JP2022063015A - カバーテープおよび包装体 - Google Patents

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Abstract

【課題】臭気や異物の発生を抑制した、帯電防止性の高いカバーテープを提供すること。【解決手段】基材層と、中間層と、シール層をこの順番に備えるカバーテープであって、前記シール層はドナー・アクセプター型帯電防止剤を含み、前記シール層は、エチレン―酢酸ビニル共重合体を除く樹脂を含む層である、カバーテープ。【選択図】図1

Description

本発明は、カバーテープおよび包装体に関する。
従来、トランジスタ、ダイオード、コンデンサ、圧電素子レジスタ等の電子部品は、電子機器の製造現場において、当該電子部品を納品することが可能なポケットが連続的に形成されたキャリアテープと、上記キャリアテープをシールするカバーテープとからなる包装体に収容して熱シール処理をした後、紙製或いはプラスチック製のリールに巻かれた状態で、電子回路基板等に表面実装を行う作業領域まで搬送されている。かかる電子部品は、上述した作業領域内で上記包装体のカバーテープを剥離した後、キャリアテープに形成された上記ポケットから取り出され、電子回路基板等に表面実装されることとなる。上記電子部品については、近年の電子機器の小型化に伴って、さらなる小型化、高度実装化が要求されている。そのため、近年の電子部品は、これまで以上に静電気による影響を受けやすくなってきている傾向にある。
こうした事情に鑑みて、近年、電子部品を搬送するために使用するカバーテープについても、後述する種々の特性を向上させることが要求されてきた。
第1にカバーテープに要求される特性は、キャリアテープとの接着性と、キャリアテープから剥離する際に静電気の発生を防ぐことができる程度の剥離性とのバランスである。
第2にカバーテープに要求される特性は、搬送中にカバーテープと電子部品とが摩擦することにより生じる静電気、キャリアテープからカバーテープを剥離する際に生じる静電気、付着した埃や内容物から生じる静電気等により、包装体内に収容している電子部品が故障してしまうこと(静電破壊されること)を抑制できる程度の帯電防止性である。特に、カバーテープの帯電防止性を向上させる技術については、搬送中にカバーテープと電子部品とが摩擦することにより生じる静電気やキャリアテープからカバーテープを剥離する際に生じる静電気により受ける影響を抑制するという観点において、これまでに種々の検討がなされてきた。
例えば、特許文献1には、基材層と、前記基材層の一方の面側に設けられるシーラント層と、前記基材層の前記一方の面とは反対側の面に設けられる帯電防止層と、を有する電子部品包装用カバーテープであって、25℃、50%RHの条件下、所定の手法で測定した前記帯電防止層の表面における摩擦帯電量が-0.6nC以上0.6nC以下である、電子部品包装用カバーテープが開示されている。
また、特許文献2には、基材層と、上記基材層の一方の面側に配置され、エチレン-酢酸ビニル共重合体を含むヒートシール層と、上記基材層の上記ヒートシール層側の面とは反対の面側に配置され、導電性高分子を含む帯電防止層と、を有し、上記ヒートシール層のビッカース硬さを2.0以上とする、電子部品包装用カバーテープが開示されている。
特開2017-109753号公報 特開2020-45130号公報
しかしながら、近年カバーテープの静電対策という観点について要求される技術水準は、ますます高くなっている。本発明者は、従来のカバーテープに関し、以下のような課題を見出した。
電子機器の小型化に伴い、静電気によるカバーテープへの部品付着が以前にも増して発生するようになった。そのため、さらなる帯電防止性を有するカバーテープの開発が急務となっている。また、特許文献2に開示されているような、エチレン-酢酸ビニル共重合体を含むカバーテープでは、加工時の加熱により臭気の発生やエチレン-酢酸ビニル共重合体の分解に由来する異物が混入する問題があった。
本発明は上記事情を鑑みなされたものであり、臭気や異物の発生を抑制した、帯電防止性の高いカバーテープを提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、ドナー・アクセプター型帯電防止剤がカバーテープにおいて高い帯電防止性を付与することを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明によれば、基材層と、中間層と、シール層をこの順番に備えるカバーテープであって、
前記シール層はドナー・アクセプター型帯電防止剤を含み、
前記シール層は、エチレン―酢酸ビニル共重合体を除く樹脂を含む層である、カバーテープが提供される。
