JPH11301775A - トップカバーテープ - Google Patents

トップカバーテープ

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JPH11301775A
JPH11301775A JP10113204A JP11320498A JPH11301775A JP H11301775 A JPH11301775 A JP H11301775A JP 10113204 A JP10113204 A JP 10113204A JP 11320498 A JP11320498 A JP 11320498A JP H11301775 A JPH11301775 A JP H11301775A
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tape
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Hajime Tsujiha
一 辻葩
Toshiyuki Kawaguchi
利行 川口
Hiroshi Kato
浩 加藤
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Shin Etsu Polymer Co Ltd
Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Shin Etsu Polymer Co Ltd
Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透明性と導電性を兼ね備え、トップカバーテ
ープの剥離時の“あばれ”が小さく、安定して剥離する
ことができ、キャリアテープの“あばれ”による部品の
飛び出し、傷による切れを生じることなく、また様々な
樹脂材料からなるキャリアテープと接着可能なトップカ
バーテープを提供することにある。 【解決手段】 チップ型電子部品7を収納するためのエ
ンボス部が連続的に形成されたキャリアテープ5の上面
に熱シールされるトップカバーテープ1であって、基材
層2と接着シール層3からなり、該基材層2は少なくと
も1層の二軸延伸フィルムからなり、該接着シール層3
は基材層2に接する層間剥離層3aとキャリアテープに
熱シールされる接着剤層3bからなり、層間剥離層3a
がガラス転移温度20℃以下もしくは30℃以上のポリ
エステル系樹脂及び/又は可溶性アクリルゴムの未硬化
物からなり、接着剤層3bが熱可塑性アクリル樹脂から
なっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンボス部にチッ
プ型電子部品を収納し、搬送に使用されるキャリアテー
プの上面に、蓋材として熱シールされるトップカバーテ
ープに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体素子に代表される表面実装
用チップ型電子部品の収納、搬送、実装にそれぞれの部
品形状に合わせてエンボス部が設けられたキャリアテー
プと、収納部品の脱落防止、保護のために蓋材として熱
シール又は粘着剤を用いてシールされるトップカバーテ
ープが包装材料として用いられている。このトップカバ
ーテープは、実装時に剥離されて部品が取出され、実装
基板に取り付けられる。
【0003】現在、上市されているトップカバーテープ
は、基材層とキャリアテープに熱シールするための接着
剤層から構成されている。このような熱シールタイプの
トップカバーテープに使用される接着剤は、ポリエステ
ル系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂が一般に用
いられている。これらの接着剤には、キャリアテープと
適度な接着力で接着でき、搬送時に収納部品が脱落せ
ず、実装時にはスムースに剥離されることが求められ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、剥離時
に要求される剥離強度は、一般的な接着力とは異なり、
非常に低い値が要求される。この要求に応えるため、従
来、接着剤の接着力を阻害する手法、例えば接着剤中に
接着しないものを添加する、もしくは接着剤を部分的に
塗布することが行われている。これらの手法で所定の剥
離強度を得ることは可能であるが、接着部位によって剥
離強度の最大値と最小値の差、すなわち“あばれ”が大
