JP2006213437A - シート状物搬送装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 エア吹き部材からの分離エアによるシート状物の分離作用を確実にはたらかせ、シート状物の搬送を円滑に行うとともに給紙不良を防止する。
【解決手段】 紙10の後端側を吸着する第1吸口12と、この第1吸口12から紙10Aを受け渡される第2吸口13とを備え、第2吸口13によって紙10が搬送される。第1吸口12と紙10Aの幅方向に略一直線に並ぶ第3吸口21Aないし21Cを設け、この第3吸口21Aないし21Cは第2吸口13とアーム22によって連結されている。第1吸口12から第2吸口13に紙10Aを受け渡す際、紙10の後端側が第3吸口21Aないし21Cによって吸着される。
【選択図】 図1
【解決手段】 紙10の後端側を吸着する第1吸口12と、この第1吸口12から紙10Aを受け渡される第2吸口13とを備え、第2吸口13によって紙10が搬送される。第1吸口12と紙10Aの幅方向に略一直線に並ぶ第3吸口21Aないし21Cを設け、この第3吸口21Aないし21Cは第2吸口13とアーム22によって連結されている。第1吸口12から第2吸口13に紙10Aを受け渡す際、紙10の後端側が第3吸口21Aないし21Cによって吸着される。
【選択図】 図1
Description
本発明は、枚葉印刷機の給紙装置等に使用される装置であって、積載されたシート状物を最上部のシート状物から1枚ずつ吸着して前方に送り出すシート状物搬送装置に関するものである。
従来は、積載された紙の最上部の紙の後端側を吸着する吸口ホルダと、原動機によって回転駆動するカム軸に並列に固定された上下カムと前後カムとを備え、上下カムのカム作用により吸口ホルダを下降させて紙の後端側を吸着した後上昇させ、前後カムのカム作用により紙を紙送りローラ側に搬送するものがある(例えば、特許文献1参照)。
また、図6ないし図13は特許文献2に記載された従来のシート状物搬送装置をモデル化した図であって、同図(A)は側面図、同図(B)は平面図である。図6に符号101で示す従来のシート状物搬送装置は、複数枚のシート状物としての紙10を積載する紙積載台11と、この紙積載台11上に積載された紙10の上下方向に移動自在に支持された一対の第1吸口12,12と、前記シート積載台11上に積載された紙10の前後(矢印A−B)方向に移動自在に支持された一対の第2吸口13,13とによって概ね構成されている。一対の第2吸口13,13は支持軸14の両端に固定されており、この支持軸14がサッカフレーム15に軸支され原動機の駆動によって回転するカム軸とこのカム軸に軸着されたカム(いずれも図示せず)を介して矢印A−B方向に移動自在に支持されている。また、第1吸口12と第2吸口13には、吸気装置からホース(いずれも図示せず)を介して吸引エアが供給されるように構成されている。
16は積載された紙10の分離を円滑にするために、シート積載台11上に積載された紙10の後方から分離用のエアを吹き付けるエア吹き部材として機能する紙さばきであって、第1吸口12によって紙10を吸着できるようにエアを供給して紙10をわずかに上昇させることにより、第1吸口12によって紙10を確実に吸着させるものである。17は図6(A)に示す位置と図8(A)に示す位置との間を往復動し、第1吸口12によって吸着された最上部の紙10Aとその下方の紙10との間へ進入して下方の紙10を押さえ付けるとともに、分離用のエアを吹き付けることにより最上部の紙10A全体を下方の紙10から分離するエア吹き部材として機能する吹足である。18は紙押えころ、19は紙送りころであって、これら両ころ18,19によって、第2吸口13に吸着され搬送された後、解放される紙を捕捉してフィーダボード20に送り出す。
次に、図6ないし図12を用いて、このように構成されたシート状物搬送装置における紙の搬送動作を説明する。先ず、図6に示すように、紙さばき16からシート積載台11上に積載された上部側の紙10の後方から瞬間的に分離用のエアが吹き付けられ、上部側の紙10が分離される。次いで、第1吸口12が下降し、この第1吸口12に図示を省略した吸気装置から吸引エアが供給されることにより、第1吸口12に、紙さばき16により分離された最上部の紙10Aの後端側が吸着され、第1吸口12が、図7に示すように上昇することにより紙10Aの後端側が持ち上げられる。この状態で、図8に示すように、吹足15が最上部の紙10Aとその下方の紙10との間へ進入して下方の紙10を押さえ付けるとともに、分離用のエアを吹き付けることにより最上部の紙10A全体を下方の紙10から分離する。
