JP2006188022A - カーボングラファイトシート - Google Patents

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Abstract

【課題】
CPU等の半導体素子の放熱装置として好適に用いられるカーボングラファイトシートの絶縁性を確保し、カーボングラファイトの粉末粒子の脱落を防止する。
【解決手段】
一方の表面に接着層16が一体に形成されているポリエステルフィルム12をカーボングラファイトシート10の両面に接合するとともに、カーボングラファイトシート10の側縁部においてはポリエステルフィルム12同士が直接接合されるようにする。
【選択図】 図2

Description

本発明はカーボングラファイトシートに係り、とくに面状のカーボングラファイトから成るカーボングラファイトシートであって、放熱装置として用いるのに好適なカーボングラファイトシートに関する。
パソコンやその他各種の電子機器はマザーボードを備え、このマザーボード上に回路素子とともに半導体素子を実装し、所定の信号処理を行なうことによって所望の動作を達成するようにしている。
例えばパソコンは、マザーボード上に他の回路素子や半導体素子とともに半導体素子(IC)から成る中央演算処理装置(CPU)を実装し、このCPUによって演算動作を行なうようにしている。とくにCPUはその内部を通る電流によるジュール熱によって発熱し、その表面が非常に高い温度に達する場合がある。また携帯電話等の小型の携帯情報端末においても、回路基板上に搭載されている半導体素子の温度上昇が激しい。
このようなCPUや他の半導体素子の温度上昇を防止するために、フィンを備えるアルミニウムのブロックから成るヒートシンクに代えて、カーボングラファイトシートが用いれる傾向にある。すなわち発熱部位にカーボングラファイトシートを接触させ、このカーボングラファイトシートによって半導体素子で発生した熱を逃がすようにしている。
ところがカーボングラファイトシートは導電性を有し、このためにそのままで使用すると短絡事故の原因となる。さらにはカーボングラファイトシートの粉末が離脱し、配線パターンや回路素子の電極等に接触し、これによって短絡事故の原因になる。
そこでカーボングラファイトシートの表面に高分子フィルムを接合し、これによってカーボングラファイトシートを絶縁するとともに、このカーボングラファイトシートの表面上に付着する粉末が脱落するのを防止している。ところが従来は高分子フィルムの一方の表面を接着剤層を介してカーボングラファイトシートに接合しているために、上記接着剤層が比較的厚みが大きく、この接着剤層によって熱伝導性が損われる問題があった。すなわち優れた熱伝導性が上記高分子フィルムを接着する接着剤層によって阻害される問題があった。
本願発明の課題は、熱伝導性に優れ、回路装置の放熱装置として利用可能なカーボングラファイトシートを提供することである。
本願発明の別の課題は、絶縁性を有するようにしたカーボングラファイトシートを提供することである。
本願発明のさらに別の課題は、カーボングラファイトシートの表面に付着している粉末が脱落しないようにしたカーボングラファイトシートを提供することである。
本願発明のさらに別の課題は、高分子フィルムを接合しても、接着手段によってカーボングラファイトシートの優れた熱伝導性が損われないようにしたカーボングラファイトシートを提供することである。
本願発明の上記の課題および別の課題は、以下に述べる本願発明の技術的思想およびその実施の形態によって明らかにされよう。
本願の主要な発明は、面状のカーボングラファイトから成るカーボングラファイトシートにおいて、
一方の表面に接着層を備えた高分子フィルムを前記接着層を介して前記カーボングラファイトシートの表面に接合したことを特徴とするカーボングラファイトシートに関するものである。
ここで前記高分子フィルムが共押出しされた2層のポリエステルフィルムであって、その一方の層がカルボン酸とヒドロキシ化合物から成る接着層であってよい。また前記高分子フィルムがポリエチレンナフタレートフィルムであって、その一方の表面に水分散性ポリエステル樹脂のコロイド粒子を含む接着層が形成されてよい。また前記カーボングラファイトシートの側縁部において、前記カーボングラファイトシートの両面に接合された高分子フィルムの周縁部が互いに接着層によって直接接合されてよい。また前記カーボングラファイトシートの表面に所定の方向に延びる筋が形成されてよい。
本願の主要な発明は、面状のカーボングラファイトから成るカーボングラファイトシートにおいて、一方の表面に接着層を備えた高分子フィルムを接着層を介してカーボングラファイトシートの表面に接合したものである。