きくなることがある。これはキャリアテープのエンボス
部によって接着部と非接着部が交互に並んでいるために
起こる現象であり、“あばれ”が大きいと剥離時にキャ
リアテープが搬送レール中で暴れることがある。このキ
ャリアテープの“あばれ”が発生すると収納部品が踊る
ため、部品取り出し部すなわちピックアップ部で部品が
反転したり、飛び出したりして実装することができない
ピックアップ不良を生じる。また、“あばれ”によって
キャリアテープがバタツキ蛇行するため、マウンターカ
セット内で、トップカバーテープに傷が発生してトップ
カバーテープが切れたり、また、トップカバーテープに
層間剥離が生じるデラミなどが発生して、部品の取り出
し不良となる。いずれも実装機の稼働率を低下させる。
【0005】また、収納される電子部品は、静電気によ
って壊れやすいという特性を有している。このためキャ
リアテープには導電処理がなされているが、この導電処
理はトップカバーテープ側にも求められる。しかし、導
電性を持たせるためには材料中に導電性のフィラーを添
加する必要があるが、通常使用されているフィラーは不
透明なため必要な導電性が得られるだけの量を添加する
と、トップカバーテープの透明性が低下して収納物の確
認が困難になる。
【0006】さらに、キャリアテープに使用される樹脂
材料は塩化ビニル樹脂をはじめとして、ポリエチレンテ
レフタレート樹脂、ポリスチレン樹脂と多様化され、ト
ップカバーテープにもこれら全ての樹脂材料と接着する
ことが求められている。
【0007】本発明は上記問題に鑑み、透明性と導電性
を兼ね備え、トップカバーテープの剥離時の“あばれ”
が小さく、安定して剥離することができ、キャリアテー
プの“あばれ”による部品の飛び出し、傷による切れを
生じることなく、また様々な樹脂材料からなるキャリア
テープと接着可能なトップカバーテープを提供すること
を課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、熱シール
時にはキャリアテープに強固に接着され、剥離時には
“あばれ”の少ない安定した剥離を行うことのできる構
造とすることで、“あばれ”による部品の飛び出しやト
ップカバーテープの切れを生じず、さらには各種材料か
らなるキャリアテープに熱シールすることのできる透明
性に優れたトップカバーテープを得るために鋭意研究を
行った結果、トップカバーテープの接着シール層を層間
剥離層と接着剤層からなる2層構成とし、キャリアテー
プとの熱シール時には接着剤層によってキャリアテープ
と強固に接着し、剥離時には層間剥離層の凝集破壊によ
って剥離が進行する、接着と剥離を安定して行うことの
できる構成とし、透明性に対しては、接着剤層のみに導
電性のフィラーを添加することによって、トップカバー
テープ全体の透明性を損なわず、さらに接着剤層にアク
リル系樹脂を用いることで、各種樹脂材料からなるキャ
リアテープに熱シール可能なトップカバーテープが得ら
れることを見出して本発明を完成させた。
【0009】本発明のトップカバーテープは、チップ型
電子部品を収納するためのエンボス部が連続的に形成さ
れたキャリアテープの上面に熱シールされるトップカバ
ーテープであって、基材層と接着シール層からなり、該
基材層は少なくとも1層の二軸延伸フィルムからなり、
該接着シール層は基材層に接する層間剥離層とキャリア
テープに熱シールされる接着剤層からなり、層間剥離層
がガラス転移温度20℃以下もしくは30℃以上のポリ
エステル系樹脂及び/又は可溶性アクリルゴムの未硬化
物からなり、接着剤層が熱可塑性アクリル樹脂からなっ
ている。
【0010】基材層は、二軸延伸フィルムの1層構成、
あるいは二軸延伸フィルムからなる外層と接着シール層
側に熱可塑性ポリウレタン樹脂が積層された内層とから
なる2層構成、もしくは3層構成、例えば、二軸延伸フ
ィルム−ポリエチレン−二軸延伸フィルムとしてもよ
く、また、二軸延伸フィルムの表面にプライマー処理を
施してもよい。さらに、このトップカバーテープの導電
性を向上させるために、接着剤層に、熱可塑性アクリル
系樹脂100容量部に対して、導電性酸化錫がコーティ
ングされた硫酸バリウム粒子を50〜150容量部添加
して形成してもよく、さらに、硫酸バリウム粒子の粒径
は0.1〜10μmの範囲にあるものが好ましい。ま
た、本発明のトップカバーテープの表面抵抗値は106
〜1012Ω・cm2が好ましく、より好ましくは接着シ
