JP4978155B2 - Icカードまたはicタグの製造方法 - Google Patents
Icカードまたはicタグの製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4978155B2 JP4978155B2 JP2006294030A JP2006294030A JP4978155B2 JP 4978155 B2 JP4978155 B2 JP 4978155B2 JP 2006294030 A JP2006294030 A JP 2006294030A JP 2006294030 A JP2006294030 A JP 2006294030A JP 4978155 B2 JP4978155 B2 JP 4978155B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- film
- tag
- card
- heat
- adhesive layer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Credit Cards Or The Like (AREA)
Description
(1)ロール状素材に配線を印刷してICを積載するICタグロールの製造方法(例えば、特許文献1を参照)
(2)ロール状のICカード材料を用いたICカードの製造方法(例えば、特許文献2を参照)
(3)二本のベルトの間にプラスチックシートを供給して加熱ロールで熱した後に、液状オイルを圧媒とする連続プレス工程で接着させるICカードの製造方法(例えば、特許文献3を参照)
(4)上下のラミネートフィルムをラミネートロールで接着するICカードの製造方法(例えば、特許文献4を参照)
(5)回路モジュールの表面に接着剤を介してカバーシートを接着し、低温・低圧でロールプレスしたのち、高温・高圧で静圧プレスするICカードの製造方法(例えば、特許文献5を参照)
(6)接着剤として紫外線硬化型樹脂を使用し、ロール加圧によって接着剤層を平坦化した後に紫外線照射して接着剤層の厚みが均一なICカードを製造する方法(例えば、特許文献6を参照)
(7)ロール状のシート材に反応型接着剤を塗布してICチップを封入した後にシート材で挟み込み、接着剤を反応・硬化させるICカードの製造方法(例えば、特許文献7を参照)
(8)ICカード基盤表面に軟化温度が低い樹脂層を予め被覆してから、プラスチックフィルムや接着剤層を積層するICカードの製造方法(例えば、特許文献8を参照)
しかしながら、特許文献1の方法ではフィルムなどを積層してこれらを製造する方法が検討されておらず、特許文献3および6,7の方法では結局プレス工程によって製造するために生産性の向上および不良率の軽減が十分図られず、特許文献2および4〜8の方法では結局接着剤を用いるため接着剤層の厚みムラを改善することが困難であり、生産速度と不良率、品質のバラつきを全て改善できる技術は提案されていなかった。
(11)ポリエステルフィルムの表面に無定形ポリエステル樹脂とポリカーボネート樹脂からなる層を設けた金属板被覆用フィルム(例えば、特許文献11を参照)
(12)ポリエステルフィルムの表面に不活性粒子と非晶性ポリエステル樹脂からなる層を設けたコンデンサー用熱接着性ポリエステルフィルム(例えば、特許文献12を参照)
(13)ポリエステルフィルム上にポリオレフィン樹脂とポリエステル樹脂からなるシーラント層を設けた食品包装用袋(例えば、特許文献13を参照)
(14)非晶性ポリエステルシートの表面に非晶性ポリエステル樹脂と共重合有機粒子からなる層を設けたカード(例えば、特許文献14)
(15)非晶性ポリエステル樹脂とポリカーボネート樹脂からなるシートの両面に非晶性ポリエステル樹脂とポリカーボネート樹脂からなる耐熱層を設けたカード(例えば、特許文献15)
本発明の製造方法では、プレス工程に拠らずウェブ状フィルムを連続で熱ラミネートしてICカードまたはICタグを製造するため、現在広く行われているシートごとのプレス加工に比べて、飛躍的に生産速度を向上することができる。
[ICカードまたはICタグの製造方法]
本発明のICカードまたはICタグの製造方法では、まずロール状に巻き取られた複数のウェブ状フィルムを巻き出しながら積層する。従来一般に用いられているプレス工程による製造では基材フィルムなどを枚葉で積層しているが、本発明の方法ではロール状に巻き取られたウェブ状基材を用いるので、取り扱い性が大幅に向上するとともに、基材シート群の平置きに必要な広い保管場所も不要であり、保管やハンドリング中に荷崩れを起こしたり、一枚一枚のシートの間に異物などを混入したりするリスクも小さく、工程の煩雑さを大幅に軽減することができる。
