JP2016193753A - 電子部品包装用カバーテープ - Google Patents

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Abstract

【課題】帯電防止性を維持しつつ、電子部品の付着防止性に優れた電子部品包装用カバーテープを提供する。
【解決手段】基材層と、前記基材層の一方の面側に設けられるシーラント層と、を有する電子部品包装用カバーテープであって、25℃で測定した当該電子部品包装用カバーテープの酸素透過率OTR25が、30cc/m・day以上80cc/m・day以下である。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子部品包装用カバーテープに関する。
従来、トランジスタ、ダイオード、コンデンサ、圧電素子レジスタ等の電子部品は、電子機器の製造現場において、当該電子部品を収納することが可能なポケットが連続的に形成されたキャリアテープと、上記キャリアテープにシールするカバーテープとからなる包装体に収容されて熱シール処理を施された後、紙製或いはプラスチック製のリールに巻かれた状態で、電子回路基板等に表面実装を行う作業領域まで搬送されている。そして、かかる電子部品は、上述した作業領域内で上記包装体のカバーテープを剥離した後、キャリアテープに形成された上記ポケットから取り出され、電子回路基板等に表面実装されることとなる。上記電子部品については、近年の電子機器の小型化に伴って、さらなる小型化、高度実装化が要求されている。そのため、近年の電子部品は、これまで以上に静電気による影響を受けやすくなってきている傾向にある。
こうした事情に鑑みて、近年、電子部品を搬送するために使用するカバーテープについても、後述する種々の特性を向上させることが要求されてきた。第1にカバーテープに要求される特性は、キャリアテープとの接着性と、キャリアテープから剥離する際に静電気の発生を防ぐことができる程度の剥離性とのバランスである。第2にカバーテープに要求される特性は、包装体の内部に収容した電子部品を検査することができる程度の透明性である。第3にカバーテープに要求される特性は、搬送中にカバーテープと電子部品とが摩擦することにより生じる静電気、キャリアテープからカバーテープを剥離する際に生じる静電気、付着した埃や内容物から発生する静電気等により、包装体内に収容している電子部品が故障してしまうこと(静電破壊されること)を抑制できる程度の帯電防止性である。特に、カバーテープの帯電防止性を向上させる技術については、これまでに種々の検討がなされてきた。
たとえば、特許文献1には、基材層と、帯電防止処理を施したヒートシール層とを有し、上記ヒートシール層側の平均表面粗さ(Ra)が特定の条件を満たすカバーテープが開示されている。
特開2005−225548号公報
上記背景技術の項に前述したように、従来のカバーテープにおいても、上述した3つの特性を向上させることについては、種々検討されてきた。しかしながら、近年カバーテープの各種特性について要求される技術水準は、ますます高くなっている。本発明者らは、従来のカバーテープに関し、以下のような課題を見出した。
具体的には、本発明者は、従来のカバーテープを用いた包装体を用いて電子部品を搬送した場合、表面実装を行う作業中に包装体からカバーテープを剥離した際に部品が、当該カバーテープに付着するという不都合が生じることを知見した。そこで、本発明者は、従来のカバーテープを用いた場合に収容された電子部品が当該カバーテープに付着してしまう要因について鋭意検討した結果、電子部品を収容した後に施す熱シール処理時に加わる熱履歴により包装体のシーラントに溶解した空気による影響でカバーテープ表面が僅かに酸化してしまうことに伴って、当該カバーテープと電子部品との接着性が増加している可能性があることを見出した。
そこで、本発明は、帯電防止性を維持しつつ、電子部品の付着防止性に優れた電子部品包装用カバーテープを提供する。
本発明者は、上記課題を達成するために鋭意研究を重ねた結果、カバーテープ自体の酸素透過率という尺度が、帯電防止性を維持しつつ、電子部品の付着防止性に優れた包装体を実現するための設計指針として有効であるという知見を得て、本発明を完成させた。
本発明によれば、基材層と、
前記基材層の一方の面側に設けられるシーラント層と、
を有する電子部品包装用カバーテープであって、
25℃で測定した当該電子部品包装用カバーテープの酸素透過率OTR25が、30cc/m・day以上80cc/m・day以下である、電子部品包装用カバーテープが提供される。
