JP4214811B2 - 目止めガラスクロスおよび表面貼り用ガラスクロス - Google Patents
目止めガラスクロスおよび表面貼り用ガラスクロス Download PDFInfo
- Publication number
- JP4214811B2 JP4214811B2 JP2003101158A JP2003101158A JP4214811B2 JP 4214811 B2 JP4214811 B2 JP 4214811B2 JP 2003101158 A JP2003101158 A JP 2003101158A JP 2003101158 A JP2003101158 A JP 2003101158A JP 4214811 B2 JP4214811 B2 JP 4214811B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- glass cloth
- glass
- sealing
- weight
- cloth
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Surface Treatment Of Glass Fibres Or Filaments (AREA)
- Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ホルムアルデヒドはじめ揮発性有機化合物の放散が極めて少なく、グラスウールやロックウールに表面貼りとして施工する際、裁断時の糸ホツレ防止、貼り合わせ時の作業性、貼り合わせ後の品質安定性に優れた目止めガラスクロス、および表面貼り用ガラスクロスに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年一般住宅をはじめビル、工場、倉庫といった建築物は全般的に快適性や省エネルギーを追求し、高断熱、高気密の傾向にある。この気密性の高まった室内空間において、建築材料から放散されるホルムアルデヒドをはじめとする揮発性有機化合物による空気汚染が引き起こされ、人体に様々な影響を与えている。例えば、頭痛や目、喉の痛み、また、喘息やアトピー性皮膚炎といった症状をうったえる人が増加し、これが今「シックハウス症候群」として問題となっている。
【0003】
揮発性有機化合物放散による、この「シックハウス症候群」を引き起こす可能性があるとされる建築材料は、例えば合板、木質系フローリング材、パーティクルボード、塗料、接着剤等多数あるが、そのなかには、断熱材、保温材、吸音材として使用されるグラスウールやロックウールも挙げられる。
【0004】
建築材料として使用される製品としてのグラスウールやロックウールの表面にはウールの繊維片飛散防止、防汚用としてガラスクロスが貼り合わせられるものがある。前述背景からこのガラスクロスにも揮発性有機化合物放散の少ないものが求められている。
【0005】
ここで、グラスウールやロックウールの表面貼りガラスクロスは、裁断時の糸ホツレ防止、貼り合わせ時の作業性、貼り合わせ後の品質安定性を考慮し、樹脂加工が施され目止め処理されるのが一般的であり、この樹脂加工用の樹脂として接着性が良く、風合いが硬く、耐水・耐湿性の性能に優れるメラミン系もしくはユリア系樹脂が単独または他種類の樹脂とブレンドしたものが広く用いられている。
【0006】
しかしながら、メラミン系樹脂、ユリア系樹脂いずれもホルムアルデヒドとの縮合反応により硬化する樹脂である性質上、原料成分中にホルムアルデヒドを含有していることはいうまでもない。さらに、原料ホルムアルデヒドの全てが縮合反応に関与するわけではなく、未反応のまま硬化物中に微量成分として残留するものがあると一般的には考えられている。ゆえにメラミン系樹脂もしくはユリア系樹脂を使用して目止め処理をしたガラスクロスにおいては、前述のごとく未反応のホルムアルデヒドの残留による、その放散を避けることが出来ない欠点がある。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−234449(第2〜3頁、実施例1)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、「シックハウス症候群」が人体へおよぼす影響は深刻であり、その原因であるホルムアルデヒドはじめ揮発性有機化合物の放散が可能な限り少ないガラスクロスの要求が高まっている。
【0009】
即ち、本発明の目的とするところは、ホルムアルデヒドはじめ揮発性有機化合物の放散が極めて少なく、グラスウールやロックウールに表面貼りとして施工する際、裁断時の糸ホツレ防止、貼り合わせ時の作業性、貼り合わせ後の品質安定性に優れた目止めガラスクロス、および表面貼り用ガラスクロスを提供することにある。
【0010】
【課題を解決する為の手段】
上記目的は、ガラス転移温度15℃以上である所のアクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂およびポリエステル系樹脂から選択される少なくとも1つで目止め処理されており、該樹脂のガラス繊維布帛への樹脂付着率が2.0重量%〜15重量%である目止めガラスクロスであって、該目止めガラスクロスからの揮発性有機化合物の放散量が、下記(1)の性能を満たすことを特徴とする目止めガラスクロスによって達成される。