また、本発明の製造方法においては、ウェブ状フィルムとして共押出しにより予め熱接着層を形成したウェブ状二軸延伸ポリエステルフィルムを用い、製造することを特徴とする。この二軸延伸ポリエステルフィルムについて詳述する。
本発明で用いる熱接着性ポリエステルフィルムにおいて、熱接着層は非晶性ポリエステル樹脂Aを主たる構成成分とすることが重要である。
本発明で用いる熱接着性ポリエステルフィルムは、少なくとも一層の二軸延伸ポリエステルフィルム層を基材とする。この層は従来公知の方法によって容易に光学特性や力学特性を調節することができる。すなわち、本発明で用いる熱接着性ポリエステルフィルムを白色または高隠蔽性のICカードまたはICタグとして用いる際には、基材フィルム中に微細空洞を多数含有させたり、白色顔料を含有させたりすることが好ましい実施形態の一つである。また、隠蔽性を必要としない場合で、透明性や強度が優先的に求められる場合には、極力、無機粒子や異物などを含まない二軸延伸ポリエステルフィルムを用いることが好ましい実施形態の一つである。
(1)樹脂の融点とガラス転移温度
JIS K 7121に記載の「プラスチックの転移温度測定方法」により、DSC測定を行った。サンプルは、拡大鏡つきミクロトームを用いてフィルムより熱接着層を切削した小片約10mgを、アルミパンに密封して300℃で3分間溶融し、液体窒素でクエンチしたものを用いた。測定器には示差走査熱量計(セイコーインスツルメント社製、EXSTAR6200DSC)を用い、乾燥窒素雰囲気下で実施した。室温より10℃/分の速さで加熱して中間点ガラス転移温度を求めた後、融解ピーク温度(融点)を求めた。
JIS K 7122に記載の「プラスチックの転移熱測定方法」により融解熱量を求めた。DSC測定の詳細は上記の融点の測定と同様にした。
JIS K 7130に記載の「発泡プラスチック−フィルム及びシート−厚さ測定方法」により測定した。測定器は電子マイクロメーター(マール社製、ミリトロン1240)を用いた。測定すべきフィルムの任意の4箇所より5cm角サンプル4枚を切り取り、一枚あたり各5点(計20点)測定して平均値を厚みとした。
測定すべきフィルムの任意の3箇所より小片を切り取った。ミクロトームを用いてこの小片を切削し、フィルム表面に直交するフィルム断面を作成した。この断面に白金パラジウム合金をスパッタリングしてサンプルとし、走査型電子顕微鏡(日立製作所製、S2500)を用いて断面を検鏡した。フィルム全厚みが一視野に含まれる適切な倍率で観察して、各層の厚みを測定した。測定は各視野あたり3箇所で行い、合計9箇所の平均値をもって積層厚みとした。
作成したICカードまたはICタグについて、インレットの回路面と熱接着層との間の接着面を注意深く剥離した。この熱接着層の剥離面において界面剥離している部分を選び、プリント回路の圧痕の段差を視野に含むようにして上記(5)と同様に三次元形状の画像を得た。同ソフトウェアの断面解析機能によって、圧痕の段差と直交する断面形状プロファイルを得た。このプロファイルから、プリント回路による圧痕の深さを求め、もとのプリント回路の高さ(10μm)で除して賦形率を求めた。また、圧痕の外縁部分において、圧痕部から非圧痕部に至る段差について勾配(段差中央部を含み、段差の約1/3部分での勾配)を求め、賦形部外縁の勾配とした。なお、観察は3視野について行って合計15プロファイルの平均値を評価した。
JIS K 7125に記載の「発泡プラスチック−フィルム及びシート−摩擦係数の試験方法」により測定した。測定器は引張り試験機(島津製作所製,AG1KNI)を用いた。測定すべきフィルムの任意の5箇所よりサンプル10枚を切り取り、フィルムの表裏両面を対向させて測定した。滑り片に加える荷重は1500gとし、合計5回の平均値を静摩擦係数とした。
透過光学濃度計(マクベス社、RD−914)を用いて、白色光での光学濃度を測定した。測定すべきサンプルの任意の5箇所より切り取った50mm四方のサンプル5枚について測定を行い、その平均値を光線透過率(%)に換算した。
測定すべきフィルムを任意の3箇所より長手方向に100mm、幅方向に50mmに枚葉状に切り出し、無荷重の状態で、110℃で30分間加熱処理した後、フィルムの凸部を下にして水平なガラス板上に静置して、ガラス板と立ち上がったフィルム4隅の下端との垂直距離を最小目盛り0.5mm単位で定規を用いて測定し、この4箇所の測定値の平均値をカール値とした。3枚について測定を行い、この平均値をカール値とした。
