JP2019199013A - カバーテープおよび電子部品包装体 - Google Patents
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Abstract
【課題】優れた帯電防止能を有するとともに、この帯電防止能が長期にわたり維持されるカバーテープ、およびこのカバーテープを備える電子部品包装体を提供する。【解決手段】基材層と、前記基材層の一方の面に設けられた帯電防止層と、前記基材層の他方の面に設けられたシーラント層と、を備えるカバーテープであって、前記帯電防止層の、乾いた布で80往復摩擦した後12%RH下における表面抵抗値R1が1×104Ω以上1×1010Ω以下である、カバーテープ。【選択図】図2
Description
本発明は、カバーテープおよび電子部品包装体に関する。より詳細には、電子部品包装体用のカバーテープとこれを備える電子部品包装体に関する。
半導体ICチップなどの電子部品は、その製造後、実装工程に供されるまでの間、汚染を防止すべく包装材にてパッキングされ、紙製或いはプラスチック製のリールに巻き取られた状態で、保管および輸送される。この電子部品の包装には、自動実装装置による基板への実装工程に対応するように、テープ状の包装材が用いられており、この包装材は、長尺のシートに所定の間隔をおいて複数個の凹状の格納ポケットが形成されたキャリアテープと、該キャリアテープにヒートシールされるカバーテープから構成される。このような包装材によりパッキングされた電子部品は、カバーテープがキャリアテープから剥離された後、パッケージから自動的に取出され、電子回路基板上に実装される。
電子部品が収容された包装材はリールに巻き取られた状態で輸送され、使用時まで保管される。リールに巻き取られた状態の包装体は、輸送の際にカバーテープまたはキャリアテープと電子部品とが摩擦することにより生じる静電気、およびこの輸送の際にキャリアテープとカバーテープとが接触することにより生じる静電気により帯電する。また包装体の使用時においては、キャリアテープからカバーテープを剥離する際に静電気が生じる。さらに、包装体に付着した付着した埃や内容物からも静電気が生じる。このように発生した静電気により、収容された電子部品が故障(静電破壊)したり、電子部品取り出しの際に電子部品がキャリアテープまたはカバーテープに貼り付いたりする場合があった。そのため、キャリアテープとカバーテープには、帯電防止能を有していることが求められてきた。
上述の課題を解決するために、様々な検討がなされており、例えば、カバーテープの最表面に帯電防止層を設ける技術が提案されている(特許文献1〜2)。特許文献1では、基材層とキャリアテープにヒートシールされる接着層とを有するカバーテープにおいて、基材層の接着層とは反対側の面に帯電防止層を設け、この帯電防止層に無機系帯電防止剤と平均粒径が0.2〜3.0μmのワックスを含有させることが提案されている。特許文献1では、カバーテープの基材層側の表面抵抗率が、23℃×30%R.H.雰囲気下で1013Ω/□以下であることが記載されている。また、特許文献2では、熱可塑性フィルムの少なくとも片面に帯電防止層を有する帯電防止積層フィルムが開示されており、同文献ではフィルムの滑り性を向上させるために、フィルムの表面に突起を形成する技術が提案されている。特許文献2では、基材層として用いられる熱可塑性フィルムに、滑材として無機微粒子または有機微粒子を配合して、フィルム表面に凹凸を形成することが記載されている。特許文献2では、帯電防止積層フィルムの表面固有抵抗値(25℃、15%RH雰囲気下)が1.0×106Ω/□以上1.0×1012Ω/□以下であることが記載されている。
しかし、特許文献1および2に記載のカバーテープであっても、帯電防止能が十分でない場合があった。特に、包装体の輸送が長時間にわたったり、保存期間が長期間であった場合、または低湿度環境下においてカバーテープの帯電防止能が十分に発揮されない場合があった。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、優れた帯電防止能を有するとともに、この帯電防止能が長期にわたり維持されるカバーテープ、およびこのカバーテープを備える電子部品包装体を提供する。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、カバーテープの表面抵抗値を特定の範囲とすることにより、より高度な帯電防止能が得られることを見出し本発明を完成させた。また、本発明者らは、カバーテープの表面抵抗値を維持することにより、長期間にわたり帯電防止能が維持されるカバーテープが得られることを見出し本発明を完成させた。
