JP2841621B2 - プラスチック成形材料用加熱硬化型防曇剤組成物及び防曇粧膜被覆プラスチック成形材料 - Google Patents
プラスチック成形材料用加熱硬化型防曇剤組成物及び防曇粧膜被覆プラスチック成形材料Info
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Description
ールド、計器カバー、レンズ等に防曇性を付与するため
に使用されるプラスチック成形材料用加熱硬化型防曇剤
組成物及び防曇塗膜被覆プラスチック成形材料に関する
ものであり、さらに詳しくは60〜80℃の低い温度での熱
硬化により、実用的に優れた防曇性、密着性、塗膜強度
を付与できるプラスチック成形材料用加熱硬化型防曇剤
組成物及び防曇塗膜被覆プラスチック成形材料に関する
ものである。
メットシールド、計器カバー、レンズ、家屋の窓ガラ
ス、車両の窓ガラス等の用途に用いられている。
高湿の場所や両面の温度差の大きい環境において使用し
た場合、その表面に水蒸気が微細に凝縮し、その結果と
して材料表面に曇りが生ずるという欠点がある。
討が進められてきた。例えば、メタクリル酸−2−ヒド
ロキシエチルの重合体やポリビニルアルコールを主成分
とする塗膜を形成する方法が知られている(特開昭59−
217783号、同60−223885号の各公報)。また、親水性重
合体と架橋剤の組合せによる塗膜を形成する方法(特公
昭52−47754号公報)や、このものに界面活性剤を添加
した組成物の塗膜を形成させる方法(特開昭56−62856
号、同57−98518号の各公報)が知られている。さら
に、アセチルセルロース等のフィルムの表面をケン化す
る方法(特開昭62−54733号公報)も提案されている。
部分からなるブロック又はグラフト共重合体と界面活性
剤からなる防曇剤(特願昭63−104233号)、疎水性重合
体部分とアクリルアミド誘導体から形成される親水性重
合体部分とからなり、自己追架橋性を有するブロック共
重合体と界面活性剤とを含有する熱履歴を受ける環境下
でも良好な密着性を維持できることを目的とした防曇剤
/(特願昭63−305429号)、疎水性重合体部分とアクリ
ルアミド誘導体と(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキ
ルから形成される親水性重合体部分とからなり、自己架
橋性を有するブロック共重合体と界面活性剤とを含有す
るポリエステル用防曇剤(特願昭63−330323号)等を提
案してきた。
されること、透明性が良くしかも実用的な塗膜強度を有
すること及び防曇性を付与しようとする基材との密着性
が良好であることの3点が基本的な特性として要求され
る。
プラスチック基材の熱変形が生じない温度領域で熱硬化
が達成できることが不可欠である。例えば、ポリメチル
メタクリレート(PMMA)板、軟質塩化ビニル樹脂フィル
ム等に使用される防曇剤においては、80℃以下の温度領
域で硬化できることがプラスチック基材の熱変形を防止
するために適切である。
−217783号、同60−223885号、特公昭52−47754号、特
開昭56−62856号、同57−98518号、同62−54733号等に
基づく方法では防曇持続性、密着性及び塗膜強度のいず
れかにおいて実用的に問題があり、改良の望まれるレベ
ルであった。また、60〜80℃という比較的低温の硬化温
度に着目した検討は行われていないのが実情である。
−104233号、同63−305429号、同63−330323号等を生か
しながら、さらに80℃以下の硬化温度でも実用的に優れ
た防曇持続性、密着性及び塗膜強度が付与できるプラス
チック成形材料用加熱硬化型防曇剤組成物及び防曇塗膜
被覆プラスチック成形材料を提供することにある。
た結果、本発明を完成した。
曇剤組成物は、下記に示したブロック又はグラフト共重
合体(a)と、界面活性剤(b)とを含有し、両者の配
合割合が固形分重量比で(a):(b)=100:0.5〜30
であるという手段を採用している。
量%、グリシジル基、アミノ基、カルボキシル基、酸無
水物基のいずれかの官能基を有する単量体からなる群
(以下A群という)から選ばれる単量体の少なくとも1
種以上3〜15重量%、N−メチロール(メタ)アクリル
アミド及び上記A群の単量体と共重合性を有する親水性
単量体の1種以上75〜95重量%より形成される親水性重
