JP2005100371A - アンテナシート及びそれを用いたicカードまたはicタグ - Google Patents

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Abstract

【課題】 ICチップやアンテナ回路の凹凸がカード表面に現れない優れた意匠性を有し、薬品や高温への曝露時にも機能を損なわない優れた耐久性を有する、アンテナシートおよびICカード、ICタグを提供する。
【解決手段】 プラスチックフィルムとアンテナ回路およびICチップからなるアンテナシートにおいて、前記プラスチックフィルムは空洞含有率が5〜50体積%で、かつ少なくとも一方向に延伸配向された微細空洞含有フィルムであることを特徴とするアンテナシート、及びそれを構成部材とするICカードまたはICタグ。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ICチップとアンテナ回路を設けたプラスチックフィルムからなるアンテナシート、及びこれを構成部材として用いたICカードまたはICタグに関するものである。
近年、ICチップを内蔵したカードやタグによる情報の管理運用システムが普及しはじめている。これらに用いられるカードやタグは一般に「ICカード」や「ICタグ」と呼ばれ、従来の印刷・筆記式、磁気記録式のカード・タグなどに比べて、多量の情報を記録・保持できる点で有用であることから、人や物品の各種情報を管理運用する諸分野で活用され始めている。
ICカード・タグへの情報の入出力は、主に電気的または電磁気的な方法により行われる。この入出力方式には、入出力機器とICカード・タグをその外面に設けた外部端子を通じて電気的に結合する「接触式」と、内蔵したアンテナを通じた電磁波による通信によって行う「非接触式」の二方式が主に用いられている。中でも「非接触式」は情報交換時の手続きの簡便さ、機動性の高さから様々な用途に有用であり、今後さらに活用分野を広げると考えられている。
一方でカードを構成するプラスチック材料としては、従来ポリ塩化ビニル(PVC)が主流であった。しかし近年、環境問題に起因するプラスチックの脱ハロゲン化の傾向の中で、カードの素材はPVCよりポリエステル系樹脂に置換しつつある。ここで用いられるポリエステル系の素材としては、非晶質でPVCに近い加工適性を有する、1,4−シクロヘキサンジメタノール共重合ポリエステル(PETG)無配向シートとポリエチレンテレフタレート(PET)二軸延伸フィルムが主に用いられている。しかしながら、現状のこれらシートおよびフィルムでは、それぞれに解決困難な問題点がある。
PETG無配向シートの場合、耐薬品性が十分ではない。そのため、アンテナ回路を接着する前工程で基材を洗浄する際に、あるいは使用済みのICタグを洗浄して、粘着紙などを剥離したアンテナシートを再使用する際に、洗浄剤によっては基材に劣化や変形を生じる場合があり、工程や洗浄剤の設計に制約を与えている。
また、これらのシートでは耐熱性も十分でない。そのため、カードやタグなどの製品として貨物船の船倉などに格納して熱帯地域へ輸出する場合、または洋服などのポケットに保管したままで誤ってその洋服を洗濯・熱風乾燥した場合、炎天下で自動車のダッシュボードなどに長時間放置した場合など、シートに熱による寸法変化やこれに伴う変形やカール、剥がれなどを生じて外観や機能を損なう場合があった。
一方、二軸延伸配向フィルムの場合、耐薬品性、耐熱性において十分な性能を有するものの、弾性率が大きくて容易に変形しないため、カードやタグに加工した製品としての形態でもアンテナ形状などの凹凸が表面に浮き出す問題があった。製品となった後にその表面にこのような凹凸が存在すると、外観が美麗でないことはいうまでも無く、保管や持ち運びの際に他の物品などとの擦過によって印刷に部分的なかすれを生じたり、他の物品への引っかかりから表層の剥がれを生じたり、場合によってはカードやタグ自体が破壊してしまうなどの不都合を生じる。
従来、この凹凸を軽減するためには、上記のような無配向シートをアンテナシートの上下面に貼り合わせ、この変形で凹凸を吸収させて用いている。このため、製品としてのカードやタグは結局上記に述べたような無配向シートの特性に起因する問題を完全に解決するには至っていない。
また、二軸延伸配向フィルムでは融点や熱軟化点が高いことから、従来のPVCやPETGのような自己接着性を持っておらず、単なるヒートプレスでは接着しない。このため、フィルム間にICチップやアンテナを挟んでアンテナシートを構成する場合、またカード表層に印刷済みフィルムなどを積層する場合などには、各フィルム・シート間にホットメルト系接着剤などを挿入した上で加工せざるを得ない。このことから二軸配向フィルムを用いてICカード・タグを形成する工程は煩雑で作業性や収率が悪く、製造コストも高いものであった。
延伸配向フィルムをICカードに用いる発明としては、(1)延伸ポリエステルフィルムの表層に熱接着可能な層を設けて耐熱性と接着性を両立する技術(例えば、特許文献1および2を参照)、(2)制電性を付与した延伸ポリエステルフィルムによって、電気的特性を改善する技術(例えば、特許文献3を参照)、(3)酸化チタンやカーボンブラックなどを添加した白色ポリエステルフィルムをICカードに用いることによってICカード内部の構成を光学的に隠蔽する技術(例えば、特許文献4〜6を参照)、(4)延伸ポリエステルフィルムの熱的力学的特性の改善によってカードを構成した際のカールを防止する技術(例えば、特許文献7〜9を参照)、(5)共重合ポリエステルを延伸フィルムに用いることでエンボス性などの成型性に優れたICカードを得る技術(例えば、特許文献10を参照)、などが報告されている。
特開平7−17004号公報 特開2002−331633号公報 特開平7−25187号公報 特開平11−161756号公報 特開2001−26087号公報 特開2003−53831号公報 特開平11−254576号公報 特開平11−254621号公報 特開2000−141472号公報 特開2001−283179号公報
これらの発明はICカードやタグの品質向上の点で重要な技術であるが、本発明の主旨である、耐熱性、耐薬品性とクッション性、柔軟性、貼り合わせ加工性の両立という点からは、不十分であった。
また、耐熱性、耐薬品性とクッション性と両立させるという点で、本発明の主旨に近い発明としては、白色ポリエステルフィルムと不織布を積層したものが開示されている(例えば、特許文献11を参照)。これは不織布を未延伸フィルムと積層した後に二軸延伸してフィルムをなすもので、不織布層のクッション性によって、ICカード内部の凹凸が表面に浮き出る不都合を改善している。
特開2001−26065号公報
しかしながら、この構成の積層体は、製造方法が特殊であることから設備や製造コストなどで難点があり、実質的には工業生産が困難であった。また、積層体のポリエステルフィルム部分は実質的にこれまで公知のポリエステルフィルムであることから、融点の高さに起因する接着性の問題は本質的に改善できていなかった。
