WO2020059682A1 - 電子部品包装用カバーテープおよび包装体 - Google Patents

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Abstract

本開示は、基材層と、上記基材層の一方の面側に配置され、エチレン-酢酸ビニル共重合体を含むヒートシール層と、上記基材層の上記ヒートシール層側の面とは反対の面側に配置され、導電性高分子を含む帯電防止層と、を有し、上記ヒートシール層のビッカース硬さが所定の値以上である、電子部品包装用カバーテープを提供する。

Description

電子部品包装用カバーテープおよび包装体
 本開示は、電子部品包装用カバーテープおよびそれを用いた包装体に関する。
 近年、IC、抵抗、トランジスタ、ダイオード、コンデンサ、圧電素子レジスタ等の電子部品は、テーピング包装され、表面実装に供せられる。テーピング包装においては、電子部品を収納する収納部を複数有するキャリアテープに電子部品を収納した後に、キャリアテープをカバーテープでヒートシールし、電子部品を保管および搬送するための包装体を得る。また、電子部品の実装時には、カバーテープをキャリアテープから剥離し、電子部品を自動的に取り出して基板に表面実装する。電子部品の表面実装については、近年の電子機器の高速通信化、高速演算処理化に伴い、部品点数が増加する傾向にあり、実装のさらなる効率化、高速化が要求されている。なお、カバーテープはトップテープとも称される。
 カバーテープには、キャリアテープから容易に剥離できることが要求される。カバーテープの剥離強度が強すぎると、電子部品の実装時にカバーテープをキャリアテープから剥離する際に、キャリアテープが振動して電子部品が収納部から飛び出してしまったり、カバーテープが破断してしまったりするという問題がある。実装の高速化に伴い、カバーテープを高速で剥離する場合、特に問題となる。
 また、テーピング包装においては、電子部品がキャリアテープやカバーテープとの摩擦や接触によって静電気が発生することに加えて、実装時にカバーテープをキャリアテープから剥離することによって静電気が発生する場合がある。後者の現象は、剥離帯電と呼ばれる。剥離帯電は、剥離速度が速いほど大きくなる。剥離帯電により、実装時に電子部品がカバーテープに付着し、電子部品を正常に取り出すことができなかったり、キャリアテープの収納部から電子部品が飛び出してしまったりする。これは、実装効率の低下を招くことになる。さらには、静電気により、電子部品の劣化および破壊が生ずるおそれもある。
 そこで、帯電防止性を有するカバーテープが種々提案されている(例えば特許文献1~3参照)。
特許第4162961号 特開平10-95448号公報 特許第4061136号
 しかしながら、本開示の発明者等は、帯電防止性を有するカバーテープを用いた場合であっても、カバーテープに電子部品が付着することがあることを知見した。
 本開示は、上記問題に鑑みてなされたものであり、電子部品の付着を抑制することが可能な電子部品包装用カバーテープを提供することを目的とする。
 本開示の一実施形態は、基材層と、上記基材層の一方の面側に配置され、エチレン-酢酸ビニル共重合体を含むヒートシール層と、上記基材層の上記ヒートシール層側の面とは反対の面側に配置され、導電性高分子を含む帯電防止層と、を有し、上記ヒートシール層のビッカース硬さが2.0以上である、電子部品包装用カバーテープを提供する。
 本開示の一実施形態は、電子部品を収納する複数の収納部を有するキャリアテープと、上記収納部に収納された電子部品と、上記収納部を覆うように配置された、上述の電子部品包装用カバーテープと、を備える、包装体を提供する。
 本開示においては、電子部品の付着を抑制することが可能な電子部品包装用カバーテープを提供することができる。
本開示の電子部品包装用カバーテープを例示する概略断面図である。 本開示の包装体を例示する概略平面図および断面図である。 本開示の電子部品包装用カバーテープを例示する概略断面図である。
 下記に、図面等を参照しながら本開示の実施の形態を説明する。ただし、本開示は多くの異なる態様で実施することが可能であり、下記に例示する実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。また、図面は説明をより明確にするため、実際の形態に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表わされる場合があるが、あくまで一例であって、本開示の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
