JP2003025503A - エンボス紙壁紙 - Google Patents

エンボス紙壁紙

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JP2003025503A
JP2003025503A JP2001215313A JP2001215313A JP2003025503A JP 2003025503 A JP2003025503 A JP 2003025503A JP 2001215313 A JP2001215313 A JP 2001215313A JP 2001215313 A JP2001215313 A JP 2001215313A JP 2003025503 A JP2003025503 A JP 2003025503A
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JP
Japan
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heat
paper
surface layer
aluminum hydroxide
fusible
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Application number
JP2001215313A
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English (en)
Inventor
Tetsuo Hara
徹郎 原
Katsura Sasaki
桂 佐々木
Takashi Sunami
尚 砂見
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INTERIOR PLANNING SYSTEM KK
Lintec Corp
Toyota Tsusho Corp
Original Assignee
INTERIOR PLANNING SYSTEM KK
Lintec Corp
Toyota Tsusho Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 紙壁紙に熱融着性芯鞘複合繊維を適用し、機
能的にも品質的にも優れた新規な脱塩ビ壁紙を得る。 【解決手段】 表面紙と裏打紙18をエマルジョン型接
着剤17によって貼り合わせて紙壁紙とする。表面紙の
表面に、裏打紙18の表面に形跡20が現われる程度の
強い加熱エンボスを施す。表面紙は、水酸化アルミニウ
ム粉末が抄き込まれていない表面層13と、水酸化アル
ミニウム粉末が抄き込まれている裏面層15との多層抄
きとする。表面層13は、熱融着性ポリマーを鞘成分と
し、その熱融着性ポリマーよりも融点の高い高融点ポリ
マーを芯成分とする熱融着性芯鞘複合繊維の短繊維片1
2と植物質パルプ繊維11とで構成する。短繊維片12
の長さは15mm以下に、その繊度は3dtex以下と
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パルプ繊維を主材
とする紙壁紙に関するものである。
【0002】
【従来の技術】汎用される壁紙の大半は、裏打紙に塩化
ビニル樹脂を積層した所謂“塩ビ壁紙”で占められてい
る。しかし塩ビ壁紙は、焼却時にハロゲンやダイオキシ
ンを含む有害ガスを発生し、又、塩化ビニル樹脂に配合
される可塑剤が発ガン性物質であることからして、塩ビ
壁紙に代わる汎用性のある壁紙の開発、即ち“脱塩ビ”
が業界の急務になっている。その一例として、特許第2
984991号(特開平11−217799号)と特許
第2977803号(以下、先願技術と言う。)には、
熱融着性ポリマーを鞘成分とし、その熱融着性ポリマー
よりも高融点のポリマーを芯成分とする熱融着性芯鞘複
合繊維のウェブを上層とし、セルロース繊維を主材とす
る非熱融着性繊維のウェブを下層とするフェルトや不織
布を表面材とし、それに裏打紙を貼り合わせて加熱エン
ボスを施した壁紙が開示されている。
【0003】従来、ポリプロピレン樹脂やポリエチレン
