JP6795569B2 - カバーテープおよび電子部品用包装体 - Google Patents

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本発明は、カバーテープおよび電子部品用包装体に関する。
電子部品を搬送する方法として、電子部品を包装材に包装して搬送する、テーピングリール方式が知られている。このテーピングリール方式では、電子部品収納用のポケットが連続的に形成されたキャリアテープに電子部品を挿入し、上からカバーテープを熱シール処理して封入することにより得られた包装体をリールに巻かれた状態で搬送されている。
この種の技術として、例えば、特許文献1に記載の技術が挙げられる。同文献には、電子部品搬送用カバーテープを、電子部品搬送用キャリア基体から剥離させた際の接着樹脂層に生じる剥離帯電圧(23℃×65%RH、剥離角度180°、剥離速度5000mm/分、電極と接着樹脂層との距離5mm、各3箇所)の絶対値が1500V以下であることが記載されている(特許文献1の段落0058および0080)。
特開2003−341720号公報
しかしながら、本発明者が検討した結果、上記特許文献1に記載のカバーテープにおいて、紙製キャリアテープとの密着性および実装不良率の低減の点で改善の余地があることが判明した。
近年、電子部品用包装体に対する要求水準が高まっており、それに伴い、カバーテープに対してもさらに高度な特性が求められている。
しかしながら、これまでの剥離帯電圧の測定方法では、カバーテープの高度な特性を判別することが困難であった。例えば、50%RHで十分に低い剥離帯電圧であったとしても、30%RHでは剥離帯電圧が高い値を示すことが分かった。このため、50%RHの剥離帯電圧が低くても、搬送や保管環境条件が変動したとき、実装不良率が高くなる恐れがあった。また、測定箇所に応じて剥離帯電圧が変動するため、3回の測定回数では不十分であった。このため、カバーテープ全体に生じた特性のバラツキを十分に評価できない恐れがあった。
そこで、本発明者が検討した結果、異なる2水準の相対湿度で測定された剥離帯電圧を指針とするとともに、その剥離帯電圧の測定条件のうち測定回数を1万倍程度に増大させることで、環境変動や全体の特性バラツキを考慮できるため、カバーテープの高度な特性を安定的に評価できることが見出された。
このような知見に基づきさらに鋭意研究したところ、シーラント層の剥離面における剥離帯電圧を3万回連続的に測定し、30%RHの条件の下で最も大きな絶対値(測定値)をP30とし、50%RHの条件の下で最も大きな絶対値(測定値)をP50としたとき、シーラント層側の剥離指数として、P30/P50を指標に採用し、かかる指標に基づいてP30/P50を適切な数値範囲内とすることで、カバーテープにおいて、紙製キャリアテープとの密着性を維持しつつも、実装不良率が低減されることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明によれば、
基材層および前記基材層の一方の面側に設けられたシーラント層を備えており、紙製キャリアテープをシールするために用いる、カバーテープであって、
前記シーラント層中に帯電防止剤が含まれるか、及び/又は前記シーラント層の表面に帯電防止層が形成されており、
前記シーラント層がエチレン−酢酸ビニル共重合体を含む、
下記の手順(1)〜(4)に基づいて算出される前記シーラント層側のシール面における剥離指数が4.1以上47.8以下であり、P 30 が500以下である、カバーテープが提供される。
(手順)
(1)当該カバーテープを5.3mm幅にスリットし、帯状の評価用カバーテープを作製する。
(2)続いて、テーピングマシンを用いて、ポケットを有しない紙製基材の表面に対して、得られた前記評価用カバーテープの前記シーラント層側の前記シール面を、170℃、4kg/cm、0.005秒の条件で熱シールし、帯状の包装体を作製する。
(3)その後、25℃、30%RHまたは50%RHの環境湿度の下、テープフィーダーを用いて、搬送速度:2400mm/min、剥離角度:約180度の条件で、前記紙製基材から前記評価用カバーテープを連続的に剥離し、剥離直後の前記評価用カバーテープの剥離面における剥離帯電圧を、測定器を使用して3万回連続的に測定する。
(4)環境湿度が30%RHの条件の下、前記剥離帯電圧を3万回連続的に測定し、得られた測定値の中で最も大きな絶対値をP30とし、環境湿度が50%RHの条件の下、前記剥離帯電圧を3万回連続的に測定し、得られた測定値の中で最も大きな絶対値をP50としたとき、前記シーラント層側のシール面における前記剥離指数をP30/P50に基づいて算出する。
また本発明によれば、
電子部品を収納する部品収納部が所定の間隔で並んで形成されている紙製キャリアテープと、
前記紙製キャリアテープに形成された前記部品収納部を覆うように設けられたカバーテープと、を備える、電子部品用包装体であって、
前記カバーテープは、上記のカバーテープである、電子部品用包装体が提供される。
本発明によれば、紙製キャリアテープとの密着性を維持しつつも、実装不良率が低減されたカバーテープおよびそれを用いた電子部品用包装体が提供される。
本実施形態に係るカバーテープの一例を示す図である。 本実施形態に係るカバーテープの一例を示す図である。 本実施形態に係る包装体の一例を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
