JP2009110988A - フレキシブルプリント配線板、それを用いたインレットシート、rfidメディア及びその製造方法 - Google Patents

フレキシブルプリント配線板、それを用いたインレットシート、rfidメディア及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】RFIDメディアに用いるに好適なFPCを提供し、また生産速度と不良品発生率、電気的品質、製品外観を改善したRFIDメディア及びその製造方法を提供する。
【解決手段】共押出しにより熱接着層及び基材層を形成した二軸延伸ポリエステルフィルムと、熱接着層を介して該二軸延伸ポリエステルフィルム表面に接着された金属箔からなる積層体をエッチング処理して製造されたフレキシブルプリント配線板において、二軸延伸ポリエステルフィルムの基材層が200〜300℃に融点を有し、熱接着層がワックスを含有するポリエステル樹脂からなること特徴とするフレキシブルプリント配線板。
【選択図】なし

Description

本発明は、フレキシブルプリント配線板及びそれを用いたインレットシートとRFIDメディアに関するものである。また、RFIDメディアの製造方法に関するものである。
近年、ICチップを内蔵したカードやタグによる情報の管理運用システム(RFIDシステム)が普及している。これらに用いられるRFIDメディアは一般に「ICカード」や「ICタグ」と呼ばれ、従来の印刷・筆記式、磁気記録式のカード・タグなどに比べて、多量の情報を記録・保持できる点で有用であることから、人や物品の各種情報を管理運用する諸分野で活用されている。
RFIDメディアを構成するプラスチック材料として、従来はポリ塩化ビニル(PVC)を用いることが主流であった。しかしながら、近年、環境保護の観点からハロゲン元素を用いない代替素材の要望が高まり、その素材はポリエステル系樹脂に主流が代わってきている。ポリエステル系樹脂からなるシート又はフィルムとしては、非晶性でPVCに近い加工特性を有する点から1、4−シクロヘキサンジメタノールを共重合成分として含む共重合ポリエステル(PETG)からなる無配向シート、あるいは、汎用性の点から二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムが主に用いられている。
[従来技術の問題点]
これらのシートやフィルムを用いてRFIDメディアを製造するにおいては、シートやフィルムの表面にICチップやアンテナ回路などを配したインレットシートの片面又は両面に別のシートやフィルムを配し、その間にホットメルト接着剤などを挟んで熱プレスを行うことで、溶融接着させて積層体を得ている。しかし、この製造方法においては生産性や製品の性能の面で解決しがたい幾つかの問題を抱えている。
最も重要な問題点は生産性(生産速度)である。つまり現行の製造方法がICカードを数枚ないし数十枚を重ねていちいちプレスして製造する工程ゆえに、単位時間当たりに製造できる数量が限られるという問題である。この問題に対しては、一回のプレスで積層するセット数を増やしたり、プレスの判を大きくしたりすることで一応の改善が図られているが、これによって向上できる生産性は高々現状の数倍から十倍程度であり、今後予想されるRFIDメディアの爆発的な普及に対応することは恐らく困難である。
また、生産性においては、プレス面全体で均一な圧力や温度を加えることがプレスという設備・工程の性質上困難であり、不良品の発生率を著しく低減するのが困難という問題点もある。この問題に対しては、電気回路の設計上の工夫や耐熱性の向上などによって一応の改善が図られているが、今後予想される高機能化すなわち回路の微細化や複雑化に対応することが恐らく困難である。
また、製品の性能における問題点の一つは、個々のRFIDメディアにおいて、アンテナの利得ひいては通信可能距離にバラつきが生じるという問題である。これは現行の製造方法が接着剤を用いて熱プレス接着する方法であるがゆえに、接着剤層の厚みを厳密に制御するのが困難であり、プレスのロット内もしくはロット間でバラつきを生じるものである。非接触方式で識別されるRFIDメディアは、その内部に有するアンテナやコイルが外部の読み取り装置との間で電気的な交信を行うことで識別される。アンテナやコイルのごく近傍の空間を占める素材の誘電率や誘電損失は、これらの電気的特性を決定的に支配する要因であるため、接着層の厚みにバラつきが生じることは製品の性能にバラつきを生じさせる決定的要因となる。
本発明では、前述の三つの問題(生産速度、不良率、品質のバラつき)を改善したRFIDメディアを製造するため、その部材として好適なフレキシブルプリント配線板(以下、FPCと略する場合もある)とインレットシートを提案し、これを用いて構成するRFIDメディア及びその製造方法を提案する。
[基材の改善に関する従来技術]
本発明のFPCに関連する従来技術としては、以下のような技術が開示されている。
(1)表面がアモルファスポリエチレンテレフタレートを含む基材とこれに接触して形成された金属パターンからなるICカード用アンテナコイル構成体。(例えば、特許文献1を参照)
(2)塩化ビニル樹脂を含む基材とこれに接触して形成された金属パターンからなるICカード用アンテナコイル構成体。(例えば、特許文献2を参照)
(3)ポリエステル樹脂フィルムに金属箔を積層してなるICカード用基板。(例えば、特許文献3を参照)
(4)ポリエステル樹脂フィルムの表面に、共押出しによって熱接着層を積層した熱接着性ポリエステルフィルム。(例えば、特許文献4、5を参照)
特開2004−46362号公報 特開2004−46360号公報 特開2002−270975号公報 特開2006-327190号公報 特開2006−327191号公報
これらの文献においては、接着剤を用いることなくRFIDメディアを効率よく製造する方法が一応開示されている。
しかしながら、特許文献1及び3に記載の発明では基材としてアモルファスのポリエチレンテレフタレートフィルムを用いるか、もしくは二軸延伸ポリエステルフィルムを溶融温度まで再加熱することで非晶化させて金属箔と接着している。このため、これら発明の構成体・基板は実質的に非晶質の基材となっている。基材が非晶質であると、後工程のRFIDメディア製造工程で高温を加えた際に軟化して変形するため、張力を加えて連続的にラミネートするのは困難である。またそれによって製造されるRFIDメディアの耐熱性も不十分なものである。
また、特許文献2に記載の発明はPVCより構成するものであり、環境適性の上で好ましくないものである。
また、特許文献4及び5の発明では、耐熱性と熱接着性を両立させたRFID用ポリエステル基材が開示されているが、金属箔を積層してエッチングし、アンテナ回路用FPCとして用いることについては検討されていなかった。これらのポリエステル基材については、その表面に金属箔を熱ラミネートしてエッチングし、FPC回路を形成することが一応可能である。しかし、一般に金属箔の表面はプラスチック樹脂からなる基材表面に比べて著しく平滑であるため、これらのポリエステル基材に金属箔をラミネートした場合には、接着面の空気抜けや滑り性が不十分となり、接着力の低下やシワの発生を生じる場合があった。
つまり従来技術においては、接着剤を用いずに連続ラミネート工程でFPCを製造し、これを用いて連続工程でRFIDメディアを製造するのに適した基材は開示されていなかった。
[製造方法の改善に関する従来技術]
本発明に関連するRFIDメディアの製造方法として、以下のような従来技術が開示されている。
(5)ロール状素材に配線を印刷してICを積載するICタグロールの製造方法(例えば、特許文献4を参照)
(6)ロール状のICカード材料を用いたICカードの製造方法(例えば、特許文献5を参照)
(7)二本のベルトの間にプラスチックシートを供給して加熱ロールで熱した後に、液状オイルを圧媒とする連続プレス工程で接着させるICカードの製造方法(例えば、特許文献6を参照)
(8)上下のラミネートフィルムをラミネートロールで接着するICカードの製造方法(例えば、特許文献7を参照)
(9)回路モジュールの表面に接着剤を介してカバーシートを接着し、低温・低圧でロールプレスしたのち、高温・高圧で静圧プレスするICカードの製造方法(例えば、特許文献8を参照)
(10)接着剤として紫外線硬化型樹脂を使用し、ロール加圧によって接着剤層を平坦化した後に紫外線照射して接着剤層の厚みが均一なICカードを製造する方法(例えば、特許文献9を参照)
(11)ロール状のシート材に反応型接着剤を塗布してICチップを封入した後にシート材で挟み込み、接着剤を反応・硬化させるICカードの製造方法(例えば、特許文献10を参照)
(12)ICカード基盤表面に軟化温度が低い樹脂層を予め被覆してから、プラスチックフィルムや接着剤層を積層するICカードの製造方法(例えば、特許文献11を参照)
特開2005-259091号公報 特開2001−229361号公報 特開平10−217658号公報 特開平8−216574号公報 特開2000−57295号公報 特開平10−175388号公報 特開2005−332384号公報 特開平11−111743号公報
これらの文献においては、連続的な製造工程においてRFIDメディアを製造する方法が一応開示されており、生産性を向上する製造方法は一応示されている。
しかしながら、特許文献4の方法ではフィルムなどを積層してこれらを製造する方法が検討されておらず、特許文献6及び9、10の方法では結局プレス工程によって製造するために生産性の向上及び不良率の軽減が十分図られず、特許文献5及び7〜11の方法では結局接着剤を用いるため接着剤層の厚みムラを改善することが困難であり、生産速度と不良率、品質のバラつきを全て改善できる技術は提案されていなかった。
つまり、従来技術においては、共押出しによって予め接着剤層を形成したウェブ状の二軸延伸ポリエステルフィルムを用い、プレス工程を有しないラミネートロール接着工程によって接着剤を用いずに製造することによって、生産速度と不良率、品質のバラつきを全て改善できるRFIDメディアの製造方法は開示されていなかった。また、共押出しによって接着剤層を形成することで接着剤層の厚みを均一化させてRFIDメディアの誘電特性を改善する技術や、プレス工程を経ないラミネート接着工程によって不良率を改善する技術は記載も示唆もされておらず、その製造方法における生産速度と不良率、品質のバラつきを全て改善できる技術は提案されていなかった。
本発明の目的は、RFIDメディアに用いるに好適なFPCを提供することであり、生産速度と不良品発生率、電気的品質、製品外観を改善したRFIDメディア及びその製造方法を提供することである。
上記の課題を解決することができる本発明は、以下の構成からなる。
[1]共押出しにより熱接着層及び基材層を形成した二軸延伸ポリエステルフィルムと、熱接着層を介して該二軸延伸ポリエステルフィルム表面に接着された金属箔からなる積層体をエッチング処理して製造されたフレキシブルプリント配線板において、二軸延伸ポリエステルフィルムの基材層が200〜300℃に融点を有し、熱接着層がワックスを含有するポリエステル樹脂からなること特徴とするフレキシブルプリント配線板。
[2]二軸延伸ポリエステルフィルムの基材層が、その内部に白色顔料及び/又は微細空洞を含有する白色ポリエステルフィルムであることを特徴とする[1]に記載のフレキシブルプリント配線板。
[3]熱接着層が、非晶性ポリエステル樹脂Aとこれに非相溶な熱可塑性樹脂B及びワックスの混合物からなることを特徴とする請求項1又は2いずれかに記載のフレキシブルプリント配線板。
[4]
熱接着層が以下(1)〜(4)の全ての特徴を有する請求項1〜3いずれかに記載のフレキシブルプリント配線板。
(1)非晶性ポリエステル樹脂Aのガラス転移温度が50〜95℃。
(2)熱可塑性樹脂Bが、融点が50〜180℃の結晶性樹脂、又はガラス転移温度が−50〜150℃の非晶性樹脂、それらの混合物。
(3)熱接着層中に熱可塑性樹脂Bを1〜30質量%含有。
(4)熱接着層の厚みが5〜30μm。
[5][1]に記載のフレキシブルプリント配線板のエッチング処理によって露出した熱接着層を介して更に樹脂からなる別のフィルムを接着して積層したフレキシブルプリント配線板。
[6][1]〜[5]のフレキシブルプリント配線板に集積回路を配したRFIDメディア用インレットシート。
[7][6]のインレットシートを用いて構成したRFIDメディア。
[8]ロール状に巻き取られたウェブ状フィルムと金属箔を巻き出しながら連続で熱ラミネートする工程を有したフレキシブルプリント配線板の製造方法において、ウェブ状フィルムとして共押出しによって形成されたワックスを含有するポリエステル樹脂からなる熱接着層を200〜280℃に融点を有するポリエステル基材層に形成した二軸延伸ポリエステルフィルムを用いることを特徴とするフレキシブルプリント配線板の製造方法。
[9]
ロール状に巻き取られた複数のウェブ状フィルムとフレキシブルプリント配線板又はインレットシートを巻き出しながら連続で熱ラミネートする工程を有するRFIDメディアの製造方法において、[1]〜[6]いずれかに記載のフレキシブルプリント配線板又はインレットシートを用いることを特徴とするRFIDメディアの製造方法。
[10]アンテナ回路を[1]〜[6]いずれかに記載のフレキシブルプリント配線板又はインレットシートの二軸延伸ポリエステルフィルム熱接着層面に配したことを特徴とする[9]に記載のRFIDメディアの製造方法。
