JP4257874B2 - トップカバーテープ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンボス部にチップ型電子部品を収納し、搬送に使用されるキャリアテープの上面に、蓋材として熱シールされるトップカバーテープに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体素子に代表される表面実装用チップ型電子部品の収納、搬送、実装にそれぞれの部品形状に合わせてエンボス部が設けられたキャリアテープと、収納部品の脱落防止、保護のために蓋材として熱シール又は粘着剤を用いてシールされるトップカバーテープが包装材料として用いられている。このトップカバーテープは、実装時に剥離されて部品が取出され、実装基板に取り付けられる。
【0003】
現在、上市されているトップカバーテープは、基材層とキャリアテープに熱シールするための接着剤層から構成されている。
このような熱シールタイプのトップカバーテープに使用される接着剤は、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂が一般に用いられている。これらの接着剤には、キャリアテープと適度な接着力で接着でき、搬送時に収納部品が脱落せず、実装時にはスムースに剥離されることが求められる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、剥離時に要求される剥離強度は、一般的な接着力とは異なり、非常に低い値が要求される。
この要求に応えるため、従来、接着剤の接着力を阻害する手法、例えば接着剤中に接着しないものを添加する、もしくは接着剤を部分的に塗布することが行われている。これらの手法で所定の剥離強度を得ることは可能であるが、接着部位によって剥離強度の最大値と最小値の差、すなわち“あばれ”が大きくなることがある。これはキャリアテープのエンボス部によって接着部と非接着部が交互に並んでいるために起こる現象であり、“あばれ”が大きいと剥離時にキャリアテープが搬送レール中で暴れることがある。
このキャリアテープの“あばれ”が発生すると収納部品が踊るため、部品取り出し部すなわちピックアップ部で部品が反転したり、飛び出したりして実装することができないピックアップ不良を生じる。また、“あばれ”によってキャリアテープがバタツキ蛇行するため、マウンターカセット内で、トップカバーテープに傷が発生してトップカバーテープが切れたり、また、トップカバーテープに層間剥離が生じるデラミなどが発生して、部品の取り出し不良となる。いずれも実装機の稼働率を低下させる。
【0005】
また、収納される電子部品は、静電気によって壊れやすいという特性を有している。このためキャリアテープには導電処理がなされているが、この導電処理はトップカバーテープ側にも求められる。しかし、導電性を持たせるためには材料中に導電性のフィラーを添加する必要があるが、通常使用されているフィラーは不透明なため必要な導電性が得られるだけの量を添加すると、トップカバーテープの透明性が低下して収納物の確認が困難になる。
【0006】
さらに、キャリアテープに使用される樹脂材料は塩化ビニル樹脂をはじめとして、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリスチレン樹脂と多様化され、トップカバーテープにもこれら全ての樹脂材料と接着することが求められている。
【0007】