(1)加熱発生ガス法(加熱温度90℃、加熱時間30分)でホルムアルデヒドの検出量が1μg/g以下である。
【0011】
また、目止めガラスクロスからの揮発性有機化合物が、下記性能(2)を満たす放散量である目止めガラスクロスが好ましい。
(2)スタティックスペース法(加熱温度150℃、加熱時間30分)で、トルエン、エチルベンゼン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、スチレン、フタル酸ジ−n−ブチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル各々の検出量が1μg/g以下である。
【0012】
また、ガラス繊維布帛が、厚さ0.08〜0.3mmで、重量50〜250g/m2であることが好ましく、JIS−L 1096 8.19「剛軟性A法」に準じて測定した目止めガラスクロスの剛軟性が、130mm以上であり、且つ経方向及び緯方向の硬度保持率が65%以上であることが好ましい。
更に前記目止めガラスクロスからなることを特徴とする表面貼り用ガラスクロスによって達成される。
【0013】
【発明実施の形態】
以下、本発明の構成を詳細に説明する。
【0014】
本発明に用いられるガラス繊維布帛を構成するガラス組成としては、電気絶縁用に適したプリント配線板用として一般に用いられているEガラスの他、耐アルカリ性のARガラス、耐酸性のCガラス、低誘電率のDガラスなどが挙げられ、用途の目的に合わせて適宜選定すればよい。
【0015】
また、本発明に用いられるガラス繊維布帛の織物組織としては、例えば平織、からみ織、朱子織、綾織、斜子織などに製織されたものが挙げられ、平織またはからみ織りが特に好ましい。織物組織の構造おいて、織物の厚さとしては、0.05〜0.5mmが好ましく、0.08〜0.3mmの範囲が薄くてもコシがあり、クロス貼り合わせ作業性の点で特に好ましく、また織物の重量としては、10〜300g/m2の範囲が好ましく、50〜250g/m2の範囲がウールの繊維飛散防止性能、防汚性および織物コストの点で特に好ましい。
【0016】
本発明の目止めガラスクロスは、ガラス繊維布帛に慣用の塗布手段により樹脂目止め加工が施して製造されるが、そこに使用される樹脂としては、ガラス転移温度15℃以上で、ガラスクロスに処理後適度な剛軟性、耐水性および耐湿性を付与することができる所のアクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂が挙げられ、該樹脂から選択される少なくとも1つを使用する。
ガラス転移温度が15℃未満だと、目止め処理したガラスクロスの剛軟性を達成するのに難しい。実質的なガラス転移温度50℃以上のアクリル系樹脂を使用すると特に好ましい。
【0017】
本発明に用いられるガラス転移温度15℃以上である所のアクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂およびポリエステル系樹脂としては、具体的には、アクリル系樹脂としては、アクリル共重合体樹脂、アクリル酸エステル共重合体樹脂、アクリル−スチレン共重合体樹脂、アクリル−シリコン共重合体樹脂などが挙げられ、酢酸ビニル系樹脂としては、酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂などが挙げられ、ポリエステル系樹脂としては、飽和共重合ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂などが挙げられる。
また、耐水性・耐湿性向上のためにシリコン系やフッ素系の撥水剤などを組み合わせても良い。
また、用途に合わせ、顔料、染料と組み合わせ着色しても良い。
【0018】
本発明に用いられる樹脂の組成物タイプとしては、溶剤希釈型、水溶型、水系エマルジョン型などがあるが、作業環境面や取扱い性に優れる点で水系エマルジョン型が特に好ましい。尚、前記樹脂を水系、水・有機溶媒混合系などに分散した形態をエマルジョンと呼称する。
【0019】
該水系エマルジョンによる目止め処理加工方法としは、任意の水希釈液を作製して浸漬する法、スプレーコート法、ロールコート法、ナイフコート法などの慣用方法が挙げられ、該方法によりガラス繊維布帛に樹脂を施した後、使用する樹脂の最低造膜温度(MFT)以上に加熱下、好ましくは130〜230℃で、1〜20分間乾燥処理することにより樹脂を硬化し、ガラス繊維基材に固着せしめる。
【0020】
本発明に用いられる樹脂付着率としては、前記ガラス繊維布帛の重量に対し2.0〜15重量%が必要であり、剛軟性および硬度保持率においてより優れた点で2.5〜10重量%が特に好ましい。2.5重量%未満であると剛軟性、硬度保持性の点で望ましいものが得られ難く、また15重量%を越えると揮発性有機化合物のホルムアルデヒドの検出量が基準値を超える可能性がある。
【0021】