また、本発明によれば、電子部品を収納する複数の収納部を有するキャリアテープと、
前記収納部に収納された電子部品と、
前記収納部を覆うように配置された、上記カバーテープと、を備える包装体が提供される。
本発明によれば、臭気や異物の発生を抑制した、帯電防止性に優れたカバーテープを提供することができる。
本実施形態に係るカバーテープの一例を示す概略断面図である。 本実施形態に係るカバーテープをキャリアテープにシールした状態の一例を示す概略図である。
まず、カバーテープの使用方法について、図2を参照して説明する。
図2に示すように、電子部品の形状、大きさに合わせた凹型ポケット21が連続的に設けられたキャリアテープ20の蓋材として用いられる。具体的には、カバーテープ10は、キャリアテープ20のポケット21の開口部全面を覆うように、キャリアテープ20の表面に接着させて使用する。接着方法は、例えば、ヒートシールが挙げられる。なお、後述において、カバーテープ10とキャリアテープ20とを接着させて得られた構造体のことを、電子部品用の包装体100と称して説明する。
電子機器の製造現場においては、例えば以下の手順で電子部品の包装体100を作製する。まず、キャリアテープ20のポケット21内に電子部品を収容する。次に、キャリアテープ20のポケット21の開口部を覆うように、キャリアテープ20の表面にカバーテープ10を接着することで、電子部品が包装体100内に密封収容されてなる構造体を得ることができる。電子部品を収容した構造体は、紙製或いはプラスチック製のリールに包装体100を巻いた状態で、電子回路基板等に表面実装を行う作業領域まで搬送される。上述したリールに包装体100を巻いた状態で電子部品を搬送する際、キャリアテープ20の底面は、カバーテープ10の表面と接触(摩擦)している。
本発明者は、従来のカバーテープを用いて作製した電子部品を収容してなる構造体を搬送する際、搬送時の振動によってキャリアテープとカバーテープとの間における摩擦により発生する静電気により、包装体内に収容している電子部品が故障する、あるいは基板実装時に貼り付きなどのトラブルが生じることを知見した。また、エチレン-酢酸ビニル共重合体を含むカバーテープでは、ヒートシール等の加工時の加熱により、臭気が発生する場合やエチレン-酢酸ビニル共重合体の分解により異物が発生する場合も知見した。
このことから、従来のカバーテープには、エチレン-酢酸ビニル共重合体を用いずに静電気対策を行うという点に改善の余地を有していた。
本発明者は、従来のカバーテープに関する上記知見を踏まえ、臭気や異物の発生を抑制した、帯電防止性に優れたカバーテープの実現に向けて鋭意研究を重ねた。その結果、ドナー・アクセプター型帯電防止剤がカバーテープにおいて高い帯電防止性を付与することを見出した。即ち、基材層と、中間層と、シール層をこの順番に備えるカバーテープであって、
シール層はドナー・アクセプター型帯電防止剤を含み、
シール層は、エチレン―酢酸ビニル共重合体を除く樹脂を含む層である、カバーテープが、上記課題を解決することを見出した。
図1は、本実施形態に係るカバーテープの一例を示す概略断面図である。図1に示すように、本実施形態に係るカバーテープ10は、基材層1と、中間層2と、シール層3をこの順番に備えるカバーテープであって、上記シール層3はドナー・アクセプター型帯電防止剤を含む層を備えたカバーテープである。シール層3がドナー・アクセプター型帯電防止剤を含むことにより、従来のカバーテープに比べ帯電防止性が飛躍的に向上したカバーテープとなる。また、シール層3がエチレン-酢酸ビニル共重合体を含まないことにより、臭気の発生や異物の発生を抑制することが可能となる。
<基材層>
基材層1は、カバーテープ10の加工時、キャリアテープ20へのヒートシール時、使用時などに加わる外力に耐えうる機械的強度およびヒートシール時の熱に耐えうる耐熱性があれば、種々の材料を加工したフィルムを用いることができる。
基材層1の全光線透過率は、好ましくは85%以上であり、さらに好ましくは90%以上である。こうすることで、カバーテープ10とキャリアテープ20とからなる包装体100において、上記キャリアテープ20のポケット21内に電子部品が正しく収容されているか否かを検査することができる程度の透明性を付与することができる。即ち、基材層1の全光線透過率を上記下限値以上とすることにより、カバーテープ10とキャリアテープ20とからなる包装体100の内部に収容した電子部品を、当該包装体100の外部から視認して確認することが可能となる。なお、基材層1の全光線透過率は、JIS K7105(1981)に準じて測定することが可能である。