本発明によれば、
基材層と、
前記基材層の一方の面に設けられた帯電防止層と、
前記基材層の他方の面に設けられたシーラント層と、を備えるカバーテープであって、
前記帯電防止層の、12%RH下、乾いた布で80往復摩擦した後の表面抵抗値R1が、104Ω以上1010Ω以下である、カバーテープが提供される。
基材層と、
前記基材層の一方の面に設けられた帯電防止層と、
前記基材層の他方の面に設けられたシーラント層と、を備えるカバーテープであって、
前記帯電防止層の、12%RH下、乾いた布で80往復摩擦した後の表面抵抗値R1が、104Ω以上1010Ω以下である、カバーテープが提供される。
本発明によれば、電子部品が格納されたキャリアテープと、前記電子部品を封止するように、前記キャリアテープに前記シーラント層が接着された上記カバーテープと、を備える電子部品包装体が提供される。
本発明によれば、優れた帯電防止能を有すると共に、この帯電防止能が長期にわたり維持されるカバーテープ、およびこのカバーテープを備える電子部品包装体が提供される。
まず、本実施形態のカバーテープ、およびこのカバーテープを備える電子部品包装体について説明する。図1に、カバーテープの一例を示す概略断面図を示す。本実施形態において、カバーテープ10は、基材層1と、基材層1の一方の面側に設けられるシーラント層2と、基材層1のシーラント層2とは反対の面側に設けられる帯電防止層3とを備える。
次いで、カバーテープ10の使用方法について図2を参照して説明する。カバーテープ10は、電子部品の形状に合わせて凹状のポケット21が連続的に設けられたキャリアテープ20の蓋材として用いられる。具体的には、カバーテープ10は、キャリアテープ20のポケット21の開口部全面を覆うように、キャリアテープ20の表面に接着(例えば、ヒートシール)させて使用する。なお、後述においては、カバーテープ10と、キャリアテープ20とを接着して得られた構造体のことを、電子部品包装体(または包装体)100と称する。
電子機器の製造において、キャリアテープ20のポケット21内に電子部品を収容し、次いで、キャリアテープ20のポケット21の開口部全面を覆うように、キャリアテープ20の表面にカバーテープ10を接着することで、電子部品が収容された包装体100が作製される。この包装体100は、上述のように、紙製あるいはプラスチック製のリールに包装体100を巻かれた状態で、電子回路基板等に表面実装を行う作業領域まで搬送される。電子部品の表面実装工程において、カバーテープ10がキャリアテープ20から剥離されて、電子部品がパッケージから自動的に取出され、電子回路基板上に実装される。
本実施形態のカバーテープは、基材層1と、前記基材層1の一方の面に設けられた帯電防止層3と、前記基材層の他方の面に設けられたシーラント層2とを備え、前記帯電防止層3の、12%RH下、乾いた布で80往復摩擦した後の表面抵抗値R1が、104Ω以上1010Ω以下である。帯電防止層3が、上述の表面抵抗値R1を有することにより、キャリアテープ20の底面20aとカバーテープの表面10aとが擦られることによる帯電防止層3の剥離が防止され、カバーテープ10の帯電防止能が維持される。その結果、電子部品が静電破壊したり、電子部品取り出しの際に電子部品がキャリアテープ20またはカバーテープ10に貼り付くといった不具合が発生せず、電子部品の実装が効率よく実施できる。
一実施形態において、カバーテープ10の帯電防止層3の、摩擦前の表面抵抗値をR0としたとき、R1/R0の値が、0より大きく10000未満である。また、一実施形態において、このR0は、104Ω以上1010Ω以下であることが好ましい。R1/R0の値が小さいほど、摩擦前の表面抵抗値が摩擦後も維持されていることを示す。本実施形態のキャリアテープは、104Ω〜1010Ω程度の低い表面抵抗値が包装体の使用時まで維持される。
一実施形態において、カバーテープ10の帯電防止層3の摩擦前の静摩擦係数が0より大きく1.5未満である。このような静摩擦係数を有する帯電防止層3を備えることにより、カバーテープは優れた帯電防止能を有する。
上記の帯電防止層3は、第一の乾燥時収縮率を有する第一の樹脂と、第二の乾燥時収縮率を有する第二の樹脂とを含む混合樹脂を含む樹脂組成物を用いて作製することができる。このような樹脂組成物は、第一の樹脂と第二の樹脂の乾燥時収縮率の違いにより、製膜した際に微細な凹凸表面を形成する。またこの凹凸表面は樹脂により形成されているため、キャリアテープ20の底面20aとの摩擦により剥離することがない。さらに、上述の特定の樹脂を含む混合樹脂は、基材層に対する密着性が良好である。そのため、包装体のリールへの巻き取りから包装体の使用に至るまでの間、この凹凸表面が維持され、よってカバーテープの表面抵抗値は低いまま維持される。