こうして得られた本発明の目止めガラスクロスは、経方向および緯方向のJIS−L 1096 8.19「剛軟性A法」に準じて求めた剛軟性が130mm以上であり、経方向および緯方向の硬度保持率が65%以上であると、グラスウールやロックウールへ貼り合わせる際に、ドレープ性があるため、通常環境下はもちろん梅雨時期等の高湿度環境下でもシワが発生しないように作業ができるなどの点で好ましい。
【0022】
かくして得られる本発明の目止めガラスクロスは、例えば「シックハウス症候群」の防止を目的とする建材用途に適し、具体的には建材用の断熱材、保温材、吸音材として供されるグラスウールおよびロックウールの表面貼り用ガラスクロスの用途として使用することが出来る。本発明の表面貼り用ガラスクロスは、グラスウールおよびロックウールの表面に施工する際、裁断時の糸ホツレを防止し、貼り合わせ時の作業性を容易にし、また貼り合わせ後の品質安定性に寄与する優れた効果を示す。
【0023】
【実施例】
以下、本発明を実施例、比較例により詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって制限されるものではない。
尚、実施例、比較例を説明するに先立ち目止めガラスクロスの「加熱発生ガス法」、「スタティックスペ−ス法」「樹脂付着率」および「剛軟性および硬度保持率」の測定法並びに表面貼り用ガラスクロスの「グラスウール表面貼り作業性」の評価法を示す。
【0024】
(加熱ガス発生法)
測定試料を温度90℃で30分間加熱し、発生した揮発成分をDNPHカートリッジでトラップ後、アセトニトリルでアルデヒド類の誘導体化および脱着処理をし、この溶液について高速液体クロマトグラフ(Wasters製alliancePDAシステム)にて測定を行った。
【0025】
(スタティックスペ−ス法)
測定試料をヘッドスペースオートサンプラー(HEWLETTPACKARD製 HP7694)により150℃で30分間加熱し、加熱状態のガスをガスクロマトグラフ(HEWLETTPACKARD製HP6890)に注入して測定を行った。
【0026】
(樹脂付着率)
JIS R3420−1999により求めた強熱減量を樹脂付着率(%)とした。
【0027】
(剛軟性および硬度保持率)
JIS L−1096−1999 8.19の「剛軟性A法」順じて、試験片の大きさを5cm×30cmとした以外はJISと同じ方法で実施した。
また、硬度保持率は、次式で表される。
硬度保持率(単位%)=B/A×100
A:前記により求めた剛軟性。
B:25℃水道水中に20秒間浸漬後、表面の水滴を除去した湿潤時の剛軟性。
【0028】
(グラスウ−ル表面貼り作業性)
目止めガラスクロスを25cm角にカットし、カット部の糸のホツレの有無を目視にて判定した。続いて、密度32kg/m3、厚さ25mmのグラスウ−ルを25cm角に切り出し、酢ビ系接着剤を用いて前記25cm角の目止めガラスクロスをグラスウ−ルの表面に貼り合わせて、表面貼り用ガラスクロスを得た。該表面貼り用ガラスクロスのシワ発生の有無を目視にて判定した。更に、表面に目止めガラスクロスが貼り合された該表面貼り用ガラスクロスを、30℃、90%RHの雰囲気下に1週間放置した後、表面貼り用ガラスクロスのシワ発生の有無を目視にて判定した。
【0029】
実施例1
カネボウ株式会社製ガラスクロスKS5320(ガラス繊維布帛;経糸及び緯糸の打ち込み本数はそれぞれ30本/25mm、20本/25mmであり、厚さは0.12mm、重量は95g/m2である。)をガラス転移温度60℃のアクリル−スチレン共重合体エマルジョン 70重量%水希釈液中に浸漬し、絞液後、160℃の加熱炉中で2分間乾燥して、目止めガラスクロス(実施例1)を作製した。
該目止めガラスクロス(実施例1)について、加熱発生ガス法によりホルムアルデヒドを検出し、スタティックスペ−ス法によりその他の揮発性有機化合物を検出し、JIS R3420−1999により強熱減量を測定し、JIS L−1096−1999 8.19の「剛軟性A法」により剛軟性を測定して、それぞれホルムアルデヒドの量、その他の揮発性有機化合物の量、強熱減量より樹脂付着率を求め、剛軟性測定から硬度保持率を求めた。それらの結果を表1に示す。
【0030】
実施例2
カネボウ株式会社製ガラスクロスKS5320(ガラス繊維布帛;経糸及び緯糸の打ち込み本数は、それぞれ30本/25mm、20本/25mmであり、厚さは0.12mm、重量は95g/m2である。)をガラス転移温度20℃のアクリル酸エステル共重合体エマルジョン 70重量%水希釈液中に浸漬し、190℃の加熱炉中で2分間乾燥し、目止めガラスクロス(実施例2)を作製した。該目止めガラスクロス(実施例2)についても、実施例1と同様に測定を行った。それらの結果を表1に示す。
【0031】
実施例3
カネボウ株式会社製ガラスクロスKS5320(ガラス繊維布帛;経糸及び緯糸の打ち込み本数は、それぞれ30本/25mm、20本/25mmであり、厚さは0.12mm、重量は95g/m2である。)をガラス転移温度20℃のアクリル酸エステル共重合体エマルジョン 50重量%水希釈液中に浸漬し、190℃の加熱炉中で2分間乾燥し、目止めガラスクロス(実施例3)を作製した。該目止めガラスクロス(実施例3)についても、実施例1と同様に測定を行った。それらの結果を表1に示す。
【0032】
実施例4
カネボウ株式会社製ガラスクロスKS5320(ガラス繊維布帛;経糸及び緯糸の打ち込み本数は、それぞれ30本/25mm、20本/25mmであり、厚さは0.12mm、重量は95g/m2である。)をガラス転移温度20℃のアクリル酸エステル共重合体エマルジョン 85重量%水希釈液中に浸漬し、190℃の加熱炉中で2分間乾燥し、目止めガラスクロス(実施例4)を作製した。該目止めガラスクロス(実施例4)についても、実施例1と同様に測定を行った。それらの結果を表1に示す。
【0033】
実施例5
カネボウ株式会社製ガラスクロスKS5320(ガラス繊維布帛;経糸及び緯糸の打ち込み本数は、それぞれ30本/25mm、20本/25mmであり、厚さは0.12mm、重量は95g/m2である。)をガラス転移温度20℃のアクリル酸エステル共重合体エマルジョン 95重量%水希釈液中に浸漬し、190℃の加熱炉中で2分間乾燥し、目止めガラスクロス(実施例5)を作製した。該目止めガラスクロス(実施例5)についても、実施例1と同様に測定を行った。それらの結果を表1に示す。
【0034】
実施例6
カネボウ株式会社製ガラスクロスKS5370(ガラス繊維布帛;経糸及び緯糸の打ち込み本数は、それぞれ30本/25mm、25本/25mmであり、厚さは0.09mm、重量は74g/m2である。)をガラス転移温度20℃のアクリル酸エステル共重合体エマルジョン 70重量%水希釈液中に浸漬し、190℃の加熱炉中で2分間乾燥して、目止めガラスクロス(実施例6)を作製した。該目止めガラスクロス(実施例6)についても、実施例1と同様に測定を行った。それらの結果を表1に示す。
【0035】
比較例1
カネボウ株式会社製ガラスクロスKS5320(ガラス繊維布帛;経糸及び緯糸の打ち込み本数は、それぞれ30本/25mm、20本/25mmであり、厚さは0.12mm、重量は95g/m2である。)を、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂 60重量%および変性メラミン系樹脂 15重量%および有機アミン系硬化触媒 1重量%の混合水希釈液中に浸漬し、140℃の加熱炉中で2分間乾燥し、目止めガラスクロス(比較例1)を作製した。該目止めガラスクロス(比較例1)についても、実施例1と同様に測定を行った。それらの結果を表2に示す。
【0036】
比較例2
カネボウ株式会社製ガラスクロスKS5320(ガラス繊維布帛;経糸及び緯糸の打ち込み本数は、それぞれ30本/25mm、20本/25mmであり、厚さは0.12mm、重量は95g/m2である。)を、ガラス転移温度−2℃のアクリル酸エステル共重合体エマルジョン 70重量%水希釈液中に浸漬し、160℃の加熱炉中で2分間乾燥し、目止めガラスクロス(比較例2)を作製した。該目止めガラスクロス(比較例2)についても、実施例1と同様に測定を行った。それらの結果を表2に示す。
【0037】
比較例3
カネボウ株式会社製ガラスクロスKS5320(ガラス繊維布帛;経糸及び緯糸の打ち込み本数は、それぞれ30本/25mm、20本/25mmであり、厚さは0.12mm、重量は95g/m2である。)を、ガラス転移温度20℃のアクリル酸エステル共重合体エマルジョン 40重量%水希釈液中に浸漬し、190℃の加熱炉中で2分間乾燥し、目止めガラスクロス(比較例3)を作製した。該目止めガラスクロス(比較例3)についても、実施例1と同様に測定を行った。それらの結果を表2に示す。
【0038】
比較例4
カネボウ株式会社製ガラスクロスKS5320(ガラス繊維布帛;経糸及び緯糸の打ち込み本数は、それぞれ30本/25mm、20本/25mmであり、厚さは0.12mm、重量は95g/m2である。)を、ガラス転移温度60℃のアクリル−スチレン共重合体エマルジョン 95重量%水希釈液中に浸漬し、160℃の加熱炉中で2分間乾燥し、目止めガラスクロス(比較例4)を作製した。該目止めガラスクロス(比較例4)についても、実施例1と同様に測定を行った。それらの結果を表2に示す。
【0039】
比較例5
カネボウ株式会社製ガラスクロスKS5370(ガラス繊維布帛;経糸及び緯糸の打ち込み本数は、それぞれ30本/25mm、25本/25mmであり、厚さは0.09mm、重量は74g/m2である。)を塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂 70重量%および変性メラミン系樹脂 3重量%および有機アミン系硬化触媒 0.2重量%の混合水希釈液中に浸漬し、160℃の加熱炉中で2分間乾燥し、目止めガラスクロス(比較例5)を作製した。該目止めガラスクロス(比較例5)についても、実施例1と同様に測定を行った。それらの結果を表2に示す。
【0040】
実施例1〜6、比較例1〜5における目止め処理したガラスクロスの特性および定量分析の結果を表1および表2に示す。また、実施例1〜6、比較例1〜5の目止めガラスクロスからなる表面貼り用ガラスクロスについては、前述の「グラスウ−ル表面貼り作業性」の方法に基づいて、表面貼り用ガラスクロスを作製し、糸のホツレ、しわ発生について調べ、その結果を表1および表2に示す。