基材層1を構成する材料の具体例としては、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリアクリレート系樹脂、ポリメタアクリレート系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ABS樹脂などが挙げられる。この中でも、基材層1を構成する材料としては、ポリエステル系樹脂が好ましく、機械的強度を向上させることができるポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。また、基材層1を構成する材料としてポリアミド系樹脂を選択する場合、機械的強度、柔軟性を向上させることができるナイロン6を用いることが好ましい。また、基材層1はその特性を損なわない範囲で、滑剤を含有させてもよい。
基材層1は、上述した材料を含む単層フィルムにより形成してもよいし、上述した材料を各層に含む多層フィルムを用いて形成してもよい。
また、基材層1を形成するために使用するフィルムの形態としては、延伸フィルムであってもよいし、一軸方向または二軸方向に延伸したフィルムであってもよいが、カバーテープの機械的強度を向上させる観点から、一軸方向または二軸方向に延伸したフィルムであることが好ましい。
基材層1の厚さは、例えば、10μm以上、好ましくは11μm以上、さらに好ましくは12μm以上であることが好ましい。また、基材層1の厚さは、例えば、30μm以下、好ましくは27μm以下、さらに好ましくは25μm以下であることが好ましい。基材層1の厚さが上記上限値以下であれば、カバーテープの剛性が高くなりすぎず、シール後のキャリアテープ20に対して捻り応力がかかったとしても、カバーテープ10がキャリアテープ20の変形に追従し、剥離してしまう可能性を低減することができる。また、基材層1の厚さが上記下限値以上であれば、カバーテープ10の機械的強度が好適なものとなり、キャリアテープ20からカバーテープ10を高速で剥離する場合であっても、カバーテープ10が破断してしまう可能性を低減することができる。
<中間層>
中間層2は、本実施形態に係るカバーテープにクッション性を付与する目的で設ける層である。これにより、シール時のカバーテープ10とキャリアテープ20の密着性を向上させることができる。
中間層は、カバーテープにクッション性を付与できれば、材料は特に限定されないが、例えば、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、環状オレフィン系樹脂、超低密度ポリエチレン(VLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)などを用いることができる。これらの中でも、特に超低密度ポリエチレン(VLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)を好適に用いることができる。
中間層の厚さは、シール時のカバーテープとキャリアテープとの密着性を向上させる観点から、典型的には10μm以上50μm以下、好ましくは15μm以上45μm以下である。
<シール層>
シール層3は、基材層1の一方の面側に設けられる層であり、カバーテープ10をキャリアテープ20にシール(例えば、ヒートシール)した際に、キャリアテープ20と接触する層である。本実施形態に係るシール層は、ドナー・アクセプター型帯電防止剤を含み、エチレン―酢酸ビニル共重合体を除く樹脂を含む層である。
ドナー・アクセプター型帯電防止剤とは、分子内にドナー部とアクセプター部を有する帯電防止剤である。このような分子構造を有する帯電防止剤に静電気が生じると、ドナー部またはアクセプター部から電荷中和を生じるため、帯電防止することができる。このような帯電防止剤であれば、摩擦等によるカバーテープの帯電を抑制することができる。これにより、包装体内に収容している電子部品が故障する、あるいは基板実装時に貼り付きなどのトラブルを抑えることが可能となる。
帯電防止剤は、ドナー・アクセプター型であれば特に限定されないが、有機ホウ素化合物と塩基性窒素化合物を含むドナー・アクセプター型帯電防止剤であることが好ましい。このような分子構造を有するドナー・アクセプター型帯電防止剤であれば、ホウ素原子の電子吸引性が強く、また塩基性窒素の電子供与性が強いため、より一層帯電防止作用が奏される。このような、ドナー・アクセプター型帯電防止剤は、例えば、(株)ボロン研究所製のビオミセルBN-105などが挙げられる。ドナー・アクセプター型帯電防止剤は、例えば、1質量%以上15質量%以下、添加することができる。
また、シール層は、スチレン系熱可塑性エラストマー系樹脂、エチレン-(メタ)アクリル酸エステル共重合体、(メタ)アクリル酸エステル-スチレン共重合体、アクリル系樹脂からなる群より選択される1種または2種以上の樹脂を含む樹脂層とすることが好ましい。この時、シール層は、エチレン―酢酸ビニル共重合体を除く樹脂である。このようにすれば、シール層をヒートシールする際に、酢酸ビニルに由来する臭気の発生や異物の発生を抑制することができる。
