JP5168508B2 - 複合材料用繊維処理剤及びガラスクロス - Google Patents
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Description
また更に、樹脂エマルジョンを2種使用して接着性改善を試みているものもある(特許文献3:特開2005−060862号公報)。しかしながら、2液となることで生産性に問題があった。
〔請求項1〕
(A)カルボキシル基、アミド基、エポキシ基、水酸基、アルコキシル基及びニトリル基を含まないエチレン性不飽和基含有単量体及び(B)アミド基、エポキシ基、水酸基、アルコキシル基、ニトリル基から選ばれる少なくとも1種の官能基を持つエチレン性不飽和基含有単量体を含む混合物100質量部を、水溶性高分子5〜30質量部の存在下で重合させることによって得られる複合材料用繊維処理剤。
〔請求項2〕
(A)成分が、エチレン性不飽和モノカルボン酸エステル類から選ばれるものである請求項1記載の複合材料用繊維処理剤。
〔請求項3〕
(A)成分が、(メタ)アクリル酸エステル、塩化ビニル、酢酸ビニルから選ばれる少なくとも1種である請求項1記載の複合材料用繊維処理剤。
〔請求項4〕
(A)成分が、塩化ビニル又は酢酸ビニルである請求項1記載の複合材料用繊維処理剤。
〔請求項5〕
(B)成分が、アクリルアミド、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、イタコン酸のモノ及びジグリシジルエステル、2,3−ジカルボン酸のモノ及びジグリシジルエステル、p−スチレンカルボン酸のグリシジルジエステル、2−ヒドロキシアクリレート、アクリル酸ヒドロキシプロピル、アクリル酸ヒドロキシエチル、メトキシエチルアクリレート、及びアクリロニトリルから選ばれるものである請求項1〜4のいずれか1項記載の複合材料用繊維処理剤。
〔請求項6〕
(B)成分が、アミド基含有単量体とエポキシ基含有単量体とを含む請求項1〜4のいずれか1項記載の複合材料用繊維処理剤。
〔請求項7〕
(A)成分100質量部に対して(B)成分を0.3〜10質量部含んでなる混合物を用いる請求項1〜6のいずれか1項記載の複合材料用繊維処理剤。
〔請求項8〕
(B)成分を(A)成分100質量部に対して2.5〜10質量部使用する請求項7記載の複合材料用繊維処理剤。
〔請求項9〕
(A)カルボキシル基、アミド基、エポキシ基、水酸基、アルコキシル基及びニトリル基を含まないエチレン性不飽和基含有単量体及び(B)カルボキシル基を持つエチレン性不飽和基含有単量体とアミド基又はエポキシ基を持つエチレン性不飽和基含有単量体との混合単量体を含む混合物100質量部を、水溶性高分子5〜30質量部の存在下で重合させることによって得られる複合材料用繊維処理剤。
〔請求項10〕
(B)成分がカルボキシル基を持つエチレン性不飽和基含有単量体とエポキシ基を持つエチレン性不飽和基含有単量体である請求項9記載の複合材料用繊維処理剤。
〔請求項11〕
(A)成分が、エチレン性不飽和モノカルボン酸エステル類から選ばれるものである請求項9又は10記載の複合材料用繊維処理剤。
〔請求項12〕
(A)成分が、(メタ)アクリル酸エステル、塩化ビニル、酢酸ビニルから選ばれる少なくとも1種である請求項9又は10記載の複合材料用繊維処理剤。
〔請求項13〕
(A)成分が、塩化ビニル又は酢酸ビニルである請求項9又は10記載の複合材料用繊維処理剤。
〔請求項14〕
(A)成分100質量部に対して(B)成分を0.3〜10質量部含んでなる混合物を用いる請求項9〜13のいずれか1項記載の複合材料用繊維処理剤。
〔請求項15〕
(B)成分を(A)成分100質量部に対して3.5〜10質量部使用する請求項14記載の複合材料用繊維処理剤。
〔請求項16〕
水溶性高分子が、ポリビニルアルコール又はヒドロキシエチルセルロースである請求項1〜15のいずれか1項記載の複合材料用繊維処理剤。
〔請求項17〕
水溶性高分子が重合度300〜1,800のポリビニルアルコールである請求項16記載の複合材料用繊維処理剤。
〔請求項18〕
ガラスクロスに繊維処理剤100質量部、純水125質量部、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン0.75質量部の混合液を含浸処理し、乾燥後、エポキシ樹脂板に貼り付け、60℃、1分間加熱し、常温で50kgf/cm 2 の荷重で1分間圧着し、180℃で30分熱処理してエポキシ樹脂を発泡させた試験片について、23℃,湿度50%の環境下においてT型(180°)剥離、引張スピード100mm/minにてエポキシ樹脂板とガラスクロスの界面の接着力を測定した場合の接着力が1,200g/inch以上である請求項1〜17のいずれか1項記載の複合材料用繊維処理剤。