すなわち、本発明の目的は、プラスチックフィルムとICチップ、アンテナ回路からなるアンテナシートにおいて、(1)ICチップやアンテナ回路の凹凸がカード表面に現れない、意匠性に優れたアンテナシートを提供することであり、(2)薬品や高温への曝露時にも機能を損なわない優れた耐久性を併せ持つアンテナシートを提供することであり、さらには(3)製造工程で貼り合わせ作業を行う際の適性にも優れるアンテナシートを提供することである。
また、前記アンテナシートを構成部材として用いたICカードにおいて、(4)ICチップやアンテナ回路の凹凸がカード表面に現れない、優れた意匠性を持つICカードを提供することであり、(5)薬品や高温への曝露時にも機能を損なわない優れた耐久性をもつICカードを提供することであり、さらには(6)製造工程で貼り合わせ作業を行う際の適性にも優れるICカードを提供することである。
また、アンテナシートを構成部材として用いたICタグにおいて、(7)ICチップやアンテナ回路の凹凸がタグ表面に現れない優れた意匠性を持つICタグを提供することであり、(8)薬品や高温への曝露時にも機能を損なわない優れた耐久性をもつICタグを提供することであり、さらには(9)使用後に回収して再使用できる環境適性に優れたICタグを提供することであり、(10)製造工程で貼り合わせ作業を行う際の適性に優れたICタグを提供することである。
本発明は、プラスチックフィルムとアンテナ回路およびICチップからなるアンテナシートにおいて、前記プラスチックフィルムは空洞含有率が5〜50体積%で、かつ少なくとも一方向に延伸配向された微細空洞含有フィルムであることを特徴とするアンテナシートである。また、前記アンテナシートを構成部材とするICカードまたはICタグである。
本発明のアンテナシート及びICカードまたはICタグは、(1)従来、延伸プラスチックフィルムを用いて達成できなかった「意匠性」と、(2)従来、塩化ビニル樹脂や非晶性ポリエステル樹脂を用いて達成できなかった「耐熱性・耐薬品性」や「環境適性」のいずれにおいても優れている。
(作用)
プラスチックフィルムとアンテナ回路、ICチップよりなるアンテナシートにおいて、前記プラスチックフィルムの空洞含有率を5〜50体積%とすることで、意匠性を改善し、少なくとも一方向に延伸配向された微細空洞含有フィルムを前記プラスチックフィルムとして用いることにより、耐熱性、耐薬品性、環境適性が改善できる。さらに、熱接着層を積層するプラスチックフィルムをアンテナシートの基材として用いることによって、貼り合わせ加工適性を改善することができる。
以下に本発明の実施形態について、詳細に説明する。
[プラスチックフィルム]
本発明に用いるプラスチックフィルムは、空洞含有率が5〜50体積%であることが極めて重要である。空洞含有率の下限は、10体積%が好ましく、15体積%が特に好ましい。空洞含有率が5体積%未満では、フィルムのクッション性が十分でなく、カードやタグの内部構造に起因する凹凸を通常用いられるカードやタグの厚みの範囲(例えば、JIS X 6301規格品のカードでは全厚み0.76mm)で十分に吸収できないため、意匠性の改善が十分に達せられず好ましくない。また、コシ感が高く、貼り合わせや接着加工の工程において好適な柔軟性を確保できないため好ましくない。
一方、フィルムの空洞含有率の上限は、40体積%が好ましく、30体積%が特に好ましい。空洞含有率が50体積%を超える場合には、基材の剥離強度が不十分となってカードに必要な堅牢度が得られなかったり、カード表面にボールペンなどの筆記具で字句を記入した際に部分的な凹みを生じたりして好ましくない。
プラスチックフィルムの内部に微細空洞を含有させる方法としては特に限定されるものでなく、公知の各手法によることができる。一般に広く用いられている方法としては、溶融したプラスチック樹脂中に気体や超臨界流体、発泡剤などを導入して成型の過程で発泡させる方法や、空洞の核となる粒子や樹脂をフィルム中に添加して延伸配向させる過程で空洞形成させる方法などがある。ここでは、延伸配向フィルムの生産工程に導入する容易さの観点から後者の方法が好ましく、そこで用いる核剤としてはフィルムを構成するプラスチック樹脂とは非相溶の熱可塑性樹脂を用いることがより好ましい。
この際、プラスチックフィルムの空洞含有率を上記の範囲に調整する方法としては、フィルム中に導入する上記の気体や発泡剤、粒子、樹脂などの含有量や種類を適宜調整するほか、延伸配向させる工程でフィルム与える温度や変形速度、変形率などを調整することでも可能である。
ここで用いる非相溶の熱可塑性樹脂としては、特に限定されるものでないが、樹脂の耐熱性や加工適温、非相溶性、経済性、廃棄性などを総合的に勘案して選定する必要がある。フィルムを構成するプラスチック樹脂がポリエステル系樹脂である場合には、非相溶熱可塑性樹脂としてポリオレフィン系樹脂を用いることが好ましく、さらにポリスチレン樹脂を混合して用いることがより好ましい。用いるポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルペンテンなどの樹脂が挙げられるが、高温下でも軟化しにくく、優れた空洞発現性を呈することからポリメチルペンテン樹脂が好ましい。またポリオレフィン系樹脂としてポリメチルペンテン樹脂を用いる場合には、必ずしも単独で用いる必要は無く、他のポリオレフィン系樹脂を副成分として添加しても良い。副成分として用いる樹脂の例としては、ポリエチレン、ポリプロピレンやこれらに種々の成分を共重合させたものが挙げられるが、特に限定されるものではない。
また、フィルムを構成するプラスチック樹脂がポリオレフィン系樹脂である場合には、非相溶熱可塑性樹脂としてポリエステル系樹脂を用いることが好ましい。用いるポリエステル系樹脂においては、ポリエチレンテレフタレートやポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンブチレンテレフタレートあるいはポリエチレン−2,6−ナフタレートなどの他、これらにイソフタル酸やシクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコールなどを共重合したポリマーでもよい。
また、本発明に用いるプラスチックフィルムは、厚み方向の変形回復率が5〜70%であることが好ましい。厚み方向の変形回復率の下限は、クッション性、アンテナシートやICカードなどを形成させる際のヒートプレス加工による厚みの「痩せ」の点から、15%であることがより好ましく、特に好ましくは25%である。
一方、フィルムの変形回復率の上限は、アンテナシート内に設置するICチップやアンテナの凹凸の吸収の点から、65%がより好ましく、特に好ましくは55%である。
フィルムの変形回復率を5〜70%の範囲に制御するためには、フィルム内部の空洞の含有率やフィルム厚みを調整する方法、また、フィルムを延伸配向させる工程で、フィルムに与える温度や変形率、延伸配向後の熱処理温度などを調整する方法が好適である。
また、本発明に用いるプラスチックフィルムは、見かけ密度が0.6〜1.3g/cm3であることが好ましく、0.8〜1.2g/cm3であることがより好ましく、最も好ましくは0.9〜1.1g/cm3である。見かけ密度が0.6g/cm3未満では、一般に用いられる有機溶剤よりも軽くなるため、アンテナやICチップの実装工程でフィルムを浸漬洗浄することが困難になり好ましくない。また、見かけ密度が1.3g/cm3を超える場合には、ICタグが重くなるため、ラベルとして取り扱う上で好ましくない。見かけ密度を0.6〜1.3g/cm3の範囲に調節する方法としては、フィルム内部の空洞含有率を調整する方法、フィルムに用いる樹脂の種類や結晶化度などを調節する方法などが好適である。
また、本発明に用いるプラスチックフィルムは、少なくとも一方向に延伸配向させたプラスチックフィルム基材であることが好ましく、等方性などの観点から、二方向に延伸配向されているものがより好ましい。無配向のプラスチックフィルムでは、耐熱性や耐薬品性などの特性で十分な性能を得られないため好ましくない。プラスチックフィルムを延伸配向させる方法は特に限定されないが、高分子の溶融物や溶液を固化させて無配向のシートを製造し、これを一方向または二方向に延伸配向させる公知の方法を用いることができる。なお、二方向に延伸配向させる場合には、厚み精度や空洞形成の容易さ、生産性などの点から、逐次二軸延伸法を用いることが好ましい。
また、本発明に用いるプラスチックフィルムは、耐熱性・耐薬品性が高い点及び空洞を含有させる技術が十分に検討されている点から、結晶性のポリエステル系樹脂またはポリオレフィン系樹脂を主成分としてなることが好ましい。中でもポリエステル系樹脂を主成分としてなるフィルムでは高い耐熱性を期待できるため、これを用いることがより好ましい。また、ポリオレフィン系樹脂を主成分としてフィルム内部に微細空洞を含有させた場合、フィルムの密度を大幅に低下させることができる。これによって、アンテナシート、ICカードやICタグを水に浮かせるように製造することも可能である。
ここで好適に用いられるポリエステル系樹脂とは、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸のごとき芳香族ジカルボン酸又はそのエステルとエチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノールのごときグリコールを重縮合させて製造されるポリエステルである。
これらのポリエステルは芳香族ジカルボン酸とグリコールとを直接反応させる方法のほか、芳香族ジカルボン酸のアルキルエステルとグリコールとをエステル交換反応させた後重縮合させるか、あるいは芳香族ジカルボン酸のジグリコールエステルを重縮合させるなどの方法によって製造することができる。
かかるポリエステルの代表例としてはポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリエチレンブチレンテレフタレートあるいはポリエチレン−2,6−ナフタレートなどが挙げられる。このポリエステルはホモポリマーであってもよく、第三成分を共重合したものであっても良い。いずれにしても本発明においては、エチレンテレフタレート単位、プロピレンテレフタレート単位、ブチレンテレフタレート単位あるいはエチレン−2,6−ナフタレート単位が70モル%以上、好ましくは80モル%以上、更に好ましくは90モル%以上であるポリエステルを用いることが耐熱性などの観点から好ましい。
また、本発明に用いるプラスチックフィルムは、光学濃度0.5〜2.0であることが好ましく、0.8〜1.6であることがより好ましい。光学濃度が0.5未満の場合、アンテナシートひいてはICカード・タグにおいて、十分な隠蔽性を得られずアンテナやICチップなどの内部の構造がカード・タグ表面から透けて見えるため好ましくない。また、光学濃度が2.0を超えるフィルムを製造するためには、酸化チタンなどの隠蔽顔料を多量に含有せざるをえない。その結果、フィルムの強度が著しく低下したり、生産性が低下したりするため好ましくない。
光学濃度を0.5〜2.0に調節する方法としては、フィルム内部の微細空洞の含有量を調節する方法のほか、フィルム中に顔料を適量含有させることによっても可能である。このような顔料としては、酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、カーボンブラック、紺青、群青などが挙げられる。特に、白色度が求められる場合には白色顔料を用いることが好ましく、なかでも隠蔽能力の点から酸化チタンを用いることがより好ましい。なお、酸化チタンにはアナターゼ型とルチル型の二種類の結晶形があるが、どちらの結晶形のものを用いても、本発明の効果に特段の差異は生じない。より高い白色度を求める場合にはアナターゼ型を用いることが色目の上で好ましく、より高い隠蔽性を求める場合には屈折率の大きなルチル型を用いることが好ましい。
これらの顔料(粒子)の含有量はフィルム全体に対して、1〜30質量%であることが好ましい。フィルム中の粒子含有量の下限は、光学濃度の点から、2質量%であることが特に好ましい。一方、フィルム中の粒子含有量の上限は、フィルムの強度、アンテナなどを貼り合わせた際の表面剥離、生産性の点から、20質量%であることが特に好ましい。
また、これらの粒子としては、その平均粒径(電子顕微鏡法による最大径の個数基準)が0.05〜1.0μmが好ましく、0.1〜0.5μmが特に好ましい。なお、幅広い波長域にわたって隠蔽性が必要となる場合には、平均粒径の異なる2種類以上の顔料粒子を混合して使用するのも好ましい方法である。
また、本発明に用いるプラスチックフィルムは、アンテナ回路やICチップが存在するフィルム面に熱接着層を積層させることが好ましい。導線からなるアンテナ回路やICチップをプラスチックフィルム上に固定する際、熱接着層の上に直接または接着剤を介して固定することで加工精度の向上が期待される。また、熱接着層が十分に厚く設けられていれば、プラスチックフィルムのクッション性に加えて、熱接着層の変形によってもアンテナなどの凹凸を吸収できるため、さらなる意匠性改善の効果が期待できる。また、熱接着層を積層したプラスチックフィルムでは、アンテナシートもしくはICカード・タグを製造する際に、接着剤層を介さずとも他のフィルムやシートと貼り合わせ加工できるため、製造工程が簡素化できる。これによっては、生産性や収率の向上、設備の簡素化や製造コスト削減も期待できる。
フィルム表面に熱接着層を設ける方法としては、フィルムを製造する際に共押出しで積層する方法をはじめ、延伸工程中あるいは延伸工程後の押出しラミネートやドライラミネート、コーティングなど公知の方法を適用できるが、加工精度や後工程の簡素化などの観点から一続きのウェッブ状態で加工する方法が好ましく、共押出しによってフィルムの製造時に積層する方法が最も好ましい。
また、熱接着層は厚みが1〜500μmであることが好ましい。熱接着層の厚みの下限は、接着力の点から、5μmであることがより好ましく、特に好ましくは10μmである。一方、熱接着層の厚みの上限は、平面性の点から、100μmであることがより好ましく、特に好ましくは30μmである。