 本明細書において、ある部材の上に他の部材を配置する態様を表現するにあたり、単に「上に」、あるいは「下に」と表記する場合、特に断りの無い限りは、ある部材に接するように、直上、あるいは直下に他の部材を配置する場合と、ある部材の上方、あるいは下方に、さらに別の部材を介して他の部材を配置する場合との両方を含むものとする。また、本明細書において、ある部材の面に他の部材を配置する態様を表現するにあたり、単に「面側に」または「面に」と表記する場合、特に断りの無い限りは、ある部材に接するように、直上、あるいは直下に他の部材を配置する場合と、ある部材の上方、あるいは下方に、さらに別の部材を介して他の部材を配置する場合との両方を含むものとする。
 以下、本開示の電子部品包装用カバーテープおよび包装体について、詳細に説明する。
A.電子部品包装用カバーテープ
 本開示の電子部品包装用カバーテープは、基材層と、上記基材層の一方の面側に配置され、エチレン-酢酸ビニル共重合体を含むヒートシール層と、上記基材層の上記ヒートシール層側の面とは反対の面側に配置され、導電性高分子を含む帯電防止層と、を有し、上記ヒートシール層のビッカース硬さが2.0以上である。なお、本明細書において、「電子部品包装用カバーテープ」を単に「カバーテープ」と称する場合がある。
 本開示のカバーテープについて、図面を参照して説明する。図1は本開示のカバーテープの一例を示す概略断面図である。図1に示すように、本開示のカバーテープ1は、基材層2と、基材層2の一方の面側に配置され、エチレン-酢酸ビニル共重合体を含むヒートシール層3と、基材層2のヒートシール層3側の面とは反対の面側に配置され、導電性高分子を含む帯電防止層4と、を有する。ヒートシール層3は、ビッカース硬さが所定の範囲である。
 図2(a)、(b)は本開示の電子部品包装用カバーテープを用いた包装体の一例を示す概略平面図および断面図であり、図2(b)は図2(a)のA-A線断面図である。図2(a)、(b)に示すように、包装体10は、電子部品13を収納する複数の収納部12を有するキャリアテープ11と、収納部12に収納された電子部品13と、収納部12を覆うように配置されたカバーテープ1と、を備える。キャリアテープ11にはカバーテープ1がヒートシールされており、カバーテープ1のヒートシール層3の両端に所定の幅でライン状にヒートシール部3hが設けられている。また、包装体10において、キャリアテープ11は、送り穴14を有することができる。
 本開示の発明者等は、まず、導電性高分子を含む帯電防止層とエチレン-酢酸ビニル共重合体を含むヒートシール層とを有するカバーテープが、良好な帯電防止性、並びにヒートシール性および剥離性を兼ね備えることを知見した。ところが、良好な帯電防止性を有するカバーテープを用いた場合であっても、カバーテープに電子部品が付着することがあることを知見した。そして、上記問題を解決すべく、鋭意検討を行った結果、本開示の発明者等は、カバーテープへの電子部品の付着には、静電気だけでなく、カバーテープのヒートシール層の硬さが影響を及ぼすことを知見した。さらに検討を重ね、エチレン-酢酸ビニル共重合体を含むヒートシール層の硬さを所定の範囲とすることにより、カバーテープへの電子部品の付着を抑制することができることを見出した。
 カバーテープのヒートシール層の硬さを所定の範囲とすることにより、カバーテープへの電子部品の付着を抑制することができる理由は、定かではないが、次のように推察している。ビッカース硬さは、押し込み硬さの一種である。本開示においては、カバーテープのヒートシール層は、ビッカース硬さが所定の値以上であり、比較的硬い層となっている。そのため、本開示のカバーテープを用いた包装体において、包装体の作製時や、包装体の保管や搬送時に、電子部品がカバーテープのヒートシール層に接触した際に、カバーテープのヒートシール層が電子部品の接触面に追従しにくくなり、すなわち電子部品がカバーテープのヒートシール層にめり込みにくくなると推察される。したがって、本開示のカバーテープを用いた包装体においては、カバーテープをキャリアテープから剥離する際に、電子部品がカバーテープのヒートシール層に貼り付きにくくすることができると推察される。
 一方で、カバーテープのヒートシール層が比較的柔らかい層であると、電子部品がカバーテープのヒートシール層に接触した際に、カバーテープのヒートシール層が電子部品の接触面に追従しやすくなり、すなわち電子部品がカバーテープのヒートシール層にめり込みやすくなる。そのため、カバーテープが帯電防止性を有する場合であっても、カバーテープのヒートシール層への電子部品への貼り付きが生じると考えられる。
 仮にカバーテープのヒートシール性および剥離性を考慮する必要がなければ、電子部品が貼り付きにくくする観点を優先してヒートシール層の材料を選択することも考えられる。しかし、本開示のカバーテープでは、ヒートシール性および剥離性を良好にするためにエチレン-酢酸ビニル共重合体を含むヒートシール層を用いつつ、ヒートシール層のビッカース硬さを所定の値以上とすることが重要である。一般的には、エチレン-酢酸ビニル共重合体は層を比較的柔らかくする傾向があるので、エチレン-酢酸ビニル共重合体を含む層には電子部品が貼り付きやすくなる傾向があるが、ヒートシール層のビッカース硬さを所定の値以上とすることによって、電子部品が貼り付きにくくすることができる。
