JP2006200111A - 通気性壁紙およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 壁面等に対する施工に際し、糊の水分が壁紙の表側に直ちに滲出することなく、糊付機により糊付けおよび貼付け作業を容易かつ円滑に行うことができると共に、通気性に優れ、カビの発生を確実に防止することができ、しかも優れた寸法安定性を有することから異種の素材を積層して意匠的審美性をより一層向上させることができる通気性壁紙およびその製造方法を提供する。
【解決手段】 全重量当りポリエステルまたはアクリル系等の合成繊維を5〜45重量%と、パルプ、レーヨン等のセルロース系繊維を55〜95重量%とを、含有する構成からなる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、日本の風土に合った通気性を有する壁紙およびその製造方法に関するものである。
従来より、住宅等の内装材として、建築物等の内壁面や天井面等に対する装飾性を高めるために、意匠的審美性に優れたシート状の壁紙が広く使用されている。しかも、この種の壁紙は、壁面等への貼付の便宜性等を考慮して、例えばその基材として不燃紙等の紙基材が使用されている。また、その表面には、絵柄の印刷以外にも、耐汚染性、耐擦傷性等の表面物性の付与や、エンボスによる立体的な装飾性の付与、発泡による柔軟性の付与等の目的から、例えばポリ塩化ビニル樹脂またはアクリル系樹脂等からなる樹脂層を設けた構成とすることが、一般的に知られている。
今日において、住宅等の内装材としての壁紙の大部分は、前述したポリ塩化ビニル樹脂からなる樹脂層を設けたものであり、この種の壁紙は、その市場において95%以上を占有し、流通しているのが現状である。そして、この種の壁紙について、内装材のリフォーム等が行われる際に、その現場において気が付くことは、壁紙を剥がした壁面等に多量のカビや細菌が発生していることである。
すなわち、前記壁紙を剥がした石膏ボード等の壁の表面は、カビや細菌で汚染ないし汚損されると共に、その内側に配設される断熱材として使用されるガラスウォールもカビや細菌で汚染され、さらにその周囲に形成されるアルミサッシまでもカビや細菌による腐食が発生している。その他、絨毯や浴室のタイルの目地に、カビや細菌が集中的に繁殖していることが確認される。
また、日本の風土におけるコンクリート建築の家屋は、夏場は湿度が高いために鬱陶しく、冬場は暖房の影響で室内の壁面が激しく結露する傾向にある。これらの原因は、建築基準法に基づき、一般マンションの外壁の厚さは10cmしかないのに、冬場における室内の壁面は、外部から簡単に冷えるため、その壁面には夥しい結露が発生することになる。このため、日本の家屋における壁紙によるカビや細菌の発生についての問題は極めて重要である。
そこで、本発明者は、先に、紙基材すなわち一般に裏打紙と称されている原紙1m2 に対して、合成繊維を5%以上または無機質材料を5%以上添加することにより、前述した壁紙としての紙質である水中伸度を0.1%未満に設定することができ、これにより通気性を良好にして、カビ抵抗性も増大させることができる壁紙を得ることができることを突き止め、特許出願を行った(特許文献1参照)。
また、壁紙等の内装材の表面材料として、従来多く用いられていたポリ塩化ビニルシートに代えて、不織布を使用することが提案されている。すなわち、不織布は廃棄時に公害問題を起こさない環境にやさしい素材であり、また繊維特有の高級な外観や手触りを有していながら、価格的に手頃である等の特性を持っているからである。
しかしながら、不織布を使用する場合、裏打紙との接着には、一般に水系の樹脂エマルジョンや澱粉水溶液等が用いられるが、このような場合においては、不織布や裏打紙が水分を含むことになり、この水分を蒸発除去するための熱エネルギーが必要となり、接着に要する費用が嵩む等の難点がある。