合体部分と、上記A群の単量体から選ばれる単量体の1
種以上3〜30重量%及び上記A群の単量体と共重合性を
有する疎水性単量体の1種以上70〜97重量%より形成さ
れる疎水性重合体部分からなり、親水性重合体部分と疎
水性重合体部分の重量比が50/50〜95/5であるブロック
又はグラフト共重合体。
示したブロック又はグラフト共重合体(a)と、界面活
性剤(b)とを含有し、両者の配合割合が固形分重量比
で(a):(b)=100:0.5〜30であることを特徴とす
る加熱硬化型防曇剤組成物より形成される防曇塗膜を被
覆するという手段を採用している。
量%、グリシジル基、アミノ基、カルボキシル基、酸無
水物基のいずれかの官能基を有する単量体からなる群
(以下A群という)から選ばれる単量体の少なくとも1
種以上3〜15重量%、N−メチロール(メタ)アクリル
アミド及び上記A群の単量体と共重合性を有する親水性
単量体の1種以上75〜95重量%より形成される親水性重
合体部分と、上記A群の単量体から選ばれる単量体の1
種以上3〜30重量%及び上記A群の単量体と共重合性を
有する疎水性単量体の1種以上70〜97重量%より形成さ
れる疎水性重合体部分からなり、親水性重合体部分と疎
水性重合体部分の重量比が50/50〜95/5であるブロック
又はグラフト共重合体。
について説明する。
は、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、グリシジ
ル基、アミノ基、カルボキシル基、スルホン酸基、酸無
水物基のいずれかの官能基を有するラジル重合性のA群
の単量体及びN−メチロール(メタ)アクリルアミドと
A群の単量体と共重合性を有する親水性単量体とから構
成されている。上記N−メチロール(メタ)アクリルア
ミドの使用割合は、良好な防曇持続性が付与され、しか
も60〜80℃という低い加熱硬化温度において実用的に優
れた塗膜強度を発現するために、2〜15重量%の範囲で
あることが必要である。2重量%未満の場合には、防曇
塗膜の架橋密度が不足して充分な塗膜強度が得られず、
15重量%を越えると架橋密度が高くなりすぎて防曇性能
が低下するとともに、防曇塗膜の密着性と透明性が低下
する。
ル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸、N,N−ジメチル
アミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチ
ルアミノエチル(メタ)アクリレート、クロトン酸、イ
タコン酸、イタコン酸半エステル、マレイン酸半エステ
ル、マレイン酸等を使用することができる。
3〜15重量%の範囲内であることが必要である。3重量
%未満又は15重量%を越えると、塗膜の透明性が低下す
る。
構成する単量体であるが、同A群の単量体中の官能基
は、60〜80℃という低い加熱硬化温度によって形成され
る防曇塗膜に良好な透明性を付与するために不可欠であ
る。これらの官能基を導入することにより透明性の良好
な塗膜が得られるのは、親水性セグメントと疎水性セグ
メントから形成される相分離ドメインのサイズがその界
面における静電的相互作用又は又は酸、塩基の相互作用
によりミクロ化されるためと推定される。また、これら
の官能基は60〜80℃の温度下でもその一部が硬化反応に
関わり、塗膜強度の向上にも寄与していることが推定さ
れる。
の単量体と共重合性を有する親水性単量体としては、A
群の単量体が有する官能基との反応性がないか又は反応
性が格段に劣る単量体が好適である。この単量体として
は、例えば(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メ
タ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリル
アミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ
エチル(メタ)アクリルアミド、N−n−プロピル(メ
タ)アクリルアミド、N−イソプロル(メタ)アクリル
アミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、N−(メ
タ)アクリロイルピペリジン、N−(メタ)アクリロイ
ルモルホリン、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、