任意の5箇所より切り取った100mm四方のサンプル5枚について、JIS K 7222に記載の「発泡プラスチック及びゴム−見かけ密度の測定」により測定した。測定は室温で行い、平均値をもって見かけ密度とした。なお、表記を簡便にするため単位はg/cm3に換算した。
作成したICカードまたはICタグについて、JIS X 6305−1の方法で剥離強度を測定した。剥離強度が6N/cm以上のものを◎、3N/cm以上のものを○、3N/cm未満のものを×とした。
作成したICタグまたはICカードについて、RF−IDデモキット(オムロンソフトウェア社製,L720−H01T−W001)を用いて交信テストを行った。50枚のタグまたはカードについて評価を行い交信不能な不良品の発生率を求めた。不良品発生率が1%未満の場合を○、1%以上5%未満の場合を△、5%以上の場合を×とした。
(12)ICカードまたはICタグの通信距離のバラつき
作成したICタグまたはICカードについて、RF−IDデモキット(オムロンソフトウェア社製,L720−H01T−W001)を用いて交信テストを行った。10枚のタグまたはカードの端部を非金属製の竹ピンで保持し、およそ50cmの距離から徐々に受信アンテナに近づけて認識される最長距離を測定した。最も遠くで認識した場合と、最も近くまで認識しなかった場合の通信距離から平均通信距離とバラつきを求めた。
JIS K 7367−5に記載の「プラスチック−毛細管型粘度計を用いたポリマー希釈溶液の粘度の求め方−」により、フェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン(60/40;質量部)の混合溶媒を用いて、30℃で測定した。
粒子を走査型電子顕微鏡(日立製作所製、S2500)で観察し、粒子の大きさに応じて適宜倍率を変え、写真撮影したものを拡大コピーした。次いで、ランダムに選んだ少なくとも200個以上の粒子について、各粒子の外周をトレースした。画像解析装置にてこれらのトレース像から粒子の円相当径を測定し、それらの平均値を平均粒子径とした。
[ポリエチレンテレフタレート樹脂の製造]
エステル化反応缶を昇温して200℃に到達した時点で、テレフタル酸を86.4質量部及びエチレングリコールを64.4質量部含むスラリーを仕込み、撹拌しながら、触媒として三酸化アンチモンを0.017質量部及びトリエチルアミンを0.16質量部添加した。次いで加熱昇温を行い、ゲージ圧0.34MPa、240℃の条件で加圧エステル化反応を行った。
上記PET樹脂について、エチレングリコールの30モル%をネオペンチルグリコールに変えて製造を行い、非晶性ポリエステル樹脂A1を得た。この樹脂のDSC装置による分析では融点は観測されず、ガラス転移温度は78℃であった。
上記PET樹脂について、エチレングリコールの15モル%をネオペンチルグリコールに、テレフタル酸の15モル%をイソフタル酸に変えて製造を行い、非晶性ポリエステル樹脂A3を得た。この樹脂のDSC装置による分析では融点は観測されず、ガラス転移温度は75℃であった。
メルトフローレート1.5のポリスチレン樹脂(日本ポリスチレン社製、日本ポリスチ G797N)20質量%、メルトフローレート3.0の気相法重合ポリプロピレン樹脂(出光石油化学社製,IDEMITSU PP F300SP)20質量%及びメルトフローレート180のポリメチルペンテン樹脂(三井化学社製,TPX DX820)60質量%をペレット混合し、二軸押出機に供給して十分に混練りし、ストランドを冷却、切断して空洞形成剤含有マスターペレットを調整した。
上記で得たポリエチレンテレフタレート樹脂50質量%に、平均粒径0.3μm(電顕法)のアナタース型二酸化チタン(富士チタン社製,TA300)50質量%を混合したものをベント式二軸押出機に供給して予備混練りした後、溶融ポリマーを連続的にベント式単軸混練り機に供給して混練りして酸化チタン含有マスターペレットを調整した。
上記で得た非晶性ポリエステル樹脂A1を95質量%と、ポリエチレンワックス(三井化学社製、ハイワックス410P)5質量%を混合したものをベント式二軸押出機に供給して予備混練りした後、溶融ポリマーを連続的にベント式単軸混練り機に供給して混練りしてワックス剤含有マスターペレットW1を調整した。