従ってこのようなカーボングラファイトシートによれば、高分子フィルムをその一方の表面の接着層を介してカーボングラファイトシートの表面に接合することができ、これによってカーボングラファイトシートの表面を絶縁し、またカーボングラファイトシートの表面からカーボングラファイトの粉末が脱落するのが防止される。しかも高分子フィルムの一方の表面に一体に備えた接着層を利用してカーボングラファイトシートの表面に接合しているために、接着剤層が存在せず、このために接着剤層による熱伝導性の劣化を防止することが可能になる。
炭素はダイヤモンド、グラファイト(黒鉛)、および無定形炭素の形態で安定に存在する。この内とくにグラファイトは黒色不透明であって六方晶系の結晶構造を有し、電気および熱の導体である。
このようなグラファイトは天然に存在する。そしてこのような天然のグラファイトを圧延することによってグラファイトシートが得られる。またアクリロニトリルを用いたアクリル系樹脂フィルム等の有機合成フィルムを無酸素下で焼成すると、シート状のグラファイトが得られる。シート状のグラファイトは柔軟性および圧縮弾性があり、しかも相手材となじみがよいために、ガスケットやパッキンの原料として広く利用されている。
図1〜図6は本願の一実施の形態に係るグラファイトシート10を示すものである。ここで用いられているグラファイトシート10は天然の黒鉛を圧延して厚さが0.05〜2.0mmの範囲のシート状に構成したものである。そしてこのようなグラファイトシート10の表面には必要に応じて互いに平行に無数の筋11が形成されている(図6参照)。このような筋11は所定の方向、例えばこのシート10の長さ方向あるいは幅方向に形成されてよい。
ここでグラファイトシート10の一方の表面のみに筋11を形成してよい。あるいはグラファイトシート10の両側の表面にそれぞれ筋11を形成するようにしてよい。ここでさらに表面の筋11と裏面の筋11とが互いに同相で形成されてよい。あるいはまた両面の筋が互いに逆相に形成されてよい。
ここでグラファイトシート10に形成される筋11のピッチは、0.02〜5.0mmの範囲内であってよく、とくに0.5〜2.0mmの範囲内であることが好ましい。またこのような筋11の谷の深さは、このグラファイトシートの厚みによって異なるが、グラファイトシート10の元の厚さの1/2以上の深さとすることが好ましい。また筋11の深さは、上述の筋11のピッチに比例し、筋11のピッチが細かい場合には筋11の深さが浅くなるとともに、筋11のピッチが粗い場合にはその深さも深くすることが望ましい。
次にこのようなグラファイトシート10の筋11の形成について説明すると、図7に示すように上下一対のロール21、22によってグラファイトシート10の筋加工を行なう。上下のロール21、22にはそれぞれ円周方向に延びる筋23、24が所定のピッチでその全幅に形成されている。従ってこれらのロール21、22間を予め圧延された上記グラファイトシート10を通過させると、このグラファイトシート10の表面に筋11が形成されることになる。
筋11とともに平坦部15を形成する場合には、図8に示すように上下のロール21、22にそれぞれ筋23、24とともに平坦な突部25を形成するようにしておけばよい。これらのロール21、22間をグラファイトシート10を通過させると、ロール21、22の筋23、24によってグラファイトシート10の表面に筋11が形成される。このとき同時に平坦な突部25によってグラファイトシート10の表面に平坦部15が形成される。
グラファイトシート10上における平坦部15の形成は、ロール21、22による筋加工の後に、押圧板で形成してもよい。この場合には筋11を形成したグラファイトシート10をベース上に載置する。そして押圧板を上から載せて上方から押圧する。すると押圧板の表面に形成されている突部がグラファイトシート10の表面を押圧し、これによって押圧板の突部と対応する部分が平坦部15になる。従ってこのような方法によれば、筋加工した後のグラファイトシート10の表面の所定の位置に平坦部15が形成される。
また平坦部15を形成する場合には、互いに直交する2方向にそれぞれ筋11を形成するか、グラファイトシート10の表面にローレット加工を施し、ローレット加工を施した部分をさらに押潰すことによって平坦部を形成することができる。とくに2方向に筋を形成してその後に押潰すと、平坦部の部分における厚さが他の部分より薄くなって良好な平坦部を形成できるようになる。
このようなグラファイトシート10に対する筋11の形成のための加工や平坦部15の形成の加工の際の圧力は、グラファイトシート10に対してその表面に1.0Kg/cm〜1ton/cmの範囲内の圧力を加えることによって形成される。とくに好ましい圧力は、5Kg/cm〜50Kg/cmの範囲内である。