本発明によれば、帯電防止性を維持しつつ、電子部品の付着防止性に優れた電子部品包装用カバーテープを提供できる。
本実施形態に係る電子部品包装用カバーテープをキャリアテープにシールした状態の一例を示す図である。
本実施形態に係る電子部品包装用カバーテープ(以下、「カバーテープ」とも示す。)は、基材層と、基材層の一方の面側に設けられるシーラント層と、を有するものである。そして、かかるカバーテープは、25℃で測定した当該電子部品包装用カバーテープの酸素透過率OTR25が、30cc/m・day以上80cc/m・day以下となるものである。こうすることで、帯電防止性を維持しつつ、電子部品の付着防止性に優れたカバーテープを実現することができる。なお、本実施形態に係るカバーテープにおいて、シーラント層は、基材層における一方の面に設けられる層である。かかるシーラント層の表面は、上述した方法でカバーテープを使用する場合、キャリアテープと接触する側に位置する。
まず、カバーテープの使用方法について、図1を参照して説明する。
図1に示すように、カバーテープ10は、電子部品の形状に合わせて凹状のポケット21が連続的に設けられたキャリアテープ20の蓋材として用いられる。具体的には、カバーテープ10は、キャリアテープ20のポケット21の開口部全面を覆うように、キャリアテープ20の表面に接着(例えば、ヒートシール)させて使用する。なお、後述においては、カバーテープ10と、キャリアテープ20とを接着して得られた包装体のことを、電子部品用の包装体100と称して説明する。
実際、電子機器の製造現場においては、以下の手順で電子部品用の包装体100を作製する。まず、キャリアテープ20のポケット21内に電子部品を収容する。次いで、キャリアテープ20のポケット21の開口部全面を覆うように、キャリアテープ20の表面にカバーテープ10を接着することで、電子部品が包装体100内に密封収容されてなる構造体を得ることができる。かかる電子部品を収容してなる構造体は、上記背景技術の項で述べたように、紙製或いはプラスチック製のリールに包装体100を巻いた状態で、電子回路基板等に表面実装を行う作業領域まで搬送される。上述したリールに包装体100を巻いた状態で電子部品を搬送する際、キャリアテープ20の底面20aは、カバーテープ10の表面10aと接触(摩擦)している。
本発明者は、従来のカバーテープを用いて作製した電子部品を収容してなる構造体を搬送する際、表面実装を行う作業中に包装体からカバーテープを剥離した際に部品が付着するという不都合が生じることを知見した。そこで、本発明者は、従来のカバーテープを用いた包装体を用いた場合に収容された電子部品が当該カバーテープに付着してしまう要因について鋭意検討した結果、電子部品を収容した後に施す熱シール処理時に加わる熱履歴により包装体のシーラントに溶解した空気による影響でカバーテープ表面が僅かに酸化してしまうことに伴って、当該カバーテープの電子部品への接着性が増加している可能性があることを見出した。このように、従来のカバーテープは、キャリアテープとカバーテープとからなる包装体に収容した電子部品への付着防止という点に改善の余地を有していた。
また、本発明者は、従来のカバーテープを用いて作製した電子部品を収容してなる構造体を搬送する際、搬送時の振動によって当該カバーテープにおいてキャリアテープと接着する面、すなわち、カバーテープにおけるシーラント層表面とは反対側の表面における摩擦により発生する静電気により、包装体内に収容している電子部品が当該カバーテープに付着してしまう場合があることも知見した。このことから、従来のカバーテープは、シーラント層表面とは反対側の表面における静電気対策という点においても改善の余地を有していた。
本実施形態に係るカバーテープは、上述したように25℃で測定した当該カバーテープの酸素透過率OTR25の値が特定の条件を満たすものである。こうすることで、電子部品を収容した後に施す熱シール処理時に加わる熱履歴により、カバーテープ表面(シーラント層)が酸化されてしまうことを抑制することができる。そのため、本実施形態に係るカバーテープによれば、当該カバーテープと、包装体に収容した電子部品とが接触して、かかる電子部品がシーラント層に付着することを抑制することができる。また、理由は明らかではないが、本実施形態に係るカバーテープによれば、電子部品を搬送する際の振動により、キャリアテープの底面とカバーテープの表面とが接触して発生する静電気が、キャリアテープとカバーテープとからなる包装体内に収容された電子部品に及ぼす影響も低減することも可能となる。そのため、電子部品を搬送する際の振動により、キャリアテープの底面とカバーテープの表面とが接触して発生する帯電により、電子部品が静電的に付着するという不都合が生じることを抑制できる。