前記空洞形成剤含有マスターペレット8質量%と前記酸化チタン含有マスターペレット6質量%、及び前記PET樹脂86質量%よりなる混合物を原料Mとした。また、上記非晶性ポリエステル樹脂A1を80質量%とアタクチックポリスチレン樹脂(日本ポリスチレン社製,G797N;ガラス転移温度95℃)を10質量%、ワックス剤含有マスターペレットW1を10質量%の混合物を原料Cとした。原料Mおよび原料Cを水分率80ppmまで真空乾燥して、各々別の押出機に供給した。押出しの際は、混合性と積層安定性を調整するため、原料Mは押出機内部で280℃まで加熱して溶融混合した後、樹脂温度270℃でフィードブロックに導いた。一方、原料Cは押出機内部で250℃まで加熱して溶融混合した後、樹脂温度280℃でフィードブロックに導いた。これを原料Mからなる中間層(基材)の両面に原料Cからなる熱接着層が積層されるようにフィードブロックで接合した。これをT型ダイスより20℃に調節された冷却ドラム上に押し出し、厚み2.4mmの3層構成の未延伸フィルムを製造した。なお、未延伸フィルム製造時、冷却ドラムの反対面には20℃、相対湿度30%に調節した冷風を吹き付けて冷却した。
微細空洞を含有しない透明二軸延伸ポリエステル(東洋紡績社製,コスモシャインA4100,厚さ188μm)の片面に押出しラミネート法によってホットメルト接着剤(東洋紡績社製,バイロンGM920)を厚さ10μmになるよう塗布し、接着剤層を有した二軸延伸ポリエステルフィルムを作成した。これを用いて従来公知のヒートプレス法によってICタグを作成した。すなわち、上記で得たフィルムを300mm×200mmの大きさに切り出し、その間にICタグ用インレット(オムロン社製、V720S−D13P01)を8枚配して、熱プレス(140℃,0.3MPa,10分間)により接着した。この積層体からインレット部分を含むように86mm×54mmに切り出し、四隅の角を落としてICタグを作成した。プレスは10セットを繰り返して行い、80枚のICタグを作成した。この比較例1の製造方法はプレスによるバッチ処理であるため、生産性の向上に限度があった。また接着剤層をアンテナシートに隣接して配したため、接着剤層の厚みのバラつきに起因して通信距離のバラつきが見られた。またプレス工程の温度・圧力分布に起因する回路の断線が一部のタグ製品において発生し、ICタグとしての動作不良が見られた。
比較例1と同様にして作成した接着剤層を有する二軸延伸ポリエステルフィルムを熱接着性ポリエステルフィルムとして用いた。この他は実施例1と同様のラミネート接着工程によってICタグを作成した。この比較例2の製造方法は事前にホットメルト接着剤を塗布する工程が必要であるため、その生産性は比較例1より優れるものの、実施例1に比べて煩雑であった。また接着剤層をアンテナシートに隣接して配したため、接着剤層の厚みのバラつきに起因して通信距離のバラつきが見られた。
未延伸の非晶性白色ポリエステルシート(三菱樹脂社製,ディアフィックスWHT,厚さ150μm)を熱接着性ポリエステルフィルムとして用いた。この他は実施例1と同様のラミネート接着工程によってICタグを作成した。この比較例3では、熱接着性フィルムが非晶質の未延伸シートであることから、予熱ロール通過後、およびラミネートロール通過後にフィルム自身が軟化して変形し、張力を一定に保つことが困難であった。そのため、得られたICタグは厚みが不均一であり、また平面性が不十分であり、実用的に使用できるものではなかった。
実施例1と同様にして作成した熱接着性ポリエステルフィルムを用い、この他は比較例1と同様にヒートプレス法によってICタグを作成した。この比較例4の製造方法はプレスによるバッチ処理であるため、生産性の向上に限度があった。またプレス工程の温度・圧力分布に起因する回路の断線が一部のタグ製品において発生し、ICタグとしての動作不良が見られた。
前記空洞形成剤含有マスターペレット15質量%と前記PET樹脂85質量%よりなる混合物を原料Mとした。また、上記非晶性ポリエステル樹脂A2を95質量%と直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(宇部丸善ポリエチレン社製、ユメリット2040F;融点116℃,密度0.918g/cm3)5質量%の混合物を原料Cとした。また、未延伸フィルムを製造する際に共押出しする各層の厚みを変更し、厚さ250μm、すなわち熱接着層Aa/中間層(基材)/熱接着層Abの各層の厚さを15/220/15(単位:μm)とした。その他は実施例1と同様にして熱接着性ポリエステルフィルムを作成した。またラミネート工程を図2のように変更してICタグインレットの両面に熱接着性ポリエステルフィルムを配し、ICカードを製造した。この実施例2の製造方法およびそれにより製造したICカードは実施例1と同様に優れた生産性、通信距離の安定性を有し、不良率の発生は少ないものであった。