ール層が106 〜108 Ω・cm2 の範囲であり、曇り
度は20%以下とされる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図を用いてさらに詳細に説
明する。図1は、本発明のトップカバーテープ1を示す
部分断面図であり、同図(a)は基材層2が二軸延伸フ
ィルムの1層からなり、その下に層間剥離層3aと接着
剤層3bからなる接着シール層3が設けられている。同
図(b)は基材層2が外層2aと内層2bの2層から形
成され、その下には同図(a)と同様の層間剥離層3a
と接着剤層3bからなる接着シール層3が設けられてい
る。基材層2を構成する外層2aは二軸延伸フィルム、
内層2bは熱可塑性ポリウレタン樹脂から形成される。
接着シール層3を構成する層間剥離層3aはポリエステ
ル系樹脂及び/又は可溶性アクリルゴムの未硬化物、接
着剤層3bは熱可塑性アクリル系樹脂単独でもよく、さ
らに、導電性を向上させるために導電性酸化錫でコーテ
ィングされた硫酸バリウム粒子からなる導電性マトリッ
クスを有するようにしてもよい。なお、基材層2の表面
には導電処理して導電性を付与してもよい。
【0012】図2は、本発明のトップカバーテープ1を
用いてキャリアテープ5を熱シールした様子を示す概略
断面図であり、キャリアテープ5のキャビティ(エンボ
ス部)6に電子部品7を納めた後、キャリアテープ5の
上面にトップカバーテープ1をその接着シール層3の接
着剤層3bで当接させ、基材層2の上方から加熱、圧着
して熱シールされる。トップカバーテープ1は、キャリ
アテープ5の上面に沿って帯状に接着され、キャリアテ
ープ5の蓋として機能する。キャリアテープ5から封入
された電子部品7を取り出すため、トップカバーテープ
1を剥離すると、図3に示すように、トップカバーテー
プ1は接着シール層3の層間剥離層3aが凝集破壊して
キャリアテープ5の上面に接着剤層3bが残されるよう
に設計されている。
【0013】基材層2もしくは外層2aに使用される二
軸延伸フィルムには、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹
脂、ポリプロピレン樹脂等が挙げられ、特には、200
℃以上の融点を有し耐熱性に優れ、透明で剛性の高い二
軸延伸されたポリエチレンテレフタレートフィルムが好
ましく用いられる。二軸延伸フィルムの厚さは5〜50
μm、好ましくは8〜20μmであり、厚さが5μm未
満では剛性が不足し、フィルムとしての強度が保てな
い。一方、50μmを超えると、剛性が強過ぎて柔軟性
に欠け、熱シール時にシール不良を起こし易くなる。
【0014】内層2bは、硬度が100度(JIS K-7311
にもとづく方法で測定)以下の柔軟性を有する熱可塑性
ポリウレタン樹脂であり、接着シール層3の層間剥離層
3aは、さらに硬度の低い柔軟性に富んだポリエステル
系樹脂及び/又は可溶性アクリルゴムの未硬化物であ
る。このため、特に、基材層2が上記2層からなるトッ
プカバーテープにおいては、互いに柔軟性を有する内層
2bと層間剥離層3aが一体化される。一方、熱可塑性
アクリル系樹脂に、導電性酸化錫でコーティングされ導
電性を付与された硫酸バリウム粒子が配合された接着剤
層3bは硬度が高く、かつキャリアテープ(ポリスチレ
ン製)8と加熱、圧着して一体化される。
【0015】このため、キャリアテープ5からトップカ
バーテープ1を剥離すると、層間剥離層3が凝集破壊さ
れ、接着剤層3bがキャリアテープ5側に残される。こ
の結果、図3に示されているように、トップカバーテー
プ1の剥離によってキャリアテープ5上に接着シール層
3の一部である接着剤層3bがトップカバーテープ1か
ら切り離されて残る。その後、キャリアテープ5のキャ
ビティ6から電子部品7は取り出され、役目を終えたト
ップカバーテープ1は容易に回収される。
【0016】基材層2の内層2bの熱可塑性ポリウレタ
ン樹脂は引裂強度が強く、これを外層2aと積層するこ
とによって強靭なシート状物が得られる。熱可塑性ポリ
ウレタン樹脂は、プレポリマー、ジイソシアネート及び
鎖延長剤を反応させて合成される。プレポリマーとして
は、ポリエステル、ポリエーテル、ポリカーボネート又
はこれらのコポリマーが用いられる。この鎖延長剤とし
ては、ジオール、ジアミン等の活性水素化合物が使用さ
れる。一般に、ポリウレタンで熱可塑性を呈する樹脂
は、ジイソシアネート基と活性水素官能基とを等量配合
