JP2006176424A - テストステロン5α−レダクターゼ阻害剤及び養毛化粧料 - Google Patents

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康夫 三宅
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Abstract

【課題】 天然抽出物を含有したテストステロン5α−レダクターゼ阻害剤又は養毛化粧料を提供する。
【解決手段】 テストステロン5α−レダクターゼ阻害剤又は養毛化粧料に、ウメ(Prunus mume Siebold et Zuccarini)の果実部からの抽出物を有効成分として含有せしめる。前記抽出物は、ウメの果実部から得られた果汁又はその濃縮物と抽出溶媒とを混合した混合液を、5〜10日間冷暗所に放置して得られたものであることが好ましい。また、前記抽出溶媒は、有機溶媒、又は有機溶媒と水との混合液であることが好ましい。
【選択図】 なし

Description

本発明は、テストステロン5α−レダクターゼ阻害剤及び養毛化粧料に関するものである。
多くのステロイドホルモンは、産生臓器から分泌された分子型で受容体と結合してその作用を発現する。しかし、アンドロゲンと総称される男性ホルモンの場合、例えばテストステロンは、標的臓器の細胞内に入ってテストステロン5α−レダクターゼにより5α−ジヒドロテストステロン(5α−DHT)に還元されてから受容体と結合し、アンドロゲンとしての作用を発現する。
アンドロゲンは重要なホルモンであるが、それが過度に作用すると、男性型禿頭、多毛症、脂漏症、座瘡、前立腺肥大症、前立腺腫瘍、男児性早熟等、さまざまな好ましくない症状を誘発する。そこで、従来から、これらの各種症状を改善するために過剰のアンドロゲンの作用を抑制する方法が検討されている。具体的には、テストステロンを活性型5α−DHTに還元するテストステロン5α−レダクターゼの作用を阻害し、活性な5α−DHTが生じるのを抑制する方法や、テストステロンから生じた5α−DHTが受容体と結合するのを阻害し、アンドロゲン活性を発現させない方法が検討されている。その結果、シプロテロンアセテート、オキセンドロン、酢酸クロルマジノン等の有効性が確認された。
しかしながら、これらはステロイドホルモン誘導体であるため、ホルモン様作用等の好ましくない副作用を有するという欠点があった。一方、いくつかの生薬や植物からの抽出物が、テストステロン5α−レダクターゼ阻害作用を有することが知られている(特許文献1及び2)。しかし、ウメは、育毛作用を有することは知られている(特許文献3)が、テストステロン5α−レダクターゼ阻害作用を有することは知られていなかった。
特開昭60−146829号公報 特開2001−302528号公報 特開2002−284648号公報
本発明は、安全性の高い天然物からテストステロン5α−レダクターゼ阻害作用を有するものを見いだし、それを有効成分とするテストステロン5α−レダクターゼ阻害剤及び養毛化粧料を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のテストステロン5α−レダクターゼ阻害剤は、ウメの果実部からの抽出物を有効成分として含有することを特徴とする。また、本発明の養毛化粧料は、ウメの果実部からの抽出物を配合したことを特徴とする。前記抽出物は、ウメの果実部から得られた果汁又はその濃縮物と抽出溶媒とを混合した混合液を、5〜10日間冷暗所に放置して得られたものであることが好ましく、前記抽出溶媒は、有機溶媒、又は有機溶媒と水との混合液であることが好ましい。
本発明によれば、天然物であるウメの果実部からの抽出物を有効成分として含有するため、安全性に優れ、副作用の少ない新規なテストステロン5α−レダクターゼ阻害剤及び養毛化粧料を提供することができる。
以下、本発明について説明する。
〔テストステロン5α−レダクターゼ阻害剤〕
本発明のテストステロン5α−レダクターゼ阻害剤は、ウメ果実部からの抽出物を有効成分として含有する。
ここで、本発明において「抽出物」には、ウメを抽出原料として得られる抽出液、当該抽出液の希釈液若しくは濃縮液、当該抽出液を乾燥して得られる乾燥物、又はこれらの粗精製物若しくは精製物のいずれもが含まれる。
本発明において使用する抽出原料は、ウメ(学名:Prunus mume Siebold et Zuccarini)である。