上述の帯電防止層3を作製するための樹脂組成物に用いられる第一の樹脂としては、ポリエステルおよびアクリルから選択される少なくとも1つを用いることが好ましく、第二の樹脂としては、アクリル、ポリエステル、およびポリエステル−アクリル−スチレン共重合体から選択される少なくとも1つを用いることが好ましい。
上述のポリエステル、アクリルおよびアクリル−スチレン共重合体としては、当該分野で公知の市販の樹脂を用いることができる。
上述の第一の樹脂は、バインダー樹脂として機能する。よって上記のバインダー樹脂は、優れた成膜性を有する。
帯電防止層30を作製するための樹脂組成物は、帯電防止剤を含むことが好ましい。帯電防止剤としては、リチウムイオン含有高分子型帯電防止樹脂、ポリエーテルエステルアミドなどのポリアミド系コポリマー、ポリオレフィンとポリエーテルのブロックポリマー、ポリエチレンエーテル及びグリコールからなるポリマー、カリウムアイオノマーなどのカルボン酸塩基含有ポリマー、第4級アンモニウム塩基含有コポリマー、酸化錫、酸化亜鉛、酸化チタン等の金属粒子、ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸(PEDOT/PSS)等のチオフェン系導電性ポリマー、およびカーボンナノチューブ等が挙げられるが、これらに限定されない。中でも、ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸(PEDOT/PSS)等の導電ポリマー、金属粒子、およびカーボンナノチューブが好ましく用いられる。
帯電防止層30を作製するための樹脂組成物は、必要に応じてさらに、架橋剤、滑り性付与剤、界面活性剤、導電助剤、pH調整剤等を含んでもよい。架橋剤としては、カルボジイミド系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、メラミン架橋剤、アミン系架橋剤、メラミン系架橋剤等を用いることができる。滑り性付与剤としては、例えば、コロイダルシリカが好適に用いられる。界面活性剤としては、フッ素アルキル構造を含む界面活性剤が好適に用いられる。導電助剤としては、エチレングリコールが好適に用いられる。
本実施形態のカバーテープは、基材層1と、基材層1の一方の面に設けられたシーラント層2と、基材層1のシーラント層2が設けられた面とは反対の面側に設けられた帯電防止層3とを備える。
基材層1を構成する材料の具体例としては、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリメタアクリレート樹脂、ポリイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂等が挙げられる。中でも、上述の帯電防止層3との密着性が良好であるため、ポリエステル樹脂を用いることが好ましい。基材層1の厚さは、一般的には、5μm以上50μm以下である。
シーラント層2は、キャリアテープ20に対してヒートシール性を有し、使用時に容易に剥がすことのできる易剥離性を示す熱可塑性樹脂からなり、例えばポリエチレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、およびエチレン−ブテン−1ランダム共重合体等のエチレン重合体より選択される1種以上の樹脂、ならびに、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリスチレンおよび耐衝撃性ポリスチレン等のスチレン重合体より選択される1種以上の樹脂の混合物等を用いることができる。中でも、キャリアテープ20にヒートシールして剥離する際の剥離強度が連続して安定している点で、エチレンメチルメタクリレート共重合体、アクリル−スチレン共重合体のブレンドやカルボキシル基含有アクリルが好ましい。シーラント層2の厚みは、0.2μm以上40μm以下が好ましく、さらに好ましくは0.3μ以上30μm以下である。シーラント層2の厚さが0.2μm未満の場合にはヒートシール時に十分な剥離強度を得にくく、一方シーラント層2の厚さが40μmを越える場合にはヒートシール時にシーラント層の流れ出しによる剥離時の繊維状異物の発生が考えられ、使用上の制約を生じやすい。
0.001μm以上1μm以下、好ましくは0.01μm以上0.2μm以下、更に好ましくは0.02μm以上0.1μm以下である。帯電防止層3の厚さが0.001μm未満では、凹凸表面の形成には不十分であり、十分な滑り性、すなわち、低摩擦係数を有する表面を有する層が得られない場合がある。一方、帯電防止層の厚さが1μmを越えると帯電防止層3の凝集破壊により帯電防止層3自体が脱離し、異物として問題となる恐れがある。なお、後述するように、帯電防止層3は、通常は帯電防止層3を構成する各種成分を溶解又は分散させた液を塗布したり、あるいは帯電防止層3を構成する各種成分のエマルジョンを塗布する方法によって形成されるが、塗布法で形成した場合、ここでいう厚みとは乾燥後の厚みである。
一実施形態において、シーラント層2、基材層1、および帯電防止層3がこの順で積層されたカバーテープ10の厚みは、25μm以上200μm以下、好ましくは、30μm以上150μm以下である。カバーテープ10の幅は、例えば、2mm以上100mm以下であり、好ましくは2mm以上80mm以下であり、より好ましくは、2mm以上50mm以下である。
本実施形態において、カバーテープ10は、当該分野で一般的に用いられる製造方法を用いて製造できる。例えば、基材層1、およびシーラント層2を準備し、ドライラミネート又は押し出しラミネート法によって積層体を製造する。ついで、この積層体の基材層1側の表面に帯電防止層3を、例えば、グラビアコーター、リバースコーター、キスコーター、エアナイフコーター、メイヤーバーコーター、ディップコーター等により塗工する。この塗工に際しては、上述の本発明の樹脂組成物をワニス形態で調製し、これを積層体に塗工する。
なお、積層構造の作製においては、各層の接触面に背着剤を塗布してもよい。または、塗工前に、塗工される層の表面にコロナ処理やオゾン処理を施して、樹脂ワニスの濡れ性を向上させてもよい。
あるいは、本実施形態のカバーテープ10は、シーラント層2を構成する樹脂と基材1を構成する樹脂を、それぞれ別の単軸または二軸の押出機を用いて溶融混練し、両者をフィードブロックやマルチマニホールドダイを介して積層一体化した後、Tダイ法あるいはインフレーション法により共押し出しすることによりシーラント層2と基材層1からなる二層フィルムとし、この二層フィルムの基材層1側の表面を、前記のドライラミネート法や押出ラミネート法で帯電防止層3と積層する方法により作製することができる。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することができる。
以下、本発明を実施例を参照して説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
第一の樹脂としては、以下の原料を固形分25%に調整して使用した。
・アクリル−ウレタン:ボンコート CG−5010EF(DiC社製)、固形分45%。
・アクリル:アロン A−104(東亜合成株式会社製)、固形分40%。
・ポリエステル(1):エリエーテル KA5034(ユニチカ製)、固形分30%。
・ポリエステル(2):プラスコート Z760(互応化学株式会社製)、固形分25%。
・アクリル−ウレタン:ボンコート CG−5010EF(DiC社製)、固形分45%。
・アクリル:アロン A−104(東亜合成株式会社製)、固形分40%。
・ポリエステル(1):エリエーテル KA5034(ユニチカ製)、固形分30%。
・ポリエステル(2):プラスコート Z760(互応化学株式会社製)、固形分25%。
第二の樹脂としては、以下の原料を固形分25%に調整して使用した。
・ポリエステル−アクリル−スチレン共重合体:ポリゾール FP−3000A(昭和電工株式会社製)、固形分53%。
・ポリエステルとアクリルの混合物:アロン NS−1200(1)(東亜合成株式会社製)、固形分40%。
・ポリエステル−アクリル−スチレン共重合体:ポリゾール FP−3000A(昭和電工株式会社製)、固形分53%。
・ポリエステルとアクリルの混合物:アロン NS−1200(1)(東亜合成株式会社製)、固形分40%。
帯電防止樹脂としては以下を使用した。
・ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸(PEDOT/PSS):アラコート AS601D(荒川化学工業株式会社製)、アクリル樹脂溶液(組成:アクリル樹脂3.0%、水90.8%、イソプロピルアルコール5.8%、導電性高分子0.4%)、固形分3.5%。
・ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸(PEDOT/PSS):アラコート AS601D(荒川化学工業株式会社製)、アクリル樹脂溶液(組成:アクリル樹脂3.0%、水90.8%、イソプロピルアルコール5.8%、導電性高分子0.4%)、固形分3.5%。
滑り性付与添加剤としては以下を使用した
・球状シリカ:カタロイド SI−30(日揮触媒化成株式会社製)固形分30%。
架橋剤としては以下を使用した。
・カルボジイミド:カルボジライト V02−L2(日清紡株式会社製)、固形分40%。
・オキサゾリン:エポクロス E−2030(日本触媒株式会社製)、固形分40%。
・アジリジン:アラコート CL−910(荒川化学工業株式会社製)、固形分10%。
・球状シリカ:カタロイド SI−30(日揮触媒化成株式会社製)固形分30%。
架橋剤としては以下を使用した。
・カルボジイミド:カルボジライト V02−L2(日清紡株式会社製)、固形分40%。
・オキサゾリン:エポクロス E−2030(日本触媒株式会社製)、固形分40%。
・アジリジン:アラコート CL−910(荒川化学工業株式会社製)、固形分10%。
希釈材としては、50%イソプロパノール(IPA)水溶液、および70%IPA水溶液を使用した。
(実施例1〜8、および比較例1〜8)
50%IPA水溶液で固形分2wt%に調整した界面活性剤(日油社製:ディスパノールWI−115)10重量部、導電助剤(和光純薬社製:エチレングリコール)2重量部、pH調整剤(和光純薬社製:トリエチルアミン)0.09重量部、帯電防止剤(綜研化学社製:ベラゾールWED−SM)10重量部に加え、表1に示す第一の樹脂、および第二の樹脂、滑り性付与添加材、架橋剤、ならびに50%IPA水溶液を混合し、塗布液を作製した。
50%IPA水溶液で固形分2wt%に調整した界面活性剤(日油社製:ディスパノールWI−115)10重量部、導電助剤(和光純薬社製:エチレングリコール)2重量部、pH調整剤(和光純薬社製:トリエチルアミン)0.09重量部、帯電防止剤(綜研化学社製:ベラゾールWED−SM)10重量部に加え、表1に示す第一の樹脂、および第二の樹脂、滑り性付与添加材、架橋剤、ならびに50%IPA水溶液を混合し、塗布液を作製した。
(実施例9,10)
表1に示す帯電防止樹脂、および第二の樹脂、滑り性付与添加材、架橋剤、導電助剤ならびに70%IPA水溶液を混合し、塗布液を作製した。
表1に示す帯電防止樹脂、および第二の樹脂、滑り性付与添加材、架橋剤、導電助剤ならびに70%IPA水溶液を混合し、塗布液を作製した。
基材層として、膜厚16μmのPETフィルム(東洋紡績株式会社製、E5102)を使用して、この上に、中間層として低密度ポリエチレン(東ソー株式会社製、ペトロセン203)を押し出しラミネート法により押出温度300℃で厚み20μmに成膜し、成膜した中間層の上にさらにシーラント層として、スチレン−(メタ)アクリル酸メチル共重合体(新日鐵化学社製、エスチレンMS−600、以下「St―MMA」とも言う)15重量部、エチレン−アクリル酸メチル共重合体(三井・デュポンポリケミカル社製、エルバロイAC 1820、以下「EMA」とも言う。)65重量部、およびポリエーテル/ポリオレフィン共重合体(三洋化成工業社製、ペレスタット212、以下「PEG−PP」とも言う)20重量部を押出ラミネート法により押出温度200℃で厚み5μmに成膜した。
次いで、基材層の中間層が設けられた面とは反対の面に、上述で得られた塗布液をバーコート(RK Print Coat Instruments社製:K202 Control Coater バー#2)を用いて湿塗布量4g/m2にて塗布し、100℃にて1分間乾燥させて、シーラント層付きのカバーテープを得た。
次いで、基材層の中間層が設けられた面とは反対の面に、上述で得られた塗布液をバーコート(RK Print Coat Instruments社製:K202 Control Coater バー#2)を用いて湿塗布量4g/m2にて塗布し、100℃にて1分間乾燥させて、シーラント層付きのカバーテープを得た。
得られたカバーテープを、以下の項目について評価した。評価結果を表1に示す。
(静摩擦係数)
上記で得られたカバーテープを土台にシーラント層側を上面になるように固定し、帯電防止剤を塗布した基材層を重ねて、JIS K 7125したがって測定した。静摩擦係数が1.2以下であれば、使用中におけるカバーテープと設備との接触によるテープトラブルが生じない程度の滑り性を有した凹凸表面が形成されているとみなすことができる。
(摩擦前の表面抵抗値R0)
カバーテープの表面抵抗値の測定は、SIMCO社製の表面抵抗測定器(SIMCO ST−3)を用いて、23℃50%RH環境下にて測定を実施した。
(摩擦後の表面抵抗値R1)