樹脂をTダイ押出機からフィルム状に押し出して裏打紙
に積層した所謂“フィルム壁紙”は公知である。しか
し、ポリプロピレン樹脂やポリエチレン樹脂のように熱
溶融温度(融点)と燃焼開始温度(熱分解点)との温度
差が大きくなく、その温度差が少ないポリエチレンテレ
フタレート樹脂ではTダイ押出機からフィルム状に押し
出して裏打紙に積層することは困難であり、ポリエチレ
ンテレフタレート樹脂をフイルム状に積層したフィルム
壁紙は知られていない。この点で、先願技術は、ポリエ
チレンテレフタレート樹脂をTダイ押出機からフィルム
状に押し出すのではなく、それを繊維として紡錘し、そ
の繊維ウェブを非熱融着性繊維ウェブに重ね、加熱エン
ボスして非熱融着性繊維ウェブに密着したフィルムに
し、ポリエチレンテレフタレート樹脂のフィルム壁紙を
実用化するものとして高く評価される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】然るに、先願技術に係
るフィルム壁紙は、技術的には新規でも、商品としては
ポリプロピレン樹脂やポリエチレン樹脂に代えてポリエ
チレンテレフタレート樹脂を使用したと言うだけで格別
ではなく、従来のフィルム壁紙と同様に、表面結露防止
に必要とされる吸湿性と保湿性を欠き、施工時に求めら
れる程よい伸縮性、施工後の施工糊の乾燥し易さ、難燃
化等の点が問題となる。
【0005】
【発明の目的】本発明は、紙壁紙に熱融着性芯鞘複合繊
維を適用し、機能的にも品質的にも優れた新規な脱塩ビ
壁紙を得ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、(a) 裏面
に凹凸が現われる程度に表面に加熱エンボスによる凹凸
19が施された表面紙23の裏面に、熱可塑性樹脂を接
着成分とするエマルジョン型接着剤17の塗膜を介して
裏打紙18が貼り合わされた紙壁紙であり、(b) 表
面紙23の裏面に現れた加熱エンボスによる凸部20が
裏打紙18に接着し、その裏面の凸部20と凸部20の
間の窪みが、裏打紙18に接着せず、裏打紙18と表面
紙23に挟まれた空隙24を形成しており、(c) 表
面紙23が、水酸化アルミニウム粉末が抄き込まれてい
ない表面層13と、水酸化アルミニウム粉末が抄き込ま
れている裏面層15を含む多層に抄き込まれており、
(d) 表面紙23の表面層13が、熱融着性ポリマー
を鞘成分とし、その熱融着性ポリマーよりも融点の高い
高融点ポリマーを芯成分とする熱融着性芯鞘複合繊維の
短繊維片12と植物質パルプ繊維11で構成されてお
り、(e) 熱融着性芯鞘複合繊維の短繊維片12と植
物質パルプ繊維11との混合比率が、植物質パルプ繊維
20〜90重量%に対して短繊維片80〜10重量%で
あり、(f) 熱融着性芯鞘複合繊維の短繊維片12の
長さが15mm以下で、繊度が3dtex以下であり、
(g) 水酸化アルミニウム粉末が抄き込まれていない
表面層13の坪量が30〜100g/m2 であり、
(h) 表面層13と裏面層15を含む表面紙全体(2
3)の合計坪量が50〜150g/m2 であり、(i)
裏面層15の中の少なくとも表面層13に接する中層
部分14が、植物質パルプ繊維70〜90重量%に対し
30〜10重量%となる混合比率で水酸化アルミニウム
粉末を含有し、その水酸化アルミニウム粉末の粒径が1
0μm以下であり、(j)表面層13と裏面層15を構
成する植物質パルプ繊維(11)の長さが10mm以下
であり、(k) 裏打紙18の坪量が50〜150g/
2 であるエンボス紙壁紙を第1の要旨とする。
【0007】本発明の第2の要旨は、上記第1の要旨に
加えて、熱融着性芯鞘複合繊維の短繊維片12の熱融着
性鞘成分が、表面層13において隣合う繊維11・12
に熱融着し、その熱融着した熱融着性鞘成分21が、表
面に鱗片状皮膜22を形成していることにある。
【0008】本発明の第3の要旨は、上記第1または第
2の要旨に加えて、エマルジョン型接着剤18に水酸化
アルミニウムが配合されており、裏打紙に水酸化アルミ
