JP2006199868A - 水性接着剤分散液 - Google Patents

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Abstract

【課題】不織布を製造する際に、十分に強度を得ることの出来るバインダーを製造する。
【解決手段】カルボキシル基を有する重合性単量体、カルボキシル基を有しない(メタ)アクリル系単量体及び架橋性単量体を少なくとも含む単量体混合物を重合して得られる、ガラス転移温度が40℃以上、80℃未満の(メタ)アクリル系重合体(A)、及び、ガラス転移温度が40℃以上、100℃以下である水溶性ポリエステル(C)を含有する水性接着剤分散液を用いて、不織布を製造する。
【選択図】なし

Description

この発明は水性接着剤分散液に関する。
従来、空気清浄機などに用いられる不織布フィルターとして、主にポリエチレンテレフタレートからなるポリエステル系繊維を用いた不織布が使用されている。しかし、ポリエステル系繊維からなる不織布はそのままでは折り曲げ加工を行った際に形状を保持することが難しいため、高分子化合物からなるバインダーを加えて不織布を製造している。
このような不織布用バインダーとしては、ポリアクリレート系バインダーが広く用いられている。このようなポリアクリレート系バインダーは、尿素樹脂やフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂と共に用いられることが多い。しかしながら、これらのバインダーでは加熱時にホルムアルデヒドを発生することがあり、衣類や衛生材料への使用は不適当とされている。そこで、ホルムアルデヒドを発生しないバインダーとして、アクリレート系単量体かスチレン系単量体を、ポリビニルアルコール等の水溶性高分子を用いて分散させて、乳化重合することにより、その水溶性高分子の一部にグラフト重合させた、エマルジョンが特許文献1に記載されている。
特開2001−151975号公報
しかしながら、このようなバインダーでは、ホルムアルデヒドの生成はないものの、不織布を折り曲げ加工した後、80℃以上のような熱履歴を受けた場合等の、形状保持性が不十分であった。これは、剛性が不足するためと考えられる。剛性の高いバインダーとしては、スチレンなどを主成分とする重合体を用いる例もあるが、加熱時の変色が問題となることがあった。
そこでこの発明は、ホルムアルデヒドを生成せず、かつ不織布を用いて折り曲げ加工する際に、変色が少なく十分に形状保持性を得ることのできるバインダーを製造することを目的とする。
この発明は、カルボキシル基を有する重合性単量体、カルボキシル基を有しない(メタ)アクリル系単量体及び架橋性単量体を少なくとも含む単量体混合物を重合して得られる、ガラス転移温度が40℃以上、80℃未満の(メタ)アクリル系重合体(A)、及び、ガラス転移温度が40℃以上、100℃以下である水溶性ポリエステル(C)を含有する水性接着剤分散液を用いることにより、上記の課題を解決したのである。
この発明による水性接着剤分散液を不織布用バインダーとして用いることにより、バインダーと基材との密着性を向上させ、得られる不織布を折り曲げ加工したときの形状保持性を十分に確保することが可能となる。
以下、この発明について詳細に説明する。
この発明は、所定の(メタ)アクリル系重合体(A)と水溶性ポリエステル(C)とを含有する水性接着剤分散液である。なお、「(メタ)アクリル」とは、「メタクリル」又は「アクリル」を意味する。
まず、(メタ)アクリル系重合体(A)について説明する。この(メタ)アクリル系重合体(A)は、カルボキシル基を有する重合性単量体、カルボキシル基を有しない(メタ)アクリル系単量体、及び架橋性単量体を少なくとも含む単量体混合物を重合して得られる、特定のガラス転移温度を有する重合体である。
上記のカルボキシル基を有する重合性単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸及び無水マレイン酸が挙げられる。
上記のカルボキシル基を有しない(メタ)アクリル系単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸(sec−ブチル)、(メタ)アクリル酸(tert−ブチル)、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル等の炭素数が1〜12のアルキル基を含有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルや、(メタ)アクリル酸ヒドロキシメチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルなどが挙げられる。
上記の架橋性単量体とは、上記のカルボキシル基を有する重合性単量体と反応することにより架橋結合を形成することができる官能基を有する単量体をいい、例えば、(メタ)アクリル酸グリシジル等のエポキシ基含有(メタ)アクリル系単量体が挙げられる。
上記の単量体混合物としては、炭素数が1〜12のアルキル基を含有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルを、50重量%以上含むことが好ましく、80重量%以上であるのがより好ましい。50重量%未満であると、共重合する他の単量体の特徴が強く出て、所望の物性が得にくくなるためである。上限としては、98.9重量%以下であることが好ましく、98重量%以下であるのがより好ましい。98.9重量%を超えると、架橋反応に寄与する単量体含有量が低くなり、十分な架橋が得られないことがある。
また、上記の単量体混合物に含まれる、上記カルボキシル基を有する重合性単量体の含有量は、0.1重量%以上であることが好ましく、0.5重量%以上であるのがより好ましい。0.1重量%未満であると、架橋点の数が少なくなり、剛性が不足することがある。この含有量の上限は、5重量%であることが好ましく、3重量%以下であるのがより好ましい。5重量%を超えると、乳化重合時の安定性が不足する傾向となる。上記カルボキシル基を有する重合性単量体としては、アクリル酸がより好ましい。
さらに、上記架橋性単量体の含有量は、上記の単量体混合物に対して1重量%以上であることが好ましく、2重量%以上であるのがより好ましい。上記架橋性単量体が1重量%未満であると架橋が不十分で剛性が不足するおそれが高くなるためである。また、この含有量は、5重量%以下であることが好ましく、4.5重量%以下であるのがより好ましい。5重量%を超えると架橋が過度に進みやすくなり、得られる(メタ)アクリル系重合体(A)を含む分散液の保存安定性が悪化するおそれが増すためである。
また、上記単量体混合物としては、これらの単量体の他に、この発明の効果を阻害しない範囲で、スチレン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物、アクリロニトリル等の重合性ニトリル類、酢酸ビニル等のビニルエステル類などを用いてもよい。
次に、上記単量体混合物から上記(メタ)アクリル系重合体を得る方法としては、特に制限されないが、例えば、アニオン性やノニオン性の乳化剤の存在下、過硫酸ナトリウムや無水重亜硫酸ナトリウムなどの水溶性重合開始剤を用いる乳化重合法が好適に用いられる。
この発明においては、上記の単量体混合物を重合して得られる上記の(メタ)アクリル系重合体(A)は、ガラス転移温度が40℃以上であることが必要であり、50℃以上であるのが好ましい。ガラス転移温度が40℃未満であると、剛性が不十分で、成形後の加熱などによって、得られる成形体が変形するおそれがある。一方、上記の(メタ)アクリル系重合体のガラス転移温度は、80℃未満である必要があり、70℃以下であるのが好ましい。80℃以上であると、バインダーとして用いた場合の造膜性が不足し、均一なバインダー効果が得られないことがある。このガラス転移温度は、上記の単量体混合物に用いる単量体の種類や、その混合比や重合温度などにより調整できる。
次に、水溶性ポリエステル(C)について説明する。この水溶性ポリエステル(C)とは、水に溶解又は均一分散可能なポリエステルをいい、固形分濃度25重量%で、均一な水溶液又は均一な分散液を与えるものである。
この水溶性ポリエステル(C)は、多価アルコール(d)と、多価カルボン酸、その酸無水物及びその低級アルキルエステルからなる群から選ばれる少なくとも1種の多塩基酸化合物(e)との混合物に、さらに親水性基を有する親水性成分(f)や、上記の(メタ)アクリル酸アルキルエステル中のアルキル基、上記多価アルコール(d)の水酸基、及び/又は、上記多塩基酸化合物(e)のカルボキシル基と反応し得る1個の官能基を有する化合物(g)などを必要に応じて加えて共重合(コポリエステル化)することにより得られる。ただし、三価以上の多価アルコール、多価カルボン酸誘導体および多価エポキシ化合物を用いる場合、三価以上の化合物は全構成単量体中40モル%以下で用いられることが好ましい。40モル%を越えて用いた場合、樹脂中で三次元架橋反応が進行するため水性媒体への分散が困難となる。
ここで、上記の水溶性ポリエステル(C)を構成する多価アルコール(d)としては、分子中に2個以上の水酸基を有する化合物をいい、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,6−ヘキサンジオール、1,6−シクロヘキサンジメタノール、p−キシリレングリコール、ビスフェノールA、水添ビスフェノールA、ビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリスヒドロキシエチルイソシアヌレート、ペンタエリスルトール、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸などが挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いて共重合を行う。このような水溶性ポリエステル(C)は、例えば、互応化学工業(株)製「プラスコートZ−446(商品名)」や大日本インキ化学工業(株)製「ES−2200(商品名)」として入手できる。
また、上記の多塩基酸化合物(e)としては、分子中に2個以上のカルボキシル基を有する化合物又はその酸無水物や、メチルエステルなどの低級アルキルエステル等のポリエステル前駆体化合物等が挙げられ、例えばアジピン酸、コハク酸、無水コハク酸、炭素数8〜20のアルキルコハク酸、アルキル無水コハク酸、アルケニルコハク酸、アルケニル無水コハク酸、セバチン酸、ドデカン二酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、ダイマー酸等の脂肪族ジカルボン酸及びその無水物、フタル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、無水トリメリット酸、シアヌール酸、ピロメリット酸、無水ピロメリット酸、ロジン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、フェニルインダンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸及びその無水物が挙げられ、これらの1種または2種以上を用いて共重合を行う。
また、上記の親水性基を有する親水性成分(f)としては、スルホン酸アルカリ金属塩系化合物等のスルホン基を有する化合物や、ポリエチレングリコールなどが挙げられる。上記のスルホン酸アルカリ金属塩系化合物としては、例えば、5−スルホイソフタル酸ナトリウム、5−アンモニウムスルホイソフタル酸、4−スルホイソフタル酸ナトリウム、4−メチルアンモニウムスルホイソフタル酸、2−スルホテレフタル酸ナトリウム、5−スルホイソフタル酸カリウム、4−スルホイソフタル酸カリウム、2−スルホテレフタル酸カリウム、スルホコハク酸ナトリウム、スルホン酸ナトリウム塩含有ビスフェノールA、スルホン酸ナトリウム塩含有ビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物、スルホン酸カリウム塩基含有ハイドロキノンアルキレンオキサイド付加物などを挙げることができる。
次に、上記のアルキル基、上記多価アルコール(d)の水酸基、及び/又は上記多塩基酸化合物(e)のカルボキシル基と反応する1個の官能基を有する化合物(g)としては、例えば、アルキル基及び水酸基、カルボキシル基、エポキシ基、イソシアネート基、アミノ基などの官能基を有する化合物が挙げられ、これらの中でもアルキル基及びエポキシ基を1個有する化合物が好ましい。また、化合物(g)のアルキル基は、親水性および疎水性のバランスを調整するために炭素数4〜23を有するアルキル基が好ましく、そのアルキル基は分岐構造を有していてもよい。さらに上記のアルキル基は置換基を有していてもよい。
また、これらの他に、上記のポリエステル樹脂を共重合により得る際に、末端官能基数を制御するために、一価のアルコールや一価のカルボン酸誘導体も併用することができる。
このような上記のポリエステル樹脂を、必要に応じて中和剤を加えて中和し、水性媒体に分散又は溶解させて分散液又は均一溶液にして、上記の水溶性ポリエステル(C)として用いる。
上記の水溶性ポリエステル(C)を上記(メタ)アクリル系重合体(A)と混合することにより、不織布との密着性が向上し、折り曲げ加工時の形状保持性が更に良好となる。
この発明にかかる水性接着剤分散液に、上記(メタ)アクリル系重合体(A)と上記水溶性ポリエステル(C)とを含有させるためにするには、上記(メタ)アクリル系重合体(A)と上記水溶性ポリエステル(C)とを単純に混合する方法や、予め上記水溶性ポリエステル(C)を上記単量体混合物と混合してから上記単量体混合物を重合させて上記(メタ)アクリル系重合体(A)を得る方法等があり、予め混合してから重合を行う方法がより好ましい。重合前に上記水溶性ポリエステル(C)を混合させておくことにより、得られる水性接着剤分散液の均一性を向上させることができる。
上記(メタ)アクリル系重合体(A)と上記水溶性ポリエステル(C)との混合比は、上記(メタ)アクリル系重合体(A)に対して、上記水溶性ポリエステル(C)が1重量%以上(固形分比)となるように用いることが好ましく、3重量%以上であるのがより好ましい。1重量%未満であると、添加による改良効果が十分に得られない。好ましい上限値は、15重量%であり、10重量%以下であるのがより好ましい。15重量%を超えて用いても、添加量の増加に見合う効果の増大はなく、経済的でない。