また、前記の熱接着層を構成する熱接着性樹脂は、その融点が200℃以下もしくは実質的に観測されないものであることが好ましく、実質的に観測されないことがより好ましい。熱接着性樹脂の融点が200℃を超える場合には、この層を軟化させて接着するためフィルムに高い温度を加える必要が生じ、フィルムの変形などが生じたり、加工速度が著しく低下したりするため好ましくない。また、熱接着層に融点が実質的に観測されない場合、すなわち熱接着性樹脂が実質的に非晶質であることを意味し、幅広い温度域で貼り合わせ加工することが可能となり、さまざまな工程や素材に対して接着できるためより好ましい。
また、熱接着層を構成する熱接着性樹脂は、下地となるプラスチックフィルムに融着する素材であることが重要である。下地がポリエステル系フィルムである場合には、ポリエステル系樹脂の熱接着層を設けることが接着力の点から好ましい。具体的には、イソフタル酸(IPA)やネオペンチルグリコール(NPG)、1,4−シクロヘキサンジメタノール(CHDM)などを共重合したポリエチレンテレフタレート樹脂またはポリエチレンナフタレート樹脂、ポリトリメチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂などを主成分とするとして用いることが好ましく、NPGを共重合させたポリエチレンテレフタレート樹脂がより好ましい。また、IPAやNPG、CHDMを共重合する割合は、ジカルボン酸成分またはグリコール成分の5〜50モル%が好ましく、10〜40モル%がさらに好ましく、20〜35モル%が最も好ましい。
また、下地がポリオレフィン系フィルムである場合には、ポリエチレン系樹脂や低融点の共重合ポリプロピレン樹脂、エチレン酢酸ビニル系樹脂などが好ましく、ポリエチレン樹脂では直鎖状低密度ポリエチレン樹脂は、ポリプロピレン樹脂ではメタロセン系またはチグラーナッタ系の触媒を用いて重合されたポリプロピレン系樹脂を用いることがより好ましい。
また、前記の熱接着層中には、無機または有機の不活性微粒子を含有させることも好ましい。このような粒子を含有させることにより、熱接着層の表面に微小な凹凸を形成させることが可能であり、これによってフィルム表面の滑り性を改善し、積層したフィルムがブロッキングする問題を改善することが可能である。不活性微粒子は本発明の効果を妨げない範囲で特に限定されるものではないが、シリカやアルミナ、炭酸カルシウム、酸化チタン、硫酸バリウムなどの無機粒子や架橋アクリルまたは架橋ポリスチレンなどの有機粒子が汎用性などの観点から好ましく用いられる。また、滑り性の効果の観点から、平均粒径(電子顕微鏡法による最大径の個数基準)が0.1〜10μmの不活性粒子を0.001〜10wt%となるように熱接着層中に含有させることが好ましい。
また、本発明に用いるプラスチックフィルムは、その厚みが25〜500μmであることが好ましい。厚みの下限は、50μmであることがより好ましく、特に好ましくは75μmである。一方、厚みの上限は350μmであることがより好ましく、特に好ましくは250μmである。厚みが上記の範囲に満たない場合には、カードやタグの内部構造に起因する凹凸を十分に吸収できなくなるため、意匠性の改善効果が十分でなく好ましくない。また、上記の範囲を超える場合には、カードやタグの全厚み(例えば、JIS X 6301規格品のカードでは全厚み0.76mm)に占めるアンテナシートの割合が著しく大きくなる。このため、カードやタグの表面を印刷装飾する表層シートなど、貼りあわせてカード・タグを構成する相手素材の厚みが制約されるため好ましくない。
また、本発明に用いるプラスチックフィルムにおいては、そのいずれか一方または両方の表面に塗布層を設けても構わない。密着性改質樹脂や帯電防止剤を含有する組成物からなる塗布層を設けることにより、密着性や帯電防止性を改善することができる。例えば、密着性改質樹脂としては、ポリエステル系樹脂が好ましいが、この他にも、ポリウレタン樹脂、ポリエステルウレタン樹脂、アクリル系樹脂など、を用いることができる。股、帯電防止剤は、公知の化合物を使用することができる。ただし、上記のような熱接着層を設けた面上に塗布層を形成した場合もしくは塗布層を設けた面上に熱接着層を設ける場合、その塗布層と熱接着層の樹脂や添加物の組み合せによって双方の性能を阻害することがあり、材料の選定において融点やガラス転移温度、軟化点、表面張力、相溶性など注意が必要である。
この塗布層を設ける方法としては、グラビアコート方式、キスコート方式、ディップ方式、スプレイコート方式、カーテンコート方式、エアナイフコート方式、ブレードコート方式、リバースロールコート方式など一般的に用いられている方法が適用できる。塗布する段階としては、フィルムの延伸前に塗布する方法、縦延伸後に塗布する方法、配向処理の終了したフィルム表面に塗布する方法などのいずれの方法も可能である。
[プラスチックフィルム基材の製造方法]
本発明のアンテナシートに用いるプラスチックフィルムの製造方法について、微細空洞含有ポリエステルフィルムにより本発明を実施する場合の好ましい実施形態を詳説する。
フィルムを製造する方法としては、目的とするフィルムの組成からなる原料混合物を溶融させ、ウェブ状のシートに押出し成形して未延伸フィルムとした後、この未延伸フィルムを長手方向に延伸し、次に幅方向に延伸し、さらに熱固定処理するという、いわゆる縦横逐次二軸延伸法によって製造する一般的な方法を用いて説明する。
まず、目的とするフィルム原料を押出機に供給して未延伸シートを成形する工程について詳述する。
本発明で空洞発現剤として用いる、マトリックスのポリエステル樹脂と非相溶の熱可塑性樹脂は、フィルムの主たる構成成分であるポリエステル樹脂とペレット混合ができるよう準備しておく必要がある。例えば、ポリメチルペンテン樹脂などのポリオレフィン樹脂はポリエステル樹脂に比べて密度が小さい。このため、これらの樹脂を直接混合した後、押出機に投入して溶融するまでの間に樹脂ペレットの再分離が生じることがあり、本発明のフィルムを製造する際には注意が必要である。この対策としては、ポリオレフィン樹脂とポリエステル樹脂を事前に溶融混合し、非相溶樹脂マスターペレットとして用いることが好ましい。また、これによらず直接混合する場合には、押出機に投入される前の工程(たとえば原料の計量、供給設備内)で積極的に混合するようなミキサーを用いることも好ましい。
乾燥・計量など準備された原料は、目的とするフィルムの組成比で押出機へ供給する。この際、原料樹脂に加えて不活性粒子を添加する場合、樹脂は投入口上部のホッパーから供給し、不活性粒子は投入口へ直接、連続で供給することが好ましい。これにより、不活性粒子の偏析を防止することができる。また、設備上の制約でこれが困難な場合には、非相溶樹脂の場合と同様に事前にマスターペレットとして準備して混合する方法でもよい。
押出機では、260〜300℃に加熱され、溶融混合される。溶融樹脂は20〜40℃に調節された鏡面仕上げの冷却ロール上にシート状に押出し、未延伸シートを成型する。
なお、未延伸シートを作成する工程においては、異なる原料組成よりなる複数の層を溶融状態でフィードブロックなどを用いてマニホールドに供給し、共押出しで積層してもよい。これによって、空洞含有層の他に熱接着層や易滑層、高隠蔽層などを積層した高機能のフィルムとすることができる。
このポリエステルフィルム未延伸シートを、次に縦延伸工程に導き延伸する。未延伸シートは周速が異なる2本あるいは多数本のロール間で長手方向に延伸され一軸延伸フィルムとなる。このときの加熱手段としては、加熱ロールを用いる方法でも非接触の加熱方法を用いる方法でもよく、それらを併用してもよいが、フィルムの温度を70℃〜120℃の範囲に加熱して延伸配向させた後、速やかに70℃以下に冷却することが重要である。延伸後に70℃まで冷却する時間は60秒以下であることが好ましく、30秒以下であることがより好ましい。冷却までに要する時間がこの範囲より長いと、縦延伸されたフィルムの配向が再緩和するとともに、再結晶化が生じて次工程の横延伸が困難になるため好ましくない。
次いで、この一軸延伸フィルムをテンターに導入して幅方向に延伸する。テンター内ではフィルムの端部を金属製のクリップなどで把持した後、フィルムの長手方向に垂直に2.0〜5.0倍に延伸する。この際の加熱方法としては、熱風や赤外線などによる非接触の方法が好ましく、フィルムの温度を80℃〜150℃の温度に制御する。
また、上記の二軸延伸フィルムは熱処理を施すことが好ましい。熱処理はテンター中で行うのが好ましく、180℃〜250℃の範囲で行うのが好ましく、熱処理の温度は一般に仕上がりフィルムの熱収縮率を鑑みて設定される。なお、本発明のフィルムにおいては熱接着層を積層する場合、設備への不要な粘着を防ぐために上記の温度範囲でできるだけ低い温度とすることが好ましい。
こうして得られた空洞含有ポリエステルフィルムは、必要に応じて火炎処理やコロナ処理、活性放射線処理などの表面処理を施したあと端部を切除して適切な幅にスリットし、ロール状に巻き取って製品とする。
[アンテナ回路]
本発明に用いるアンテナ回路は特に制限されるもので無く、導電性印刷や銅箔エッチングなどによるものもの使用可能であるが、平面コイル状の金属導線アンテナであることがより好ましい。金属導線よりなるアンテナは銅箔や導電性インクよりなるものに比べて厚みや凹凸が大きく、本発明の適用によって著しく意匠性が改善する。
本発明のアンテナに用いる金属導線は、その素材を特に限定されないが一般の銅線や銀線、アルミ線などの他にマグネットワイヤや銅クラッドアルミ線なども好適に用いることができる。また導線の形状についても特に制限されず単芯や多芯を問わず使用することが可能であり、リボン線や平行線、リッツ線など高周波用途またはコイル用途としての使用に優れたものが好ましく用いられる。また、導線の直径としては0.01〜0.5mmのものが好ましく、0.05〜0.3mmのものが特に好ましい。導線の直径が0.01mm未満の場合、強度や加工適性が不足となり好ましくない。一方、導線の直径が0.5mmを超える場合、空洞含有率が5〜50体積%のプラスチックフィルムを用いたとしても、アンテナによるICカードやICタグの表面凹凸を軽減できなくなるため好ましくない。なお、金属導線はその表面に融着層(または接着層)を有しているものが好ましく用いられる。これによって、アンテナを設ける加工の工程で導線の固定精度が向上して高周波特性が改善するとともに、加工作業性(収率、加工速度など)も向上する。
[ICチップ]
本発明のアンテナシートに設けるICチップとは、半導体集積回路であれば特に限定されるものでなく、いわゆるICチップのほかLSIチップなどでも適用可能である。また、その動作や機能にも限定されず、CPU(演算装置)であってもメモリー(記憶装置)であってもよい。さらに、これが単一チップであっても複数のチップで構成されていてもよい。
[アンテナシート]
一般に、アンテナシートとは、ICカードやICタグの構成部材として用いられる中間製品であり、プラスチックのフィルムやシートにアンテナを設けたものである。本発明のアンテナシートは、上記のごときプラスチックフィルムとアンテナ回路、ICチップよりなるアンテナシートである。構造やその他の構成は特に限定されないが、アンテナシートの構成の例としては、上記のごときプラスチックフィルム(コアシート)上にアンテナ回路と集積回路を設けたものであり、さらに好ましくはこの片面または両面に別のプラスチックフィルムまたはシート(オーバーシート)を重ねて接着した構成が好適である。ここで接着するオーバーシートは特に限定されないが、コアシートに用いるものと同じ種類のプラスチックフィルムを用いることが、意匠性改善などの効果から好ましい。
また、本発明のアンテナシートにおいては、アンテナ回路がプラスチックフィルムに十分埋没した状態で設置されることによって意匠性改善効果を発揮する。このため、アンテナ回路はその厚みの15%以上がフィルムに埋没していることが好ましく、30%以上が埋没していることがより好ましく、50%以上が埋没していることが最も好ましい。
アンテナ回路を上記のように埋没させる手段は特に限定されないが、アンテナシートやICカード・タグを製造する工程において、ヒートプレス加工する方法が好ましく用いられる。ヒートプレスによってアンテナ回路を埋設する条件は一意的に決まるものでなく、用いるプラスチックフィルムの素材に応じて適当に選ばれる。またヒートプレスは通常、ホットメルト接着剤や熱接着層などによって、アンテナシートやICカード・タグを接着加工する工程と兼ねて行われるため、この接着剤などの特性を勘案して条件を決める必要がある。
プレス温度については、一般的にはフィルムを主として構成する樹脂のガラス転移温度から融点の間で行われることが好ましく、例えばポリエステル系フィルムの場合には80〜140℃が好ましく、100℃〜130℃がより好ましい。また、プレス圧力については、10kPa〜1MPaが好ましく、30kPa〜500kPaがより好ましい。またプレス状態で保持する時間としては、0.2〜60分が好ましく、0.5〜30分がより好ましく、1.0〜15分が最も好ましい。ヒートプレスを行う温度や圧力、時間が上記の範囲の下限値未満の場合には、アンテナ回路の埋没が不十分で意匠性が改善されなかったり、接着が不十分で層間剥離を生じたりするため好ましくない。一方、圧力や温度が上記の範囲の上限値を超える場合には、空洞を含有するフィルム層がつぶれてしまい、アンテナシートやICカード・タグの厚みが目的とするものより著しく薄くなったり、ICチップなどが熱的または力学的に破損したりするため好ましくない。
また、コアシートとオーバーシートの接着方法は特に限定されないが、コアシートまたはオーバーシートとなるフィルムにもとより設けられた熱接着層(好ましくは熱接着可能なポリエステル樹脂からなる層)によって接着することがより好ましい。熱接着層を用いたプラスチックフィルムをコアシートとして用いる場合、アンテナは熱接着層側の表面に設けることが、加工時の安定性や精度の向上から好ましい。また、集積回路の厚みが大きい場合には、アンテナシートを構成するプラスチックフィルムのいずれかに貫通孔を設け、ここに集積回路を埋設することも意匠性改善の観点から好ましい。
[ICカード]
本発明のICカードは、本発明の上記アンテナシートを構成部材として用いたICカードである。本発明のICカードは、アンテナシートを含むものであるから、当然「非接触型」またはいわゆる「複合型」のICカードであることが好ましい。なお、この複合型とは、接触型と非接触型の入出力方式をともに可能としたものを意味する。
本発明のICカードは、本発明のアンテナシートを備えたものであれば、構造やその他の構成は特に限定されないが、ICカードの一般的な構成の例としては、以下のようなものが挙げられる。すなわち、上記のアンテナシートの片面または両面に熱接着層を介して、ICカードとして必要な情報や図柄などを印刷によって施したフィルム(トップシート)を貼り合わせた構成が好適である。なお、ここでトップシートに用いるフィルムとしては、ポリエステル系フィルムやポリオレフィン系の延伸配向フィルムを用いることが耐熱性や耐薬品性、耐水性、強度の面から好ましく、空洞を含有する延伸配向ポリステル系フィルムを用いることが意匠性改善の点からより好ましい。また、白色顔料を含有した延伸配向ポリエステルフィルムを用いることも隠蔽性改善ひいては意匠性改善からより好ましい。
[ICタグ]
本発明のICタグは、本発明の上記アンテナシートを構成部材として用いたICタグである。本発明のICタグは、アンテナシートを含むものであるから、当然「非接触型」またはいわゆる「複合型」のICタグであることが好ましい。なお、この複合型とは、接触型と非接触型の入出力方式をともに可能としたものを意味する。
本発明のICタグは、本発明のアンテナシートを備えたものであれば、構造やその他の構成は特に限定されないが、ICタグの一般的な構成の例としては、以下のようなものが挙げられる。すなわち、本発明のアンテナシートの片面または両面にICタグとして必要な情報や図柄などを印刷したフィルムや紙を貼りあわせ、また必要により一方の表面に粘着加工を施した構成が好適である。なお、ここでアンテナシートに貼り合わせるフィルムとしては、ポリエステル系フィルムやポリオレフィン系フィルムを用いることが耐熱性や耐薬品性、耐水性や強度の面から好ましく、白色顔料を含有した延伸配向フィルムであることがより好ましい。
次に、本発明の実施例および比較例を示す。
[評価方法]
(1)ポリエステル樹脂の固有粘度
JIS K 7367−5に準拠し、溶媒としてフェノール(60質量%)と1,1,2,2−テトラクロロエタン(40質量%)の混合溶媒を用い、30℃で測定した。
(2)プラスチックフィルムの厚み
JIS K 7130「発泡プラスチック−フィルム及びシート−厚さ測定方法」により測定した。測定器は電子マイクロメーター(ミリトロン1240、マール社製)を用い、5cm角サンプル(4枚)について、各5点(計20点)測定し、この平均値を厚みとした。
(3)プラスチックフィルムの見かけ密度
JIS K 7222「発泡プラスチック及びゴム−見かけ密度の測定」により測定した。但し、表記を簡便にするため単位はg/cm3に換算した。
(4)プラスチックフィルムの空洞含有率
測定するプラスチックフィルム片について、上記(3)の方法により見かけ密度を求めた。次に、このフィルム片を凍結粉砕機により十分に細かく粉砕した。粉砕したサンプルは真空中で脱気しながら、再溶融したのちにシート状に固化させた。これを真空中から取り出し、室温に達するまで十分冷却してから、再度見かけ密度を求めた。脱気前後の見かけ密度の差の大きさを脱気後の密度で除して空洞含有率を求めた。
(5)プラスチックフィルムの変形回復率
ダイアルゲージ(ミツトヨ製、アップライトダイアルゲージ7053、3mmφ鋼球測定子付き)を用いてフィルム厚みを測定した。次に、ゲージのスピンドルに5Nの荷重を加え、測定子でフィルムを圧縮して厚みを測定した。これにより加重前後の厚み変化量(沈み込み量)を求めた。次に、5Nの荷重を取り除き、10秒後のフィルム厚みをダイアルゲージから読み取った。抜重前後の厚みの変化量(戻り量)を加重時の沈み込み量で除して、変形回復率を求めた。なお、測定値は百分率で表記した。
(6)プラスチックフィルムの光学濃度
十分に注意してゼロ点調整した分光光度計(日立製、U−3500型)に球形光拡散室を装着して、波長400nm、700nm、1000nmで分光透過率を測定した。最も透過率が大きい波長の分光透過率(T、単位:%)を代表値として用い、フィルムの光学濃度(D)を次式により求めた。
D=log10(100/T)
(7)熱接着層の融点
顕微鏡つきミクロトームを用いてフィルムより熱接着層を切削した。これをサンプルとし、JIS K 7121「プラスチックフィルムの転移温度測定方法」により、DSCの測定を行った。DSC曲線の補外融解開始温度を融点とした。
(8)アンテナシートとICカードの接着剤層の数
アンテナシートおよびICカードの層構成から、接着剤層の数を求めた。プラスチックフィルム自身にもとより存在する熱接着層は数に含まないものとした。またICカードの接着剤層としては、用いたアンテナシートの接着層も含めて計数した。
(9)アンテナシートの凹凸の大きさ
アンテナシートのICチップ部およびアンテナ部と、内部に回路が存在しない部分の厚みを上記(2)と同様に測定した。それぞれの部位の計測値のうち、最大値と最小値の差をもとめアンテナシートの凹凸とした。
(10)ICカードの耐熱性
アンテナシートを清浄で平らなステンレス鋼板(SUS304、厚さ0.8mm)上に静置し、オーブンを用いて空気雰囲気下で加熱(100℃、24時間)した。加熱前後の試料外観(光沢損失や変色、曇り、ひび割れ、変形、融解、融着)を目視評価し、加熱前後で差異の認められないものを「○」、差異の認められるものを程度に応じて「△」または「×」とした。
(11)ICカードとICタグの耐薬品性
JIS K 7114「プラスチックの耐薬品性試験方法」により評価した。試験液に50℃で7日間浸漬した後の試料外観(光沢損失や変色、曇り、ひび割れ、膨潤、変形、溶解、粘着)を目視評価した。試験液として、ICカードは次亜塩素酸ナトリウム水溶液(濃度:15質量%)を、ICタグには1N−水酸化ナトリウム水溶液(濃度:40質量%)を用いた。浸漬前後で差異の認められないものを「○」、差異の認められるものを程度に応じて「△」または「×」とした。
(12)ICカードとICタグの外観
本発明の分野において当業者としての知識を持たない人20名を対象に、目視外観と触感の印象を調査した。ICカードは表裏両面について、ICタグはダンボールに貼り付けた後の表面について評価した。回答はアンテナ回路やICチップの凹凸が「気になる」か「気にならない」の二択で求め、「気になる」と判断された割合を求めた。
[ポリエステル樹脂の作成]
テレフタル酸とエチレングリコールよりなり、平均粒子径(電子顕微鏡法、最大径の個数基準)が1.5μmである無定形シリカを400ppm含有する固有粘度0.62dl/gのポリエステルを予備結晶化後、乾燥してポリエステル原料(以下、PES1)を準備した。
ジカルボン酸成分としてテレフタル酸単位よりなり、ジオール成分としてエチレングリコール単位70モル%、ネオペンチルグリコール単位30モル%よりなり、平均粒子径(電子顕微鏡法、最大径の個数基準)が1.5μmである無定形シリカを400ppm含有する固有粘度0.69dl/gの共重合ポリエステルを乾燥してポリエステル原料(以下、PES2)を準備した。
[マスターバッチの作成]
真空オーブンを用い、平均粒子径(電子顕微鏡法、最大径の個数基準)が0.2μmであるアナターゼ型酸化チタン粒子TAを170℃、10Paの真空中で乾燥した。また、平均粒径(電子顕微鏡法、最大径の個数基準)が0.4μmであるアナターゼ型酸化チタン粒子TBを同条件で乾燥した。また、上記のポリエチレンテレフタレート樹脂を140℃、10Paの真空中で8時間乾燥した。酸化チタン粒子TAを25質量%と同粒子TBを25質量%、ポリエチレンテレフタレート樹脂50質量%をベント式二軸押出機に供給して270℃で混練してストランド状に押出し、冷却および切断して酸化チタン含有マスターバッチを調製した。これを予備結晶化した後、140℃、10Paの真空中で8時間乾燥して酸化チタンマスターバッチMAとした。
ポリメチルペンテン樹脂(三井化学製、DX845)60質量%とポリプロピレン樹脂(グランドポリマー製、F132)15質量%、ポリスチレン樹脂(日本ポリスチ製、G797)25質量%を上記の押出機に投入し、260℃で溶融混合して非相溶樹脂マスターペレットMBを調製した。
[プラスチックフィルムの作成]
本発明に用いるプラスチックフィルムの作成例を以下に示す。また、これらのフィルムの特性を表1に示す。
(プラスチックフィルムFA)
空洞含有二軸延伸ポリエステルフィルム(東洋紡績(株)製、クリスパーK2323、厚み250μm)をプラスチックフィルムFAとした。
(プラスチックフィルムFB)
ポリエステル原料PES1とマスターペレットMA、マスターペレットMBをそれぞれ65/15/20(質量%)の比率になるよう連続計量しながら、295℃に温調したベント式二軸押出機A1に供給して予備混練した。この溶融樹脂を連続的に、265℃に温調した単軸押出機A2に供給してさらに混練した。またポリエステル原料PES1のみを上記とは別の単軸押出機Bに供給し、285℃で溶融させて押出した。それぞれの押出機より供給される溶融樹脂を、それぞれギアーポンプ型計量器を介してTダイに導き、押出機Bの樹脂がフィルムの両表面となるよう厚み比率1/8/1で積層した。この溶融樹脂の積層体を30℃に調温された冷却ロール上に押出して未延伸フィルムを作製した。得られた未延伸フィルムを、加熱ロールを用いて65℃に均一加熱し、周速が異なる延伸ロール間で3.3倍に縦延伸した。このときフィルムを加熱する補助加熱装置として、延伸ロール中間部に金反射膜を備えた赤外線加熱ヒーター(定格出力:20W/cm)をフィルムの両面に対向してフィルム面から2cmの位置に設置して加熱し、延伸部分でのフィルム温度が92℃になるよう調整した。このようにして得られた一軸延伸フィルムをテンターに導き、105℃に加熱して 3.7倍に横延伸し、幅固定して230℃で5秒間の熱処理を施し、更に180℃で幅方向に4%緩和させた。このようにして得られた二軸延伸フィルムを室温まで冷却した後にコロナ処理装置に導き、両面にコロナ処理(処理電圧3kV、処理電流500mA)を施した。これにより厚さ190μmのプラスチックフィルムFAを得た。
(プラスチックフィルムFC)
ポリエステル原料PES1とマスターペレットMA、マスターペレットMBをそれぞれ88/4/8(質量%)の比率になるよう連続計量しながら、ベント式二軸押出機A1に供給した。またポリエステル原料PES2を260℃に温調した押出機Bに供給した。押出機A2および押出機Bから供給される溶融樹脂は、厚み比率が9/1となるように各押出機の吐出量を調節して積層した。それ以外の条件は、前記のプラスチックフィルムFBと同様にして、片面に熱接着層を有する、厚さ300μmのプラスチックフィルムFCを得た。
(プラスチックフィルムFD)
空洞含有ポリプロピレンフィルム(東洋紡績(株)製、トヨパールP6035、厚み150μm)の両面に、ポリエチレン樹脂(出光石油化学製、1018D)を押出しラミネートして、両面に厚さ20μmの熱接着層を有する、厚さ190μmのプラスチックフィルムFDを得た。
(プラスチックフィルムFE)
合成紙((株)ユポ製、ユポFPG80、厚み:80μm)の片面に、ポリエチレン樹脂(出光石油化学製、1018D)を押出しラミネートして、厚さ20μmの熱接着層を有する、厚さ100μmのプラスチックフィルムFEを得た。
(プラスチックフィルムFF)
二軸延伸ポリエステルフィルム(東洋紡績(株)製、コスモシャインA4300、厚み188μm)をプラスチックフィルムFFとした。
(プラスチックフィルムFG)
1,4−シクロヘキサンジメタノールを共重合した非晶性共重合ポリエステル樹脂(東洋紡績(株)製、コスモペットFP300)を200℃に温調したベント式二軸押出機A1に供給して予備溶融した後、連続的に265℃に温調した単軸押出機A2に供給して溶融押出した。押出機A2より供給される溶融樹脂はギアーポンプ型計量器を介してTダイより吐出し、30℃に調温された冷却ロール上に押出して未延伸フィルムを作製した。これにより厚さ200μmのプラスチックフィルムFGを得た。
これらのプラスチックフィルムの特性を表1に示す。
Figure 2005100371
[アンテナシートの調製]
(実施例1)
ICチップ(3mm×3mm×0.21mm)と銅線(直径0.12mm、接着性樹脂被覆マグネットワイヤ)により形成された平面コイル状アンテナ(80mm×48mm)の裏面にエポキシ樹脂系接着剤を塗布し、プラスチックフィルムFAの表面に圧着してコアシートを作成した。このコアシートのICチップとアンテナを含む領域を85mm×54mmの長方形に切り出し、アンテナシートを得た。
(実施例2)
プラスチックフィルムFAに3.2mm角の貫通孔を形成し、この貫通孔にICチップを入れ、エポキシ樹脂系接着剤によってICチップを埋設した。このほかは実施例1と同様にして、コアシートを作成した。このコアシートのアンテナ側の表面にホットメルト型接着剤シート(東洋紡績製、バイロンRV300)を配し、この上にオーバーシートとして別のプラスチックフィルムFAを重ね合わせてヒートプレス(温度120℃、圧力100kPa、時間3分間)で熱接着した。この積層体のICチップとアンテナを含む領域を85mm×54mmの長方形に切り出し、アンテナシートを得た。
(実施例3)
実施例2において、オーバーシートをプラスチックフィルムFFに変更した。この他は実施例2と同様にしてアンテナシートを得た。
(実施例4)
実施例2において、コアシートをプラスチックフィルムFBに、オーバーシートをプラスチックフィルムFCに変更した。なお、プラスチックフィルムFCは熱接着面がアンテナシートの外面側になるように配した。この他は実施例2と同様にしてアンテナシートを得た。
(実施例5)
プラスチックフィルムFCを用いて、実施例2と同様にコアシートを作成した。但し、アンテナはプラスチックフィルムFCの熱接着層面に設けた。このコアシートのアンテナ側の表面にプラスチックフィルムFAを配しヒートプレス(温度130℃、圧力200kPa、時間5分間)で熱接着した。この他は実施例2と同様にしてアンテナシートを得た。
(実施例6)
プラスチックフィルムFDを用いて、実施例2と同様にコアシートを作成した。このコアシートのアンテナ側の表面にプラスチックフィルムFDを配し、また反対側の表面にプラスチックフィルムFEを熱接着層面が最外面となるように配し、ヒートプレス(温度120℃、圧力100kPa、時間2分間)で熱接着した。この他は実施例2と同様にしてアンテナシートを得た。
(比較例1)
プラスチックフィルムFGを用いて、実施例2と同様にコアシートを作成した。このコアシートのアンテナ側の表面にプラスチックフィルムFGを配しヒートプレス(温度130℃、圧力200kPa、時間5分間)で熱接着した。この他は実施例2と同様にしてアンテナシートを得た。
(比較例2)
プラスチックフィルムFFを用いて、実施例2と同様にコアシートを作成した。このコアシートの両面にホットメルト型接着剤シート(東洋紡績製、バイロンRV300)を介し、オーバーシートとして別のプラスチックフィルムFFを配して、ヒートプレス(温度120℃、圧力100kPa、時間3分間)で熱接着した。この他は実施例2と同様にしてアンテナシートを得た。
(比較例3)
比較例2において、オーバーシートをプラスチックフィルムFGに変更した。この他は比較例2と同様にしてアンテナシートを得た。
実施例と比較例のアンテナシートの構成を表2及び3に示す。
Figure 2005100371
Figure 2005100371
[ICカードの作成]
定法により印刷を施した、二軸延伸ポリエステルフィルム(東洋紡績製、コスモシャインA4300、厚み50μm)と二軸延伸空洞含有ポリエステルフィルム(東洋紡績製、クリスパーK2323、厚み50μm)を実施例1〜6および比較例1〜3で得られたアンテナシートの表面および裏面に熱接着した。但し、アンテナシート表面にもとより熱接着層を有する実施例4(プラスチックフィルムFC側の面)と実施例6では、そのままヒートプレス(温度130℃、圧力200kPa、時間1分間)で接着した。またアンテナシートの表面に熱接着層を有しない実施例1〜3、5と、実施例4(プラスチックフィルムFB側の面)と比較例1〜3ではホットメルト型接着剤シート(東洋紡績製、バイロンRV300)を介して、ヒートプレス(温度120℃、圧力100kPa、時間1分間)で熱接着した。
[ICタグの作成]
定法により印刷を施した葉書大のコート紙の裏面に、カゼイン糊を用いて実施例1〜6および比較例1〜3で得られたアンテナシートを接着した。さらにこのコート紙の裏面(アンテナシート部とその周囲2mmの領域を除く)に、定法により粘着層を付与してICタグを調製した。
以上の実施例・比較例で得たアンテナシートおよびICカード・タグについて、評価結果を表4に示す。
Figure 2005100371
比較例1および比較例3では耐熱性や耐薬品性が十分でなかった。また、比較例2ではICチップやアンテナにより生じる凹凸を十分に吸収できないため、一見して外観に不良を生じていた。また比較例2および比較例3のフィルムでは各プラスチックフィルム相互に熱接着性を持たないため、ICカードを構成するためには4層ものホットメルト接着層を介して成型する必要があった。
これに対して本発明のアンテナシートおよびICカード・タグは、これらの特性を全てに渡って十分に満足している、前述の課題を解決した優れたものであった。
本発明のアンテナシートは、ICカードやICタグの構成部材としてとして利用できる。
また、本発明のICカードは、表面凹凸が軽減された美麗な外観を有して意匠性に優れ、かつ耐熱性や耐薬品性、物理的耐久性ひいては情報保持の信頼性に優れているため、キャッシュカードやクレジットカード、プリペイドカードなど経済金融分野での情報処理に用いられるカード、社員証や学生証、各種免許証、印鑑登録証、保険証などの身分や資格の証明に用いるカード、セキュリティー管理が必要な建物などへの入出門管理や設備装置の起動運転に関わるキーカード、病院や図書館、各種物品の貸出業者などの窓口業務で個人を特定するカードなど、多くの情報を更新可能な状態で保持しつつ、非接触式の情報入出力で効率よくこれらの情報を処理することができ、また高度な信頼性が要求される用途に好適である。
さらに、本発明のICタグは、タグ表面の凹凸が軽減された美麗な外観を有し、また耐熱性や耐薬品性、物理的耐久性ひいては情報保持の信頼性に優れているため、ICタグにひも状の固定具を付したり、リング状に加工したり、粘着加工したり、他の伝票や粘着ラベル・各種ホルダーなどに添付するなどして人や物品に装着し、人や物品の情報とその移動情報の管理に用いることが有用である。
ICタグの具体例としては、(1)病院などで入院患者の管理のため体や衣服の一部に固定するタグ、(2)アパレル製品や電化製品、医薬品や食品などの商取引に伴う流通・在庫管理に関して製品に添付するタグ、(3)トラックや列車、航空機、船舶などによる貨物輸送や宅配に関して荷物に添付し移動・保管情報を管理するタグ、(4)小売業者において小型商品や高価格商品を取り扱う場合に、盗難などの犯罪を防止・抑制するために商品に固定するタグ、(5)工場などの生産現場において製造中の仕掛製品・出荷待ち製品に取付け、工程や品質、在庫を管理するためのタグ、(6)ペット動物や家畜などに取付けてその個体を識別し、個体や所有者の情報を管理するためのタグなど、多くの情報を更新可能な状態で保持しつつ、非接触式の情報入出力で効率よくこれらの情報を処理することができ、多数の人や物品の情報処理を行う用途で利用することができる。

Claims (8)

  1. プラスチックフィルムとアンテナ回路およびICチップからなるアンテナシートにおいて、前記プラスチックフィルムは空洞含有率が5〜50体積%で、かつ少なくとも一方向に延伸配向された微細空洞含有フィルムであることを特徴とするアンテナシート。
  2. 前記プラスチックフィルムは、厚み方向の変形回復率が5〜70%であることを特徴とする請求項1記載のアンテナシート。
  3. 前記微細空洞含有フィルムが、微細空洞含有ポリオレフィンフィルムであることを特徴とする請求項1または2記載のアンテナシート。
  4. 前記微細空洞含有フィルムが、微細空洞含有ポリエステルフィルムであることを特徴とする請求項1または2記載のアンテナシート。
  5. 前記プラスチックフィルムは、光学濃度が0.5〜2.0であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のアンテナシート。
  6. 前記プラスチックフィルムは、熱接着層が積層されてなるプラスチックフィルムであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のアンテナシート。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載のアンテナシートを構成部材とするICカード。
  8. 請求項1〜6のいずれかに記載のアンテナシートを構成部材とするICタグ。
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