(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アク
リル酸、イタコン酸、クロトン酸等の不飽和カルボン
酸、及びそれらのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、有
機アミン塩、スチレンスルホン酸やスルホプロピル(メ
タ)アクリル酸ホスホル、スルホプロピルイタコン酸エ
ステルのようなスルホン酸基を有するラジカル重合性不
飽和単量体、及びそれらのアルカリ金属塩、アンモニウ
ム塩、有機アミン基、メタクリロイルオキシエチルトリ
メチルアンモニウムクロライド、2−ヒドロキシ−3−
メタクリルオキシプロピルトリメチルアンモニウムクロ
ライドのような(メタ)アクリル酸から誘導される第四
級アンモニウム塩、メタクリル酸ジエチルアミノエステ
ルのような第三級アミノ基を有するアルコールのメタク
リル酸エステル、及びそれらの第四級アンモニウム塩、
メタクリル酸とジアミンから得られるアミドアミンから
誘導される第四級アンモニウム塩、(メタ)アクリル酸
ジエチレングリコール、(メタ)アクリル酸トリエチレ
ングリコールエステル、(メタ)アクリル酸ジプロピレ
ングリコールのような(メタ)アクリル酸のポリエチレ
ングリコールやポリプロピレングリコールのエステル、
モノ(2−ヒドロキシエチルアクリレート)アシッドフ
ォスフェートのような(メタ)アクリル酸の燐酸塩、N
−(3−スルホプロピル)−N−メタクリロイロキシエ
チル−N,N−ジメチルアンモニウムベタイン、N−(3
−スルホプロピル)−N−メタクリロイルアミドプロピ
ル−N,N−ジメチルアンモニウムベタイン、1−(3−
スルホプロピル)−2−ビニルリジニウムベタインのよ
うなベタイン型のラジカル重合性不飽和単量体、ビニル
ピリジン、及びその塩、ビニルピロリドン等を選択して
使用することができ、またこれら以外のものを使用する
こともできる。
プラスチック材料に対して良好な密着性を発現させるた
めに、前記A群から選ばれる単量体の1種以上3〜30重
量%及びこの単量体と共重合性を有する疎水性単量体70
〜97重量%から構成することが必要である。
された官能基と静電的な結合、酸・塩基的な結合又は共
有結合を形成できるものを選択するのが好ましい。例え
ば、親水性重合体部分にグリシジル基やアミノ基が存在
する場合、疎水性重合体部分にカルボキシル基や酸無水
物基が存在することが好ましい。
〜30重量%の範囲であることが必要である。3重量%未
満では、防曇塗膜の透明性が低下し、30重量%を越える
と基材に対する密着性が低下する。
は、対象となる材料に対する密着性を考慮して、適宜選
ばれる。この単量体としては、例えば(メタ)アクリル
酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリ
ル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、
(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イ
ソブチル、(メタ)アクリル酸tert−ブチル、(メタ)
アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸
オクチル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アク
リル酸ステアリル等の(メタ)アクリル酸エステル、ス
チレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等の芳香
族ビニル型単量体、蟻酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオ
ン酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル、ブタジエ
ン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、(メタ)アクリロニ
トリル、(メタ)アリルグリシジルエーテル等が使用さ
れる。
ック又はグラフト共重合体は、親水性重合体部分及び疎
水性重合体部分となる各単量体の前記配合割合に基づい
てそれに相当する組成の共重合体が構成される。
性重合体部分と疎水性重合体部分の重量比は50/50〜95/