 カバーテープの帯電防止性が不十分な場合には、静電気による付着の寄与が大きいので、ヒートシール層のビッカース硬さを所定の値以上とすることによる効果は限定的である。そこで、エチレン-酢酸ビニル共重合体を含むヒートシール層のビッカース硬さを所定の値以上とすることと合わせて、基材層のヒートシール層とは反対の面側に導電性高分子を含む帯電防止層を有することが重要である。導電性高分子を含む帯電防止層は、帯電防止性能が温度や湿度の影響を受けにくく安定した帯電防止性能が得られるので、ヒートシール層のビッカース硬さを所定の値以上とすることによる効果を享受しやすい。また、導電性高分子を含む帯電防止層は、他の帯電防止剤を含む帯電防止層と比べて一般に層の厚みを薄くできるので、ヒートシール性能への影響が少ない。紙キャリアテープはプラスチックキャリアテープと比べてヒートシール性および剥離性がよくないので、紙キャリアテープを用いる場合にヒートシール性能への影響を抑制することは特に重要である。また、導電性高分子は、層内部から層表面側に経時的に析出するいわゆるブリードアウト現象が起こり難い。そのため、エチレン-酢酸ビニル共重合体を含むヒートシール層を有するカバーテープにおいて導電性高分子を含む帯電防止層を用いることによって、包装体において紙キャリアテープの表面とカバーテープの帯電防止層の表面とが接触したときに帯電防止剤が裏移りして、剥離性能が低下することを抑制することができる。
 また、カバーテープの帯電防止性を向上させるためには、ヒートシール層に帯電防止剤を添加することが考えられる。ヒートシール層にエチレン-酢酸ビニル共重合体を用いた場合、ヒートシール性能への影響を抑制したり、ブリードアウト現象を抑制したりするために、非イオン性界面活性剤や、比較的極性が低いイオン性活性剤を用いることができる。紙キャリアテープはプラスチックキャリアテープと比べてヒートシール性および剥離性がよくないので、紙キャリアテープを用いる場合にヒートシール性能への影響を抑制することは特に重要である。しかし、非イオン性界面活性剤や比較的極性が低いイオン性活性剤は、層内部に留まりやすくブリードアウト現象が起こり難い反面、帯電防止性能が発揮されにくいおそれがある。そこで、基材層のヒートシール層とは反対の面側に導電性高分子を含む帯電防止層を有することで、カバーテープの帯電防止性を向上させることができる。なお、基材層のヒートシール層とは反対の面側に導電性高分子を含む帯電防止層を用いることに加えて、ヒートシール層に帯電防止剤を添加することによって、カバーテープの帯電防止性をより向上させることができる。
 このように本開示においては、導電性高分子を含む帯電防止層とエチレン-酢酸ビニル共重合体を含むヒートシール層とを有するカバーテープにおいて、ヒートシール層のビッカース硬さが所定の値以上であることにより、本開示のカバーテープを用いた包装体において、カバーテープをキャリアテープから剥離する際に、カバーテープへの電子部品の貼り付きを抑制することができる。そのため、カバーテープへの電子部品の貼り付きによる、キャリアテープの収納部からの電子部品の飛び出し、浮き、立ち等を抑制することができ、電子部品の正常な取り出しが可能となる。したがって、実装効率を向上させることが可能である。
 以下、本開示のカバーテープの各構成について説明する。
1.ヒートシール層
 本開示におけるヒートシール層は、基材層の一方の面側に配置され、エチレン-酢酸ビニル共重合体を含む層である。ヒートシール層は、本開示のカバーテープを用いて包装体を製造する際に、キャリアテープに対してヒートシールすることにより、カバーテープとキャリアテープとが接着される。
 ヒートシール層のビッカース硬さは、2.0以上である。上記ビッカース硬さが上記範囲であることにより、カバーテープへの電子部品の貼り付きを抑制することができる。ヒートシール層のビッカース硬さは、2.3以上であってもよく、2.6以上であってもよい。また、ヒートシール層のビッカース硬さの上限は、特に限定されないが、例えば、6.0以下とすることができ、5.5以下であってもよい。上記ビッカース硬さが高すぎると、ヒートシール性が低下するおそれがあり、カバーテープをロール状にしたときにきれいに巻けなかったり、ヒートシール層にひび割れが生じたりするおそれがある。