また、メチルメタクリレート-スチレン共重合体を用いる場合、メチルメタクリレートとスチレンの比率は、好ましくは、0:100~100:0である。
シール層は、ドナー・アクセプター型帯電防止剤の他に、更に帯電防止剤を含んでもよい。更に添加できる帯電防止剤としては、例えば、酸化錫、酸化亜鉛、酸化チタン等のフィラー、及びポリオキシエチレンアルキルアミン、第四級アンモニウム、アルキルスルホネート等の界面活性剤の中から選ばれる一種又は二種以上の混合物が挙げられる。また、帯電防止樹脂を含んでもよい。帯電防止樹脂としては、例えば、ポリエチレンオキシド鎖を有する帯電防止樹脂、ペレスタット212等が挙げられる。これらは、例えば、5質量%以上70質量%以下添加することができる。
シール層は、搬送中に生じるブロッキングの防止のために、ケイ素、マグネシウム、カルシウムのいずれかを主成分とする酸化物粒子、例えば、シリカ、タルク、またはポリエチレン粒子、ポリアクリレート粒子、ポリスチレン粒子の中から選ばれるいずれか一種もしくはこれらのアロイを含んでいてもよい。
このとき、シール層の表面における表面抵抗値が、25℃50%RHの測定条件で、1.0×10Ω以上1.0×1013Ω以下であることが好ましい。シール層の表面抵抗値がこのような範囲にあれば、速やかに静電気を放電することができる。
シール層の厚さは、シール作業と剥離作業とを好適に行うことができるように、0.1μm以上20μm以下が好ましく、0.2μm以上15μm以下がより好ましい。
<その他の層>
カバーテープ10は、各層の間に接着層(図示せず)を設けてもよい。この接着層によれば、各層の間の接着性を向上させることができる。
接着層を形成する材料としては、ウレタン系のドライラミネート用接着樹脂あるいはアンカーコート用接着樹脂が挙げられ、一般に、ポリエステルポリオールやポリエーテルポリオールなどのポリエステル組成物とイソシアネート化合物とを組み合わせたものが挙げられる。
<評価方法>
カバーテープの表面抵抗値および摩擦帯電量は、以下のようにして測定することができる。
(表面抵抗値)
25℃50%RHの条件下で、シール層の表面における表面抵抗値をIEC61340に準じて測定する。なお、単位はΩである。
(摩擦帯電量)
カバーテープの摩擦帯電量は以下に詳述するファラデーカップを用いた方法で評価することができる。まず、本実施形態に係るカバーテープをシール層が内側になるように袋状に折り畳む。ついで、袋状のカバーテープに電子部品を入れて、振動を掛ける。その後、電子部品を取り出し、ファラデーカップへ移し、ナノクーロンメーターで帯電量を測定する。例えば、電子部品がプラスに帯電していれば、カバーテープはマイナスに帯電していることを意味する。逆に電子部品がマイナスに帯電していれば、カバーテープはプラスに帯電していることを意味する。
ファラデーカップは例えば、Electro-Tech Systems社製のModel 231を用いることができる。また、ナノクーロンメーターは、Electro-Tech Systems社製のModel 230を用いることができる。
<カバーテープの製造方法>
本実施形態に係るカバーテープの製造方法の一例について説明する。
まず、基材層1の表面に中間層を形成する。中間層の形成は、例えば、押出ラミネート法やドライラミネート法により形成できる。次に、中間層上に、所定の材料を、コーティング法により塗布し乾燥させる、または押出ラミネート法により積層することによって、シール層を形成する。
また上述した接着層を形成する場合には、従来公知の塗布方法によって、対象となる層の面に接着層の材料を塗布すればよい。
本実施形態に係るカバーテープは、キャリアテープに貼りつけ包装体として用いることができる。即ち、電子部品を収納する複数の収納部を有するキャリアテープと、上記収納部に収納された電子部品と、上記収納部を覆うように配置された、上記カバーテープと、を備える包装体とすることが好ましい。
このような包装体であれば、静電気の発生を抑制することができ、収納部に収納された電子部品をより確実に静電気から保護することができる。
以上、本発明の実施形態について詳細に述べたが、これらは本発明の例示である。また、上記以外の様々な構成を採用することができる。また、本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。
本発明の実施形態を、実施例及び比較例に基づき詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
基材層として厚さ19μmの帯電防止ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム E7455(東洋紡株式会社製)を用いた。上記基材層上に、押出ラミネート法により厚さ20μmの低密度ポリエチレン(LDPE)スミカセンL705(住友化学社製)からなる中間層を形成した。次いで、中間層上に、水添スチレン系熱可塑性エラストマー(SEBS)タフテックH1043(旭化成社製)95質量%と、ドナー・アクセプター型帯電防止剤としてビオミセルBN-105(ボロン研究所社製)5質量%からなるシール層を押出ラミネート法により厚さ15μmとなるよう形成した。以上のようにしてカバーテープを作製した。作製条件を表1に示す。
[評価]
(表面抵抗値)
得られたカバーテープの表面抵抗値を25℃50%RHの条件下で、シール層の表面における表面抵抗値をIEC61340に準じて測定した。結果を表1に併せて示す。
(摩擦帯電量)
カバーテープをシール層が内側になるように袋状に折り畳み、袋状のカバーテープに電子部品を入れて、振動を掛けた。その後、電子部品を取り出し、ファラデーカップへ移し、ナノクーロンメーターで帯電量を測定した。
ファラデーカップは、Electro-Tech Systems社製のModel 231を用いた。また、ナノクーロンメーターは、Electro-Tech Systems社製のModel 230を用いた。結果を表1に併せて示す。
(臭気)
カバーテープをヒートシールした際の臭気の発生を評価した。
臭気が感じられなかった場合:〇(良い)
臭気が発生した場合 :×(悪い)
として評価した。結果を表1に併せて示す。
(異物)
押出ラミネート法で製膜したカバーテープの異物の発生を肉眼で目視し、評価した。
異物が発生しなかった場合:〇(良い)
異物の発生を確認できた場合:×(悪い)
として評価した。結果を表1に併せて示す。
(実施例2)
シール層について、水添スチレン系熱可塑性エラストマー(SEBS)タフテックH1043(旭化成社製)の量を75質量%とし、帯電防止樹脂ペレスタット212(三洋化成工業社製)20質量%を添加した以外は、実施例1と同様にカバーテープを作製し、評価した。結果を表1に併せて示す。
(実施例3)
シール層を、エチレンーメチルアクリレート共重合樹脂 エルバロイAC1820(三井・ダウ ポリケミカル社製)60質量%、メチルメタクリレート・スチレン共重合樹脂エスチレンMS-600(東洋スチレン社製)15質量%、帯電防止樹脂ペレスタット212(三洋化成工業社製)20質量%、ドナー・アクセプター型帯電防止剤ビオミセルBN-105(ボロン研究所社製)5質量%からなる層とした。また、シール層の厚さは5μmとした。それ以外は実施例1と同様にカバーテープを作製した。作製条件と評価結果を表1に示す。
(実施例4)
基材層として厚さ12μmの帯電防止ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム E7415(東洋紡株式会社製)を用いた。上記基材層上に、押出ラミネート法により厚さ35μmの超低密度ポリエチレン(VLDPE)カーネルKF260T(日本ポリエチレン株式会社製)からなる中間層を形成した。次いで、中間層上に、酸化錫T-1(三菱マテリアル電子化成株式会社製)58質量%、アクリル系樹脂A450A(DIC株式会社製)27質量%、水添スチレン系熱可塑性エラストマー(SEBS)タフテックH1517(旭化成社製)5質量%と、ドナー・アクセプター型帯電防止剤としてビオミセルBN-105(ボロン研究所社製)10質量%からなるシール層を、コーティング法により厚さ0.5μmとなるよう形成した。以上のようにしてカバーテープを作製した。作製したカバーテープの表面抵抗値、摩擦帯電量、臭気、異物を実施例1と同様に評価した。作製条件と評価結果を表1に示す。
Figure 2022063015000002
(比較例1)
シール層を、ドナー・アクセプター型帯電防止剤を加えず、水添スチレン系熱可塑性エラストマー(SEBS)タフテックH1043(旭化成社製)100質量%とした以外、実施例1と同様にカバーテープを作製し、評価した。作製条件と結果を表2に示す。
比較例1では、臭気および異物の発生は抑えることができた。しかし、摩擦帯電量が-0.50nCと帯電量が多くなってしまった。また、シール層の表面抵抗値が大きすぎて測定できなかった(オーバーレンジ)。
(比較例2)
シール層を、ドナー・アクセプター型帯電防止剤を加えず、表2に示す配合と変えた以外は、実施例2と同様にカバーテープを作製し、評価した。比較例2では、臭気と異物の発生を抑えることができた。しかし、摩擦帯電量は-0.25nCと、-0.15nCを超える値となってしまい、十分に帯電防止することができなかった。
(比較例3)
