JP2001283175A - カード用シート - Google Patents
カード用シートInfo
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Abstract
ド加工できるような、カード用シートを提供すること。 【解決手段】スキン層の間にコア層を有する少なくとも
3層のシートであって、スキン層が実質的に非結晶性の
芳香族ポリエステル系樹脂組成物からなり、コア層がポ
リカーボネート系樹脂組成物からなり、かつ、コア層の
全シート中に占める厚さの割合が50%以上、100%
未満であることを特徴とするカード用シート。
Description
ード、ICカード等のプラスチックカード等に用いられ
るシートに関し、特に、カード加工における熱プレス工
程でのシート変形を防止することができるシートに関す
るものである。
て、熱プレスでシート間を熱融着した後、打ち抜き刃で
カード形状に切断して製造される。磁気ストライプカー
ドなどのプラスチックカードの素材としては、従来より
ポリ塩化ビニル系樹脂(以下「PVC」という)が使わ
れている。最近、世の中のエコロジーブームに乗って、
PVC以外の素材からなるカード用シートのニーズが高
まっており、例えば、ポリエチレンテレフタレートの構
成成分であるエチレングリコールの約30モル%を1,
4−シクロヘキサンジメタノールで置換した実質的に非
結晶性のポリエステル系樹脂(以下「PETG」という
こともある)からなるシートが提案されている。PET
GシートはPVCシートに近いカードへの加工適性を持
ち、PVCシートと同じ設備を用いてカード化できるた
めPVCに替わるシート素材の本命と言われている。ま
た、PVCシートと比べると比較的低温でプレス融着が
可能で、プレス時のシートの流動性も良いために、非接
触式ICカードの製造において、ICデバイスを包埋す
るシートとして使用されている。
て、ICデバイスを2枚のPETGシートで挟んでプレ
スし、ICデバイスの膨らみがカード表面から認識でき
ないレベルに仕上げようとすると、シート全体が流れ過
ぎるためプレス後のシートが変形し、絵柄が歪んだり、
カードの厚さが薄くなりすぎるという問題があった。そ
こで、ICデバイスを挟んでいる2枚のPETGシート
のそれぞれの外側にPETGよりも耐熱性のあるシー
ト、例えばポリカーボネート(以下「PC」ということ
もある)や、PETGとPCとのブレンド物からなるシ
ートを配置してプレス時のシートの変形を防止する検討
がなされてきた。しかし、これらのシートがPETGシ
ートと融着し始めるのはPETGシートが流動を始める
温度より高温であるため、シートの変形を十分に防止す
ることができないという問題があった。また、ポリカー
ボネートや、PETGとPCとのブレンド物からなるシ
ートはPETGシートと比べると印刷適性が悪く、例え
ばオフセット印刷でベタを刷った時、ベタの濃さが出に
くい等の問題もあった。
解決すべくなされたものであり、本発明の目的は、非接
触式ICカード等のカードの熱プレス工程におけるシー
トの流れを防止し、かつ印刷適性にも優れるカード用シ
ートを提供することにある。
は、スキン層の間にコア層を有する少なくとも3層のシ
ートであって、スキン層が実質的に非結晶性の芳香族ポ
リエステル系樹脂組成物からなり、コア層がポリカーボ
ネート系樹脂組成物からなり、かつ、コア層の全シート
中に占める厚さの割合が50%以上、100%未満であ
ることを特徴とする。ここで、上記カード用シートの少
なくとも片面にマット加工が施されており、かつ、シー
トが白色無機顔料を5重量%以上含有することができ
る。
ン層の間にコア層を有する少なくとも3層構成のシート
であり、スキン層は実質的に非結晶性の芳香族ポリエス
テル系樹脂組成物からなり、コア層はポリカーボネート
系樹脂組成物からなる。ただし、コア層であるポリカー
ボネート系樹脂組成物からなる層の全シート厚中に占め
る割合は50%以上であることが必要である。コア層の
厚さがカード用シートの全厚さの50%未満では、プレ
ス工程におけるシートの変形を十分に防止することがで
きない。ポリカーボネート系樹脂組成物からなる層の全
シート厚中に占める割合の上限は特に限定しないが、概
ね90%である。またシートの全厚さについても特に規
定しないが、概ね0.1〜0.2mmの範囲であること
が望ましい。
スキン層/コア層/スキン層の構成を採ることができる
が、コア層を挟む2層のスキン層の厚さはそれぞれ同一
でも異なっていてもよく、また各層は1層に限定される
ことなく、2層以上から成っていてもよい。
の一方のスキン層が低温での融着性を発揮する手段を有
し、他方のスキン層が印刷適性を発揮する手段を有し、
コア層が熱プレス工程におけるシートの変形防止を発揮
する手段を有するものである。カード用シートの一方の
スキン層、すなわち一方の実質的に非結晶性の芳香族ポ
リエステル系樹脂組成物からなる層は低温での融着性に
優れ、他方のスキン層、すなわちコア層を挟んで反対側
の面の実質的に非結晶性の芳香族ポリエステル系樹脂組
成物からなる層は印刷適性に優れ、コア層であるポリカ
ーボネート系樹脂組成物からなる層はプレス工程におけ
るシートの変形を防止する働きがある。
ルボン酸とジオールとの脱水縮合体をいい、本発明に用
いられる実質的に非結晶性の芳香族ポリエステル(以下
「非結晶性ポリエステル」ということもある)とは、い
わゆる芳香族ポリエステルの中でも特に結晶性の低いも
ので、プレス融着などの実用上頻繁に行われる熱加工を
行っても、結晶化による白濁や融着不良を起こさないも
のをいう。具体的には、ポリエチレンテレフタレートに
おけるエチレングリコール成分の約30モル%を1,4
−シクロヘキサンジメタノールで置換した実質的に非結
晶性の芳香族ポリエステル系樹脂(商品名:PETG、
イーストマンケミカル社製)が商業的に入手可能なもの
として挙げられる。実質的に非結晶性の芳香族ポリエス
テル系樹脂組成物とは、主成分が非結晶性ポリエステル
系樹脂である組成物を意味する。なお、本発明におい
て、コア層を挟む2層のスキン層は非結晶性のポリエス
テル系樹脂組成物からなれば特に限定されるものではな
く、同一配合の組成物から成っても、そうでなくてもよ
い。
ポリカーボネートの他にこれに類似するものも含まれ、
またポリカーボネート系樹脂組成物とは、主成分がポリ
カーボネート系樹脂である組成物を意味する。
応じて着色剤、滑剤、フィラー、衝撃改良剤等の添加材
が添加されていたり、物性を改良するために異種のポリ
マーがブレンドされていても構わない。特に、クレジッ
トカードのようにエンボス文字が刻印されるカードに用
いられるシートの場合には、コア層にタルクのような板
状フィラー、あるいはポリブチレンテレフタレートのよ
うに引張強度を低下させるポリマーがブレンドされてい
ることが望ましい。
施されていることが望ましい。マットの粗さについては
特に限定しないが、10点平均粗さ(Rz)が3μm以
上、40μm以下であることが望ましい。Rzが3μm
未満であると、シートを積層してプレス融着する時に、
シートとシートの間、およびシートとプレスの艶板の間
の空気が抜けにくく、得られたカードに欠陥が生じ易
い。逆にRzが40μmを超えるような粗いマットの場
合は微細な印刷ができないことがある。
る場合には、シートには白色無機顔料がシート中、5重
量%以上添加されていることが望ましい。白色無機顔料
が添加される層はスキン層およびコア層のいずれか1層
でもよいし、2層以上の層に添加されていてもよい。白
色無機顔料の添加量が5重量%未満では、ISOあるい
はJIS規格で定められているカードの光透過濃度を満
たさなかったり、カードリーダライタがカードを感知で
きなくなることがある。また白色無機顔料の添加濃度の
上限は特に限定しないが、添加濃度が高すぎるとシート
の物性や加工性が低下するため、その上限は概ね30重
量%である。
得るには、例えば、各層の樹脂組成物を共押出して積層
する共押出法、各層をフィルム状に形成し、これをラミ
ネートする方法、2層を共押出法で形成し、これに別途
形成したフィルムをラミネートする方法等があるが、生
産性、コストの面から共押出法により積層することが好
ましい。具体的には、各層の樹脂組成物をそれぞれ配合
し、あるいは必要に応じてペレット状にして、Tダイを
共有連結した3層Tダイ押出機の各ホッパーにそれぞれ
投入し、温度200℃〜280℃の範囲で溶融して3層
Tダイ共押出し、冷却ロール等で冷却固化して、3層積
層体を形成することができる。なお、本発明のカード用
シートは、上記方法に限定されることなく、公知の方法
により形成することができ、例えば、特開平10−71
763号第(6)〜(7)頁の記載に従って得ることが
できる。
ード等を作製することができ、例えば、本発明のカード
用シートをコアシートとして用いることも、オーバーシ
ートとして用いることもできる。また、本発明のカード
用シートを2枚以上重ねてコアシートやオーバーシート
とすることもできる。
明する。 実施例1 スキン層として非結晶性ポリエステル(イーストマンケ
ミカル社製、「PETG6763」)を、コア層として
ポリカーボネート(三菱エンジニアリングプラスチック
ス社製、「ノバレックス7022」)を用い、かつ、そ
れぞれの層に酸化チタンを10重量%配合して、Tダイ
共押出法によりスキン層/コア層/スキン層の3層のカ
ード用シートを得た。ただし、シートの総厚さは150
μmであり、各層の厚さは表1に示すように、表裏のス
キン層の厚さは同じとし、スキン層(37.5μm)/
コア層(75μm)/スキン層(37.5μm)で、コ
ア層の厚さ比率を50%とした。
層の厚さ比率を表1に示すように変更した以外は実施例
1と同様にして、3層のカード用シートを作製した。た
だし、表裏のスキン層の厚さは同一とした。
「PETG6763」)に酸化チタンを10重量%配合
して、Tダイ押出法によりスキン層のみからなる、厚さ
が150μmの単層のカード用シートを作製した。
に示すように、45μm/60μm/45μmとなるよ
うにし、コア層の厚さがシート全体の40%となるよう
に変更した以外は実施例1と同様にして、3層のカード
用シートを作製した。
社製、「ノバレックス7022」)に酸化チタンを10
重量%配合して、Tダイ押出法によりコア層のみからな
る、厚さが150μmの単層のカード用シートを作製し
た。
3のカード用シートを用いて、以下に示すようにカード
を作製し、プレス時の流れの程度を評価した。すなわ
ち、PETG6763に酸化チタンを10重量%配合し
た組成物を、Tダイのホッパーに投入し、Tダイ押出法
により厚さが250μmの単層シート(以下「コアシー
ト」という)を作製した。次いで、得られたコアシート
および得られた各カード用シートを300mm角にカッ
トし、カード用シート/コアシート/非接触式ICモジ
ュール/コアシート/カード用シートの順に重ねた。こ
れを各シートがずれないようにクロムメッキ板の間に挟
み、プレス温度が140℃、シート面圧が15kgf/
cm2で10分間プレス加熱し、溶融一体化した。その
後、冷却して取り出し、カード状の積層物を得た。
たカード状の積層物の中央部にプレス前のカード用シー
トを重ね、上下左右方向のシートの流れ距離を測定し
た。測定した流れの距離の最大値が5mm以下であるも
のを記号「○」、5mmを超えるものを「×」で示し
た。その結果を表1に示す。
カード用シートは、プレス時の流れ距離が5mm以下で
あり、熱プレス工程におけるシートの流れを防止するこ
とができるものであることが分かった。また、カード用
シートにオフセットのベタ塗り印刷を施したところ、鮮
明な印刷画像が得られることが分かった。比較例1〜3
のカード用シートは、プレス時の流れが5mmを超え、
シートの流れを防止することができないことが分かっ
た。
ード用シートは非PVC系のカード用シートであり、カ
ード加工におけるプレス工程でのシートの流れ防止効果
に優れ、特に非接触式ICカード用シートとして好適に
使用できるものである。
Claims (2)
- 【請求項1】 スキン層の間にコア層を有する少なくと
も3層のシートであって、スキン層が実質的に非結晶性
の芳香族ポリエステル系樹脂組成物からなり、コア層が
ポリカーボネート系樹脂組成物からなり、かつ、コア層
の全シート中に占める厚さの割合が50%以上、100
%未満であることを特徴とするカード用シート。 - 【請求項2】 シートの少なくとも片面にマット加工が
施されており、かつ、シートが白色無機顔料を5重量%
以上含有することを特徴とする請求項1に記載のカード
用シート。
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