印R34の反時計方向に、感光ドラム1の周速度に対応した周速度で回動駆動される。
転写手段32は転写ローラであり、各ステーションY・M・C・Bにおいて、感光ドラム1の下面に対して転写ベルト34を挟んで圧接して転写ニップ部Tを形成している。
101は給紙カセットである。このカセット101内に積載されて収納されている記録材Pが給紙ローラ102により一枚宛繰り出されて給送され、レジストローラ103により所定の制御タイミングにて、転写ベルト34の第1の色トナー像形成ステーションY側の端部に給送される。転写ベルト34は給送された記録材Pを静電的に吸着保持して、あるいはチャックで把持して各ステーションY・M・C・Bの転写ニップ部Tへ順次に搬送する。これにより、同一の記録材Pの面に対して、各ステーションY・M・C・Bの感光ドラム1の表面に形成されているY色トナー像、M色トナー像、C色トナー像、及びB色トナー像が順次に位置合わせ状態で重畳転写される。この各色トナー像の重畳転写により記録材上に未定着のフルカラートナー像が合成形成される。
第4のステーションBの転写ニップ部Tを通過した記録材Pは、転写ベルト34から分離され、定着手段107に導入されて未定着トナー像の加熱定着処理を受け、フルカラー画像プリントとして排出される。
また、各ステーションにおいて、記録材Pに対するトナー像転写後の感光ドラム1の表面は、クリーニング手段33により転写残トナー等の除去を受けて清掃され、更に露光除電手段3による全面露光を受けて除電され、繰り返して画像形成に供される。
モノクロ画像形成物あるいは単色画像形成物も出力も可能である。この場合は、その画像形成モードを選択すると、第1〜第4の4つの色トナー像形成ステーションY・M・C・Bのうち、選択された画像形成モードに対応したステーションだけが画像形成動作する。他のステーションは感光ドラム1の回転駆動はなされるけれども画像形成動作はなされない。
(2)感光ドラム1
本実施例においては、感光ドラム1は負帯電性のOPC感光体(有機感光体)であり、直径30mmのアルミニウム製のドラム基体上に下記の第1〜第5の5つの層を下から順に積層して設けたものである。図5はその感光ドラム1の層構成模型図である。
ドラム基体12:感光層の支持体として用いる基体である。基体12は導電性を有するものであればよい。例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、亜鉛、ステンレス、バナジウム、モリブデン、クロム、チタン、ニッケル及びインジウム等の金属をドラム状又はシート状に成形したものが挙げられる。また、アルミニウムや銅等の金属箔をプラスチックフィルムにラミネートしたもの、アルミニウム、酸化インジウム及び酸化スズ等をプラスチックフィルムに蒸着したものが挙げられる。また、導電性物質を単独又は結着樹脂と共に塗布して導電層を設けた金属、プラスチックフィルム及び紙等が挙げられる。
第1層13:バリアー機能と接着機能をもつ下引き層である。材料としては、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、ニトロセルロース、エチルセルロース、メチルセルロース、エチレン−アクリル酸コポリマー、アルコール可溶アミド、ポリアミド、ポリウレタン、カゼイン、ニカワ及びゼラチン等が挙げられる。下引き層13は、これらの材料を適当な溶剤に溶解した溶液をドラム基体12上に塗布し、乾燥することによって形成している。
第2層14:正電荷注入防止層である。ドラム基体12から注入された正電荷が感光体表面に帯電された負電荷を打ち消すのを防止する役割を果たす。アミラン樹脂とメトキシメチル化ナイロンによって1×10Ω・cm程度に抵抗調整された厚さ1μmの中抵抗層である。
第3層15:電荷発生物質を含有する電荷発生層である。電荷発生物質としては、例えば、モノアゾ、ジスアゾ、トリスアゾなどのアゾ顔料や、金属フタロシアニン、非金属フタロシアニンなどのフタロシアニン顔料や、インジゴ、チオインジゴなどのインジゴ顔料が挙げられる。また、ペリレン酸無水物、ペリレン酸イミドなどのペリレン顔料や、アンスラキノン、ピレンキノンなどの多環キノン顔料や、スクワリリウム色素や、ピリリウム塩及びチアピリリウム塩や、トリフェニルメタン色素が挙げられる。また、セレン、セレン−テルル、アモルファスシリコンなどの無機物質や、キナクリドン顔料や、アズレニウム塩顔料や、シアニン染料や、キサンテン色素や、キノンイミン色素や、スチリル色素や、硫化カドミウムや、酸化亜鉛などが挙げられる。これらの中でも、特にオキシチタニウムフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニンなどの金属フタロシアニンが好ましい。