本発明のFPC及びインレットシート、RFIDメディアの製造方法を用いることにより、従来の製造方法では達成できていなかった、高い生産性と低い不良率、電気的品質のバラつきの低減が可能である。
[主たる構成と作用効果]
本発明のFPCは、基材として予め熱接着層を設けた二軸延伸ポリエステルフィルムを用いるため、熱ラミネート加工やその前工程において接着剤層を塗布したり、積層したりする必要がなく、製造工程を簡略化することができる。
また、本発明のFPCは、熱接着層によりフィルム表面に接着された金属箔をエッチング処理して製造するため、エッチングによって金属箔が除かれた部位が再び熱接着層として機能する。よって、これを他の樹脂フィルムなどに積層してRFIDメディアやフラットケーブルなどを製造する際に改めて接着剤を塗布する必要がなく、生産工程を簡略化できる。
また、本発明のFPCでは、二軸延伸ポリエステルフィルムの特徴であるポリエステル分子の配向結晶構造を維持したまま(ポリエステルフィルムの融点を200〜300℃に維持したまま)金属箔を接着して製造されているため、力学強度や耐熱性に優れており、ウェブ状フィルムとして、熱ラミネート工程に連続供給することが可能である。また、加工後のICカード又はICタグの熱変形を実用上問題ない範囲まで改善することができる。
また、本発明の熱接着層は共押出しによって予め設けられていることから、ウェブ状フィルムを延伸して製造する際にともに延伸配向される。このため熱接着層の厚みは押出しラミネートや溶液塗布などによる加工に比べて優れて均一であり、ICカードやICタグのアンテナ回路の近傍に配置された際には、その誘電特性のバラつきの発生を防ぎ、すなわち通信距離のバラつきを軽減することが可能である。また、延伸配向された熱接着層は、非晶質であっても分子が配向されていることから強固な接着層であり強い接着性を発揮する。
また、本発明のFPCで用いる二軸延伸ポリエステルフィルムは、ハロゲンを含有しない結晶性ポリエステル樹脂からなる。そのためRFIDメディアに用いた際の環境適性に優れるほか、耐熱性、耐薬品性に優れている。
また、本発明のFPCで用いる二軸延伸ポリエステルフィルムでは、その接着層に適量のワックスを含有している。これにより滑り性が改善し、金属箔を熱接着する際のシワが発生を低減できる。また必要な接着強度を得ることができる。
本発明の製造方法では、プレス工程に拠らずウェブ状フィルムを連続で熱ラミネートしてRFIDメディアを製造するため、現在広く行われているシートごとのプレス加工に比べて、飛躍的に生産速度を向上することができる。
また、本発明の製造方法では、ウェブ状フィルムとして二軸延伸ポリエステルフィルムを用いるため、高い温度でのラミネート加工が可能であり、耐熱性に劣る非晶性樹脂製の未延伸シートに比べて格段に高速での量産加工が可能である。
また、本発明の製造方法では、加熱されたロールによって連続でラミネート加工するため、接着加工される面全体の温度や圧力の分布を均一に調整することが容易である。温度や圧力の分布を均一化することが機械的精度によって制限され、またプレス処理のたびに温度や圧力を再調整する必要がある従来の工程に比べて、ICチップや電気回路の熱的・機械的ダメージの発生頻度を軽減することができる。
[その他の構成と作用効果]
本発明のFPCで用いる二軸延伸ポリエステルフィルムでは、空洞含有ポリエステルフィルムを製造する公知技術によって、フィルム中に微細空洞を多数含有させることができる。これは、従来のPVCやPETGシートでは困難であった技術である。これによって、熱接着性ポリエステルフィルムの見かけ密度、すなわち空洞含有量ひいてはフィルムのクッション性や柔軟性をRFIDメディアに用いるにおいて適切な範囲に調節することができる。
フィルム中に微細空洞を適度に含有させることは、RFIDメディアに軽量性や柔軟性、クッション性、筆記性を付与するために有効である。また、空洞含有ポリエステルフィルムを材料として用いたRFIDメディアは比重が軽く、水中や海中に落としても直ぐに沈まない。そのため、メディアを遺失する事故を多くの場合において回避することができる。
また、空洞含有ポリエステルフィルムは、空洞を含有しないポリエステルフィルム又はシートに比べて見掛けの誘電率が低い。そのため、HF帯ないしSHF帯の高周波による通信において誘電損失が少ない。すなわち、空洞含有ポリエステルフィルムを材料として用いたRFIDメディアは利得が高く、通信精度や通信距離、省電力化において有効である。
また、本発明のFPCで用いる二軸延伸ポリエステルフィルムは、非晶性ポリエステル樹脂を主体とした適度の厚みの熱接着層を有する。そのため熱接着工程によって、エッチングされた金属箔(アンテナ回路)が熱接着層に埋没して凹凸が軽減され、RFID製品の外観や収率を向上することができる。
また、本発明のFPCで用いる二軸延伸ポリエステルフィルムは、その表面に非晶性ポリエステル樹脂とこれに非相溶である熱可塑性樹脂及びワックスの混合物からなる熱接着層を有する。このため、エッチング処理によって金属箔を取り除いて露出した熱接着層は静摩擦係数が0.1〜0.6であり、インレットシートを製造する際、及びインレットシートを用いてRFIDメディアを製造する際のブロッキングを改善することができる。
また、この非晶性ポリエステル樹脂の熱可塑性樹脂の添加量やガラス転移温度、融点を適切な範囲に調整することによって、熱接着性を阻害することなく摩擦係数の低減や空気抜けの促進を図り、接着後の外観や製品の収率を向上することができる。
また、本発明のFPCで用いる二軸延伸ポリエステルフィルムの熱接着層において、熱可塑性樹脂によって形成された突起は、大突起であっても脱落することがほとんどなく、工程の汚染を引き起こす恐れが小さい。また、低い熱接着温度によっても、熱接着する際には軟化変形して平坦化するため、従来のような大粒径の無機・有機粒子を添加した際に生じたような熱接着性の低下を生じない。また、無機・有機粒子に比べて変形の尤度も大きいため、フィルムの強度低下を生じる懸念も小さい。
また、本発明で用いる熱接着性ポリエステルフィルムでは、RFIDメディアの構成材料として用いる際に必要な平面性を得ることができる。これは、熱接着層の厚みとウェブ状フィルムの厚みを調整し、またフィルムの表裏における熱収縮率や線膨張係数を適切な範囲に制御することによって、後加工工程などで生じるカールを減じたためである。
さらに、本発明で用いる二軸延伸ポリエステルフィルムは、RFIDメディアの外装や中間層を構成するのにも好適である。これを外挿や中間層として使用することによって、必要な電気部品・回路を確実に内包することができる。これは、本発明が、熱接着加工時に適度に軟化して変形する熱接着層を有し、またそれを阻害しない、融点やガラス転移温度を有するポリマーを熱接着層において島成分(粒子状の分散体)として含有させているためである。つまり、本発明で用いる二軸延伸ポリエステルフィルムが、滑り性を維持しながら、ICチップや金属箔回路などの凹凸を確実に吸収する賦形性を有するためである。
本発明のFPCでは、共押出しにより予め熱接着層を形成した二軸延伸ポリエステルフィルムと、熱接着層を介してフィルム表面に接着された金属箔からなる積層体をエッチング処理して製造されたFPCにおいて、二軸延伸ポリエステルフィルムの基材が200〜300℃に融点を有し、熱接着層がワックスを含有する。
また、本発明のFPCでは、エッチング処理によって露出した熱接着層により樹脂フィルムを接着して積層されていることがより好ましい実施形態である、
また、本発明のFPCでは、二軸延伸ポリエステルフィルムが、その内部に白色顔料又は微細空洞を含有する白色ポリエステルフィルムであることがより好ましい実施形態である。
また、本発明のFPCでは、二軸延伸ポリエステルフィルムの熱接着層は、ワックスを含有するポリエステル樹脂からなる。ポリエステル樹脂は非晶性ポリエステルであることが好ましい。さらに好ましくは、二軸延伸ポリエステルフィルムの熱接着層は、非晶性ポリエステル樹脂Aとこれに非相溶な熱可塑性樹脂B、及びワックスの混合物からなり、二軸延伸ポリエステルフィルムの表裏両面を重ね合わせて測定した静摩擦係数が0.1〜0.6であることがより好ましい。また、FPCをエッチング処理で金属箔を除去したフィルムの表裏両面を重ね合わせて測定した静摩擦係数が0.1〜0.6であることがより好ましい。
また、本発明のFPCでは、二軸延伸フィルムに設けられた熱接着層について、その厚みが5〜30μmが好ましく、ガラス転移温度が50〜95℃の非晶性ポリエステル樹脂Aとこれに非相溶な熱可塑性樹脂Bの混合物からなり、熱可塑性樹脂Bは、(a)融点が50〜180℃の結晶性樹脂、(b)ガラス転移温度が−50〜150℃の非晶性樹脂、又は(c)それらの混合物であり、熱接着層中に1〜30質量%含有されていることがより好ましい実施形態である。
また、本発明のRFIDメディア用インレットシートでは、上記のFPCにICを配したものであることが好ましい実施形態である。
また、本発明のRFIDメディアは、上記のインレットシートを用いて構成されることが好ましい実施形態である。
また、本発明のRFIDメディアの製造方法では、ロール状に巻き取られた複数のウェブ状シートを巻き出しながら積層して連続で熱ラミネートする工程を有するRFIDメディアの製造方法において、ウェブ状フィルムとして上記のFPC又はインレットシートを用い、プレス工程を有しないラミネートロールを用いる接着工程によって製造することがより好ましい実施形態である。
また、本発明のRFIDメディアの製造方法では、アンテナ回路に隣接する層として接着剤層を配しないことがより好ましい実施形態である。
以下に、本発明の実施形態について、詳細に説明する。
[フレキシブプリント配線板]
本発明のFPCは、共押出しにより予め熱接着層を形成した二軸延伸ポリエステルフィルムと、熱接着層によりフィルム表面に接着された金属箔からなる積層体をエッチング処理して製造されたFPCであり、エッチング処理した後の二軸延伸ポリエステルフィルムの融点が200〜300℃に観測されるものである。
ここで用いる金属箔の素材としては、銀や銅、金、アルミニウムなどの電気抵抗の小さな金属を用いることができるが、エッチング処理によって回路を形成することから、エッチングが容易な銅又はアルミニウムが好ましく用いられる。また金属箔の厚みについては特に制限されるものではないが、FPC製造工程での作業性や工程安定性、電気的性能、コストの観点から、5〜100μmであることが好ましく、10〜50μmであることがより好ましい。また、金属箔(アンテナ回路)の凹凸を吸収するという観点からは、15〜60μmであることが好ましい。
この金属箔を二軸延伸ポリエステルフィルムに接着させる方法は、熱接着による方法である以外に特段限定されるものではないが、通常幅広く用いられる方法としてヒートプレスによる熱プレス接着や加熱ロールによる熱ラミネート接着を用いることができる。熱プレス接着では高い圧力を加えることによって、厚い金属箔でも確実に接着できるという利点があるが、生産速度向上や不良率低減に限界があるため、熱ラミネートによって接着することがより好ましい。
この金属箔をエッチング処理して回路を形成する方法は、金属箔と接着した二軸延伸ポリエステルフィルムやその熱接着層の機能を損なう著しい損傷を与えない方法であれば、特に限定されるものではない。例えば、金属箔として銅箔やアルミニウム箔を用いる場合には、塩化第二鉄水溶液を用いた公知の方法を用いることができる。
また、本発明では、FPCとして加工された後に二軸延伸ポリエステルフィルムが200〜300℃の範囲において融点を示す必要がある。二軸延伸ポリエステルフィルムを用いて製造された従来公知のFPCは、金属箔を熱ラミネート接着するために、基材を構成するポリエステル樹脂の融点を超える温度まで加熱して接着されたものである。
これら従来のFPCは接着性において十分な性能を発揮するものの、基材のポリエステルフィルムが実質的に非晶化されていることから、FPCを使用してRFIDを製造する工程あるいはRFIDやFPCの製品として使用される場合での耐熱性が不十分である。すなわち、後工程でロールから巻き出して別の樹脂シートなどと積層する場合に基材が軟化して十分な張力を加えることが困難であったり、RFIDやFPCとして使用する際の環境温度によって変形を生じたりする場合がある。
二軸延伸ポリエステルフィルムがFPCとして加工された後に200〜300℃の融点を示す場合、より好ましくは250〜300℃の融点を示す場合には、二軸延伸フィルム本来の配向結晶化構造が十分に保たれており、耐熱性の不足に起因するこれらの問題を防ぐことができる。融点を上記の範囲とすることは、二軸延伸ポリエステルフィルムとして、ポリエチレンテレフタレート樹脂又はポリエチレンナフタレート樹脂、ポリトリメチレンテレフタレート樹脂及びこれらを基本骨格とする共重合ポリエステル樹脂からなる二軸延伸ポリエステルフィルムを用い、これをFPCとして加工する際に融点以上の温度に加熱しないことによって可能である。
また、本発明のFPCでは、エッチング処理によって金属箔が取り除かれた部分に熱接着層が露出する。この露出した熱接着層は熱接着性を維持しているため、接着剤を用いずに他の樹脂シートやフィルムと熱接着してFPCやインレットシート、RFIDメディアを構成することができる。こうして構成された製品では接着剤を用いていないことから、電気特性つまり誘電率や誘電損失のバラつきを低減することができる。