本実施形態に係るカバーテープにおいて、25℃で測定した当該カバーテープの酸素透過率OTR25の値は、30cc/m・day以上80cc/m・day以下であるが、好ましくは、35cc/m・day以上75cc/m・day以下であり、さらに好ましくは、35cc/m・day以上70cc/m・day以下である。こうすることで、電子部品を収容した後に施す熱シール処理時に、熱履歴が加わることによりカバーテープ表面(シーラント層)が酸化されてしまうことをより一層高度に制御することができる。また、上記酸素透過率OTR25の値が上記上限値以下である場合、キャリアテープとの接着安定性が向上する。また、上記酸素透過率OTR25の値が上記下限値以上である場合、電子部品を収容した後に施す熱シール処理により、当該カバーテープの電子部品への接着性が増加することを抑制できるため、結果としてカバーテープの電子部品に対する付着防止性が向上する。なお、25℃で測定した当該カバーテープの酸素透過率OTR25の値は、たとえば、モコン(MOCON)社製の酸素透過率測定装置(オキシトラン(登録商標)OX−TRAN 2/21)を使用して、JIS K7126−2における付属書Bに準じて測定することができる。
また、本実施形態に係るカバーテープは、25℃で測定した透湿度が、好ましくは、10g/m・day以上200g/m・day以下であり、さらに好ましくは、10cc/m・day以上150g/m・day以下であり、最も好ましくは、10g/m・day以上100g/m・day以下である。こうすることで、キャリアテープとの接着面における帯電防止性という観点において、より一層優れたカバーテープを実現することができる。なお、25℃で測定した該カバーテープの透湿度の値は、たとえば、モコン(MOCON)社製の水蒸気透過率測定装置(パーマトラン(登録商標)PERMATRAN−W 3/61)を使用して、JIS K7129Bに準じて測定することができる。
また、本実施形態に係るカバーテープは、その厚みをTとした時、25℃で測定した当該カバーテープの酸素透過率OTR25と、厚みTとの比、OTR25/Tの値が、好ましくは、4×10cc/m・day以上7.3×10cc/m・day以下であり、さらに好ましくは、6×10cc/m・day以上1.6×10cc/m・day以下である。こうすることで、電子部品を収容した後に施す熱シール処理時、熱履歴が加わることによりシーラント層が酸化されることをより一層高度に制御することができる。
本実施形態に係るカバーテープの幅は、好ましくは、1mm以上100mm以下であり、さらに好ましくは、2mm以上80mm以下であり、最も好ましくは、2mm以上50mm以下である。
以下、本実施形態に係るカバーテープを形成する各層の構成について詳説する。
<基材層>
基材層を構成する材料は、当該基材層に対して中間層やシーラント層を積層してカバーテープを作製する際、キャリアテープに対してカバーテープを接着させる際、カバーテープの使用時等に外部から加わる応力に耐えうる機械的強度、キャリアテープに対してカバーテープを接着させる際に加わる熱履歴に耐えうる耐熱性を有したものであればよい。また、基材層を構成する材料の形態は、特に限定されないが、加工が容易である観点から、フィルム状に加工されたものであることが好ましい。
基材層を構成する材料の具体例としては、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリアクリレート系樹脂、ポリメタアクリレート系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ABS樹脂等が挙げられる。中でも、カバーテープの機械的強度を向上させる観点から、ポリエステル系樹脂が好ましく、ポリエチレンテレフタレートであるとさらに好ましい。また、カバーテープの機械的強度、柔軟性を向上させる観点から、ナイロン6を、基材層を構成する材料として用いてもよい。くわえて、基材層を構成する材料中には、帯電防止剤や滑材を含有させてもよい。
基材層は、上述した材料を含む単層フィルムにより形成してもよいし、上述した材料を各層に含む多層フィルムを用いて形成してもよい。また、基材層を形成するために使用するフィルムの形態としては、未延伸フィルムであってもよいし、一軸方向又は二軸方向に延伸したフィルムであってもよいが、カバーテープの機械的強度を向上させる観点から、一軸方向又は二軸方向に延伸したフィルムであることが好ましい。
基材層の厚さは、好ましくは、5μm以上25μm以下であり、さらに好ましくは、9μm以上16μm以下である。基材層の厚さが上記上限値以下である場合、カバーテープの剛性が高くなりすぎず、シール後のキャリアテープに対して捻り応力がかかった場合であっても、カバーテープがキャリアテープの変形に追従し、剥離してしまうことを抑制することができる。また、基材層の厚さが上記上限値以上である場合、カバーテープの機械的強度を良好なものとすることができるため、キャリアテープからカバーテープを高速で剥離する場合であっても、カバーテープが破断してしまうことを抑制することができる。
基材層の全光線透過率は、好ましくは、85%以上であり、さらに好ましくは、90%以上である。こうすることで、カバーテープとキャリアテープとからなる包装体において、上記キャリアテープのポケット内に電子部品が正しく収容されているか否かを検査することができる程度の透明性を付与することができる。言い換えれば、基材層の全光線透過率を上記下限値以上とすることにより、カバーテープとキャリアテープとからなる包装体の内部に収容した電子部品を、当該包装体の外部から視認して確認することが可能となる。なお、基材層の全光線透過率は、JIS K7105(1981)に準じて測定することが可能である。
<シーラント層>
本実施形態に係るカバーテープにおいて、シーラント層は、上述したように基材層における一方の面に設けられる層である。
シーラント層を構成する材料としては、アクリル系樹脂やポリエステル系樹脂等の熱可塑性樹脂と、帯電防止剤とを含むものを使用することができる。かかる帯電防止剤の具体例としては、酸化錫、酸化亜鉛、酸化チタン、スメクタイト等の金属フィラー、ポリエーテル/ポリオレフィン共重合体、ポリエーテルエステルアミドブロック共重合体等の帯電防止樹脂、ポリオキシエチレンアルキルアミン、第四級アンモニウム、第四級アンモニウム塩基含有メタクリレート共重合体、第四級アンモニウム塩基含有マレイミド共重合体、ポリスチレンスルホン酸ソーダ、アルキルスルホネート等の界面活性剤、カーボンからなる群より選択される1種またはこれらの混合物が挙げられる。なお、上記カーボンとしては、カーボンブラック、ホワイトカーボン、カーボン繊維、カーボンチューブ等の炭素からなる種々の形状のフィラーを用いることができる。
シーラント層を構成する材料には、搬送中に生じるブロッキングを防止する観点から、ケイ素、マグネシウムまたはカルシウムを主成分とする酸化物粒子、シリカ、タルク等の無機粒子、ポリエチレン粒子、ポリアクリレート粒子およびポリスチレン粒子等の有機粒子からなる群より選択される1種またはこれらのアロイが含まれていてもよい。
シーラント層の厚さは、キャリアテープに対する接着性と剥離性とのバランスを向上させる観点から、好ましくは、0.2μm以上15μm以下であり、さらに好ましくは、0.2μm以上10μm以下であり、最も好ましくは、0.2μm以上5μm以下である。
シーラント層の表面抵抗値は、種々の要因により発生した静電気を効率よく外部に放出させる観点から、23℃、15RH%の条件で10Ω/□以上1012Ω/□以下とすることが好ましい。
<帯電防止層>
本実施形態に係るカバーテープには、基材層におけるシーラント層が設けられた面とは反対側の面に帯電防止層が設けられていてもよい。かかる帯電防止層の表面は、上述したように、キャリアテープとカバーテープとからなる包装体に電子部品を収容して搬送する際に、キャリアテープの底面と接触する可能性を有している。
帯電防止層を形成する材料としては、エステル化合物を含む材料が挙げられる。以下、帯電防止層を形成する材料について説明する。
帯電防止層を形成する材料は、たとえば、キャリアテープの底面を形成する材料等の、電子部品を収容して搬送する際に帯電防止層の表面と接触する対象物を形成する材料と比べて帯電列において正側に位置する「正の化合物」と、上記対象物を形成する材料と比べて帯電列において負側に位置する「負の化合物」とを含むものであることが好ましい。こうすることで、帯電防止層の表面が対象物と接触した際に、摩擦に伴う静電気の発生を抑制することができる。この理由は、帯電防止層の表面が対象物と接触した際に、当該帯電防止層を形成する材料に含まれる正の化合物が正極性に帯電する一方、負の化合物は負極性に帯電することになるため、帯電防止層内において電気的に中和することができるからである。
上述した正の化合物としては、たとえば、キャリアテープの底面を形成する材料等の、電子部品を収容して搬送する際に帯電防止層の表面と接触する対象物を形成する材料がポリスチレン等を含む場合が多いことから、アジリジニル化合物とその開環化合物を含むものであることが好ましい。かかるアジリジニル化合物は、一般に、アジリジニル基を有する化合物のことを指し、その具体例としては、N,N´−ヘキサメチレン−1,6−ビス(1−アジリジカルボキシアミド)、N,N´−ジフェニルメタン−4,4´−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)、トリメチロールプロパン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート)、N,N´−トルエン−2,4−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)、トリエチレンメラミン、トリメチロールプロパン−トリ−β(2−メチルアジリジン)プロピオネート、ビスイソフタロイル−1−2−メチルアジリジン、トリ−1−アジリジニルフォスフィンオキサイド、トリス−1−2−メチルアジリジンフォスフィンオキサイド等が挙げられる。また、上記アジリジニル化合物として、日本触媒社製のケミタイトPZ−33、DZ−22E等の市販品を使用することもできる。なお、アジリジニル化合物の開環化合物は、アジリジニル化合物中のアジリジニル基が開環した状態にある化合物のことを指す。
上述した正の化合物の含有量は、帯電防止層を形成する材料全量に対して、0.2質量%以上98質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上90質量%以下であるとさらに好ましい。こうすることで、塗膜の物理的な強度が高まり接触による帯電防止剤の滑落に強くなる。
上述した負の化合物としては、たとえば、キャリアテープの底面を形成する材料等の、電子部品を収容して搬送する際に帯電防止層の表面と接触する対象物を形成する材料がポリスチレン等を含む場合が多いことから、エステル化合物を含むものであることが好ましい。かかるエステル化合物とは、有機酸または無機酸とアルコールとが脱水反応により結合して生成した化合物のことを指し、その具体例としては、ポリエチレンテレフタラート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートやこれらの誘導体等が挙げられる。
上述した負の化合物の含有量は、帯電防止層を形成する材料全量に対して、0.2質量%以上98質量%以上であることが好ましく、0.5質量%以上90質量%以下であるとさらに好ましい。こうすることで、塗膜の物理的な強度が高まり接触による帯電防止剤の滑落に強くなる。
帯電防止層を形成する材料は、当該帯電防止層の表面抵抗値を低下させて摩擦に伴う静電気の発生を抑制する観点から、導電性ポリマーを含むことが好ましい。かかる導電性ポリマーの具体例としては、ポリアニリン、ポリピロール等が挙げられ、中でもポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸(PEDOT/PSS)系の化合物を好適に用いることができる。
帯電防止層を形成する材料は、当該帯電防止層を形成する際の濡れ性やレベリング性を向上させる観点から、界面活性剤を含むことが好ましい。かかる界面活性剤は、低分子型の界面活性剤であっても、高分子型の界面活性剤であってもよいが、フッ素アルキル構造を含む界面活性剤を好適に用いることができる。
帯電防止層の摩擦帯電圧は、23℃、50%RHの条件下において、好ましくは、−2200V以上2200V以下であり、さらに好ましくは、−800V以上800V以下であり、最も好ましくは、−500V以上500V以下である。言い換えれば、帯電防止層の摩擦帯電圧の絶対値は、23℃、50%RHの条件下において、好ましくは、2200V以下であり、さらに好ましくは、800V以下であり、最も好ましくは、500V以下である。こうすることで、電子部品を搬送する際の振動により、キャリアテープの底面とカバーテープの表面とが接触して発生する帯電により、電子部品が静電破壊されてしまう、又は基盤実装時にトラブルを引き起こすという不都合が生じることを抑制できる。
<その他の層>
本実施形態に係るカバーテープは、基材層とシーラント層の間に中間層(図示せず)を設けてもよい。こうすることで、カバーテープ全体のクッション性を向上させるとともに、接着対象であるキャリアテープとの密着性を向上させることができる。