前記の酸化チタン含有マスターペレット30質量%と前記PET樹脂70質量%よりなる混合物を原料Mとした。また、上記非晶性ポリエステル樹脂A3を85質量%と共重合環状オレフィン樹脂(三井化学社製、APL8008T、ガラス転移温度70℃)を10質量%、ワックス剤含有マスターペレットW2を5質量%の混合物を原料Cとした。この他は実施例1と同様にして熱接着性ポリエステルフィルムを製造した。また実施例1のラミネート接着工程において、予熱ロール群を廃し、これに換えて図3のように気温100℃に調節された熱風循環式の加熱炉を予熱装置として設置した。この他は実施例1と同様にしてICタグを製造した。
上記の実施例2で添加した直鎖状低密度ポリエチレン樹脂に代えて、平均粒径1.5μmの無定形シリカ粒子を1質量%含むポリエチレンテレフタレート樹脂を用いた。この他は実施例2と同様にして熱接着性ポリエステルフィルムを製造した。また実施例1のラミネート接着工程において、予熱ロール群を廃し、これに換えて図4のように表面温度300℃に調節された赤外線ヒーターを予熱装置として設置した。またラミネート速度を5m/分に変更した他は、実施例1と同様にしてラミネート接着を行い、ICタグを製造した。この比較例1で得られた熱接着性ポリエステルフィルムは、ラミネート工程における空気抜けが若干遅く、静摩擦係数が比較的高いため、ラミネート速度を減じる必要があったものの、比較例1に比べて格段に高い生産性を有しており、実施例1と同様に優れた通信距離の安定性、低い不良率を示した。
実施例1において、未延伸フィルムの製造を押出機3台によって行い、両面の熱接着層の厚みを違えた三層構成の未延伸フィルムを製造した。この際、各層の厚み(熱接着層Aa/中間層(基材)/熱接着層Ab)が、二軸延伸後で26/150/14(単位:μm)となるように、各押出機のから吐出される樹脂量を調節した。なお、熱接着層aが冷却ドラムに接する表面である。得られた未延伸フィルムは実施例1と同様に延伸したが、赤外ヒーターの温度をフィルム表裏で差をつけるよう微調整し、二軸延伸後の縦方向のカールが最小となるようにした。これ以外は実施例1と同様にして、熱接着性ポリエステルフィルムを得た。このフィルムを熱接着性フィルムとして用い、熱接着層aの表面にICタグインレットを配した他は、実施例2と同様のラミネート接着工程によってICカードを作成した。この実施例では得られたICタグに若干のカールが発生したが、通常ICカードとして用いるに問題のないものであった。
実施例5において、熱接着層および中間層(基材)の積層厚みを、二軸延伸後で47/50/3(単位:μm)となるように各押出機から吐出される樹脂量を調節した。また縦延伸工程における赤外ヒーターの加熱において、フィルム表裏に温度差をつけず、フィルムのカールを低減する手段を採用しなかった。これ以外は実施例5と同様にして熱接着性ポリエステルフィルムを製造し、実施例1と同様にしてICタグを製造した。この比較例で得られたICタグは著しいカールを生じており、実用上ICタグとして使用するのが困難であった。
実施例1において、非晶性ポリエステル樹脂A1を60質量%とアタクチックポリスチレン樹脂を40質量%よりなる混合物を原料Cとして用いた。これ以外は実施例1と同様にして熱接着性ポリエステルフィルムを製造し、実施例1と同様にしてICタグを製造した。この比較例6で得られた熱接着性ポリエステルフィルムは、ラミネート接着によって十分な接着力を発現せず、実用的に使用できるICタグが得られなかった。
実施例1において、非晶性ポリエステル樹脂A1を90質量%とポリメチルペンテン樹脂(三井化学社製,TPX DX820;融点234℃,密度0.82g/cm3)を10質量%よりなる混合物を原料Cとして用いた。これ以外は実施例1と同様にして熱接着性ポリエステルフィルムを製造し、実施例1と同様にしてICタグを製造した。この比較例7で得られた熱接着性ポリエステルフィルムは、ラミネート接着によって十分な接着力を発現せず、実用的に使用できるICタグが得られなかった。
2:ガイドロール
3:巻き出された別のウェブ状フィルムのロール
4:予熱ロール
5:ラミネートロール
6:冷却ロール
7:ニップロール
8:巻き取られたICカードまたはICタグの製品ロール
9:加熱炉
10:赤外線ヒーター
Claims (4)
- ロール状に巻き取られた複数のウェブ状フィルムを巻き出しながら積層して連続で熱ラ
ミネートする工程を有するICカードまたはICタグの製造方法において、ウェブ状フィ