ウメ(Prunus mume Siebold et Zuccarini)はバラ科に属する落葉小高木であり、観賞用及び食用のために植木される。中国中部原産で、日本には古来渡来し、九州では野生化したところもある。抽出原料として使用し得る部位は、果実部である。
ウメ果実部からの抽出物に含有されるテストステロン5α−レダクターゼ阻害作用を有する物質の詳細は不明であるが、後述する方法によって、ウメの果実部からテストステロン5α−レダクターゼ阻害作用を有する抽出物を得ることができる。
上記ウメ果実部を洗浄した後、そのまま又は粗砕機を用いて粉砕し、果肉と種子とを分離し、果肉を搾汁して得られたウメ果汁又はそのウメ果汁を減圧下で濃縮して得られた濃縮液を、抽出溶媒による抽出処理に供することにより、テストステロン5α−レダクターゼ阻害作用を有する抽出物を得ることができる。上記ウメ果実部は、ヘキサン等の非極性溶媒によって脱脂等の前処理を施してから抽出原料として使用してもよい。脱脂等の前処理を行うことにより、極性溶媒による抽出処理を効率よく行うことができる。
抽出溶媒としては、有機溶媒、又は有機溶媒と水との混合液を用いるのが好ましく、有機溶媒としては、親水性有機溶媒を用いるのが好ましい。特に、親水性有機溶媒を単独で又は2種以上を組み合わせて使用するか、親水性有機溶媒と水との混合液を使用することが好ましい。
抽出溶媒として使用し得る水としては、純水、水道水、井戸水、鉱泉水、鉱水、温泉水、湧水、淡水等のほか、これらに各種処理を施したものが含まれる。水に施す処理としては、例えば、精製、加熱、殺菌、濾過、イオン交換、浸透圧調整、緩衝化等が含まれる。したがって、本発明において抽出溶媒として使用し得る水には、精製水、熱水、イオン交換水、生理食塩水、リン酸緩衝液、リン酸緩衝生理食塩水等も含まれる。
抽出溶媒として使用することのできる親水性有機溶媒としては、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の炭素数1〜5の低級脂肪族アルコール;アセトン、メチルエチルケトン等の低級脂肪族ケトン;1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の炭素数2〜5の多価アルコール等が挙げられる。
2種以上の親水性有機溶媒の混合液又は親水性有機溶媒と水との混合液を抽出溶媒として使用する場合、その混合比は適宜調整することができる。例えば、水と低級脂肪族アルコールとの混合液を使用する場合には、水10質量部に対して低級脂肪族アルコール1〜90質量部を混合することが好ましく、水と低級脂肪族ケトンとの混合液を使用する場合には、水10質量部に対して低級脂肪族ケトン1〜40質量部を混合することが好ましく、水と多価アルコールとの混合液を使用する場合には、水10質量部に対して多価アルコール10〜90質量部を混合することが好ましい。
抽出処理は、以下のようにして行うことができる。例えば、ウメ果汁又はウメ果汁を濃縮した濃縮液と抽出溶媒とを混合した混合液を、所定の期間冷暗所に放置して可溶性成分を抽出溶媒に溶出させた後、濾過してオリや沈殿等を除去することにより抽出液を得ることができる。上記抽出処理の温度条件は、0〜15℃であることが好ましく、特に5〜10℃であることが好ましい。また、上記抽出処理の照度条件は、0〜0.1lxであることが好ましく、特に0〜0.01lxであることが好ましい。さらに、ウメ果汁又はウメ果汁の濃縮液と抽出溶媒との混合液を冷暗所に放置する期間は、5〜10日間が好ましく、特に6〜8日間が好ましい。上記範囲内で抽出処理を行うことにより、ウメ果実部からの可溶性成分の抽出効率を向上させることができる。得られた抽出液は、該抽出液の希釈液若しくは濃縮液、該抽出液の乾燥物、又はこれらの粗精製物若しくは精製物を得るために、常法に従って希釈、濃縮、乾燥、精製等の処理を施してもよい。
精製は、例えば、活性炭処理、吸着樹脂処理、イオン交換樹脂処理等により行うことができる。得られた抽出液はそのままでもテストステロン5α−レダクターゼ阻害剤の有効成分として使用することができるが、生理活性が低い場合もあるため、濃縮液又は乾燥物としたものの方が使用しやすい。
ウメ果実部からの抽出物は、その生理活性の低下を招かない範囲で脱色、脱臭等を目的とする精製を行うことも可能であるが、養毛化粧料に配合する場合には大量に使用するものではないから、未精製のままでも実用上支障はない。
以上のようにして得られるウメ果実部からの抽出物は、テストステロン5α−レダクターゼ阻害作用を有しているため、その作用を利用してテストステロン5α−レダクターゼ阻害剤の有効成分として用いることができる。