これに対してカーボングラファイトシート10の表面に接合されるポリエステルフィルム12は、テレフタル酸および/または2,6−ナフタレンジカルボン酸を70mol%以上含むジカルボン酸成分とジヒドロキシ化合物成分から作られたポリエステルのA層の少なくとも片面に、フェニルインダンジカルボン酸を30mol%以上含むジカルボン酸成分とジヒドロキシ化合物から作られたポリエステルのB層を共押出しによって積層させた積層未延伸フィルムを2軸方向に延伸し、次いで80〜200℃の温度で少なくとも1軸方向に再延伸したものが用いられることが好適である。
ここで図4のA層のポリエステルはテレフタル酸および/または2,6−ナフタレンジカルボン酸を70mol%以上、好ましくは80mol%以上含むジカルボン酸成分とジヒドロキシ化合物成分から作られたポリエステルである。30mol%未満の割合で使用し得るジカルボン酸としてはイソフタル酸、フタル酸、アジピン酸、セバシン酸等を例示することができる。ヒドロキシ化合物としては、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、1,6−シクロヘキサンジメタノール、p−キシリレングリコール、ポリエチレングリコール等が用いられてよい。
またポリエステルは具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート、ポリテトラメチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート、テレフタル酸−2,6−ナフタレンジカルボン酸−エチレングリコール共重合体、テレフタル酸−2,6−ナフタレンジカルボン酸−1,4−ブタンジオール−エチレングリコール共重合体等を好ましく挙げることができる。これらの内ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートがとくに好適である。
このようなポリエステルは、その溶融時においてランダムなコイル状の形態をとることなく、配列した分子形態を形成するいわゆる液晶性ポリマに含まれる。液晶性ポリマは高流動性、大きな異方性、低線膨張係数、良好な寸法精度、高弾性率・高強度、大きなtanδ(内部損失)、耐熱性、難燃性、耐薬品性等の優れた性能を有する高分子化合物である。
また非接着層16(図4参照)を構成するB層のポリエステルは、フェニルインダンジカルボン酸を30mol%、好ましくは50mol%以上含むジカルボン酸成分とジヒドロキシ化合物成分から作られるポリエステルである。
フェニルインダンジカルボン酸以外のカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、無水フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4´−ビフェニルジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ダイマー酸等が使用できる。これらは2成分以上用いることができる。またこれらの成分とともにマレイン酸、フマール酸、イタコン酸等の如き不飽和多塩基酸やp−ヒドロキシ安息香酸、p−(β−ヒドロキシエトキシ)安息香酸等の如きヒドロキシカルボン酸を小割合用いることができる。
非接着層を構成するA層のポリエステルと接着層を構成するB層のポリエステルとを溶融共押出ししてA層の少なくとも片面にB層を積層させた積層未延伸フィルムを製造する。そしてこの積層未延伸フィルムを2軸方向に延伸し、その後に80〜220℃の温度で少なくとも1軸方向、すなわち縦方向および/または横方向に再延伸を行なう。
積層未延伸フィルムの延伸は面積倍率で6〜10倍程度にするのが好ましい。また再延伸は面積倍率で12〜22倍程度の値で行なうことが好ましい。また再延伸の温度は80〜220℃程度の値であることが好適である。
カーボングラファイトシート10と接合されるポリエステルフィルム12の別の構成は、ジカルボン酸成分の70mol%以上がテレフタル酸および/またはナフタレンジカルボン酸から成り、20〜150℃の2次転移点を有するA層と、5cal/g未満の結晶融解熱を有するB層とから成り、共押出しの方法でA層の少なくとも片面にB層を積層した構造の積層ポリエステルフィルムである。ここでB層の2次転移温度がA層の2次転移温度より30℃高い温度以下であってA層の2次転移温度より50℃低い温度以上であることが好ましい。
積層ポリエステルフィルム12の少なくとも一方の表面に結晶性の低いポリエステルのB層を形成しているために、高い接着性を有する表面を形成ができる。またこの表面の厚さを自由に調整することができるために、接着力を任意に調整することが可能になる。また共押出し法での積層であるために、各層フィルムの層間の接着力が極めて高い特徴を有する。