ルムとして共押出しにより予め熱接着層を形成したウェブ状二軸延伸ポリエステルフィル
ムを用い、前記熱接着層が、非晶性ポリエステル樹脂Aとこれに非相溶な熱可塑性樹脂Bの混合物からなり、熱接着層の表面に熱可塑性樹脂Bに起因する突起を有し、
プレス工程を有しないラミネートロールを用いる接着工程によって製造することを特徴とするICカードまたはICタグの製造方法。 - アンテナ回路に隣接する層として接着剤層を配しないことを特徴とする請求項1に記載
のICカードまたはICタグの製造方法。 - ウェブ状の二軸延伸ポリエステルフィルムが、その内部に白色顔料または微細空洞を含
有する白色ポリエステルフィルムであることを特徴とする請求項1または2に記載のIC
カードまたはICタグの製造方法。 - 熱接着層は、その厚みが5〜30μmであり、ガラス転移温度が50〜95℃の非晶性
ポリエステル樹脂Aとこれに非相溶な熱可塑性樹脂Bの混合物からなり、熱可塑性樹脂B
は、(a)融点が50〜180℃の結晶性樹脂、(b)ガラス転移温度が−50〜150
℃の非晶性樹脂、(c)またはそれらの混合物であり、熱接着層中に1〜30質量%含有
されていることを特徴とする請求項1に記載のICカードまたはICタグの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006294030A JP4978155B2 (ja) | 2006-10-30 | 2006-10-30 | Icカードまたはicタグの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006294030A JP4978155B2 (ja) | 2006-10-30 | 2006-10-30 | Icカードまたはicタグの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008112272A JP2008112272A (ja) | 2008-05-15 |
JP4978155B2 true JP4978155B2 (ja) | 2012-07-18 |
Family
ID=39444762
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006294030A Active JP4978155B2 (ja) | 2006-10-30 | 2006-10-30 | Icカードまたはicタグの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4978155B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5863597B2 (ja) * | 2012-08-20 | 2016-02-16 | 三菱樹脂株式会社 | 積層ポリエステルフィルム |
US10248895B2 (en) * | 2015-08-25 | 2019-04-02 | Morphotrust Usa, Llc | Magnetic stripe card with increased durability |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001310435A (ja) * | 2000-04-27 | 2001-11-06 | Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd | 耐熱性フレキシブル基板の製造方法 |
JP3844289B2 (ja) * | 2001-12-20 | 2006-11-08 | Necトーキン株式会社 | Icカードの製造方法 |
JP3868332B2 (ja) * | 2002-05-23 | 2007-01-17 | トッパン・フォームズ株式会社 | Icタグラミネート装置および方法 |
JP2005100371A (ja) * | 2003-08-22 | 2005-04-14 | Toyobo Co Ltd | アンテナシート及びそれを用いたicカードまたはicタグ |
JP2005209171A (ja) * | 2003-12-25 | 2005-08-04 | Toyobo Co Ltd | Icカードまたはicタグの製造方法及びこれに用いる延伸プラスチックフィルム |
-
2006