本発明は上記問題に鑑み、透明性と導電性を兼ね備え、トップカバーテープの剥離時の“あばれ”が小さく、安定して剥離することができ、キャリアテープの“あばれ”による部品の飛び出し、傷による切れを生じることなく、また様々な樹脂材料からなるキャリアテープと接着可能なトップカバーテープを提供することを課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、熱シール時にはキャリアテープに強固に接着され、剥離時には“あばれ”の少ない安定した剥離を行うことのできる構造とすることで、“あばれ”による部品の飛び出しやトップカバーテープの切れを生じず、さらには各種材料からなるキャリアテープに熱シールすることのできる透明性に優れたトップカバーテープを得るために鋭意研究を行った結果、トップカバーテープの接着シール層を層間剥離層と接着剤層からなる2層構成とし、キャリアテープとの熱シール時には接着剤層によってキャリアテープと強固に接着し、剥離時には層間剥離層の凝集破壊によって剥離が進行する、接着と剥離を安定して行うことのできる構成とし、透明性に対しては、接着剤層のみに導電性のフィラーを添加することによって、トップカバーテープ全体の透明性を損なわず、さらに接着剤層にアクリル系樹脂を用いることで、各種樹脂材料からなるキャリアテープに熱シール可能なトップカバーテープが得られることを見出して本発明を完成させた。
【0009】
本発明のトップカバーテープは、チップ型電子部品を収納するエンボス部が所定間隔を空けて連続的に形成されるキャリアテープの開口上面に熱シールされるカバーテープであって、該カバーテープが基材層と接着シール層とからなり、該基材層はポリエステル樹脂,ポリアミド樹脂,ポリプロピレン樹脂及びポリエチレンテレフタレート樹脂から選択される厚さ5〜50μ m の二軸延伸フィルムを外層とし、内層として JIS K-7311 に規定される方法で測定した硬度100以下を有する熱可塑性ポリウレタン樹脂の厚さ5〜50μ m のフィルムとの積層体で構成され、この基材層に、順次、前記内層よりも硬度が低く柔軟性に富んだガラス転移温度(Tg)20℃以下もしくは30℃以上を有するポリエステル系樹脂及び/又は可溶性アクリルゴム未硬化物で形成される層間剥離層及び導電性を付与した前記内層よりも高い硬度を有する熱可塑性アクリル系樹脂接着剤層で構成される接着シール層が積層一体化されてなることを特徴としている。
【0010】
基材層は、少なくとも1層の二軸延伸フィルムからなる外層と接着シール層側に熱可塑性ポリウレタン樹脂が積層された内層とからなる2層構成、もしくは3層構成、例えば、二軸延伸フィルム−ポリエチレン−二軸延伸フィルムとしてもよく、また、二軸延伸フィルムの表面にプライマー処理を施してもよい。さらに、このトップカバーテープの導電性を向上させるために、接着剤層に、熱可塑性アクリル系樹脂100容量部に対して、導電性酸化錫がコーティングされた硫酸バリウム粒子を50〜150容量部添加して形成してもよく、さらに、硫酸バリウム粒子の粒径は0.1〜10Ωmの範囲にあるものが好ましい。また、本発明のトップカバーテープの表面抵抗値は106 〜1012Ω・cm2が好ましく、より好ましくは接着シール層が106 〜108 Ω・cm2 の範囲であり、曇り度は20%以下とされる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図を用いてさらに詳細に説明する。図1は、本発明のトップカバーテープ1を示す部分断面図であり、同図(a)は参考例であり、基材層2が二軸延伸フィルムの1層からなり、その下に層間剥離層3aと接着剤層3bからなる接着シール層3が設けられている。同図(b)は基材層2が外層2aと内層2bの2層から形成され、その下には同図(a)と同様の層間剥離層3aと接着剤層3bからなる接着シール層3が設けられている。基材層2を構成する外層2aは二軸延伸フィルム、内層2bは熱可塑性ポリウレタン樹脂から形成される。接着シール層3を構成する層間剥離層3aはポリエステル系樹脂及び/又は可溶性アクリルゴムの未硬化物、接着剤層3bは熱可塑性アクリル系樹脂単独でもよく、さらに、導電性を向上させるために導電性酸化錫でコーティングされた硫酸バリウム粒子からなる導電性マトリックスを有するようにしてもよい。なお、基材層2の表面には導電処理して導電性を付与してもよい。
【0012】