シール層を、ドナー・アクセプター型帯電防止剤を加えず、表2に示す配合と変えた以外は、実施例3と同様にカバーテープを作製し、評価した。作製条件と結果を表2に併せて示す。比較例3では、臭気と異物の発生を抑えることができた。しかし、摩擦帯電量は-0.25nCと、-0.15nCを超える値となった。
(比較例4)
基材層として厚さ19μmの帯電防止ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム E7455(東洋紡株式会社製)を用いた。上記基材層上に、押出ラミネート法により厚さ20μmの低密度ポリエチレン(LDPE)スミカセンL705(住友化学社製)からなる中間層を形成した。次いで、中間層上に、エチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂 EV450(三井・ダウ ポリケミカル社製)60質量%、メチルメタクリレート・スチレン共重合樹脂エスチレンMS-600(東洋スチレン社製)15質量%、帯電防止樹脂ペレスタット212(三洋化成工業社製)20質量%と、ドナー・アクセプター型帯電防止剤としてビオミセルBN-105(ボロン研究所社製)5質量%からなる厚さ5μmのシール層を、押出ラミネート法により形成した。以上のようにしてカバーテープを作製した。作製したカバーテープに対し、臭気、異物、表面抵抗値、摩擦帯電量を評価した。作製条件と結果を表2に併せて示す。比較例4は、表面抵抗値および摩擦帯電量は、良好な結果であったが、カバーテープのヒートシール時に臭気が発生してしまった。また、異物も発生してしまった。
(比較例5)
ドナー・アクセプター型帯電防止剤を加えず、表2に示す配合と変えた以外、実施例4と同様にカバーテープを作製し、評価を行った。作製条件と結果を表2に併せて示す。比較例5では、臭気を異物の発生を抑制することができた。しかし、摩擦帯電量は-0.20nCと、-0.15nCを超える値となった。
Figure 2022063015000003
比較例1~3、および比較例5では、臭気や異物の発生を抑制することはできたが、摩擦帯電量が-0.15nCを超えてしまい、静電気の発生を十分に抑制できているとは言えなかった。比較例4では、表面抵抗値および摩擦帯電量は良好な結果であったが、エチレン-酢酸ビニル共重合体を用いているため、ヒートシール加工により酢酸ビニルに由来する異臭や、異物の発生を生じてしまった。
一方、実施例1~4のカバーテープは、臭気や異物の発生を抑制しつつ、表面抵抗値および摩擦帯電量を抑制できた。摩擦帯電量は、比較例より2倍以上、帯電量を抑制することができた。以上のことから、本実施形態に係るカバーテープは、臭気や異物の発生を抑制しつつ、帯電防止性に優れたカバーテープであることがわかった。
1 基材層
2 中間層
3 シール層
10 カバーテープ
20 キャリアテープ
21 ポケット
100 包装体

Claims (8)

  1. 基材層と、中間層と、シール層とをこの順番に備えるカバーテープであって、
    前記シール層はドナー・アクセプター型帯電防止剤を含み、
    前記シール層は、エチレン―酢酸ビニル共重合体を除く樹脂を含む層である、カバーテープ。
  2. 請求項1に記載のカバーテープであって、
    前記ドナー・アクセプター型帯電防止剤が、有機ホウ素化合物と塩基性窒素化合物とを含む、カバーテープ。
  3. 請求項1または2に記載のカバーテープであって、
    前記シール層は、スチレン系熱可塑性エラストマー系樹脂、エチレン-(メタ)アクリル酸エステル共重合体、(メタ)アクリル酸エステル-スチレン共重合体、アクリル系樹脂からなる群より選択される1種または2種以上の樹脂を含む、カバーテープ。
  4. 請求項1~3のいずれか1項に記載のカバーテープであって、
    前記基材層の厚みは、10μm以上30μm以下である、カバーテープ。
  5. 請求項1~4のいずれか1項に記載のカバーテープであって、
    前記中間層の厚みは、10μm以上50μm以下である、カバーテープ。
  6. 請求項1~5のいずれか1項に記載のカバーテープであって、
    前記シール層の厚みは、0.1μm以上20μm以下である、カバーテープ。
  7. 請求項1~6のいずれか1項に記載のカバーテープであって、
    前記シール層の表面における表面抵抗値が1.0×10Ω以上1.0×1013Ω以下であるカバーテープ。
  8. 電子部品を収納する複数の収納部を有するキャリアテープと、
    前記収納部に収納された電子部品と、
    前記収納部を覆うように配置された、請求項1~7のいずれか1項に記載のカバーテープと、を備える包装体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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