そこで、前述した裏打紙と不織布からなる表面材料とを貼り合わせる接合剤として、溶融押し出しされた熱可塑性の合成樹脂、例えばポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂や、ポリアミド、ポリエステル、合成ゴム、ポリビニルアルコール系あるいは酢酸ビニル共重合体等の樹脂により、裏打紙と不織布とを貼り合わせてなる壁紙等の内装材が提案されている(特許文献2参照)。
しかしながら、裏打紙と不織布とを貼り合わせてなる壁紙等の内装材は、裏打紙と不織布とを貼り合わせ加工において、壁紙としての風合いが良く、しかも全体を均質かつ安定にして、しかも連続的な量産を可能にし得るように、有効な接着剤の適用および処理作業の適正化を行うことが困難であった。従って、従来においては、この種の通気性壁紙の量産化が困難であることから、その製造コストも増大し、通気性壁紙の普及を遅らせる要因ともなっている。
このような観点から、本発明者は、さらに検討並びに試作を重ねた結果、不織布と多孔質フィルムとを積層してなる通気性積層シートを作成し、この通気性積層シートの一側面に貼合用接着剤を介して裏打紙を貼り合わせ、さらに前記通気性積層シートの他側面に印刷適性を有する繊維材料等からなる化粧層を形成することにより、建物の壁面に対する空気の流通を可能にして建物の水分含有率を一定に保つことができ、壁面と壁紙との間におけるカビや細菌の発生を有効に防止することができ、しかも意匠的審美性に優れた通気性壁紙の開発に成功し、特許出願を行った(特許文献3参照)。
すなわち、前記開発に係る通気性壁は、不織布と多孔質フィルムとを積層してなる通気性積層シートを使用し、この通気性積層シートの一側面に貼合用接着剤を介して裏打紙を貼り合わせ、さらに前記通気性積層シートの他側面に印刷適性を有する繊維材料等からなる化粧層を形成したことを特徴とするものである。
この場合、通気性積層シートを形成する不織布としては、例えば木綿、ビスコースレーヨン、パルプ等のセルロース系繊維や、ポリエステル、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリビニルアルコール、アクリル系等の合成繊維等から構成され、スパンレース法、スパンボンド法、湿式法、サーマル法、ニードルリング法、乾式法、乾式パルプ法、メルトブロー法、フラッシュ紡糸式、エアーレイド式、バインダ接着法等で繊維を結合させて製造したものを適用することができる。
特開2001−303491号公報 特開2001−270017号公報 特開2004−60061号公報
特に、ポリエステル、アクリル系等の合成繊維を多量に含有する抄紙機により抄造した紙または不織布により製造された従来の通気性壁紙においては、壁面等に対する施工に際し、糊の水分が壁紙の表側に直ちに滲出するため、例えば糊付機により糊付けを行う場合、糊付けして折り畳み、数mの壁面まで移動する間に、水分が壁紙に吸収されてしまい、貼着作業が著しく困難となる難点がある。
また、この種の従来における通気性壁紙においては、特にデンプン糊で施工した場合には、水分の除去ないし蒸発がし難いために、栄養分と温度の増大によりカビの発生原因となる難点がある。
さらに、従来における通気性壁紙においては、向こう貼り(壁面への糊付け)には適さないため、壁紙の施工時における寸法安定性に欠けることから、異種の素材(特に和紙等)を積層した施工の容易かつ簡便な通気性壁紙を得ることができない。
そこで、本発明者は、鋭意研究並びに試作を重ねた結果、全重量当りポリエステルまたはアクリル系等の合成繊維を5〜45重量%と、パルプ、レーヨン等のセルロース系繊維を55〜95重量%とを、それぞれ混合した後、抄紙機により抄造し、水中伸度を0.1%未満に設定することにより、前述した種々の問題点を解消することができる通気性壁紙を得ることに成功した。
また、全重量当りポリエステルまたはアクリル系等の合成繊維を5〜45重量%と、パルプ、レーヨン等のセルロース系繊維を55〜95重量%とを、それぞれ混合ないし複合した状態でウェブ状に集積し、不織布として結合成形し、水中伸度を0.1%未満に設定することによっても、前述した種々の問題点を解消することができる通気性壁紙が得られることを突き止めた。