電荷発生層15は、電荷発生物質を結着樹脂及び溶剤と共に分散して得られる電荷発生層用塗布液を塗布し、これを乾燥させることによって形成することができる。分散方法としては、ホモジナイザー、超音波、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミルなどを用いた方法が挙げられる。電荷発生物質と結着樹脂との割合は、10:1〜1:10(質量比)の範囲が好ましく、特には3:1〜1:1(質量比)の範囲がより好ましい。
電荷発生層用塗布液に用いる溶剤は、使用する結着樹脂や電荷発生物質の溶解性や分散安定性から選択される。有機溶剤としては、アルコール、スルホキシド、ケトン、エーテル、エステル、脂肪族ハロゲン化炭化水素、芳香族化合物などが挙げられる。
電荷発生層用塗布液を塗布する際には、例えば、浸漬塗布法(浸漬コーティング法)、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ローラーコーティング法、マイヤーバーコーティング法、ブレードコーティング法などの塗布方法を用いることができる。この層は露光を受けることによって正負の電荷対を発生する。
第4層16:電荷発生物質を含有する電荷輸送層である。電荷輸送層16は適当な電荷輸送物質から形成される。電荷輸送物質としては、例えば、トリアリールアミン化合物、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、スチルベン化合物、ピラゾリン化合物、オキサゾール化合物、チアゾール化合物、トリアリルメタン化合物などが挙げられる。
電荷輸送層に用いる結着樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、スチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂が挙げられる。また、ポリサルホン樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、アルキド樹脂、不飽和樹脂などが挙げられる。特には、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリロニトリル共重合体樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ジアリルフタレート樹脂などが好ましい。これらは単独、混合又は共重合体として1種又は2種以上用いることができる。
電荷輸送層16は、電荷輸送物質と結着樹脂を溶剤に溶解して得られる電荷輸送層用塗布液を塗布し、これを乾燥させることによって形成することができる。電荷輸送物質と結着樹脂との割合は、2:1〜1:2(質量比)の範囲が好ましい。
電荷輸送層用塗布液に用いる溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン、酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステルが用いられる。また、ジメトキシメタン、ジメトキシエタンなどのエーテル、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、クロロベンゼン、クロロホルム、四塩化炭素などのハロゲン原子で置換された炭化水素などが用いられる。
電荷輸送層用塗布液を塗布する際には、例えば、浸漬塗布法(浸漬コーティング法)、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ローラーコーティング法、マイヤーバーコーティング法、ブレードコーティング法などの塗布方法を用いることができる。この層はP型半導体であり、感光体表面に帯電された負電荷はこの層を移動することができず、電荷発生層15で発生した正電荷のみを感光体表面に輸送することができる。