露出した熱接着層によって樹脂シートやフィルムを接着して積層した場合、その接着強度は1〜50N/cmであることが好ましく、3〜20N/cmであることが好ましい。接着強度がこの範囲に満たない場合には、FPCやRFIDメディアなどの製品として使用した際に、屈曲や摩擦などによって剥離を生じて製品が破壊されることがあり好ましくない。また、この範囲を超えた場合においては特段の問題を生じないが、そもそも基材自身の強度を超える接着力であり、過剰品質となるため好ましくない。
なお、接着強度をこの範囲に調整する方法としては、熱接着層を後に述べるような適切な設計にするほか、熱接着時の温度を90〜200℃、好ましくは130℃〜180℃の範囲で調節することによって可能である。
また、本発明のFPCでは、表裏両面を対向して重ねあわせた際の静止摩擦係数が0.1〜0.6であることが好ましく、0.3〜0.5であることがより好ましい。静止摩擦係数がこの範囲に満たない場合には、滑り性が高すぎるために、FPCを積み重ねて保管した際やロールとして巻き取った際に荷崩れや巻きズレを起こしてハンドリングが困難になる。また静止摩擦係数が上記の範囲を超えた場合には、断裁したFPCを枚葉で取り扱う際やロールに巻き取る際にブロッキングを生じることがある。
[インレットシートとRFIDメディア]
インレットシートとは、フィルム基材の表面に金属などの導体で形成されたアンテナ回路と、これに接続されたコンデンサーやICなどからなるRFIDメディア製造のための中間製品である。
本発明のインレットシートは、本発明のFPCをアンテナ回路としてこれに上記のような電子部品を配したものである。その構成については特に限定されるものではないが、その少なくとも片側表面に熱接着層が露出したものであることが好ましい。この露出した熱接着層は熱接着性を維持しているため、接着剤を用いずに他の樹脂シートやフィルムと熱接着してRFIDメディアを構成することができる。こうして構成された製品では接着剤を用いていないことから、電気特性つまり誘電率や誘電損失のバラつきを低減することができる。
露出した熱接着層によって樹脂シートやフィルムを接着して積層した場合、その接着強度は1〜50N/cmであることが好ましく、3〜20N/cmであることが好ましい。接着強度がこの範囲に満たない場合には、FPCやRFIDメディアなどの製品として使用した際に、屈曲や摩擦などによって剥離を生じて製品が破壊されることがあり好ましくない。また、この範囲を超えた場合においては特段の問題を生じないが、そもそも基材自身の強度を超える接着力であり、過剰品質となるため好ましくない。
なお、接着強度をこの範囲に調整する方法としては、熱接着層を後に述べるような適切な設計にするほか、熱接着時の温度を90〜200℃、好ましくは130℃〜180℃の範囲で調節することによって可能である。
また、本発明のRFIDメディアは、本発明のインレットシートを用いたものであれば特に限定されないが、本発明のインレットシートに他の樹脂シート又はフィルムを積層して接着したものである。積層する樹脂シート及びフィルムは特に限定されないが、環境適性の観点から、ポリエステル系樹脂からなるシート又はフィルムであることが好ましく、耐熱性や耐薬品性、機械的強度などの観点から二軸延伸ポリエステルを用いることがより好ましく、その内部に白色顔料又は微細空洞を含有させた白色ポリエステルフィルムであることがさらに好ましい。
白色ポリエステルフィルムを積層して用いることは、RFIDメディアの隠蔽性や白色性を改善することが可能であり好ましい実施形態である。これによって、表面に印刷を施した場合には美麗なメディアを製造することが可能である。また、内蔵する電子部品や電気回路を隠蔽することでセキュリティーを強化することが可能である。
また、内部に微細空洞を含有させたフィルムを用いることは、最も好ましい実施形態である。微細空洞の効果によって、RFIDメディアにクッション性を与えて内部の回路を保護できるほか、RFIDがしなやかになって取り扱い性を向上させることができる、カードにサインなどを記入する場合の筆記性に優れる、誘電率と誘電損失を低減させてRFIDの通信可能距離を大きくさせることができるなど、多くの利点を得ることができる。
また、二軸延伸ポリエステルフィルムを熱接着によって積層する場合、表面に接着性改善層を有するフィルムを用いることが接着強度向上のために有効である。
[フィルムの構成]
本発明のFPCにおいては、共押出しにより予め熱接着層を形成した二軸延伸ポリエステルフィルムを用いることを特徴とする。この二軸延伸ポリエステルフィルムについて詳述する。
本発明で用いる二軸延伸ポリエステルフィルムは、基材とその基材の片面又は両面に熱接着層が積層された構成からなる。基材としては、二軸延伸ポリエステルフィルムを用いることが、環境適性(ハロゲン化合物を含まない)のほか、耐熱性や耐薬品性、強度、剛性などの点から重要である。これによって、従来使用されてきた無配向のPVCシートやPETGシートなどに比べ、これらの特性が飛躍的に向上する。
また、本発明で用いる二軸延伸ポリエステルフィルムは、その片面又は両面に熱接着層を有することが肝要である。ここでいう熱接着層とは、加熱条件下において、ICカード又はICタグを構成するプラスチックフィルム又はシート、金属膜、これら表面に形成された各種塗布層と熱接着が可能な層である。この熱接着層を基材に積層することで、従来のICカード又はICタグの素材であるPVCやPETGなどと同様の熱接着性を付与することができる。
この熱接着層の厚みは一層あたり5μm以上かつ30μm以下とすることが重要である。熱接着層の厚みが5μm未満の場合、熱接着性と凹凸吸収性が不十分となる。一方、熱接着層の厚みが30μmを超える場合には、従来のPETGシートを材料として用いたカードと同様に、耐熱性や耐薬品性が低下する。熱接着層の厚みの下限は、8μmが好ましく、10μmがより好ましい。一方、熱接着層の厚みの上限は、25μmが好ましく、20μmがより好ましい。
熱接着層を基材の表面に設ける手段としては、溶融させた原料を押出して未延伸シートを製造する工程において、2種類の樹脂を溶融状態で積層して押出す方法、いわゆる共押出し法を用いる。この方法によって積層した熱接着層は平面内の各部における厚みの変動が小さいため、接着剤などによる接着層に比べて各部位における誘電特性のバラつきが小さく、これを用いて製造されたFPCやRFIDメディアの電気的特性、ひいてはもれ電流の現象や通信距離の向上を図ることができる。
また、本発明で用いる二軸延伸ポリエステルフィルムにおいて、基材の両面に熱接着層を設けることが、フィルムのカールを抑制する点から、好ましい実施の形態である。本発明において、熱接着層は主として非晶性樹脂から構成され、結晶性ポリエステル樹脂を主体とする基材とは熱膨張係数が大きく異なる。このため、基材の片面のみに熱接着層を設けた場合、加工条件や使用条件によってはバイメタルのようにカールする場合があり、平面性やハンドリング性の不良が懸念される。
基材の両面に熱接着層を設ける場合、表裏の熱接着層の厚み比率は0.5以上かつ2.0以下であることが好ましい。この範囲を外れる場合には、上記の理由によってカールが発生する場合がある。なお、カールが発生した場合においても、無荷重の状態で110℃、30分間の加熱処理をした後のカール値が5mm以下であればハンドリング性に実質的な支障は生じない。より好ましくは、カール値が3mm以下であり、特に好ましくは1mm以下である。
また、カールを抑制するもう一つの方法としては、フィルムの表面と裏面に与える温度や熱量に積極的に差をつけ、結果としてカール値をゼロに近づける方法がある。具体的には、縦延伸や横延伸などの延伸工程及び熱固定工程で、フィルム表裏の温度又は熱量を異なる値とすることによって、フィルムの表面と裏面の配向度を独立して制御し、フィルムの表面と裏面の構造や物性をバランスさせる。その結果、カールを低減させることができる。この方法を用いる場合、フィルムを縦延伸する工程の加熱・冷却過程において、フィルムの表面と裏面を加熱するロールや赤外線ヒーターの温度を調整することは容易であり、好ましい方法である。
また、本発明で用いる二軸延伸ポリエステルフィルムは、フィルム全体の厚みが25μm以上かつ350μm以下であることが好ましい。フィルム全体の厚みの下限は38μmがより好ましく、50μmがさらに好ましい。またフィルム全体の厚みの上限は、280μmがより好ましく、200μmがさらに好ましい。フィルム全体の厚みが25μm未満の場合には、機械強度や取り扱い性、FPCやRFIDメディア製造時の工程安定性が不十分となるため好ましくない。一方、フィルム全体の厚みが350μmを超える場合には、RFIDメディアの標準的な厚み(例えば、JIS規格におけるICカードは0.76mm)の中で、他のシートやフィルム、電気回路との組み合わせが制限されるため好ましくない。
また、本発明で用いる二軸延伸ポリエステルフィルムでは、熱接着性や滑り性をより改善するために、あるいは帯電防止性などの他の機能を付与するために、フィルムの表面に塗布層を設けることも可能である。塗布層を構成する樹脂や添加剤としては、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステルウレタン樹脂、アクリル系樹脂など、通常のポリエステルフィルムの接着性を向上させるために用いられる樹脂、あるいは帯電防止性を向上させる帯電防止剤などが挙げられる。これらの樹脂や添加剤の中から好ましいものを選ぶ目安としては、本発明で用いる二軸延伸ポリエステルフィルムと、それに積層する材料に対して親和性が高いことが好ましい。具体的には、表面張力や溶解度パラメーターが近い樹脂や添加剤を選ぶことが好ましい。ただし、硬化性の樹脂など塗布した場合には、本発明の重要な効果である熱接着性に支障をきたす恐れもあり、材料の選択に注意が必要である。
塗布層を設ける方法としては、グラビアコート方式、キスコート方式、ディップ方式、スプレイコート方式、カーテンコート方式、エアナイフコート方式、ブレードコート方式、リバースロールコート方式など通常用いられている方法が適用できる。塗布する段階としては、フィルムの延伸前に塗布する方法、縦延伸後に塗布する方法、配向処理の終了したフィルム表面に塗布する方法などのいずれの方法も可能である。
[熱接着層]
本発明のFPCにおいては、基材として共押出しにより予め熱接着層を形成した二軸延伸ポリエステルフィルムを用いることが重要であり、この熱接着層にはワックスを含有していることが重要である。
このワックスとしては、ポリオレフィン系樹脂やポリエステル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂などからなる合成高分子系のワックスのほか、モンタンワックスなどの天然鉱物系ワックス、カルバナワックスなどの植物系のワックスを用いることが可能であるが、ポリエステル樹脂とともに加工されることから耐熱性を有することが重要である。なかでも好ましく用いられるのは合成高分子系ワックスであり、軟化温度や表面張力、取り扱い性などの観点から、ポリオレフィン系ワックスがより好ましい。
ここで、熱接着層にワックスを含有させる方法としては、上記のようなワックスを直接添加するほか、ポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂、ポリエチレングリコール樹脂などの樹脂成分を添加することで、結果的に該樹脂中に含有する低分子量成分をワックスとして含有させることも可能である。ワックスを含有させる適量はその種類によっても異なるため、一概に限定することは困難である。例えば、ポリオレフィン系ワックスやポリエチレングリコール樹脂を用いる場合には、熱接着層に対して0.03〜3質量%が好ましく、0.1〜0.8質量%がより好ましい。また、ポリエチレン樹脂を添加して、その低分子量成分をワックスとして利用する場合には、ポリエチレン樹脂として1〜20質量%添加することが好ましく、3〜10質量%添加することがより好ましい。その他のワックスでの適切な添加量は、フィルム表面をアセトンで十分に清拭した際に静止摩擦係数が0.1〜0.5程度増加するような添加量を目処に設計することが可能である。
また、ワックスとしては融点が40〜150℃のものを用いることが好ましく、50〜120℃のものがより好ましい。融点がこの範囲に満たない場合、溶融押出しの工程が不安定になったり、熱劣化物を生じやすくなったり、フィルムの表面にブリードして析出するため好ましくない。また融点がこの範囲を超えた場合、摩擦を減じる効果が低下したり、熱接着性を阻害したりするため好ましくない。
また、熱接着層は融解熱量が20mJ/mg以下の非晶性ポリエステル樹脂Aを主たる構成成分とすることが好ましい。ここで融解熱量は、JIS−K7122に記載の「プラスチックの転移熱測定方法」にしたがって、DSC装置を用いて、窒素雰囲気下、10℃/分の速度で加熱して測定される融解熱量である。
本発明において、上記の融解熱量は10mJ/mg以下が好ましく、実質的に融解ピークが観察されないことがより好ましい。融解熱量が20mJ/mg以下とした場合においては、熱接着工程において熱接着層が変形しやすく、金属箔や電子部品などの凹凸をよりよく吸収して、平面性に優れたFPCやインレットシート、RFIDメディアを供することができる。