上述した中間層を形成する材料としては、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、環状オレフィン系樹脂等が挙げられる。中でも、接着対象であるキャリアテープとの密着性を向上させる観点から、オレフィン系樹脂を含むことが好ましい。
中間層の厚さは、接着対象であるキャリアテープとの密着性を向上させる観点から、好ましくは、10μm以上30μm以下であり、さらに好ましくは、15μm以上25μm以下である。
本実施形態に係るカバーテープは、基材層とシーラント層の間または基材層と帯電防止層の間に接着層を設けてもよい。こうすることで、カバーテープの機械的強度を向上させることができる。
上述した接着層を形成する材料には、樹脂が含まれている。かかる樹脂の具体例としては、ウレタン系のドライラミネート用接着樹脂、アンカーコート用接着樹脂等が挙げられ、一般に、ポリエステルポリオールやポリエーテルポリオールなどのポリエステル組成物とイソシアネート化合物とを組み合わせたもの等を使用することができる。
次に、本実施形態に係るカバーテープの製造方法について説明する。
本実施形態におけるカバーテープの製造方法は、従来の製造方法とは異なるものであって、後述する製造条件を高度に制御する必要がある。すなわち、以下の2つの条件に係る各種因子を高度に制御する製造方法によって初めて、25℃で測定した当該電子部品包装用カバーテープの酸素透過率OTR25の値が、上述した特定の条件を満たすカバーテープを得ることができる。
(1)基材層の形成に用いるフィルムの延伸条件
(2)シーラント層を形成する材料と基材層を形成する材料との組み合わせ
ただし、本実施形態におけるカバーテープは、上記2つの条件に係る各種因子を高度に制御することを前提に、たとえば、製造装置の温度設定などの具体的な製造条件は種々のものを採用することができる。言い換えれば、本実施形態におけるカバーテープは、上記2つの条件に係る各種因子を高度に制御すること以外の点については、公知の方法を採用して作製することが可能である。本実施形態におけるカバーテープは、上記2つの条件に係る各種因子を高度に制御することを前提に、基材層の一方の面にシーラント層を押出しラミネート法によって積層することにより作製することができる。なお、シーラント層は、グラビアコーターを用いて溶液製膜してもよい。
また、上述した中間層を形成する場合には、シーラント層を積層する前に基材層におけるシーラント層を形成する面に押出しラミネート法によって当該中間層を積層してもよい。
また、上述した接着層を形成する場合には、従来公知の塗布方法によって、対象となる面に接着層の材料を塗布すればよい。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
以下、本発明を実施例および比較例により説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<実施例1に係るカバーテープの製造>
基材層として、ポリエチレンテレフタレートおよびナイロンの二軸延伸フィルムを複合して厚みを20μmとしたものを用い、上記基材層の内側に30μmのポリエチレンフィルムを中間層としてラミネートした後、得られた積層物における中間層を有する面側にグラビアコーターを用いてシーラント層を膜厚2μmとなるように溶液製膜することにより、実施例のカバーテープを作製した。なお、シーラント層を形成する材料としては、接着性樹脂であるアクリル系接着樹脂(大日本インキ社製、A450A)100重量部と帯電防止剤である酸化錫(三菱マテリアル社製、T−1)300重量部とを含む樹脂組成物を使用した。
<実施例2に係るカバーテープの製造>
二軸延伸フィルムを複合し厚みを25μmとした点以外は、実施例1と同様の方法でカバーテープを作製した。
以上の方法により、実施例1または2に係るカバーテープを作製した。得られたカバーテープの幅は、8mmであった。
<比較例1に係るカバーテープの製造>
基材層として、ポリエチレンテレフタレートおよびナイロンの二軸延伸フィルムを複合して厚みを25μmとしたものを用い、上記基材層の内側に中間層として低密度ポリエチレン(住友化学社製、スミカセンL705)を押出ラミネート法により押出温度300℃で厚み10μmに製膜した。次いで、製膜した中間層の上にさらにヒートシール層として、ヒートシール樹脂組成物を押出ラミネート法により押出温度300℃で厚み10μmに製膜した後、得られた積層物におけるヒートシール層を有する面側に、接着性樹脂であるアクリル系接着樹脂(大日本インキ社製、A450A)100重量部と、アンチブロッキング剤0.5重量部とを含む樹脂組成物を、グラビアコーターを用いてシーラント層を膜厚2μmとなるように溶液製膜することにより、比較例1のカバーテープを作製した。なお、上記アンチブロッキング剤としては、二酸化ケイ素を主成分とする無機フィラー(日本触媒社製、KE−S150、平均粒子径1.5μm)を用いた。