した場合に得られる直鎖の高分子であり、本発明におい
てはこの直鎖の高分子を使用するのが好ましい。
【0017】熱可塑性ポリウレタン樹脂からなる基材の
内層2bは硬度100度以下のものが使用され、100
度を超えると剛性が強過ぎて柔軟性に欠ける。厚さは5
〜50μmの範囲が好ましく、5μm未満では所望の弾
性、引裂強度が得られず、50μmを超えると熱伝導が
悪くシール不良を起こすので、10〜30μmの範囲が
より望ましい。
【0018】上記基材層を製造するには、二軸延伸フィ
ルム例えば二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィル
ム上にポリウレタンフィルムを積層する方法、この二軸
延伸フィルムに溶融したウレタン樹脂をフィルム化と同
時に積層する押出しラミネート法、又はこの二軸延伸フ
ィルム上にウレタン樹脂をトルエンや酢酸エチルなどの
溶剤に溶解して塗膜し積層する方法等が挙げられるが、
本発明においては特に限定されない。なお、基材層を二
軸延伸フィルムのみの1層で形成してもよい。また、二
軸延伸フィルムとウレタン樹脂とを強固に接着させるた
めに、イソシアネート系、アミン系、イミン系などのア
ンカーコート剤を用いたり、あるいは二軸延伸フィルム
の接着面にコロナ処理を施してもよい。
【0019】本発明の接着シール層3は、ポリエステル
系樹脂もしくは可溶性アクリルゴム、又は両者を混合し
た未硬化物からなる層間剥離層3aと、導電性酸化錫で
コーティングされた硫酸バリウム粒子が熱可塑性アクリ
ル系樹脂中にフィラーとして分散された接着剤層3bか
ら構成されている。層間剥離層3a、接着剤層3bの厚
さは、いずれも0.3〜10μm、好ましくは0.5〜
5μmの範囲から選択され、0.3μm未満では熱シー
ルが不十分となり、一方、10μmを超える厚さは過剰
でこれ以下でも十分のシール性能が得られる。また、接
着シール層3の積層方法は、安価で簡便なグラビアコー
ト、コンマコーターなどによるコーティングが望まし
く、そのためには、接着剤層となる樹脂材料は溶剤に対
して可溶性でなければならない。
【0020】層間剥離層3aに用いられるポリエステル
系樹脂は、ポリエチレンテレフタレート、ポリアルキル
エーテル・テレフタレート、ポリエチレンテレフタレー
ト・セバテート、ポリエチレンテレフタレート・イソフ
タレート、ポリブチレンテレフタレート・イソフタレー
トなどを骨子とした樹脂で、これらは組み合わせにより
Tgなどの熱的特性や物性の異なるものが得られ、なか
でも、ポリウレタンよりも低い硬度を有するものが使用
される。
【0021】キャリアテープからの電子部品の取り出し
は、通常、20〜30℃の空調された環境で行われるた
め、Tg(ガラス転移温度)がこの温度域にあるポリエ
ステル系樹脂を層間剥離層3aとして使用すると、剥離
強度に変化を生じてあばれたり、不具合の原因となる。
従って、層間剥離層3aには、Tgが20℃以下もしく
は30℃以上で、望ましくは、10℃以下もしくは40
℃以上である。物性やその他の熱的特性については可溶
性であれば特に限定されず、何種かの混合物であっても
よい。また、ポリオール系高分子またはオリゴマー、ポ
リエステル系オリゴマーなどを添加して、Tgを調整し
てもよい。
【0022】さらに、層間剥離層3aは、上記ポリエス
テル系樹脂及び/又は可溶性アクリルゴムの未硬化物が
使用されるが、この可溶性アクリルゴムの未硬化物に
は、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、メトキ
シアクリレート、などを主骨格とし、これに架橋サイト
モノマーが導入されている。一般にアクリルゴムの未硬
化物は、極性が高かったり、分子量が大きいため可溶性
を示さないが、本発明では、この未硬化物にアルキル基
を導入するなどして極性を下げ、分子量を小さくするな
どして可溶性を付与して使用される。このようにして得
られた未硬化物のTgは0℃以下であり、またポリウレ
タンよりも低い硬度のものが得られる。なお、架橋サイ
トモノマーが導入されていないものであってもよく、ま
た何種かの混合物であってもよい。
【0023】接着剤層3bに使用されるアクリル系樹脂
は、ポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレ
ート、ポリブチルメタクリレートなどを主骨格とする熱
可塑性の樹脂が挙げられる。この樹脂は通常可溶性で、