図2は、本発明のトップカバーテープ1を用いてキャリアテープ5を熱シールした様子を示す概略断面図であり、キャリアテープ5のキャビティ(エンボス部)6に電子部品7を納めた後、キャリアテープ5の上面にトップカバーテープ1をその接着シール層3の接着剤層3bで当接させ、基材層2の上方から加熱、圧着して熱シールされる。トップカバーテープ1は、キャリアテープ5の上面に沿って帯状に接着され、キャリアテープ5の蓋として機能する。
キャリアテープ5から封入された電子部品7を取り出すため、トップカバーテープ1を剥離すると、図3に示すように、トップカバーテープ1は接着シール層3の層間剥離層3aが凝集破壊してキャリアテープ5の上面に接着剤層3bが残されるように設計されている。
【0013】
基材層2もしくは外層2aに使用される二軸延伸フィルムには、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリプロピレン樹脂及びポリエチレンテレフタレート樹脂から選択され、特には、200℃以上の融点を有し耐熱性に優れ、透明で剛性の高い二軸延伸されたポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましく用いられる。二軸延伸フィルムの厚さは5〜50μm、好ましくは8〜20μmであり、厚さが5μm未満では剛性が不足し、フィルムとしての強度が保てない。一方、50μmを超えると、剛性が強過ぎて柔軟性に欠け、熱シール時にシール不良を起こし易くなる。
【0014】
内層2bは、硬度が100度(JIS K-7311にもとづく方法で測定)以下の柔軟性を有する熱可塑性ポリウレタン樹脂であり、接着シール層3の層間剥離層3aは、さらに硬度の低い柔軟性に富んだポリエステル系樹脂及び/又は可溶性アクリルゴムの未硬化物である。このため、特に、基材層2が上記2層からなるトップカバーテープにおいては、互いに柔軟性を有する内層2bと層間剥離層3aが一体化される。
一方、熱可塑性アクリル系樹脂に、導電性酸化錫でコーティングされ導電性を付与された硫酸バリウム粒子が配合された接着剤層3bは硬度が高く、かつキャリアテープ(ポリスチレン製)8と加熱、圧着して一体化される。
【0015】
このため、キャリアテープ5からトップカバーテープ1を剥離すると、層間剥離層3が凝集破壊され、接着剤層3bがキャリアテープ5側に残される。この結果、図3に示されているように、トップカバーテープ1の剥離によってキャリアテープ5上に接着シール層3の一部である接着剤層3bがトップカバーテープ1から切り離されて残る。
その後、キャリアテープ5のキャビティ6から電子部品7は取り出され、役目を終えたトップカバーテープ1は容易に回収される。
【0016】
基材層2の内層2bの熱可塑性ポリウレタン樹脂は引裂強度が強く、これを外層2aと積層することによって強靭なシート状物が得られる。
熱可塑性ポリウレタン樹脂は、プレポリマー、ジイソシアネート及び鎖延長剤を反応させて合成される。プレポリマーとしては、ポリエステル、ポリエーテル、ポリカーボネート又はこれらのコポリマーが用いられる。この鎖延長剤としては、ジオール、ジアミン等の活性水素化合物が使用される。一般に、ポリウレタンで熱可塑性を呈する樹脂は、ジイソシアネート基と活性水素官能基とを等量配合した場合に得られる直鎖の高分子であり、本発明においてはこの直鎖の高分子を使用するのが好ましい。
【0017】
熱可塑性ポリウレタン樹脂からなる基材の内層2bは硬度100度以下のものが使用され、100度を超えると剛性が強過ぎて柔軟性に欠ける。厚さは5〜50μmの範囲であり、5μm未満では所望の弾性、引裂強度が得られず、50μmを超えると熱伝導が悪くシール不良を起こすので、10〜30μmの範囲がより望ましい。
【0018】
上記基材層を製造するには、二軸延伸フィルム例えば二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム上にポリウレタンフィルムを積層する方法、この二軸延伸フィルムに溶融したウレタン樹脂をフィルム化と同時に積層する押出しラミネート法、又はこの二軸延伸フィルム上にウレタン樹脂をトルエンや酢酸エチルなどの溶剤に溶解して塗膜し積層する方法等が挙げられるが、本発明においては特に限定されない。なお、基材層を二軸延伸フィルムのみの1層で形成してもよい。また、二軸延伸フィルムとウレタン樹脂とを強固に接着させるために、イソシアネート系、アミン系、イミン系などのアンカーコート剤を用いたり、あるいは二軸延伸フィルムの接着面にコロナ処理を施してもよい。