ニウムを含有する防炎紙を使用したことにある。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の第1の特徴は、熱融着性
ポリマーを鞘成分とし、その熱融着性ポリマーよりも融
点の高い高融点ポリマーを芯成分とする熱融着性芯鞘複
合繊維12を、(1) 非熱可塑性である植物質パルプ
繊維11と混合して壁紙の表面層13に適用し、(2)
加熱エンボスを施して熱融着性芯鞘複合繊維12の熱
融着性ポリマー21を溶融し、その熱融着性ポリマー2
1によってパルプ繊維11や熱融着性芯鞘複合繊維(芯
成分)12の間を接合し、その混在する植物質パルプ繊
維11によって天然皮革や木材のように吸湿性や保湿
性、透湿性のある強靱な表面層13を形成した点にあ
り、それによって表面結露が発生せず、施工糊が塗布さ
れて伸縮性を増し、施工下地の不陸に合わせて施工する
ことが出来、施工後の施工糊が乾燥し易い壁紙が得られ
る。
【0010】即ち、本発明では、先願技術の壁紙のよう
に表面層を熱融着性芯鞘複合繊維だけで構成するのでは
なく、それを吸湿性のパルプ繊維11と混用し、そうす
ることによって加熱エンボスしたとき、熱融着性ポリマ
ー(鞘成分)21が不透湿のフイルムを形成せずに、パ
ルプ繊維11が混在した吸湿性皮膜が形成されるように
している。その熱融着性芯鞘複合繊維12とパルプ繊維
11との混用比率を、パルプ繊維20〜90重量%に対
して熱融着性芯鞘複合繊維80〜10重量%とするの
は、熱融着性芯鞘複合繊維12の混用率が少なければパ
ルプ繊維間の接合状態が悪くなって強靱な表面層13が
形成されず、裏打紙18との貼合時にエマルジョン型接
着剤の水分をパルプ繊維11が吸収して表面紙23に型
崩れが生じ、又、施工後はパルプ繊維11が収縮して表
面層23と表面層23との突き合わせ目地に目開きが発
生し易くなるからであり、他方、熱融着性芯鞘複合繊維
12の混用率が余り多ければ、パルプ繊維11に起因す
る紙壁紙の調湿機能が損なわれ、紙壁紙全体の難燃化が
困難になるからである。
【0011】熱融着性芯鞘複合繊維には、ポリエチレン
テレフタレートと変性ポリエステル(イソフタル酸共有
合ポリエステル)との芯鞘複合繊維、ポリエチレンテレ
フタレートと高密度ポリエチレンとの芯鞘複合繊維、ナ
イロン6とナイロン66との芯鞘複合繊維等、従来公知
の熱融着性芯鞘複合繊維が使用される。
【0012】本発明の第2の特徴は、熱融着性芯鞘複合
繊維12を、(1) 植物質パルプ繊維11と同様に長
さが15mm以下の短繊維片とすると共に、(2) そ
の太さ(繊度)を3dtex以下にした点にあり、そう
することによって熱融着性芯鞘複合繊維12と植物質パ
ルプ繊維11が均一に混合し、それらの繊維が密着して
緻密で強靱な薄い表面層13が形成され、それらの繊維
11・12が自由にズレ動いて加熱エンボスが無理なく
行われ、凹凸19がシャープに形成される。
【0013】即ち、本発明では、熱融着性芯鞘複合繊維
12によってフェルトや不織布を形成したり、加熱エン
ボスによって表面保護フィルムを形成しようとするので
はなく、それをパルプ繊維11の一部に代用しようとす
るものであり、従ってパルプ繊維11と同様に太さ(繊
度)が3dtex以下で長さが15mm以下の短繊維片
として使用される。そのように熱融着性芯鞘複合繊維1
2を細く短い短繊維片として混用すると、その混用率が
少なくても熱融着性芯鞘複合繊維12が表面層13に均
一に分布し、その表面層13を極薄にすることが出来
る。そして、その混用率が少なく、表面層13が極薄で
あれば、可燃性の熱融着性芯鞘複合繊維12に妨げられ
ることなく、紙壁紙全体の難燃化が容易になる。
【0014】本発明の第3の特徴は、(1) 可燃性の
熱融着性芯鞘複合繊維12の介在する表面層13を、難
燃剤である水酸化アルミニウムの混在する裏面層15と
一緒に抄き合わせ、(2) その坪量を30〜100g
/m2 とし、(3) 表面層13と裏面層15の合計坪
量を50〜150g/m2 にした点にあり、そうするこ
とによって、水酸化アルミニウムの介在しない表面層1
3の燃焼性が、裏面層15に混在する水酸化アルミニウ
ムに妨げられ、エマルジョン型接着剤17や裏打紙18