本発明のテストステロン5α−レダクターゼ阻害剤は、ウメ果実部からの抽出物のみからなるものであってもよいし、上記抽出物を製剤化したものであってもよい。
ウメ果実部からの抽出物は、デキストリン、シクロデキストリン等の薬学的に許容し得るキャリアーその他任意の助剤を用いて、常法に従い、粉末状、顆粒状、錠剤状、液状等の任意の剤形に製剤化することができる。ウメ果実部からの抽出物は、他の組成物(例えば、後述する養毛化粧料等)に配合して使用することができるほか、軟膏剤、外用液剤、貼付剤等として使用することができる。この際、助剤としては、例えば、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、安定剤、矯臭剤等を用いることができる。
なお、本発明のテストステロン5α−レダクターゼ阻害剤は、必要に応じて、テストステロン5α−レダクターゼ阻害作用を有する他の天然抽出物を配合して有効成分として用いることができる。
本発明のテストステロン5α−レダクターゼ阻害剤は、ウメ果実部からの抽出物が有するテストステロン5α−レダクターゼ阻害作用を通じて、テストステロン5α−レダクターゼの活性を阻害することができる。これにより、アンドロゲンの作用を抑制することができ、男性ホルモンが関与している各種疾患、例えば、男性型脱毛症、多毛症、脂漏症、座瘡(ニキビなど)、前立腺肥大症、前立腺腫瘍、男児性早熟等を予防、治療又は改善することができる。ただし、本発明のテストステロン5α−レダクターゼ阻害剤は、これらの用途以外にもテストステロン5α−レダクターゼ阻害作用を発揮することに意義のあるすべての用途に用いることができる。
〔養毛化粧料〕
ウメ果実部からの抽出物は、テストステロン5α−レダクターゼ阻害作用を有しており、男性型脱毛症、座瘡(ニキビなど)等の疾患を予防、治療又は改善することができるとともに、頭髪(頭皮)に適用した場合の使用感と安全性とに優れているため、養毛化粧料に配合するのに好適である。この場合、養毛化粧料には、ウメ果実部からの抽出物を配合してもよいし、ウメ果実部からの抽出物から製剤化したテストステロン5α−レダクターゼ阻害剤を配合してもよい。ウメ果実部からの抽出物又は上記テストステロン5α−レダクターゼ阻害剤を養毛化粧料に配合することによって、養毛化粧料にテストステロン5α−レダクターゼ阻害作用を付与することができる。
ウメ果実部からの抽出物を配合し得る養毛化粧料の種類は、特に限定されるものではなく、例えば、ヘアトニック、ヘアローション、ヘアークリーム、ヘアリキッド、整髪剤、シャンプー、リンス、トリートメント等が挙げられる。
ウメ果実部からの抽出物を養毛化粧料に配合する場合、その配合量は、養毛化粧料の種類、使用目的、使用者の性別等に応じて適宜調整することができるが、好適な配合率は、標準的な抽出物に換算して約0.005〜10質量%である。
本発明の養毛化粧料は、ウメ果実部からの抽出物が有するテストステロン5α−レダクターゼ阻害作用を妨げない限り、通常の養毛化粧料の製造に用いられる主剤、助剤又はその他の成分、例えば、収斂剤、殺菌・抗菌剤、美白剤、紫外線吸収剤、保湿剤、細胞賦活剤、消炎・抗アレルギー剤、抗酸化・活性酸素除去剤、油脂類、ロウ類、炭化水素類、脂肪酸類、アルコール類、エステル類、界面活性剤、香料等を併用することができる。このように併用することで、より一般性のある製品となり、また、併用された上記成分との間の相乗作用が通常期待される以上の優れた使用効果をもたらすことがある。
なお、本発明のテストステロン5α−レダクターゼ阻害剤又は養毛化粧料は、ヒトに対して好適に適用されるものであるが、それぞれの作用効果が奏される限り、ヒト以外の動物に対して適用することもできる。
以下、製造例、試験例及び配合例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の各例に何ら制限されるものではない。
〔製造例1〕
ウメの果実部1000gを洗浄・破砕・脱核した後搾汁し、ウメ果汁を得た。得られたウメ果汁を40℃で減圧下にて濃縮し、抽出溶媒を加えて撹拌した後、冷暗所に7日間放置して熟成させ、オリや沈殿を濾過した。得られた濾液を40℃で減圧下にて濃縮し、得られた濃縮物を減圧乾燥機で乾燥してウメ抽出物を得た。抽出溶媒として、70質量%エタノール(水とエタノールとの質量比=3:7)、50質量%エタノール(水とエタノールとの質量比=1:1)又は水を用いたときの各抽出物の収率を表1に示す。
各抽出物の収率を表1に示す。
[表1]
試 料 抽出溶媒 抽出物収率(質量%)
1 70質量%エタノール 1.8
2 50質量%エタノール 2.1
3 水 2.8
〔試験例1〕テストステロン5α−レダクターゼ阻害作用試験
製造例1で得られたウメ果実部抽出物(試料1〜3)について、下記の方法によりテストステロン5α−レダクターゼ阻害作用を試験した。
テストステロン(東京化成社製)4.2mgをプロピレングリコール1mLに溶解し、その20μLと、1mg/mLのNADPHを含有する5mmol/mLトリス塩酸緩衝液(pH7.2)825μLとを混合した。
さらに、50質量%エタノールで調製した試料溶液80μL及びS−9(ラット肝臓ホモジネート,オリエンタル酵母工業社製)75μLを加えて混合し、37℃にて35分間インキュベートした。その後、塩化メチレン1mLを加えて反応を停止させ、激しく振とうした。これを遠心分離し(1600×g,10分間)、塩化メチレン層を分取して、分取した塩化メチレン層について、下記の条件にてガスクロマトグラフィー分析をし、5α−アンドロスタン−3α,17β−ジオール、スタノロン(アンドロスタン−17β−オール−3−オン)及びテストステロンの濃度(μg/mL)を定量した。コントロールとして、試料溶液の代わりに試料溶媒を同量(80μL)用いて同様に処理し、ガスクロマトグラフィー分析をした。
[ガスクロマトグラフィー条件]
使用装置:Shimadzu GC-7A(島津製作所社製)
カラム:DB−1701(内径:0.53mm,長さ:30m,膜厚:1.0μm,J&W Scientific社製)
カラム温度:240℃
注入口温度:300℃
検出器:FID
試料注入量:1μL
スプリット比:1:2
キャリアガス:窒素ガス
キャリアガス流速:3mL/min
5α−アンドロスタン−3α,17β−ジオール、スタノロン(アンドロスタン−17β−オール−3−オン)及びテストステロンの濃度の定量は、下記の方法により行った。
5α−アンドロスタン−3α,17β−ジオール(シグマ社製)、スタノロン(東京化成社製)及びテストステロン(東京化成社製)の標準品を1mgずつ精秤し、1mLの塩化メチレンにそれぞれ溶解させ、ガスクロマトグラフィー分析を行い、これらの化合物の濃度(μg/mL)及びピーク面積から、化合物の濃度とピーク面積との対応関係を予め求めておいた。そして、テストステロンとS−9との反応後の5α−アンドロスタン−3α,17β−ジオール、スタノロン及びテストステロンそれぞれのピーク面積あたりの濃度を、予め求めておいた対応関係を利用して、次式(1)に基づいて求めた。
A=B×C/D・・・(1)
式中、Aは「5α−アンドロスタン−3α,17β−ジオール、スタノロン又はテストステロンの濃度(μg/mL)」を表し、Bは「5α−アンドロスタン−3α,17β−ジオール、スタノロン又はテストステロンのピーク面積」を表し、Cは「標準品の濃度(μg/mL)」を表し、Dは「標準品のピーク面積」を表す。
式(1)に基づいて算出された化合物濃度を用いて、次式(2)に基づき、変換率を算出した。テストステロンは反応基質であり、5α−アンドロスタン−3α−,17β−ジオール及びスタノロンは反応生成物であり、反応時に各化合物が分解されることを見越して、生成物量と残存する基質量とを合わせたものを反応開始時の基質量として換算した。
変換率(%)=(E+F)/(E+F+G)・・・(2)
式中、Eは「5α−アンドロスタン−3α,17β−ジオールの濃度(μg/mL)」を表し、Fは「スタノロンの濃度(μg/mL)」を表し、Gは「テストステロンの濃度(μg/mL)」を表す。
式(2)に基づいて算出された変換率を用いて、次式(3)に基づき、テストステロン5α−レダクターゼ阻害率(%)を算出した。
阻害率(%)=(1−H/I)×100・・・(3)
式中、Hは「試料添加時の変換率(%)」を表し、Iは「コントロールの変換率(%)」を表す。
試料濃度を段階的に減少させて上記阻害率の測定を行い、テストステロン5α−レダクターゼの阻害率が50%になる試料濃度IC50(μg/mL)を内挿法により求めた。
上記試験の結果を表2に示す。
[表2]
試 料 IC 50 (μg/mL)
1 482
2 623
3 >1000
表2に示すように、試料1〜3のウメ果実抽出物は、テストステロン5α−レダクターゼ阻害作用を有することが確認され、特に、抽出溶媒として有機溶媒と水との混合液を用いて得られたウメ果実部抽出物(試料1及び試料2)は、優れたテストステロン5α−レダクターゼ阻害作用を有することが確認された。また、抽出溶媒として有機溶媒と水との混合液を用いて得られたウメ果実部抽出物(試料1及び試料2)のテストステロン5α−レダクターゼ阻害作用の強さは、抽出物の濃度に依存して変化し、抽出物の濃度を調節することによりテストステロン5α−レダクターゼ阻害作用の強さを調節できることが確認された。