本実施形態のカバーテープの概要について説明する。
図1は、本実施形態に係るカバーテープ10の一例を示す断面図である。図3は、本実施形態に係るカバーテープ10で紙製のキャリアテープ20をシールした状態の包装体100の一例を示す図である。
本実施形態のカバーテープ10は、図1に示すように、基材層1と、基材層1の一方の面側に設けられたシーラント層2と、を備えることができる。
本実施形態のカバーテープ10は、図3に示すように、電子部品を収容できる凹部(ポケット21)を有する紙製キャリアテープ(キャリアテープ20)をシールするために用いることができる。このようなカバーテープ10は、キャリアテープ20に対してヒートシール可能な、電子部品包装用カバーテープとして利用することができる。
本実施形態のカバーテープ10は、下記の手順(1)〜(4)に基づいて算出されるシーラント層側のシール面の剥離指数が1.0以上100.0以下という特性を有するものである。
本実施形態において、カバーテープ10のシール面は、紙製キャリアテープの表面と対向して、ヒートシールされる面を意味する。シール面としては、例えば、シーラント層の表面、または、シーラント層の表面に積層された、帯電防止層などの他の層の表面が挙げられる。
(手順)
(1)当該カバーテープを5.3mm幅にスリットし、帯状の評価用カバーテープを作製する。評価用カバーテープの幅は、テープフィーダーに応じて適宜変更してもよい。
(2)続いて、テーピングマシンを用いて、紙製基材の表面に対して、得られた評価用カバーテープの前記シーラント層側のシール面を、170℃、4kg/cm、0.005秒の条件で熱シールし、帯状の包装体を作製する。
(3)その後、25℃、30%RHまたは50%RHの環境湿度の下、テープフィーダーを用いて、搬送速度:2400mm/min、剥離角度:約180度の条件で、紙製基材から評価用カバーテープを連続的に剥離し、剥離直後の評価用カバーテープの剥離面における剥離帯電圧を、測定器を使用して3万回連続的に測定する。
テープフィーダーは、カセット型のテープフィーダーを用いることができ、例えば、トレック・ジャパン社製「表面電位計 MODEL 370」を用いることができる。
搬送速度(剥離速度)は、カバーテープの機械的強度などを踏まえて適切に選択できるが、例えば100mm/min〜30000mm/minの範囲内のいずれかとしてもよい。
剥離角度は、約180度とする。約180度とは、剥離手段や搬送手段などの機器のバラツキを許容することを意図しており、170度〜180度の範囲内のいずれかであればよい。
測定器の測定対象は、紙製基材から剥離された評価用カバーテープの剥離面である。剥離面は、評価用カバーテープのシーラント層表面やシーラント層上の帯電防止層表面などのシーラント層側のシール面である。評価に用いる紙製基材としては、ポケットをするもの、ポケットを有しないものいずれを用いても構わない。
測定器の測定箇所は、帯状の包装体の長手方向に対して直交する方向を幅方向としたとき、幅方向における評価用カバーテープの中央部分としてもよい。
測定器と評価用カバーテープの剥離面との距離は、公差のバラツキを許容でき、例えば、1mmとする。
(4)環境湿度が30%RHの条件の下、前記剥離帯電圧を3万回連続的に測定し、得られた測定値の中で最も大きな絶対値をP30とし、環境湿度が50%RHの条件の下、前記剥離帯電圧を3万回連続的に測定し、得られた測定値の中で最も大きな絶対値をP50としたとき、前記シーラント層側のシール面における前記剥離指数をP30/P50に基づいて算出する。
なお、30%RHの剥離帯電圧および50%RHの剥離帯電圧において、測定条件のバラツキを考慮して、3万回の剥離帯電圧の最大値からは、大きく外れた値を除外する。大きく外れた値とは、例えば、得られた測定値の中で最も大きい値と2番目に大きい値を比較し、両者の差が10倍以上ある時の最も大きい値を意味する。この場合、大きく外れた値を除いた残りのものから、絶対値の最大値が、P30またはP50として選ばれ得る。
本発明者の知見によれば、次のような点が判明した。
(i)高湿度条件(50%RH)の剥離帯電圧、低湿度条件(30%RH)の剥離帯電圧の2つの比を指針とすることで、搬送や保管環境条件が変動したときでも、実装不良率を制御できること。
(ii)その剥離帯電圧の測定回数を3万回とすることで、カバーテープ全体における、実装不良率等の特性のバラツキを安定的に評価できること。
(iii)3万回の測定値の最大値を指針とすることで、カバーテープの高度な特性を評価できること。最大値を指標とすれば、平均値よりも厳しい水準で評価されることになるため、より一層、カバーテープ全体の特性を安定的に評価可能である。
上記(i)に関して:50%RHで十分に低い剥離帯電圧であったとしても、30%RHでは剥離帯電圧が高い値を示すことがある。高湿度条件(50%RH)の剥離帯電圧のみの指標は、カバーテープの高度な特性を評価する点で不十分である。
上記(ii)に関して:測定箇所に応じて剥離帯電圧が大きく変動することがある。数点から数十点では、カバーテープ全体の特性を評価する点で不十分な条件である。
上記(iii)に関して:剥離帯電圧の測定値の平均値を指標とした場合、一般的に最大値よりも小さい値が示されるため、平均値と最大値の差分がどの程度か見えにくくなる。実際の不具合は剥離帯電圧が大きい値を示す部分で生じる。平均値の指標は、カバーテープ全体の特性を評価する点で不十分である。