ここでA層を構成するポリエステルは、結晶性のポリマであって、ジカルボン酸成分の70mol%以上がテレフタル酸および/またはナフタレンジカルボン酸から成り、しかも20〜150℃の2次転移点を有するものである。
上記テレフタル酸および/またはナフタレンジカルボン酸以外のジカルボン酸成分としては、イソフタル酸、フタル酸、アジピン酸、セバシン酸等が用いられてよい。また上記ポリエステルを構成するジヒドロキシ化合物としては、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、1,6−シクロヘキサンジメタノール、p−キシレングリコール、ポリエチレングリコール等が好適である。
またA層を構成するポリエステルは、上述の如く20〜150℃の2次転移点を有することが必要であり、またA層は結晶融解熱が5cal/g以上であることが好ましい。この結晶融解熱が5cal/g未満であると、フィルム強度不足や熱収縮性が大となり、好ましくない。
次にポリエステルフィルム12のB層を構成するポリエステルは、難結晶性もしくは非結晶性ポリマであって、例えばテレフタル酸−イソフタル酸−エチレングリコール−ネオペンチルグリコール−1,4−ブタジオール共重合ポリエステル,2,6−ナフタレンジカルボン酸−イソフタル酸−1,4−ブタジオール−1,6−ヘキサジオール共重合ポリエステル、4,4´−ジフェニルジカルボン酸−アジピン酸−エチレングリコール−ジエチレングリコール共重合ポリエステル等が好適である。
ここでA層を構成するポリエステルとB層を構成するポリエステルの2次転移温度については次のような関係を満たすことが必要になる。すなわちB層の2次転移温度がA層の2次転移温度より30℃高い温度以下であってA層の2次転移温度より50℃低い温度以上であることを要する。前者の条件が満たされないと共押出しの延伸特性が低下してフィルムの表面性が不良になる。これに対して後者の条件を満たさないと耐ブロキング性が劣り、製膜時の工程適性が悪化する。
A層を構成するポリエステルとB層を構成するポリエステルとは共押出しによって積層され、これによって2層構造のポリエステルフィルム12が得られる。共押出しされた多層未延伸フィルムは2軸延伸して積層延伸フィルムとする。2軸延伸は2段、3段、4段等の多段延伸が可能である。
カーボングラファイトシート10の表面に接合される別の高分子フィルムは、二軸配向ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルムであって、しかもその一方の表面に平均粒径が10〜200nmのコロイド粒子を含む易接着層19(図5参照)が設けられ、該接着層の樹脂成分が主としてスルホン酸塩基を含む水分散性ポリエステル樹脂である。
ここでポリエチレンナフタレートは、その酸成分がナフタレンジカルボン酸から成り、主たるグリコール成分がエチレングリコールから成り、フィルム形成性の線状ポリエステルである。このナフタレンジカルボン酸としては、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン−2,7−ジカルボン酸、ナフタレン−1,5−ジカルボン酸等が好ましい。とくにナフタレン−2,6−ジカルボン酸が好適である。
ナフタレン−2,6−ジカルボン酸を主たる酸成分とするポリエチレンナフタレートの共重合成分としては、ナフタレン−2,7−ジカルボン酸、ナフタレン−1,5−ジカルボン酸、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ベンゾフェノンジカルボン酸、4,4´−ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸;コハク酸、シュウ酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸;ヘキサヒドロテレフタル酸、1,3−アダマンタンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸;p−オキシ安息香酸、p−オキシエトキシ安息香酸等のオキシカルボン酸;ジエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール等のグリコールを挙げることができる。他の共重合ポリエチレンナフタレートについても同様の共重合成分を挙げることができる。
またポリエチレンナフタレートは、例えば安息香酸、メトキシポリアルキレングリコール等の単官能性化合物によって末端の水酸基および/またはカルボキシル基の一部または全部を封鎖したものであってもよく、あるいはグリセリン、ペンタエリスリトール、トリメリット酸、ピロメリット酸等のような3官能以上の多官能性化合物成分を極小量共重合したものであってよい。