骨格とした樹脂で、上記の組み合わせや導入官能基もし
くは分子量により、Tgなどの熱的特性や物性が変わ
り、種々のグレードのものが得られる。
【0024】接着剤層3bにおいて、アクリル系樹脂に
配合される硫酸バリウム粒子は、導電性酸化錫でコーテ
ィングされたものが使用される。酸化錫は半導体である
が、アンチモンなどの異種の金属をドーピングすること
により低抵抗の導電性を示す。従来、導電性酸化錫のみ
からなる粉末は、非黒色系導電性フィラーとして古くか
ら注目されていたが、高価で密度が高く重いため、トッ
プカバーテープの導電性付与に使用するには改良が求め
られていた。一方、導電性フィラーとしての特性は、粒
子の表面だけが低抵抗であれば十分に機能する。このた
め、粒子そのものは安価で密度の低い化合物でよい。従
って、本発明での硫酸バリウム粒子は、粒子の表面が導
電性酸化錫でコーティングしたものが使用される。
【0025】本発明のトップカバーテープの透明性は、
曇り度(JIS K7361−1に準拠して測定)20
%以下とされる。このためには、硫酸バリウム粒子の粒
径は平均粒径(計数法により測定)を可視光線の波長
(2μm)以下とするのが望ましい。本発明において
は、導電性酸化錫のコーティング厚さ、硫酸バリウム粒
子の形状や粒径分布、導電性酸化錫のコーティング厚さ
等については特に限定されない。また、硫酸バリウム粒
子の表面にシラン系あるいはチタネート系などのカップ
リング剤をコーティングして、分散性を高めることもで
きる。
【0026】硫酸バリウム粒子をアクリル系樹脂に配合
して接着剤層3bが形成されるが、基材層2への積層
は、溶剤に溶かして液状としたものを塗着すればよい。
より具体的には、先ず、アクリル系樹脂をトルエン、酢
酸エチルなどの溶剤に溶かして5〜50%濃度液とし、
次いで、この液に導電性を付与された硫酸バリウム粒子
を添加して分散させる。添加量は、アクリル系樹脂10
0容量部に対して、50〜150容量部、好ましくは6
0〜100容量部であり、50容量部未満では導電性が
不十分で、150容量部を超えると脆くなり柔軟性が失
われるので好ましくない。
【0027】
【実施例】次に、本発明のトップカバーテープの実施態
様を比較例とともに説明する。 (実施例1及び比較例)膜厚16μmでアンカーコート
剤が塗布され、反対側には界面活性剤入りアクリル樹脂
がコートされた、表面抵抗が109 〜1010Ω・cm2
の二軸延伸されたポリエチレンテレフタレートフィルム
のアンカーコート剤上に、膜厚が30μmとなるように
熱可塑性ポリウレタン樹脂を押出しラミネート法によっ
て成膜した。次に、硬化後の硬度が40度でTgが−2
0℃のポリエステル系樹脂の溶液と、硬化後の硬度が5
5度でTgが−20℃以下のアクリルゴムの未架橋物の
溶液をグラビアコートによりそれぞれ塗布(積層)して
2種類の厚さ3μmの層間剥離層3aを形成した。
【0028】さらに、硬化後の硬度が105度でTgが
50℃のポリメチルメタクリレート100容量部に対し
て、導電性酸化錫でコーティングされた硫酸バリウム粒
子(平均粒径0.4μm)をそれぞれ30、50、7
5、100、160容量部混合分散させて得た5種類の
インクをグラビアコートにより厚さ1μmに塗布して接
着剤層3bを設け、表1に示す10点のトップカバーテ
ープを作製した。作製した10点のトップカバーテープ
の物性、接着剤層側の表面抵抗等を測定し、さらに、こ
れらのトップカバーテープとポリスチレン製キャリアテ
ープとを、テーピング機VN3200(バンガードシス
テムズ社製、製品名)を用いて、シール圧力3kg、シ
ール温度170℃、シール時間0.4秒、コテ幅0.5
mmの条件で熱シールした後に、両者を剥離して剥離強
度を測定した。この結果を表2に示す。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】測定結果より、実施例のNo.1-1〜1-6 は、
いずれも接着層側の表面抵抗が108 Ω・cm2 以下と
小さく好ましいものであった。さらに、ポリスチレン製
キャリアテープにも適応しトップカバーテープとして優
れていた。一方、比較例のNo.1-7、1-9 は表面抵抗が1
8 Ω・cm2 にいたらず不合格であり、No.1-8、1-10
は表面にひび割れを生じて脱落してしまった。
【0032】(実施例2)実施例1で得た外層(二軸延
伸ポリエチレンテレフタレートフィルム)と内層(熱可