 ヒートシール層のビッカース硬さは、ヒートシール層に用いる材料の種類や含有量で調節することができる。本開示におけるヒートシール層は、エチレン-酢酸ビニル共重合体のみで所望のビッカース硬さを得てもよい。例えば、所望のビッカース硬さが得られるエチレン-酢酸ビニル共重合体を用いることができる。もっとも、一般に、エチレン-酢酸ビニル共重合体は、樹脂の中でも柔軟性が良いことが知られている。そのため、変性されたエチレン-酢酸ビニル共重合体や架橋されたエチレン-酢酸ビニル共重合体を用いることで、ヒートシール層のビッカース硬さを高くして、所望のビッカース硬さを得ることができる。あるいは、エチレン-酢酸ビニル共重合体とそのエチレン-酢酸ビニル共重合体よりも硬い有機物や無機物とを用いることにより、ヒートシール層のビッカース硬さを高くして、所望のビッカース硬さを得ることができる。エチレン-酢酸ビニル共重合体よりも硬い有機物としては、一般に、エチレン-酢酸ビニル共重合体よりも耐熱性が高い樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体よりも貯蔵弾性率が高い樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体よりも密度が高い樹脂、架橋された樹脂等が挙げられる。これらの有機物や無機物は、ヒートシール層内で粒子状で存在していてもよいし、エチレン-酢酸ビニル共重合体と相溶や非相溶の状態で存在してもよい。
 本開示におけるヒートシール層のビッカース硬さは、ナノインデンテーション法によるビッカース硬さである。ヒートシール層のナノインデンテーション法によるビッカース硬さ(無次元)の具体的な測定方法としては、ヒートシール層の基材層とは反対側の面に対して垂直方向から対面角136°のダイヤモンド正四角錐形状のビッカース圧子を押し込み、得られた荷重-変位曲線からインデンテーション硬さ(押し込み硬さ)HITを算出し、さらにインデンテーション硬さ(押し込み硬さ)HITをビッカース硬さHVに換算し、これを30か所について求めた平均をヒートシール層のビッカース硬さとする。なお、インデンテーション硬さ(押し込み硬さ)HITは、より具体的には、下記式(1)に示すように、ビッカース圧子の最大押し込み深さhmaxにおける押し込みによりできたピラミッド形のくぼみ圧子の接触投影面積A(mm2)を計算し、試験最大荷重F(N)を割ることで求められる。
   HIT=F/A   (1)
また、インデンテーション硬さ(押し込み硬さ)HITからビッカース硬さHVへの換算は、下記式(2)に従う。
   HV=HIT×0.0945   (2)
ヒートシール層のビッカース硬さの測定方法の詳細は、以下の通りである。ナノインデンテーション法に基づき、ヒートシール層に、下記特定の条件で圧子を押し込んで、ヒートシール層のビッカース硬さを測定することができる。なお、ナノインデンテーション法によるビッカース硬さの測定は、フィッシャーインストルメンツ社製のピコデンター HM-500を用いて測定することができる。 
<測定条件>
・負荷荷重 0~0.27mN(連続的に荷重を増加させ、押し込み深さから硬さを測定)
・荷重印加速度 0.27mN/10秒
・保持時間 10秒
・荷重除荷速度 0.27mN/10秒
・圧子 ビッカース(四角錐の先端部分の対面角 136°)
・測定温度 25℃±3℃
・測定箇所を変更し、N=30、かつ、最大押し込み深さhmaxが0.8μm~1.0μmになる箇所の平均値
 ヒートシール層は、エチレン-酢酸ビニル共重合体を含んでいる。ヒートシール層がエチレン-酢酸ビニル共重合体を含むことにより、キャリアテープに対するヒートシール性および剥離性が良好になる。一般に、紙キャリアテープは、プラスチックキャリアテープよりも表面の凹凸が大きく、カバーテープに対して意図しない剥離が生じないようにヒートシールしつつ、実装時にはカバーテープから剥離しやすくすることが難しい。エチレン-酢酸ビニル共重合体を含むヒートシール層を有するカバーテープは、紙キャリアテープに対しても良好なヒートシール性および良好な剥離性を得ることができる。エチレン-酢酸ビニル共重合体は、変性されていてもよく、架橋されていてもよい。
 ヒートシール層におけるエチレン-酢酸ビニル共重合体の含有量は、例えば、5質量%以上とすることができ、10質量%以上でもよく、15質量%以上でもよい。また、上記エチレン-酢酸ビニル共重合体の含有量は、例えば、100質量%以下とすることができ、50質量%以下でもよく、40質量%以下でもよく、30質量%以下でもよい。
 ヒートシール層は、エチレン-酢酸ビニル共重合体を含んでいれば、他の樹脂を含んでいてもよい。他の樹脂としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエステル、ポリアクリル酸エステルやポリメタクリル酸エステル等のアクリル等が挙げられる。これらの樹脂は、変性されていてもよい。これらの樹脂は、ヒートシール層のビッカース硬さの調整に用いることができる。
 ヒートシール層には、必要に応じて、例えば、粘着付与剤、帯電防止剤、アンチブロッキング剤、分散剤、充填剤、可塑剤、着色剤等の添加剤が含まれていてもよい。これらの添加剤は、ヒートシール層のビッカース硬さの調整に用いることができる。ヒートシール層に帯電防止剤を添加する場合には、その添加量は、本開示のカバーテープの表面抵抗が後述する数値範囲内に入るために必要な値とすることができる。
 ヒートシール層の厚さは、例えば、0.05μm以上50μm以下とすることができる。紙キャリアテープの場合、ヒートシール層の厚さは、例えば、5μm以上50μm以下とすることができ、10μm以上25μm以下であってもよい。プラスチックキャリアテープの場合、ヒートシール層の厚さは、例えば、0.05μm以上10μm以下とすることができ、0.1μm以上5μm以下であってもよい。ヒートシール層の厚さが薄すぎると、均一な膜が得られない場合がある。また、ヒートシール層の厚さが厚すぎると、カバーテープの透明性が低下したり、キャリアテープへのヒートシール性が低下したりするおそれがある。
 ヒートシール層の形成方法としては、例えば、エチレン-酢酸ビニル共重合体および必要に応じて上述の他の樹脂や添加剤等を溶媒に分散または溶解したヒートシール層用組成物を用い、基材層の一方の面側に上記ヒートシール層用組成物を塗布し、乾燥させる方法が挙げられる。上記ヒートシール層用組成物の塗布方法としては、例えば、ロールコート、リバースロールコート、グラビアコート、グラビアリバースコート、コンマコート、バーコート、ワイヤーバーコート、ロッドコ-ト、キスコート、ナイフコート、ダイコート、フローコート、ディップコート、スプレーコート等の公知の塗布法が挙げられる。
 また、ヒートシール層として、フィルムを用いることができる。この場合、基材層およびヒートシール層の積層方法としては、特に限定されず、公知の方法を用いることができる。例えば、予め製造したフィルムを接着剤で基材層に貼り合せる方法や、熱溶融させたフィルムの原材料を基材層にTダイ等で押出しして積層体を得る方法等が挙げられる。接着剤としては、例えば、ポリエステル系接着剤、ポリウレタン系接着剤、アクリル系接着剤等を用いることができる。
2.帯電防止層
 本開示における帯電防止層は、基材層のヒートシール層側の面とは反対の面側に配置され、導電性高分子を含んでおり、カバーテープが帯電することを防止するための層である。帯電防止層を有することによって、静電気が帯電してカバーテープの表面へのゴミやチリ等の付着を防止することや、他の面との接触による静電気の発生を防止することができる。
 導電性高分子としては、例えば、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリピロール、ポリアセチレン、ポリパラフェニレン、ポリフェニレンビニレン、ポリビニルカルバゾール等が挙げられる。中でも、導電性高分子は、ポリチオフェン、ポリアニリンおよびポリピロールからなる群から選択される1種以上であることが好ましい。湿度に依存しない十分な帯電防止性および透明性が得られるからである。ポリチオフェンとしては、例えば、PEDOT/PSS(ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸)が好ましく用いられる。ポリアニリンとしては、例えば、スルホン化ポリアニリンが好ましく用いられる。
 帯電防止層における導電性高分子の含有量は、本開示のカバーテープの表面抵抗が後述する数値範囲内に入るために必要な値とすることができる。
 帯電防止層は、導電性高分子を必須成分として含むが、導電性高分子以外の帯電防止剤を含んでいてもよい。
 また、帯電防止層は、樹脂を含んでいてもよい。
 帯電防止層の厚さは、本開示のカバーテープの表面抵抗が後述する数値範囲内に入るために必要な値とすることができる。
 帯電防止層の形成方法としては、例えば、導電性高分子等を溶媒に分散または溶解した帯電防止層用組成物を用い、基材層の他方の面側に上記帯電防止層用組成物を塗布し、乾燥させる方法が挙げられる。上記帯電防止層用組成物の塗布方法としては、例えば、エアドクター、ブレードコート、ナイフコート、ロッドコート、バーコート、ダイレクトロールコート、リバースロールコート、グラビアコート、スライドコート等の公知の塗布法が挙げられる。
 帯電防止層の厚さは、例えば、0.03μm以上5μm以下とすることができる。
3.基材層
 本開示における基材層は、上述したヒートシール層や帯電防止層を支持する層である。
 基材層としては、保存および搬送時の外力に耐える機械的強度や、製造およびテーピング包装に耐える耐熱性等を有していれば、種々の材料が適用できる。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート-イソフタレート共重合体、テレフタル酸-シクロヘキサンジメタノール-エチレングリコール共重合体等のポリエステル、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610等のポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン等が挙げられる。中でも、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルが、コスト面および機械的強度が良いため、好ましく用いられる。
 また、基材層には、必要に応じて、例えば充填剤、可塑剤、着色剤、帯電防止剤等の添加剤が含まれていてもよい。
 基材層は、単層であってもよく、同種または異種の複数層の積層体であってもよい。また、基材層は、延伸フィルムであってもよく、未延伸フィルムであってもよい。中でも、基材層は、強度を向上させる目的で、一軸方向または二軸方向に延伸したフィルムであってもよい。
 基材層の厚さは、例えば、2.5μm以上300μm以下とすることができ、6μm以上100μm以下であってもよく、12μm以上50μm以下であってもよい。基材層の厚さが厚すぎると、テーピング包装時のヒートシール温度が高くなる場合があり、コスト面でも不利である。また、基材層の厚さが薄すぎると、機械的強度が不足する場合がある。
 基材層は、例えばコロナ放電処理、プラズマ処理、オゾン処理、フレーム処理、プライマー(アンカーコート、接着促進剤、易接着剤とも呼ばれる)塗布処理、予熱処理、除塵埃処理、蒸着処理、アルカリ処理、サンドブラスト処理等の易接着処理が施されていてもよい。
4.プライマー層
 本開示においては、例えば図3に示すように、必要に応じて、基材層2およびヒートシール層3の間にプライマー層5が配置されていてもよい。プライマー層により、基材層およびヒートシール層の密着性を向上させることができる。また、プライマー層により、本開示のカバーテープをキャリアテープにヒートシールする際に、クッション性を向上させることができる。
 プライマー層の材料としては、基材層およびヒートシール層の材料等に応じて適宜選択されるものであり、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリウレタン、ポリエステル等が挙げられる。
 プライマー層の厚さは、例えば、5μm以上25μm以下とすることができる。
 プライマー層としては、フィルムを用いることができる。この場合、基材層およびプライマー層の積層方法としては、特に限定されず、公知の方法を用いることができる。例えば、予め製造したフィルムを接着剤で基材層に貼り合せる方法や、熱溶融させたフィルムの原材料を基材層にTダイ等で押出しして積層体を得る方法等が挙げられる。なお、接着剤については、上記ヒートシール層の項に記載したものと同様である。
5.カバーテープ
 本開示のカバーテープの表面抵抗としては、本開示のカバーテープの帯電防止層が配置されている側の面の表面抵抗が、例えば1×10Ω/□以上1×1013Ω/□以下とすることができる。また、本開示のカバーテープのヒートシール層が配置されている側の面の表面抵抗は、例えば1×10Ω/□以上1×1013Ω/□以下とすることができる。また、本開示のカバーテープの帯電防止層が配置されている側の面の表面抵抗および本開示のカバーテープのヒートシール層が配置されている側の面の表面抵抗は、例えば1×10Ω/□以上1×1013Ω/□以下とすることができる。表面抵抗が高すぎると、静電気の拡散効果が極端に低下し、電子部品を静電気破壊から保護することが困難となる場合がある。また、表面抵抗が低すぎると、外部から電子部品包装用カバーテープを介して電子部品に通電することとなり、電気的に破壊されるおそれがある。
 表面抵抗は、IEC61340に準拠し、測定する。具体的には、約23℃約40%RHの環境で測定を行う。測定器は、例えば、デジタル超高抵抗/微小電流計 5450(エーディーシー社製)を用いることができる。
B.包装体
 本開示の包装体は、電子部品を収納する複数の収納部を有するキャリアテープと、上記収納部に収納された電子部品と、上記収納部を覆うように配置された、上述のカバーテープと、を備える。
 本開示においては、上述のカバーテープを備えることにより、カバーテープをキャリアテープから剥離する際に、カバーテープへの電子部品の貼り付きを抑制することができる。そのため、カバーテープへの電子部品の貼り付きによる、キャリアテープの収納部からの電子部品の飛び出し、浮き、立ち等を抑制することができ、電子部品の正常な取り出しが可能となる。したがって、実装効率を向上させることが可能である。
 図2(a)、(b)は本開示の包装体の一例を示す概略平面図および断面図である。なお、図2(a)、(b)については、上記「A.電子部品包装用カバーテープ」の項に記載したので、ここでの説明は省略する。
 以下、本開示の包装体の各構成について説明する。
1.カバーテープ
 本開示におけるカバーテープについては、上記「A.電子部品包装用カバーテープ」の項に記載したので、ここでの説明は省略する。
 本開示の包装体においては、カバーテープのヒートシール層とキャリアテープとはヒートシール部で接着されている。ヒートシール部は、例えば、カバーテープのヒートシール層がキャリアテープと接する部分の一部に配置することができる。すなわち、ヒートシール層は、ヒートシール部と非ヒートシール部とを有していてもよい。これにより、キャリアテープに対するカバーテープの剥離性を良くすることができる。
2.キャリアテープ
 本開示におけるキャリアテープは、電子部品を収納する複数の収納部を有する部材である。
 キャリアテープとしては、複数の収納部を有するものであればよく、例えば、エンボスキャリアテープ(エンボステープとも称される。)、パンチキャリアテープ(パンチテープとも称される。)、プレスキャリアテープ(プレステープとも称される。)のいずれも用いることができる。中でも、コスト、成形性、寸法精度等の観点から、エンボスキャリアテープが好ましく用いられる。
 キャリアテープの材質としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリアクリロニトリル、ABS樹脂等のプラスチックや、紙等が挙げられる。中でも、キャリアテープの材質は紙であることが好ましい。すなわち、紙製の紙キャリアテープが好ましい。紙キャリアテープは、コスト、環境負荷等の点において優れているからである。
 キャリアテープの厚さは、キャリアテープの材質や、電子部品の厚さ等に応じて適宜選択される。例えば、キャリアテープの厚さは、30μm以上1000μm以下とすることができる。キャリアテープの厚さが厚すぎると、成形性が悪くなり、キャリアテープの厚さが薄すぎると、強度が不足する場合がある。
 キャリアテープは、複数の収納部を有する。収納部は、通常、キャリアテープの長手方向に所定の間隔をおいて配置される。収納部の大きさ、深さ、ピッチ等としては、電子部品の大きさ、厚さ等に応じて適宜調整される。
 収納部を有するキャリアテープの形成方法としては、一般的なキャリアテープの成形方法を適用することができ、キャリアテープの種類や材質等に応じて適宜選択される。例えば、プレス成形、真空成形、圧空成形、打抜加工、圧縮加工等が挙げられる。
3.電子部品
 本開示の包装体に用いられる電子部品としては、特に限定されず、例えば、IC、抵抗、コンデンサ、インダクタ、トランジスタ、ダイオード、LED(発光ダイオード)、液晶、圧電素子レジスタ、フィルター、水晶発振子、水晶振動子、コネクタ、スイッチ、ボリュウム、リレー等が挙げられる。ICの形式についても、特に限定されない。
4.包装体
 本開示の包装体は、電子部品の保管および搬送のために用いられる。電子部品は、包装体の状態で保管および搬送され、実装に供される。実装時には、カバーテープを剥離し、キャリアテープの収納部に収納されている電子部品を取り出し、基板等へ実装される。
 なお、本開示は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本開示の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本開示の技術的範囲に包含される。
 以下に実施例および比較例を示し、本開示をさらに詳細に説明する。
[実施例1]
 基材層として、両面にコロナ処理を施した厚さ25μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(フタムラ化学社製、FE2002、以下、「PETフィルム」と呼ぶ。)を準備した。PETフィルムの一方の面側に下記の導電性高分子を含む帯電防止層用組成物Aを塗布することによって、厚さ0.05μmの帯電防止層を形成した。PETフィルムの帯電防止層が形成された面とは反対の面側に下記のプライマー層用組成物Aを塗布することによって、厚さ1μmのプライマー層を形成した。プライマー層のPETフィルムとは反対の面側に下記のエチレン-酢酸ビニル共重合体を含むヒートシール層用組成物Aを溶融押し出しすることによって、厚さ25μmのヒートシール層を形成した。これによって、実施例1のカバーテープを得た。得られたカバーテープは、導電性高分子を含む帯電防止層、PETフィルムの基材層、プライマー層、エチレン-酢酸ビニル共重合体を含むヒートシール層がこの順番で積層された構造を有していた。
(帯電防止層用組成物A)
 導電性高分子としてPEDOT/PSS、硬化成分としてアクリルモノマー、硬化剤としてアジリジン化合物を有する二液硬化型の帯電防止コーティング剤(アラコートAS601D(荒川化学工業社製)100質量部と、アラコートCL910(荒川化学工業社製)10質量部との混合物)。
(プライマー層用組成物A)
 ウレタン系アンカーコート剤(タケネートA-3075(三井化学社製)30質量部と、タケラックA-3210(三井化学社製)100質量部との混合物)。
(ヒートシール層用組成物A)
 エチレン-酢酸ビニル共重合体を含むポリオレフィン系接着性樹脂(メルセンM MX53C(東ソー社製)90質量部と、アンチブロッキング剤BL15MB(東ソー社製)10質量部との混合物)。
[実施例2]
 下記のヒートシール層用組成物Bを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、カバーテープを作製した。
(ヒートシール層用組成物B)
 エチレン-酢酸ビニル共重合体を含むポリオレフィン系接着性樹脂(メルセンM MX53C(東ソー社製)97質量部と、アンチブロッキング剤BL15MB(東ソー社製)3質量部との混合物)。
[比較例1]
 下記のヒートシール層用組成物Cを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、カバーテープを作製した。
(ヒートシール層用組成物C)
 エチレン-酢酸ビニル共重合体を含むポリオレフィン系接着性樹脂(メルセンM MX53C、東ソー社製)。
[評価]
(ビッカース硬さ)
 カバーテープのヒートシール層の基材層とは反対側の面のビッカース硬さを上記「A.電子部品包装用カバーテープ 1.ヒートシール層」の項に記載の方法で測定した。
(表面抵抗)
 カバーテープの表面抵抗を上記「A.電子部品包装用カバーテープ 5.カバーテープ」の項に記載の方法で測定した。
(挙動異常数)
 包装体からカバーテープを剥離した際に電子部品が飛び出した数を挙動異常数として測定した。電子部品としてコンデンサ(GRM0222C1H220JA02,0.22pF 0402サイズ、村田製作所社製)500個を幅8mmの紙キャリアテープ(HP33M、北越紀州製紙社製)のキャビティに連続的に配置しながら、紙キャリアテープと幅5mmのカバーテープをヒートシールすることによって、ロール状の包装体を得た。包装体のロールを60℃95%RHの恒温恒湿試験室に24時間保管した。保管後のロール状の包装体からカバーテープをカバーテープはく離装置(7インチリールホルダ付きインテリジェントフィーダー、FUJI社製)を用いて0.1m/秒の速度で剥離した。剥離は、25℃30%RHの環境で行い、10秒間で完了した。剥離時の電子部品の挙動を高速度カメラ(1000コマ/秒、解像度512×512、FASTCAM MC2.1、Photron社製)で観察した。剥離時に、紙キャリアテープのキャビティから電子部品が紙キャリアテープの上面よりも浮き上がった場合、電子部品が90度回転して立ちあがった場合、紙キャリアテープのキャビティから電子部品が飛び出した場合を異常挙動として、異常挙動が発生した数を高速度カメラで撮影した映像をスローモーションで再生しながら目視で見て集計した。
 実施例1~3および比較例1のカバーテープの評価結果を表1に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
 表1より、ヒートシール層のビッカース硬さが2.0以上である実施例1、2のカバーテープは、包装体からカバーテープを剥離する際の異常挙動数が、ヒートシール層のビッカース硬さが2.0未満の比較例1のカバーテープよりも低減したことが分かる。なお、実施例1、2および比較例1のカバーテープのヒートシール層側の表面抵抗および帯電防止層側の表面抵抗は、いずれも同様の値であり、良好であるといえる。
 1 … カバーテープ
 2 … 基材層
 3 … ヒートシール層
 4 … 帯電防止層
 5 … プライマー層
 10 … 包装体
 11 … キャリアテープ
 12 … 収納部
 13 … 電子部品

Claims (6)

  1.  基材層と、
     前記基材層の一方の面側に配置され、エチレン-酢酸ビニル共重合体を含むヒートシール層と、
     前記基材層の前記ヒートシール層側の面とは反対の面側に配置され、導電性高分子を含む帯電防止層と、
    を有し、
     前記ヒートシール層のビッカース硬さが2.0以上である、電子部品包装用カバーテープ。
  2.  前記ヒートシール層が、変性されたエチレン-酢酸ビニル共重合体、または架橋されたエチレン-酢酸ビニル共重合体を含む、請求項1に記載の電子部品包装用カバーテープ。
  3.  前記ヒートシール層が、前記エチレン-酢酸ビニル共重合体よりも耐熱性が高い樹脂、前記エチレン-酢酸ビニル共重合体よりも貯蔵弾性率が高い樹脂、前記エチレン-酢酸ビニル共重合体よりも密度が高い樹脂、または架橋された樹脂を含む、請求項1または請求項2に記載の電子部品包装用カバーテープ。
  4.  前記ヒートシール層が、粒子状の有機物または無機物を含む、請求項1または請求項2に記載の電子部品包装用カバーテープ。
  5.  電子部品を収納する複数の収納部を有するキャリアテープと、
     前記収納部に収納された電子部品と、
     前記収納部を覆うように配置された、請求項1または請求項2に記載の電子部品包装用カバーテープと、
     を備える、包装体。
  6.  前記キャリアテープが、紙製の紙キャリアテープである、請求項5に記載の包装体。
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