なお、本発明において使用するポリエステルまたはアクリル系等の合成繊維としては、例えば、芯成分が結晶性ポリプロピレンで、鞘成分が芯成分より低融点の特殊ポリオレフィンで被覆したポリオレフィン系熱接着性芯鞘型複合繊維〔ダイワボウ製のNBF(E)〕、芯成分がポリエステルで、鞘成分が低融点ポリマーからなる共重合ポリエステルで被覆したポリエステル系芯鞘型複合繊維〔帝人製のテルピス(登録商標)低融点バインダーファイバー〕、あるいはポリエステルホットメルト型の繊維状バインダーであるポリエステルバインダーファイバー〔ユニチカ製のユニチカエステルバインダー“メルティ”(芯鞘構造型/単一ポリマー型〕等を好適に使用することができる。特に、ポリオレフィン系熱接着性芯鞘型複合繊維は、乾式不織布あるいは湿式不織布の用途として有効であり、またポリエステルバインダーファイバーも湿式不織布の用途として有効である。
従って、本発明の目的は、壁面等に対する施工に際し、糊の水分が壁紙の表側に直ちに滲出することなく、糊付機により糊付けおよび貼付け作業を容易かつ円滑に行うことができると共に、通気性が良好にしてカビの発生を確実に防止することができ、しかも優れた寸法安定性を有することから異種の素材を積層して意匠的審美性をより一層向上させることができる通気性壁紙およびその製造方法を提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明の請求項1に記載の通気性壁紙は、全重量当りポリエステル系またはアクリル系等の合成繊維を5〜45重量%と、パルプ、レーヨン等のセルロース系繊維を55〜95重量%とを、含有することを特徴とする。
本発明の請求項2に記載の通気性壁紙は、前記壁紙表面に、グラビア印刷、フレキソ印刷またはUV印刷等による化粧層を設けたことを特徴とする。
本発明の請求項3に記載の通気性壁紙は、前記壁紙に対し全面的または部分的に、エンボス加工を施してなることを特徴とする。
本発明の請求項4に記載の通気性壁紙は、前記壁紙表面に、発泡インキまたは発泡抑制インキにより印刷加工を施した後、前記インキを加熱発泡させて印刷面に凹凸を設けることを特徴とする。
本発明の請求項5に記載の通気性壁紙は、前記壁紙表面に、接着材料層によるラミネート加工を施し、この接着材料層の上面に洋紙、和紙、襖紙等の紙壁紙を貼り合わせたことを特徴とする。
本発明の請求項6に記載の通気性壁紙は、前記接着材料層の上面に機械漉き和紙を貼り合わせたことを特徴とする。
本発明の請求項7に記載の通気性壁紙は、前記壁紙表面に、接着材料層によるラミネート加工を施し、この接着材料層の上面に織物壁紙を貼り合わせたことを特徴とする。
本発明の請求項8に記載の通気性壁紙は、前記壁紙表面にラミネート加工を施す接着材料層として、酢酸ビニル系エマルジョン、アクリル系エマルジョン、エポキシ系エマルジョンおよびウレタン系エマルジョンからなる群から選択された水性の合成樹脂エマルジョン接着剤からなることを特徴とする。
本発明の請求項9に記載の通気性壁紙の製造方法は、全重量当りポリエステルまたはアクリル系等の合成繊維を5〜45重量%と、パルプ、レーヨン等のセルロース系繊維を55〜95重量%とを、それぞれ混合した後、抄紙機により抄造し、水中伸度を0.1%未満に設定したことを特徴とする。
本発明の請求項10に記載の通気性壁紙の製造方法は、全重量当りポリエステルまたはアクリル系等の合成繊維を5〜45重量%と、パルプ、レーヨン等のセルロース系繊維を55〜95重量%とを、それぞれ混合ないし複合した状態でウェブ状に集積し、不織布として結合成形し、水中伸度を0.1%未満に設定したことを特徴する。
本発明の請求項1に記載の通気性壁紙によれば、壁面等に対する施工に際し、糊の水分が壁紙の表側に直ちに滲出することなく、糊付機により糊付けおよび貼付け作業を容易かつ円滑に行うことができると共に、通気性が良好にしてカビの発生を確実に防止し、しかも優れた寸法安定性を有する通気性壁紙を得ることができる。
本発明の請求項2ないし4に記載の通気性壁紙によれば、壁紙表面に、各種の印刷等による化粧層を設けたり、エンボス加工を施したり、発泡インキまたは発泡抑制インキにより凹凸模様の印刷加工を施して、意匠的審美性に優れた通気性壁紙を容易に得ることができる。
本発明の請求項5ないし9に記載の通気性壁紙によれば、優れた寸法安定性を有することから、接着材料層によるラミネート加工を施すことにより、異種の素材を積層して意匠的審美性をより一層向上させた通気性壁紙を容易に得ることができる。
本発明の請求項9および10に記載の通気性壁紙の製造方法によれば、全重量当りポリエステルまたはアクリル系等の合成繊維を5〜45重量%と、パルプ、レーヨン等のセルロース系繊維を55〜95重量%とにより、抄紙機により抄造した紙として、およびウェブ状に集積して結合成形した不織布として、糊付機により糊付けおよび貼付け作業を容易かつ円滑に行うことができ、通気性が良好にしてカビの発生を確実に防止し、しかも優れた寸法安定性を有する通気性壁紙を、低コストに製造することができる。
次に、本発明に係る通気性壁紙およびその製造方法の実施例につき、添付図面を参照しながら以下詳細に説明する。
図1は、本発明に係る通気性壁紙の一実施例を示す断面構成図である。すなわち、本実施例の通気性壁紙10Aは、全重量当りポリエステル系またはアクリル系等の合成繊維を5〜45重量%と、パルプ、レーヨン等のセルロース系繊維を55〜95重量%とを、それぞれ混合して抄紙機により抄造した構成からなる。
このように構成される本実施例の通気性壁紙10Aは、次のような特性を有する。
(1) 坪量:70〔g/m2 〕[標準偏差:2.3]
(2) 厚さ:157〔μm〕[標準偏差:8]
(3) 浸透性( 196Pa ):70〔L/M2 /S〕[標準偏差:12]
(4) 引張り強さ(縦方向):4650〔N/M〕[標準偏差:558]
引張り強さ(横方向):2950〔N/M〕[標準偏差:354]
(5) 伸び(縦方向):3〔%〕
伸び(横方向):8〔%〕
(6) 引裂き(縦方向):145〔Grs〕
引裂き(横方向):175〔Grs〕
(7) 湿気/乾燥比:22〔%〕
(8) 白色度:70.5〔%〕
(9) 不透明性:94.5〔%〕
(10)水滴テスト:999〔Seconde〕
また、本発明に係る通気性壁紙10Aは、前記全重量当りポリエステル系またはアクリル系等の合成繊維を5〜45重量%と、パルプ、レーヨン等のセルロース系繊維を55〜95重量%とを、それぞれ混合ないし複合した状態でウェブ状に集積し、結合して不織布とした構成とすることができる。
本実施例において適用する合成繊維としては、ポリエステル、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリビニルアルコール、アクリル系等の合成繊維を使用することができる。特に、本発明に係る通気性壁紙を製造するに際しては、前述した市販されているポリオレフィン系熱接着性芯鞘型複合繊維〔ダイワボウ製のNBF(E)〕、ポリエステル系芯鞘型複合繊維〔帝人製のテルピス(登録商標)低融点バインダーファイバー〕、あるいはポリエステルバインダーファイバー〔ユニチカ製のユニチカエステルバインダー“メルティ”(芯鞘構造型/単一ポリマー型〕を好適に使用することができる。
本実施例において適用するセルロース系繊維としては、例えば木材パルプ、リンター、その他各種の非木材植物繊維等の天然セルロース繊維、または、針葉樹や広葉樹の化学パルプや機械パルプ等の木材パルプ、古紙パルプ、麻や綿等の非木材天然パルプ、合成化学パルプ、レーヨン等を好適に使用することができる。
なお、本実施例における通気性壁紙10Aは、前記構成からなる紙または不織布の製造に際し、水中伸度を0.1%未満に設定することにより、通気性の良好な紙または不織布からなる通気性壁紙10Aを得ることができる。
図2は、本発明に係る通気性壁紙の別の実施例を示すものである。すなわち、本実施例の通気性壁紙10Bは、前記通気性壁紙10Aの表面に、グラビア印刷、フレキソ印刷またはUV印刷等による化粧層12を施したものである。
図3は、本発明に係る通気性壁紙の別の実施例であって、前記図2に示す通気性壁紙10Bの変形例を示すものである。すなわち、本実施例の通気性壁紙10B′は、通気性壁紙10Aの表面の化粧層として、発泡インキまたは発泡抑制インキを使用した発泡印刷により、印刷面に凹凸模様等を設けて、立体感のある化粧層13を形成したものである。なお、本実施例においては、前述した実施例2におけるグラビア印刷、フレキソ印刷またはUV印刷等による化粧層12と併用される。
特に、本実施例においては、発泡インキとして、例えばプラスチゾルインキ、水性インキ、有機溶剤型インキを使用し、グラビア印刷やスクリーン印刷により模様を印刷し、加熱により発泡させて凹凸効果を得るものである。また、発泡抑制インキとしては、例えば無水トリメリット酸のような多価カルボン酸または多価カルボン酸無水物を混入したインキを使用し、壁紙に発泡剤入りの塩ビペーストを塗布し、これをゲル化、低温予備発泡させた後、凹部とすべき模様部分を発泡抑制インキで印刷し、その上へ透明塩ビ層を作成して、加熱発泡させることにより、凹凸効果を得るものである。
図4は、本発明に係る通気性壁紙のさらに別の実施例であって、前記図1に示す通気性壁紙10Aの変形例を示すものである。すなわち、本実施例の通気性壁紙10Cは、通気性壁紙10Aに対し、全面的または部分的に、エンボス加工14を施したものである。
図5は、本発明に係る通気性壁紙の他の実施例を示すものである。すなわち本実施例の通気性壁紙10Dは、通気性壁紙10Aの表面に、接着材料層16をラミネート加工し、この接着材料層16の上面に、洋紙、和紙、襖紙等の紙壁紙18を貼り合わせたものである。
本実施例において、前記接着材料層16としては、本発明者が先に紙壁紙の製造方法として提案し、特開平10−266099号公報に開示された、酢酸ビニル系エマルジョン、アクリル系エマルジョン、エポキシ系エマルジョンおよびウレタン系エマルジョンからなる群から選択された水性の合成樹脂エマルジョン接着剤を好適に使用することができる。このような接着材料層16を使用することにより、紙壁紙18の貼り合わせに際して、寸法安定性に優れ、高品質の通気性壁紙10Dを得ることができる。
また、前記紙壁紙18として、特に手漉き和紙や機械漉き和紙を使用する場合には、吸水および乾燥による伸縮が著しく、寸法安定性に問題がある。しかし、前述したように、通気性壁紙10Aの表面に、接着材料層16をラミネート加工することにより、紙壁紙18として機械漉き和紙を貼り合わせ、しかも前記和紙の表面に適宜処理剤を多層に設けることにより、和紙の特性を充分に備え、インクジェットによる印刷可能な通気性を有する和紙壁紙10Dを得ることができる。
図6は、本発明に係る通気性壁紙のさらに他の実施例であって、前記図5に示す通気性壁紙10Dの変形例を示すものである。すなわち、本実施例の通気性壁紙10Eは、接着材料層16をラミネート加工した通気性壁紙10Aの前記接着材料層16の上面に、織物壁紙20を貼り合わせたものである。本実施例においても、前記実施例と同様に、接着材料層16を使用することによって、織物壁紙20の貼り合わせに際して、寸法安定性に優れ、高品質の通気性を有する織物壁紙10Eを得ることができる。
次に、前述した実施例1に記載される本発明の通気性壁紙10Aについて、カビ抵抗性試験を行った。なお、一般建築から検出されるカビ(菌)の種類として、57種の菌が確認されている。
(カビ抵抗性試験)
A.壁紙試料
(1) 生分解性壁紙[280g/m2 ](試料No.1,2)
(2) 本発明に係る通気性壁紙[230g/m2 ](試料No.3,4,5)
(3) 塩ビ(PVC)壁紙[290g/m2 ](試料No.6,7,8)
B.壁紙用接着剤
(1) ドイツ、ヘンケル社の接着剤[ヘンケル剤](試料No.1,4,7)
(2) ドイツ、ヘンケル社の防カビ剤入り接着剤[防カヒ゛剤](試料No.2,5,8)
(3) 市販のデンプン糊[テ゛ンフ゜ン糊](試料No.3)
C.カビ抵抗性試験結果
Figure 2006200111
但し、カビ抵抗性試験の判定は、5段階評価によるものであり、“0”は菌の発育が全く見られない、“1”は僅かに発育が見られる、“2”は少し発育が見られる、“3”は中間的な発育が確認できる、“4”は激しい発育が見られる場合である。
以上のカビ抵抗性試験結果から、本発明に係る通気性壁紙(試料No.3,4,5)は、壁紙用接着剤の種類に関係なくカビ抵抗性に優れていることが確認された。また、その他の壁紙については、防カビ剤入り接着剤を使用することにより、カビ抵抗性を高めることができることが確認された。
以上、本発明の好適な実施例について説明したが、本発明は前記実施例に限定されることなく、例えば本発明の実施例1で得られる通気性壁紙は、各種の壁紙のベースペーパーないしは裏打ち紙として広範囲に適用することができると共に、その他本発明の精神を逸脱しない範囲内において、多くの設計変更が可能である。
本発明に係る通気性壁紙の基本構成を示す要部説明図である。 本発明に係る通気性壁紙の別の実施例を示す要部説明図である。 図2における通気性壁紙の変形例を示す要部説明図である。 本発明に係る通気性壁紙のさらに別の実施例を示す要部説明図である。 図4における通気性壁紙の変形例を示す要部説明図である。 図4における通気性壁紙の別の変形例を示す要部説明図である。
符号の説明
10A、10B、10B′、10C、10D、10E 通気性壁紙
12 化粧層
13 印刷発泡による化粧層
14 エンボス加工
16 接着材料層
18 紙壁紙
20 織物壁紙

Claims (10)

  1. 全重量当りポリエステルまたはアクリル系等の合成繊維を5〜45重量%と、パルプ、レーヨン等のセルロース系繊維を55〜95重量%とを、含有することを特徴とする通気性壁紙。
  2. 前記壁紙表面に、グラビア印刷、フレキソ印刷またはUV印刷等による化粧層を設けたことを特徴とする請求項1記載の通気性壁紙。
  3. 前記壁紙に対し全面的または部分的に、エンボス加工を施してなることを特徴とする請求項1または2記載の通気性壁紙。
  4. 前記壁紙表面に、発泡インキまたは発泡抑制インキにより印刷加工を施した後、前記インキを加熱発泡させて印刷面に凹凸を設けることを特徴とする請求項1記載の通気性壁紙。
  5. 前記壁紙表面に、接着材料層によるラミネート加工を施し、この接着材料層の上面に洋紙、和紙、襖紙等の紙壁紙を貼り合わせたことを特徴とする請求項1記載の通気性壁紙。
  6. 前記接着材料層の上面に機械漉き和紙を貼り合わせたことを特徴とする請求項5記載の通気性壁紙。
  7. 前記壁紙表面に、接着材料層によるラミネート加工を施し、この接着材料層の上面に織物壁紙を貼り合わせたことを特徴とする請求項1記載の通気性壁紙。
  8. 前記壁紙表面にラミネート加工を施す接着材料層は、酢酸ビニル系エマルジョン、アクリル系エマルジョン、エポキシ系エマルジョンおよびウレタン系エマルジョンからなる群から選択された水性の合成樹脂エマルジョン接着剤からなることを特徴とする請求項5ないし7のいずれかに記載の通気性壁紙。
  9. 全重量当りポリエステルまたはアクリル系等の合成繊維を5〜45重量%と、パルプ、レーヨン等のセルロース系繊維を55〜95重量%とを、それぞれ混合した後、抄紙機により抄造し、水中伸度を0.1%未満に設定したことを特徴とする通気性壁紙の製造方法。
  10. 全重量当りポリエステルまたはアクリル系等の合成繊維を5〜45重量%と、パルプ、レーヨン等のセルロース系繊維を55〜95重量%とを、それぞれ混合ないし複合した状態でウェブ状に集積し、不織布として結合成形し、水中伸度を0.1%未満に設定したことを特徴する通気性壁紙の製造方法。
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