また、非晶性ポリエステル樹脂Aは、ガラス転移温度が50℃以上かつ95℃以下であることが重要である。なお、上記のガラス転移温度は、JIS−K7121に記載の「プラスチックの転移温度測定方法」にしたがって、DSC装置を用いて、窒素雰囲気下、10℃/分の速度で加熱し、得られたDSC曲線をもとに求められる中間点ガラス転移温度(Tmg)を意味する。非晶性ポリエステル樹脂Aのガラス転移温度の下限は、60℃が好ましく、70℃がより好ましい。一方、ガラス転移温度の上限は90℃が好ましく、85℃がより好ましい。ガラス転移温度が50℃未満の場合には、FPCやRFIDメディアとして用いた際に耐熱性が不足して変形する、あるいはわずかな加熱で熱接着層が再剥離する。一方、ガラス転移温度が95℃を超える場合には、FPCやRFIDメディアを製造する際により高い温度で加熱する必要が生じるため、生産速度を減じたり電気回路などへの負担が大きくなったりするため好ましくない。
非晶性ポリエステル樹脂Aの種類は特に限定されないが、汎用性やコスト、耐久性あるいはPETGシートなどに対する熱接着性の観点から、ポリエチレンテレフタレートに代表される芳香族ポリエステル樹脂の分子骨格に種々の共重合成分を導入したものが好ましく用いられる。導入する共重合成分のうち、グリコール成分としては、エチレングリコールやジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール(NPG)、シクロヘキサンジメタノール(CHDM)、プロパンジオール、ブタンジオールなどが挙げられる。一方、酸成分としては、テレフタル酸やイソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などが挙げられる。共重合成分としては、ガラス転移温度を低くし、低温での熱接着性を向上させることができるモノマーを選択する。このような共重合成分としては、直鎖成分の長いグリコール、あるいは立体障害の大きい非線状構造の成分が挙げられる。後者の成分は、熱接着層の結晶性を効果的に低減させて凹凸吸収性を向上したい場合に用いる。本発明においては、PETGシートに対する熱接着性の観点から、CHDMやNPGが好ましく、NPGがより好ましい。
また、非晶性ポリエステル樹脂Aとしては、一般に接着剤用途として開発され、市販されているものもある。このような接着剤用樹脂を使用した場合、本来、接着剤として開発されたものであるため、幅広い素材に接着できる可能性がある。しかしながら、このような接着剤用樹脂は、二軸延伸フィルムの製造工程において安定的に共押出しすることが困難な場合がある。共押出しが安定的に行われない場合には、本発明の要点のひとつである熱接着層の厚みのバラつきが十分に低減されないことと成り、ICカードやICタグの電気特性を損なうこととなる。このような場合、押出機の温度の制御や熱接着層の厚みなどを十分に調整して、熱接着層の厚み分布を均一化することが必要である。
また、本発明において、熱接着層は、非晶性ポリエステル樹脂Aと、これに非相溶な非晶性又は結晶性の熱可塑性樹脂Bを含み、海・島構造を形成している。熱可塑性樹脂Bは、熱接着層において分散体(島構造)として存在する。また、この海・島構造の島構造に起因する突起は、熱接着性ポリエステルフィルムに滑り性を付与し、熱接着の工程で該突起は潰れて平坦になり、熱接着性を阻害しない、という作用効果を有する。
以下、熱可塑性樹脂Bとして用いることができる非晶性熱可塑性樹脂と結晶性熱可塑性樹脂について説明する。
上記の非晶性の熱可塑性樹脂とは、融解熱量が20mJ/mg以下の熱可塑性樹脂である。なお、融解熱量は、JIS K 7122「プラスチックの転移熱測定方法」にしたがって、DSC装置を用いて、窒素雰囲気下、10℃/分の速度で加熱して測定される。
非晶性の熱可塑性樹脂は、熱接着層の内部において非晶性ポリエステル樹脂中において島構造を形成し、これに起因する突起が熱接着層の表面に形成される。この突起は、室温においては十分な硬さを維持して、フィルムの滑り性を向上させる必要がある。そのため、本発明において、島成分となる熱可塑性樹脂Bとして非晶性の熱可塑性樹脂を用いる場合には、樹脂のガラス転移温度が−50℃以上かつ150℃以下であることが重要である。なお、上記のガラス転移温度は、JIS K 7121に示される「プラスチックの転移温度測定方法」にしたがって、DSC装置により窒素雰囲気下で10℃/分の加熱過程で測定した、中間点ガラス転移温度を意味する。
非晶性の熱可塑性樹脂のガラス転移温度の下限は、−20℃が好ましく、0℃がより好ましい。非晶性の熱可塑性樹脂のガラス転移温度が−50℃未満の場合には、フィルムを取り扱う際に必要な滑り性が得られない場合や、FPCやRFIDメディアを製造した後に熱可塑性樹脂成分が表面に滲出する場合がある。
また、この海・島構造による突起は熱接着工程で潰れて平坦になり、熱接着性を阻害しないように働く。本発明ではFCPやRFIDメディアを製造する際に行われるラミネートは、100〜200℃で好ましく実施される。そのため、上記の非晶性の熱可塑性樹脂のガラス転移温度の上限は、130℃がより好ましく、100℃以下がさらに好ましい。一方、非晶性の熱可塑性樹脂のガラス転移温度が150℃を超える場合には、通常の接着温度で十分な熱接着性が得られなくなり、より高い温度で熱接着した場合には電気回路などへの負担が大きくなるという問題がある。
一方、本発明において、熱接着層に添加して用いられる熱可塑性樹脂Bとして、結晶性の熱可塑性樹脂を用いることができる。上記の結晶性熱可塑性樹脂とは、融解熱量が20mJ/mgを超える熱可塑性樹脂である。なお、融解熱量は、JIS K 7122に記載の「プラスチックの転移熱測定方法」にしたがって、DSC装置を用いて、窒素雰囲気下、10℃/分の昇温速度で加熱して測定される。
この結晶性の熱可塑性樹脂は、非晶性ポリエステル樹脂Aと非相溶であるため、非晶性ポリエステル樹脂中で分散体として島構造を形成し、これに起因する突起が熱接着層表面に形成される。この突起は、室温においては硬さを維持して、フィルムの滑り性を向上させる必要がある。そのため、結晶性の熱可塑性樹脂は、融点が50℃以上かつ200℃以下の樹脂であることが重要である。なお、結晶性の熱可塑性樹脂の融点は、JIS K 7121に記載の「プラスチックの転移温度測定方法」にしたがって、DSC装置を用いて、窒素雰囲気下、10℃/分の速度で加熱して測定される。
結晶性の熱可塑性樹脂の融点の下限は、70℃がより好ましく、90℃がさらに好ましい。また、熱接着の工程においては潰れて平坦になることで接着を阻害しないように働かせるために、樹脂の融点が熱接着工程での最高温度よりも30℃以上超えることは好ましくない。より具体的には、樹脂の融点の上限は180℃がより好ましく、160℃がさらに好ましい。
本発明において、熱接着層に用いられる熱可塑性樹脂は、特に限定されないが、非晶性ポリエステル樹脂と混合して用いることから、溶解度パラメーターの差がポリエチレンテレフタレートに比べて2.0(J/cm1/2以上となる樹脂が好適である。
非晶性で汎用性の高い樹脂としては、ポリスチレンやポリカーボネート、アクリル樹脂類、環状オレフィン樹脂類やその共重合体、立体規則性の低い低密度のポリプロピレンやポリエチレンなどオレフィン類やその共重合体などが挙げられるが、熱や紫外線、酸素に対する安定性が高く、より汎用的であることから、ポリスチレンやポリオレフィン類が好ましく、耐熱性が高い点からポリスチレン又は環状オレフィン共重合体がより好ましい。
また、結晶性で汎用性の高い樹脂としては、ポリエチレンやポリプロピレン、ポリブタジエン、ポリエチレンプロピレンゴム、ポリ乳酸、ポリオキシメチレンなどが挙げられる。これらの中でも、熱や紫外線、酸素に対する安定性が高くより汎用的である点から、ポリエチレン又はポリプロピレンが好ましく、融点が適切である点からポリエチレンがより好ましい。なお、ポリエチレンでは、結晶性の点から密度が0.90g/cmを超える高密度ポリエチレン又は直鎖状低密度ポリエチレンが好ましい。
また、本発明において、熱接着層に含有させる熱可塑性樹脂Bの量は、熱接着層を構成する材料に対して、1質量%以上で、かつ30質量%以下である。熱可塑性樹脂Bの含有量の下限は、3質量%が好ましく、5質量%がより好ましい。一方、熱可塑性樹脂Bの含有量の上限は、25質量%が好ましく、20質量%がより好ましい。熱可塑性樹脂Bの含有量が、1質量%未満の場合には、必要な滑り性が得られなくなる。一方、熱可塑性樹脂Bの含有量が、30質量%を超える場合には、粗大突起となり、フィルムの表面から脱落する場合、逆に滑り性が悪くなる場合、あるいは熱接着工程で十分に平坦化せずに熱接着性が悪くなる場合がある。
また、本発明において、熱接着層の表面の最大高さが1.0μm以上で、かつ10μm以下であることが好ましい。熱接着層の表面の最大高さの下限は、1.2μmがさらに好ましく、1.5μmが特に好ましい。一方、熱接着層の表面の最大高さの上限は、8.0μmがより好ましく、5.0μmが特に好ましい。熱接着層の表面の最大高さが1.0μm未満の場合、十分な滑り性が得られず、フィルムのハンドリング性が困難になる。一方、熱接着層の表面の最大高さが10μmを超える場合には、擦過によってフィルムの表面の突起が脱落して工程を汚染したり、逆に滑り性が悪くなったりする。
また、本発明において、熱接着層の表面の最大高さ(St1)と算術平均表面粗さ(Sa1)との比(St1/Sa1)が、3.0以上で、かつ20以下であることが好ましい。St1/Sa1の下限は5.0がより好ましく、7.0が特に好ましい。一方、St1/Sa1の上限は16がより好ましく、12が特に好ましい。St1/Sa1が3.0未満の場合には、滑り性を改善することが困難となる。一方、St1/Sa1が20を超える場合には、熱接着性が得られにくくなる。
熱接着層の表面における突起の最大高さを適切な範囲に調節する方法としては、(1)非晶性ポリエステル樹脂Aの溶融粘度やガラス転移温度を選択する方法、(2)熱可塑性樹脂Bの溶融粘度やガラス転移温度、融点、表面張力、溶解度パラメーター、添加量を選ぶ方法、(3)熱接着層の樹脂をフィルム表面に押出す際の温度を選ぶ方法などが挙げられる。これらの方法のなかでも、非晶性ポリエステル樹脂のガラス転移温度と、熱可塑性樹脂の種類や添加量、押出温度を調節する方法が容易で確実である。
また、本発明において、熱接着層の表面を、平滑でかつ清浄なガラス板に対向させて挟み、熱プレス処理(100℃、1MPa、1分間)した後の熱接着層の表面の最大突起高さ(St2)が、0.001μm以上で、かつ3μm以下であることが好ましい。St2の下限は、0.005μmがより好ましく、0.01μmが最も好ましい。また、St2の上限は、2.5μmがより好ましく、2μm以下が最も好ましい。
St2が0.005μm未満の場合は、熱ラミネートの際に熱接着層を構成する樹脂が流動し、加工安定性が不十分となる恐れがある。また、St2が0.01μmを超える場合には、熱接着後でも突起が多数残っており、安定した接着力を発揮するに十分な接着界面が得られないため好ましくない。なお、St2を0.001〜3μmの範囲に調節するためには、結晶性熱可塑性樹脂の融点を50〜200℃の範囲内で調整するか、結晶性熱可塑性樹脂の含有量を1〜30質量%の範囲内で調節するのが効果的である。
また、本発明で用いる熱接着性ポリエステルフィルムは、フィルムの表面と裏面を対向させ、その界面における静摩擦係数が0.1以上で、かつ0.6以下であることが好ましい。摩擦係数の下限は0.2がより好ましい。一方、摩擦係数の上限は0.7がより好ましく、0.6がさらに好ましく、0.5が特に好ましい。フィルムの表面と裏面との間の静摩擦係数を0.1未満にすることは、本発明の技術の範囲では困難である。一方、上記の静摩擦係数が0.8を超える場合には、フィルムのハンドリング性が著しく悪くなる。静摩擦係数を0.1〜0.8の範囲に調節するためには、上記のようにして、熱接着層の表面の最大高さを調節することや、熱接着層の弾性率や表面張力を調節することが好ましい。
また、静摩擦係数を上記の範囲に調節するための方法としては、熱接着層にワックスを添加する。熱接着層は非晶性であることから弾性率が低く、相対的に粘性が高い。このような熱接着層では非相溶の熱可塑性樹脂や無機粒子、有機粒子を添加しても十分に摩擦係数を減じることができないため、ワックスを添加する。
また、FPC上の電気回路やRFIDメディアの内部に配置されるICチップなどによる凹凸は、本発明に用いる二軸延伸ポリエステルフィルムの熱接着層で吸収される。この凹凸吸収性は、熱接着工程による賦形性の尺度として、賦形率及び賦形部の外縁の勾配というパラメーターで表現することができる。ここで賦形率とは、アンテナ回路又は銅箔片を熱接着層の表面にのせ、熱プレスした後、常温常圧でアンテナ回路又は銅箔片を取り除いた際に、アンテナ回路又は銅箔片によって生じた熱接着層のくぼみの深さを意味し、賦形部の外縁の勾配とは、このくぼみの外縁における壁面の勾配を意味する。
また、本発明で用いる二軸延伸ポリエステルフィルムでは、熱プレスによる賦形率が40%以上で、かつ105%以下であることが好ましい。本発明がICチップや電気回路の凹凸を吸収するという観点から、賦形率の下限は50%であることがより好ましく、60%であることがさらに好ましい。