学振式磨耗試験機(新東科学株式会社製:TYPE−HEIDON−14DK)を用いて63mm角の面に乾いた布(旭化成株式会社製:ベンコット3M)を取り付け、荷重500g、速さ、6000mm/min、振れ幅80mmにてカバーテープの基材面の表面を乾いた布で80往復摩擦した後の表面抵抗値(摩擦後の表面抵抗値)を、SIMCO社製の表面抵抗測定器(SIMCO ST−3)を用いて、23℃50%RH環境下にて測定を実施した。摩擦後の表面抵抗値が1010Ω未満であれば、電子部品収容体のカバーテープとして好適に使用できるとみなすことができる。
さらに、上述のR0とR1の測定値から、R0/R1の値を算出した。結果を表1に示す。
(静摩擦係数)
上記で得られたカバーテープを土台にシーラント層側を上面になるように固定し、帯電防止剤を塗布した基材層を重ねて、JIS K 7125したがって測定した。静摩擦係数が1.2以下であれば、使用中におけるカバーテープと設備との接触によるテープトラブルが生じない程度の滑り性を有した凹凸表面が形成されているとみなすことができる。
(摩擦前の表面抵抗値R0)
カバーテープの表面抵抗値の測定は、SIMCO社製の表面抵抗測定器(SIMCO ST−3)を用いて、23℃50%RH環境下にて測定を実施した。
(摩擦後の表面抵抗値R1)
学振式磨耗試験機(新東科学株式会社製:TYPE−HEIDON−14DK)を用いて63mm角の面に乾いた布(旭化成株式会社製:ベンコット3M)を取り付け、荷重500g、速さ、6000mm/min、振れ幅80mmにてカバーテープの基材面の表面を乾いた布で80往復摩擦した後の表面抵抗値(摩擦後の表面抵抗値)を、SIMCO社製の表面抵抗測定器(SIMCO ST−3)を用いて、23℃50%RH環境下にて測定を実施した。摩擦後の表面抵抗値が1010Ω未満であれば、電子部品収容体のカバーテープとして好適に使用できるとみなすことができる。
さらに、上述のR0とR1の測定値から、R0/R1の値を算出した。結果を表1に示す。
実施例のカバーテープの摩擦後表面抵抗値は1010Ω以下であり、電子部品包装体のカバーテープとして使用するのに十分な帯電防止能を備えていた。また、実施例のカバーテープのR0/R1は、比較例のものと比べて低く、使用中から使用後にわたり帯電防止能が損なわれることなく維持されていた。
1 基材層
2 シーラント層
3 帯電防止層
10 電子部品包装用カバーテープ(カバーテープ)
10a カバーテープの表面(帯電防止層の表面)
20 キャリアテープ
20a キャリアテープの底面
21 ポケット
100 電子部品包装体
2 シーラント層
3 帯電防止層
10 電子部品包装用カバーテープ(カバーテープ)
10a カバーテープの表面(帯電防止層の表面)
20 キャリアテープ
20a キャリアテープの底面
21 ポケット
100 電子部品包装体
Claims (5)
- 基材層と、
前記基材層の一方の面に設けられた帯電防止層と、
前記基材層の他方の面に設けられたシーラント層と、を備えるカバーテープであって、
前記帯電防止層の、乾いた布で80往復摩擦した後12%RH下における表面抵抗値R1が1×104Ω以上1×1010Ω以下である、カバーテープ。 - 前記帯電防止層の、前記摩擦前の表面抵抗値をR0としたとき、R1/R0の値が、0より大きく1000未満である、請求項1に記載のカバーテープ。
- 前記R0が、1×104Ω以上1×1010Ω以下である、請求項2に記載のカバーテープ。
- 前記帯電防止層の前記摩擦前の静摩擦係数が、0より大きく1.5以下である、請求項1〜3のいずれかに記載のカバーテープ。
- 電子部品が格納されたキャリアテープと、
前記電子部品を封止するように、前記キャリアテープに前記シーラント層が接着された請求項1〜4のいずれかに記載のカバーテープと、を備える電子部品包装体。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2016143600A1 (ja) * | 2015-03-10 | 2016-09-15 | 住友ベークライト株式会社 | 電子部品包装用カバーテープおよび電子部品用包装体 |
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- 2018-05-16 JP JP2018094338A patent/JP2019199013A/ja active Pending
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WO2016143600A1 (ja) * | 2015-03-10 | 2016-09-15 | 住友ベークライト株式会社 | 電子部品包装用カバーテープおよび電子部品用包装体 |
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