<比較例2に係るカバーテープの製造>
基材層として、厚み25μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績社製、E5102)を使用し、かかる基材層における一方の面に中間層として、低密度ポリエチレン(住友化学社製、スミカセンL705)を押出ラミネート法により押出温度300℃で厚み30μmに製膜した。次いで、製膜した中間層の上にさらにヒートシール層として、ヒートシール樹脂組成物を押出ラミネート法により押出温度300℃で厚み10μmに製膜することにより、比較例2のカバーテープを作製した。
実施例および比較例の各カバーテープを用いて、以下の評価を行った。
<評価方法>
・酸素透過率:カバーテープの酸素透過率は、モコン(MOCON)社製の酸素透過率測定装置(オキシトラン(登録商標)OX−TRAN 2/21)を使用して、JIS K7126−2における付属書Bに準じて測定した。測定条件は、25℃、50%RHに設定した。なお、単位は、cc/m・dayである。
・透湿度:カバーテープの透湿度は、モコン(MOCON)社製の水蒸気透過率測定装置(パーマトラン(登録商標)PERMATRAN−W 3/61)を使用して、JIS K7129Bに準じて測定した。測定条件は、25℃、50%RHに設定した。なお、単位は、g/m・dayである。
・電子部品の貼り付き防止性:8mm幅のポリカーボネート性キャリアテープ(ニッポー社製)に対し、電子部品(SHARP社製、GM4ZR83232AE)を挿入し、5.5mm幅にスリットしたカバーテープを、ヒートシール温度220℃で、ヒートシールすることにより包装体を作製した。次いで、得られた包装体に収容した電子部品が、当該包装体を形成するカバーテープの表面に接触するように70℃で24時間静置した。次に、包装体からカバーテープを300mm/minの速度で剥離した。その後、剥離したカバーテープの表面に貼り付いているチップの数をカウントした。本実施例においては、以下の基準で評価を行った。
○(電子部品の貼り付き防止性が良好):カバーテープの表面に張り付いているチップの数が2個未満である。
×(電子部品の貼り付き防止性が不良):カバーテープの表面に張り付いているチップの数が2個以上である。
上記評価項目に関する評価結果を以下の表1に示す。
Figure 2016193753
実施例のカバーテープは、帯電防止性を維持しつつ、電子部品の貼り付き防止性(付着防止性)に優れたものであった。一方、比較例のカバーテープは、電子部品の貼り付き防止性(付着防止性)という観点において、要求水準を満たすものではなかった。
10 電子部品包装用カバーテープ(カバーテープ)
10a カバーテープの表面(帯電防止層の表面)
20 キャリアテープ
20a キャリアテープの底面
21 ポケット
100 包装体

Claims (4)

  1. 基材層と、
    前記基材層の一方の面側に設けられるシーラント層と、
    を有する電子部品包装用カバーテープであって、
    25℃で測定した当該電子部品包装用カバーテープの酸素透過率OTR25が、30cc/m・day以上80cc/m・day以下である、電子部品包装用カバーテープ。
  2. 25℃で測定した当該電子部品包装用カバーテープの透湿度が、10g/m・day以上200g/m・day以下である、請求項1に記載の電子部品包装用カバーテープ。
  3. 当該電子部品包装用カバーテープの厚みをTとした時、
    25℃で測定した当該電子部品包装用カバーテープの酸素透過率OTR25と、当該電子部品包装用カバーテープの厚みTとの比、OTR25/Tの値が、4×10cc/m・day以上7.3×10cc/m・day以下である、請求項1または2に記載の電子部品包装用カバーテープ。
  4. 当該電子部品包装用カバーテープの幅が1mm以上100mm以下である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電子部品包装用カバーテープ。
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