次いで、第2吸口13に図示を省略した吸気装置から吸引エアが供給されることにより、分離された最上部の紙10Aの後端側よりも紙10Aの搬送方向(矢印A方向)下流側が第2吸口13によって吸着される。その直後に、第1吸口12への吸引エアの供給が停止されるので、第1吸口12の吸着が解除され紙10Aを解放することにより、紙10Aは、図9に示すように第1吸口12から第2吸口13に受け渡される。第2吸口13は最上部の紙10Aを吸着した状態で、図10に示すように矢印A方向に平行移動しながら搬送速度まで増速される。第2吸口13によって搬送されてきた紙10Aの前端部が、図11に示すように紙押えころ18と紙送りころ19によって捕捉されるときには、第2吸口13への吸引エアの供給が停止されているので、第2吸口13による紙10Aの吸着が解除されている。第2吸口13による吸着が解除された紙10Aは、図12に示すように、紙押えころ18と紙送りころ19によってフィーダボード20上に送り出される。なお、本出願人は、本明細書に記載した先行技術文献情報で特定される先行技術文献以外には、本発明に密接に関連する先行技術文献を出願時までに見付け出すことはできなかった。
実開平5−51835号公報(段落「0017」および「0020」、図5)
実公平3−24511号公報(明細書1頁右欄6行〜2頁右欄12行、図5および図6)
上述した従来のシート状物搬送装置のうち前者の装置においては、1つの吸口ホルダによって紙の後端側を吸着して搬送する構造であるため、搬送中に吸口ホルダに吸着されていない紙の前端側が下方の紙と接触する。このため、紙の搬送が円滑に行えないばかりか、紙の前端部を紙送りローラによって捕捉することができずに給紙不良が発生し易く、特にサイズの大きい紙の場合には顕著になるという問題があった。また、後者の装置においては、第2吸口13によって吸着される部位が紙の後端部から前方側であるため、第1吸口12から第2吸口13に紙が受け渡され、第1吸口12によって紙10Aの後端側が放されると、放された紙10Aの下方に発生する吹足17からの分離用のエアによる負圧で、図13に示すように放された紙10Aの後端側が下方の紙10に密着してしまうことがある。このため、紙10Aが下方の紙に接触しながら搬送されるので、紙10Aの搬送が円滑に行われないという問題があった。また、紙10Aの後端側が下方の紙10に密着してしまうため、紙10Aと下方の紙10との間を通過できなかった吹足17からの分離用のエアが最上部の紙10Aの上方を通過し、先に送り出された紙10Bの後端側を吹き上げるから、紙10Bがばたついたり波立つことにより給紙不良が発生するという問題もあった。
本発明は上記した従来の問題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、エア吹き部材からの分離用のエアによるシート状物の分離作用を確実にはたらかせ、シート状物の搬送を円滑に行うとともに給紙不良を防止することにある。
この目的を達成するために、請求項1に係る発明は、複数枚のシート状物を積載するシート状物積載台と、このシート状物積載台に積載された最上部のシート状物と最上部のシート状物の次のシート状物との間に、前記シート状物の後端側から前端側に向けてエアを供給するエア吹き部材と、前記シート状物積載台に積載された前記シート状物の上下方向に移動自在に支持され、前記シート状物積載台に積載された最上部のシート状物の後端側を保持して上方へ移動させる第1吸口と、前記シート状物積載台に積載された前記シート状物の前後方向に移動自在に支持され、前記第1吸口から受け渡されたシート状物の後端側よりもシート状物の搬送方向下流側を保持して、前記シート状物の前端方向へ搬送する第2吸口と、前記シート状物積載台に積載された前記シート状物の前後方向に移動自在に支持され、前記第1吸口から受け渡されたシート状物の後端側を保持して、前記シート状物の前端方向へ搬送する第3吸口とを備えたものである。
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、前記第2吸口と前記第3吸口とは同一速度で移動するように一体的に設けたものである。