〔配合例1〕
下記組成の養毛ヘアトニックを、常法により製造した。
ウメ70質量%エタノール抽出物(製造例1) 0.2質量%
精製水 70.0質量%
塩酸ピリドキシン 0.1質量%
レゾルシン 0.01質量%
D−パントテニルアルコール 0.1質量%
グリチルリチン酸ジカリウム 0.1質量%
センブリエキス 0.2質量%
L−メントール 0.05質量%
1,3−ブチレングリコール 4.0質量%
ニンジンエキス 0.5質量%
クジンエキス 0.3質量%
エタノール 25.0質量%
香料 適量
〔配合例2〕
下記組成のヘアローションを、常法により製造した。
ウメ70質量%エタノール抽出物(製造例1) 0.1質量%
1,3−ブチレングリコール 6.0質量%
エタノール 8.0質量%
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(40E.O.) 1.0質量%
ポリオキシソルビタンモノステアレート(20E.O.) 1.5質量%
ステアリルグリチルレチネート 0.2質量%
エンメイソウエキス 0.5質量%
酢酸トコフェロール 0.05質量%
パラオキシ安息香酸メチル 0.1質量%
フェノキシエタノール 0.3質量%
香料 0.05質量%
精製水 残量
〔配合例3〕
下記組成の育毛剤を、常法により製造した。
ウメ50質量%エタノール抽出物(製造例1) 0.5質量%
ヒノキチオール 0.1質量%
グリチルレチン酸 0.1質量%
セファランチン 0.02質量%
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(20E.O.) 1.5質量%
1,3−ブチレングリコール 3.0質量%
エタノール 60.0質量%
酢酸トコフェロール 0.1質量%
センブリエキス 0.3質量%
精製水 残量
〔配合例4〕
下記組成のシャンプーを、常法により製造した。
ウメ50質量%エタノール抽出物(製造例1) 0.2質量%
ポリオキシエチレンラウリル硫酸トリエタノールアミン 14.0質量%
エチレングリコールジステアレート 2.0質量%
ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン 4.0質量%
ラウリン酸ジエタノールアミド 5.0質量%
グリセリン 2.0質量%
ケラチン加水分解物 3.0質量%
ムクロジエキス 0.2質量%
黄杞エキス 0.5質量%
オウバクエキス 0.3質量%
ローズマリーエキス 0.5質量%
パラオキシ安息香酸 0.1質量%
香料 0.05質量%
精製水 残量
〔配合例5〕
下記組成のローションを、常法により製造した。
ウメ70質量%エタノール抽出物(製造例1) 0.2質量%
精製水 70.0質量%
グリチルリチン酸ジカリウム 0.2質量%
1,3−ブチレングリコール 4.0質量%
オレイルアルコール 4.0質量%
ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(20E.O.) 1.5質量%
ポリオキシエチレンラウ(20E.O.) 0.5質量%
エタノール 15.0質量%
防腐剤 適量
香料 適量
なお、上記配合例1〜5に示した養毛化粧料等は、いずれも良好な保存安定性を示した。
本発明のテストステロン5α−レダクターゼ阻害剤及び養毛化粧料は、男性型禿頭、多毛症、脂漏症、座瘡、前立腺肥大症、前立腺腫瘍、男児性早熟等の各症状の予防、治療又は改善に大きく貢献できる。

Claims (4)

  1. ウメの果実部からの抽出物を有効成分として含有することを特徴とするテストステロン5α−レダクターゼ阻害剤。
  2. 前記抽出物は、ウメの果実部から得られた果汁又はその濃縮物と抽出溶媒とを混合した混合液を、5〜10日間冷暗所に放置することにより得られることを特徴とする請求項1に記載のテストステロン5α−レダクターゼ阻害剤。
  3. 前記抽出溶媒は、有機溶媒、又は有機溶媒と水との混合液であることを特徴とする請求項2に記載のテストステロン5α−レダクターゼ阻害剤。
  4. ウメの果実部からの抽出物を配合したことを特徴とする養毛化粧料。
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