に水酸化アルミニウムを担持させて紙壁紙全体の難燃化
が容易になり、又、難燃剤である固形の水酸化アルミニ
ウムによって熱融着性芯鞘複合繊維12の熱融着機能が
損なわれることがなく、熱融着性芯鞘複合繊維12の熱
融着機能によって薄くて緻密な表面層13が形成され
る。
【0015】即ち、水酸化アルミニウムは、非水溶性の
固形の難燃剤として公知であるが、それが非水溶性固体
であるが故に、それを表面層13に混用するときは、熱
融着性芯鞘複合繊維12の熱融着性ポリマー(鞘成分)
21の熱融着性が水酸化アルミニウムによって阻害され
る。そこで本発明では、水酸化アルミニウムを熱融着性
芯鞘複合繊維と混用せず、それを同時に抄き上げられる
裏面層15に使用し、その裏面層15に介在する水酸化
アルミニウムによって熱融着性芯鞘複合繊維12の燃焼
性を抑えようとするものである。従って、熱融着性芯鞘
複合繊維12の混用率を多くする必要があるときは、そ
の混用率に応じて表面層13にも水酸化アルミニウムを
多少混用することも出来る。
【0016】裏面層15への水酸化アルミニウムの混用
率は5〜30重量%にすればよいが、その混用率は表面
紙全体の少なくとも3重量%、好ましくは5〜10重量
%にする。水酸化アルミニウムの粒径は8μm以下、好
ましくは3μm以下にする。そのように水酸化アルミニ
ウムを微細にするのは、熱融着性芯鞘複合繊維12を細
く短い短繊維片として使用するのと同じように、水酸化
アルミニウムの分散性をよくするためである。
【0017】表面層13ではパルプ繊維11が熱融着性
ポリマー21によって接合されているが、裏面層15
(14)ではパルプ繊維同士が密着して絡み合っている
ものの熱融着性ポリマー21によって接合されておら
ず、又、固形物質である水酸化アルミニウムがパルプ繊
維間を分離するように作用している。このため、表面層
13を掻き起こして引っ張れば、裏面層15(14)に
層内剥離が起こる。このため、改装時に施工されている
古い壁紙の表面層13を掻き起こして引っ張れば、裏打
紙18が壁面下地に残されたまま表面層13だけを剥離
することが出来、その剥離後は、残された裏打紙18に
壁面下地が被覆されているので、新しい壁紙が貼り易く
なり、その剥ぎ残された古い壁紙の残片の陰影が、貼り
変えた新しい壁紙の表面に部分的に汚く現れることがな
く、貼替えが綺麗に仕上がる。
【0018】そして表面紙23と裏打紙18の間に介在
する接着剤層17の主材は、水中に分散してエマルジョ
ンとなって非水溶性熱可塑性樹脂であり、その塗布量を
150〜250g/m2 (乾燥固形分重量)にすると、
接着剤層17が非透湿性になり、施工時に施工糊の塗布
面同士を合わせ、その塗布した施工糊の水分が浸透して
裏打紙18に馴染むまで長時間放置しても、その水分が
接着剤層17を透過して表面紙23を湿潤させることが
なく、従って、その合わせた塗布面の間に介在する施工
糊が固化することがなく、それ故、壁面下地に貼り合わ
せるとき拡布し難くなると言うような不具合も生じな
い。接着剤17には、アクリル樹脂エマルジョン、エチ
レン・酢酸ビニル樹脂エマルジョン等の熱可塑性樹脂エ
マルジョンが使用される。
【0019】本発明の第4の特徴は、水酸化アルミニウ
ムが混在する水酸化アルミニウムの混在層(中層部分1
4)を裏面層15とする積層構造の表面紙23と裏打紙
18を、熱可塑性樹脂を主材とするエマルジョン型接着
剤17によって貼り合わせ、水酸化アルミニウムの混在
層(中層部分14、裏面層15)の層内剥離によって、
貼替時の熱融着性芯鞘複合繊維の混在層(表面層13)
と裏打紙18との間の層間剥離を容易にし、又、施工時
に塗布される施工糊の水分の表面紙23への浸透を抑
え、それによって施工糊の塗布後にその施工糊が裏打紙
18に馴染むまでのオープンタイムを長くとれるように
し、更に、加熱エンボスによる凹凸19の形状安定性を
改善した点にある。
【0020】本発明の第5の特徴は、裏面に凹凸20が
現われる程度に強く表面紙23に加熱エンボスによる凹
凸19が施されている点にある。そのように強い加熱エ