この発明にかかる水性接着剤分散液には、上記(メタ)アクリル系重合体(A)と上記水溶性ポリエステル(C)以外にも、この発明の効果を阻害しない範囲で、天然ゴム、合成ゴム等のゴム類や、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリウレタン等を含有させても良い。また、この水性接着剤分散液の接着力や得られる成形体の剛性を向上させるために、金属架橋剤(B)を含有させることが好ましい。
上記の金属架橋剤(B)とは、上記(メタ)アクリル系重合体(A)中のカルボキシル基を架橋することができる金属化合物をいい、例えば、炭酸ジルコニウムアンモニウム、炭酸ジルコニウムカリウム、ジルコニウムフッ化水素酸、ジルコニウムフッ化アンモニウム、ジルコニウムフッ化カリウム、ジルコニウムフッ化ナトリウム、ジルコニウムアセチルアセテート、ジルコニウムブトキシド1−ブタノール等のジルコニウム化合物が好ましく用いられる。この中でも特に炭酸ジルコニウムアンモニウムが、入手が容易であり、かつ架橋効果が高く好適に用いられる。
上記の金属架橋剤(B)を加えることで、この発明にかかる水性接着剤分散液は、接着力が高まるとともに、それを用いて製造された不織布などの製品を折り曲げ加工したときの形状保持性をさらに高めることができる。
この発明にかかる水性接着剤分散液に上記の金属架橋剤(B)を加える際の好ましい配合比は、上記の(メタ)アクリル系重合体(A)に対して、上記金属架橋剤(B)(固形分)が、0.1重量%以上となる配合比で用いるのが好ましく、0.3重量%以上であるのがより好ましい。0.1重量%未満では架橋性が不足することがある。また、上記(メタ)アクリル系共重合体(A)に対する上記金属架橋剤(B)(固形分)の比率が3重量%以下となる配合比が好ましく、2重量%以下であるのがより好ましい。3重量%を超えて用いても、添加量の増加に見合う効果の増大は得られず、経済的でない。
この発明にかかる水性接着剤分散液は、例えば、既知の方法で不織布用の基材に含浸させ、接着させて、不織布を製造する際に好適に用いられる。この発明にかかる水性接着剤分散液を用いて製造された不織布は、剛性と折り曲げ加工時の形状保持性が高く、例えば、空気清浄機用フィルター等に用いると、耐久性が改良されるので好ましい。
以下、実施例によりこの発明をより具体的に説明するが、この発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例によって限定されるものではない。初めに、使用する薬品及び材料について説明し、次に測定方法について説明する。
(カルボキシル基を有しない(メタ)アクリル系単量体)
・メタクリル酸メチル……三菱化学(株)製(以下、「MMA」と表記する。)
・アクリル酸ブチル……三菱化学(株)製(以下、「BA」と表記する。)
・アクリル酸エチル……三菱化学(株)製(以下、「EA」と表記する。)
(架橋性単量体)
・メタクリル酸グリシジル……三菱ガス化学(株)製(以下、「GMA」と表記する。)
(カルボキシル基を含有するアクリル系単量体)
・アクリル酸……三菱化学(株)製(以下、「AA」と表記する。固形分濃度80重量%)
(水溶性ポリエステル(C))
・プラスコートZ−446……互応化学工業(株)製、固形分濃度:25重量%(水溶液)
(界面活性剤)
・ネオペレックスG−65……花王(株)製:ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(固形分濃度:65重量%、表中、「G−65」と表記する。)
・エマルゲン1118S−70……花王(株)製:ポリオキシエチレンアルキルエーテル(固形分濃度:70重量%、表中、「S−70」と表記する。)
(重合開始剤)
・過硫酸ナトリウム……和光純薬工業(株)製:試薬一級(以下、「NaPS」と表記する。)
・無水重亜硫酸ナトリウム……和光純薬工業(株)製:試薬一級(以下、「SBS」と表記する。)
(金属架橋剤(B))
・炭酸ジルコニウムアンモニウム水溶液……日本軽金属(株)製:ベイコート20(固形分40重量%)
(不織布の基材)
・不織布ウェブ……ポリエチレンテレフタレート製
(引張強度測定方法)
各々の水性接着剤分散液を不織布ウェブに含浸させ、乾燥して得られた不織布から、1.5cm×8cmのテストピースを切り出す。そのテストピースの両端を、引張試験機の治具(チャック)に、チャック間の長さが5cmになるように挟んで、引張速度100mm/分にて引張試験を行い、破断時の強度を引張強度とする。なお、23℃、50%RHの雰囲気下で測定した値を常態引張強度、テストピースを23℃の水中に1時間浸漬した後、直ちに測定した値を耐水引張強度と示す。
(ガラス転移温度測定方法)
各々の(メタ)アクリル系重合体(A)を80℃にて24時間乾燥して得られた皮膜について、示差走査熱量計(セイコー電子工業(株)製、DSC220C)を用いて測定した。
(剛軟度測定方法)
(JIS L 1096 8.19.2, B法(スライド法)参照)
各々の水性接着剤分散液を不織布ウェブに含浸させ乾燥させて得られた不織布から、2.5cm×10cmのテストピースを切り出す。そのテストピースの一端を治具に挟んで水平に担持させる。これを65℃の条件で30分間保持し、テストピースの担持させた側と反対側の端部が、担持した水平面から垂れ下がった距離を測定し、タレ量とする。このタレ量が大きいほど軟性が高く、タレ量が小さいほど剛性が高い。
(実施例1)
まず、(メタ)アクリル系重合体(A)を製造するため、水40重量部及び界面活性剤(ネオペレックスG−65:1重量部(有姿)及びエマルゲン1118S−70:1.43重量部(有姿))とともに、単量体混合物を調製した。その組成比を表1に示す。なお、単量体混合物の組成は、純品(100%)重量の重量比である。また、以下の使用量も特記しない限り純品の重量部を意味する。
Figure 2006199868
一方、攪拌機、還流冷却器、温度計及び滴下漏斗を備えた反応容器に、水溶性ポリエステル(C)であるプラスコート5重量部(固形分)及び水42重量部を入れ、70℃に昇温した。次に、重合開始剤であるNaPSを0.2重量部とSBSを0.05重量部とを添加し、温度を75℃にして先に調製した単量体混合物を4時間かけて連続滴下しながら、重合反応を行ない、(メタ)アクリル系重合体(A)に対する水溶性ポリエステル(C)の混合割合が5重量%となる水性接着剤分散液を得た。この水性接着剤分散液中の(メタ)アクリル系重合体(A)のガラス転移温度Tgは、60℃であった。
この水性接着剤分散液をバインダーとして利用し、ポリエチレンテレフタレートを主成分とする不織布ウェブに含浸させてから液切りをし、140℃で4分間乾燥させ、不織布を得た。乾燥後の不織布ウェブとバインダーである二液タイプ接着剤組成物との成分重量比(Fiber/Binder、表中「F/B」と略す。)は50/50であった。得られた不織布の引張強度と剛軟度を測定した結果を表1に示す。
(実施例2)
加える水溶性ポリエステル(C)を10重量部及び水を36重量部として、得られる水性接着剤分散液中の(メタ)アクリル系重合体(A)に対する水溶性ポリエステル(C)の混合割合を10重量%とした以外は実施例1と同様の手順により水性接着剤分散液を得て、同様に不織布を得て測定を行った。その結果を表1に示す。
(比較例1)
水溶性ポリエステル(C)を使用しない以外は、実施例1と同様の手順により分散液を得て、同様に不織布を得て測定を行った。その結果を表1に示す。
(実施例3)
実施例1の(メタ)アクリル系重合体(A)に対して、金属架橋剤(B)である炭酸ジルコニウムアンモニウム水溶液を固形分重量比で(A)/(B)=100/1となるように用い、その他は実施例1と同様にして、不織布を作成して評価を行った。その結果を表1に示す。
(結果)
実施例1及び2では、比較例に比べて常態引張強度が向上した。また、剛軟度の値が減少し、剛性が向上した。金属架橋剤(B)を加えた実施例3では、引張強度がやや減少したが、剛性は大きく向上した。

Claims (9)

  1. カルボキシル基を有する重合性単量体、カルボキシル基を有しない(メタ)アクリル系単量体及び架橋性単量体を少なくとも含む単量体混合物を重合して得られる、ガラス転移温度が40℃以上、80℃未満の(メタ)アクリル系重合体(A)、及び、ガラス転移温度が40℃以上、100℃以下である水溶性ポリエステル(C)を含有する、水性接着剤分散液。
  2. 上記単量体混合物のうち、上記のカルボキシル基を有する重合性単量体の量が0.1重量%以上、5重量%以下である、請求項1に記載の水性接着剤分散液。
  3. 上記単量体混合物のうち、50重量%以上、98.9重量%以下の単量体が、炭素原子数1〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルの少なくとも一種である、請求項1又は2に記載の水性接着剤分散液。
  4. 上記架橋性単量体がエポキシ基含有(メタ)アクリル系単量体である、請求項1乃至3のいずれかに記載の水性接着剤分散液。
  5. 上記の(メタ)アクリル系重合体(A)における、上記単量体混合物中の架橋性単量体の含有率が1重量%以上、5重量%以下である、請求項1乃至4のいずれかに記載の水性接着剤分散液。
  6. 上記の(メタ)アクリル系重合体(A)に対して、0.1重量%以上、5重量%以下となる量の金属架橋剤(B)を含有することを特徴とする、請求項1乃至5のいずれかに記載の水性接着剤分散液。
  7. 上記金属架橋剤(B)が、ジルコニウム化合物を主成分とするものである、請求項6に記載の水性接着剤分散液。
  8. 請求項1乃至7のいずれかに記載された水性接着剤分散液を用いて、含浸及び接着を行う不織布の製造方法。
  9. 請求項8に記載の方法で製造された不織布からなる、空気清浄機用フィルター。
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