請求項3に係る発明は、請求項1に係る発明において、前記第1吸口と前記第3吸口とを、前記シート状物の幅方向に略一直線上に並べたものである。
本発明によれば、第1吸口から第2吸口へのシート状物の受け渡しの際に、第1吸口から放されたシート状物の後端側が第3吸口によって保持されることにより、搬送されるシート状物の下方に分離用のエアが入る隙間が確保される。このため、分離用のエアによる紙の分離作用が充分にはたらくことにより、第2吸口および第3吸口によって搬送されるシート状物が下方のシート状物に接触するようなことがないからシート状物の搬送を円滑に行うことができる。また、エア吹き部材からの分離用のエアが搬送されるシート状物の上方を通過することがないため、この分離用のエアによって先に送り出されたシート状物の後端側が吹き上げられるようなことがないから、先に送り出されたシート状物がばたついたり波立つことがなく給紙不良を防止できる。
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。図1は本発明に係るシート状物搬送装置のモデル図であって、同図(A)は側面図、同図(B)は平面図である。この図において、上述した図6ないし図13に示す従来技術において説明した同一または同等の部材については、同一の符号を付し詳細な説明は適宜省略する。本発明のシート状物搬送装置1が上述した従来のシート状物搬送装置101と異なる点は、紙積載台11上に積載された紙10の前後(矢印A−B)方向に移動自在に支持され、第1吸口12から受け渡された紙10の後端側を吸着して、紙10の前端方向へ搬送する3個の第3吸口21Aないし21Cを備えたことにある。また、これら第3吸口21Aないし21Cが第2吸口13と矢印A−B方向へ同一速度で一体的に移動するとともに、これら第3吸口21Aないし21Cを第1吸口12と紙10の幅方向に略一直線上(同一直線C上)に並べた点に特徴を有するものである。
すなわち、22は基端を支持軸14に固定された3本のアームであって、これら各アーム22のそれぞれの先端は積載台11上に積載された紙10の後端側(矢印B方向)に向かって水平に延在し、これら各アーム22の先端には3個の第3吸口21Aないし21Cが設けられている。したがって、これら第3吸口21Aないし21Cはアーム22を介して第2吸口13に随伴して一体的に矢印A−B方向に移動するように支持されている。このため、第3吸口21Aないし21Cは第2吸口13と同一速度で水平方向へ移動することになる。
また、第3吸口21Aないし21Cは、第2吸口13と略同じ高さに位置付けられており、各第3吸口21Aないし21Cには、吸引装置からホース(いずれも図示せず)を介して、第2吸口13と同じタイミングで吸引エアが供給されるように構成されている。また、各第3吸口21Aないし21Cのうち第3吸口21Aは、同図(B)に示すように、紙10の幅方向において、一対の第1吸口12,12との間に設けられ、第3吸口21B,21Cは、第1の吸口12,12の外側に設けられている。これら第3吸口21Aないし21Cと一対の第1吸口12,12とは、平面視において共に紙10の幅方向に略同一直線C上に並べられている。このうち、中央に設けられた第3吸口21Aの後方(矢印B方向)には吹足17が設けられ、両側に設けられた第3吸口21B,21Cの後方には紙さばき23,23が設けられている。
このような構成において、第1吸口12によって後端側が吸着された最上部の紙10Aは、第1吸口12から第2吸口13に受け渡されるときに、第3吸口21Aないし21Cに吸引エアが供給され、後端側がこれら第3吸口21Aないし21Cによって吸着される。また、この受け渡しの直後から紙さばき23,23から最上部の紙10Aとその下方の紙10とを分離する分離用のエアが吹き付けられる。
このように、第1吸口12から第2吸口13に受け渡された最上部の紙10Aは、後端側が第3吸口21Aないし21Cによって吸着されるため、搬送される最上部の紙10Aの下方に分離用のエアが通過する隙間が確保される。このため、分離用のエアによる紙10Aの分離作用が充分にはたらくことにより、第2吸口13および第3吸口21Aないし21Cによって搬送される紙10Aが、下方の紙10に接触するようなことがないから紙10Aの搬送を円滑に行うことができる。また、吹足17および紙さばき23,23から吹き出される分離用のエアが、搬送される紙10Aの上方を通過するようなことがないため、この分離用のエアによって先に送り出された紙の後端側が吹き上げられるようなことがない。このため、先に送り出された紙がばたついたり波立つことがないから給紙不良を防止できる。