ンボスを施すときは、表面層13の表面に現れている熱
融着性芯鞘複合繊維の鞘成分(熱融着性ポリマー)21
が、熱溶融し変形して熱融着性芯鞘複合繊維(芯成分)
12・12やパルプ繊維11・11と一体になった鱗片
状皮膜22を形成する。その結果、表面が露出する鱗片
状皮膜22によって平滑に仕上がり、耐摩耗性を増し、
引っ掻き疵が付き難くなる。その裏面に現れる凹凸20
は、鱗片状皮膜22を形成する加熱エンボスの目安とな
るものであり、表面層13の凹凸19に表裏していると
認められる程度のものであればよく、表面層13の凹凸
19のように先鋭・シャープなものである必要はない。
熱溶融した熱融着性芯鞘複合繊維の鞘成分(熱融着性ポ
リマー)21が、連続したフィルムを形成せず、フィル
ムが破断した形状の鱗片状皮膜22が形成され、透湿性
の表面層13が形成されるようにするためにも、パルプ
繊維と熱融着性芯鞘複合繊維の混用比率を20〜90重
量%対80〜10重量%とする。表面紙23には、顔料
を抄き込むことが出来、又、表面層13には加熱エンボ
スに先立ってプリントや防汚加工を施す等して強度アッ
プを図ることも出来る。
【0021】本発明の第6の特徴は、エマルジョン型接
着剤17に水酸化アルミニウムを配合し、裏打紙18に
水酸化アルミニウムを含有する防炎紙を用い、裏面層1
5に混在する水酸化アルミニウムと共に紙壁紙全体を難
燃化した点にある。即ち、本発明では、燃焼性の高い熱
融着性芯鞘複合繊維12が、燃焼性の低いパルプ繊維1
1と混用されており、その熱融着性芯鞘複合繊維12の
混用された表面層13と、水酸化アルミニウムの配合さ
れた裏面層15(中層部分14)が抄き合わされている
が、接着剤17と裏打紙18に水酸化アルミニウムを担
持させることによって、裏面層15(中層部分14)へ
の水酸化アルミニウムの混用率を少なくし、水酸化アル
ミニウムを混用することによって裏面層15(中層部分
14)の物性が損なわれないようにしている。裏打紙1
8には公知の難燃紙や不燃紙が使用される。エマルジョ
ン型接着剤17には、水酸化アルミニウムの他に、水酸
化マグネシウム、硼砂(四硼酸ナトリウム十水和物)等
の結晶水保有無機化合物を配合することが出来る。
【0022】裏面層15は、表面層13に接する中層部
分14にだけ水酸化アルミニウムを混在させ、接着剤層
17に接する裏側部分はパルプ繊維だけの粒体無配合層
16とすると言うように、複数積層構造にすることも出
来る。即ち、表面紙全体を複数積層構造(13・14・
16)にして抄造することも出来る。表面層13や裏面
層15のパルプ繊維11には、木材パルプ、古紙、更古
紙等のほか、ケナフ、葦、バガス、竹、砂糖黍その他の
非木材パルプ系のものが使用される。表面層13や裏面
層15(14・16)には、消臭剤、防汚剤、抗菌剤等
を付与することも出来る。
【0023】
【実施例】イソフタル酸共有合ポリエステル(融点12
5℃)を鞘成分とし、ポリエステル(融点180℃)を
芯成分とする芯鞘複合繊維20重量%とケナフ10重量
%と木材新生(バージン)パルプ40重量%と故紙パル
プ30重量%とから成る第1パルプと、木材新生パルプ
30重量%と故紙パルプ50重量%と水酸化アルミニウ
ム20重量%とから成る第2パルプを抄き合わせて、第
1パルプ80g/m 2 の表面層13と第2パルプ40g
/m2 の裏面層15とから成る表面紙(坪量120g/
2 )23を抄造し、180℃の加熱エンボスロールに
通して凹凸差が約1mmで裏面に現れる程度の深エンボ
ス(凹凸19)を付け、木材新生パルプ25重量%とガ
ラス繊維2重量%と水酸化アルミニウム73重量%とか
ら成る坪量120g/m2 の難燃裏打紙18に塗布した
酢酸ビニル樹脂100重量部に対し40重量部の割合で
水酸化アルミニウムを配合した酢酸ビニル樹脂エマルジ
ョン接着剤18の塗布面(固形分塗布重量200g/m
2 )に貼り合わせて紙壁紙(実施品)を製造した。この
実施品を、JIS−A−1322に基づいて燃焼性試験
をしたところ、準不燃壁紙に合格した。
【0024】
【比較例】上記実施例で使用した表面紙に代えて、木材