〔請求項19〕
接着力が1,300g/inch以上である請求項18記載の複合材料用繊維処理剤。
〔請求項20〕
請求項1〜19のいずれか1項に記載の複合材料用繊維処理剤で処理したガラスクロス。
具体的に、カルボキシル基を含有する単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などが挙げられ、これらを単独又は2種以上組み合わせて用いることができるが、重合安定性からアクリル酸、メタクリル酸が好ましい。
アミド基含有単量体としては、アクリルアミドが挙げられ、これを単独又は他官能基と併用して用いることができる。
アルコキシル基含有単量体類としては、メトキシエチルアクリレートが、ニトリル基含有単量体類としては、アクリロニトリルが挙げられる。
撹拌機、還流冷却器、温度計を取り付けた3Lガラス製容器を用意し、ガラス製容器にイオン交換水173部、PVA JF−05(ポリビニルアルコール、日本酢ビポバール社製、ケン化度98.5、重合度500)を15部入れ、窒素で空気置換を十分行った後、撹拌を開始した。
ガラス製容器の内温を80℃まで上昇させ、酢酸ビニルモノマー100部、アクリル酸1部、グリシジルメタクリレート2.5部及び10%過酸化水素水1部と10%酒石酸水溶液1.5部を、それぞれ4時間連続追加した。その後、80℃で1時間反応を継続させ(5時間反応)た後、30℃まで冷却した。
蒸発残分35.0%の酢酸ビニル系重合体エマルジョン(複合材料用繊維処理剤)が得られた。
表1に示すような組成で、実施例1と同様の乳化重合を実施して、複合材料用繊維処理剤を得た。
<ガラス繊維の処理>
[実施例1〜10、比較例1〜5]
ガラスクロス(32本/inch(緯糸、経糸が共に32本/inch施されている)、熱処理品)に、製造実施例、製造比較例で得た繊維処理剤100部、純水125部、KBM−403(信越化学工業(株)製シランカップリング剤、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)0.75部の混合液を含浸処理し、170℃にて2分間乾燥させた。乾燥質量は、ガラスクロス処理後質量の6%であった。
KBM−403を添加しなかった以外は、実施例1〜10と同様の処理を行った。乾燥質量は、ガラスクロス処理後質量の6%であった。
処理後のガラスクロスを10cm×2.5cmに切断し、5cm×2.5cmの大きさに調製したエポキシ樹脂板の片面に貼り付け、反対の面にSUS(ステンレススチール)板を貼り、60℃のホットプレートにて1分間加温後、常温で50kgf/cm2の荷重で1分間圧着した。その後、180℃で30分間熱処理し、エポキシ樹脂を発泡させ試験片とした。
<蒸発残分>
試料(複合材料用繊維処理剤)約1gをアルミニウム箔製の皿に正確に量り取り、約105℃に保った乾燥器に入れ、1時間加熱後、乾燥器から取り出してデシケーターの中にて放冷し、試料の乾燥後の重さを量り、次式により蒸発残分を算出した。
W:乾燥前の試料を入れたアルミニウム箔皿の質量(g)
L:アルミニウム箔皿の質量(g)
T:乾燥後の試料を入れたアルミニウム箔皿の質量(g)
アルミニウム箔皿の寸法:70φ×12h(mm)
加工後のガラスクロスの端を割いて糸のホツレの程度を確認した。
○ 糸がすぐ切れる(糸がホツレず、ちぎれる)
× 糸が切れずガラスクロスから抜ける
剥離試験用サンプルのエポキシ樹脂板とガラスクロスの界面の接着力を測定した。
T型(180°)剥離、引張スピード:100mm/min、n=3
試験環境:室温23℃、湿度50%
接着力は、一般的に1,000g/inch以上が必要とされるが、1,300g/inch以上であることが更に好ましい。
98.5、重合度500
JP−05:PVA(ポリビニルアルコール)、日本酢ビポバール社製、ケン化度
88.0、重合度500
エマルゲン1135S−70:花王製、ノニオン乳化剤
ハイテノールNF−13:第一工業製薬製、アニオン・ノニオン乳化剤
これに対して、官能基を持つエチレン性不飽和基含有単量体を使用せず、エチレン性不飽和基含有単量体のみを水溶性高分子の存在下で重合した比較例1,5は、ホツレ防止性に優れるものの、発泡樹脂との接着性に劣るものであった。
また、エチレン性不飽和基含有単量体と官能基を持つエチレン性不飽和基含有単量体を一般乳化剤存在下で重合した比較例2は、発泡樹脂との接着性は良好であるものの、ホツレ防止性に劣るものであった。
