JP2003326635A - 帯電防止付カバーフィルム - Google Patents

帯電防止付カバーフィルム

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JP2003326635A JP2002136729A JP2002136729A JP2003326635A JP 2003326635 A JP2003326635 A JP 2003326635A JP 2002136729 A JP2002136729 A JP 2002136729A JP 2002136729 A JP2002136729 A JP 2002136729A JP 2003326635 A JP2003326635 A JP 2003326635A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 帯電防止性、ヒートシール性、透明性を備
え、水分の透過が少ない帯電防止付カバーフィルムを得
る。 【解決手段】 ポリエステルフィルムの少なくとも片方
の面に金属酸化物層を形成し該金属酸化物層のうえに融
点が60℃以上の熱可塑性樹脂からなるヒートシール層
を形成した積層体に、該積層体の両方の面に帯電防止層
を設けた帯電防止付カバーフィルムであって、光線透過
率が80%以上、透湿度が3g/m2/24hr以下、
かつ表面抵抗値が1012Ω/□以下である、帯電防止付
カバーフィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、帯電防止付カバー
フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】通常、電子部品材料であるIC、トラン
ジスター、ダイオード、圧電素子レジスター、コンデン
サー等の表面実装用チップ型電子部品は、電子部品の形
状に合わせて収納できるようにエンボス成形されたポケ
ットを連続的に形成したプラスチック製エンボスキャリ
アーテープと、エンボスキャリアーテープに熱接着可能
なカバーフィルムとからなる包装体に包装されて供給さ
れる。
【0003】キャリアーテープやカバーフィルムは成型
性や取り扱いの点で合成樹脂が用いられ、ポリ塩化ビニ
ル、ポリスチレン、ポリエステル、ポリプロピレン、ポ
リカーボネート、ポリエチレンなどが材料として使われ
ている。
【0004】カバーフィルムは、キャリアーテープと熱
接着するため、ヒートシール層を有する。カバーフィル
ムは最終的にはがされるため帯電防止性能の付与が必要
である。帯電防止性能を付与するために、比較的安価な
カーボン粒子を練り込んだり、塗布することが従来より
行われている。しかしながらカーボン粒子を用いると透
明性がなくなり、カーボン粒子が脱落し、電子部品材料
へ付着することもある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このようなカバーシー
トに使用される材料は、有機高分子であるため、単独で
は非常に帯電しやすい特性をもっている。このような材
料をカバーシートとして用いた場合、シート自身が帯電
し、静電気の放電現象により、梱包された電子部品が破
損し、性能が損なわれるばかりでなく、周囲からのゴミ
が吸着し、生産歩留りを悪化させる原因にもなる。
【0006】またカバーシートにおけるヒートシール層
は、十分な密着性とイージーピール性の両方の特性を兼
ねそなえていなければならない。ヒートシール工程にお
いては低温でヒートシールができ、十分な強度を保ち、
イージーピール時には、ジッピング現象が起こらないよ
う剥離できる必要がある。
【0007】帯電防止性能としては透明性が良く、低い
表面抵抗が必要不可欠である。導電性微粒子では、透明
性が損なわれ、金属粒子の脱落が、電子部品の破損をひ
きおこす。また、界面活性剤の帯電防止剤は、湿度依存
性が大きく、安定な帯電防止性能が得られない。
【0008】またこのようなキャリヤーテープ内に梱包
された電子部品材料は、水分を非常にきらうため、長期