図2は本発明の第2の実施の形態をモデル化して示す平面図である。この第2の実施の形態におけるシート状物搬送装置51においては、1個の第3吸口21を、一対の第1吸口12,12との間であって吹足17の前方に設けたものである。なお、この第2の実施の形態および以下に説明する第3〜5の実施の形態を示す側面図は、上述した第1の実施の形態を示す図1(B)と実質的に同一になるので省略した。また、同じく第1の実施の形態で説明した同一または同等の部材ならびに配置等については、同一の符号を付し詳細な説明は適宜省略する。
図3は本発明の第3の実施の形態をモデル化して示す平面図である。この第3の実施の形態におけるシート状物搬送装置61においては、一対の第3吸口21,21を一対の第1吸口13,13の紙10の幅方向の外側に設けるとともに、これら第3吸口21,21の後方に2個の紙さばき23,23を設けたものである。
図4は本発明の第4の実施の形態をモデル化して示す平面図である。この第4の実施の形態におけるシート状物搬送装置71においては、4個の第1吸口12の各間に3個の第3吸口21Aないし21Cを設けたものである。このうち、中央に設けた第3吸口21Aの後方に吹足17が設けられ、外側の第3吸口21B,21Cの後方には2個の紙さばき23,23がそれぞれ設けられている。
図5は本発明の第5の実施の形態をモデル化して示す平面図である。この第5の実施の形態におけるシート状物搬送装置81においては、三対の第1吸口12の間にそれぞれ第3吸口21Aないし21Cを設けたものである。このうち、中央に設けた第3吸口21Aの後方に吹足17が設けられ、外側の第3吸口21B,21Cの後方に2個の紙さばき23,23が設けられている。
なお、本実施の形態においては、第1吸口12に対して第3吸口21が種々の位置に配置される例を説明したが、これに限定されるものではなく、要は第3吸口21が第1吸口12に対して紙の幅方向に略一直線上に並べられていればよい。また、本実施の形態においては、シート状物を紙10として説明したが、フィルム状のシート材にも適用できる。また、本発明の第1実施例および第3ないし第5実施例のように、第3吸口21B,21Cの後方には紙さばき23,23が設けられている構造においては、吹足17からエアを吐出させることなく、吹足17を単に紙押えとしてもよい。
1,51,61,71,81…シート状物搬送装置、10…紙(シート状物)、10A…最上部の紙、11…紙積載台、12…第1吸口、13…第2吸口、16,23…紙さばき、17…吹足、21,21Aないし21C…第3吸口。
Claims (3)
- 複数枚のシート状物を積載するシート状物積載台と、
このシート状物積載台に積載された最上部のシート状物と最上部のシート状物の次のシート状物との間に、前記シート状物の後端側から前端側に向けてエアを供給するエア吹き部材と、
前記シート状物積載台に積載された前記シート状物の上下方向に移動自在に支持され、前記シート状物積載台に積載された最上部のシート状物の後端側を保持して上方へ移動させる第1吸口と、
前記シート状物積載台に積載された前記シート状物の前後方向に移動自在に支持され、前記第1吸口から受け渡されたシート状物の後端側よりもシート状物の搬送方向下流側を保持して、前記シート状物の前端方向へ搬送する第2吸口と、
前記シート状物積載台に積載された前記シート状物の前後方向に移動自在に支持され、前記第1吸口から受け渡されたシート状物の後端側を保持して、前記シート状物の前端方向へ搬送する第3吸口とを備えたことを特徴とするシート状物搬送装置。 - 請求項1記載のシート状物搬送装置において、前記第2吸口と前記第3吸口とは同一速度で移動するように一体的に設けたことを特徴とするシート状物搬送装置。
- 請求項1記載のシート状物搬送装置において、前記第1吸口と前記第3吸口とを、前記シート状物の幅方向に略一直線上に並べたことを特徴とするシート状物搬送装置。
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