5であることが必要である。親水性重合体部分の割合が5
0重量%未満の場合、ブロック又はグラフト共重合体の
親水性が低下し、またブロック又はグラフト共重合体と
界面活性剤との相互作用が弱くなり、その結果初期防曇
性だけでなく、防曇持続性が低下し、疎水性重合体部分
の割合が5重量%未満の場合には、基材との密着性が損
なわれるばかりでなく、塗膜強度も低下し、実用に供し
得なくなる。
るブロック又はグラフト共重合体は、従来公知の方法で
合成できるが、特に工業的な生産性の容易さ、多義にわ
たる性能的な面より、ポリメリックペルオキシド、ポリ
アゾ化合物、ラジカル共重合ペルオキシドを重合開始剤
としてラジカル重合法により製造されるものが好まし
い。この場合、使用されるラジカル重合開始剤として
は、従来公知の1分子中に2個以上のペルオキシ結合又
はアゾ結合を有する化合物、1分子中にラジカル共重合
性基とペルオキシ結合を有する化合物が用いられ、重合
方法としては、通常の塊状重合法、懸濁重合法、溶液重
合法、乳化重合法等が採用される。
しては、ポリメリックペルオキシドを重合開始剤とする
重合法について以下に説明する。まず、ポリメリックペ
ルオキシドを用いて親水性重合体部分を形成する単量体
の重合を行うと、連鎖中にペルオキシ結合が導入された
ペルオキシ結合含有する親水性重合体が得られる。これ
に疎水性重合体部分を形成する単量体を加えて重合を行
うと、親水性重合体連鎖中のペルオキシ結合において開
裂し、効率よくブロック共重合体が得られる。
ラジカル共重合性基含有ペルオキシドを重合開始剤とし
て説明する。まず、ラジカル共重合性基含有ペルオキシ
ドのペルオキシ結合が開裂しない条件で通常の遊離基重
合開始剤により親水性の重合体を形成するビニル型単量
体を共重合することにより、ペルオキシ結合を含有する
親水性共重合体が得られ、次にこのペルオキシ結合が開
裂する条件で、これに疎水性の重合体を形成するビニル
型単量体を加えて重合を行うと、親水性重合体中のペル
オキシ結合において開裂し、効率よくグラフト共重合体
が得られる。このようにして合成されるブロック又はグ
ラフト共重合体は、親水性重合体部分及び疎水性重合体
部分の分子量を自由に調節することが可能である。
に使用されるもので、非イオン系界面活性剤、陰イオン
系界面活性剤、陽イオン系界面活性剤、両性イオン系界
面活性剤から選ばれる1種以上の界面活性剤である。こ
れらのうち、防曇性の持続性の点から、非イオン系界面
活性剤又は陰イオン系界面活性剤が好ましく、非イオン
系界面活性剤と陰イオン系界面活性剤の組合わせがさら
に好ましい。
チレンラウリルアルコール、ポリオキシエチレンラウリ
ルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等の
ポリオキシエチレン高級アルコールエーテル類、ポリオ
キシエチレンオクチルフェノール、ポリオキシエチレン
ノニルフェノール等のポリオキシエチレンアルキルアリ
ールエーテル類、ポリオキシエチレングリコールモノス
テアレート等のポリオキシエチレンアシルエステル類、
ポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物、
ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオ
キシエチレンソルビタンモノステアレート等のポリオキ
シエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、アルキルリン
酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン
酸エステル等のリン酸エステル類、シュガーエステル
類、セルロースエーテル類等が使用される。
トリウム、オレイン酸カリウム等の脂肪酸塩、ラウリル
硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム等の高級ア
ルコール硫酸エステル類、ドデシルベンゼンスルホン酸
ナトリウム、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム
等のアルキルベンゼンスルホン酸塩及びアルキルナフタ
レンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮
合物、ジアルキルスルホコハク酸塩、ジアルキルホスフ