【0019】
本発明の接着シール層3は、ポリエステル系樹脂もしくは可溶性アクリルゴム、又は両者を混合した未硬化物からなる層間剥離層3aと、導電性酸化錫でコーティングされた硫酸バリウム粒子が熱可塑性アクリル系樹脂中にフィラーとして分散された接着剤層3bから構成されている。
層間剥離層3a、接着剤層3bの厚さは、いずれも0.3〜10μm、好ましくは0.5〜5μmの範囲から選択され、0.3μm未満では熱シールが不十分となり、一方、10μmを超える厚さは過剰でこれ以下でも十分のシール性能が得られる。
また、接着シール層3の積層方法は、安価で簡便なグラビアコート、コンマコーターなどによるコーティングが望ましく、そのためには、接着剤層となる樹脂材料は溶剤に対して可溶性でなければならない。
【0020】
層間剥離層3aに用いられるポリエステル系樹脂は、ポリエチレンテレフタレート、ポリアルキルエーテル・テレフタレート、ポリエチレンテレフタレート・セバテート、ポリエチレンテレフタレート・イソフタレート、ポリブチレンテレフタレート・イソフタレートなどを骨子とした樹脂で、これらは組み合わせによりTgなどの熱的特性や物性の異なるものが得られ、なかでも、ポリウレタンよりも低い硬度を有するものが使用される。
【0021】
キャリアテープからの電子部品の取り出しは、通常、20〜30℃の空調された環境で行われるため、Tg(ガラス転移温度)がこの温度域にあるポリエステル系樹脂を層間剥離層3aとして使用すると、剥離強度に変化を生じてあばれたり、不具合の原因となる。従って、層間剥離層3aには、Tgが20℃以下もしくは30℃以上で、望ましくは、10℃以下もしくは40℃以上である。
物性やその他の熱的特性については可溶性であれば特に限定されず、何種かの混合物であってもよい。また、ポリオール系高分子またはオリゴマー、ポリエステル系オリゴマーなどを添加して、Tgを調整してもよい。
【0022】
さらに、層間剥離層3aは、上記ポリエステル系樹脂及び/又は可溶性アクリルゴムの未硬化物が使用されるが、この可溶性アクリルゴムの未硬化物には、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、メトキシアクリレート、などを主骨格とし、これに架橋サイトモノマーが導入されている。
一般にアクリルゴムの未硬化物は、極性が高かったり、分子量が大きいため可溶性を示さないが、本発明では、この未硬化物にアルキル基を導入するなどして極性を下げ、分子量を小さくするなどして可溶性を付与して使用される。このようにして得られた未硬化物のTgは0℃以下であり、またポリウレタンよりも低い硬度のものが得られる。なお、架橋サイトモノマーが導入されていないものであってもよく、また何種かの混合物であってもよい。
【0023】
接着剤層3bに使用されるアクリル系樹脂は、ポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレートなどを主骨格とする熱可塑性の樹脂が挙げられる。この樹脂は通常可溶性で、骨格とした樹脂で、上記の組み合わせや導入官能基もしくは分子量により、Tgなどの熱的特性や物性が変わり、種々のグレードのものが得られる。
【0024】
接着剤層3bにおいて、アクリル系樹脂に配合される硫酸バリウム粒子は、導電性酸化錫でコーティングされたものが使用される。酸化錫は半導体であるが、アンチモンなどの異種の金属をドーピングすることにより低抵抗の導電性を示す。