保管の場合、カバーシートからの水分の透過により、電
子部品材料の金属部分に水分が吸着し、チップ組み込み
時に接触不良を起こす可能性がある。
【0009】本発明は、上述の従来技術の問題を解決す
るためのものであり、安定した良好な帯電防止性、ヒー
トシール性、透明性を備え、水分の透過が少なく、電子
部品材料のカバーフィルムとして好適な帯電防止付カバ
ーフィルムを提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、ポリ
エステルフィルムの少なくとも片方の面に金属酸化物層
を形成し該金属酸化物層のうえに融点が60℃以上の熱
可塑性樹脂からなるヒートシール層を形成した積層体
に、該積層体の両方の面に帯電防止層を設けた帯電防止
付カバーフィルムであって、光線透過率が80%以上、
透湿度が3g/m 2/24hr以下、かつ表面抵抗値が
1012Ω/□以下である、帯電防止付カバーフィルムで
ある。
【0011】以下、本発明を詳細に説明する。
【0012】[ポリエステルフィルム]本発明におい
て、基材となるポリエステルフィルムとしては、ポリエ
チレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートに代
表されるポリエステルのフィルムを用いる。耐熱性、機
械的強度に優れることから二軸延伸ポリエチレンテレフ
タレートフィルムが特に好ましい。
【0013】二軸延伸ポリエステルフィルムは、従来か
ら知られている方法で製造することができる。例えば、
ポリエステルを乾燥後、Tm〜(Tm+70)℃の温度
(但し、Tm:ポリエステルの融点)で押出機にて溶融
し、ダイ(例えばT−ダイ、I−ダイ等)から回転冷却
ドラム上に押出し、40〜90℃で急冷して未延伸フィ
ルムを製造し、ついで該未延伸フィルムを(Tg−1
0)〜(Tg+70)℃の温度(Tg:ポリエステルの
ガラス転移温度)で縦方向に2.5〜8.0倍の倍率で
延伸し、横方向2.5〜8.0倍の倍率で延伸し、必要
に応じて180〜250℃の温度で1〜60秒間熱固定
することにより製造できる。フィルムの厚みは5〜10
0μmの範囲が好ましい。
【0014】これらのポリエステルには、必要により、
適当なフィラーを含有させることができる。このフィラ
ーとしては、従来からポリエステルフィルムの滑り性付
与剤として知られているものを用いることができるが、
その例を示すと炭酸カルシウム、酸化カルシウム、酸化
アルミニウム、カオリン、酸化珪素、酸化亜鉛、カーボ
ンブラック、炭化珪素、酸化錫、架橋アクリル樹脂粒
子、架橋ポリスチレン樹脂粒子、メラミン樹脂粒子、架
橋シリコーン樹脂粒子が挙げられる。さらにポリエステ
ルには、着色剤、帯電防止剤、酸化防止剤、有機滑剤、
触媒などを適宜添加してもよい。
【0015】[金属酸化物層]金属酸化物層は、電子部
品材料への水分の吸着がおこらないようにするために必
要な防湿層である。透湿度としては、耐電防止付カバー
フィルムとして3g/m2/24hr以下である。透湿
度が3g/m2/24hrを越えると、電子部品の金属
部に水分が吸着し、部品の組み込み時に接触不良の原因
となる。そのため、透湿度は3g/m2/24hr以下
が必要となる。好ましくは、1g/m2/24hr以
下、更に好ましくは0.8g/m2/24hr以下であ
る。
【0016】金属酸化物層は、Al,Si,Fe,C
r,Ni,Sn,Znの少なくとも1種以上の金属より
構成されることが好ましい。特に透明性と透湿度を達成
させるためには、SiまたはSnの酸化物が好ましい。
金属酸化物層は、蒸着法やスパッタリング法によって設
けることが出きる。膜厚みとしては透明性を保持するた
めに500Å以下であることが好ましい。さらに好まし
くは300Å以下である。
【0017】[ヒートシール層]ヒートシール層の熱可
塑性樹脂としては、十分なヒートシール性をもたせるた
め、融点が60℃以上、好ましくは60〜120℃、さ
らに好ましくは60〜110℃のものを用いる。融点が
60℃より低いと工程内で熱がかかったとき、はり付き
現象がおこり、ハンドリング性が悪くなるばかりでな
く、ロール状に巻かれたときブロッキング現象が発生す
る。120℃以上では、ヒートシール時にラミネート時
間が必要となり、生産性が悪くなり好ましくない。ヒー
トシール層の熱可塑性樹脂としては、例えば低密度ポリ
エチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDP
E)、LLDPE、VLDPE、エチレン酢酸ビニル共
重合樹脂、エチレン系アイオノマー樹脂、エチレン−ア
クリル酸エチル共重合樹脂、エチレン−アクリル酸共重
合樹脂、エチレンビニルアルコール共重合樹脂、エチレ
ン−アクリル酸エチル共重合樹脂、エチレンメタクリル
酸メチル共重合樹脂を挙げることができる。就中、エチ
レン系共重合樹脂の中でもエチレン酢酸ビニル共重合、
エチレン−アクリル酸エチル共重合樹脂が、ヒートシー
ル強度が安定していることから好ましい。特にエチレン
系共重合樹脂の場合、共重合費が5〜30%のものがヒ
ートシール性と剥離特性に優れている。
【0018】ヒートシール層は、ポリエチレンの層とエ
チレン−酢酸ビニルまたはエチレン−アクリル酸共重合
体の層との2つの層から構成されていることが好まし
い。
【0019】ヒートシール層の熱可塑性樹脂は、公知の
方法により基材のポリエステルフィルムの上に積層する
ことができる。ポリエステル基材フィルムの上に、ヒー
トシール層を設けた状態での積層厚みは、ヒートシール
強度と、剥離のバランスにより最適化して決めることが
できる。基材であるポリエステルフィルムは、剛性が高
く、剥離時にジッピングが発生する。剛性が高くなると
剥離する際キャリアテープとカバーシートの剥離角度が
小さくなるためこの現象がおこる。このため、ポリエス
テルフィルムの剛性を小さくするため、基材のポリエス
テルフィルムの厚みを薄くし、ヒートシール層の柔軟な
熱可塑性樹脂成分を増すことが好ましい。
【0020】ヒートシール層は、厚みが5mμから20
0μmが好ましく、さらには12μmから50mμが好
ましい。基材としてポリエステルフィルムを用いる場
合、ヒートシール層はポリエステルフィルムの少なくと
も2倍の厚みを有することが好ましい。2倍未満である
とジッピングが発生する。ヒートシール層は、100℃
におけるポリカーボネートとのヒートシール強度が60
0g/インチ巾以上であることがこのましい。600g
未満であればシール強度不足のため、密封が不完全にな
り好ましくない。
【0021】また、100℃から150℃のヒートシー
ル強度の変化が1500g/インチ幅以下であることが
好ましく、1500g/インチ幅を越えると生産条件の
変動により、シート強度にばらつきが発生し、はくり工
程での機械のトラブルの原因にもなるので、好ましくな
い。さらに好ましくは、1000g/インチ幅以下であ
る。このヒートシール層は上記樹脂からなる少なくとも
一層以上であることが好ましい。ポリエステルフィルム
への密着性向上のためには、コロナ処理や、アンカー処
理または多層積層により密着性や剥離時に必要なフィル
ム弾性を向上させることができる。
【0022】[帯電防止層]帯電防止層としては、有機
の帯電防止剤または高分子導電剤を含有する層を用い
る。ヒートシール層を介さずにポリエステルフィルム上
に帯電防止層を設ける際には、ポリエステルフィルムが
二軸延伸により結晶配向される前に塗設することが望ま
しい。帯電防止剤としては、下記式で示される構造の繰
り返し単位を主成分とする化合物が好ましい。
【0023】
【化1】
【0024】ただし、上記式中のR1,R2はそれぞれH
またはCH3、R3は炭素数2−10のアルキレン基、R
4,R5はそれぞれ炭素数が1−5の飽和炭化水素基、R
6は炭素数が2−10のアルキレン基、mは1−20の
数、nは1−40の数、Y-はハロゲンイオン、モノも
しくはポリハロゲン化アルキルイオン、ナイトレートイ
オン、サルフェートイオン、アルキルサルフェートイオ
ン、スルホネートイオン又はアルキルスルホネートイオ
ンである。本体帯電防止剤は、ポリエステルフィルムへ
の密着性を高めるために、アクリル共重合体、界面活性
剤等の添加物とともにポリエステルフィルム上に積層す
ることが好ましい。
【0025】また、ヒートシール層上に設けられる帯電
防止剤としては、高分子導電剤であるポリチオフェン、
ポリピロール、ポリアニリン、またはその誘導体として
得られる高分子ポリマーを用いてもよい。これら、少な
くとも一種以上の帯電防止剤を、バインダー成分とし
て、例えばポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン
樹脂およびそれらの共重合体から選ばれる樹脂に添加し
基材のポリエステルフィルム上に設ける。
【0026】帯電防止層は2つ以上の層を設けてもよい
が、帯電防止層の少なくとも1層は導電性高分樹脂から
なることが好ましい。
【0027】導電性重合体は、重合単位として下記式
(I)、式(II)、式(III)及び/又は式(IV)
で示される単位を主成分とする単独重合体または共重合
体であり、この他の重合単位を共重合成分として少量含
む共重合体であってもよい。
【0028】
【化2】
【0029】
【化3】
【0030】
【化4】
【0031】
【化5】
【0032】上記式(I)および式(II)でR1、R2
はそれぞれ水素元素(−H)、炭素数1〜20の脂肪族
炭化水素基、脂環族炭化水素基もしくは芳香族炭化水素
基、水酸基(−OH)、末端に水酸基を有する基(−R
3OH:R3は炭素数1〜20の2価の炭化水素基(例え
ば、アルキレン基、アリーレン基、シクロアルキレン
基、アルキレン・アリーレン基等))、アルコキシ基
(−OR4:R4は炭素数1〜20の炭化水素基)、末端
にアルコキシ基を有する基(−R3OR5:R5は炭素数
1〜4のアルキル基)、カルボキシル基(−COO
H)、カルボキシル塩基(−COOH:Mはアルカリ金
属元素、第4級アミンまたはテトラホスホニウム)、末
端にカルボキシル基を有する基(−R3COOH)、末
端にカルボキシル塩基を有する基(−R3COOM)、
エステル基(−COOR5)、末端にエステル基を有す
る基(−R3COOR5)、スルホン酸基(−SO
3H)、末端にスルホン酸基を有する基(−R3SO
3H)、スルホン酸塩基(−SO3M)、末端にスルホン
酸塩基を有する基(−R3SO3M)、スルホニル基(−
SO34)、末端にスルホニル基を有する基(−R3
24)、スルフィニル基(−S(=O)R4)、末端
にスルフィニル基を有する基(−R3S(=O)R4)、
アシル基(−C(=O)R6:R6は炭素数1〜10の炭
化水素基)、末端にアシル基を有する基(−R3C(=
O)R6)、アミノ基(−NH2)、末端にアミノ基を有
する基(−R3NH2)、アミノ基の水素元素の一部また
は全部が置換された基(−NR78:R7は水素元素、
炭素数1〜3のアルキル基、−CH2OHまたは−CH2
OR6、R8は炭素数1〜3のアルキル基、−CH2OH
または−CH2OR6)、アミノ基の水素元素の一部また
は全部が置換された基を末端に有する基(−R 3NR7
8)、カルバモイル基(−CONH2)、末端にカルバモ
イル基を有する基(−R3CONH2または−R3NHC
ONH2)、カルバモイル基の水素元素の一部または全
部が置換された(−CONR78)、ハロゲン基(−
F、−Cl、−Br、−I)、Rの水素元素の一部がハ
ロゲン元素で置換された基、−[NR 129+
[X-]で示される基(R9は水素元素または炭素数1〜
20の炭化水素基、X-はF-、Cl-、Br-、I-、R1
OSO3 -、R1SO3 -、NO3 -またはR1COO-で示さ
れるイオン)、リン酸塩基(−P(=O)(O
M)2)、末端にリン酸塩基を有する基(−R3P(=
O)(OM)2)、オキシラン基(下記式(V−1)で
示される基)または末端にオキシラン基を有する基(下
記式(V−2)で示される基)である。
【0033】
【化6】
【0034】
【化7】
【0035】また、下記式(II)および式(IV)でY-
は、陰イオンを有する元素または化合物(Cl-、B
-、I-、F-、R1OSO3 -、R1SO3 -、NO3 -、R1
COO-等)またはこれらの陰イオンを有する重合体を
示す。
【0036】前記式(I)、式(II)、式(III)及び
/又は式(IV)で示される重合単位としては、例えば、
下記式(I−1)〜式(I−12)、式(II−1)〜式
(II−2)、下記式(III−1)および下記式(IV−
1)〜式(IV−2)を挙げることができる。
【0037】
【化8】
【0038】
【化9】
【0039】
【化10】
【0040】
【化11】
【0041】
【化12】
【0042】
【化13】
【0043】
【化14】
【0044】
【化15】
【0045】
【化16】
【0046】
【化17】
【0047】
【化18】
【0048】
【化19】
【0049】
【化20】
【0050】
【化21】
【0051】
【化22】
【0052】
【化23】
【0053】
【化24】
【0054】なお、チオフェン及び/又はチオフェン誘
導体を重合して得られた導電性重合体には、導電性を更
に良好なものとするためドーピング剤を、例えば導電性
重合体100重量部に対し0.1〜500重量部配合す
ることができる。このドーピング剤としては、LiC
l、R10COOLi(R10:炭素数1〜30の飽和炭化
水素基)、R10SO3Li、R10COONa、R10SO3
a、R10COOK、R10SO3K、テトラエチルアンモニウ
ム、I2、BF3Na、BF4Na、CH3SO3H、Fe
Cl3、テトラシアノキノリン(TCNQ)、Na2B1
0Cl10、フタロシアニン、ポルフィリン、グルタミン
酸、アルキルスルホン酸塩、ポリスチレンスルホン酸N
a(K、Li)塩、スチレン・アルキルスルホン酸Na
(K、Li)塩共重合体、ポリスチレンスルホン酸アニ
オン(例えば、前記式(II−2a)、式(IV−1a)で
示される重合体)、スチレンスルホン酸・スチレンスル
ホン酸アニオン共重合体(例えば、前記式(II−1
a)、式(IV−2a)で示される共重合体)等を挙げる
ことができる。
【0055】[バインダー樹脂]本発明においては、ヒ
ートシール層と高分子導電性樹脂層との接着性をより良
好なものとするため、導電性重合体バインダー樹脂を配
合することができる。このバインダー樹脂は、ポリエス
テル樹脂、アクリル系樹脂、アクリル変性ポリエステル
樹脂およびウレタン樹脂からなる群から選ばれる少なく
とも1種の二次転移点が20〜150℃の樹脂であるこ
とが好ましい。この二次転移点が20℃未満であると高
分子導電性樹脂の耐ブロッキング性が低下し、150℃
を超えると高分子導電性樹脂の耐削れ性が不足する傾向
にあるので好ましくない。さらに密着性を向上させるた
めに、ヒートシール層にコロナ処理を実施してもよい。
【0056】[光線透過率]本発明の帯電防止付カバー
フィルムは、光線透過率が80%以上である。光透過率
が80%未満であると透明性が不足する。
【0057】[透湿度]本発明の帯電防止付カバーフィ
ルムは、透湿度が3g/m2/24hr以下である。透
質度が3g/m2/24hrを超えると電子部品の金属
部に水分が吸着し、部品の組み込み時に接触不良の原因
となる。
【0058】[表面抵抗値]本発明の帯電防止付カバー
フィルムの表面固有抵抗値は、耐電防止層の厚み、耐電
防止剤の含有量にも依存するところがあるが、1012Ω
/□以下であり、好ましくは105〜1012Ω/□、さ
らに好ましくは107〜1010Ω/□、特に好ましくは
107〜109Ω/□である。表面抵抗値が1012Ω/□
を超えるとカバーフィルムに蓄積した電荷が十分除電さ
れず、放電が起こる。
【0059】[層の構造]本発明において、帯電防止付
フィルムは、帯電防止層、ポリエステルフィルム、金属
酸化物層、ヒートシール層、高分子導電性樹脂の帯電防
止層の順に層が存在することが最も好ましい態様であ
る。ポリエステルフィルムと金属酸化物層の間に帯電防
止層が入る構成も好ましい態様である。
【0060】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
る。なお、フィルムの各特性は以下の方法で行なう。
【0061】(1)融点の測定 PERKINELMER製DSC−7型を用いて5℃/
分で昇温して、融点を測定する。 (2)光線透過率 JIS K7105に準じて、全光線透過率を測定す
る。 (3)透湿度 JIS Z0208「防湿包装材料の透湿度」の試験方
法に準じ測定する。 (4)表面固有抵抗値(Ω/□) タケダ理研社製 表面固有抵抗測定器を使用し、23℃
×65%RHの雰囲気下で印可電圧100Vで測定す
る。 (5)ヒートシール強度 ヒートシール温度 100℃,150℃ ラミ圧力 2.0kg/cm2 の条件にて、ヒートシール層とポリカーボネートフィル
ムを貼り合せ、常温まで冷却してから5サンプルを1イ
ンチ巾にカットし、180°の剥離強度を測定する。
【0062】[実施例1]固有粘度(オルソクロロフェ
ノール、35℃)0.65のポリエチレンテレフタレー
(PET)90wt%と平均粒径0.4μmの酸化チタ
ン10wt%からなる組成物を溶融して冷却ドラム上に
キャストし、次いで得られた未延伸フィルムを縦方向に
3.6倍延伸した。この一軸延伸フィルムの片面にメタ
クリル酸メチル(35mol%)、アクリル酸エチル
(50mol%)、アクリロニトリル(10mol
%)、及びN−メチロールメタクリルアミド(5mol
%)から作成されたノニオン性アクリル共重合体(数平
均分子量:245000、Tg=25℃)53wt%、
下記式で示される高分子帯電防止剤30wt%、2−イ
ソプロペニル−2−オキサゾリン(63mol%)、メ
タクリル酸メチル(14mol%)、メタクリルアミド
(23mol%)からなるオキサゾリン基を含有する重
合体(分子量:100000、Tg=100℃、オキサ
ゾリン等量=150g(固形分)/等量)10wt%、
ポリオキシエチレンラウリルエーテル(D−1)5wt
%からなる固形分組成の10wt%水性液を4g/m2
(wet)の塗布量でマイクログラビアコート法にてフ
ィルムの片面に塗布した。乾燥後、横方向に3.6倍延
伸し、230℃で熱処理して厚さ16μmの帯電防止層
を備える二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。
【0063】
【化25】
【0064】このフィルムの帯電防止層とは反対面に酸
化ケイ素の膜を真空蒸着法により100オングストロー
ムの薄膜を積層した。
【0065】この積層フィルムの酸化ケイ素膜上にヒー
トシール層として、溶融押し出し温度が310℃におい
てヒートシール特性をもつエチレン酸酢酸ビニル共重合
体(EVA:三井デュポン社製 P1207)を厚さ4
0μmとなるように押し出し、ヒートシール層を備える
積層フィルムを得た。このEVA表面上に高分子導電性
樹脂として、バイエル社製バイトロンP[M1]とジカ
ルボン酸成分としてテレフタル酸54モル%、イソフタ
ル酸37モル%、アジピン酸5モル%および5−Naス
ルホイソフタル酸4モル%、グリコール成分としてエチ
レングリコール92モル%、ジエチレングリコール5モ
ル%、1,4−ブタンジオール3モル%を用いて得られ
た共重合ポリエステル[M2](Tg59℃、平均分子
量20,660)、ならびにノニオン系界面活性剤[M
3](ポリオキシエチレンアルキルエーテル)からなる
組成物(重量比;M1/M2/M3=30/70/10)
の5重量%水性塗液を4g/m2(wet)となるよう
グラビアコーターで塗布した。このようにして、高分子
導電性樹脂層を備える積層フィルムである、帯電防止用
カバーフィルムをえた。結果を表1に示す。
【0066】[実施例2]実施例1におけるヒートシー
ル層をLDPE(三井デュポン社製ミラソンM11)を
溶融押し出し法により、30μm積層し、次いで実施例
1で用いたヒートシール樹脂を20μm積層した。これ
以外は実施例1と同様の方法で作成した。結果を表1に
示す。
【0067】[比較例1〜5]比較例1では、実施例1
の導電性高分子を塗布しない以外は同様の方法で得た。
比較例2では、実施例1の酸化ケイ素膜を設けない以外
は同様の方法で得た。比較例3では、実施例1のヒート
シール層の厚みを20μmとする以外は同様の方法で得
た。比較例4では、実施例1の導電性樹脂を塗布せず、
ヒートシール層にケッチェンブラック(粒径:30n
m)を3重量部添加しそれ以外は実施例1と同様の方法
で得た。比較例5では、実施例1のヒートシール層に、
三井デュポン社製 エバフレックスA709を使用する
以外は同様の方法で得た。結果を表1に示す。
【0068】
【表1】
【0069】
【発明の効果】本発明によれば、安定した良好な帯電防
止性、ヒートシール性、透明性を備え、水分の透過が少
なく、電子部品材料のカバーフィルムとして好適な帯電
防止性カバーフィルムを提供することができる。
フロントページの続き Fターム(参考) 3E086 AC07 AC22 AD09 BA04 BA15 BA33 BA40 BB02 BB22 BB35 BB51 CA31 4F100 AA17B AA17C AA19B AA19C AA20B AA20C AA22B AA22C AA24B AA24C AA25B AA25C AA28B AA28C AK01D AK01E AK04D AK41A AK42A AK68D AK71D AR00E BA04 BA05 BA06 BA07 BA10E EJ38A GB15 JA20D JB16D JD04 JG01E JG03E JG04 JG04E JK06 JL12D JN30 YY00 YY00D

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステルフィルムの少なくとも片方
    の面に金属酸化物層を形成し該金属酸化物層のうえに融
    点が60℃以上の熱可塑性樹脂からなるヒートシール層
    を形成した積層体に、該積層体の両方の面に帯電防止層
    を設けた帯電防止付カバーフィルムであって、光線透過
    率が80%以上、透湿度が3g/m2/24hr以下、
    かつ表面抵抗値が1012Ω/□以下である、帯電防止付
    カバーフィルム。
  2. 【請求項2】 金属酸化物層がAl,Si,Fe,C
    r,Ni,Sn,およびZnからなる群から選ばれる少
    なくとも1種の金属を主成分とすることを特徴とする請
    求項1記載の帯電防止付カバーフィルム。
  3. 【請求項3】 ヒートシール層がエチレン−酢酸ビニル
    またはエチレン−アクリル酸共重合体で構成されてい
    る、請求項1または2記載の帯電防止付カバーフィル
    ム。
  4. 【請求項4】 ヒートシール層がポリエチレンの層とエ
    チレン−酢酸ビニルまたはエチレン−アクリル酸共重合
    体の層との2つの層から構成されている、請求項1、2
    および3のいずれかに記載の帯電防止付カバーフィル
    ム。
  5. 【請求項5】 100℃におけるポリカーボネートとの
    ヒートシール強度が600g/インチ幅以上であり、1
    00℃から150℃のヒートシール強度変化が1500
    g/インチ幅以下である請求項1、2、3および4のい
    ずれかに記載の帯電防止付カバーフィルム。
  6. 【請求項6】 ポリエステルフィルムが二軸配向ポリエ
    チレンテレフタレートフィルムであって、ヒートシール
    層の厚みが、二軸配向ポリエステルフィルムの2倍以上
    である請求項1、2、3、4および5のいずれかに記載
    の帯電防止付カバーフィルム。
  7. 【請求項7】 帯電防止層の少なくとも1層が導電性高
    分子からなり、その表面固有抵抗値が109Ω/□以下で
    あることを特徴とする、請求項1、2、3、4、5およ
    び6のいずれかに記載の帯電防止付カバーフィルム。
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