また二軸配向ポリエチレンナフタレートフィルムには、コロイド粒子、とくに単分散粒子を含有した易接着層をフィルム表面に積層する。この層はカーボングラファイトシート10との接着性を向上するものであるが、コロイド粒子を層の表面に保持しているために、易滑層にもなる。易接着層は酸成分がスルホン塩酸の基を有する芳香族ジカルボン酸および他の芳香族ジカルボン酸から成り、グリコール成分がエチレングリコールおよびビスフェノールAの低級アルキレンオキサイド付加物を含む他のグリコール成分から成る水分散性共重合ポリエステル樹脂と平均粒径が20〜200μmのコロイド粒子とポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル界面活性剤等を主として含むことが好ましい。
水分散性ポリエステル樹脂ポリマ分子内にスルホン酸塩基を導入するには、スルホン酸塩基を有する二官能性化合物、例えば5−Naスルホイソフタル酸、5−アンモニウムスルホイソフタル酸、4−Naスルホイソフタル酸、4−メチルアンモニウムスルホイソフタル酸、2−Naスルホイソフタル酸、5−Kスルホイソフタル酸、4−Kスルホイソフタル酸、2−Kスルホテレフタル酸等のスルホン酸塩基を有するジカルボン酸等のスルホン酸塩基を有するジヒドロキシ化合物等を用いるのが好適である。これらの中でスルホン酸塩基を有するジカルボン酸成分が好ましく、またこれらは2種以上を有することができる。
上記水分散性ポリエステル樹脂を構成する酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4´−ジフェニルジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ダイマー酸等を挙げることができる。これらの成分は2種以上を用いることができる。さらに、これらの成分とともにマレイン酸、フマール酸、イタコン酸等の如き不飽和多塩基酸やp−ヒドロキシ安息香酸、p−(β−ヒドロキシエトキシ)安息香酸等のヒドロキシカルボン酸を小割合用いることができる。
またヒドロキシ化合物成分としては、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、キシリレングリコール、ジメチロールプロピオン酸、グリセリン、トリメチロールプロパン、ポリ(エチレンオキシド)グリコール、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、ビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物等である。
このような成分から成る易接着層19の形成は、その塗液を塗布することによって行なう。易接着層形成の塗液、好ましくは水性塗液には、必要に応じて他の樹脂、帯電防止剤、滑剤、充填剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、界面活性剤、耐熱性および耐ブロキング性を向上させるメラミン、エポキシ、アジリジン化合物等の架橋剤を添加し得る。
塗液の固形分濃度は任意に定められるが、1〜5wt%、好ましくは1〜12wt%である。またWetの塗布料は、とくに限定されないが、走行するフィルム(一軸フィルム)1m当り0.5〜20gが好ましく、さらには1〜10gが好ましく、またDry後の塗布厚みは5〜200nm、さらに10〜100nmが好ましい。
天然の黒鉛を圧延して0.2mmのグラファイトシートを得た。そしてこのようなグラファイトシートを図1に示すように矩形であって所定の寸法に切断し、その上下面にそれぞれ次のようなポリエステルフィルムを接合した。
平均分子量が23000のポリエチレンテレフタレートとフェニルインダンジカルボン酸−テレフタル酸−エチレングリコール−1,4−ブタジオール共重合ポリエステルを2層ダイから共押出しして急冷し、未延伸フィルムとした。そしてこの未延伸フィルムを2段階に延伸してA層が14μmであってB層が1μmのポリエステルフィルム12を得た。
ここでとくにカーボングラファイトシート10よりもポリエステルフィルム12の方がその寸法が一回り大きくなるようにし、これによってカーボングラファイトシート10の側縁部において、ポリエステルフィルム12の周縁部がとくに図3に示すように互いに直接接着層16あるいはB層同士が接合されるようにし、これによってカーボングラファイトシート10の全面を完全に覆うようにした。従ってこのポリエステルフィルム12によって、カーボングラファイトシート10を絶縁体として扱うことが可能になるとともに、カーボングラファイトシート10の表面からのカーボングラファイトの粉末の脱落が防止されることが確認された。
天然のカーボングラファイトを圧延して厚さが0.3mmのカーボングラファイトシート10を得た。そしてこのようなカーボングラファイトシート10を図7に示すような一対のロール21、22間を通すことによって、その表面に長さ方向に多数の筋を形成した。そしてこのような筋付きのカーボングラファイトシートの表面に、図6に示すように、ポリエステルフィルムを被覆した。
ポリエステルフィルムは次のようにして作製した。テレフタル酸−2,6−ナフタレンジカルボン酸−エチレングリコール共重合ポリエステル(A層)とテレフタル酸イソフタル酸−エチレングリコール−ネオペンチルグリコール共重合ポリエステル(B層)を2層ダイから共押出しして延伸した後、210℃で熱処理して積層フィルムを得た。この延伸フィルムはA層が10μmであって、B層が1μmであった。
このようなポリエステルフィルム12によって、カーボングラファイトシート10はその両面が被覆されるとともに、カーボングラファイトシート10の周縁部においては、上記ポリエステルフィルム12のB層が互いに直接接合されてカーボングラファイトシート10を完全に包囲した状態になった。従ってカーボングラファイトシート10を絶縁状態に維持することが可能になるとともに、カーボングラファイトの粉落ちを防止できるようになった。
ジメチル−2,6−ナフタレートとエチレングリコールとを重合し、ポリエチレン−2,6−ナフタレートを得た。そしてこの共重合体のペレットを押出機ホッパに供給し、ダイを用いて未延伸フィルムを得た。
このような未延伸フィルムを一軸で3.5倍に延伸するとともに、その表面に塗布液を塗布した。塗布液はポリエステル水分散体100部に対して架橋アクリル粒子10部および界面活性剤としてポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル14部から成る組成の水系塗液である。このような塗液を塗布した後にステンターに供給し、上記延伸方向とは逆方向に延伸して二軸配向のポリエステルフィルムを得た。
このようなポリエステルフィルムをカーボングラファイトシート10の表面に上記塗布層から成る接着層19によって接合することによって、このカーボングラファイトシート11の全面を包囲した。すなわちカーボングラファイトシート11の周縁部を上記ポリエステルフィルム同士の直接接合によって封入した。
以上本願発明を図示の実施の形態および実施例によって説明したが、本願発明は上記実施の形態および実施例によって限定されることなく、本願発明の技術的思想の範囲内で各種の変更が可能である。
本願発明に係るカーボングラファイトシートは、各種電子機器の半導体素子の放熱装置として広く利用可能である。
ポリエステルフィルムによって封止されたカーボングラファイトシートの斜視図である。 同要部縦断面図である。 同要部拡大断面図である。 ポリエステルフィルムの拡大断面図である。 別のポリエステルフィルムの拡大断面図である。 ポリエステルフィルムによって封止された筋を有するカーボングラファイトシートの平面図である。 カーボングラファイトシートの筋加工を示す要部斜視図である。 カーボングラファイトシートの別の筋加工を示す要部斜視図である。
符号の説明
10 カーボングラファイトシート
11 筋
12 ポリエステルフィルム
15 平坦部
16 接着層(易接着層)
18 ポリエチレンナフタレートフィルム
19 接着層
21、22 ロール
23、24 筋
25 突部

Claims (5)

  1. 面状のカーボングラファイトから成るカーボングラファイトシートにおいて、
    一方の表面に接着層を備えた高分子フィルムを前記接着層を介して前記カーボングラファイトシートの表面に接合したことを特徴とするカーボングラファイトシート。
  2. 前記高分子フィルムが共押出しされた2層のポリエステルフィルムであって、その一方の層がカルボン酸とヒドロキシ化合物から成る接着層であることを特徴とする請求項1に記載のカーボングラファイトシート。
  3. 前記高分子フィルムがポリエチレンナフタレートフィルムであって、その一方の表面に水分散性ポリエステル樹脂のコロイド粒子を含む接着層が形成されることを特徴とする請求項1に記載のカーボングラファイトシート。
  4. 前記カーボングラファイトシートの側縁部において、前記カーボングラファイトシートの両面に接合された高分子フィルムの周縁部が互いに接着層によって直接接合されることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れかに記載のカーボングラファイトシート。
  5. 前記カーボングラファイトシートの表面に所定の方向に延びる筋が形成されることを特徴とする請求項1〜請求項4の何れかに記載のカーボングラファイトシート。
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