従来、導電性酸化錫のみからなる粉末は、非黒色系導電性フィラーとして古くから注目されていたが、高価で密度が高く重いため、トップカバーテープの導電性付与に使用するには改良が求められていた。一方、導電性フィラーとしての特性は、粒子の表面だけが低抵抗であれば十分に機能する。このため、粒子そのものは安価で密度の低い化合物でよい。従って、本発明での硫酸バリウム粒子は、粒子の表面が導電性酸化錫でコーティングしたものが使用される。
【0025】
本発明のトップカバーテープの透明性は、曇り度(JIS K7361−1に準拠して測定)20%以下とされる。このためには、硫酸バリウム粒子の粒径は平均粒径(計数法により測定)を可視光線の波長(2μm)以下とするのが望ましい。
本発明においては、導電性酸化錫のコーティング厚さ、硫酸バリウム粒子の形状や粒径分布、導電性酸化錫のコーティング厚さ等については特に限定されない。また、硫酸バリウム粒子の表面にシラン系あるいはチタネート系などのカップリング剤をコーティングして、分散性を高めることもできる。
【0026】
硫酸バリウム粒子をアクリル系樹脂に配合して接着剤層3bが形成されるが、基材層2への積層は、溶剤に溶かして液状としたものを塗着すればよい。より具体的には、先ず、アクリル系樹脂をトルエン、酢酸エチルなどの溶剤に溶かして5〜50%濃度液とし、次いで、この液に導電性を付与された硫酸バリウム粒子を添加して分散させる。添加量は、アクリル系樹脂100容量部に対して、50〜150容量部、好ましくは60〜100容量部であり、50容量部未満では導電性が不十分で、150容量部を超えると脆くなり柔軟性が失われるので好ましくない。
【0027】
【実施例】
次に、本発明のトップカバーテープの実施態様を比較例とともに説明する。
(実施例1及び比較例)
膜厚16μmでアンカーコート剤が塗布され、反対側には界面活性剤入りアクリル樹脂がコートされた、表面抵抗が109 〜1010Ω・cm2 の二軸延伸されたポリエチレンテレフタレートフィルムのアンカーコート剤上に、膜厚が30μmとなるように熱可塑性ポリウレタン樹脂を押出しラミネート法によって成膜した。次に、硬化後の硬度が40度でTgが−20℃のポリエステル系樹脂の溶液と、硬化後の硬度が55度でTgが−20℃以下のアクリルゴムの未架橋物の溶液をグラビアコートによりそれぞれ塗布(積層)して2種類の厚さ3μmの層間剥離層3aを形成した。
【0028】
さらに、硬化後の硬度が105度でTgが50℃のポリメチルメタクリレート100容量部に対して、導電性酸化錫でコーティングされた硫酸バリウム粒子(平均粒径0.4μm)をそれぞれ30、50、75、100、160容量部混合分散させて得た5種類のインクをグラビアコートにより厚さ1μmに塗布して接着剤層3bを設け、表1に示す10点のトップカバーテープを作製した。
作製した10点のトップカバーテープの物性、接着剤層側の表面抵抗等を測定し、さらに、これらのトップカバーテープとポリスチレン製キャリアテープとを、テーピング機VN3200(バンガードシステムズ社製、製品名)を用いて、シール圧力3kg、シール温度170℃、シール時間0.4秒、コテ幅0.5mmの条件で熱シールした後に、両者を剥離して剥離強度を測定した。この結果を表2に示す。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】
測定結果より、実施例のNo.1-1〜1-6 は、いずれも接着層側の表面抵抗が108 Ω・cm2 以下と小さく好ましいものであった。さらに、ポリスチレン製キャリアテープにも適応しトップカバーテープとして優れていた。一方、比較例のNo.1-7、1-9 は表面抵抗が108 Ω・cm2 にいたらず不合格であり、No.1-8、1-10は表面にひび割れを生じて脱落してしまった。
【0032】
(実施例2)
実施例1で得た外層(二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム)と内層(熱可塑性ポリウレタン樹脂)からなる基材層の内層側に、実施例1で使用したポリエステル系樹脂溶液をグラビアコートで塗布して、厚さ3μmの層間剥離層3aを形成した。さらにこの層3aの上に、硬化後の硬度が105度でTgが50℃のポリメチルメタクリレート100容量部に対して、表3に示す4種類の導電性粉末粒子75容量部を混合分散して得たインクをそれぞれグラビアコートにより厚さ1μmに塗布して接着剤層3bを設け、4点のトップカバーテープを作製した。
