JP3092001B2 - パルプ繊維壁紙 - Google Patents

パルプ繊維壁紙

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、室内装飾のために
壁面に貼付して使用される壁紙に関するものであり、更
に詳しく言えば、優れた加工性や施工性等を備え、燃焼
時に有毒ガスを発生しない難燃性のパルプ繊維壁紙に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】裏打紙に発泡性塩化ビニル樹脂ペースト
を印刷し、その塗膜を加熱し発泡させてエンボス模様を
描出した発泡エンボス・塩化ビニル壁紙は、安価に得ら
れ、柔軟可撓でボリュゥム感があり、その塗膜が不透湿
性なので施工時塗布する施工糊の水分が表側から蒸発し
難く、その壁面への接着施工するまでのオープンタイム
を長くとることができ、施工し易い等のメリットがあ
り、一般市販の壁紙の多くは発泡エンボス・塩化ビニル
壁紙で占められている。
【0003】然るに、発泡エンボス・塩化ビニル壁紙で
は、塩化ビニル樹脂が含有する可塑剤が表面にブリード
し、壁紙表面が汚れたり、火災時や廃棄焼却時に多量の
塩化水素ガス等の有害ガス、黒煙や高熱を発生する等の
問題点を有している。このため、塩化ビニル樹脂をエチ
レン・酢酸ビニル共重合体に置き換える提案(特開昭5
8−4879号公報)や、非結晶ポリエステル樹脂を用
いる提案(特開平5−116255号公報)等がある
が、前者では樹脂の臭気の発生が指摘され、又、発泡エ
ンボス・塩化ビニル壁紙の有するボリュゥム感が得られ
ないという欠点がある。後者にあっては、表面が紙若し
くは不織布で構成される構造のため、柔軟感は得られる
が、埃や汚れが付着し易く、維持管理が困難になる欠点
がある。
【0004】これらの点で古くから使用されているパル
プ繊維を素材とする紙壁紙には問題はないが、発泡エン
ボス・塩化ビニル壁紙の有する特長を欠き、実用上問題
がある。その施工性の改善技術については実公昭61−
23040号(実開昭56−118037号)と実公昭
61−20076号(実開昭56−163530号)に
開示されており、そこでは、エクストルーダーから押し
出される熱溶融樹脂を介して裏打紙の上に表面化粧紙を
貼り合わせ、その表面化粧紙と裏打紙の間に介在する樹
脂層によって施工時に裏側に塗布される施工糊の乾燥を
抑制し、その施工糊の塗布後のオープンタイムを長くと
れるようにしており、特に、後者の実開昭61−200
76号では、表面化粧紙の上に発泡性インキを印刷し、
それを発泡させて凹凸のある表面保護層を形成してい
る。
【0005】又、紙壁紙には、表面保護フイルムを貼り
合わせて加熱エンボスロールに通し、凹凸を付けた表面
化粧紙を裏打紙と貼り合わせたものも知られており、こ
の紙壁紙も、表面が不透湿性のフイルムで被覆されてい
るので、施工糊の塗布後のオープンタイムを長くとるこ
とが出来る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記実公昭61−23
040号と実公昭61−20076号によると、確かに
発泡エンボス・塩化ビニル壁紙と同等の施工性を有する
紙壁紙が得られるものの、発泡エンボス・塩化ビニル壁
紙と同等の柔軟可撓でボリュゥム感のあるものは得られ
ない。勿論、実公昭61−20076号において、表面
化粧紙の上に印刷する発泡性インクの塗着量を増やして
高発泡させればボリュゥム感のある壁紙が得られること
になるが、インクに含まれているバインダーの含有量が
少なく、それを高発泡させれば、インク塗膜が弱く、耐
摩耗性を欠き、実用し得る壁紙は得られず、一方、その
含有量を多くすれば、バインダーも一種の樹脂組成物な
ので、得られる壁紙は発泡エンボス・塩化ビニル壁紙と
然程変わらないものとなり、それでは裏打紙と表面化粧
紙を貼り合わせた意味がなくなる。
【0007】上記の表面保護フイルムを貼り合わせて加
熱エンボスロールに通し、凹凸を付けた表面化粧紙を裏
打紙と貼り合わせた壁紙では、加熱エンボスロールに通
して付けた凹凸が裏打紙との貼合工程で加えられるテン
ションやガイドロールに擦られて消失することがないよ
うにするため、表面保護フイルムには厚みが50μm前
後のフイルムが用いられ、それに貼り合わせる化粧紙も
厚みや坪量が裏打紙と同程度のものであり、その凹凸が
型崩れし難い反面硬くて柔軟可撓性を欠く。
【0008】
【発明の目的】そこで本発明は、可塑剤やハロゲンを有
しない非塩ビ系壁紙に対するニーズに応え、パルプ繊維
を主材とし、柔軟可撓でボリュゥム感があり、施工性が
優れ、維持管理が容易で、燃焼時に有毒ガスを発生しな
い難燃性の壁紙を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明に係るパル
プ繊維壁紙は、裏打紙に熱溶融性樹脂フイルムを介して
パルプ繊維を主たる素材とする不織布が貼り合わされて
おり、その不織布の上に熱可塑性樹脂からなる表面保護
フイルムが貼り合わされており、熱溶融性樹脂フイルム
の厚みが10〜50μmであり、熱可塑性樹脂からなる
表面保護フイルムの厚みが5〜20μmであり、熱可塑
性樹脂からなる表面保護フイルムと不織布との積層に押
圧エンボスされた凹凸が付けられており、その凸部にお
ける不織布の嵩密度が0.05〜0.7g/cm3 であ
り、厚みが200〜500μmであることを特徴とする
ものである。
【0010】
【作用】本発明に係るパルプ繊維壁紙では、表側の不織
布が、裏打紙と同じパルプ繊維を素材とするものでも、
嵩高で凹凸が付けられており、その表面が薄い熱可塑性
樹脂製の表面保護フイルムで被覆されているので、発泡
エンボス・塩化ビニル壁紙と同様に汚染し難く、柔軟可
撓でボリュゥム感があり、又、その不織布と裏打紙の間
に介在して両者を接着している熱溶融性樹脂フイルム層
が厚み10〜50μmの不透湿防水層を構成するので、
発泡エンボス・塩化ビニル壁紙と同様に施工塗布する施
工糊が不織布層に滲み出さず、その水分が表側から蒸発
し難く、施工糊の塗布後のオープンタイムをとることが
出来て施工し易くなる。
【0011】
【発明の実施の形態】裏打紙14には、壁紙に慣用され
ているものが使用されるが、壁面施工下地に対する隠蔽
性と施工糊の塗着性を考慮すれば、坪量50〜100g
/m2 のもの、特に、パルプ繊維壁紙の難燃化の点では
難燃剤を有する難燃裏打紙を使用するとよい。
【0012】裏打紙14と不織布12とは、それらの間
に接着剤を塗着した熱溶融性樹脂フイルム13を挟んで
押圧し、又は、それらの間に熱溶融性樹脂フイルム13
を挟んで加熱して押圧し、その熱溶融するフイルムを介
して貼り合わせ、或いは、エクストルーダー(Tダイ押
出機)から熱溶融して押し出される熱溶融性樹脂フイル
ム13を裏打紙14と不織布12の間に挟み込んで貼り
合わせる。熱溶融性樹脂フイルムには、ポリエステル樹
脂、エチレン・酢酸ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、
ポリエチレン樹脂、アタックチックポリプロピレン樹
脂、等の各種の熱溶融性樹脂が使用されるが、パルプ繊
維壁紙の難燃化の点では、燃焼時に発煙量の少ないポリ
オレフイン系樹脂を使用するのがよく、このことは表面
保護フイルムの場合も同様である。その熱溶融性樹脂フ
イルムの厚みを10〜50μmとするのは、それが10
μm未満のものではピンホールが出来、施工時塗布する
施工糊の水分の表側への移行を抑制する不透湿防水層と
しての効用が薄れるからであり、又、それが50μmを
超えると、パルプ繊維壁紙が硬くなり、壁面施工下地の
入隅や出隅、或いは、起伏に合わせて施工し難くなり、
又、パルプ繊維壁紙の難燃化が阻害されるからである。
【0013】表面保護フイルム11と不織布12との貼
り合わせも、裏打紙14と不織布12の場合と同様にし
て行う。熱溶融した表面保護フイルムを不織布に貼り合
わせる場合、その熱溶融した表面保護フイルムを不織布
に押圧する押圧ロールには彫刻ロール(エンボスロー
ル)を使用して貼り合わせと同時に押圧エンボス加工を
行うとよい。又、接着剤を使用して貼り合わせる場合に
は、接着剤をドクターによって表面保護フイルムに全面
塗布してもよいが、その後に押圧エンボスし易くする上
ではグラビアロール等でドット状に部分的に塗着すると
よい。
【0014】表面保護フイルムと貼り合わせた不織布
に、熱溶融した熱溶融性樹脂フイルムを介して裏打紙を
貼り合わせる場合は、その貼り合わせと同時に押圧エン
ボス加工を行うとよい。本発明において、合成繊維を素
材とする不織布を使用せず、パルプ繊維を素材とする不
織布を使用する理由は、押圧エンボス加工時に不織布が
熱溶融してフイルム状にならず、パルプ繊維に表面保護
フイルム11が彫刻ロールの凹部へと押し上げられるよ
うにして嵩高な凸部16が形成されるようにするためで
ある。
【0015】表面保護フイルムの厚みを5〜20μmと
するのは、それが5μm未満になると、押圧エンボス加
工時に破れ易くなる一方、それが20μmを超えると、
押圧エンボス加工においてシャープ(鮮鋭)な凹凸が付
け難くなり、又、その凹凸が硬くなり、嵩高な不織布を
使用する意味がなくなる。更に、燃焼時の発熱量が増え
て、パルプ繊維壁紙の難燃化が阻害されるからである。
不織布には、パルプ繊維同士の接着のため、また、押圧
エンボス加工による凹凸が付き易くするために熱可塑性
樹脂バインダーを5〜50重量%付与し、或いはまた、
パルプ繊維壁紙の難燃化のために難燃剤を付与するとよ
い。不織布の層内剥離強度を高め、パルプ繊維壁紙の層
間剥離強度を高めるには、その凹部15において表面保
護フイルム11と熱溶融性樹脂フイルム13が接して融
着する程度に押圧エンボス加工を行うとよく、そのため
にも不織布12には嵩高なものを使用する。
【0016】慣用される2枚重ね合わせのテイッシュペ
ーパーの嵩密度は0.2〜0.3g/cm3 で、厚みが
100〜150μm(坪量で言えば25〜30g/
2 )となっており、又、慣用される裏打紙や複写機用
紙の嵩密度は0.7〜0.9g/cm3 で、厚みが90
〜120μm(坪量で言えば65〜110g/m2 )と
なっているので、本発明で使用する不織布は、2枚重ね
合わせのテイッシュペーパーと同じ程度の嵩密度と柔軟
可撓性を有するものと言うことが出来る。しかし、本発
明のパルプ繊維壁紙を構成する不織布12の嵩密度と厚
みは、押圧エンボス加工されて出来る凹凸の凸部16に
おける嵩密度と厚みであり、押圧エンボス加工において
は表面保護フイルム11と熱溶融性樹脂フイルム13の
間に介在する不織布全体(12)が押し潰されて薄くな
るし、熱溶融した熱溶融性樹脂フイルム13を間に挟ん
で裏打紙14と不織布12を貼り合わせる際にも押圧さ
れて不織布全体(12)が薄くなる。従って、本発明で
は、2枚のテイッシュペーパーよりも厚く嵩高な不織布
を用いることになる。
【0017】ところで、慣用されるウェットテイッシュ
(加湿されたパルプ繊維質手拭き)用不織布の嵩密度は
0.03〜0.10g/cm3 で、厚みが600〜30
00μm(坪量で言えば30〜300g/m2 )となっ
ている。従って、そのウェットテイッシュとして使用さ
れている坪量が40〜100g/m2 で加工前の厚みが
400〜3000μmの不織布を用い、凸部の厚みが2
00〜500μmになるように押圧エンボス加工を行え
ば、凸部における不織布の嵩密度を0.05〜0.7g
/cm3 に仕上げることが出来る。そのように凸部にお
ける不織布の嵩密度を0.05〜0.7g/cm3 にす
るのは、慣用されているティッシュペーパーやウェット
テイッシュ、複写機用紙、裏打紙等を見て分かるよう
に、嵩密度が0.05g/cm3 未満になると、不織布
が表面保護フイルムに補強されているとは言え、凸部が
押し潰されてしまい易く、それが0.7g/cm3 を超
えると、押圧エンボス加工による凹凸が硬くなってパル
プ繊維壁紙の手触りが悪くなるからである。
【0018】パルプ繊維壁紙に、表面化粧のために必要
とされる模様を印刷する場合、表面保護フイルムには透
明か半透明のものを使用し、輪郭のハッキリした図柄・
模様を描出する場合は不織布に向き合う表面保護フイル
ムの裏側に印刷し、ボカシ模様を描出する場合は不織布
に印刷すると耐摩擦堅牢度のよい壁紙が得られる。
【0019】
【実施例1】繊維長0.05〜5mmのパルプ繊維(王
子製紙株式会社製・NBKP)をパルプマットフォーマ
ーより散布して坪量45g/m2 の層状マットを形成
し、非架橋型エチレン酢酸ビニル・エマルジョン樹脂
(住友化学工業株式会社製・EVA)22重量部と難燃
剤(三和ケミカル株式会社製・アピノンP−3077重
量部と撥水剤(旭硝子株式会社製・アサヒガード)1重
量部とから成るバインダー水溶液をスプレーして坪量7
5g/m2 のパルプ不織布をつくる。次いで、このパル
プ不織布の片面に、グラビア印刷を施したエチレン・ビ
ニルアルコール共重合樹脂フイルム(株式会社クラレ製
・エバールHF−M・厚み12μm)を、その樹脂フイ
ルムに可塑剤を含有しないエチレン酢酸ビニル・エマル
ジョン接着剤(昭和高分子株式会社製・ポリゾールEV
A・AD−68)を20g/m2 (wet)塗布して貼
り合わせる。次いで、そのパルプ不織布の他の片面に、
坪量60g/m2 の難燃裏打紙を、エクストルージョン
ラミネートにより押し出される低密度ポリエチレン樹脂
(三井石油化学工業株式会社製・ミラゾン16P)の溶
融樹脂フイルム(厚み30μm)を介して貼り合わせ、
エチレン・ビニルアルコール共重合樹脂フイルム(厚み
12μm)とパルプ不織布(厚み458μm・嵩密度
0.16g/cm3 )と低密度ポリエチレン樹脂フイル
ム(厚み30μm)と難燃裏打紙(厚み100μm)か
ら成る厚み600μmの壁紙原反をつくる。次いで、こ
の壁紙原反を100°Cの加熱エンボスロールに通し、
凹部の深さ(凸部のパルプ不織布の厚み)が258μm
であり、凸部におけるパルプ不織布の嵩密度が0.29
g/cm3 であり、凸部における厚みが400μmのパ
ルプ繊維壁紙を得た。
【0020】
【実施例2】実施例1においてつくったパルプ不織布の
片面に、グラビア印刷を施したエチレン・ビニルアルコ
ール共重合樹脂フイルム(株式会社クラレ製・エバール
HF−M・厚み12μm)を、エクストルージョンラミ
ネートにより押し出される低密度ポリエチレン樹脂(三
井石油化学工業株式会社製・ミラゾン16P)の溶融樹
脂フイルム(厚み20μm)を介して貼り合わせ、同時
に、そのパルプ不織布の他の片面に、坪量60g/m2
の難燃裏打紙を、エクストルージョンラミネートにより
押し出される低密度ポリエチレン樹脂(三井石油化学工
業株式会社製・ミラゾン16P)の溶融樹脂フイルム
(厚み30μm)を介して貼り合わせ、エチレン・ビニ
ルアルコール共重合樹脂フイルム(厚み12μm)と低
密度ポリエチレン樹脂フイルム(厚み20μm)とパル
プ不織布(厚み438μm・嵩密度0.17g/c
3 )と低密度ポリエチレン樹脂フイルム(厚み30μ
m)と難燃裏打紙(厚み100μm)から成る厚み60
0μmの壁紙原反をつくる。次いで、この壁紙原反を1
00°Cの加熱エンボスロールに通し、凹部の深さ(凸
部のパルプ不織布の厚み)が238μmであり、凸部に
おけるパルプ不織布の嵩密度が0.32g/cm3 であ
り、凸部における厚みが400μmのパルプ繊維壁紙を
得た。
【0021】
【実用試験】上記実施例1と2において得られたパルプ
繊維壁紙を、澱粉系施工糊を使用して壁面に施工した
が、それらは在来の塩化ビニル壁紙と同様の柔軟・可撓
性を有し、在来の紙壁紙に見られた折り癖が残るような
こともなく、施工時塗布する施工糊中の水分が、その塗
布した裏面同士を重ね合わせて放置している間に散逸し
難く、従って、施工糊を塗布してから壁面に施工するま
でのオープンタイムを24時間以上とることが出来、塩
化ビニル壁紙と同等の施工性が認められた。又、それら
のパルプ繊維壁紙の燃焼試験において、燃焼時の発煙・
発熱量が少なく、塩化ビニル壁紙に見られる有害なハロ
ゲンガスの発生も認められなかった。
【0022】
【発明の効果】本発明において、裏打紙14に貼り合わ
される表面材に、それ自体を壁紙として使用し得る裏打
紙11と同質の紙ではなく、紙と同質のパルプ繊維を素
材とするものでも、ウェットテイッシュに使用し得る程
度の嵩密度を有する嵩高な不織布12が用いられ、厚み
が5〜20μmの表面保護フイルム11で被覆して凸部
の嵩密度が0.05〜0.7g/cm3 となる凹凸が押
圧エンボス加工によって全面に付けられているので、発
泡エンボス・塩化ビニル壁紙と同様に柔軟可撓でボリュ
ゥム感があるパルプ繊維壁紙が得られる。
【0023】又、不織布12と裏打紙14の間に不透湿
性のフイルム層13が介在するので、発泡エンボス・塩
化ビニル壁紙と同等の施工糊の塗布後のオープンタイム
をとることが出来、施工時塗布する施工糊の水分が移行
して不織布12が吸湿膨潤し、押圧エンボス加工による
不織布12の凹凸15・16が消失したり、不織布12
と表面保護フイルム11の間や裏打紙14との間で浮き
剥がれが起きることなく、表面保護フイルム11の厚み
が5〜20μmであり、熱溶融性樹脂フイルム13の厚
みが10〜50μmであり、全面に凹凸が付けられてお
り、その凸部16の表面から裏打紙14の裏面に至る全
体の厚みが200〜500μmなので、壁面施工下地の
入隅や出隅その他の起伏に追随して密着し、施工し易い
パルプ繊維壁紙が得られる。
【0024】而も、表面が不透湿性のフイルム11で被
覆されているので防汚性を有し、発泡エンボス・塩化ビ
ニル壁紙とは異なり燃焼時に塩化水素ガスが発生せず、
風合いのよい耐久性のあるパルプ繊維壁紙が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るパルプ繊維壁紙の断面図である。
【符号の説明】
11 表面保護フイルム 12 不織布 13 熱溶融性樹脂フイルム 14 裏打紙 15 凹部 16 凸部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭49−118910(JP,A) 特開 昭56−26100(JP,A) 実開 平7−1000(JP,U) 実公 平4−6910(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D06N 7/00 - 7/06

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 裏打紙に熱溶融性樹脂フイルムを介して
    パルプ繊維を素材とする不織布が貼り合わされており、
    その不織布の上に熱可塑性樹脂からなる表面保護フイル
    ムが貼り合わされており、前記熱溶融性樹脂フイルムの
    厚みが10〜50μmであり、前記表面保護フイルムの
    厚みが5〜20μmであり、それら表面保護フイルムと
    不織布との積層に押圧エンボスされた凹凸が付けられて
    おり、その凸部における不織布の嵩密度が0.05〜
    0.7g/cm3 であり、厚みが200〜500μmで
    あること、を特徴とするパルプ繊維壁紙。
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