更に、エチレン性不飽和基含有単量体及び官能基を持つエチレン性不飽和基含有単量体に対して、水溶性高分子量が本発明の範囲より少ない比較例3は、ホツレ防止性に劣るものであり、水溶性高分子量が本発明の範囲より多い比較例4はホツレ防止性、発泡樹脂との接着性のいずれにも劣るものであった。
Claims (20)
- (A)カルボキシル基、アミド基、エポキシ基、水酸基、アルコキシル基及びニトリル基を含まないエチレン性不飽和基含有単量体及び(B)アミド基、エポキシ基、水酸基、アルコキシル基、ニトリル基から選ばれる少なくとも1種の官能基を持つエチレン性不飽和基含有単量体を含む混合物100質量部を、水溶性高分子5〜30質量部の存在下で重合させることによって得られる複合材料用繊維処理剤。
- (A)成分が、エチレン性不飽和モノカルボン酸エステル類から選ばれるものである請求項1記載の複合材料用繊維処理剤。
- (A)成分が、(メタ)アクリル酸エステル、塩化ビニル、酢酸ビニルから選ばれる少なくとも1種である請求項1記載の複合材料用繊維処理剤。
- (A)成分が、塩化ビニル又は酢酸ビニルである請求項1記載の複合材料用繊維処理剤。
- (B)成分が、アクリルアミド、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、イタコン酸のモノ及びジグリシジルエステル、2,3−ジカルボン酸のモノ及びジグリシジルエステル、p−スチレンカルボン酸のグリシジルジエステル、2−ヒドロキシアクリレート、アクリル酸ヒドロキシプロピル、アクリル酸ヒドロキシエチル、メトキシエチルアクリレート、及びアクリロニトリルから選ばれるものである請求項1〜4のいずれか1項記載の複合材料用繊維処理剤。
- (B)成分が、アミド基含有単量体とエポキシ基含有単量体とを含む請求項1〜4のいずれか1項記載の複合材料用繊維処理剤。
- (A)成分100質量部に対して(B)成分を0.3〜10質量部含んでなる混合物を用いる請求項1〜6のいずれか1項記載の複合材料用繊維処理剤。
- (B)成分を(A)成分100質量部に対して2.5〜10質量部使用する請求項7記載の複合材料用繊維処理剤。
- (A)カルボキシル基、アミド基、エポキシ基、水酸基、アルコキシル基及びニトリル基を含まないエチレン性不飽和基含有単量体及び(B)カルボキシル基を持つエチレン性不飽和基含有単量体とアミド基又はエポキシ基を持つエチレン性不飽和基含有単量体との混合単量体を含む混合物100質量部を、水溶性高分子5〜30質量部の存在下で重合させることによって得られる複合材料用繊維処理剤。
- (B)成分がカルボキシル基を持つエチレン性不飽和基含有単量体とエポキシ基を持つエチレン性不飽和基含有単量体である請求項9記載の複合材料用繊維処理剤。
- (A)成分が、エチレン性不飽和モノカルボン酸エステル類から選ばれるものである請求項9又は10記載の複合材料用繊維処理剤。
- (A)成分が、(メタ)アクリル酸エステル、塩化ビニル、酢酸ビニルから選ばれる少なくとも1種である請求項9又は10記載の複合材料用繊維処理剤。
- (A)成分が、塩化ビニル又は酢酸ビニルである請求項9又は10記載の複合材料用繊維処理剤。
- (A)成分100質量部に対して(B)成分を0.3〜10質量部含んでなる混合物を用いる請求項9〜13のいずれか1項記載の複合材料用繊維処理剤。
- (B)成分を(A)成分100質量部に対して3.5〜10質量部使用する請求項14記載の複合材料用繊維処理剤。
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- ガラスクロスに繊維処理剤100質量部、純水125質量部、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン0.75質量部の混合液を含浸処理し、乾燥後、エポキシ樹脂板に貼り付け、60℃、1分間加熱し、常温で50kgf/cm 2 の荷重で1分間圧着し、180℃で30分熱処理してエポキシ樹脂を発泡させた試験片について、23℃,湿度50%の環境下においてT型(180°)剥離、引張スピード100mm/minにてエポキシ樹脂板とガラスクロスの界面の接着力を測定した場合の接着力が1,200g/inch以上である請求項1〜17のいずれか1項記載の複合材料用繊維処理剤。
- 接着力が1,300g/inch以上である請求項18記載の複合材料用繊維処理剤。
- 請求項1〜19のいずれか1項に記載の複合材料用繊維処理剤で処理したガラスクロス。
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