この観点からは、賦形率の上限が高いほど理想的であることは言うまでもない。しかしながら、賦形率を上げるために加熱時に極端に軟化しやすい樹脂を熱接着層として用いた場合、熱接着工程で熱接着層が流動するなどして加工安定性が低下する懸念があることから、現実的には102%以下、より現実的には98%以下に留めることがより好ましい。なお、賦形率を40〜105%以下に調整する方法としては、熱接着層の厚みを5μm以上に調整したり、熱接着層を構成する非晶性ポリエステル樹脂Aや熱可塑性樹脂Bのガラス転移温度や融点を熱接着温度に近づけたり、混合比率、粘度、弾性率などを適宜調整する方法などがあげられる。
また、本発明において、熱プレスによる賦形部の外縁の勾配が、20%以上で、かつ1000%以下であることが好ましい。本発明において熱接着層がICチップや電気回路の凹凸を吸収するという観点から、賦形されるくぼみの形状は、電気回路などの外形に一致していることが好ましい。賦形部の外縁の勾配が、20%未満の場合とは、電気回路などの凸部に対して、その周辺までがつられて変形しているか、もしくは凸部の形状を十分に吸収していない状態を意味する。この勾配は50%以上がより好ましく、100%以上がさらに好ましい。
また、凹凸吸収性の観点からは、熱プレスによる賦形部の外縁の勾配が大きいほど理想的な変形であることは言うまでもなく、幾何学的には無限大となることが最も好ましい。しかしながら、本発明で開示した技術範囲で現実的に達成されるのは、上限の1000%までであり、より一般的な加工工程で現実的に達成できるのは500%以下である。なお、熱プレスによる賦形部の外縁の勾配を20〜1000%の範囲内に調整する方法としては、熱接着層の厚みを5μm以上に調整する以外に、熱接着層を構成する非晶性ポリエステル樹脂Aや非晶性熱可塑性樹脂Bのガラス転移温度や混合比率、粘度、弾性率などを適宜調整するなどの方法があげられる。
また、本発明で用いる二軸延伸ポリエステルフィルムにおいては、特に白色で隠蔽性の必要なカードやタグの素材として用いる場合には、熱接着層中に白色顔料を含有させることが好ましい実施形態の一つである。熱接着層に含有させる白色顔料としては、酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム及びこれらの複合体よりなるものが好ましく、隠蔽効果の観点から酸化チタンを用いることがより好ましい。これらの無機粒子は、基材の二軸延伸ポリエステルフィルムの構成材料に対して30質量%以下の範囲で含有させることが好ましく、20質量%以下とすることがより好ましい。上記の範囲を超えて添加した場合には、二軸延伸ポリエステルフィルムの製造工程でフィルムの破断が発生して生産効率が著しく低下したり、フィルムの誘電率や誘電損失が上昇してFPCやRFIDの電気的特性が低下したりするため好ましくない。
また、本発明で用いる二軸延伸ポリエステルフィルムでは、熱接着性や滑り性、凹凸吸収性を阻害しない範囲で、熱接着層に有機粒子を含有させても構わない。熱接着層に有機粒子を含有させることによって、熱接着層の表面に突起を形成することが可能であり、熱ラミネートにより熱接着させてFPCやRFIDメディアを製造する際に、フィルム間の気泡を効果的に排出することが可能になる。
有機粒子としては、メラミン樹脂や架橋ポリスチレン樹脂、架橋アクリル樹脂及びこれらを主体とする複合粒子が好ましい。なお、これらの無機粒子は、熱接着層の構成材料に対して30質量%以下の範囲で含有させることが好ましく、20質量%以下とすることがより好ましい。上記の範囲を超えて添加した場合、二軸延伸ポリエステルフィルムの製造工程でフィルムの破断が発生して生産効率が著しく低下する場合があるため好ましくない。
[二軸延伸ポリエステルフィルムの基材層]
本発明で用いる二軸延伸ポリエステルフィルムは、少なくとも一層の二軸延伸ポリエステルフィルム層を基材とする。この層は従来公知の方法によって容易に光学特性や力学特性を調節することができる。
本発明で用いる二軸延伸ポリエステルフィルムを白色又は高隠蔽のFPCやRFIDメディアの素材として用いる場合には、基材フィルムとして、その内部に微細な空洞を多数含有する、空洞含有ポリエステルフィルムが好ましい。フィルム内部の多数の微細な空洞によって、フィルムの見かけ密度が0.7g/cm以上かつ1.3g/cm以下に制御されていることが好ましい。フィルムの見かけ密度の下限は、0.8g/cmがより好ましく、0.9g/cmがさらに好ましい。一方、フィルムの見かけ密度の上限は1.2g/cmがより好ましく、1.1g/cmがさらに好ましい。フィルムの見かけ密度が0.7g/cm未満の場合には、フィルムの強度や耐座屈性、圧縮回復率が低下し、FPCやRFIDメディアの製造時や使用時に適切な力学的性能を得られなくなる。一方、フィルムの見かけ密度が1.2g/cmを超える場合には、FPCやRFIDメディアとして必要な柔軟性やクッション性、軽量性が得られなくなる。
フィルムの内部に空洞を含有させる方法としては、(1)発泡剤を含有せしめ押出時や製膜時の熱によって発泡、あるいは化学的分解により発泡させる方法、(2)押出時又は押出後に炭酸ガスなどの気体又は気化可能な物質を添加し、発泡させる方法、(3)ポリエステルと該ポリエステルに非相溶性の熱可塑性樹脂を添加し、溶融押出後、一軸又は二軸に延伸する方法、(4)有機もしくは無機の微粒子を添加して溶融押出後、一軸又は二軸に延伸する方法などを挙げることができる。
上記のフィルムの内部に空洞を含有させる方法の中で、上記(3)の方法、すなわちポリエステルと非相溶性の熱可塑性樹脂を添加し、溶融押出後、一軸又は二軸に延伸する方法が好ましい。ポリエステル樹脂に非相溶の熱可塑性樹脂としては、何ら制限されるものではないが、ポリプロピレンやポリメチルペンテンに代表されるポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスルホン系樹脂、セルロース系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂などが例示される。
これらの熱可塑性樹脂は単独で用いてもよく、また複数の熱可塑性樹脂を組合せて用いてもよい。これらポリステル樹脂に非相溶性の熱可塑性樹脂の含有量は、空洞含有ポリエステル層を形成する樹脂に対し3〜20質量%が好ましく、さらに好ましいのは5〜15質量%である。そして、ポリエステル樹脂に非相溶性の熱可塑性樹脂の含有量が、空洞含有ポリエステル層を形成する樹脂に対し3質量%未満では、フィルム内部に形成される空洞含有量が少なくなるため、隠蔽性が低下する。一方、非相溶性の熱可塑性樹脂の含有量が、白色ポリエステル層を形成する樹脂に対し20質量%を超える場合には、フィルム製造工程での破断が多発する。なお、空洞含有ポリエステルフィルムの内部の空洞含有率は10〜50体積%が好ましく、20〜40体積%がより好ましい。
また、本発明で用いる二軸延伸ポリエステルフィルムを白色又は高隠蔽のFPCやRFIDメディアの素材として用いる場合には、基材フィルムとして二軸延伸ポリエステル層に白色顔料を含有させた、白色ポリエステルフィルムも好ましい実施形態の一つである。ここで用いる白色顔料は特に限定されないが、汎用性の観点から、酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム及びこれらの複合体よりなるものが好ましく、隠蔽効果の観点から酸化チタンを用いることがより好ましい。
これらの無機粒子は、白色ポリエステル層の構成材料に対し、25質量%以下の範囲で含有させることが好ましく、20質量%以下とすることがより好ましい。上記の範囲を超えて添加した場合、フィルム製造時に破断が多発して工業レベルの安定生産が困難になる場合がある。
また、本発明で用いる二軸延伸ポリエステルフィルムを白色又は高隠蔽のFPCやRFIDメディアの素材として用いる場合には、微細空洞や白色顔料の含有量を適宜調節して、光学濃度が0.5以上で、かつ3.0以下とすることが好ましい。光学濃度の下限は0.7がより好ましく、0.9がさらに好ましい。また、光学濃度の上限は2.5がより好ましく、2.0がさらに好ましい。光学濃度が上記の範囲に満たない場合には、ICカード又はICタグとした際に、隠蔽性の不足からICチップや電気回路などの内部構造が透けて見える場合があり、意匠上またセキュリティー上好ましくない。また、光学濃度が上記の範囲を超えるようにフィルムを製造するためには、フィルム内部の微細空洞や白色顔料の含有量を非常に多くせざるを得ず、フィルム強度などが低下する。
なお、本発明で用いる二軸延伸ポリエステルフィルムを白色又は高隠蔽のFPCやRFIDメディアの素材として用いる場合には、ポリステル樹脂に非相溶である熱可塑性樹脂を配合して空洞を形成する方法と、白色顔料を配合する方法を併用する方法が最も好ましい。
本発明で用いる二軸延伸ポリエステルフィルムにおいて、熱接着層を除く各層は結晶性のポリエステルを主体として構成されることが好ましい。ここでいう結晶性ポリエステル樹脂とは、融解熱量が20mJ/mgを超えるポリエステル樹脂である。融解熱量の測定方法は、上記と同様である。
このような結晶性ポリエステルは、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸又はそのエステルとエチレングリコール、ジエチレングリコール、1、3−プロパンジオール、1、4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコールなどのグリコールとを適切な割合で重縮合させて製造されるポリエステルである。これらのポリエステルは芳香族ジカルボン酸とグリコールとを直接反応させる直重法のほか、芳香族ジカルボン酸のアルキルエステルとグリコールとをエステル交換反応させた後、重縮合させるエステル交換法か、あるいは芳香族ジカルボン酸のジグリコールエステルを重縮合させるなどの方法によって製造することができる。
上記の結晶性ポリエステルの代表例として、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートあるいはポリエチレン−2、6−ナフタレートが挙げられる。上記のポリエステルはホモポリマーであってもよく、第三成分を共重合したものであってもよい。第三成分を共重合を共重合することによって結晶性を低下させた樹脂を用いた場合、熱接着の工程において適度な変形を発生し、アンテナ回路や集積回路の凹凸が製品表面に現れるのを緩和することができる。
[RFIDメディアの製造方法]
本発明のRFIDメディアの製造方法では、まずロール状に巻き取られた複数のウェブ状フィルムを巻き出しながら積層する。従来一般に用いられているプレス工程による製造では基材フィルムなどを枚葉で積層しているが、本発明の方法ではロール状に巻き取られたウェブ状基材を用いるので、取り扱い性が大幅に向上するとともに、基材シート群の平置きに必要な広い保管場所も不要であり、保管やハンドリング中に荷崩れを起こしたり、一枚一枚のシートの間に異物などを混入したりするリスクも小さく、工程の煩雑さを大幅に軽減することができる。
ここでは本発明のインレットシートを積層するウェブ状フィルムの一条として用い、別の樹脂シート又はフィルムを積層して接着する。この樹脂シートとフィルムはロールに巻き取られた連続のウェブ状のものであれば特に限定されず、RFIDメディアの耐熱性や耐薬品性、環境適性などの観点から、二軸延伸ポリエステルフィルムであることが好ましい。また二軸延伸ポリエステルフィルムの中でも隠蔽性や意匠性などの点で白色ポリエステルフィルムを用いることが好ましく、クッション性や軽量性、柔軟性、筆記性などの点から微細空洞を含有した白色ポリエステルフィルムであることがより好ましい。
また、インレットは通常アンテナ回路や金属コイル、ICチップがむき出しの状態になっているため、本発明のFPCに用いるような熱接着層を表面に積層したフィルムを用い、熱接着層をこれらの電気回路に対面させる形でこれらを保護するように積層するのもより好ましい実施形態である。熱接着層は熱ラミネート工程において容易に変形することが可能であり、回路やチップに起因する凹凸を効果的に緩和することが可能であり、これによって外観の美麗なカードやタグを製造することが可能である。
なお、本発明においては、接着剤シートなどを積層することは加工の高速化観点から好ましくなく、アンテナ回路に隣接する層として接着剤層を積層することは、電気的特性のバラつきを導くため好ましくない。
また、本発明のRFIDメディアの製造方法では、上記により巻き出した複数のウェブ状フィルムを、プレス工程を有しないラミネートロール接着工程によって連続で熱ラミネート接着する。
ここで行うラミネートロール接着は、加熱された一対以上のラミネートロールに積層した複数のウェブ状フィルムを導き、熱接着層の軟化温度以上の温度によって圧着することにより行うことが好ましい。本発明においては、熱接着性フィルムとして二軸延伸ポリエステルフィルムを用いて行うため、熱接着温度より十分高温に加熱して接着することが可能であり、未延伸シート群を積層する従来公知の方法に比べてより高温で、高速に接着することが可能である。
ラミネートを行うための加熱ロールとしては特に限定されないが、熱接着層の粘着を軽減するためにシリコーンゴムの如き耐熱性樹脂ロールや金属ロールを用いることが好ましい。また、熱接着層を鏡面仕上げとするためには、鏡面加工された金属ロールやクロム合金などでメッキされたロールを用いることも好ましい。
接着を行う温度としては、ポリエステル樹脂系の熱接着層を用いた場合、そのガラス転移温度より高温で行う必要があり、70℃以上で行うことが好ましく、90℃以上で行うことが生産効率と接着強度を向上するためにより好ましい。
また、本発明では二軸延伸ポリエステルフィルムの特性(耐熱性や耐薬品性、寸法安定性など)を生かしたRFIDメディアを得ることが重要な趣旨であることから、接着温度はポリエステルフィルムの融点よりも低い温度である必要があり、より具体的には200℃以下で行うことがより好ましく、160℃以下で行うことがより好ましい。これらの温度を超えて加熱を行った場合、上記のフィルムの特性が失われるほか、フィルムが変形したり、搬送中のフィルムの張力に変動が生じたり、製造したRFIDメディアにカールを生じたりするため好ましくない。
ラミネートを行う際に搬送されたウェブ状フィルムはラミネートロールによって加熱されて圧着されるが、一対のロールのみで急激に加熱すると、温度ムラやそれにともなう接着ムラ、変形が発生することがあり、ラミネートロールに導入される以前に予熱しておくことも好ましい。この予熱を行う方法は特に限定されないが、加熱されたロールを順次通過させながらフィルム温度を上昇させる方法のほかに、熱風や赤外線などを用いた非接触ヒーターで予熱行うことも可能である。製造 装置の簡便性の上からは加熱ロールによる予熱が好ましく、RFIDメディアの変形防止や不良率の低減においては、非接触ヒーターによる方法が好ましい。
ラミネートロールに搬送するウェブ状フィルムは、製造されるカードやタグのカールを防止するため、予熱後に平面に保たれた状態でラミネートロールに導かれることが好ましい。例えばウェブ状フィルムとしてポリエステル系フィルムを用いる場合には、そのガラス転移温度より低い概ね70℃以下で平面状に保持されるよう巻き出したのちにラミネートを行うことが好ましい。
また、本発明の製造方法によれば、ラミネートロールで熱接着したRFIDメディアのウェブ状連続体をロール状に巻き取って保管したり、ハンドリングしたりすることが可能である。ただし、加熱接着した積層体を十分に冷却せずにロール状に巻き取った場合には、断裁後に使用するにあたって解決できないカールを生じる場合がある。これを防ぐためにはラミネート後に張力を除く前に、平面を保ったまま十分冷却することが好ましい。冷却する目標温度は設備条件などによって決まるため一意的には言及できないが、ウェブ状フィルムとして二軸延伸ポリエステルフィルムを用いる場合には概ね70℃以下に冷却することが求められ、50℃以下に冷却するのがより好ましく、室温まで冷却することがより好ましい。
ラミネートの際に搬送されたウェブ状フィルムには、平面性を保つために制御した張力を加えて保持することが好ましい。この際に加える張力としては、平面性保持の観点から1N/m以上が好ましく10N/m以上がより好ましい。またフィルムの弾性変形ひいてはICカードやタグのカールを防ぐ観点から、1KN/m以下が好ましく、200N/m以下がより好ましい。
また、カールを積極的に制御してICカードやICタグの平面性を向上させるためには、ラミネート時に両面の加熱温度に差をつけて、結果的に平面が得られるように調整することも可能である。カールが表裏に貼り合せたフィルムの熱膨張によって生じる場合には、結果的に巻き内側となる面の加熱温度を反対面に対して低めに設定してラミネートすることが好ましい。
また、熱ラミネート時の圧力は0.1〜20MPaが好ましく、0.3〜10MPaがより好ましい。熱ラミネート時の圧力が0.1MPa未満の場合、カードやタグの平面性が十分でなく、美麗な外観が得られない。一方、熱ラミネート時の圧力が20MPaを超える場合、空洞含有ポリエステルフィルムを基材とする熱接着性ポリエステルフィルムを用いても、その優れたクッション性や凹凸吸収性の効果が、高い圧力によって小さくなる。その結果、ICチップなどの回路にかかる負担が過大になり、電気的故障が発生しやすくなる。
本発明で製造されるRFIDメディアの好ましい実施形態の一つは、フィルム内部に多数の微細空洞を含有させた空洞含有フィルムを基材とする二軸延伸ポリエステルフィルム(見かけ密度が0.7〜1.3g/cm)を用いたものであって、見かけ密度を0.7g/cm以上、1.3g/cm未満としたRFIDメディアである。この見かけ密度の下限は0.8g/cmがより好ましく、0.9g/cmがさらに好ましい。一方、カード又はタグの見かけ密度の上限は1.2g/cmがより好ましく、1.1g/cmがさらに好ましい。またこの見かけ密度が、0.7g/cm未満の場合には、RFIDメディアの強度や耐座屈性、圧縮回復率が低下し、加工時や使用時に適切な力学性能を得られなくなる。一方、カード又はタグの見かけ密度が1.3g/cm以上の場合には、RFIDメディアとしての軽量性や柔軟性が得られなくなる。また、見かけ密度を0.7g/cm以上、1.3g/cm未満としたRFIDメディアは、水没事故の際に水面に浮き上がるか、もしくは沈没までの間に回収するに十分な時間を得ることができる。そのため、本形態のカードは、例えば、個人がその情報を記録して日常的に所持使用する個人情報の記録カードとして好適である。
次に、本発明の技術要件と効果との結びつきを実施例と比較例により詳しく説明する。なお、本発明で用いた特性値は下記の方法を用いて評価した。
[評価方法]
(1)樹脂の融点とガラス転移温度
JIS K 7121に記載の「プラスチックの転移温度測定方法」により、DSC測定を行った。サンプルは、拡大鏡つきミクロトームを用いてフィルムより熱接着層を切削した小片約10mgを、アルミパンに密封して300℃で3分間溶融し、液体窒素でクエンチしたものを用いた。測定器には示差走査熱量計(セイコーインスツルメント社製、EXSTAR6200DSC)を用い、乾燥窒素雰囲気下で実施した。室温より10℃/分の速さで加熱して中間点ガラス転移温度を求めた後、融解ピーク温度(融点)を求めた。
(2)樹脂の融解熱量
JIS K 7122に記載の「プラスチックの転移熱測定方法」により融解熱量を求めた。DSC測定の詳細は上記の融点の測定と同様にした。
(3)ポリエステル樹脂の固有粘度
JIS K 7367−5に記載の「プラスチック−毛細管型粘度計を用いたポリマー希釈溶液の粘度の求め方−」により、フェノール/1、1、2、2−テトラクロロエタン(60/40;質量部)の混合溶媒を用いて、30℃で測定した。
(4)粒子の平均粒子径
粒子を走査型電子顕微鏡(日立製作所製、S2500)で観察し、粒子の大きさに応じて適宜倍率を変え、写真撮影したものを拡大コピーした。次いで、ランダムに選んだ少なくとも200個以上の粒子について、各粒子の外周をトレースした。画像解析装置にてこれらのトレース像から粒子の円相当径を測定し、それらの平均値を平均粒子径とした。
(5)フィルム厚み
JIS K 7130に記載の「発泡プラスチック−フィルム及びシート−厚さ測定方法」により測定した。測定器は電子マイクロメーター(マール社製、ミリトロン1240)を用いた。測定すべきフィルムの任意の4箇所より5cm角サンプル4枚を切り取り、一枚あたり各5点(計20点)測定して平均値を厚みとした。
(6)フィルムの積層厚み
測定すべきフィルムの任意の3箇所より小片を切り取った。ミクロトームを用いてこの小片を切削し、フィルム表面に直交するフィルム断面を作成した。この断面に白金パラジウム合金をスパッタリングしてサンプルとし、走査型電子顕微鏡(日立製作所製、S2500)を用いて断面を検鏡した。フィルム全厚みが一視野に含まれる適切な倍率で観察して、各層の厚みを測定した。測定は各視野あたり3箇所で行い、合計9箇所の平均値をもって積層厚みとした。
(7)フィルムの見かけ密度
任意の5箇所より切り取った100mm四方のサンプル5枚について、JIS K 7222に記載の「発泡プラスチック及びゴム−見かけ密度の測定」により測定した。測定は室温で行い、平均値をもって見かけ密度とした。なお、表記を簡便にするため単位はg/cmに換算した。
(8)フィルムのカール値
測定すべきフィルムを任意の3箇所より長手方向に100mm、幅方向に50mmに枚葉状に切り出し、無荷重の状態で、110℃で30分間加熱処理した後、フィルムの凸部を下にして水平なガラス板上に静置して、ガラス板と立ち上がったフィルム4隅の下端との垂直距離を最小目盛り0.5mm単位で定規を用いて測定し、この4箇所の測定値の平均値をカール値とした。3枚について測定を行い、この平均値をカール値とした。
(9)フィルムの賦形率と賦形部外縁の勾配
作製したFPCについて、回路と熱接着層との間の接着面を注意深く剥離した。この熱接着層の剥離面において界面剥離している部分を選び、回路の圧痕の段差を視野に含むようにして上記(5)と同様に三次元形状の画像を得た。同ソフトウェアの断面解析機能によって、圧痕の段差と直交する断面形状プロファイルを得た。このプロファイルから、プリント回路による圧痕の深さを求め、もとの回路の高さで除して賦形率を求めた。また、圧痕の外縁部分において、圧痕部から非圧痕部に至る段差について勾配(段差中央部を含み、段差の約1/3部分での勾配)を求め、賦形部外縁の勾配とした。なお、観察は3視野について行って合計15プロファイルの平均値を評価した。
(10)フィルムの光学濃度と光線透過率
透過光学濃度計(マクベス社、RD−914)を用いて、白色光での光学濃度を測定した。測定すべきサンプルの任意の5箇所より切り取った50mm四方のサンプル5枚について測定を行い、その平均値を光学濃度とした。
(11)FPCの静摩擦係数
JIS K 7125に記載の「発泡プラスチック−フィルム及びシート−摩擦係数の試験方法」により測定した。測定器は引張り試験機(島津製作所製、AG1KNI)を用いた。測定すべきFPCサンプルの表裏両面を対向させて、滑り片に加える荷重は1、500gとし、合計5回の平均値を静摩擦係数とした。
(12)FPCの剥離強度
作製したFPC又は金属箔積層体について、JIS X 6305−1の方法で金属箔とフィルムの剥離強度を測定した。なお実施例において、接着界面での剥離が発生せずフィルム基材が破壊したものは「材料破壊」と記し、十分な接着力(はく離強度)であると判断した。
(13)FPC又はRFIDメディアの外観
作製したFPC又はRFIDメディアの外観を目視で評価した。接着面への気泡の残留やシワ、著しい反り、波打ち(平面性)、集積回路などに起因する凹凸を観察し、実用上差し支えないものを「良好」、意匠性に問題のあるものを「不良」とした。
(14)FPC又はRFIDメディアの耐熱性
作製したFPC又はRFIDメディアを清浄で平らなステンレス鋼板(SUS304、厚さ0.8mm)上に静置し、オーブンを用いて空気雰囲気下、110℃で24時間加熱保持した。加熱前後の試料外観(光沢損失や変色、曇り、ひび割れ、変形、融解、融着)を目視評価し、加熱前後で差異の認められないものを○、差異の認められるものを程度に応じて△又は×とした。
(15)RFIDメディアの不良品発生率
作製したRFIDメディアについて、RF−IDデモキット(オムロンソフトウェア社製、L720−H01T−W001)を用いて交信テストを行った。50枚のタグ又はカードについて評価を行い交信不能な不良品の発生率を求めた。不良品発生率が1%未満の場合を○、1%以上5%未満の場合を△、5%以上の場合を×とした。
(16)ICカード又はICタグの通信距離のバラつき
作製したICタグ又はICカードについて、RF−IDデモキット(オムロンソフトウェア社製、L720−H01T−W001)を用いて交信テストを行った。10枚のタグ又はカードの端部を非金属製の把持具で把持し、およそ50cmの距離から徐々に受信アンテナに近づけて認識される最長距離を測定した。最も遠くで認識した場合と、最も近くまで認識しなかった場合の通信距離から平均通信距離とバラつきを求めた。
実施例で使用した原料樹脂およびマスターペレットは以下のとおりである。
[ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET樹脂)]
固有粘度が0.62dl/g、Sb含有量が144ppm、Mg含有量が58ppm、P含有量が40ppm、不活性粒子及び内部析出粒子は実質的に含有ないポリエチレンテレフタレート樹脂を使用した。
[ポリエチレンナフタレート樹脂(PEN樹脂)]
固有粘度が0.63dl/g、Sb含有量が250ppm、Mg含有量が58ppm、P含有量が40ppm、不活性粒子及び内部析出粒子は実質的に含有ないポリエチレンナフタレート樹脂(PEN樹脂)を使用した。
[非晶性ポリエステル樹脂]
非晶性ポリエステル樹脂A1:グリコール成分がエチレングリコール/ネオペンチルグリコール=70/30モル比であり、固有粘度が0.62dl/g、Sb含有量が150ppm、Mg含有量が60ppm、P含有量が40ppmの共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂を使用した。この樹脂のDSC装置による分析では融点は観測されず、ガラス転移温度は74℃であった。
非晶性ポリエステル樹脂A2:ジカルボン酸成分がテレフタル酸/ナフタレンジカルボン酸=60/40モル比であり、固有粘度が0.62dl/g、Sb含有量が150ppm、Mg含有量が60ppm、P含有量が40ppm、1.5μmである無定形シリカ粒子が500ppm含有した共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂を使用した。この樹脂のDSC装置による分析では融点は観測されず、ガラス転移温度は98℃であった。
非晶性ポリエステル樹脂A3:ジカルボン酸成分がテレフタル酸/セバシン酸=90/10モル比であり、グリコール成分がエチレングリコール/ネオペンチルグリコール=90/10モル比であり、固有粘度が0.62dl/g、Sb含有量が150ppm、Mg含有量が60ppm、P含有量が40ppmの共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂を使用した。この樹脂のDSC装置による分析では融点は観測されず、ガラス転移温度は52℃であった
[空洞形成剤含有マスターペレットの調製]
メルトフローレート1.5のポリスチレン樹脂(日本ポリスチレン社製、G797N)20質量%、メルトフローレート3.0の気相法重合ポリプロピレン樹脂(出光石油化学社製、F300SP)20質量%及びメルトフローレート180のポリメチルペンテン樹脂(三井化学社製、TPX DX820)60質量%をペレット混合し、二軸押出機に供給して十分に混練りし、ストランドを冷却、切断して空洞形成剤含有マスターペレットを調整した。
[酸化チタン含有マスターペレットの調製]
上記のポリエチレンテレフタレート樹脂50質量%に、平均粒径0.3μm(電子顕微鏡法)のアナタース型二酸化チタン50質量%を混合したものをベント式二軸押出機に供給して予備混練りした後、溶融ポリマーを連続的にベント式単軸混練り機に供給して混練りして酸化チタン含有マスターペレットを調整した。
[ワックス含有マスターペレットの調製]
上記の非晶性ポリエステル樹脂A1を95質量%と、ポリエチレンワックス(三井化学社製、ハイワックスNL500、融点105℃)5質量%を混合したものをベント式二軸押出機に供給して285℃で予備混練りした。この溶融ポリマーを連続的に単軸押出機に供給して混練りしてワックス含有マスターペレットW1を調整した。
上記の非晶性ポリエステル樹脂A1を80質量%と、ポリエチレングリコール(東邦化学社製、PEG10000、融点56℃)20質量%を混合したものをベント式二軸押出機に供給して270℃で予備混練りした。この溶融ポリマーを連続的に単軸押出機に供給して混練りしてワックス含有マスターペレットW2を調整した。
(実施例1)
[熱接着性二軸延伸ポリエステルフィルムの製造]
上記の空洞形成剤含有マスターペレット8質量%と上記酸化チタン含有マスターペレット8質量%、及び上記PET樹脂84質量%よりなる混合物を原料Mとした。また、上記の非晶性ポリエステル樹脂A1を80質量%とアタクチックポリスチレン樹脂(日本ポリスチレン社製、G797N;ガラス転移温度95℃)を10質量%、ワックス含有マスターペレットW1を10質量%の混合物を原料Cとした。
原料M及び原料Cを水分率80ppmまで真空乾燥して、各々別の押出機に供給して溶融しフィードブロックに導き、原料Mからなる中間層(基材)の両面に原料Cからなる熱接着層が積層されるようにフィードブロックで接合した後、T型ダイスより20℃に調節された冷却ドラム上にフィルム状に押し出し、厚み2.4mmの3層構成の未延伸フィルムを製造した。なお、未延伸フィルム製造時、冷却ドラムの反対面には20℃に調節した冷風を吹き付けて冷却した。
得られた未延伸フィルムを、加熱ロールを用いて70℃に均一に加熱し、さら赤外線ヒーターを用いてフィルム温度が95℃となるように加熱しながら、ロール間で速度差を利用して縦方向に3.4倍に延伸した。このようにして得られた縦一軸延伸フィルムの両端をクリップで把持し、フィルム表面温度がおよそ100℃になるよう熱風で予熱した後、およそ140℃まで加熱しながら横方向に3.8倍に延伸した。その後、フィルム幅を固定した状態で乾燥熱風によっておよそ230℃まで加熱して熱固定を行い、およそ200℃まで冷却しながら幅方向に5%の弛緩熱処理を行った。その後徐々に冷却を行い、フィルムの表面温度が熱接着層のガラス転移温度よりも十分に低い温度となった45℃でフィルム端部を切除し、次いでフィルムをロール状に巻き取った。
以上の方法により、厚さ200μmの熱接着性ポリエステルフィルムを得た。なお、フィルム断面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、各層の厚み(熱接着層Aa/中間層(基材)/熱接着層Ab)は、およそ20/160/20(単位:μm)であった。
[フレキシブルプリント配線板の製造]
上記で得られた熱接着性二軸延伸ポリエステルフィルムを用いて、以下の方法でFPCを作製した。
まず、上記で得たフィルムのロールをスリット加工して幅400mm、巻き長さ100mのウェブ状フィルムのロールを得た。このフィルムの片面に同幅のアルミニウム箔(1N30−O、厚さ20μm)をロールから巻き出しながら積層し、熱ラミネート接着を施した。
ここで用いたラミネート接着工程の模式図を図1に示す。
ロールより巻き出されたウェブ状の熱接着性二軸延伸ポリエステルフィルムを、ガイドロールを通じて表面温度100℃に加熱された予熱ロールに10m/分の速度で導き、張力を20N/mに調節ながら予熱した。他方でアルミニウム箔を、ガイドロールを通じて張力を50N/mに調節しながら巻き出し、160℃に加熱されたラミネートロールで上記熱接着性ポリエステルフィルムを積層してラミネート接着した。ラミネートされた後のウェブ状の積層体は空中での放熱と表面温度20℃の冷却ロールでの冷却を経て、表面温度40℃まで冷却された後にガイドロールを通じてロール状に巻き取った。
次に、この積層体表面のアルミニウム箔をエッチングしてアンテナ回路を形成した。
まず、アルミ箔表面に紫外線硬化型エッチングレジストインキ(東洋紡績社製、ER225N)を用いて回路パターンを連続印刷し、紫外線を照射(500mJ/cm)してインキを硬化させた。炭酸ナトリウム水溶液(1質量%)を用いてレジストを現像した後、塩酸を添加した塩化第二鉄水溶液(39質量%)でエッチングし、水酸化ナトリウム水溶液(3質量%)で洗浄してレジスト層を除去した。これを水洗したのち、140℃で連続乾燥させてFPCを得た。
[インレットシート及びRFIDメディアの製造]
上記で得られたFPCを用いてインレットシートを製造した。すなわち、ロールより巻き出されたウェブ状のFPC連続体について、そのICを実装すべき位置に絶縁インキ(東洋紡績社製、SR610C)と導電インキ(東洋紡績社製、DW545)を用いてジャンパー回路を印刷した。この導電性インキを接着剤としてRFID用ICチップ(ISO15693準拠、13.56MHz)をFPC上に固定した。これをロール状に巻き取り、RFIDメディア用インレットシートを得た。
次に、上記で得たインレットシートを用いて、熱ラミネート工程によってRFIDメディアを製造した。製造工程の模式図を図2に示す。
ロールより巻き出されたウェブ状のインレットシートを、ガイドロールを通じて表面温度120℃に加熱された予熱ロールに10m/分の速度で導き、張力を30N/mに調節ながら予熱した。他方でウェブ状の微細空洞含有ポリエステルフィルム(東洋紡績社製、クリスパーK2323、250μm)を、ガイドロールを通じて張力を30N/mに調節しながら巻き出し、上記と同様にして予熱ロールで予熱した。これらのフィルムを160℃に加熱されたラミネートロールで上記熱インレットシートの両面に積層してラミネート接着した。ラミネートされた後のウェブ状のRFIDメディアは空中での放熱と表面温度20℃の冷却ロールでの冷却を経て、表面温度40℃まで冷却された後にガイドロールを通じてRFIDメディア製品ロールとして巻き取った。得られたRFIDメディアの製品ロールは定法によって打ち抜き加工を行い、86mm×54mmのRFIDメディア(ICカード)を得た。
(実施例2)
上記の酸化チタン含有マスターペレット30質量%と上記のPET樹脂35質量%、前期非晶性ポリエステル樹脂A1が35質量%よりなる混合物を原料Mとした。また、上記の非晶性ポリエステル樹脂A2が85質量%と直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(宇部丸善ポリエチレン社製、ユメリット2040F;融点116℃)15質量%の混合物を原料Cとした。また、未延伸フィルムを製造する際に共押出しする各層の厚みを変更し、厚さ250μm、すなわち熱接着層Aa/中間層/熱接着層Abの各層の厚さを12/26/12(単位:μm)とした。その他は実施例1と同様にして熱接着性二軸延伸ポリエステルフィルムを作製した。
また、実施例1と同様にして得た金属箔積層体の表面をレジスト処理及びエッチング処理して幅0.5mm、間隔0.4mmの複条パターンを10条作成した。この回路を形成した金属箔積層体に図3のラミネート工程を用いて、基材に用いたものと同じ熱接着性二軸延伸ポリエステルフィルムをラミネートした。
すなわち、ロールより巻き出されたウェブ状の金属箔積層体(FPCの一形態)を加熱炉に導き、熱風による加熱で表面温度100℃まで予熱した。また、この金属箔積層体の回路側表面にフィルムを積層した。この他は実施例1と同様にフィルムのラミネートを行い、回路部分を幅10mmにスリットして、回路の両面にポリエステルフィルムを配したフレキシブルフラットケーブル(FPCの一形態)を作製した。
(実施例3)
上記の空洞形成剤含有マスターペレット6質量%と上記のPET樹脂94質量%よりなる混合物を原料Mとした。また、上記の非晶性ポリエステル樹脂A2を87質量%と共重合ポリプロピレン樹脂(プライムポリマー社製、融点138℃)3質量%、ワックス剤含有マスターペレットW2を10質量%の混合物を原料Cとした。また、未延伸フィルムを製造する際に共押出しする各層の厚みを変更し、厚さ125μm、すなわち熱接着層Aa/中間層/熱接着層Abの各層の厚さを10/100/15(単位:μm)とした。その他は実施例1と同様にして熱接着性二軸延伸ポリエステルフィルムを作製した。
ここで得たフィルムを用いて、実施例1と同様にしてFPCを作製した。但し、金属箔としてはアルミニウム箔に代えて銅箔(CU−JIS C 6515−E2−S−2規格品、35μm)を用い、熱接着層Ab層側のフィルム表面に回路を設けた。また、ここで得たFPCを用いて、実施例1と同様にしてRFIDメディア用インレットシートを作製した。
次に、上記で得たインレットシートを用いて、熱ラミネート工程によってRFIDメディアを製造した。製造工程の模式図を図4に示す。
ロールより巻き出されたウェブ状のインレットシートを、ガイドロールを通じて表面温度300℃に加熱された赤外線ヒーターの間に10m/分の速度で導き、張力を30N/mに調節ながら表面温度100℃に予熱した。他方でウェブ状の微細空洞含有ポリエステルフィルム(東洋紡績社製、クリスパーK2323、50μm)を、ガイドロールを通じて張力を10N/mに調節しながら巻き出し、160℃に加熱されたラミネートロールで上記熱インレットシートの両面に積層してラミネート接着した。ラミネートされた後のウェブ状のRFIDメディアは空中での放熱と表面温度20℃の冷却ロールでの冷却を経て、表面温度40℃まで冷却された後にガイドロールを通じてRFIDメディア製品ロールとして巻き取った。このRFIDメディアの片面に粘着加工を施した後に打ち抜き加工を行い、120mm×54mmのRFIDメディア(ICタグ)を得た。
(実施例4)
上記の空洞形成剤含有マスターペレット15質量%と上記のPET樹脂85質量%よりなる混合物を原料Mとした。また、上記の非晶性ポリエステル樹脂A3を88質量%と環状ポリオレフィン樹脂(三井化学社製、APL8008T、ガラス転移温度70℃)6質量%、ワックス含有マスターペレットW1を6質量%の混合物を原料Cとした。また、未延伸フィルムを製造する際に共押出しする各層の厚みを変更し、厚さ125μm、すなわち熱接着層Aa/中間層/熱接着層Abの各層の厚さを15/220/15(単位:μm)とした。その他は実施例1と同様にして熱接着性二軸延伸ポリエステルフィルムを作製した。
次に、上記で得たフィルムの片面に実施例3と同様にして銅箔を積層して金属箔積層体を作製した後、実施例2と同様にしてレジスト処理及びエッチング処理を行った。さらに、回路を形成した金属箔積層体の回路側表面に錫メッキ処理を行い、フレキシブルフラットケーブル(FPCの一形態)を作製した。
(実施例5)
上記のPET樹脂のみを原料Mとした。また、上記の非晶性ポリエステル樹脂A1を70質量%と上記のアタクチックポリスチレン樹脂5質量%、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂5質量%、ワックス含有マスターペレットW1を20質量%の混合物を原料Cとした。また、未延伸フィルムを製造する際に共押出しする各層の厚みを変更し、厚さ80μm、すなわち熱接着層Aa/中間層/熱接着層Abの各層の厚さを20/40/20(単位:μm)とした。その他は実施例1と同様にして熱接着性二軸延伸ポリエステルフィルムを作製した。その他は実施例1と同様にして、FPC、インレットシート及びRFIDメディア(ICカード)を作製した。
(実施例6)
上記の空洞形成剤含有マスターペレット8質量%と上記のPEN樹脂92質量%よりなる混合物を原料Mとした。また、上記の非晶性ポリエステル樹脂A2を80質量%とアタクチックポリスチレン樹脂を10質量%、ワックス含有マスターペレットW1を10質量%からなる混合物を原料Cとした。