尚、表中、Tgはガラス転移温度を示す。また、Trは定量限界以下、NDは検出限界以下を示す。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】
【発明の効果】
如上の通り、本発明の目止めガラスクロスは、ホルムアルデヒドはじめ揮発性有機化合物の放散が極めて少なく、「シックハウス症候群」の防止に有用な上、グラスウールやロックウール貼り合わせの作業性や品質面に優れる目止めガラスクロス、および表面貼り用ガラスクロスが提供できる。
Claims (4)
- グラスウールやロックウールの表面に貼り合わせる表面貼り用ガラスクロスであって、
前記表面貼り用ガラスクロスは、厚さ0.08〜0.3mmで重量50〜250g/m 2 であるガラス繊維布帛を、ガラス転移温度15℃以上のアクリル系樹脂により、付着率2.0〜15重量%で目止め処理された目止めガラスクロスからなり、
該目止めガラスクロスからの揮発性有機化合物の放散量は、加熱発生ガス法(加熱温度90℃、加熱時間30分)でホルムアルデヒドの検出量が1μg/g以下である、
ことを特徴とする表面貼り用ガラスクロス。 - 前記目止めガラスクロスからの揮発性有機化合物の放散量は、スタティックスペース法(加熱温度150℃、加熱時間30分)で、トルエン、エチルベンゼン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、スチレン、フタル酸ジ−n−ブチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル各々の検出量が1μg/g以下である、
請求項1に記載の表面貼り用ガラスクロス。 - 前記目止めガラスクロスは、JIS−L 1096 8.19「剛軟性A法」に準じて測定した剛軟性が130mm以上であり、且つ経方向及び緯方向の硬度保持率65%以上である、
請求項1または請求項2に記載の表面貼り用ガラスクロス。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載の表面貼り用ガラスクロスをグラスウールまたはロックウールの表面に貼り付けた建築材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003101158A JP4214811B2 (ja) | 2003-04-04 | 2003-04-04 | 目止めガラスクロスおよび表面貼り用ガラスクロス |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003101158A JP4214811B2 (ja) | 2003-04-04 | 2003-04-04 | 目止めガラスクロスおよび表面貼り用ガラスクロス |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004308040A JP2004308040A (ja) | 2004-11-04 |
JP4214811B2 true JP4214811B2 (ja) | 2009-01-28 |
Family
ID=33465045
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003101158A Expired - Lifetime JP4214811B2 (ja) | 2003-04-04 | 2003-04-04 | 目止めガラスクロスおよび表面貼り用ガラスクロス |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4214811B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010020160A (ja) * | 2008-07-11 | 2010-01-28 | Caterpillar Japan Ltd | 作業機械の吸音材の製造方法 |
JP2010032879A (ja) * | 2008-07-30 | 2010-02-12 | Caterpillar Japan Ltd | 作業機械の吸音材の製造方法 |
JP2010032878A (ja) * | 2008-07-30 | 2010-02-12 | Caterpillar Japan Ltd | 作業機械の吸音材 |
JP5168508B2 (ja) * | 2009-06-02 | 2013-03-21 | 日信化学工業株式会社 | 複合材料用繊維処理剤及びガラスクロス |
CN104761139A (zh) * | 2015-03-30 | 2015-07-08 | 安徽丹凤电子材料股份有限公司 | 一种无碱玻璃布的制造方法 |
-
2003
- 2003-04-04 JP JP2003101158A patent/JP4214811B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2004308040A (ja) | 2004-11-04 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP2246397B1 (en) | Acoustic and fire retardant foam coating composition for fibrous mat | |