塑性ポリウレタン樹脂)からなる基材層の内層側に、実
施例1で使用したポリエステル系樹脂溶液をグラビアコ
ートで塗布して、厚さ3μmの層間剥離層3aを形成し
た。さらにこの層3aの上に、硬化後の硬度が105度
でTgが50℃のポリメチルメタクリレート100容量
部に対して、表3に示す4種類の導電性粉末粒子75容
量部を混合分散して得たインクをそれぞれグラビアコー
トにより厚さ1μmに塗布して接着剤層3bを設け、4
点のトップカバーテープを作製した。作製した4点のト
ップカバーテープの物性、接着剤層側の表面抵抗、剥離
強度等を実施例1と同様にして測定した。この結果を表
4に示す。
【0033】
【表3】
【0034】
【表4】
【0035】この結果、硫酸バリウム粒子を導電性酸化
錫でコーティングしたNo.2-1のみが曇り度20以下で透
明性の高いものであったが、他のNo.2-2〜2-4 も本発明
の接着シール層を有しているため、No.2-1と同様に表面
抵抗値も低く合格基準を満たし、ポリスチレン製キャリ
アテープにも適応しトップカバーテープとして優れてい
た。なお、破断強度、伸びの測定はJIS C-2318に準拠
し、引裂伝播抵抗はASTM D 1938 に準拠して行った。剥
離強度はJIS C0806に準拠して測定し、表面抵
抗はデジタルマルチメーター5501DM(三和電気計
器社製、製品名)を用いてテープ幅24mm、2プロブ
端子間距離30mmで測定した。
【0036】
【発明の効果】本発明のトップカバーテープは、曇り度
20以下で透明性が高く、表面抵抗値も低く高い導電性
を有し、ポリスチレン製キャリアテープにも適応し、ト
ップカバーテープの剥離時には層間剥離層が凝集破壊し
て、スムースに安定して剥離することができトップカバ
ーテープとして極めて優れていた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のトップカバーテープの一部を示す概略
縦断面図であり、(a)は基材層が1層からなる例を示
し、(b)は基材層が2層からなる例を示す。
【図2】本発明のトップカバーテープでキャリアテープ
にシールした様子を示す概略縦断面図である。
【図3】本発明のトップカバーテープをキャリアテープ
から剥離した様子を示す概略縦断面図である。
【符号の説明】
1・・・・・・・・・・・・・・トップカバーテープ、 2・・・・・・・・・・・・・・基材層、 3・・・・・・・・・・・・・・接着シール層、 3a・・・・・・・・・・・・層間剥離層、 3b・・・・・・・・・・・・接着剤層、 5・・・・・・・・・・・・・・キャリアテープ、 6・・・・・・・・・・・・・・キャビティ、 7・・・・・・・・・・・・・・電子部品。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チップ型電子部品を収納するためのエン
    ボス部が連続的に形成されたキャリアテープの上面に熱
    シールされるトップカバーテープであって、基材層と接
    着シール層からなり、該基材層は少なくとも1層の二軸
    延伸フィルムからなり、該接着シール層は基材層に接す
    る層間剥離層とキャリアテープに熱シールされる接着剤
    層からなり、層間剥離層がガラス転移温度20℃以下も
    しくは30℃以上のポリエステル系樹脂及び/又は可溶
    性アクリルゴムの未硬化物からなり、接着剤層が熱可塑
    性アクリル樹脂からなることを特徴とするトップカバー
    テープ。
  2. 【請求項2】基材層が、少なくとも1層の二軸延伸フィ
    ルムからなる外層と、接着シール層側に熱可塑性ポリウ
    レタン樹脂が積層された内層とからなる請求項1に記載
    のトップカバーテープ。
  3. 【請求項3】 接着剤層が、熱可塑性アクリル系樹脂1
    00容量部に、導電性酸化錫がコーティングされた硫酸
    バリウム粒子を50〜150容量部添加してなる請求項
    1又は2に記載のトップカバーテープ。
  4. 【請求項4】 硫酸バリウム粒子の粒径が、0.1〜1
    0μmの範囲にある請求項3に記載のトップカバーテー
    プ。
JP11320498A 1998-04-23 1998-04-23 トップカバーテープ Expired - Lifetime JP4257874B2 (ja)

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