原料M及び原料Cを水分率80ppmまで真空乾燥して、各々別の押出機に供給して溶融してフィードブロックに導き、原料Mからなる中間層(基材)の両面に原料Cからなる熱接着層が積層されるようにフィードブロックで接合した後、T型ダイスより20℃に調節された冷却ドラム上にフィルム状に押し出し、厚み2.4mmの3層構成の未延伸フィルムを製造した。なお、未延伸フィルム製造時、冷却ドラムの反対面には20℃に調節した冷風を吹き付けて冷却した。
得られた未延伸フィルムを、加熱ロールを用いて100℃に均一に加熱し、さらに赤外線ヒーターを用いてフィルム温度が120℃となるように加熱しながら、ロール間で速度差を利用して縦方向に3.0倍に延伸した。このようにして得られた縦一軸延伸フィルムの両端をクリップで把持し、フィルム表面温度がおよそ140℃になるよう熱風で予熱した後、およそ170℃まで加熱しながら横方向に3.4倍に延伸した。その後、フィルム幅を固定した状態で乾燥熱風によっておよそ240℃まで加熱して熱固定を行い、およそ200℃まで冷却しながら幅方向に5%の弛緩熱処理を行った。その後徐々に冷却を行い、フィルムの表面温度が熱接着層のガラス転移温度よりも十分に低い温度となった後フィルム端部を切除し、次いでフィルムをロール状に巻き取った。
以上の方法により、厚さ200μmの熱接着性ポリエステルフィルムを得た。なお、フィルム断面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、各層の厚み(熱接着層Aa/中間層(基材)/熱接着層Ab)は、およそ20/160/20(単位:μm)であった。
上記で得られたフィルムを用い、実施例3と同様にしてFPC、インレットシート及びRFIDメディア(ICタグ)を作製した。
(比較例1)
上記の空洞形成剤含有マスターペレット8質量%と酸化チタン含有マスターペレット8質量%と上記のPET樹脂84質量%よりなる混合物を原料Mとした。また、上記の非晶性ポリエステル樹脂A1を95質量%とポリプロピレン樹脂を5質量%の混合物を原料Cとした。この他は実施例1と同様にしてFPC、インレットシート及びRFIDメディア(ICカード)を作製した。
(比較例2)
上記の酸化チタン含有マスターペレット30質量%と上記のPET樹脂70質量%よりなる混合物を原料Mとした。また、上記の非晶性ポリエステル樹脂A2を94質量%とアタクチックポリスチレン樹脂を6質量%の混合物を原料Cとした。この他は実施例2と同様にしてフレキシブルフラットケーブル(FPCの一形態)を作製した。
(比較例3)
微細空洞を含有しない透明二軸延伸ポリエステルフィルム(東洋紡績社製、コスモシャインA4300、厚さ100μm)の片面に押出しラミネート法によってホットメルト接着剤(東洋紡績社製、バイロンGM920)を塗布し、各層の厚み(熱接着層Aa/中間層(基材)/熱接着層Ab)がおよそ10/100/15(単位:μm)の接着剤層を有した二軸延伸ポリエステルフィルムを作製した。
このフィルムは摩擦係数が大きく、また表面が著しく平滑であったため、ロールによる金属箔の熱ラミネート接着が困難であった。そのため、従来公知のヒートプレス法によって、FPCを作製した。すなわち、上記フィルムを30cm四方に切り出した後、その熱接着層Ab層側表面に実施例3で用いた銅箔を積層し、上下両面をテフロン(登録商標)シートで保護して熱プレス(140℃、0.3MPa、10分間)により接着した。この金属箔積層体について、実施例1と同様のレジスト処理及びエッチング処理をバッチ工程にて施し、FPCを作製した。
次に、このFPCを用いてインレットシート及びRFIDメディアを作製した。すなわち、上記FPCについて実施例1と同様にしてインレットシートを作製した後、そのインレットシートの両面に空洞含有ポリエステルフィルム(東洋紡績社製、クリスパーK2323、50μm)を配して熱プレス(140℃、0.3MPa、10分間)により接着した。その他は実施例3と同様にして、RFIDメディア(ICタグ)を得た。
(比較例4)
微細空洞を含有しない透明二軸延伸ポリエステルフィルム(東洋紡績社製、E5000、厚さ250μm)と上記のアルミニウム箔をロールから巻き出しながら積層し、熱ラミネート接着を施した。すなわち、図3のラミネート接着工程を用い、ロールより巻き出されたウェブ状の透明二軸延伸ポリエステルフィルムを、ガイドロールを通じて温度180℃に加熱された熱風オーブンに10m/分の速度で導き、張力を5N/mに調節ながら予熱した。他方でアルミニウム箔を、ガイドロールを通じて張力を10N/mに調節しながら巻き出し、290℃に加熱されたテフロン(登録商標)製ラミネートロールで上記二軸延伸ポリエステルフィルムを積層してラミネート接着した。ラミネートされた後のウェブ状の積層体は空中での放熱と表面温度60℃のテフロン(登録商標)製冷却ロールでの冷却を経て、表面温度40℃まで冷却された後にガイドロールを通じてロールに巻き取った。
得られた金属箔積層体について、実施例4と同様のレジスト処理、エッチング処理と錫メッキ処理を施し、フレキシブルフラットケーブル(FPCの一形態)を作製した。
(比較例5)
上記の酸化チタン含有マスターペレット10質量%、及び上記の非晶性ポリエステル樹脂A90質量%よりなる混合物を原料Mとした。この原料Mを水分率80ppmまで真空乾燥して一台の押出機に供給した。この原料を押出機内部で280℃まで加熱して溶融混合した後、T型ダイスより20℃に調節された冷却ドラム上に押し出し、未延伸の非晶性白色ポリエステル樹脂シート(厚み0.3mm)を製造した。なお、冷却ドラムの反対面には20℃、相対湿度30%に調節した冷風を吹き付けて冷却した。
得られたシートは耐熱性が不十分であったため、加熱時に十分な張力を加えることができず、ロールによる金属箔の熱ラミネートが困難であった。そのため、比較例3と同様にして従来公知のヒートプレス法によって、バッチ工程でFPCとインレットシート、RFIDメディア(ICタグ)を作製した。
(比較例6)
空洞含有ポリエステルフィルム(東洋紡績社製、クリスパーK1212、厚さ100μm)の片面にエポキシ含有ポリエステルポリウレタン接着剤を3g/mの厚みに塗布した後に、上記のアルミニウム箔をロールから巻き出しながら連続工程でドライラミネート接着した。また、この金属箔積層体について実施例1と同様にしてFPC及びインレットシートを作製した。次に、上記で得たインレットシートについて、上記の接着剤を用いてドライラミネート接着を行い、RFIDメディアを製造した。
すなわち、ロールより巻き出されたウェブ状のインレットシートの回路側表面にエポキシ含有ポリエステルポリウレタン接着剤を3g/mの厚みに塗布した後に、ウェブ状の微細空洞含有ポリエステルフィルム(東洋紡績社製、クリスパーK2323、250μm)をロールから巻き出しながらドライラミネート接着して、RFIDメディア(ICカード)を作製した。
上記の実施例及び比較例で得られた熱接着性二軸延伸ポリエステルフィルムの構成と特性を表1に、それを用いて得られたFPC及びRFIDメディアの特性を表2に示す。
実施例1〜6で得られたFPC及びRFIDメディアは、不良率と通信距離のバラつきが小さく、製品の外観、耐熱性に優れたものであった。また、ウェブ状フィルムとして連続加工が可能であり、生産性に優れていた。
一方、比較例1及び2では、フィルムと金属箔の間の滑り性が十分でないため、金属箔ラミネートの際に微細なシワを生じ、製品の外観上で問題を生じた。また、これに起因して不良率も高く、通信距離のバラつきも大きいという不都合が生じた。
また、比較例3では、フィルムと金属箔の間の滑り性が悪いため、著しいシワと気泡を生じて連続ラミネートで製品を製造することができず、ヒートプレス法による接着を余儀なくされた。このため、生産速度が低いだけでなく、不良率も大きくなった。さらに、ホットメルト接着剤層の厚みムラに起因して、通信距離のバラつきが大きくなった。
また、比較例4では、回路形成後のラミネート処理工程において、フィルムが熱変形を生じて平面性を失い、FPCにカールやシワなどの外観不良を生じた。これは、熱ラミネート接着で金属箔積層体を作製する際にフィルム層が溶融して、基材層が実質的に配向を有さない非晶性ポリエステルシートとなったためである。
また、比較例5では、基材層が実質的に配向を有さない非晶性ポリエステルシートを用いている。そのため、張力を加えた状態で加熱して熱ラミネートするのが困難であり、連続ラミネートで製品を製造することができなかった。そこで、ヒートプレス法を用いたが、ヒートプレス法による接着では、生産速度が低く、さらに不良率も低減することができなかった。
比較例6の製造工程では、大きな問題を生じなかった。しかしながら、二回にわたって溶剤を用いたドライラミネートの加工が必要であるため、環境適性や作業工程の煩雑さにおいて改善すべき方法である。なお、接着剤層の厚みが十分でないために集積回路やアンテナ回路の凹凸吸収性が十分でなく、製品の外観と通信距離のバラつきにおいて、改善が必要な結果となった。
Figure 2009110988
Figure 2009110988
表中の略号は以下のとおりである。 PS:アタクチックポリスチレン樹脂、PP:ポリプロピレン樹脂、LLDPE:直鎖状低密度ポリエチレン樹脂、COC:環状ポリオレフィン樹脂、PE:ポリエチレンワックス、PEG:ポリエチレングリコール、Al:アルミニウム箔、Cu:銅箔。
本発明のFPCは、耐熱性を有する基材に滑り性の良好な熱接着層を共押出しによって設けており、ウェブ状のフィルムと金属箔を連続ラミネート工程で熱接着してFPCを製造することが可能である。そのため、高い生産速度が得られるのみならず、これを用いてRFIDメディアをも連続ラミネート工程によって高い生産速度で製造することが可能である。また連続ラミネート工程によって製造されたRFIDメディアは、接着剤を用いた従来のプレス工程に比べて不良品発生率が改善され、電気的品質のバラつきを改善することができる。よって、本発明はRFIDメディアの普及に大きく貢献するものである。
実施例1、2、5で用いたラミネート接着工程の模式図である。 実施例1、3、4、5、6で用いたラミネート接着工程の模式図である。 実施例2で用いたラミネート接着工程の模式図である。 実施例3、6で用いたラミネート接着工程の模式図である。
符号の説明
1:巻き出されたフィルム又はインレットシート、金属箔積層体のロール
2:ガイドロール
3:巻き出された金属箔又はインレットシート、フィルムのロール
4:予熱ロール
5:ラミネートロール
6:冷却ロール
7:ニップロール
8:巻き取られたFPC又はRFIDメディアの製品ロール
9:加熱炉
10:赤外線ヒーター

Claims (10)

  1. 共押出しにより熱接着層及び基材層を形成した二軸延伸ポリエステルフィルムと、熱接着層を介して該二軸延伸ポリエステルフィルム表面に接着された金属箔からなる積層体をエッチング処理して製造されたフレキシブルプリント配線板において、二軸延伸ポリエステルフィルムの基材層が200〜300℃に融点を有し、熱接着層がワックスを含有するポリエステル樹脂からなること特徴とするフレキシブルプリント配線板。
  2. 二軸延伸ポリエステルフィルムの基材層が、その内部に白色顔料及び/又は微細空洞を含有する白色ポリエステルフィルムであることを特徴とする請求項1に記載のフレキシブルプリント配線板。
  3. 熱接着層が、非晶性ポリエステル樹脂Aとこれに非相溶な熱可塑性樹脂B及びワックスの混合物からなることを特徴とする請求項1又は2いずれかに記載のフレキシブルプリント配線板。
  4. 熱接着層が以下(1)〜(4)の全ての特徴を有する請求項1〜3いずれかに記載のフレキシブルプリント配線板。
    (1)非晶性ポリエステル樹脂Aのガラス転移温度が50〜95℃。
    (2)熱可塑性樹脂Bが、融点が50〜180℃の結晶性樹脂、又はガラス転移温度が−50〜150℃の非晶性樹脂、それらの混合物。
    (3)熱接着層中に熱可塑性樹脂Bを1〜30質量%含有。
    (4)熱接着層の厚みが5〜30μm。
  5. 請求項1に記載のフレキシブルプリント配線板のエッチング処理によって露出した熱接着層を介して更に樹脂からなる別のフィルムを接着して積層したフレキシブルプリント配線板。
  6. 請求項1〜5のフレキシブルプリント配線板に集積回路を配したRFIDメディア用インレットシート。
  7. 請求項6のインレットシートを用いて構成したRFIDメディア。
  8. ロール状に巻き取られたウェブ状フィルムと金属箔を巻き出しながら連続で熱ラミネートする工程を有したフレキシブルプリント配線板の製造方法において、ウェブ状フィルムとして共押出しによって形成されたワックスを含有するポリエステル樹脂からなる熱接着層を200〜280℃に融点を有するポリエステル基材層に形成した二軸延伸ポリエステルフィルムを用いることを特徴とするフレキシブルプリント配線板の製造方法。
  9. ロール状に巻き取られた複数のウェブ状フィルムとフレキシブルプリント配線板又はインレットシートを巻き出しながら連続で熱ラミネートする工程を有するRFIDメディアの製造方法において、請求項1〜6いずれかに記載のフレキシブルプリント配線板又はインレットシートを用いることを特徴とするRFIDメディアの製造方法。
  10. アンテナ回路を請求項1〜6いずれかに記載のフレキシブルプリント配線板又はインレットシートの二軸延伸ポリエステルフィルム熱接着層面に配したことを特徴とする請求項9に記載のRFIDメディアの製造方法。
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