新生パルプ70重量%と故紙パルプ30重量%とから成
る表面紙(坪量120g/m2 )23を使用し、上記実
施例と同様に深エンボス(凹凸19)を付け、酢酸ビニ
ル樹脂エマルジョン接着剤(固形分塗布重量200g/
2 )18によって難燃裏打紙(坪量120g/m 2
18に貼り合わせて紙壁紙(比較品)を製造した。
【0025】
【比較試験】上記実施品と比較品を、それぞれ温度23
℃、相対湿度50%の状態に維持して調湿し、タテ23
cm×ヨコ4cmのタテ試験片4枚とヨコ23cm×タ
テ4cmのヨコ試験片4枚をそれぞれ実施品と比較品か
ら採取し、水に15分間浸漬して取り出し、それらの試
験片の長さ方向(23cm)の長さ(寸法Acm)を測
定し、それらの試験片を温度23℃、相対湿度50%の
状態に維持して自然乾燥し、再び試験片の長さ方向(2
3cm)の長さ(寸法Bcm)を測定し、湿潤伸度X%
=100×A/23と乾燥収縮率Y%=100×(A−
B)/Aを調べたところ、実施品のタテ湿潤伸度は0.
05%、ヨコ湿潤伸度は0.15%、タテ乾燥収縮率は
0.59%、ヨコ率は乾燥収縮率は1.27%、比較品
のタテ湿潤伸度は−0.05%、ヨコ湿潤伸度は1.8
0%、タテ乾燥収縮率は0.46%、ヨコ率は乾燥収縮
率は1.29%であった。実施品と比較品を石膏ボード
壁面下地27に施工し、30日経過後調べたところ、比
較品では突き合わせ目地に目開き25が見られたが、実
施品では目開き25が認められなかった。
【0026】
【発明の効果】本発明によると、表面層13に吸湿性の
パルプ繊維が使用されているので、吸湿性、保湿性、透
湿性を有し、表面結露が発生せず、施工糊26が塗布さ
れて伸縮性を増し、上記比較試験結果が示すようにタテ
・ヨコの湿潤伸度に格別な伸度差がなく、上記比較の如
くタテ方向に収縮することはなく、施工壁面下地27の
不陸に合わせて施工することが出来、施工後の施工糊2
6が乾燥し易く、施工後のペンキ塗装仕上げにも適した
エンボス紙壁紙が得られる。
【0027】表面層13に熱融着性芯鞘複合繊維12が
使用されているので、加熱エンボスによる凹凸19がシ
ャープになり、その凹凸19の形状安定性もよくなる。
そして熱融着性ポリマー21によってパルプ繊維11や
熱融着性芯鞘複合繊維(芯成分)12の間が接合されて
強靱な表面層13が形成されているので、施工糊の塗布
後のオープンタイムがとり易く、その塗布後に折り畳ん
で養生するとき折り皺が発生せず、仮にオープンタイム
を長くとり過ぎて施工糊の水分が表面紙23に浸透して
も、それを壁面下地27に貼り合わせるために拡布する
とき破れが発生することもない。そして施工後には、パ
ルプ繊維が吸湿しても表面紙23が伸縮することもな
く、上記比較試験結果が示すようにヨコ方向(幅方向)
での乾燥収縮率が少ないため、突き合わせて施工した目
地に目開き25が発生せず、表面が平滑で引っ掻き疵が
つき難く、更に、貼替時には表面層13だけを剥離する
ことが出来、貼替施工も楽になる。そして、表面層13
に熱融着性芯鞘複合繊維12をパルプ繊維と混用し、水
酸化アルミニウムを表面層13に用いることなく裏面層
15に用いたので、他の物性品質を損なうことなく難燃
性能に優れた脱塩ビ壁紙を得ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るエンボス紙壁紙の一部切截拡大斜
視図である。
【図2】従来のエンボス紙壁紙の施工された目地部分で
の拡大断面図である。
【符号の説明】 11 植物質パルプ繊維 12 熱融着性芯鞘複合繊維(短繊維片) 13 表面層 14 中層部分 15 裏面層 16 粒体無配合層 17 接着剤 18 裏打紙 19・20 凹凸 21 熱融着性ポリマー(鞘成分) 22 鱗片状皮膜 23 表面紙 24 空隙 25 目開き 26 施工糊 27 壁面下地
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) E04F 13/00 E04F 13/00 B (72)発明者 原 徹郎 名古屋市中村区名駅4丁目7番23号 豊田 通商株式会社内 (72)発明者 佐々木 桂 京都市伏見区桃山南大島町71番地の18 (72)発明者 砂見 尚 大阪市西区北堀江3−6−11 リンテック 株式会社内 Fターム(参考) 4F100 AA19B AA19C AA19D AA19E AG00 AJ02 AK01B AK22 AK42 AL01 BA05 BA07 BA10A BA10C BA32 DD06A DD06D DD06E DE01D DE01E DG02A DG02E DG03A DG10A DG10C DG10D DG10E EH41D EH46B EJ39A EJ39D EJ39E EJ40 EJ42A EJ42D EJ42E GB08 JB16B JJ07 JL11B JM01B JM01J YY00A YY00C YY00E 4L055 AF09 AF33 AG17 AH26 AJ01 AJ07 EA08 EA16 EA32 FA19 GA23

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a) 裏面に凹凸が現われる程度に表面
    に加熱エンボスによる凹凸(19)が施された表面紙
    (23)の裏面に、熱可塑性樹脂を接着成分とするエマ
    ルジョン型接着剤(17)の塗膜を介して裏打紙(1
    8)が貼り合わされた紙壁紙であり、(b) 表面紙
    (23)の裏面に現れた加熱エンボスによる凸部(2
    0)が裏打紙(18)に接着し、その裏面の凸部(2
    0)と凸部(20)の間の窪みが、裏打紙(18)に接
    着せず、裏打紙(18)と表面紙(23)に挟まれた空
    隙(24)を形成しており、(c) 表面紙(23)
    が、水酸化アルミニウム粉末が抄き込まれていない表面
    層(13)と、水酸化アルミニウム粉末が抄き込まれて
    いる裏面層(15)を含む多層に抄き込まれており、
    (d) 表面紙(23)の表面層(13)が、熱融着性
    ポリマーを鞘成分とし、その熱融着性ポリマーよりも融
    点の高い高融点ポリマーを芯成分とする熱融着性芯鞘複
    合繊維の短繊維片(12)と植物質パルプ繊維(11)
    で構成されており、(e) 熱融着性芯鞘複合繊維の短
    繊維片(12)と植物質パルプ繊維(11)との混合比
    率が、植物質パルプ繊維20〜90重量%に対して短繊
    維片80〜10重量%であり、(f) 熱融着性芯鞘複
    合繊維の短繊維片(12)の長さが15mm以下で、繊
    度が3dtex以下であり、(g) 水酸化アルミニウ
    ム粉末が抄き込まれていない表面層(13)の坪量が3
    0〜100g/m2 であり、(h) 表面層(13)と
    裏面層(15)を含む表面紙全体(23)の合計坪量が
    50〜150g/m2 であり、(i) 裏面層(15)
    の中の少なくとも表面層(13)に接する中層部分(1
    4)が、植物質パルプ繊維70〜90重量%に対し30
    〜10重量%となる混合比率で水酸化アルミニウム粉末
    を含有し、その水酸化アルミニウム粉末の粒径が10μ
    m以下であり、(j) 表面層(13)と裏面層(1
    5)を構成する植物質パルプ繊維(11)の長さが10
    mm以下であり、(k) 裏打紙(18)の坪量が50
    〜150g/m2 であるエンボス紙壁紙。
  2. 【請求項2】 前掲請求項1に記載の熱融着性芯鞘複合
    繊維の短繊維片(12)の熱融着性鞘成分が、表面層
    (13において隣合う繊維(11・12)に熱融着し、
    その熱融着した熱融着性鞘成分(21)が、表面に鱗片
    状皮膜(22)を形成している前掲請求項1に記載のエ
    ンボス紙壁紙。
  3. 【請求項3】 前掲請求項1に記載のエマルジョン型接
    着剤(18)に水酸化アルミニウムが配合されており、
    裏打紙が水酸化アルミニウムを含有する防炎紙である前
    掲請求項1に記載のエンボス紙壁紙。
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