作製した4点のトップカバーテープの物性、接着剤層側の表面抵抗、剥離強度等を実施例1と同様にして測定した。この結果を表4に示す。
【0033】
【表3】
【0034】
【表4】
【0035】
この結果、硫酸バリウム粒子を導電性酸化錫でコーティングしたNo.2-1のみが曇り度20以下で透明性の高いものであったが、他のNo.2-2〜2-4 も本発明の接着シール層を有しているため、No.2-1と同様に表面抵抗値も低く合格基準を満たし、ポリスチレン製キャリアテープにも適応しトップカバーテープとして優れていた。
なお、破断強度、伸びの測定はJIS C-2318に準拠し、引裂伝播抵抗はASTM D 1938 に準拠して行った。剥離強度はJIS C0806に準拠して測定し、表面抵抗はデジタルマルチメーター5501DM(三和電気計器社製、製品名)を用いてテープ幅24mm、2プロブ端子間距離30mmで測定した。
【0036】
【発明の効果】
本発明のトップカバーテープは、曇り度20以下で透明性が高く、表面抵抗値も低く高い導電性を有し、ポリスチレン製キャリアテープにも適応し、トップカバーテープの剥離時には層間剥離層が凝集破壊して、スムースに安定して剥離することができトップカバーテープとして極めて優れていた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のトップカバーテープの一部を示す概略縦断面図であり、(a)は基材層が1層からなる参考例を示し、(b)は基材層が2層からなる例を示す。
【図2】本発明のトップカバーテープでキャリアテープにシールした様子を示す概略縦断面図である。
【図3】本発明のトップカバーテープをキャリアテープから剥離した様子を示す概略縦断面図である。
【符号の説明】
1・・・・・・・・・・・・・トップカバーテープ、
2・・・・・・・・・・・・・基材層、
3・・・・・・・・・・・・・接着シール層、
3a・・・・・・・・・・・・層間剥離層、
3b・・・・・・・・・・・・接着剤層、
5・・・・・・・・・・・・・キャリアテープ、
6・・・・・・・・・・・・・キャビティ、
7・・・・・・・・・・・・・電子部品。
Claims (3)
- チップ型電子部品を収納するエンボス部が所定間隔を空けて連続的に形成されるキャリアテープの開口上面に熱シールされるカバーテープであって、該カバーテープが基材層と接着シール層とからなり、該基材層はポリエステル樹脂,ポリアミド樹脂,ポリプロピレン樹脂及びポリエチレンテレフタレート樹脂から選択される厚さ5〜50μ m の二軸延伸フィルムを外層とし、内層として JIS K-7311 に規定される方法で測定した硬度100以下を有する熱可塑性ポリウレタン樹脂の厚さ5〜50μ m のフィルムとの積層体で構成され、この基材層に、順次、前記内層よりも硬度が低く柔軟性に富んだガラス転移温度(Tg)20℃以下もしくは30℃以上を有するポリエステル系樹脂及び/又は可溶性アクリルゴム未硬化物で形成される層間剥離層及び導電性を付与した前記内層よりも高い硬度を有する熱可塑性アクリル系樹脂接着剤層で構成される接着シール層が積層一体化されてなるトップカバーテープ。
- 前記層間剥離層と接着剤層が、それぞれ0.3〜10μ m の範囲内の厚さに形成される請求項1に記載のトップカバーテープ。
- 前記熱可塑性アクリル系樹脂接着剤層が、導電性酸化錫によって粒径範囲0.1〜10μ m の硫酸バリウム粒子の表面にコーティングされた導電性粒子を熱可塑性アクリル系樹脂100容量部に対し50〜150容量部添加して導電性が付与される請求項1または2に記載のトップカバーテープ。
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