ェート塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテ
ル硫酸ナトリウム等のポリオキシエチレンサルフェート
塩等が使用される。
ミン類、ラウリルアミンアセテート、トリエタノールア
ミンモノ蟻酸塩、ステアラミドエチルジエチルアミン酢
酸塩等のアミン塩、ラウリルトリメチルアンモニウムク
ロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライ
ド、ジラウリルジメチルアンモニウムクロライド、ジス
テアリルジメチルアンモニウムクロライド、ラウリルジ
メチルベンジルアンモニウムクロライド、ステアリルジ
メチルベンジルアンモニウムクロライド等の第4級アン
モニウム塩等が使用される。
ルキルラウリルベタイン、ジメチルアルキルステアリル
ベタイン等の脂肪酸型両性界面活性剤、ジメチルアルキ
ルスルホベタインのようなスルホン酸型両性界面活性
剤、アルキルグリシン等が使用される。
合割合は、ブロック又はグラフト共重合体の固形分100
重量部に対し、界面活性剤0.5〜30重量部が好ましい。
界面活性剤の配合割合が0.5重量部未満では、目的とす
る防曇性の高い塗膜を得にくくなり、30重量部を超える
と塗膜強度と密着性が低下する。
合方法としては、ブロック又はグラフト共重合体を有機
溶剤又は水と有機溶剤との混合溶剤又は水に溶解した
り、分散したりしてその中に直接界面活性剤を加える方
法が一般的に採用される。
成物又は防曇塗膜被覆プラスチック成形材料の使用方法
としては、この防曇剤組成物を透明プラスチック材料等
の表面に塗布し、加熱乾燥させる方法が採用される。こ
の際の加熱温度は、耐熱性の低い基材に対応させるため
に、60〜80℃であることが好適である。但し、基材に耐
熱性の問題がなければ、80℃以上の温度を採用すること
ができる。また、塗布方法としては、通常の塗料におけ
る塗布手段、即ちロールコート法、スプレー法、浸漬
法、ハケ塗り法、スピンコート法等が適用される。
タノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−
ブタノール、ジアセトンアルコール等のアルコール系溶
剤、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロ
ソルブ、メチルカルビトール、エチルカルビトール、ブ
チルカルビトール等のアルコールエーテル系溶剤、メチ
ルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系
溶剤、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステ
ル系溶剤、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭
化水素系溶剤、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド等
のアミド系溶剤、アセトニトリル、アセチルニトリル等
のニトリル系溶剤等があげられる。これらのうち、アル
コール系溶剤、アルコールエーテル系溶剤及びこれらの
混合溶剤が特に好適である。
成物又は防曇塗膜被覆プラスチック成形材料において
は、必要により紫外線吸収剤、レベリング剤、硬化触
媒、酸化防止剤等の寛容の各種添加剤を配合することが
できる。
成物はブロック又はグラフト共重合応対における親水性
重合体部分が特定の自己架橋性官能基とA群の単量体に
含まれる特定の官能基を有するとともに、疎水性重合体
部分が同じくA群の単量体に含まれる特定の官能基を有
しており、さらに界面活性剤が配合されており、例えば
60〜80℃という比較的低温で塗膜を形成でき、得られた
塗膜は、持続性のある防曇性、基材への密着性、塗膜強
度及び塗膜の透明性に優れたものとなる。これは、ブロ
ック又はグラフト共重合体中の親水性重合体部分が界面
活性剤と親和と、界面活性剤を塗膜中に確実に固定し、
塗膜表面に水分が飛来したときに塗膜内部から界面活性
剤が徐々にブリードし、親水性重合体部分の親水性能と
ブリードしてきた界面活性剤の相乗硬化によって持続性
のある防曇性が発揮され、親水性重合体部分を構成する
特定の自己架橋性官能基と親水性重合体部分及び疎水性
重合体部分を構成する特定の官能基が部分的に架橋構造
を形成して塗膜強度が向上するとともに、疎水性重合体
部分が基材側に配向して基材との密着性が向上し、さら
に親水性重合体部分と疎水性重合体部分から形成される
相分離ドメインのサイズがその界面における静電的相互
作用又は酸、塩基の相互作用によってミクロ化されるた
めに塗膜の透明性が向上するものと推定される。
体的に説明する。なお、部数表示はいずれも重量基準で
ある。
階重合により、ブロック共重合体を以下のように合成し
た。なお、以下に示す重合条件は、親水性重合体部分を
形成する第1段重合、疎水性重合体部分を形成する第2
段重合のいずれも、仕込んだ単量体が各段階においてほ
ぼ完全にポリマー化される条件である。
メチルセロソルブ100部を仕込み、窒素ガスを吹き込み
ながら70℃に加熱し、それに、 メチルセロソルブ A 部 〔CO(CH2)4COO(C2H4O)3)−−CO(CH2)4COO
O〕 B 部 N−メチロールアクリルアミド C 部 A群から選ばれる単量体 D 部 親水性単量体 E 部 からなる混合液を2時間かけて仕込み、さらに2時間重
合反応を行った(第1段重合)。
反応を行った。なお、上記A〜Hの部数及び重合結果を
表−1〜表−3に示した。
ボネートを用いてグラフト共重合体を合成した。なお、
以下に示す重合条件は、親水性重合体部分を形成する第
1段重合、疎水性重合体を形成する第2段重合の各段階
において、仕込んだ単量体がほぼ完全にポリマー化され
る条件である。
部を仕込み、窒素ガスを吹き込みながら85℃に加熱し、
それに、 メチルセロソルブ 33.6部 t−ブチルペルオキシオクタノエート 4部 t−ブチルペルオキシメタクリロイロキシエチルカー
ボネート B部 N−メチロールアクリルアミド C部 A群から選ばれる単量体 D部 親水性単量体 E部 からなる混合液を2時間かけて仕込み、さらに7時間重
合反応を行った(第1段重合)。
合反応を行った。上記A〜Hの部数及び重合結果を表−
4に示した。
部を仕込み、窒素ガスを吹き込みながら85℃に加熱し、
それに メチルセロソルブ 44部 t−ブチルペルオキシオクタノエート 4部 N−メチロールアクリルアミド C部 A群から選ばれる単量体 D部 親水性単量体 E部 A群から選ばれる単量体 G部 疎水性単量体 H部 からなる混合液を2時間かけて仕込み、さらに9時間重
合反応を行った。上記C〜Hの部数及び重合結果を表−
5及び表−6に示す。
す。
粘土は25℃における重合溶液の粘度(P)を表す。親水
性重合体の比率(%)は、全重合体量に占める第1第重
合で形成された重合体の割合を表す。
形分が20重量%になるようにメチルセロソルブで希釈し
た後、表−7〜表−10に示した界面活性剤を配合して加
熱硬化型防曇剤被覆組成物を得た。次いで、各組成物を
その乾燥膜厚が5μmとなるようにバーコータを用いて
基材に塗布し、各々の条件で加熱乾燥を行ない、防曇塗
膜が被覆された被覆物を得た。
日本油脂株式会社製商品名ノニオンNS−212 (b):ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテ
ル、日本油脂株式会社製商品名ノニオンHS−210 (c):n−デドシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、日
本油脂株式会社製商品名ニューレックスR (d):ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、日本油
脂株式会社製商品名ラピゾールB−80 (e):オクタデシルトリメチルアンモニウムクロライ
ド、日本油脂株式会社製商品名カチオンAB (f):ジメチルアルキル(ヤシ)ベタイン、日本油脂
株式会社製商品名アノンBF 基材 PMMA:ポリメチルメタクリレート板 PVC :軟質塩化ビニル樹脂フィルム 硬化条件 (1):75℃で30分 (2):70℃で40分 次に、このようにして得られたそれぞれの塗膜につい
て、下記に示す評価方法により物性を評価した。その結
果を表−11〜表−16に示す。
の実用的には問題のないもの △:やや白味を帯び、実用的に問題のもの ×:白味を帯び、実用的に不適切なもの (2)塗膜強度 硬度 JIS K5400に準じた鉛筆引っかき試験を行って判定し
た。
にて判定した。
目視によって判定した。
曇り始めるまでの時間を測定した。
記呼気テストを行った。
個のクロスカットを作り、セロハン粘着テープ(ニチバ
ン株式会社製)を貼付け、接着面と垂直方向に剥離し、
剥がれずに残ったクロスカットの数を次のような略号で
表した。
上記密着性テストを行った。
ける加熱硬化型防曇剤組成物は、、親水性重合体部分や
疎水性重合体部分中の各単量体の種類、量を変えり、界
面活性剤の種類、量を変えたりしても、80℃以下の温度
で加熱硬化でき、実用的に優れた塗膜外観、塗膜強度、
防曇性及び密着性を発揮できる。なお、界面活性剤とし
ては、ノニオン界面活性剤とアニオン界面活性剤を併用
した組成物が防曇性に優れていることがわかる(例え
ば、実施例1〜3、8、10〜12)。
中のN−メチロールアクリルアミド量が本発明の範囲外
の場合、塗膜外観、防曇性、密着性及び塗膜強度のいず
れかに問題がある(比較例1,2)。また、ブロック又は
グラフト共重合体中の両重合体部分においてA群の単量
体の量が本発明の範囲外の場合には、塗膜外観又は密着
性のいずれかが低下することが明らかである(比較例3,
4,11,12)。親水性重合体部分の比率が50%未満のもの
は防曇性が低く(比較例5)、90%を越えるものは密着
性が低下する(比較例6)。さらに、重合体がランダム
共重合体の場合には、塗膜外観以外のいずれかの性能に
劣る(比較例7,8,9,10,13,14)。また、界面活性剤を本
発明の範囲外の量で用いた場合にも、塗膜外観以外のい
ずれかの性能が劣る(比較例15,16,17,18)。
チルメタクリレートや軟質塩化ビニル樹脂等を用いたヘ
ルメットシールド、計器カバー、レンズ等の表面に優れ
た防曇性を付与するために好適である。
成物は、60〜80℃という低い温度で容易に熱硬化でき、
防曇性とその持続性、各種基材への密着性、塗膜強度、
塗膜の透明性が優れているという効果を奏する。従っ
て、本発明のプラスチック成形材料用加熱硬化型防曇剤
組成物は、熱変形温度のあまり高くないプラスチック材
料、例えばポリメチルメタクリレート板、軟質塩化ビニ
ルフィルム等に対して防曇性を付与するために有用であ
る。本発明の防曇塗膜被覆プラスチック成形材料は、防
曇性とその持続性、基材への密着性、塗膜強度及び塗膜
の透明性が優れているという効果を奏する。
Claims (2)
- 【請求項1】下記に示したブロック又はグラフト共重合
体(a)と、界面活性剤(b)とを含有し、両者の配合
割合が固形分重量比で(a):(b)=100:0.5〜30で
あることを特徴とするプラスチック成形材料用加熱硬化
型防曇剤組成物。 (a)N−メチロール(メタ)アクリルアミド2〜15重
量%、グリシジル基、アミノ基、カルボキシル基、酸無
水物基のいずれかの官能基を有する単量体からなる群
(以下A群という)から選ばれる単量体の少なくとも1
種以上3〜15重量%、N−メチロール(メタ)アクリル
アミド及び上記A群の単量体と共重合性を有する親水性
単量体の1種以上75〜95重量%より形成される親水性重
合体部分と、上記A群の単量体から選ばれる単量体の1
種以上3〜30重量%及び上記A群の単量体と共重合性を
有する疎水性単量体の1種以上70〜97重量%より形成さ
れる疎水性重合体部分からなり、親水性重合体部分と疎
水性重合体部分の重量比が50/50〜95/5であるブロック
又はグラフト共重合体。 - 【請求項2】下記に示したブロック又はグラフト共重合
体(a)と、界面活性剤(b)とを含有し、両者の配合
割合が固形分重量比で(a):(b)=100:0.5〜30で
あることを特徴とする加熱硬化型防曇剤組成物より形成
される防曇塗膜を被覆した防曇塗膜被覆プラスチック成
形材料。 (a)N−メチロール(メタ)アクリルアミド2〜15重
量%、グリシジル基、アミノ基、カルボキシル基、酸無
水物基のいずれかの官能基を有する単量体からなる群
(以下A群という)から選ばれる単量体の少なくとも1
種以上3〜15重量%、N−メチロール(メタ)アクリル
アミド及び上記A群の単量体と共重合性を有する親水性
単量体の1種以上75〜95重量%より形成される親水性重
合体部分と、上記A群の単量体から選ばれる単量体の1
種以上3〜30重量%及び上記A群の単量体と共重合性を
有する疎水性単量体の1種以上70〜97重量%より形成さ
れる疎水性重合体部分からなり、親水性重合体部分と疎
水性重合体部分の重量比が50/50〜95/5であるブロック
又はグラフト共重合体。
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