本実施形態によれば、シーラント層側の剥離面における剥離帯電圧を3万回連続的に測定し、30%RHの条件の下で最も大きな絶対値(測定値)をP30とし、50%RHの条件の下で最も大きな絶対値(測定値)をP50としたとき、シーラント層側の剥離指数として、「P30/P50」を指標に採用される。この「P30/P50」は、上記(i)から(iii)を考慮した指標である。このため、「P30/P50」を適切な数値範囲内とすることで、カバーテープにおいて、紙製キャリアテープとの密着性を維持しつつも、実装不良率を高度に低減することが可能である。具体的には、30%RHにおいて、部品1万個の条件で実装評価した場合でも、カバーテープにおける実装不良率を大幅に低減させることが可能である。
本実施形態によれば、上記「P30/P50」の上限値は、例えば、100.0以下、好ましくは80.0以下、より好ましくは50.0以下、さらに好ましくは20.0以下である。これにより、実装不良率を高度に低減することが可能である。一方、上記「P30/P50」の下限値は、特に限定されないが、例えば、1.0以上、好ましくは1.5以上、より好ましくは2.0以上としてもよい。これにより、紙製キャリアテープに対するカバーテープの密着性が良好となる。
また、上記「P30」の上限値は、例えば、500以下、好ましくは400以下、より好ましくは300以下である。一方、上記「P30」の下限値は、特に限定されないが、例えば、1以上、5以上、または10以上としてもよい。
本実施形態のカバーテープは、紙製キャリアテープに対する密着性が良好であるため、紙製キャリアテープをシールするために好適に用いることが可能である。
本実施形態では、たとえばカバーテープ中の各層を構成する材料や、カバーテープの製造方法等を適切に選択することにより、上記P30/P50、P30を制御することが可能である。これらの中でも、たとえば、シーラント層もしくは基材層に耐電防止剤を添加すること、シーラント層側もしくは基材層側の表面に帯電防止剤層を形成すること、およびこれらの帯電防止剤の種類や量を適切に制御すること等が、上記P30/P50、P30を所望の数値範囲とするための要素として挙げられる。
本実施形態のカバーテープ10によれば、紙製キャリアテープとの密着性および電子部品に対する耐付着性に優れたカバーテープ10を実現することができる。
以下、本実施形態のカバーテープ10の構成について詳述する。
本実施形態のカバーテープ10の一例としては、図1に示すように、基材層1およびシーラント層2を備えることができる。シーラント層2は、基材層1の一方の面側に設けられていてよい。
上記基材層1を構成する材料は、当該基材層1に対してシーラント層2や他の層を積層してカバーテープを作製する際、また、キャリアテープ20に対してカバーテープ10を接着させる際、カバーテープ10の使用時等に外部から加わる応力に耐えうる程度の機械的強度、キャリアテープ20に対してカバーテープ10を接着させる際に加わる熱履歴に耐えうる程度の耐熱性を有したものが好ましい。また、基材層を構成する材料の形態は、特に限定されないが、加工が容易である観点から、フィルム状に加工されたものであることが好ましい。
上記基材層1を構成する材料の具体例としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリアクリレート系樹脂、ポリメタアクリレート系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ABS樹脂等が挙げられる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。この中でも、カバーテープ10の機械的強度を向上させる観点から、ポリエステル系樹脂を用いることができる。また、カバーテープ10の機械的強度、柔軟性を向上させる観点から、ナイロン6を、基材層1を構成する材料として用いてもよい。なお、基材層1を構成する材料中には、滑材を含有させてもよい。
上記基材層1は、上述した材料を含む単層フィルムにより形成してもよいし、上述した材料を各層に含む多層フィルムを用いて形成してもよい。また、基材層1を形成するために使用するフィルムの形態としては、未延伸フィルムであってもよいし、一軸方向又は二軸方向に延伸したフィルムであってもよいが、カバーテープ10の機械的強度を向上させる観点から、一軸方向又は二軸方向に延伸したフィルムであることが好ましい。
上記基材層1の厚さ(D2)の下限値は、例えば、5μm以上であり、好ましくは10μm以上としてもよい。これにより、カバーテープ10の機械的強度を良好なものとすることができるため、キャリアテープ20からカバーテープ10を高速で剥離する場合であっても、カバーテープ10が破断してしまうことを抑制することができる。一方で、基材層1の厚さ(D2)の上限値は、例えば、50μm以下であり、好ましくは40μm以下としてもよく、より好ましくは30μm以下としてもよい。これにより、カバーテープ10の剛性が高くなりすぎず、シール後のキャリアテープ20に対して捻り応力がかかった場合であっても、カバーテープ10がキャリアテープ20の変形に追従し、剥離してしまうことを抑制することができる。
上記基材層1の全光線透過率は、例えば、80%以上であり、好ましくは85%以上である。こうすることで、包装体100において、キャリアテープ20のポケット21内に電子部品が正しく収容されているか否かを検査することができる程度に必要な透明性を基材層1に付与することができる。したがって、包装体100の内部に収容した電子部品を、当該包装体100の外部から視認して確認することが可能となる。なお、基材層1の全光線透過率は、JIS K7105(1981)に準じて測定することが可能である。
本実施形態のシーラント層2は、(A)ポリオレフィン系樹脂を含むことができる。
シーラント層2は、シーラント層形成用樹脂組成物で構成することができる。シーラント層2は、例えば、シーラント層形成用樹脂組成物をフィルム状に押し出し成形することにより得られる。基材層1上にシーラント層2を積層する場合には、例えば、シーラント層形成用樹脂組成物を基材層1上に押し出しラミネートする方法を用いることができる。
上記(A)ポリオレフィン系樹脂は、電位部品に対する親和性を低減する観点から、エチレン、プロピレン、ブテン等のα−オレフィンに由来する構造単位を有する、単独重合体または共重合体を含むことができる。このような(A)ポリオレフィン系樹脂は、ポリエチレンもしくはエチレン共重合体を含むことができる。
上記ポリエチレンとしては、例えば、低密度ポリエチレンを用いることができる。
上記エチレン共重合体としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸共重合体、エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体、アイオノマーなどの樹脂が挙げられる。このような樹脂を用いることより、キャリアテープ20に対する剥離強度を好適なものとすることができる。
上記共重合体は、他のモノマーに由来する構造単位を含むことができる。他のモノマーとしては、例えば、カルボン酸またはカルボン酸誘導体;メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート等のアクリル酸エステル;アクリル酸、メタクリル酸等のメタ(アクリル)酸系単量体などを用いることができる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態において、シーラント層2の厚さは、例えば、1μm以上30μm以下であることが好ましく、2μm以上20μm以下であることがより好ましい。シーラント層2の厚さが上記上限値以下のものであれば、ヒートシール時の染み出しを制御しやすくなり、また、シーラント層2の厚さが、上記下限値以上のものであれば、カバーテープ10のキャリアテープ20に対する剥離強度が好適なものとなりやすい。
上記基材層1やシーラント層2は、たとえば、用途に応じ、以下に示す、アンチブロッキング剤、スリップ剤等を含有してもよい。
上記アンチブロッキング剤の例としては、例えば、シリカ、アルミノ珪酸塩(ゼオライト等)などを挙げることができる。アンチブロッキング剤を含有することで、シーラント層2のブロッキングが緩和される。
上記スリップ剤の例としては、例えば、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘニン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、オレイルパルミドアミド、ステアリルパルミドアミド、メチレンビスステアリルアミド、メチレンビスオレイルアミド、エチレンビスオレイルアミド、エチレンビスエルカ酸アミドなどの各種アミド類、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリアルキレングリコール、水添ひまし油などが挙げられる。シーラント層2がスリップ剤を含有することで、押出加工等の加工性、離ロール性、フィルム滑り性などが向上される。
その他、上記記基材層1やシーラント層2は、その特性を損なわない範囲で、各種導電材料、滑剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、各種界面活性剤、無機フィラー等の任意の添加剤を含んでいてもよい。また、コーティング処理が施されていてもよい。
本実施形態において、23℃、50%RHにおける、シーラント層2側のシール面における表面抵抗率をR1とし、当該シール面とは反対に位置する基材層1側の表面における表面抵抗率をR2としたとき、R1、R2が下記式(II)を満たすことができる。
1.0×10−3≦R1/R2≦1.0×10 ・・式(II)
本実施形態において、23℃、50%RHにおける、シーラント層2側の表面抵抗率の上限値は、例えば、5.0×1012Ω以下であることが好ましく、5.0×1011Ω以下であることがより好ましく、1.0×1011Ω以下であることがさらに好ましい。このような表面抵抗率は、帯電防止剤の種類と量を適切に設定することで達成しやすくなる。
また、上記シーラント層2側の表面抵抗率の下限値は、特に制限されるものではないが、たとえば、1.0×10Ω以上としてもよい。
なお、この表面抵抗率は、JIS K6911に基づき温度23℃相対湿度50%環境下で、表面抵抗測定器(SIMCO社製)を用いて測定することができる。
また、本実施形態のカバーテープ10の変形例としては、シーラント層2の上、もしくはシーラント層2とは反対側の基材層1の面に、他の層が形成されていてもよい。他の層としては、例えば、図2に示す導電層3を用いることができる。このようなカバーテープ10を包装体100に用いることにより、静電気の蓄積をより効果的に抑止することができる。
本実施形態において、電子部品を収容した包装体100を搬送工程において、キャリアテープの底面20aとカバーテープの表面10aとを密着させた上で包装体100が搬送する方法が採用された場合、上記導電層3の表面は、キャリアテープ20の底面と接触し摩擦を生じる可能性を有している。このような場合でも、静電気の蓄積をより効果的に抑止することができる。
導電層3としては、たとえば、アジリジニル化合物やその開環化合物等のバインダー樹脂を含むことができる。
上記アジリジニル化合物は、一般に、アジリジニル基を有する化合物のことを指し、その具体例としては、例えば、N,N’−ヘキサメチレン−1,6−ビス(1−アジリジカルボキシアミド)、N,N’−ジフェニルメタン−4,4’−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)、トリメチロールプロパン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、N,N’−トルエン−2,4−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)、トリエチレンメラミン、トリメチロールプロパン−トリ−β(2−メチルアジリジン)プロピオネート、ビスイソフタロイル−1−2−メチルアジリジン、トリ−1−アジリジニルフォスフィンオキサイド、トリス−1−2−メチルアジリジンフォスフィンオキサイド等が挙げられる。また、上記アジリジニル化合物として、日本触媒社製のケミタイトPZ−33、DZ−22E等の市販品を使用することもできる。なお、アジリジニル化合物の開環化合物は、アジリジニル化合物中のアジリジニル基が開環した状態にある化合物のことを指す。
上記導電層3は、エステル化合物をさらに含むことができる。上記エステル化合物とは、有機酸または無機酸とアルコールとが脱水反応により結合して生成した化合物のことを指し、その具体例としては、例えば、ポリエチレンテレフタラート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートやこれらの誘導体等が挙げられる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、上記導電層3は、当該導電層3の表面抵抗値を低下させて摩擦に伴う静電気の発生を抑制する観点から、導電性ポリマーを含むことができる。上記導電性ポリマーの具体例としては、ポリアニリン、ポリピロール等が挙げられ、中でもポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸(PEDOT/PSS)系の化合物を好適に用いることができる。
上記導電層3は、目的に応じてその他の材料を含むことができ、例えば、界面活性剤型帯電防止剤やカーボンナノチューブ、カーボンナノファイバーを含むことができる。
本実施形態のカバーテープ10の変形例としては、例えば、基材層1とシーラント層2の間に中間層を有していてもよい。中間層としては、例えば、たとえば、カバーテープ10に係る衝撃を吸収したり、応力を緩和することができるクッション層を用いることができる。これにより、カバーテープ10全体の耐衝撃性や応力緩和性を向上させることができる。
上記中間層は、例えば、オレフィン系樹脂またはスチレン系樹脂の熱可塑性樹脂を含むことができる。上記熱可塑性樹脂は、直鎖状または分岐状の鎖状構造や環状構造を有していてもよい。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。この中でも、カバーテープ全体のクッション性を向上させる観点から、オレフィン系樹脂を含むことができる。
上記中間層の厚さは、カバーテープ全体の応力緩和性を向上させる観点から、例えば、10μm以上30μm以下としてもよく、好ましくは15μm以上25μm以下としてもよい。
また、本実施形態に係るカバーテープ10の変形例としては、例えば、基材層1とシーラント層2の間または基材層1と導電層3の間に接着層を有することができる。こうすることで、カバーテープ10の機械的強度を向上させることができる。
上述した接着層を形成する材料としては、例えば、イソシアネート系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリエチレンイミン系、ポリブタジエン系、ポリオレフィン系、アルキルチタネート系など公知の溶剤系または水系の各種アンカーコート剤を使用することができる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、基材層1の表面に対して、コロナ処理、プラズマ処理、火炎処理、プライマー処理からなる群から選択される一種以上を含む表面処理が施されていてもよい。この中でも、たとえば、コロナ処理を用いることができる。これにより、基材層1とシーラント層2との密着性を向上させることができる。
本実施形態のカバーテープ10の全光線透過率の下限値は、好ましくは、80%以上であり、さらに好ましくは、85%以上である。こうすることで、カバーテープ10とキャリアテープ20とからなる包装体100において、上記キャリアテープ20のポケット内に電子部品が正しく収容されているか否かを検査することができる程度に必要な透明性を付与することができる。言い換えれば、カバーテープ10の全光線透過率を上記下限値以上とすることにより、カバーテープとキャリアテープとからなる包装体の内部に収容した電子部品を、当該包装体の外部から視認して確認することが可能となる。また、カバーテープ10の全光線透過率の上限値は、特に限定されないが、例えば、100%以下とすることができる。なお、カバーテープの全光線透過率は、JIS K7105(1981)に準じて測定することが可能である。
本実施形態のカバーテープ10は、JIS K7105(1998)測定法Aに準じて測定された曇度の上限値は、例えば、85%以下であり、好ましくは80%以下であり、より好ましくは75%以下である。これにより、センサ等により電子部品の識別や検査が充分可能な程度にカバーテープ10の透明性を維持することが出来る。上記曇度の下限値は、特に限定されないが、例えば、0%以上としてもよい。
上記カバーテープ10は、一例として、例えば、ロール状の芯材を備えるものであり、シール面とは反対側に位置する基材層1側の表面を芯材側にして、カバーテープ10を巻回してなる、ロール状のカバーテープ10であってもよい。これにより、搬送性や使用性を高めることができる。
上記カバーテープ10の幅(延在方向に対して直交する方向の幅)が、例えば、1mm以上100mm以下、好ましくは2mm以上80mm以下、より好ましくは3mm以上50mm以下である。上記下限値以上とすることで機械的強度を高められる。上記上限値以下とすることで、電子部品の収容密度が高いキャリアテープに対して好適に用いることができる。
上記カバーテープ10の厚み(D1)は、例えば、25μm以上200μm以下、好ましくは、30μm以上150μm以下である。カバーテープ10の厚みは、カバーテープの幅等に応じて適切に選択できるが、上記数値範囲内とすることで、細幅のカバーテープをロール状としたときでも機械的強度を維持できる。
上記カバーテープ10全体の厚みをD1とし、基材層1の厚みをD2としたとき、D1、D2が、下記式(I)を満たすことができる。
0.30≦D2/D1≦0.60 ・・式(I)
上記D2/D1は、例えば、0.30以上0.60以下であり、好ましくは0.35以上0.55以下であり、より好ましくは0.40以上0.50以下である。このような数値範囲内とすることで、機械的強度とともに、ロール状に巻回時における柔軟性を維持できる。
次に、本実施形態の包装体100について説明する。
本実施形態の包装体100(電子部品用包装体)は、電子部品を収納する部品収納部(ポケット21)が所定の間隔で並んで形成されている紙製キャリアテープ(キャリアテープ20)と当該紙製キャリアテープに形成された部品収納部(ポケット21)を覆うように設けられた、上述のカバーテープ10とからなる部品収納テープで構成することができる。本実施形態の包装体100を構成する部品収納テープは、リール状に巻き取り可能であってもよい。
実施形態のカバーテープ10は、図3に示すように、電子部品の形状に合わせて凹状のポケット21が連続的に設けられた帯状のキャリアテープ20の蓋材となる。具体的には、カバーテープ10は、キャリアテープ20のポケット21の開口部全面を覆うように、キャリアテープ20の表面に接着(例えば、ヒートシール)できるように構成されている。
本実施形態の包装体100は、次のように使用することができる。
まず、キャリアテープ20のポケット21内に電子部品を収容する。次いで、キャリアテープ20のポケット21の開口部全面を覆うように、キャリアテープ20の表面にカバーテープ10をヒートシールによって接着することで、電子部品が包装体100内に密封収容されてなる構造体を得る。
かかる電子部品を収容してなる構造体は、紙製あるいはプラスチック製のリールに包装体100を巻いた状態で、電子回路基板等に表面実装を行う作業領域まで搬送される。
この構造体が作業領域まで搬送された後、カバーテープ10をキャリアテープ20から剥離し、収容された電子部品を取り出す。
本実施形態のカバーテープ10は、紙製キャリアテープ(キャリアテープ20)との密着性に優れている。このため、包装体100の搬送時に密封状態を維持することができるので、搬送安定性を高めることができる。また、本実施形態のカバーテープ10は、電子部品に対する耐付着性に優れている。このため、搬送した包装体100を開封した後、電子部品を取り出ししやすい状態を維持することができるので、取り出した電子部品を基板に実装する効率を高められ、生産性を向上させることができる。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
以下、本発明について実施例を参照して詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例の記載に何ら限定されるものではない。
Figure 0006795569
表1中の各成分については、以下に示されるものである。
・PET1:二軸延伸ポリエステルフィルム(東洋紡社製、E7410、帯電防止コート)
・LDPE:低密度ポリエチレン(住友化学社製、スミカセンL705)
・EVA1:85質量%のエチレン酢酸ビニル共重合体(東ソー社製、ウルトラセン537)に、15質量%の帯電防止剤1を練り込むことで作製された界面活性剤含有エチレン酢酸ビニル共重合体。
・EVA2:エチレン酢酸ビニル共重合体(東ソー社製、ウルトラセン537)
・帯電防止剤1:高分子型帯電防止剤(三洋化成工業社製、ペレクトロンPVL)
・帯電防止剤2:非イオン性界面活性剤(花王社製、エレクトロストリッパーTS−7B)
<カバーテープの製造>
(実施例1)
膜厚25μmのPET1の基材層上に押出ラミネート法により、中間層としてLDPEを押出温度300℃で厚み10μmに製膜した。
押出ラミネーターを用いて、製膜した中間層の上にさらにシーラント層としてEVA1を押出温度280℃で厚み20μmに製膜し、積層フィルムを得た。
その際、押出された積層フィルムを、金属製冷却ロールとシリコンゴム製のマットロールとで挟持して引き取った。このとき、金属製冷却ロールとシーラント層とを接触させた。
以上により、実施例1の積層フィルム(カバーテープ)を得た。
(実施例2)
基材層、中間層、シーラント層について、表1に示す材料や製造条件を採用、さらに、表1に示す帯電防止剤2を固形分1重量%で分散させた分散液(分散液全量を100重量%とする)を調製し、グラビアロールで乾燥後の塗布量が0.5g/mとなるように、シーラント層表面に塗工して帯電防止層を形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例2の積層フィルム(カバーテープ)を得た。
(実施例3)
基材層、中間層、シーラント層について、表1に示す材料や製造条件を採用、さらに、表1に示す帯電防止剤2を固形分0.5重量%で分散させた分散液(分散液全量を100重量%とする)を調製し、グラビアロールで乾燥後の塗布量が0.25g/mとなるように、シーラント層表面に塗工して帯電防止層を形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例3の積層フィルム(カバーテープ)を得た。
(比較例1)
基材層、中間層、シーラント層について、表1に示す材料や製造条件を採用、さらに、表1に示す帯電防止剤2を固形分0.2重量%で分散させた分散液(分散液全量を100重量%とする)を調製し、グラビアロールで乾燥後の塗布量が0.1g/mとなるように、シーラント層表面に塗工して帯電防止層を形成した以外は、実施例1と同様にして、比較例1の積層フィルム(カバーテープ)を得た。
以上により得られた各実施例・比較例のカバーテープを用いて、以下の評価を行った。
(剥離帯電圧P30、P50
下記の手順(1)〜(3)に従い、剥離帯電圧P30、P50を測定した。
(1)得られたカバーテープを5.3mm幅にスリットし、帯状の評価用カバーテープを作製した。
(2)続いて、テーピングマシンを用いて、ポケットを有しない紙製基材(トーテック社製)の表面に対して、得られた評価用カバーテープのシーラント層側のシール面を、170℃、4kg/cm、0.005秒の条件で熱シールし、帯状の包装体を作製した。
(3)その後、25℃、30%RHの環境湿度の下、テープフィーダー(パナソニック社製、製品名:インテリジェントテープフィーダー)を用いて、搬送速度(剥離速度):2400mm/min、剥離角度:約180度の条件で、紙製基材から評価用カバーテープを連続的に剥離し、剥離直後の評価用カバーテープの剥離面における剥離帯電圧を、測定器(トレック・ジャパン社製「表面電位計 MODEL 370」)を使用して3万回連続的に測定した。なお、剥離面と測定器との距離は1mmであった。
50%RHの環境湿度の下、30%RHの場合と同様にして、剥離帯電圧を3万回連続的に測定した。
以上のようにして、環境湿度が30%RHの条件の下、剥離帯電圧を3万回連続的に測定し、得られた測定値の中で最も大きな絶対値をP30とし、環境湿度が50%RHの条件の下、剥離帯電圧を3万回連続的に測定し、得られた測定値の中で最も大きな絶対値をP50とした。そして、シーラント層側のシール面における剥離指数をP30/P50に基づいて算出した。結果を表1に示す。
なお、30%RHの場合、50%RHの場合のいずれも、3万回の剥離帯電圧の最大値において、大きく外れた値が無かったため、最大値をそのままP30、P50とした。
(表面抵抗率)
実施例及び比較例で得られた各カバーテープについて、JIS K6911に基づき、温度23℃、相対湿度50%環境下で、表面抵抗測定器(SIMCO社製)を用いて、シーラント層側のシール面における表面抵抗率R1、基材層側の表面における表面抵抗率R2を測定した。なお、単位は、Ωである。結果を表1に示す。
(実装不良率)
実施例および比較例で得られたカバーテープを、1万個のセラミックコンデンサを各ポケットに収容した紙キャリアテープ(トーテック社製)の表面に熱シールして、電子部品包装体を作製した。
その後、25℃、30%RH環境下、電子部品包装体からカバーテープを剥離しつつ、実装機を用い、装着タクト0.10秒/チップで、紙キャリアテープのポケットに収納したセラミックコンデンサを1万個実装した。
このときの実装不良率を下記の式に基づいて算出した。
実装不良率(%)=[(実装されなかったセラミックコンデンサの個数)/(セラミックコンデンサの全数)]×100
実装されなかったセラミックコンデンサは、カバーテープ剥離時に発生した静電気によってカバーテープに付着したものである。結果を表1に示す。
(剥離強度)
実施例及び比較例で得られた各カバーテープを5.3mm幅にスリットし、紙製キャリアテープ(トーテック社製)の表面に、テーピングマシン(東京ウェルズ社製:TWA−6621)を用いて、170℃、4kg/cm、0.01秒の条件で熱シールし、熱シール直後の剥離強度を測定した。なお、剥離強度の測定は、剥離試験機を用いて、剥離速度300mm/min、剥離角度約180°の条件で行った。結果を表1に示す。
紙キャリアテープの場合、通常、20gf以上50gf以下であれば密着性が良好であると判断できる。
実施例1〜3のカバーテープにおいて、比較例1と比べて、実装不良率が低減されることが示された、また、実施例1〜3のカバーテープにおいては、剥離強度の結果から、紙製キャリアテープに対する密着性が良好であることが示された。
また、実施例1〜3のカバーテープをキャリアテープに熱シール後、リールに巻くことにより、リール状に巻き取られた電子部品用包装体が得られた。得られた電子部品用包装体において、紙製キャリアテープとカバーテープとの密着性に優れるための良好な密封性が得られており、搬送処理などによって、電子部品がカバーテープに対して付着することが抑制されることが分かった。
1 基材層
2 シーラント層
3 導電層
10 カバーテープ
10a 表面
20 キャリアテープ
20a 底面
21 ポケット
100 包装体

Claims (9)

  1. 基材層および前記基材層の一方の面側に設けられたシーラント層を備えており、紙製キャリアテープをシールするために用いる、カバーテープであって、
    前記シーラント層中に帯電防止剤が含まれるか、及び/又は前記シーラント層の表面に帯電防止層が形成されており、
    前記シーラント層がエチレン−酢酸ビニル共重合体を含む、
    下記の手順(1)〜(4)に基づいて算出される前記シーラント層側のシール面における剥離指数が4.1以上47.8以下であり、P 30 が500以下である、カバーテープ。
    (手順)
    (1)当該カバーテープを5.3mm幅にスリットし、帯状の評価用カバーテープを作製する。
    (2)続いて、テーピングマシンを用いて、ポケットを有しない紙製基材の表面に対して、得られた前記評価用カバーテープの前記シーラント層側の前記シール面を、170℃、4kg/cm、0.005秒の条件で熱シールし、帯状の包装体を作製する。
    (3)その後、25℃、30%RHまたは50%RHの環境湿度の下、テープフィーダーを用いて、搬送速度:2400mm/min、剥離角度:約180度の条件で、前記紙製基材から前記評価用カバーテープを連続的に剥離し、剥離直後の前記評価用カバーテープの剥離面における剥離帯電圧を、測定器を使用して3万回連続的に測定する。
    (4)環境湿度が30%RHの条件の下、前記剥離帯電圧を3万回連続的に測定し、得られた測定値の中で最も大きな絶対値をP30とし、環境湿度が50%RHの条件の下、前記剥離帯電圧を3万回連続的に測定し、得られた測定値の中で最も大きな絶対値をP50としたとき、前記シーラント層側のシール面における前記剥離指数をP30/P50に基づいて算出する。
  2. 請求項1に記載のカバーテープであって、
    当該カバーテープ全体の厚みをD1とし、前記基材層の厚みをD2としたとき、
    D1、D2が以下の式(I)を満たす、カバーテープ。
    0.30≦D2/D1≦0.60 ・・式(I)
  3. 請求項1または2に記載のカバーテープであって、
    前記基材層がポリエステル系樹脂を含有する、カバーテープ。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のカバーテープであって、
    前記シーラント層がポリオレフィン系樹脂を含有する、カバーテープ。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のカバーテープであって、
    23℃、50%RHにおける、前記シーラント層側の前記シール面における表面抵抗率が1.0×10Ω以上5.0×1012Ω以下である、カバーテープ。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載のカバーテープであって、
    ロール状の芯材を備えるものであり、
    前記シール面とは反対に位置する前記基材層側の表面を芯材側にして、当該カバーテープを巻回してなる、ロール状のカバーテープ。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載のカバーテープであって、
    当該カバーテープ全体の厚みが25μm以上200μm以下である、カバーテープ。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載のカバーテープであって、
    当該カバーテープの幅が1mm以上100mm以下である、カバーテープ。
  9. 電子部品を収納する部品収納部が所定の間隔で並んで形成されている紙製キャリアテープと、
    前記紙製キャリアテープに形成された前記部品収納部を覆うように設けられたカバーテープと、を備える、電子部品用包装体であって、
    前記カバーテープは、請求項1〜8のいずれか一項に記載のカバーテープである、電子部品用包装体。
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