JP4895463B2 (ja) | エアフィルタ用濾材およびその製造方法 | |
JP6284657B2 (ja) | 木材用水溶性防炎剤組成物と防炎処理方法 | |
JP2008138167A (ja) | コーティング剤、調湿建材、壁紙及び接着剤 | |
DK3069778T3 (en) | COMPOSITION TO REMOVE ALDEHYDE FROM AIR | |
JP4214811B2 (ja) | 目止めガラスクロスおよび表面貼り用ガラスクロス | |
US4241145A (en) | Novel intumescent composition | |
JP2004160361A (ja) | エアフィルタ用濾材およびその製造方法 | |
Hatchfield et al. | The problem of formaldehyde in museum collections | |
JP2000107275A (ja) | 消臭組成物及びこれを用いた水性塗料組成物 | |
CN109836881A (zh) | 一种石墨烯纳米防火涂料及制备技术 | |
JP4701726B2 (ja) | ガラスペーパー | |
US6849682B2 (en) | VOC containment coating, methods and articles | |
JP3293330B2 (ja) | 繊維類の難燃加工方法 | |
JP2006281466A (ja) | 木質材料用難燃剤、これを使用した難燃化木質材料の製造方法、難燃化木質材料及び木質材料の難燃化方法 | |
JPH0134558B2 (ja) | ||
KR102359909B1 (ko) | 코팅 조성물, 이를 적용한 난연성 및 내수성이 우수한 발포 폴리스티렌 및 코팅 조성물의 제조방법 | |
CN218811487U (zh) | 一种新型云母胶带 | |
JP2013173814A (ja) | ホルムアルデヒド捕捉剤 | |
JP2003266407A (ja) | 木質系建材の製造方法 | |
JP2005060458A (ja) | 不燃塗料組成物、およびそれを用いた不燃化方法 | |
JP2006009231A (ja) | 透湿・吸水性を有する壁紙およびその製造方法 | |
JPS5894425A (ja) | 積層板用基材へのワニス含浸方法 | |
Wirtanen | Influence of moisture and substrate on the emission of volatile organic compounds from wall structures | |
JP2009228399A (ja) | 調湿化粧パネル |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711 Effective date: 20050324 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060317 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20080704 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080715 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20080916 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20081014 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20081027 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4214811 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111114 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111114 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111114 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111114 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121114 Year of fee payment: 4 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121114 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131114 Year of fee payment: 5 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |