JP7199351B2 - 紙処理剤または繊維処理剤、紙加工品または繊維加工品 - Google Patents

紙処理剤または繊維処理剤、紙加工品または繊維加工品 Download PDF

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Description

本発明は、共重合体、樹脂組成物、処理剤及び加工品に関する。
本願は、2017年6月27日に、日本に出願された特願2017-125089号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
紙処理剤、繊維処理剤、粘接着剤などの処理剤を基材上に付着させた加工品(以下、「加工品等」という場合がある。)は、建築材料、家電、電子材料、自動車等の車両内装材等の用途において、広く使用されている。加工品等に使用される処理剤の材料には、物性向上剤、バインダー又は分散剤として、合成樹脂が広く用いられている。
近年、安全性の観点から、加工品等の難燃化が求められている。加工品等を難燃化する方法としては、加工品等に使用される処理剤として難燃剤を含むものを用いる方法が挙げられる。
難燃剤としては、赤リン、三酸化アンチモン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなどの無機系難燃剤;ペンタブロモビフェニル、オクタブロモビフェニル、デカブロモビフェニルなどのハロゲン系難燃剤;リン酸塩、リン酸グアニジン、トリフェニルホスフェート、スルファミン酸などの非ハロゲン難燃剤などが知られている。
ハロゲン系難燃剤は、優れた難燃化性能を有する。このため、難燃剤としてハロゲン系難燃剤を用いる場合、難燃剤の使用量を比較的少量にできることが多い。したがって、ハロゲン系難燃剤を含む処理剤を用いて製造した加工品等では、加工品等の物性に与える難燃剤の影響が少なくて済む。
しかし、ハロゲン系難燃剤は、塩素や臭素、フッ素といったハロゲン元素を含有している。このため、ハロゲン系難燃剤を含む加工品等を焼却すると、ダイオキシンやハロゲン化水素といった有害な物質が発生する恐れがある。このことから、ハロゲン系難燃剤は、EU諸国を始めとした世界各国で、規制や使用の見直しが行われている。
また、ハロゲン系難燃剤は、アンチモン化合物との併用でより高い難燃性を発現することが広く知られている。したがって、ハロゲン系難燃剤は、アンチモン化合物と併用して使用されることが多い。しかし、近年、アンチモン化合物に関しても、規制や使用の見直しが行われ始めており、その使用が回避される傾向にある。
非ハロゲン系有機難燃剤は、ハロゲン系難燃剤と比較して、安全性に優れている。非ハロゲン系有機難燃剤としては、リン系化合物からなるリン系難燃剤が多く検討されている。
しかし、一般的に、リン系難燃剤の難燃化性能は、ハロゲン系難燃剤よりも低い。このため、難燃剤としてリン系難燃剤を用いる場合、充分な難燃性を得るために、難燃剤を多量に使用しなければならないことが多い。したがって、リン系難燃剤を含む処理剤を用いた加工品等では、難燃剤を多く配合する必要があるため、加工品等の耐ブリーディング性及び耐ブロッキング性が不足する場合があった。
特許文献1には、特定量のリンを含有する単量体と、アクリル酸系不飽和単量体及び酢酸ビニル単量体の三元共重合体からなる難燃性共重合樹脂が提案されている。
特許文献2には、リン酸基又は亜リン基を有する不飽和単量体と、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体と、アクリル酸系不飽和単量体とを共重合して得られた樹脂組成物、これを用いて加工された紙及び繊維加工品が提案されている。
特開平7-18028号公報 特開2010-235830号公報
しかしながら、従来の難燃性樹脂を含む加工品は、難燃性、耐ブリーディング性及び耐ブロッキング性の全てを満足するものではなかった。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、難燃性に優れ、耐ブリーディング性及び耐ブロッキング性の良好な樹脂を提供することを課題とする。
また、本発明は、良好な難燃性、耐ブリーディング性及び耐ブロッキング性を有する塗膜の得られる樹脂組成物及び処理剤を提供することを課題とする。
また、本発明は、優れた難燃性、耐ブリーディング性及び耐ブロッキング性を有する加工品を提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題を解決し、難燃性、耐ブリーディング性及び耐ブロッキング性の全てを満足する樹脂を提供するために鋭意研究を重ねた。
その結果、リン含有不飽和単量体(A)由来の構成成分と、重合性不飽和単量体(B)由来の構成成分とを含む共重合体であり、前記(B)由来の構成成分が、炭素原子数及び酸素原子数の合計が4~10である主鎖を有する不飽和カルボン酸単量体(b-1)由来の構成成分を含み、かつ炭素数が1~4のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体(b-2)由来の構成成分の含有量が、前記(A)由来の構成成分と前記(B)由来の構成成分との合計含有量に対して0.00~1.00質量%である共重合体であればよいことを見出し、本発明を想到した。
すなわち、本発明の第一の態様は以下の共重合体である。
〔1〕リン含有不飽和単量体(A)由来の構成成分と、重合性不飽和単量体(B)由来の構成成分とを含む共重合体であり、
前記重合性不飽和単量体(B)由来の構成成分が、炭素原子数及び酸素原子数の合計が4~10である主鎖を有する不飽和カルボン酸単量体(b-1)由来の構成成分を含み、かつ炭素数が1~4のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体(b-2)由来の構成成分の含有量が、前記リン含有不飽和単量体(A)由来の構成成分と前記重合性不飽和単量体(B)由来の構成成分との合計含有量に対して0.00~1.00質量%であることを特徴とする共重合体。
上記〔1〕で述べた共重合体は、以下の特徴を有する共重合体であることも好ましい。下記の特徴は互いに組み合わせても良い。
〔2〕前記リン含有不飽和単量体(A)由来の構成成分が、リン酸基と亜リン酸基のいずれかを有する単量体(a-1)由来の構成成分を含む〔1〕に記載の共重合体。
〔3〕前記リン酸基と亜リン酸基のいずれかを有する単量体(a-1)が、アシッド・ホスホオキシポリオキシアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートである〔2〕に記載の共重合体。
〔4〕リン原子含有量が0.1~10質量%である〔1〕~〔3〕のいずれかに記載の共重合体。
〔5〕前記不飽和カルボン酸単量体(b-1)が、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、β-カルボキシエチルアクリル酸から選択される少なくとも1種である〔1〕~〔4〕のいずれかに記載の共重合体。
〔6〕前記不飽和カルボン酸単量体(b-1)由来の構成成分の含有量が、前記リン含有不飽和単量体(A)由来の構成成分と前記重合性不飽和単量体(B)由来の構成成分との合計含有量に対して30~95質量%である〔1〕~〔5〕のいずれかに記載の共重合体。
〔7〕さらに連鎖移動剤(C)由来の構成成分を含む〔1〕~〔6〕いずれかに記載の共重合体。
〔8〕前記連鎖移動剤(C)が、メルカプトアルキルカルボン酸エステル(c-1)である〔7〕に記載の共重合体。〔9〕前記連鎖移動剤(C)由来の構成成分の含有量が、前記リン含有不飽和単量体(A)由来の構成成分と前記重合性不飽和単量体(B)由来の構成成分との合計含有量100質量部に対して0.1~10質量部である〔7〕又は〔8〕に記載の共重合体。
〔10〕質量平均分子量が25000~70000である〔1〕~〔9〕いずれかに記載の共重合体。
〔11〕酸価が300~800mgKOH/gである〔1〕~〔10〕いずれかに記載の共重合体。
本発明の第二の態様は、以下の樹脂組成物である。
〔12〕〔1〕~〔11〕のいずれかに記載の共重合体を含む樹脂組成物。
上記樹脂組成物は、以下の特徴を有する組成物であることも好ましい。
〔13〕さらに界面活性剤を含む〔12〕に記載の樹脂組成物。
本発明の第三の態様は、以下の処理剤である。
〔14〕〔1〕~〔11〕のいずれかに記載の共重合体を含む処理剤。
本発明の第四の態様は、以下の加工品である。
〔15〕基材と、前記基材上に付着した〔1〕~〔11〕のいずれかに記載の共重合体とを有する加工品。
上記加工品は、以下の特徴を有する組成物であることも好ましい。
〔16〕〔14〕に記載の処理剤の固形分が基材上に付着した加工品であり、前記固形分が前記加工品に対して5~70質量%付着している加工品。
本発明の共重合体は、難燃性、耐ブリーディング性及び耐ブロッキング性に優れる。
また、本発明の共重合体を基材上に付着させることで、難燃性、耐ブリーディング性及び耐ブロッキング性の良好な加工品が得られる。
本発明の樹脂組成物及び処理剤は、本発明の共重合体を含むため、難燃性に優れ、耐ブリーディング性及び耐ブロッキング性の良好な塗膜が得られる。
本発明の加工品は、基材と、前記基材上に付着した本発明の共重合体とを有する。このため、優れた難燃性、耐ブリーディング性及び耐ブロッキング性を有する。
以下、本発明の共重合体、樹脂組成物、処理剤及び加工品の好ましい例について詳細に説明する。なお、本発明は、以下に示す実施形態のみに限定されるものではない。例えば、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種類、数、量、材料、構成等について、追加、省略、変更が可能である。
本明細書における「~」は、「~」という記載の前の値以上、「~」という記載の後の値以下を意味する。
また、本明細書における「(メタ)アクリレート」等の記載は、「アクリレート及び/又はメタクリレート」等と同義である。
また、本明細書における「不飽和単量体」等の記載は、「α,β-エチレン性の不飽和基を有する単量体」等と同義である。
[共重合体]
本実施形態の共重合体は、リン含有不飽和単量体(A)由来の構成成分(以下、「(A)由来の構成成分」という場合がある。)と、重合性不飽和単量体(B)由来の構成成分(以下、「(B)由来の構成成分」という場合がある。)とを必須として含む。但し、(B)由来の構成成分には(A)由来の構成成分は含まない。
共重合体において、リン含有不飽和単量体(A)由来の構成成分及び重合性不飽和単量体(B)由来の構成成分は、いずれも繰り返し単位である。共重合体においては、繰り返し単位の配列順序に特に制限はない。すなわち、共重合体は、ランダム共重合体、ブロック共重合体、交互共重合体のいずれであってもよい。
<リン含有不飽和単量体(A)>
共重合体に含まれるリン含有不飽和単量体(A)由来の構成成分は、共重合体の難燃性を向上させる。リン含有不飽和単量体(A)由来の構成成分は、共重合体の原料として用いたリン含有不飽和単量体(A)に由来する。
共重合体の原料として用いられるリン含有不飽和単量体(A)は、分子中にエチレン性不飽和結合と、リン原子とを含有するものである。
リン含有不飽和単量体(A)の具体例としては、ジメチルビニルホスホナート、ジエチルビニルホスホナート、ジフェニルビニルホスホナート、ジフェニルビニルホスホナート、ジメチル(1,2-ジフェニル-エテニル)ホスホナート、ジメチル-p-ビニルベンジルホスホナート、ジエチル-p-ビニルベンジルホスホナート、ジフェニル-p-ビニルベンジルホスフィンオキシド、9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-ホスファフェナントレン-10-オキシド-10-p-ビニルベンジル、アシッド・ホスホオキシエチル(メタ)アクリレート、2-アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、2-メタクロイロキシエチルアシッドホスフェート、ジフェニル-2-メタクリロイルオキシエチルホスフェート、(メタ)アクロイル・オキシエチルアシッドホスフェート・モノエタノールアミン塩、アシッド・ホスホオキシポリオキシエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート及びアシッド・ホスホオキシポリオキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ならびにこれらの金属塩、アンモニウム塩、アミン塩等を挙げることができる。
これらの化合物は、単独で又は二種以上の混合物として使用することができる。
(リン酸基と亜リン酸基のいずれかを有する単量体(a-1))
共重合体の原料として用いられるリン含有不飽和単量体(A)としては、下記式(1)で表されるリン酸基と下記式(2)で表される亜リン酸基のいずれかを有する単量体(a-1)が好ましい。単量体(a-1)を用いることにより、より難燃性の優れた共重合体が得られる。
Figure 0007199351000001
(式(1)中、*は不飽和単量体を構成する原子との結合部を表す。)
Figure 0007199351000002
(式(2)中、*は不飽和単量体を構成する原子との結合部を表す。)
リン酸基と亜リン酸基のいずれかを有する単量体(a-1)としては、例えば、一般式(3)で示される化合物、並びにこの化合物の金属塩、アンモニウム塩及びアミン塩等が挙げられ、単独で又は二種以上を混合して使用できる。
Figure 0007199351000003
(式(3)中、R及びRは、それぞれ独立して水素原子又は炭素数1~3のアルキル基を表す。Zは、水素原子又はヒドロキシル基を表す。nは、1~20の整数である。)
式(3)中、R及びRは、それぞれ独立して水素原子又は炭素数1~3のアルキル基を表し、水素原子又はメチル基であることが好ましい。
式(3)中、Zは、水素原子又はヒドロキシル基を表し、水素原子であることが好ましい。
式(3)中、nは、1~20の整数であり、1~8の整数であることがより好ましく、1~3の整数であることがさらに好ましい。
リン酸基と亜リン酸基のいずれかを有する単量体(a-1)の具体例としては、アシッド・ホスホオキシポリオキシアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートが挙げられる。リン酸基又は亜リン酸基を有する単量体(a-1)が、アシッド・ホスホオキシポリオキシアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートであると、より難燃性の高い共重合体が得られるため好ましい。アシッド・ホスホオキシポリオキシアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートの中でも特に、1分子あたりのリン原子の割合が高い点で、アシッド・ホスホオキシエチル(メタ)アクリレートが好ましい。
リン含有不飽和単量体(A)由来の構成成分の含有量は任意に選択できるが、(A)由来の構成成分と重合性不飽和単量体(B)由来の構成成分との合計含有量に対して5~60質量%であることが好ましく、7~50質量%であることがより好ましく、10~40質量%であることがさらに好ましい。上記合計含有量に対する(A)由来の構成成分の含有量が5質量%以上であると、より難燃性に優れた共重合体となる。また、上記合計含有量に対する(A)由来の構成成分の含有量が60質量%以下であると、安定して共重合体を重合できるとともに、共重合体の保存安定性が良好となる。また、(A)由来の構成成分の含有量が60質量%以下である共重合体は、これを加工品の材料として用いた場合に、(A)由来の構成成分の含有量が多すぎることによる強度及び耐熱黄変性の低下が抑制されるとともに、耐ブリーディング性及び耐ブロッキング性の良好な加工品が得られる。
<重合性不飽和単量体(B)>
共重合体に含まれる重合性不飽和単量体(B)由来の構成成分は、リン含有不飽和単量体(A)由来の構成成分と併用することで、共重合体の難燃性が向上する。また、重合性不飽和単量体(B)由来の構成成分は、共重合体を材料として用いた加工品の密着性及び外観の安定性を向上させる。重合性不飽和単量体(B)由来の構成成分は、共重合体の原料として用いた重合性不飽和単量体(B)に由来する。
共重合体に含まれる重合性不飽和単量体(B)由来の構成成分は、炭素原子数及び酸素原子数の合計が4~10である主鎖を有する不飽和カルボン酸単量体(b-1)の構成成分を含む。
共重合体の原料として用いられた重合性不飽和単量体(B)は、不飽和カルボン酸単量体(b-1)のみであってもよい。また、重合性不飽和単量体(B)は、不飽和カルボン酸単量体(b-1)の他に、分子中にエチレン性不飽和結合を有し、重合性を発現し、リン含有不飽和単量体(A)と共重合する他の不飽和単量体を含んでいてもよい。
(炭素原子数及び酸素原子数の合計が4~10である主鎖を有する不飽和カルボン酸単量体(b-1))
(B)由来の構成成分に含まれる炭素原子数及び酸素原子数の合計が4~10である主鎖を有する不飽和カルボン酸単量体(b-1)の構成成分は、共重合体の難燃性を向上させる。(B)由来の構成成分は、一部のみが上記の不飽和カルボン酸単量体(b-1)の構成成分であってもよい。(B)由来の構成成分は、全てが不飽和カルボン酸単量体(b-1)の構成成分であると、より難燃性に優れた共重合体となるため好ましい。
共重合体の原料として用いた不飽和カルボン酸単量体(b-1)は、炭素原子数及び酸素原子数の合計が4~10である主鎖を有する。不飽和カルボン酸単量体(b-1)の主鎖とは、化合物の構造において炭素原子と酸素原子とから構成された分子鎖のうち、最も長い分子鎖を指す。例えば、主鎖の炭素原子数と酸素原子数の合計は、メタクリル酸では4個であり、マレイン酸では6個となる。共重合体の原料として用いた不飽和カルボン酸単量体が、炭素原子数及び酸素原子数の合計が10を超えない主鎖を有するものである場合、共重合体の難燃性が十分となる。また、炭素原子数及び酸素原子数の合計が10を超えない主鎖を有する不飽和カルボン酸単量体を、共重合体の原料として用いた場合、共重合体の重合安定性が十分となる。
不飽和カルボン酸単量体(b-1)の具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸、及びβ-カルボキシエチルアクリル酸などが挙げられる。
これらの中でも特に、安定して共重合体を重合でき、共重合体中における不飽和カルボン酸単量体(b-1)の構成成分の含有量を高くできるため、アクリル酸、メタクリル酸又はイタコン酸が好ましく、アクリル酸又はメタクリル酸がより好ましく、アクリル酸がさらに好ましい。
不飽和カルボン酸単量体(b-1)由来の構成成分の含有量は任意に選択できるが、共重合体中の(A)由来の構成成分と(B)由来の構成成分との合計含有量に対して、30質量%~95質量%が好ましい。上記合計含有量に対する不飽和カルボン酸単量体(b-1)由来の構成成分の含有量の下限値は、35質量%以上であることがより好ましく、40質量%以上であることがさらに好ましい。上記合計含有量に対する不飽和カルボン酸単量体(b-1)由来の構成成分の含有量の上限値は、90質量%以下であることがより好ましく、85質量%以下であることがさらに好ましい。上記の不飽和カルボン酸単量体(b-1)由来の構成成分の含有量が30質量%以上であると、安定して共重合体(P)を重合できる。上記の不飽和カルボン酸単量体(b-1)由来の構成成分の含有量が95質量%以下であると、より難燃性に優れた共重合体となる。
(炭素数が1~4のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体(b-2))
本実施形態では、炭素数が1~4のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体(b-2)由来の構成成分の含有量(含有しない場合を含む)を、(A)由来の構成成分と(B)由来の構成成分との合計含有量に対して、0.00~1.00質量%とする必要がある。
共重合体の原料として用いられる炭素数が1~4のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体(b-2)としては、下記式(4)で示される単量体が挙げられる。
Figure 0007199351000004
(式(4)中、R~Rは、それぞれ独立して水素原子又はメチル基を表す。Rは、炭素数が1~4の直鎖又は分岐のアルキル基である。)
式(4)で示される(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体(b-2)の具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
炭素数が1~4のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体(b-2)由来の構成成分の含有量は、(A)由来の構成成分と(B)由来の構成成分との合計含有量に対して0.00~1.00質量%である。(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体(b-2)由来の構成成分の含有量は、0.75質量%以下であることがより好ましく、0.50質量%以下であることがさらに好ましい。(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体(b-2)由来の構成成分の含有量が1.00質量%を超えると、共重合体の難燃性が低下する。
重合性不飽和単量体(B)由来の構成成分には、不飽和カルボン酸単量体(b-1)及び炭素数が1~4のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体(b-2)由来の構成成分ではない他の不飽和単量体由来の構成成分が含まれていても良い。
共重合体の原料として用いてもよい、(b-1)、(b-2)以外の重合性不飽和単量体としては、例えば、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールポリテトラメチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールポリテトラメチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、エタンジオールジ(メタ)アクリレート、プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ペンタエリトリットテトラ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル;ジメチルフマレート、ジエチルフマレート、ジブチルフマレート、ジ-(2-エチルヘキシル)フマレート等のフマル酸エステル;ジメチルマレート、ジエチルマレート、ジブチルマレート、ジ-(2-エチルヘキシル)マレート等のマレイン酸エステル;メタクリルアミド;N-メチル(メタ)アクリルアミド、N-エチル(メタ)アクリルアミド、N-ブチル(メタ)アクリルアミド、N-プロピル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド誘導体;メトキシスチレン、エトキシスチレンビニル安息香酸、ビニル安息香酸メチル、ビニルベンジルアセテート、ヒドロキシスチレン、ジビニルベンゼン等のスチレン誘導体;酢酸ビニル;プロピオン酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル等のビニルエステル類;メチルマレイミド、エチルマレイミド、イソプロピルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド、フェニルマレイミド、ベンジルマレイミド、ナフチルマレイミド等のN置換マレイミド化合物;モノメチルイタコネート、ジメチルイタコネート、モノエチルイタコネート、ジエチルイタコネート、モノブチルイタコネート、ジブチルイタコネート等のイタコン酸エステル;メチルクロトネート、エチルクロトネート、ブチルクロトネート等のクロトン酸エステル;ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジプロピルフタレート、ジブチルフタレート、ジヘキシルフタレート等のフタル酸エステル;2-アクリロイロキシエチル-コハク酸等のコハク酸エステル等が挙げられ、これらは単独又は二種以上を組み合わせて使用できる。
重合性不飽和単量体(B)由来の構成成分の含有量は任意に選択できるが、(A)由来の構成成分と(B)由来の構成成分との合計含有量に対して40質量%~95質量%であることが好ましい。
上記合計含有量に対する(B)由来の構成成分の含有量の下限値は、50質量%以上であることがより好ましく、60質量%以上であることがさらに好ましい。上記合計含有量に対する(B)由来の構成成分の含有量の上限値は、90質量%以下であることがより好ましく、85質量%以下であることがさらに好ましい。上記合計含有量に対する(B)由来の構成成分の含有量が40質量%以上であると、安定して共重合体を重合できる。また、上記合計含有量に対する(B)由来の構成成分の含有量が95質量%以下であると、(A)由来の構成成分と(B)由来の構成成分との相乗効果がより顕著となるため、共重合体の難燃性がより一層向上する。
<連鎖移動剤(C)>
本実施形態の共重合体は、連鎖移動剤(C)由来の構成成分を含有していてもよい。連鎖移動剤(C)由来の構成成分は、リン含有不飽和単量体(A)由来の構成成分と重合性不飽和単量体(B)由来の構成成分とを含む共重合体の質量平均分子量を調整するため、重合時に使用される連鎖移動剤(C)の断片が共重合体に結合しているものである。
連鎖移動剤(C)としては、例えば、チオジグリコール、エチレンチオエタノール、ジ-n-ブチルスルフィド、ジ-n-オクチルスルフィド、ジフェニルスルフィド、ジイソプロピルスルフィド、メルカプトエタン酸、メルカプトプロピオン酸、メルカプトブタン酸、メルカプトヘキサン酸、チオグリコール酸2-エチルヘキシル、メルカプトコハク酸、チオ酢酸、チオ尿素などの硫黄含有化合物;亜硫酸水素塩、次亜リン酸及びその塩並びに亜リン酸及びその塩などのリン含有化合物;ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒドなどのアルデヒド化合物;ギ酸、ギ酸ナトリウム、ギ酸アンモニウムなどの有機酸;イソプロピルアルコールなどのアルコール化合物;などが挙げられる。これらの連鎖移動剤(C)は、単独又は二種以上を組み合わせて使用できる。
なお、連鎖移動剤(C)由来の構成成分が、リン含有不飽和単量体(A)由来の構成成分でもある場合には、リン含有不飽和単量体(A)由来の構成成分とみなす。
連鎖移動剤(C)としては、上記の中でも特に、重合安定性及び、重合性不飽和単量体(B)由来の構成成分中の末端カルボン酸とリン含有不飽和単量体(A)由来の構成成分との相乗効果による難燃性の向上という観点から、メルカプトアルキルカルボン酸エステルを含むことが好ましい。メルカプトアルキルカルボン酸エステルとしては、メルカプトエタン酸、メルカプトプロピオン酸、メルカプトブタン酸、メルカプトヘキサン酸などが挙げられる。
連鎖移動剤(C)由来の構成成分の含有量は任意に選択できるが、(A)由来の構成成分と(B)由来の構成成分との合計含有量100質量部に対して0.1~10質量部であることが好ましい。
上記合計含有量に対する連鎖移動剤(C)由来の構成成分の含有量の下限値は、1質量部以上であることがより好ましく、2質量部以上であることがさらに好ましい。上記合計含有量に対する連鎖移動剤(C)由来の構成成分の含有量の上限値は、9質量部以下であることがより好ましく、8質量部以下であることがさらに好ましい。上記合計含有量に対する連鎖移動剤(C)由来の構成成分の含有量が0.1質量部以上であると、連鎖移動剤(C)の有する共重合体の質量平均分子量を調整する効果によって、優れた重合安定性及び保存安定性を有する共重合体となる。また、上記合計含有量に対する連鎖移動剤(C)由来の構成成分の含有量が10質量部以下であると、連鎖移動剤(C)由来の構成成分が共重合体の難燃性に支障来すことがなく、より難燃性に優れたものとなる。連鎖移動剤(C)由来の構成成分の含有量はH-NMR等の公知の方法で測定することができる。また、連鎖移動剤(C)由来の構成成分の含有量を上記範囲にするためには、含有量よりやや多い量を重合時に使用することが好ましい。
「質量平均分子量」
本実施形態の共重合体は、質量平均分子量が25000~70000であることが好ましい。質量平均分子量の下限値は、27000以上であることがより好ましく、30000以上であることがさらに好ましい。質量平均分子量の上限値は、60000以下であることがより好ましく、55000以下であることがさらに好ましい。共重合体の質量平均分子量が25000以上であると、共重合体が、より難燃性に優れたものとなる。共重合体の質量平均分子量が70000以下であると、共重合体の重合安定性が良好となる。
共重合体の質量平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)商品名「Shodex GPC-101」(昭和電工株式会社製、「Shodex」は登録商標である。)を用いて以下のように測定した値である。
リン酸水素2ナトリウム12水和物34.5g及びリン酸2水素ナトリウム2水和物46.2gに、超純水を加えて全量を5.000gにした水溶液を、キャリアー液として調製する。このキャリアー液に共重合体を溶解し、ポンプ(<DU-H2000>、Shodex製)を用いて流速0.5ml/min.で測定する。
カラムは、水系GPCカラム(分析カラム:<OHpak SB-806M MQ>、Shodex製、リファレンスカラム:<OHpak SB-800RL>、Shodex製)を用いる。検出器として、RI検出器(<RI-71S>、Shodex製)を用い、分子量標準サンプルとして、ポリアクリル酸ナトリウム(Sigma-Aldrich)を用いる。
「酸価」
本実施形態の共重合体は、酸価が300~800mgKOH/gであることが好ましい。酸価の下限値は、350mgKOH/g以上であることがより好ましく、450mgKOH/g以上であることがさらに好ましい。酸価の上限値は、785mgKOH/g以下であることがより好ましく、750mgKOH/g以下であることがさらに好ましい。共重合体の酸価が300mgKOH/g以上であると、共重合体が、より難燃性に優れたものとなる。共重合体の酸価が800mgKOH/g以下であると、共重合体の重合安定性及び保存安定性が良好となる。
「リン原子含有量」
共重合体中のリン原子含有量は任意に選択できるが、0.1~10質量%であることが好ましい。上記のリン原子含有量の下限値は、0.5質量%以上であることがより好ましく、1.0質量%以上であることがさらに好ましい。上記のリン原子含有量の上限値は、9.0質量%以下であることがより好ましく、8.0質量%以下であることがさらに好ましい。上記のリン原子含有量が0.1質量%以上であると、より難燃性に優れた共重合体となる。上記のリン原子含有量が10質量%以下であると、安定して共重合体を重合できるとともに、共重合体の保存安定性が良好となる。また、上記のリン原子含有量が10質量%以下であると、これを加工品の材料として用いた場合に、リン原子含有量が多すぎることによる基材への密着性の低下及び外観変化が抑制されるとともに、耐ブリーディング性及び耐ブロッキング性の良好な加工品が得られる。
[共重合体の製造方法]
本実施形態の共重合体は、例えば、共重合体の原料である不飽和単量体を、従来公知の方法を用いてラジカル共重合することにより製造できる。
原料である不飽和単量体は、上述したリン含有不飽和単量体(A)と、重合性不飽和単量体(B)とを含む。
不飽和単量体を共重合する方法としては、例えば、懸濁重合法、乳化重合法、溶液重合法、塊状重合法などを用いることができる。また、連続式重合法を用いてもよいし、回分式重合法を用いてもよい。
不飽和単量体を共重合して共重合体を製造する際には、必要に応じて、連鎖移動剤(C)、以下に示す溶媒、界面活性剤、開始剤、中和剤を用いることができる。
共重合体を製造する方法としては、界面活性剤を用いる乳化重合法、又は界面活性剤を用いない溶液重合法を用いることが好ましい。
乳化重合法においては、まず、原料である不飽和単量体と、溶媒と、界面活性剤(乳化剤)と、上述した連鎖移動剤(C)とを混合して単量体乳化物とする。連鎖移動剤(C)は、必要に応じて用いられるものであり、単量体乳化物中に含まれていなくてもよい。次に、得られた単量体乳化物と開始剤とを混合し、所定の反応温度で反応させて共重合体が溶媒中に分散した樹脂組成物(水性エマルジョン)とする。樹脂組成物中では、共重合体の一部が溶媒に溶解していても構わない。その後、必要に応じて、樹脂組成物に中和剤を加えて中和する。そして、樹脂組成物中の溶媒を除去して乾燥させることにより、樹脂組成物中から、共重合体を含む樹脂固形分を分離できる。
溶液重合法においては、まず、原料である不飽和単量体と、溶媒と、上述した連鎖移動剤(C)とを混合して単量体溶液とする。連鎖移動剤(C)は、必要に応じて用いられるものであり、単量体溶液中に含まれていなくてもよい。次に、得られた単量体溶液と開始剤とを混合し、所定の反応温度で反応させて共重合体が溶媒中に溶解した樹脂組成物とする。樹脂組成物中では、共重合体の高分子量化などによって、共重合体の一部が溶媒に溶解していなくても構わない。その後、必要に応じて、樹脂組成物に中和剤を加えて中和する。そして、樹脂組成物中の溶媒を除去して乾燥させることにより、樹脂組成物中から、共重合体を含む樹脂固形分を分離できる。
乳化重合法(又は溶液重合法)において、単量体乳化物(溶液重合法においては単量体溶液)と開始剤とを混合する方法としては、従来公知の方法を用いることができる。
例えば、開始剤中に、単量体乳化物(溶液重合法においては単量体溶液)を滴下して添加して撹拌する方法を用いることができる。この場合、開始剤の一部を、単量体乳化物(溶液重合法においては単量体溶液)とともに開始剤中に滴下してもよい。また、開始剤の全量と単量体乳化物(溶液重合法においては単量体溶液)の全量とを一括して混合する方法を用いてもよい。
本実施形態の共重合体の製造方法において、共重合体の質量平均分子量を調整する方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、連鎖移動剤(C)を用いる方法や、開始剤の濃度を調整する方法、反応温度を調整する方法などが挙げられる。反応温度は開始剤の種類等によって変更できる。
<溶媒>
共重合体を製造する際に用いる溶媒としては、任意に選択でき、例えば、水などの水性溶媒や通常用いられている有機溶剤などを使用でき、水性溶媒であることが好ましい。
溶媒としては、例えば、水、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール類;酢酸エチル、酢酸イソプロピル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート等のエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、カルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート等のジエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類等の酢酸エステル類;エチレングリコールジアルキルエーテル類;メチルカルビトール、エチルカルビトール、ブチルカルビトール等のジエチレングリコールジアルキルエーテル類;トリエチレングリコールジアルキルエーテル類;プロピレングリコールジアルキルエーテル類;ジプロピレングリコールジアルキルエーテル類;メチルエーテル、エチルエーテル、1,4-ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、オクタン、デカン等の炭化水素類;石油エーテル、石油ナフサ、水添石油ナフサ、ソルベントナフサ等の石油系溶剤;乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル等の乳酸エステル類;ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリドン、ジエチレングリコールモノエチルエーテルなどが挙げられる。これらの溶媒は、単独又は二種以上を組み合わせて使用できる。
<開始剤>
原料である不飽和単量体をラジカル重合によって共重合させて共重合体を製造する場合、開始剤の存在下で共重合させる。
開始剤としては、ラジカル重合を開始できるものであれば、特に限定されるものではなく、通常用いられている過酸化物や、アゾ化合物などを使用できる。
開始剤の具体例としては、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキサイド、ジ-t-ブチルパーオキサイド、t-ブチルパーオキシベンゾエート、t-ヘキシルパーオキシベンゾエート、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、t-ヘキシルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ビス(t-ブチルパーオキシ)ヘキシル-3,3-イソプロピルヒドロパーオキサイド、t-ブチルヒドロパーオキサイド、ジクミルヒドロパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、ビス(4-t-ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、イソブチルパーオキサイド、3,3,5-トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、1,1-ビス(t-ヘキシルパーオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスカルボンアミド等を挙げることができ、反応によっては適当な還元剤を使用してもよい。
開始剤の使用量は任意に選択できるが、適切な重合速度とするために、原料であるリン含有不飽和単量体(A)と重合性不飽和単量体(B)の合計100質量部に対して、0.01~20質量部が好ましく、0.1~15質量部が更に好ましく、0.5~10質量部がさらに好ましい。
<界面活性剤>
界面活性剤は、共重合体を乳化重合法により製造する際に用いられる。
界面活性剤としては、一般に市販されているアニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤及び共重合性界面活性剤が使用できる。これらの中でも界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤及びノニオン性界面活性剤を用いることが好ましい。
アニオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、脂肪酸塩等が挙げられる。
ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン多環フィニルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、例えば、セシルトリメチルアンモニウムブロミド、ラウリルピリジニウムクロリド等が挙げられる。
共重合性界面活性剤としては、ラジカル重合可能な不飽和二重結合性基を分子内に少なくとも1つ以上有するアニオン性又は非イオン性の界面活性剤を用いることができる。共重合性界面活性剤としては、例えば、硫酸アンモニウム塩基(-SO3-NH4+)などの硫酸塩基とアリル基(-CH-CH=CH)とを有する炭化水素化合物、硫酸アンモニウム塩基(-SO3-NH4+)などの硫酸塩基とメタクリル基〔-CO-C(CH)=CH〕とを有する炭化水素化合物、又は硫酸アンモニウム塩基(-SO3-NH4+)などの硫酸塩基と1-プロペニル基(-CH=CHCH)とを有する芳香族炭化水素化合物などが挙げられる。
界面活性剤の使用量は任意に選択できるが、乳化の安定性を保つために、原料であるリン含有不飽和単量体(A)と重合性不飽和単量体(B)の合計100質量部に対して、0.01~40質量部が好ましく、0.05~20質量部が更に好ましく、0.1~10質量部がさらに好ましい。
<中和剤>
中和剤は、共重合体を含む樹脂組成物を製造する際に必要に応じて用いられる。中和剤を用いて共重合体を含む樹脂組成物のpHを調整することで、樹脂組成物中における混和安定性が向上したり、ブリーディングが抑えられたりする効果が得られる。
中和剤としては、従来公知の化合物を用いることができる。例えば、水酸化ナトリウム水溶液、アンモニア水溶液、モノメチルアミンなどのモノアルキルアミンなどを用いることができる。
<水溶性高分子>
水溶性高分子は、共重合体を製造する際に必要に応じて用いられる。水溶性高分子は、共重合体を保護コロイド化して、水性溶媒中に安定して分散させるものである。水溶性高分子としては、水溶性(メタ)アクリル酸樹脂、水溶性(メタ)アクリル酸エステル樹脂、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等を用いることができる。これらの水溶性高分子は、鹸化度、平均重合度、変性の有無に関係なく使用することができる。水溶性高分子の平均重合度は、共重合体を製造する際の重合安定性及び共重合体の粘度の観点から200~2,400であることが好ましい。水溶性高分子の鹸化度は、共重合体を製造する際の重合安定性の観点から、80%~100%であることが好ましい。
なお、水溶性高分子が、重合性不飽和単量体(B)でもある場合には、重合性不飽和単量体(B)とみなす。
水溶性高分子を用いる場合の使用量は任意に選択できるが、分散安定性を保つために、原料であるリン含有不飽和単量体(A)と重合性不飽和単量体(B)の合計100質量部に対して、0.01~40質量部が好ましく、0.05~20質量部が更に好ましく、0.1~10質量部がさらに好ましい。
本実施形態の共重合体は、リン含有不飽和単量体(A)由来の構成成分と、重合性不飽和単量体(B)由来の構成成分とを含み、(B)由来の構成成分が、炭素原子数及び酸素原子数の合計が4~10である主鎖を有する不飽和カルボン酸単量体(b-1)由来の構成成分を含み、かつ炭素数が1~4のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体(b-2)由来の構成成分の含有量が、(A)由来の構成成分と(B)由来の構成成分との合計含有量に対して0.00~1.00質量%であり、難燃性に優れる。
本実施形態の共重合体の難燃性は、(A)由来の構成成分と、不飽和カルボン酸単量体(b-1)の構成成分に含まれるカルボキシル基との相乗効果により、燃焼時における炭化層形成が促進されることにより得られるものと推定される。
本実施形態の共重合体は、優れた難燃化性能を有する。このため、本実施形態の共重合体を難燃剤として含む加工品では、難燃剤の含有量を比較的少量にできる。よって、本実施形態の共重合体を難燃剤として含む加工品では、加工品の物性に与える難燃剤の影響が少なくて済む。
また、本実施形態の共重合体は、(A)由来の構成成分と(B)由来の構成成分とを共に含むため、加工品の材料として用いた場合に耐ブリーディング性及び耐ブロッキング性の良好な加工品が得られる。
[樹脂組成物]
本実施形態の樹脂組成物は、上述した実施形態の共重合体を含む。本実施形態の樹脂組成物は、上述した実施形態の共重合体を含むものであればよく、例えば、上述した実施形態の共重合体の他に、上述した溶媒、界面活性剤、開始剤、中和剤などを含むものであってもよい。本実施形態の樹脂組成物は、上述した実施形態の共重合体を製造する過程で得られたものであってもよい。前記樹脂組成物は、上述した共重合体を任意の量で含むことができるが、例を挙げれば、前記組成物中の前記共重合体の量は、1.0~90質量%であることが好ましく、10~85質量%であることがより好ましく、15~80質量%であることがさらに好ましい。ただしこれら範囲にのみ限定されない。例えば、0.1~1.0質量%であったり、90~95質量%であってもよい。
[処理剤]
本実施形態の処理剤は、上述した実施形態の共重合体を含む。本実施形態の処理剤としては、例えば、共重合体を上述した溶媒中に分散又は溶解させたものが挙げられる。このような処理剤は、基材に塗布することにより基材上に付着し、溶媒を除去することにより共重合体を含む塗膜を形成する。したがって、本実施形態の処理剤は、塗料、紙処理剤、繊維処理剤、接着剤、粘着剤などとして用いることができる。
本実施形態の処理剤として、上述した製造方法により製造した共重合体が、溶媒中に分散又は溶解している樹脂組成物をそのまま用いてもよい。
本明細書における「処理剤」とは、紙処理剤、繊維処理剤等の他、塗料及び粘接着剤を含むものと定義する。
処理剤の「固形分」とは、処理剤に含まれる溶媒を乾燥させたものと定義する。
<他の樹脂>
本実施形態の処理剤は、本発明の効果を損なわない範囲で、用途に応じて、上述した実施形態の共重合体とは異なる他の樹脂を含有していてもよい。
他の樹脂としては、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂等の各種樹脂が挙げられる。他の樹脂は、樹脂エマルジョン又は溶液樹脂の状態であってもよい。本実施形態の処理剤中における上述した実施形態の共重合体と他の各種樹脂との混合割合は任意でよい。
<他の成分>
本実施形態の処理剤は、共重合体の他に、必要に応じて、他の成分を含有してもよい。
他の成分としては、例えば、架橋剤、増粘剤、酸又は塩基などのpH調整剤、成膜助剤、可塑剤、防腐剤、消泡剤、顔料、分散剤、光安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防錆剤、浸透剤、帯電防止剤、レベリング剤、粘着付与剤等の公知慣用の添加剤を、用途に応じて本発明の目的を損なわない範囲で便宜選択して含有してもよい。
本実施形態の処理剤は、例えば、上述した実施形態の共重合体と、上述した溶媒と、必要に応じて用いられる他の樹脂と他の成分のうち少なくとも1つとを、従来公知の方法を用いて混合する方法により製造できる。処理剤を製造する際には、例えば、各種ミル、ディゾルバーなどの混合装置を用いて混合してもよい。
本実施形態の処理剤は、本実施形態の共重合体を含むため、難燃性に優れ、耐ブリーディング性及び耐ブロッキング性の良好な塗膜が得られる。
本実施形態の処理剤は、基材に優れた難燃性を付与できるため、種々の分野に適用できる。
[加工品]
本実施形態の加工品は、基材と、前記基材上に付着した、上述した実施形態の共重合体、樹脂組成物、又は処理剤とを有する。
本実施形態の加工品としては、例えば、紙加工品、繊維加工品、一般加工品、接着剤加工品、粘着剤加工品などが挙げられる。
本実施形態の加工品では、基材上に付着した処理剤の固形分が加工品に対して5~70質量%であることが好ましく、10~60質量%であることがより好ましく、20~50質量%であることが更に好ましい。処理剤の固形分の付着量が5質量%以上であると、難燃性の良好な加工品が得られやすい。処理剤の固形分の付着量が70質量%以下であると、基材の表面に処理剤中の共重合体が付着することによる外観不良を抑制できる。
本実施形態の加工品は、共重合体の含有量が、基材100質量部に対して1~70質量部であることが好ましい。共重合体の含有量の下限値は、20質量部以上であることがより好ましく、40質量部以上であることがさらに好ましい。共重合体の含有量の上限値は、65質量部以下であることがより好ましく、60質量部以下であることがさらに好ましい。共重合体の含有量が1質量部以上であると、共重合体を含むことによる難燃性向上効果がより効果的に得られる。共重合体の含有量が70質量部以下であると、用途に応じた加工品が得られやすくなる。
本実施形態の加工品は、例えば、本実施形態の処理剤を基材に塗布又は含浸し、乾燥させて、基材上に共重合体を付着させる方法により製造できる。
本実施形態の加工品は、基材と、前記基材上に付着した本実施形態の共重合体を有する。このため、本実施形態の加工品は、優れた難燃性、耐ブリーディング性及び耐ブロッキング性を有する。したがって、本実施形態の加工品は、種々の分野に適用できる。
「具体例」
次に、本実施形態の処理剤及び加工品の具体例として「紙処理剤及び紙加工品」「繊維処理剤及び繊維加工品」「一般塗料及び一般加工品」「粘接着剤及び粘接着剤加工品」についてそれぞれ説明する。
なお、本明細書において「粘接着剤」とは、粘着剤と接着剤のいずれか一方又は両方の機能を有する処理剤であることを意味する。
「紙処理剤及び紙加工品」
(紙処理剤)
本実施形態の紙処理剤としては、任意に選択される量の本実施形態の共重合体を溶媒に溶解又は分散させたものを用いることができる。
本実施形態においては、紙処理剤中における共重合体の含有量が1~90質量%であることが好ましく、10~80質量%であることがより好ましい。共重合体の含有量が上記範囲である紙処理剤とすることで、共重合体を含むことによる効果がより顕著となる。
(紙加工品)
本実施形態の紙加工品においては、基材として紙を用いる。紙としては、例えば、パルプセルロースからなる汎用の紙類などが挙げられる。
紙加工品に対する紙処理剤の使用量(付着量)は、用いる基材自身の難燃性などに応じて適宜変更できる。紙処理剤の乾燥後の付着量(固形分)は任意に選択できるが、紙加工品に対し5~70質量%であることが好ましく、10~60質量%であることがより好ましく、20~50質量%であることが更に好ましい。紙処理剤の付着量が5質量%以上であると、難燃性の良好な紙加工品が得られやすい。紙処理剤の付着量が70質量%以下であると、紙からなる基材の表面に紙処理剤中の共重合体が付着することによる強度及び風合いの低下を抑制できる。
紙加工品における共重合体の付着量(含有量)は任意に選択できるが、紙(基材)100質量部に対し1~70質量部であることが好ましく、3~60質量部であることがより好ましく、5~50質量部であることが更に好ましい。共重合体の付着量が1質量部以上であると、難燃性の良好な紙加工品が得られやすい。共重合体の付着量が70質量部以下であると、紙からなる基材の表面に共重合体が付着することによる強度及び風合いの低下を抑制できる。
(紙加工品の製造方法)
本実施形態の紙加工品の製造方法としては、従来公知の方法を特に制限なく採用できる。例えば、紙からなる基材に、本実施形態の紙処理剤を塗布又は含浸した後、乾燥させる方法が挙げられる。
紙からなる基材に紙処理剤を塗布する方法としては、従来公知の方法を用いることができる。例えば、紙処理剤中に基材を浸漬させる方法(ディッピング)、スプレー塗布、ロール塗布等が挙げられる。これらの塗布方法により、基材に紙処理剤を塗布した後、マングルロールなどを用いて、紙処理剤を塗布した基材を絞ることで、基材に付着又は含浸した紙処理剤の付着量を調整してもよい。
紙処理剤を塗布した基材を乾燥させる方法としては、従来公知の方法を用いることができる。例えば、紙処理剤を塗布した基材を、送風乾燥してもよいし、減圧乾燥してもよいし、加圧乾燥してもよい。
紙処理剤を塗布した基材を乾燥させる際には、紙処理剤を塗布した基材を加熱してもよい。紙処理剤を塗布した基材を加熱して乾燥させる際の加熱温度は任意に選択できるが、50~250℃が好ましく、80~190℃がより好ましく、90~150℃がさらに好ましい。上記加熱温度が50℃以上であると、加熱によって紙処理剤を塗布した基材の乾燥が促進される。上記加熱温度が250℃以下であると、加熱によって紙処理剤を塗布した基材が変質することを抑制できる。
本実施形態の加工品である紙加工品は、優れた難燃性、耐ブリーディング性及び耐ブロッキング性を有する。また、本実施形態の紙加工品は、紙からなる基材上に、共重合体が付着しているため、優れた強度を有する。これらのことから、本実施形態の紙加工品は、例えば、壁紙、壁紙用裏打ち紙などの建築材料、家電、電子材料、自動車内装材用途の素材として好適である。
「繊維処理剤及び繊維加工品」
(繊維処理剤)
本実施形態の繊維処理剤としては、本実施形態の共重合体を溶媒に溶解又は分散させたものを用いることができる。
本実施形態においては、繊維処理剤中における共重合体の含有量は任意に選択できるが、1~90質量%であることが好ましく、10~80質量%であることがより好ましい。共重合体の含有量が上記範囲である繊維処理剤とすることで、共重合体を含むことによる効果がより顕著となる。
(繊維加工品)
本実施形態の繊維加工品においては、基材として繊維を用いる。
繊維の形状は、特に限定されるものではなく、例えば、不織布、織物、編物、シート状に形成した繊維をウェブ化してウェブとし、得られたウェブを接着あるいは絡み合わせて布形化したもの等が挙げられる。
繊維の素材は、特に限定されるものではなく、例えば、木綿、麻、絹、羊毛、コラーゲン繊維、アクリル繊維、セルロース系繊維、ポリイミド繊維、ポリアミドイミド繊維、レーヨン繊維、ナイロン繊維、ビニロン繊維、ポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリエチレン繊維、ポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維、アラミド繊維、ポリアリレート繊維、ポリテトラフルオロエチレン繊維、ポリベンゾイミダゾール繊維、ポリエーテルエーテルケトン繊維、ポリフェニレンサルファイド繊維及びこれらの混紡品などが挙げられる。
繊維加工品に対する繊維処理剤の使用量(付着量)は、用いる基材自身の難燃性などに応じて適宜変更できる。繊維処理剤の乾燥後の付着量(固形分)は、繊維加工品に対し5~70質量%であることが好ましく、10~60質量%であることがより好ましく、20~50質量%であることが更に好ましい。繊維処理剤の付着量が5質量%以上であると、難燃性の良好な繊維加工品が得られやすい。繊維処理剤の付着量が70質量%以下であると、繊維からなる基材の表面に繊維処理剤中の共重合体が付着することによる強度及び風合いの低下を抑制できる。
繊維加工品における共重合体の付着量(含有量)は任意に選択できるが、繊維(基材)100質量部に対し1~70質量部であることが好ましく、3~60質量部であることがより好ましく、5~50質量部であることが更に好ましい。共重合体の付着量が1質量部以上であると、難燃性の良好な繊維加工品が得られやすい。共重合体の付着量が70質量部以下であると、繊維からなる基材の表面に共重合体が付着することによる強度及び風合いの低下を抑制できる。
(繊維加工品の製造方法)
本実施形態の繊維加工品の製造方法としては、従来公知の方法を特に制限なく採用できる。例えば、繊維からなる基材に、本実施形態の繊維処理剤を塗布又は含浸した後、乾燥させる方法が挙げられる。
繊維からなる基材に繊維処理剤を塗布する方法としては、従来公知の方法を用いることができる。例えば、繊維処理剤中に基材を浸漬させる方法(ディッピング)、ダイレクトコート法、スプレーコート法、ロールコーター法、スロットコーター法、ナイフコート法、プリント法、ロール転写法、バックコーティング法等が挙げられる。繊維処理剤中に基材を浸漬させる方法としては、水平ローラー法、メタリングローラー法、スクリーンコンベア法、フォーム法等が挙げられる。
繊維の形状が不織布である場合、繊維に繊維処理剤を塗布する方法としては、スプレーコート法、プリント法、ロール転写法、水平ローラー法、メタリングローラー法、スクリーンコンベア法、フォーム法等を用いることが好ましい。
繊維の形状が織物である場合、繊維に繊維処理剤を塗布する方法としては、ダイレクトコート法、スプレーコート法、ロールコーター法、スロットコーター法、ナイフコート法等を用いることが好ましい。
基材として、シート状に形成した繊維をウェブ化してウェブとし、得られたウェブを接着あるいは絡み合わせて布形化したものを用いる場合、基材への繊維処理剤の塗布は、ウェブ化する前の繊維に行っても良いし、繊維をウェブ化した後に行ってもよい。
繊維をウェブ化する方法としては、各種公知の方法を特に制限なく用いることができ、例えば、エアレイ法等が挙げられる。
繊維処理剤を塗布した基材を乾燥させる方法としては、従来公知の方法を用いることができる。例えば、繊維処理剤を塗布した基材を、送風乾燥してもよいし、減圧乾燥してもよいし、加圧乾燥してもよい。
繊維処理剤を塗布した基材を乾燥させる際には、繊維処理剤を塗布した基材を加熱してもよい。繊維処理剤を塗布した基材を加熱して乾燥させる際の加熱温度は、任意に選択できるが、50~250℃が好ましく、80~190℃がより好ましい。上記加熱温度が50℃以上であると、加熱によって繊維処理剤を塗布した基材の乾燥が促進される。上記加熱温度が250℃以下であると、加熱によって繊維処理剤を塗布した基材が変質することを抑制できる。
本実施形態の加工品である繊維加工品は、優れた難燃性、耐ブリーディング性及び耐ブロッキング性を有する。また、本実施形態の繊維加工品は、繊維からなる基材上に、共重合体が付着しているため、優れた強度を有する。これらのことから、本実施形態の繊維加工品は、例えば、カーテンなどの内装材、家電用緩衝材などの家電、電子材料用緩衝材などの電子材料、自動車内装緩衝材及び自動車シートなどの自動車内装材用途の素材として好適である。
「一般塗料及び一般加工品」
(一般塗料)
本実施形態の一般塗料は、基材に塗布されるものであり、本実施形態の処理剤を用いる。
本実施形態においては、一般塗料中における共重合体の含有量は任意に選択できるが、1~90質量%であることが好ましく、10~80質量%であることがより好ましい。共重合体の含有量が上記範囲である一般塗料とすることで、共重合体を含むことによる効果がより顕著となる。
(一般加工品)
本実施形態の一般加工品は、基材に一般塗料を塗布して形成したものである。
一般加工品に用いる基材の材料としては、例えば、ガラス、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリスチレン樹脂等の樹脂、金属、木材、紙などが挙げられ、これらに限定されない。
一般加工品に用いる基材の形状は、特に限定されるものではなく、例えば、フィルム、シート、カップ等の形状とすることができる。
一般加工品に対する一般塗料の使用量(付着量)は、用いる基材自身の難燃性などに応じて適宜変更できる。一般塗料の乾燥後の付着量(固形分)は、任意に選択できるが、一般加工品に対し、5~70質量%であることが好ましく、10~60質量%であることがより好ましく、20~50質量%であることが更に好ましい。一般塗料の付着量が5質量%以上であると、難燃性の良好な一般加工品が得られやすい。一般塗料の付着量が70質量%以下であると、基材の表面に一般塗料中の共重合体が付着することによる外観不良を抑制できる。
(一般加工品の製造方法)
本実施形態の一般加工品の製造方法としては、従来公知の方法を特に制限なく採用できる。例えば、樹脂、金属などからなる基材に、本実施形態の一般塗料を塗布した後、乾燥させる方法が挙げられる。
一般加工品に用いる基材に一般塗料を塗布する方法としては、従来公知の方法を用いることができる。例えば、一般塗料中に基材を浸漬させる方法(ディッピング)、スプレー、刷毛塗り、ローラー塗り、コテ塗り、エアナイフ、フローコート、バーコート、ロールコート、グラビアコート、アプリケーター等を用いる方法が挙げられる。
基材に一般塗料を塗布する際の膜厚は、特に限定されるものではなく任意に選択できる。例えば、1~200μmが好ましく、10~150μmがより好ましく、10~100μmが更に好ましい。一般塗料を塗布する膜厚が1μm以上であると、難燃性の良好な一般加工品が得られやすい。一般塗料を塗布する膜厚が200μm以下であると、塗膜の乾燥が不十分であることによる外観不良の発生が抑制される。
一般塗料を塗布した基材を乾燥させる方法としては、従来公知の方法を用いることができる。一般塗料を塗布した基材を乾燥させる際には、一般塗料を塗布した基材を加熱してもよい。一般塗料を塗布した基材を加熱して乾燥させる際の加熱温度は任意に選択できるが、80℃~170℃が好ましく、90℃~150℃がより好ましい。上記加熱温度が80℃以上であると、加熱によって一般塗料を塗布した基材の乾燥が促進される。上記加熱温度が170℃以下であると、加熱による一般塗料を塗布した基材の劣化が生じにくい。
本実施形態の加工品である一般加工品は、優れた難燃性、耐ブリーディング性及び耐ブロッキング性を有する。また、本実施形態の一般加工品は、重合性不飽和単量体(B)由来の構成成分を含む共重合体を含むため、塗膜と基材との密着性及び外観の安定性に優れる。このことから、本実施形態の一般加工品は、例えば、建築材料、電子材料、自動車内装材用途の素材として好適である。
「粘接着剤及び粘接着剤加工品」
(粘接着剤)
本実施形態の粘接着剤としては、本実施形態の共重合体を溶媒に溶解又は分散させたものを用いることができる。
本実施形態の粘接着剤中における共重合体の含有量は任意に選択できるが、1~90質量%であることが好ましく、10~80質量%であることがより好ましい。共重合体の含有量が上記範囲である粘接着剤とすることで、共重合体を含むことによる効果がより効果的に得られる。
(粘接着剤加工品)
本実施形態の粘接着剤加工品における基材とは、粘接着剤によって貼り合わせられる被着体と、粘接着剤を含む粘接着剤層を支持する支持体のうち少なくとも1つである。
基材の材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル;ポリオレフィン、ポリアミド、ポリイミドなどのポリマー;天然又は合成ゴム;紙;金属;ガラス布;などが挙げられ、これらに限定されない。
基材の表面には、基材上に付着した粘接着剤を含む粘接着剤層との密着性を向上させるために、アンカー層が形成されていたり、コロナ処理やプラズマ処理などの各種易接着処理が施されたりしていてもよい。
支持体として用いる基材としては、紙、プラスチックフィルム、プラスチックやゴムの発泡体、金属、ガラス、織布、不織布、無機板などが挙げられる。
支持体として用いる基材の形状は、フィルム状ないしテープ状であることが好ましい。
支持体として用いる基材上に粘接着剤を塗布して乾燥させることにより粘接着剤層が形成されている場合、粘接着剤層上に樹脂フィルムなどで形成された剥離フィルムが貼り合わされていてもよい。
基材上に付着した共重合体を含む粘接着剤層の厚さ(乾燥後の厚さ)は、任意の厚さとすることができ、用途に応じて適宜決定できる。具体的には、粘接着剤層の厚さは、5~200μmであることが好ましく、10~150μmであることがより好ましく、10~100μmであることがより好ましい。粘接着剤層の厚さが5μm以上であると、難燃性の良好な粘接着剤加工品が得られやすい。粘接着剤層の厚さが200μm以下であると、粘接着剤が十分に乾燥された粘接着剤層が得られる。
(粘接着剤加工品の製造方法)
本実施形態の粘接着剤加工品の製造方法としては、従来公知の方法を特に制限なく採用できる。
基材が粘接着剤によって貼り合わせられる被着体である場合、例えば、基材の被着面に、本実施形態の粘接着剤を塗布した後、粘接着剤からなる塗膜に接するように、基材に貼り合わせる別の材料を配置し、粘接着剤からなる塗膜を乾燥させる方法などが挙げられる。
粘接着剤によって貼り合わせられる被着体である基材に、粘接着剤を塗布する方法としては、従来公知の方法を用いることができる。例えば、粘接着剤を塗布する方法として、ワイヤーバー、アプリケーター、刷毛、スプレー、ローラー、グラビアコーター、ダイコーター、リップコーター、コンマコーター、ナイフコーター、リバースコ-ター、スピンコーター等が挙げられる。
基材が支持体として用いるフィルム状のものである場合、例えば、基材の片面又は両面に、本実施形態の粘接着剤を塗布した後、乾燥させる方法などが挙げられる。このことにより、フィルム状の粘接着剤加工品が得られる。また、フィルム状の粘接着剤加工品を、用途に応じて巻き取り切断することにより、テープ状の粘接着剤加工品が得られる。
支持体として用いるフィルム状の基材に粘接着剤を塗布する場合、例えば、ロールコート、キスロールコート、ロールブラッシュ、ディップロールコート、バーコート、エアーナイフコート、カーテンコート、ダイコーターなどによる押出しコート法などの塗布方法を用いることができる。
基材に塗布した粘接着剤を乾燥させる方法としては、従来公知の方法を用いることができる。粘接着剤を塗布した基材を乾燥させる際には、粘接着剤を塗布した基材を加熱してもよい。粘接着剤を塗布した基材を加熱して乾燥させる際の加熱温度は任意に選択されるが、80℃~170℃が好ましく、90℃~150℃がより好ましい。上記加熱温度が80℃以上であると、加熱によって粘接着剤を塗布した基材の乾燥が促進される。上記加熱温度が170℃以下であると、粘接着剤を塗布した基材の加熱による劣化が生じにくい。
本実施形態では、粘接着剤を塗布した基材を乾燥させることにより得られた粘接着剤層の表面に、易接着処理を行ってもよい。
また、粘接着剤層上に樹脂フィルムなどで形成された剥離フィルムを貼り合わせてもよい。
本実施形態の加工品である粘接着剤加工品は、優れた難燃性、耐ブリーディング性及び耐ブロッキング性を有し、初期粘着力及び耐熱保持力に優れる。このことから、本実施形態の粘接着剤加工品は、例えば、粘着テープ、両面テープ、粘着ラベルなどの日用品、壁紙、床タイル、床シート(クッションフロアー)、カーペット、天井材、窓用粘着シートなどの建築材料、自動車用製品、家電製品、電子部品等として好適に用いられる。
以下、実施例及び比較例により本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明は、以下の実施例のみに限定されない。
[樹脂組成物]
(実施例1)
表1に示すリン含有不飽和単量体(A)であるアシッドホスホオキシエチルメタクリレート100gと、重合性不飽和単量体(B)の炭素原子数及び酸素原子数の合計が4~10である主鎖を有する不飽和カルボン酸単量体(b-1)であるアクリル酸100gと、炭素数が1~4のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体(b-2)であるメチルアクリレート0.5gと、連鎖移動剤(C)であるメルカプトプロピオン酸4.0gと、界面活性剤であるドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ1.5g及びポリオキシエチレンアルキルエーテル7.5gと、溶媒としてのイオン交換水150gとを均一に混合して単量体を含む溶液とした。
五つ口セパラブルフラスコに溶媒としてのイオン交換水150gを1Lの入れ、撹拌しながら80℃まで加熱した。上記のセパラブルフラスコに開始剤である過硫酸カリウム3.0gを添加した。その後、上記のセパラブルフラスコに、単量体を含む溶液及び10質量%過硫酸カリウム水溶液の滴下を開始して、重合反応を開始した。単量体を含む溶液は、略一定の供給量で4時間掛けてセパラブルフラスコ内に添加した。10質量%過流酸カリウム水溶液70gも、単量体を含む溶液とともに略一定の供給量で4時間掛けて添加した。単量体を含む溶液及び10質量%過硫酸カリウム水溶液の添加終了後、80℃で2時間撹拌し、反応を終了した。
反応の終了後、セパラブルフラスコを冷却し、中和剤である30質量%水酸化ナトリウム水溶液20gを添加して、反応系内を中和した。中和剤の添加終了後、1時間撹拌した。以上の工程により、実施例1の共重合体が水中に分散又は溶解した樹脂組成物を得た。
実施例1の樹脂組成物の製造に使用した原料及び使用量を表1に示す。
(実施例2~7、参考例8、実施例9~30、比較例1~8)
表1~表6に示す原料を表1~表6に示す使用量で用いたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2~7、参考例8、実施例9~30、比較例1~8の樹脂組成物を得た。
Figure 0007199351000005

Figure 0007199351000006
Figure 0007199351000007

Figure 0007199351000008

Figure 0007199351000009

Figure 0007199351000010
表1~表6中における各成分の詳細は、次の通りである。
(リン含有不飽和単量体(A))
アシッドホスホオキシエチルメタクリレート(ユニケミカル株式会社製、ホスマーM、リン原子含有量15質量%)
アシッドホスホオキシエチルアクリレート(共栄社化学株式会社製、P-1A、リン原子含有量16質量%)
ジフェニル-2-メタクリロイルオキシエチルホスフェート(大八化学工業株式会社製、MR-260、リン原子含有量8質量%)
アシッドホスホオキシポリオキシエチレングリコールモノメタクリレート(ユニケミカル株式会社製、ホスマーPE、リン原子含有量9質量%)
(重合性不飽和単量体(B))
(炭素原子数及び酸素原子数の合計が4~10である主鎖を有する不飽和カルボン酸単量体(b-1))
アクリル酸(三菱ケミカル株式会社製)
メタクリル酸(三菱ガス化学株式会社製)
イタコン酸(扶桑化学工業株式会社製)
β-カルボキシエチルアクリル酸(ダイセル・オルネクス株式会社製)
(炭素数が1~4のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体(b-2))
メチルアクリレート(東亜合成株式会社製)
エチルアクリレート(東亜合成株式会社製)
ブチルアクリレート(東亜合成株式会社製)
メチルメタクリレート(三菱ガス化学株式会社製)
(その他の(B))
2-アクリロイロキシエチル-コハク酸(共栄社化学株式会社製)
(連鎖移動剤(C))
β-メルカプトプロピオン酸(株式会社同仁化学研究所製)チオグリコール酸2-エチルヘキシル(東京化成工業株式会社製)
(界面活性剤)
ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ(花王株式会社製)
ポリオキシエチレンラウリルエーテル(花王株式会社製)ポリビニルアルコール(株式会社クラレ製、PVA205(鹸化度86.5~89.0%、平均重合度500))
(開始剤)
過流酸カリウム(三菱ガス化学株式会社製)
過流酸アンモニウム(三菱ガス化学株式会社製)
アゾビスイソブチロニトリル(大塚化学株式会社製)
(中和剤)
30質量%水酸化ナトリウム水溶液(キシダ化学株式会社製)25質量%アンモニア水溶液(宇部興産株式会社製)
モノメチルアミン(三菱ガス化学株式会社製)
(溶媒)
ジエチレングリコールモノエチルエーテル(東京化成工業株式会社製)
「リン原子含有量」
表1~表6中における不飽和単量体成分中のリン原子含有量は、以下の式により算出した。その結果を表1~表6に示す。算出したリン原子含有量は、実施例1~7、参考例8、実施例9~30、比較例1~8の各共重合体に対するリン原子含有量とみなすことができる。
リン原子含有量(質量%)=[リン含有不飽和単量体(A)中のリン原子の質量/リン含有不飽和単量体(A)と重合性不飽和単量体(B)の合計質量]×100
実施例1~7、参考例8、実施例9~30、比較例1~8の各樹脂組成物中の溶媒である水を除去して乾燥させることにより、樹脂組成物中から共重合体を含む樹脂固形分を分離した。
そして、実施例1~7、参考例8、実施例9~30、比較例1~8の樹脂組成物又は樹脂固形分について、以下に示す評価方法により評価した。その結果を表1~表8に示す。
Figure 0007199351000011
Figure 0007199351000012
「質量平均分子量」
共重合体の質量平均分子量を、以下の条件でゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC):商品名「Shodex GPC-101」(昭和電工株式会社製、「Shodex」は登録商標である。)を用いて測定した。
リン酸水素2ナトリウム12水和物34.5g及びリン酸2水素ナトリウム2水和物46.2gに超純水を加えて全量を5.000gにした水溶液をキャリアー液として調製した。このキャリアー液に共重合体を含む樹脂固形分を溶解し、ポンプ(<DU-H2000>、Shodex製)を用いて流速0.5ml/min.で測定した。
カラムとしては、水系GPCカラム(分析カラム:<OHpak SB-806M MQ>、Shodex製、リファレンスカラム:<OHpak SB-800RL>、Shodex製)を用いた。検出器として、RI検出器(<RI-71S>、Shodex製)を用いた。分子量標準サンプルとしては、ポリアクリル酸ナトリウム(Sigma-Aldrich)を用いた。
「酸価」
共重合体の酸価は、JIS K 0070の中和滴定法に準拠し、以下のようにして評価した。
精密天秤を用いて約2gの試料(共重合体を含む樹脂固形分)を精秤して100ml三角フラスコに入れ、これにエタノール/ジエチルエーテル=1/1(質量比)の混合溶媒10mlを加えて溶解した。更に、この三角フラスコに指示薬としてのフェノールフタレインエタノール溶液を1~3滴添加し、試料が均一になるまで充分に攪拌した。これを、0.1N水酸化カリウム-エタノール溶液で滴定し、指示薬のうすい紅色が30秒間続いたときを、中和の終点とした。その結果から下記式(5)を用いて得た値を、共重合体の酸価とした。
酸価(mgKOH/g)=(B×f×5.611)/S (5)
B:0.1N水酸化カリウム-エタノール溶液の使用量(ml)
f:0.1N水酸化カリウム-エタノール溶液のファクター
S:試料の採取量(g)
(難燃性)
後述する方法により作製した樹脂フィルムを、23℃、相対湿度50%の条件下で12時間以上静置し、試験体とした。次いで、試験体から長さ150mm、幅60mmの試験片を採取した。そして、JIS K 7201-2:1999の方法に準じ、試験片をU字形保持具に取り付けて、着炎後の試験片が、燃焼長さ50mm燃え続けるのに必要な最低の酸素濃度、及び燃焼時間が180秒以上となるのに必要な最低の酸素濃度をそれぞれ測定し、値が小さい方を酸素指数とした。燃焼性の目安として、酸素指数22%以下のものを可燃性、酸素指数23~27%のものを自己消火性、酸素指数28%以上のものを難燃性とした。
○(良):酸素指数50%以上
△(可):酸素指数40%以上~50%未満
×(不可):酸素指数40%未満
<樹脂フィルムの作製>
実施例1~7、参考例8、実施例9~30、比較例1~8の樹脂組成物を、それぞれイオン交換水を用いて、固形分が20質量%となるように希釈し、樹脂フィルム作製用の樹脂液とした。該樹脂液をシリコンシーラントで作製した縦:200mm、横:50mmの枠内に、ガラス板状に均一に流し込んだ。樹脂液を流し込んだガラス板が水平であることを確認し、真空乾燥機にて70℃で24時間乾燥させて、実施例1~7、参考例8、実施例9~30、比較例1~8の樹脂フィルムを得た。
(保存安定性)
pH変化を、保存安定性を確認する指標とした。製造直後の樹脂組成物について、23℃におけるpHを測定した。また、容量140mLの無色透明のガラス瓶に、製造直後の樹脂組成物を容量の90%の体積まで充填して密閉し、23℃、相対湿度50%の条件下で半年間保管した。そして、半年間保管した後の樹脂組成物について、23℃におけるpHを測定した。その後、製造直後の樹脂組成物と、半年間保管した後の樹脂組成物とにおけるpHの変化量を以下に示す規準により評価した。
「基準」
○(良):pH変化量が±0~2未満
△(可):pH変化量が±2.0以上~3未満
×(不可):pH変化量±3.0以上
(重合安定性)
製造直後の樹脂組成物中における残存モノマー量(使用した全ての不飽和単量体成分のうち、樹脂組成物中に残存している不飽和単量体成分の含有量)及び重合時のゲル化の有無により、以下に示す規準で評価した。残存モノマー量はガスクロマトグラフィー法により測定した。
「基準」
○(良):ゲル化しない、かつ残存モノマーが0%以上~0.1質量%未満
△(可):ゲル化しない、かつ残存モノマーが0.1%以上~1質量%未満
×(不可):ゲル化により重合中止、又は残存モノマーが1質量%以上
表7に示すように、実施例1~7、参考例8、実施例9~30の樹脂組成物を用いて製造した樹脂フィルムは、難燃性が良好であった。中でも、連鎖移動剤(C)を含む実施例1~7、参考例8、実施例9~27の樹脂組成物は、保存安定性及び重合安定性が特に良好であった。また、実施例1~7、参考例8、実施例9~27の樹脂組成物は、保存安定性が特に良好であった。
表8に示すように、リン含有不飽和単量体(A)を含まない比較例1、炭素数が1~4のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体(b-2)の多い比較例2、5~8、炭素原子数及び酸素原子数の合計が4~10である主鎖を有する不飽和カルボン酸単量体(b-1)を含まない比較例3の樹脂組成物を用いて製造した樹脂フィルムは、難燃性が不良であった。
また、不飽和カルボン酸単量体(b-1)を含まない比較例4の樹脂組成物は、重合安定性が著しく低く、難燃性および保存安定性の評価ができなかった。
「紙加工品・繊維加工品」
(実施例31~33、35~37、比較例9、10)
表9、表10に示す割合で、表9、表10に示す樹脂と、希釈剤である水とを配合し、実施例31~33、35~37、比較例9、10で用いる処理剤1~4を調製した。
表9、表10に示す「樹脂1」は実施例1の樹脂組成物を示し、「樹脂3」は実施例3の樹脂組成物を示し、「樹脂5」は実施例5の樹脂組成物を示し、「樹脂28」は比較例1の樹脂組成物を示す。
(実施例34、38)
表9、表10に示す割合で、表9、表10に示す樹脂と、難燃剤であるポリリン酸アンモニウム(クラリアントケミカルズ株式会社製、Exolit AP422、リン原子含有量32質量%)と、希釈剤である水とを配合し、実施例34、38で使用する処理剤5を調製した。
このようにして得られた処理剤1~5を紙処理剤として用いて、後述の方法で実施例31~34、比較例9の紙加工品を作製した。また、処理剤1~5を繊維処理剤として用いて、後述の方法で実施例35~38、比較例10の繊維加工品を作製した。
<紙加工品の作製>
基材として、濾紙(No.2東洋濾紙株式会社製、厚さ0.25mm、目付130g/m)を用意した。そして、基材に表9に示す処理剤1~5を浸漬させて塗布した。その後、処理剤の含浸した基材を2本マングルで絞り、基材に処理剤1~5を付着させた。次いで、処理剤を付着させた基材を熱風式乾燥機にて130℃で10分間乾燥させ、紙加工品を得た。
その後、得られた紙加工品について、以下に示す方法により、紙加工品に対する紙処理剤(処理剤)の固形分量(質量%)を求めた。その結果を表9に示す。
処理剤浸漬前の基材を、感度0.5mg以下の直示天秤を用いて精秤した。また、処理剤を浸漬した基材を、内温105℃±2℃に調整した乾燥機内に1時間放置して乾燥させた。乾燥後の基材をデシケーター内で室温まで冷却し、同一の直示天秤にて精秤し、処理剤を浸漬して乾燥した基材(加工品)の質量とした。このようにして得られた「加工品の質量」と「処理剤塗布前の基材の質量」とを用いて、次式にて加工品に対する処理剤の固形分量(質量%)を算出した。
加工品に対する処理剤の固形分量(質量%)={(加工品の質量-処理剤浸漬前の基材の質量)/(加工品の質量)}×100
<繊維加工品の作製>
基材として、ポリエステル-セルロース不織布(株式会社バークシャー製、厚さ200μm、目付35g/m)からなる繊維を用いたこと以外は、紙加工品と同様の方法により、繊維加工品を得た。
その後、得られた繊維加工品について、紙加工品と同様の方法により、繊維加工品に対する繊維処理剤(処理剤)の固形分量(質量%)を求めた。その結果を表10に示す。
実施例31~34、比較例9の紙加工品、実施例35~38、比較例10の繊維加工品について、以下に示す評価方法により、難燃性、耐ブリーディング性、耐ブロッキング性、剛軟性について評価した。その結果を表9、表10に示す。
Figure 0007199351000013
Figure 0007199351000014
(難燃性)
23℃、相対湿度50%の条件下で12時間以上静置した紙加工品又は繊維加工品を試験体とし、各試験体からそれぞれ5本ずつ、長さ127mm、幅12.7mmの短冊状の試験片を採取した。各試験片に対して、UL-94垂直燃焼試験(V-0、V-1、V-2規格)に基づき、燃焼試験を行った。各試験片に対して2回ずつ(各試験体に対して合計10回ずつ)接炎を行い、消炎時間(燃焼時間)を測定した。
その結果を用いて、試験体毎に、合計10回の接炎による合計燃焼時間と最大燃焼時間を求め、以下に示す規準により評価した。
「基準」
V-0:合計燃焼時間が50秒以内であり、かつ最大燃焼時間が10秒以内であり、全ての試験片において燃焼による材料の滴下がない。
V-1:合計燃焼時間が250秒以内であり、かつ最大燃焼時間が30秒以内であり、全ての試験片において燃焼による材料の滴下がない。
V-2:合計燃焼時間が250秒以内であり、かつ最大燃焼時間が30秒以内ではあるが、燃焼によって材料が滴下した試験片がある。
(耐ブリーディング性)
難燃性の評価に使用したものと同じ試験体から、縦70mm、横50mmの矩形の試験片を採取した。試験片を、縦100mm、横60mmの矩形の濾紙(No.2、東洋濾紙株式会社製)の間に挟み込み、60℃、相対湿度95%の条件下で5日間静置し、試験片表面のブリーディングの有無を確認した。その結果を以下に示す規準により評価した。
「基準」
×(不可):試験片表面の白化が試験片面積の10%以上で生じる。
△(可):試験片表面の白化が試験片面積の10%未満で生じる。
○(良):試験片表面の白化が無い。
(耐ブロッキング性)
難燃性の評価に使用したものと同じ試験体から、縦25mm、横25mmの略正方形の試験片を採取した。試験片を、縦35mm、横35mmの略正方形の台紙(合名会社柳生印刷所製)の間に挟み込み、60℃、相対湿度70%の条件下で3日間静置し、試験片のブロッキングの有無を確認した。その結果を以下に示す規準により評価した。なお、試験片から台紙を剥がす時に音が発生したか否かは、23℃、300mm/minの条件でT型剥離試験(テンシロン:オリエンテック製RTA-100)に準じて剥離試験を行い、その際の剥離音の有無を評価する方法により判断した。
「基準」
×(不可):試験片から台紙を剥がす時に音が発生し、かつ試験片から剥がした台紙に剥がれが有る(ブロッキング有)
△(可):試験片から台紙を剥がす時に音が発生したが、試験片から剥がした台紙に剥がれが無い(僅かにブロッキング有)
○(良):試験片から台紙を剥がす時に音が発生せず、かつ試験片から剥がした台紙に剥がれが無い(ブロッキング無)
(剛軟性)
難燃性の評価に使用したものと同じ試験体から、縦150mm、横150mmの略正方形の試験片を採取した。試験片を、JIS L1096:2010の一般織物試験方法に記載されている8.21.5E法(ハンドルオメータ法)に準拠して、剛軟性の測定を行った。その結果を以下に示す規準により評価した。
剛軟性(g)は、繊維の硬さ(柔らかさ)を表すものであり、剛軟性の数値が高いほど、試験片の風合いが硬いことを示す。
「基準」
○(良):160g以上
△(可):140g以上~160g未満
×(不可):140g未満
表9、表10に示すように実施例31~34の紙加工品、及び実施例35~38の繊維加工品は、難燃性が良好であった。また、実施例31~34の紙加工品、及び実施例35~38の繊維加工品は、耐ブリーディング性、耐ブロッキング性、剛軟性のいずれも「○(良)」又は「△(可)」の評価であり良好であった。
これに対し、比較例9の紙加工品は、紙処理剤として用いた処理剤4が(A)由来の構成成分を含まないため、難燃性が不良であった。また、比較例10の繊維加工品は、繊維処理剤として用いた処理剤4が(A)由来の構成成分を含まないため、難燃性が不良であった。
実施例31~38の中でも、難燃剤としてリン系化合物であるポリリン酸アンモニウムを使用していない実施例31~33の紙加工品、及び実施例35~37の繊維加工品は、特に耐ブリーディング性および耐ブロッキング性が良好であった。
「一般加工品」
(実施例39~41、比較例11)
表11に示す割合で、表11に示す樹脂と、架橋剤であるペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル(ナガセケムテックス株式会社製、デナコールEX411)とを配合し、実施例39~41、比較例11で用いる塗料6~9を調製した。
表11に示す「樹脂1」は実施例1の樹脂組成物を示し、「樹脂3」は実施例3の樹脂組成物を示し、「樹脂5」は実施例5の樹脂組成物を示し、「樹脂28」は比較例1の樹脂組成物を示す。
(実施例42)
表11に示す割合で、表11に示す樹脂と、難燃剤であるポリリン酸アンモニウム(クラリアントケミカルズ株式会社製、Exolit AP422、リン原子含有量32質量%)と、表11に示す架橋剤とを配合し、実施例42で用いる塗料10を調製した。
このようにして得られた塗料6~10を用いて、後述の方法で実施例39~42、比較例11の一般加工品を作製した。
<一般加工品の作製>
基材として、厚み25μmのPETフィルムを用意した。そして、基材に表11に示す塗料6~10を、乾燥後の厚みが10μmとなるように塗布した。その後、塗料を塗布した基材を熱風式乾燥機にて105℃で3分間乾燥させ、40℃で3日間養生することにより、一般加工品を得た。
その後、得られた一般加工品について、紙加工品と同様の方法により、一般加工品に対する塗料(処理剤)の固形分量(質量%)を求めた。その結果を表11に示す。
実施例39~42、比較例11の一般加工品について、以下に示す評価方法により、難燃性、密着性、外観変化について評価した。その結果を表11に示す。
Figure 0007199351000015
(難燃性)
一般加工品に使用した塗料6~10をそれぞれ用いて、上述した<樹脂フィルムの作成>と同様にしてフィルムを作製し、樹脂組成物を用いて作成した樹脂フィルムと同様にして、一般加工品の難燃性を評価した。
(密着性)
23℃、相対湿度50%の条件下で12時間以上静置した一般加工品を試験体とし、各試験体に対してセロテープ(登録商標)剥離試験を実施した。剥離試験後の一般加工品の表面を目視により観察し、以下に示す規準により評価した。
「基準」
○(良):剥離なし
△(可):剥離した面積が表面の80%未満
×(不可):剥離した面積が表面の80%以上
(外観変化)
密着性の評価に使用したものと同じ試験体を、60℃、相対湿度70%の条件下で3日間静置した。その後、目視により一般加工品を観察し、以下に示す規準により外観変化の有無を評価した。
「基準」
○(良):外観変化なし
△(可):白化した面積が表面の80%未満
×(不可):白化した面積が表面の80%以上
表11に示すように実施例39~42の一般加工品は、難燃性が良好であった。また、実施例39~42の一般加工品は、密着性及び外観変化の評価が「○(良)」又は「△(可)」の評価であった。
これに対し、比較例11の一般加工品は、塗料9が(A)由来の構成成分を含まないため、難燃性が不良であった。
また、実施例39~42の中でも、難燃剤としてリン系化合物であるポリリン酸アンモニウムを使用していない実施例39~41の一般加工品は、特に密着性及び外観変化の評価が良好であった。
「粘接着剤加工品」
(実施例43~45、比較例12)
表12に示す割合で、下記の方法により製造したアクリル樹脂(D)と、表12に示す樹脂と、架橋剤であるペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル(ナガセケムテックス株式会社製、デナコールEX411)とを配合し、実施例43~45、比較例12で用いる粘接着剤1~4を調製した。
表12に示す「樹脂1」は実施例1の樹脂組成物を示し、「樹脂3」は実施例3の樹脂組成物を示し、「樹脂5」は実施例5の樹脂組成物を示し、「樹脂28」は比較例1の樹脂組成物を示す。
「アクリル樹脂(D)の製造」
攪拌機、温度調節器、還流冷却器、滴下ロート、温度計を付した反応装置に、アクリル酸n-ブチル150gと、メタクリル酸メチル34gと、アクリル酸2-ヒドロキシエチル2gと、トルエン195gとを仕込み、加熱還流開始後、重合開始剤であるアゾビスイソブチロニトリル0.2gを加えた。トルエンの還流温度で8時間反応させた後、トルエンにて希釈し、固形分50質量%のアクリル樹脂(D)を得た。
(実施例46)
表12に示す割合で、上記の方法により製造したアクリル樹脂(D)と、表12に示す樹脂と、難燃剤であるポリリン酸アンモニウム(クラリアントケミカルズ株式会社製、Exolit AP422、リン原子含有量32質量%)と、架橋剤であるペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル(ナガセケムテックス株式会社製、デナコールEX411)とを配合し、実施例46で用いる粘接着剤5を調製した。
このようにして得られた粘接着剤1~5を用いて、後述の方法で実施例43~46、比較例12の粘接着剤加工品を作製した。
<粘接着剤加工品の作製>
基材として、厚み25μmのPETフィルムを用意した。そして、基材に表12に示す粘接着剤1~5を乾燥後の厚みが10μmとなるように塗布し、粘接着剤層を形成した。
その後、粘接着剤層上に剥離フィルムを貼り合わせてロールで圧着し、40℃で3日間養生することにより、粘接着剤加工品を得た。
その後、得られた粘接着剤加工品について、紙加工品と同様の方法により、粘接着剤加工品に対する粘接着剤(処理剤)の固形分量(質量%)を求めた。なお、「加工品の質量」として、粘接着剤を塗布し、剥離フィルムを貼り合わせてロールで圧着した基材を、内温105℃±2℃に調整した乾燥機内に1時間放置して乾燥させ、デシケーター内で室温まで冷却し、感度0.5mg以下の直示天秤にて精秤した値を用いた。すなわち、剥離フィルムも基材に含まれるものとして計算した。その結果を表12に示す。
実施例43~46、比較例12の粘接着剤加工品について、以下に示す評価方法により、難燃性、初期粘着力、耐熱保持力について評価した。その結果を表12に示す。
Figure 0007199351000016
(難燃性)
粘接着剤加工品に使用した粘接着剤1~5をそれぞれ用いて、上述した<樹脂フィルムの作成>と同様にしてフィルムを作製し、樹脂組成物を用いて作成した樹脂フィルムと同様にして、粘接着剤加工品の難燃性を評価した。
(初期粘着力)
面積25mm×100mmの略矩形の粘接着剤加工品を用意し、剥離フィルムを剥がして粘接着剤層を露出させた。SUS304からなるステンレス研磨板上に、粘接着剤層側の面を対向させて粘接着剤加工品を載置し、23℃、相対湿度50%の条件下で2kgローラーを1往復させ、ステンレス研磨板に粘接着剤加工品を貼合させた。貼合してから20分後にJIS Z 0237:2000に規定する粘着力の測定方法に準じて、180度剥離強度(N/cm)を測定し、以下の基準により評価した。
「基準」
○(良):2.0N/cm以上
△(可):1.5N/cm以上~2.0N/cm未満
×(不可):1.5N/cm未満
(耐熱保持力)
貼合面積が25mm×25mmの略正方形となるようにしたこと以外は、初期粘着力を測定する際と同様にしてステンレス研磨板に粘接着剤加工品を貼合させた。その後、JIS Z 0237に規定する保持力の測定方法に準じて、1kgの荷重をかけて1時間以上落下しない温度の上限値を測定し、以下の基準により評価した。
「基準」
○(良):150℃以上
△(可):100℃以上~150℃未満
×(不可):100℃未満
表12に示すように実施例43~46の粘接着剤加工品は、全て「○(良)」又は「△(可)」の評価であり、難燃性、初期粘着力、耐熱保持力が良好であった。
これに対し、比較例12の粘接着剤加工品は、粘接着剤4が(A)由来の構成成分を含まないため、難燃性が不良であった。
また、実施例43~46の中でも、難燃剤としてリン系化合物であるポリリン酸アンモニウムを使用していない実施例43~45の粘接着剤加工品は、特に初期密着力及び耐熱保持力の評価が良好であった。
本発明は、難燃性に優れ、耐ブリーディング性及び耐ブロッキング性の良好な樹脂を提供する。
本発明の共重合体は、難燃性に優れ、加工品の材料として用いた場合に耐ブリーディング性及び耐ブロッキング性の良好な加工品が得られる。したがって、本発明の共重合体を含む処理剤は、紙処理剤、繊維処理剤、一般塗料、接着剤及び粘着剤として好適である。
本発明の共重合体を含む処理剤は、難燃性、耐ブリーディング性、耐ブロッキング性、剛軟性に優れる加工品の材料として好適である。例えば、基材が紙である加工品としては、壁紙、壁紙用裏打ち紙などの建築材料、自動車内装材等が挙げられる。また、基材が繊維である加工品としては、カーテンなどの内装材、電子材料用緩衝材、家電用緩衝材、自動車内装緩衝材、自動車シート等が挙げられる。
また、本発明の共重合体を含む塗料及び粘接着剤は、一般加工品、粘接着剤加工品などの加工品を製造する際に好適に用いることができる。これらの加工品としては、例えば、接着テープ、家電、電子部品、粘着テープ、両面テープ、粘着ラベルなどの日用品、壁紙、床タイル、床シート(クッションフロアー)、カーペット、天井材、窓用粘着シートなどの住宅用資材、自動車用製品、家電製品、電子部品等が挙げられる。

Claims (10)

  1. リン含有不飽和単量体(A)由来の構成成分と、重合性不飽和単量体(B)由来の構成成分と、連鎖移動剤(C)由来の構成成分とを有する共重合体を含む、紙処理剤または繊維処理剤であり、
    前記共重合体は、前記重合性不飽和単量体(B)由来の構成成分が、炭素原子数及び酸素原子数の合計が4~10である主鎖を有する不飽和カルボン酸単量体(b-1)由来の構成成分を含み、かつ炭素数が1~4のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体(b-2)由来の構成成分の含有量が、前記リン含有不飽和単量体(A)由来の構成成分と前記重合性不飽和単量体(B)由来の構成成分との合計含有量に対して0.03~1.00質量%であり、前記リン含有不飽和単量体(A)由来の構成成分が、アシッドホスホオキシエチルメタクリレート、アシッドホスホオキシエチルアクリレート、ジフェニル-2-メタクリロイルオキシエチルホスフェートから選択される少なくとも1種に由来する構成成分であることを特徴とする紙処理剤または繊維処理剤。
  2. 前記共重合体中のリン原子含有量が0.1~10質量%である請求項1に記載の紙処理剤または繊維処理剤。
  3. 前記不飽和カルボン酸単量体(b-1)が、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、β-カルボキシエチルアクリル酸から選択される少なくとも1種である請求項1または請求項2に記載の紙処理剤または繊維処理剤。
  4. 前記不飽和カルボン酸単量体(b-1)由来の構成成分の含有量が、前記リン含有不飽和単量体(A)由来の構成成分と前記重合性不飽和単量体(B)由来の構成成分との合計含有量に対して30~95質量%である請求項1~請求項3のいずれか一項に記載の紙処理剤または繊維処理剤。
  5. 前記連鎖移動剤(C)が、メルカプトアルキルカルボン酸エステル(c-1)である請求項1に記載の紙処理剤または繊維処理剤。
  6. 前記連鎖移動剤(C)由来の構成成分の含有量が、前記リン含有不飽和単量体(A)由来の構成成分と前記重合性不飽和単量体(B)由来の構成成分との合計含有量100質量部に対して0.1~10質量部である請求項1に記載の紙処理剤または繊維処理剤。
  7. 前記共重合体の質量平均分子量が25000~70000である請求項1~請求項6のいずれか一項に記載の紙処理剤または繊維処理剤。
  8. 前記共重合体の酸価が300~800mgKOH/gである請求項1~請求項7のいずれか一項に記載の紙処理剤または繊維処理剤。
  9. リン含有不飽和単量体(A)由来の構成成分と、重合性不飽和単量体(B)由来の構成成分と、連鎖移動剤(C)由来の構成成分とを有する共重合体が紙に付着した紙加工品であり、
    前記共重合体は、前記重合性不飽和単量体(B)由来の構成成分が、炭素原子数及び酸素原子数の合計が4~10である主鎖を有する不飽和カルボン酸単量体(b-1)由来の構成成分を含み、かつ炭素数が1~4のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体(b-2)由来の構成成分の含有量が、前記リン含有不飽和単量体(A)由来の構成成分と前記重合性不飽和単量体(B)由来の構成成分との合計含有量に対して0.03~1.00質量%であり、前記リン含有不飽和単量体(A)由来の構成成分が、アシッドホスホオキシエチルメタクリレート、アシッドホスホオキシエチルアクリレート、ジフェニル-2-メタクリロイルオキシエチルホスフェートから選択される少なくとも1種に由来する構成成分であり、
    前記紙100質量部に対して前記共重合体を1~70質量部含有することを特徴とする紙加工品。
  10. リン含有不飽和単量体(A)由来の構成成分と、重合性不飽和単量体(B)由来の構成成分と、連鎖移動剤(C)由来の構成成分とを有する共重合体が繊維に付着した繊維加工品であり、
    前記共重合体は、前記重合性不飽和単量体(B)由来の構成成分が、炭素原子数及び酸素原子数の合計が4~10である主鎖を有する不飽和カルボン酸単量体(b-1)由来の構成成分を含み、かつ炭素数が1~4のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体(b-2)由来の構成成分の含有量が、前記リン含有不飽和単量体(A)由来の構成成分と前記重合性不飽和単量体(B)由来の構成成分との合計含有量に対して0.03~1.00質量%であり、前記リン含有不飽和単量体(A)由来の構成成分が、アシッドホスホオキシエチルメタクリレート、アシッドホスホオキシエチルアクリレート、ジフェニル-2-メタクリロイルオキシエチルホスフェートから選択される少なくとも1種に由来する構成成分であり、
    前記繊維100質量部に対して前記共重合体を1~70質量部含有することを特徴とする繊維加工品。
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