第5層17;表面保護層であり、硬化性フェノール樹脂を溶剤等で溶解又は希釈して得た塗工液を感光層上に塗工して成形し、これによって塗工後に重合反応が起きて硬化層が形成される。
回転可能な電子写真感光体1はドラム型に限られず、懸架部材に懸回張設されて回動移動するフレキシブルな無端ベルト型にすることもできる。
以上のような構成をもつ感光体では、画像形成時に感光体を露光して静電潜像を形成する際、もしくは像担持体を除電する手段として露光を行う際に、感光体中には電荷対が生成され、多くは電荷輸送層15を通り放出されていく。しかし、電荷対の中には残留電荷として感光体中に留まるものがある。
この残留電荷は時間と共に感光体中から移動していき、表面電位が変動する要因となる。つまり、感光層内の残留電荷数が減少することにより表面電位が低下するといった現象が生じてくる。
ここで、表面電位とは、帯電手段2による帯電後の感光体表面の帯電電位(暗部電位)Vdである。連続画像形成がなされた時の表面電位Vdの低下を図6に示す。画像形成時間の経過(連続画像形成の進行)と共に表面電位Vdの低下量が増えていることがわかる。
これは画像形成を行うことにより感光体の昇温が起き、感光層の抵抗が低下するため、感光層中にトラップされていた残留電荷が感光体の外に移動する割合が多くなることで生じる。なお、画像形成時間の経過とともに感光体が昇温する原因としては、感光体との接触部材である現像部材、帯電部材、クリーニング部材等との摩擦や定着器等からの放熱である。これらによる昇温は、主に画像形成開始時(連続画像形成の進行の初期時)に大きく生じる。そのため、図4に示すように画像形成開始時に大きく電位が低下する。また、上記のような表面電位変動の要因となる感光層の抵抗値低下は、画像形成時の感光体の状態、つまり摩耗による感光体劣化や、周囲の温湿度によっても異なってくる。そのため、感光体の状態に依存して低下の割合が異なってくる。
(3)帯電手段2
回転する感光ドラム1の表面は、帯電手段2により所定の極性・電位に一様に帯電される(帯電工程)。
本実施例において帯電手段2は、接触帯電方式のローラ帯電装置である。帯電部材としての帯電ローラ18(図4)は、帯電ローラ芯軸としての導電性の芯金18aと、この芯金18aに周囲に一体に固定されてローラ状に形成された中抵抗層18bと、更にその外周面に被覆された表層18cを有している。この帯電ローラ18は、芯金18aの両端部が回転自由に軸受保持されて、感光ドラム1に対して、ほぼ並行に配列され、かつ所定の押圧力で接触している状態で配設されている。この帯電ローラ18は不図示の駆動機構(モータ)により、感光ドラム1との接触部において感光ドラム1の回転方向R1とは逆方向R18に所定の周速度にて回転駆動される。また、帯電ローラ18には、帯電ローラ18の表面をクリーニングする、スポンジローラ等からなるクリーニングローラ(帯電ローラクリーニング部材)23が所定の押圧力で接触している状態で配設されている。このローラ23は帯電ローラ18の回転に従動して回転する。
そして、帯電ローラ18の芯金18aに対して電源ユニット(直流定電圧電源)4から定電圧制御されたDCバイアスが供給される。これにより、感光ドラム1は回転過程において表面が本実施例においては負極性の表面電位Vdに一様に接触帯電処理される。なお、帯電ローラ18に印加する帯電バイアスとしては交流・直流重畳バイアスを用いることも可能である。
ここで、帯電ローラ18に印加する帯電バイアスが一定の時、感光体の帯電前表面電位と帯電時の帯電電流は比例関係にある。そこで、本実施例においては、これを利用して、帯電電流測定手段11により測定された電流値に応じて、制御手段(帯電バイアス制御手段)10で制御された帯電バイアスを帯電ローラ18に印加している。
感光体の帯電前表面電位と帯電時の帯電電流の比例関係は結局、帯電時に与えた電荷量がそのまま被帯電体の電位変化に使われるためである。すなわち、被帯電体の容量をCとし、帯電前後の電位差V、帯電時に与えた電荷量をQとすると、一般的なコンデンサーの性質としてV=Q/Cが成り立つためである。そのため、被帯電体の種類により容量Cが変わり、その比例関係は変わってくるが、比例関係を示すことは明らかである。上記の電流測定手段11、制御手段10に関しては後述する。
芯金18aは、例えば、直径が4〜20mm程度のステンレス鋼やアルミニウム等の高剛性と導電性とを有する金属材料や、1×10Ω・cm以下、好ましくは1×10Ω・cm以下の体積抵抗率を有する高剛性の導電性樹脂等によって構成される。
中抵抗層18bはベース材とこれに分散された導電剤とにより構成される。その体積抵抗率は10〜10Ω・cm程度に設定され、その厚さは1〜2mm程度に設定される。
ベース材としては加工性のよい汎用樹脂を用いることができる。例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のオレフィン系樹脂、ポリスチレン(PS)、及びその共重合体(AS,ABS)等のスチレン系樹脂、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)等のアクリル系樹脂等である。
導電剤としては、過酸化リチウム等のアルカリ金属塩、過塩素酸ナトリウム等の過塩素酸塩、テトラブチルアンモニウム塩等の4級アンモニウム塩、高分子型導電剤等のイオン系導電剤を用いることができる。また、ケッチェンブラック、アセチレンブラック等のカーボンブラックを用いることもできる。
表層18cはベース材とこれに分散された導電剤とにより構成される。その体積抵抗率は中抵抗層18bの体積抵抗率よりも若干高くなっていることが好ましく、本実施例では10〜1011Ω・cm程度に設定している。厚さは10μm程度に設定している。
ベース材としては、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリウレタン樹脂等の適宜の材料を用いることができ、特にトナーが固着しにくい材料を選択することが好ましい。
導電剤としては、ケッチェンブラックやアセチレンブラック等のカーボンブラック、酸化インジウム、酸化スズ等の金属酸化物等からなる電子導電性導電剤、又はその他の適宜な導電剤を用いることができる。
ここで、帯電ローラ18の材料は上記した材料に限定するものではない。
帯電手段2は上記のような接触帯電方式のローラ帯電装置に限られるものではない。帯電手段2は、ブラシ等の他の接触帯電部材を用いた接触帯電方式の帯電装置であってもよい。コロナ帯電器など非接触帯電方式、あるいは近接帯電方式の帯電構成を採用することも考えられる。
(4)静電潜像形成手段35
帯電手段2により所定の表面電位Vdに一様に帯電された感光ドラム1の表面に対して静電潜像形成手段35により画像露光がなされる(画像露光工程)。これにより、感光ドラム表面の露光された部分の電位が、表面電位(暗部電位)Vdから潜像電位(明部電位)Vlに低下して、感光ドラム1の表面に、露光パターンに対応した静電潜像(電位Vdと電位Vlの静電コントラスト)が形成される。
本実施例において、静電潜像形成手段35はレーザー走査部(レーザースキャナー)である。すなわち、回転する感光ドラム1の一様帯電面に対して、レーザー走査部35から出力される、出力画像信号に対応して変調されたレーザー光による走査露光Lがなされる。これにより、感光ドラム1の表面には画像情報に対応した静電潜像が順次に形成されていく。
レーザー走査部35は、発光信号発生器、固体レーザー素子、コリメーターレンズ系、回転多面鏡(ポリゴンミラー)等からなる。このレーザー走査部35により回転する感光ドラム1の表面をレーザー走査露光Lする場合には、まず入力された画像信号に基づき発光信号発生器により、固体レーザー素子を所定タイミングで明滅(ON/OFF)させる。そして、固体レーザー素子から放射されたレーザー光は、コリメーターレンズ系により略平行な光束に変換され、更に所定の方向に高速回転する回転多面鏡により走査されると共にfθレンズ群により感光ドラム面1にスポット状に結像される。この様なレーザー光走査により感光ドラム1の表面には画像一走査分の露光分布が形成される。更に感光ドラム1の回転により各走査毎に感光ドラム面が走査方向とは垂直に所定量だけスクロールされることで、回転する感光ドラム1の表面に画像信号に応じた露光分布が得られる。
静電潜像形成手段35は、LEDアレイを用いた像露光装置、光源と液晶シャッタを用いた像露光装置などの他のデジタル像露光装置であってもよい。原稿画像を結像光学系によりスリット露光(投影)するアナログ像露光装置にすることもできる。
(5)現像手段31
感光ドラム1に形成された静電潜像は現像手段31によりトナー像(現像剤像)として顕像化される(現像工程)。
本実施例において、現像手段31は、現像剤として負帯電性の非磁性トナーを用いた一成分現像方式の反転現像装置である。矢印R31aの方向に回転駆動される現像部材としての現像スリーブ31aに対して現像剤塗布ローラ31bにより非磁性トナーが薄層に塗布される。現像スリーブ31aには所定の現像バイアスが印加される。これにより、感光ドラム1と現像スリーブ31aとの対向部である現像部において、現像スリーブ上のトナーが感光ドラム1の潜像電位Vlの部分に対して付着する。すなわち、回転する感光ドラム1の表面の静電潜像が順次にトナー像として反転現像されていく。
現像手段31は、一成分現像方式に限らず、二成分現像方式を用いたものであってもよい。正規現像手段であってもよい。また、現像手段は磁性現像剤及び非磁性現像剤のいずれを用いるものであってもよく、これらは特に限定されるものではない。また、現像剤は電子写真法に用いられる公知のものを用いることができ、現像手段に合わせて適宜最適なものが選択される。
(6)転写手段32
感光ドラム1に形成されたトナー像は、本実施例においては、転写ベルト34により転写ニップ部Tに搬送される記録材Pの表面に対して転写手段32により順次に静電転写されていく(転写工程)。
本実施例において、転写手段32は導電性の転写ローラである。転写ローラ32にはトナーの帯電極性とは逆極性(本実施例では正極性)の所定電位の転写バイアスが印加される。この転写バイアスにより、感光ドラム1側の負極性のトナー像が記録材Pの表面に静電転写される。転写手段32はコロナ帯電器等他の手段にすることもできる。
(7)クリーニング手段33
記録材Pに対するトナー像転写後の感光ドラム1の表面には転写されなかったトナーが多少とも残る。また、記録材Pの紙粉等の異物が付着する。クリーニング手段33は、そのような転写残トナーや異物を除去して感光ドラム1の表面を清掃するものである(クリーニング工程)。
本実施例において、クリーニング手段33はブレードクリーニング装置である。クリーニング部材としてのゴム製等のクリーニングブレード33aを感光ドラム1の表面にドラム回転方向に対してカウンターに当接させて配設してある。このクリーニングブレード33aにより感光ドラム1の表面が拭掃されて転写残トナーや異物が掻き落とされて廃トナー収容部33bに収容される。
クリーニング手段33を無しにして、転写残トナーは現像手段31により現像同時回収するようにしたクリーナレスの画像形成装置構成にすることもできる。
(8)露光除電手段3
記録材Pに対するトナー像転写後(現像剤像転写後)の感光ドラム1の表面には静電潜像の静電荷(電気的メモリ)が残存している。その静電荷は、感光ドラム1の表面を露光除電手段3により全面露光して除電することで消去される(静電除去工程、前露光工程)。本実施例において、この露光除電手段3は全面露光ランプ(イレーサランプ)である。
(9)定着手段107
トナー像が転写形成された記録材Pは定着手段107により加熱されることで、未定着状態にあるトナー像が固着像として記録材上に定着される(定着工程)。
本実施例において、定着手段107は熱ローラタイプの加熱定着装置(定着器)であり、加熱されて所定の定着温度に温調される定着ローラ107aと、この定着ローラに圧接して定着ニップ部Nを形成する加圧ローラ107bを有している。記録材Pは回転駆動されている定着ローラ107aと加圧ローラ107bとの間の定着ニップ部Nに導入されて挟持搬送されることで、未定着トナー像の加熱定着処理(溶融固着処理)を受ける。
(10)帯電バイアス制御モード
前述したように、帯電手段2の帯電部材である帯電ローラ18に対して印加する帯電バイアスが一定の時、感光体の帯電前表面電位と帯電時の帯電電流は比例関係にある。このことを利用して、帯電電流測定手段11により測定された帯電電流値に応じて、制御手段10で制御されたバイアス値の帯電バイアスを帯電ローラ18に印加している。
すなわち、制御手段10は、帯電電流測定手段11により測定した帯電電流値に応じて、感光体1の帯電後電位として所望の表面電位Vdが得られるように帯電ローラ18に印加する帯電バイアスを制御する。
高画質印字・安定した印字には、画像形成時の感光体表面電位Vdを一定に保ち、感光体表面電位Vd、現像バイアスVdev、潜像電位Vlの電位差を一定に保つことが重要である(図10)。
そこで、本実施例では、帯電バイアスを制御することで、現像時の感光体の表面電位Vdと現像バイアスVdevの電位差を、感光体の状態、磨耗や環境温度、に左右されること無く、一定に保つような制御を行う。
すなわち、非画像形成時の所定時間、転写手段を動作させることなく、帯電手段により感光体表面を帯電させる、エ−ジング動作を行わせるエ−ジング手段を具備する。具体的には、図4のように、帯電手段2が感光体1の表面を帯電するための帯電電流値を測定する帯電電流測定手段11を有している。そして、この帯電電流測定手段11で測定された帯電電流値に応じて、画像形成動作時に帯電手段2に印加する帯電バイアス値を制御する帯電バイアス制御モードを実行する制御手段(帯電バイアス制御手段)10を有している。そして、上記の帯電バイアス制御モードは、画像形成動作前における電子写真感光体1の回転状態時に、次の1)の第1行程と、2)の第2行程と、3)の第3行程と、を有している。
1)電子写真感光体1の表面に対して、帯電手段2を用いた帯電と、静電潜像形成手段35又は露光除電手段3、あるいは静電潜像形成手段35及び露光除電手段3を用いた全面露光を行う第1行程
2)前記帯電と前記全面露光がなされた電子写真感光体の表面に対して、帯電手段2を用いた帯電を行う第2行程と、
3)前記第2行程後の電子写真感光体1の表面を帯電手段2を用いて帯電した際の帯電電流測定手段11により測定された帯電電流値に応じて画像形成動作時に帯電手段2に印加する帯電バイアス値を演算する第3行程
ここで、図6に感光体1を帯電する際の帯電電流値を測定したグラフを示す。このグラフは横軸に帯電ローラ18へ印加する帯電バイアス値と帯電前電位値(帯電直前の感光体の表面電位値)の電位差、縦軸に帯電時電流値を示したグラフである。
測定は図7に示すような系で行った。すなわち、帯電ローラ18には電源(帯電用高圧電源)28により帯電用定電圧を印加する。帯電直前の感光体表面電位は表面電位計27により測定する。これにより、帯電ローラ電位値と感光体の電位値の差分、つまり帯電ローラ18へ印加する帯電バイアス値と帯電直前の感光体の表面電位値の電位差を算出する。また、流出電流測定系29により、その時の帯電電流値Iを検知抵抗Rの両端電圧を電圧計Vで測定することで測定した。そして、帯電直前の感光体表面電位値を変化させた時の帯電時電流値の違いを測定している。
図6のグラフから、感光体1の帯電直前の電位差と帯電時電流値が比例関係を示していることがわかる。また、本実施例の帯電電流測定手段11(図2)は図6における流出電流測定系29と同じとする。
以上のような帯電直前の電位差と電流値の比例関係を利用して、本実施例では、制御手段10は、図1に示すような流れ(制御フロー)で、帯電ローラ18に印加する帯電バイアスの制御を行う。また、この制御により変化する感光ドラム1上の各周回における先頭の1点の表面電位変化を図2に示す。
大まかな手順としては、最初に、図2に示したように、感光ドラム1の表面電位Vdがその時点での感光体の状態、周囲環境に依存した傾きをもって減衰するので、時間あるいは印刷枚数による表面電位の減衰量を定量的に把握する。そこから減衰の傾向を掴み、最適な帯電ローラ印加帯電バイアスをフィードバックする。
以下、図1のフロー図、図2の表面電位変化図に沿って本実施例における帯電バイアス制御モードを説明する。
本実施例においては、画像形成動作前に、感光ドラム1を2回転させ、1回転目に前記第1行程を実行させ、2回転目に前記第2行程を実行させる。そして、3回転目に前記第3行程を実行させると共に3回転目の途中より画像形成動作を行うようにしている。
待機状態にある画像形成装置100の制御手段10にプリント開始信号が入力すると、制御手段10はメインモータ(不図示)を駆動して感光ドラム1を回転させると共に、所定のプロセス機器について所定のプリントジョブ前動作させる前回転工程を実行する。より実際的には、1)プリント開始信号を受信、2)フォーマッツタで画像を展開(画像のデータ量やフォーマッタの処理速度により展開時間は変わる)、3)上記の前回転工程の開始、という順序になる。そして、制御手段10は、上記の前回転工程が終了すると、引き続いて、回転する感光ドラム1に対して前記の帯電工程・画像露光工程・現像工程・転写工程・クリーニング工程・全面露光工程の一連の画像形成動作(画像形成プロセス)を実行する。
制御手段10は、上記の帯電バイアス制御モードを、画像形成動作前の前回転行程における感光体回転状態時に実行している。
すなわち、図1を参照して、回転している感光ドラム1の表面の1周目(1回転目)を、帯電ローラ18に所定の帯電バイアスを印加することで、所定電位まで帯電する。ここでは、所定電位をVd1とするが、この時の帯電バイアスについてはVdmax制御による予測制御により常に一定とされる。ここで、Vdmax制御は、各色の最大濃度が感光ドラム1の膜厚や雰囲気環境に影響されるため、所望の最大濃度が得られるように帯電バイアスや現像バイアスなどの画像形成条件を最適化する制御である。この最適値の算出には、例えば環境検知の結果、CRGタグ情報を用いて行う。その後、制御手段10は、静電潜像形成手段35、もしくは静電除去のための露光除電手段3あるいはその両方の手段35・3を用いて感光ドラム1の表面を全面露光することで電位減衰の要因となる電荷対を感光層に十分生成する。図1のフロー図においては、静電潜像形成手段35、及び露光除電手段3を用いることにより全面露光している。これにより、感光ドラム1はその時点での感光体の実際の画像形成過程における電位減衰と同じ挙動を示すことになる。上記の帯電工程と全面露光工程が無ければ、実際の画像形成過程における感光層の電荷対量に比べ電荷量が不十分なため、電位減衰が実際の状態を反映しない。
感光ドラム1の表面の2周目(2回転目)では、帯電ローラ18に、感光ドラム1の1周目の場合と同様の帯電バイアスを印加し、感光ドラム1を所定電位Vd1に帯電することのみを行う。
そして、2.5周目(1、2周目の先頭の一点にとっては3周目面(3回転目)にあたるが、この周は1回転はさせず、途中から画像形成段階に入るため、2.5周目と称する)に、感光ドラム1を所定バイアスで帯電する。すなわち、帯電ローラ18に、感光ドラム1の1周目と2周目の場合と同様の帯電バイアスを印加し、感光ドラム1を所定電位Vd1に帯電する。そして、その際の帯電電流値を帯電電流測定手段11で測定する。
この時の帯電電流値は2周目の帯電過程後、電位降下した電位Vd4をVd1に帯電する際の帯電電流である。帯電ローラ18には定電圧を印加してあるので図6に示した関係を利用することで、帯電時電流から帯電直前の電位Vd4、ドラムの1度の帯電から2度目の帯電までに要する時間(ΔT1)での電位降下量ΔVd5(=Vd1−Vd4)を算出することができる。
以上の手順で測定したΔT1における感光ドラム1の表面電位減衰量ΔVd5を用い、制御手段10の演算部で、画像形成動作時に帯電ローラ18に帯電ローラ18に印加すべき帯電バイアス値(補正された帯電バイアス値)を演算する。すなわち、制御手段10は帯電電流値を測定し、帯電バイアス補正制御(使用テーブルの選択)により、画像形成動作時に帯電ローラ18に帯電ローラ18に印加すべき帯電バイアス値を演算する。
本実施例では図9に示すような一次関数でその演算式を定義する。図9は算出されたΔVd5から電位低下の影響を無くす為に必要な、帯電ローラ印加バイアス増加分を算出するグラフである。ここでは、電位低下量(x)に対し必要な帯電ローラ追加バイアス(y)の関係をy=0.3xとしている。この演算式はある系における実験的事実より求められた演算式であるが、系によっては異なるものを用いることも考えられる。つまり、この演算式は一次関数に限られたものではなく、多項式を用いる手段や定式化されないテーブルを持たせることも考えられる。
そして、演算が終了し制御した帯電バイアスを印加できるようになった時点で、通常の画像形成動作を開始する。これを3周目とする。この画像形成動作においては、帯電ローラ18に対して上記のように演算された、補正された帯電バイアス値の帯電バイアスが電源4から印加される。
3周目の途中からの画像形成動作の開始以後は、各画像形成前に「帯電バイアス制御モード」を実行する。即ち連続画像形成モードにおいては、各紙間工程に図1の2周面の工程を挟み、図1の3周目の工程として画像形成を行うとういことである。
以上、本実施例によれば、連続的に印刷される場合においても、断続的に印刷される場合においても、現像部における感光ドラム帯電電位を制御する。これにより、現像時の現像バイアス、潜像バイアスとの電位差を感光体の置かれた環境、使用状況によらず一定に保て、生産性も大きく低下させることなく安定した画像の形成が可能となる。
本実施例では毎回の画像形成前に帯電バイアス制御モードを実行する形態をとったが、帯電バイアス制御モードの実行は予め規定した画像形成回数ごとに行っても良い。また、帯電時の帯電電流が規定値を下回った段階で上記の工程を止めることも考えられる。
以上説明したように、画像形成動作前に、感光ドラム1を2回転させ、1回転目に感光ドラム1を帯電させ、そして、感光体内部に電荷対の生成をするため前記手段35又は3、もしくは両方を用いて全面露光を行う。2回転目に感光体ドラム1を帯電手段により帯電する。そして、3回転目の画像形成時に感光ドラム1を帯電手段により帯電する際の帯電電流測定を行い、帯電電流から感光ドラム1の表面電位と帯電電流が比例関係にあることを利用し、画像形成動作時点での感光ドラム1の表面電位の変動を演算する。これによって、現像剤像形成時に感光ドラム1の表面電位が常に同じ値が得られるように帯電バイアスを変化させる帯電バイアス制御手段10を有する。
このような画像形成装置構成により、表面電位の変動が生じる状態でも現像時の感光体表面電位、現像電位、潜像電位の差を一定に保つことができる。そして、生産性を大きく低下させることなく、また、表面電位の変動が安定するまで過剰なエージング等を行うことがないため、短寿命化を抑制し、画像濃度の安定した高画質印字を行うことができる。
実施例1の制御フロー図 感光体表面電位の減衰図(変化図) 実施例における画像形成装置の概略構成を示す模型図 図3における1つの画像形成部の拡大図と制御系統のブロック図 感光ドラムの層構成模型図 感光体表面電位の変化図 流失電流測定系(帯電電流測定手段)の概要図 帯電バイアスと帯電電流の測定値 電位降下量−帯電ローラ印加バイアス相関グラフと帯電バイアス演算式 感光体表面電位を示す概念図
符号の説明
1・・電子写真感光体、2・・帯電手段、35・・静電潜像形成手段、31・・現像手段、32・・転写手段、33・・クリーニング手段、3・・露光除電手段、10・・制御手段、11・・帯電電流測定手段

Claims (2)

  1. 回転可能な電子写真感光体と、帯電バイアスが印加されて前記電子写真感光体の表面を一様に帯電する帯電手段と、帯電された前記電子写真感光体の表面に露光により静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記静電潜像を現像剤像として現像する現像手段と、前記現像剤像を記録材に転写する転写手段と、現像剤像転写後の前記電子写真感光体の表面を露光して除電をおこなう露光除電手段と、を有する画像形成装置において、
    前記帯電手段が前記電子写真感光体の表面を帯電するための帯電電流値を測定する帯電電流測定手段と、測定された前記帯電電流値に応じて、画像形成動作時に前記帯電手段に印加する帯電バイアス値を制御する帯電バイアス制御モードを実行する制御手段と、を有し、
    前記帯電バイアス制御モードは、画像形成動作前における前記電子写真感光体の回転状態時に、
    1)前記電子写真感光体の表面に対して、前記帯電手段を用いた帯電と、前記静電潜像形成手段又は前記露光除電手段、あるいは前記静電潜像形成手段及び前記露光除電手段を用いた全面露光を行う第1行程と、
    2)前記帯電と前記全面露光がなされた電子写真感光体の表面に対して、前記帯電手段を用いた帯電を行う第2行程と、
    3)前記第2行程後の電子写真感光体の表面を前記帯電手段を用いて帯電した際の前記帯電電流測定手段により測定された前記帯電電流値に応じて画像形成動作時に前記帯電手段に印加する帯電バイアス値を演算する第3行程と、
    を有している
    ことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記画像形成動作前に、前記電子写真感光体を2回転させ、1回転目に前記第1行程を実行し、2回転目に前記第2行程を実行し、3回転目に前記第3行程を実行すると共に3回転目の途中より画像形成動作を行うことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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