- 2006-10-30 JP JP2006294030A patent/JP4978155B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2008112272A (ja) | 2008-05-15 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR100925110B1 (ko) | 열접착성 폴리에스테르 필름, 그것을 사용한 ic 카드또는 ic 태그의 제조방법, 및 ic 카드 또는 ic 태그 | |
US7790272B2 (en) | Multilayer film and biaxially oriented polyester film | |
JP3925736B2 (ja) | Icカードまたはicタグ用熱接着性白色ポリエステルフィルム、それを用いたicカードまたはicタグの製造方法、及びicカードまたはicタグ | |
JP4196306B2 (ja) | 光拡散性フィルム | |
JP3925735B2 (ja) | Icカードまたはicタグ、及びその製造方法 | |
JP4702280B2 (ja) | 光拡散性フィルム | |
JP3968667B2 (ja) | Icカードまたはicタグ用熱接着性ポリエステルフィルム | |
JP4715510B2 (ja) | 光拡散性フィルム | |
JP5157366B2 (ja) | Rfidメディアの製造方法 | |
JP2007203571A (ja) | 成形同時加飾用ポリエステルフィルム | |
KR20100082360A (ko) | 플렉시블 프린트 배선판, 그것을 사용한 인렛 시트, rfid 미디어 및 그의 제조방법 | |
JP4978155B2 (ja) | Icカードまたはicタグの製造方法 | |
JP2005100371A (ja) | アンテナシート及びそれを用いたicカードまたはicタグ | |
JP2005209171A (ja) | Icカードまたはicタグの製造方法及びこれに用いる延伸プラスチックフィルム | |
JP2007178789A (ja) | 光拡散性フィルムの製造方法および光拡散性フィルム | |
JP5076791B2 (ja) | 光拡散性フィルム | |
JP4563822B2 (ja) | 二軸配向積層フィルム | |
JP2009110987A (ja) | フレキシブルプリント配線板、それを用いたインレットシート及びrfidメディア | |
KR100244693B1 (ko) | 공동-함유 폴리에스테르계 복합필름 | |
JP4361419B2 (ja) | 多層フィルム | |
JP4644902B2 (ja) | 白色積層ポリエステル系フィルム | |
JP4605739B2 (ja) | 白色ポリエステルフィルムロール、およびその製造方法 | |
JP4573071B2 (ja) | 半導体ウエハ用粘着シート | |
JP2003191419A (ja) | Icカード用ポリエステルフィルム | |
JP6836067B2 (ja) | ラミネート用ポリエステルフィルム |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20090901 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20120131 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20120207 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20120301 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20120321 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20120403 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150427 Year of fee payment: 3 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 4978155 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
R371 | Transfer withdrawn |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |