JP2005213202A - 抗酸化剤、抗老化剤及び抗炎症剤、並びに、皮膚化粧料 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ネオベグエア・マハファレンシスの抽出物及びセドレロプシス・グレベイの抽出物の少なくともいずれかを含む抗酸化剤、抗老化剤及び抗炎症剤、並びに、これらを有効成分として配合した皮膚化粧料の提供。
【解決手段】 ネオベグエア・マハファレンシス(Neobeguea mahafalensis)の抽出物及びセドレロプシス・グレベイ(Cedrelopsis grevei)の抽出物の少なくともいずれかを含むことを特徴とする抗酸化剤、抗老化剤、又は抗炎症剤である。活性酸素消去作用、ラジカル消去作用、コラゲナーゼ阻害作用、及びサイクリックAMPホスホジエステラーゼ阻害作用から選択される少なくともいずれかを有する。該抗酸化剤、抗老化剤、又は抗炎症剤を配合した皮膚化粧料である。
【選択図】 なし
【解決手段】 ネオベグエア・マハファレンシス(Neobeguea mahafalensis)の抽出物及びセドレロプシス・グレベイ(Cedrelopsis grevei)の抽出物の少なくともいずれかを含むことを特徴とする抗酸化剤、抗老化剤、又は抗炎症剤である。活性酸素消去作用、ラジカル消去作用、コラゲナーゼ阻害作用、及びサイクリックAMPホスホジエステラーゼ阻害作用から選択される少なくともいずれかを有する。該抗酸化剤、抗老化剤、又は抗炎症剤を配合した皮膚化粧料である。
【選択図】 なし
Description
本発明は、ネオベグエア・マハファレンシスの抽出物及びセドレロプシス・グレベイの抽出物の少なくともいずれかを含む抗酸化剤、抗老化剤及び抗炎症剤、並びに、これらを有効成分として配合した皮膚化粧料に関する。
活性酸素は、食細胞の殺菌機構にとって必要なものであり、ウイルスや癌細胞の除去に重要な役割を果たしている。しかし、該活性酸素の過剰な生成は生体内の膜や組織を構成する生体内分子を攻撃し、コラーゲン等の生体組織を分解、変性又は架橋したり、油脂類を酸化して細胞に障害を与える過酸化脂質を生成し、皮膚のシワ形成や皮膚の弾力低下等の老化の原因になるものと考えられている。したがって、活性酸素や生体内ラジカルの生成を阻害・抑制することにより、シワ形成や弾力低下等の皮膚の老化を予防・治療できるものと考えられる。このような活性酸素消去作用又はラジカル消去作用を有する生薬としては、例えば、オスベッキア属に属する植物の抽出物(特許文献1参照)、プルメリア属に属する植物の抽出物(特許文献2参照)、カナリウム属に属する植物の抽出物(特許文献3参照)、ランタナ抽出物(特許文献4参照)、などが報告されている。
また、紫外線によるコラーゲンの減少・変性は、皮膚のシワの形成等の大きな要因となることが考えられる。このため、コラーゲン産生の促進や、コラゲナーゼ活性の阻害は、皮膚の老化を防止・改善する上で重要である。このようなコラゲナーゼ阻害活性作用を有する生薬としては、例えば、オスベッキア属に属する植物の抽出物(特許文献1参照)、藤茶抽出物(特許文献5参照)、五斂子抽出物(特許文献6参照)、などが報告されている。
血小板の凝集は、血小板中のサイクリックAMPの濃度と関係があり、サイクリックAMPホスホジエステラーゼによってサイクリックAMPが分解されてサイクリックAMPの濃度が低下すると、血小板は凝集しやすくなる。従って、サイクリックAMPホスホジエステラーゼの作用を抑制してサイクリックAMPの低下を防止すれば、血小板凝集を防止できるものと考えられる。また、サイクリックAMPホスホジエステラーゼは、脂肪の代謝促進にも関与しており、サイクリックAMPホスホジエステラーゼの作用を抑制することで、細胞内サイクリックAMPの濃度が上昇して脂肪代謝が活発になり、肥満が解消されることが知られている。このようなサイクリックAMPホスホジエステラーゼ阻害作用を有する生薬としては、例えば、オスベッキア属に属する植物の抽出物(特許文献1参照)、藤茶抽出物(特許文献7参照)、などが報告されている。
このように、安全性、及び生産性に優れ日常的に摂取可能であり、かつ安価でありながら、高い活性酸素消去作用、ラジカル消去作用、コラゲナーゼ阻害作用、及びサイクリックAMPホスホジエステラーゼ阻害作用の少なくともいずれかを有する天然系の各種製剤に対する需要者の要望は極めて強く、未だ十分満足し得るものが提供されていないのが現状である。
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであり、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、第一に、安全性の高い天然物の中から、活性酸素消去作用及びラジカル消去作用の少なくともいずれかを通して、活性酸素や生体内ラジカルを消去し得る物質を見つけ出し、該物質を含む抗酸化剤を提供することを目的とする。
本発明は、第二に、安全性の高い天然物の中から、コラゲナーゼ阻害作用を通して、皮膚の老化を予防・改善し得る物質を見つけ出し、該コラゲナーゼ阻害作用物質を含む抗老化剤を提供することを目的とする。
本発明は、第三に、サイクリックAMPホスホジエステラーゼ阻害作用を通して、炎症性疾患を予防・改善し得る物質を見つけ出し、該サイクリックAMPホスホジエステラーゼ阻害作用物質を含む抗炎症剤を提供することを目的とする。
本発明は、第四に、本発明の前記抗酸化剤、前記抗老化剤、及び前記抗炎剤の少なくともいずれかを含有する安全性の高い皮膚化粧料を提供することを目的とする。
本発明は、第二に、安全性の高い天然物の中から、コラゲナーゼ阻害作用を通して、皮膚の老化を予防・改善し得る物質を見つけ出し、該コラゲナーゼ阻害作用物質を含む抗老化剤を提供することを目的とする。
本発明は、第三に、サイクリックAMPホスホジエステラーゼ阻害作用を通して、炎症性疾患を予防・改善し得る物質を見つけ出し、該サイクリックAMPホスホジエステラーゼ阻害作用物質を含む抗炎症剤を提供することを目的とする。
本発明は、第四に、本発明の前記抗酸化剤、前記抗老化剤、及び前記抗炎剤の少なくともいずれかを含有する安全性の高い皮膚化粧料を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、以下の知見を得た。即ちネオベグエア・マハファレンシスの抽出物及びセドレロプシス・グレベイの抽出物の少なくともいずれかが、活性酸素消去作用、ラジカル消去作用、コラゲナーゼ阻害作用、及びサイクリックAMPホスホジエステラーゼ阻害作用から選択される少なくとも1つを有し、抗酸化剤、抗老化剤、又は抗炎症剤として好適に用いることができるという新しい知見である。
本発明は、本発明者らの前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> ネオベグエア・マハファレンシス(Neobeguea mahafalensis)の抽出物及びセドレロプシス・グレベイ(Cedrelopsis grevei)の抽出物の少なくともいずれかを含むことを特徴とする抗酸化剤である。
<2> 活性酸素消去作用及びラジカル消去作用の少なくともいずれかを有する前記<1>に記載の抗酸化剤である。
<3> ネオベグエア・マハファレンシス(Neobeguea mahafalensis)の抽出物及びセドレロプシス・グレベイ(Cedrelopsis grevei)の抽出物の少なくともいずれかを含むことを特徴とする抗老化剤である。
<4> コラゲナーゼ阻害作用を有する前記<3>に記載の抗老化剤である。
<5> ネオベグエア・マハファレンシス(Neobeguea mahafalensis)の抽出物及びセドレロプシス・グレベイ(Cedrelopsis grevei)の抽出物の少なくともいずれかを含むことを特徴とする抗炎症剤である。
<6> サイクリックAMPホスホジエステラーゼ阻害作用を有する前記<5>に記載の抗炎症剤である。
<7> 前記<1>から<2>のいずれかに記載の抗酸化剤、前記<3>から<4>のいずれかに記載の抗老化剤及び前記<5>から<6>のいずれかに記載の抗炎症剤の少なくともいずれかを含有することを特徴とする皮膚化粧料である。
<1> ネオベグエア・マハファレンシス(Neobeguea mahafalensis)の抽出物及びセドレロプシス・グレベイ(Cedrelopsis grevei)の抽出物の少なくともいずれかを含むことを特徴とする抗酸化剤である。
<2> 活性酸素消去作用及びラジカル消去作用の少なくともいずれかを有する前記<1>に記載の抗酸化剤である。
<3> ネオベグエア・マハファレンシス(Neobeguea mahafalensis)の抽出物及びセドレロプシス・グレベイ(Cedrelopsis grevei)の抽出物の少なくともいずれかを含むことを特徴とする抗老化剤である。
<4> コラゲナーゼ阻害作用を有する前記<3>に記載の抗老化剤である。
<5> ネオベグエア・マハファレンシス(Neobeguea mahafalensis)の抽出物及びセドレロプシス・グレベイ(Cedrelopsis grevei)の抽出物の少なくともいずれかを含むことを特徴とする抗炎症剤である。
<6> サイクリックAMPホスホジエステラーゼ阻害作用を有する前記<5>に記載の抗炎症剤である。
<7> 前記<1>から<2>のいずれかに記載の抗酸化剤、前記<3>から<4>のいずれかに記載の抗老化剤及び前記<5>から<6>のいずれかに記載の抗炎症剤の少なくともいずれかを含有することを特徴とする皮膚化粧料である。
本発明によると、従来における諸問題を解決できる、抗酸化剤、抗老化剤及び抗炎症剤が提供される。本発明の抗酸化剤によれば、活性酸素消去作用や生体内ラジカル消去作用による生体成分の酸化の防止を通じて、皮膚のしわの形成や弾力性低下等の老化現象を効果的に予防・治療することができる。
また、本発明の抗老化剤によれば、コラゲナーゼ阻害作用を通じて、皮膚のしわの形成や弾力性低下等の老化現象を効果的に予防・治療することができる。
また、本発明の抗炎症剤によれば、サイクリックAMPホスホジエステラーゼ阻害作用を通して、これらの関与する炎症を効果的に予防又は改善することができる。更に、本発明の抗酸化剤、抗老化剤及び抗炎症剤は、皮膚に適用した場合の使用感と安全性に優れているので皮膚化粧料に配合するのに好適なものである。
また、本発明の皮膚化粧料は、炎症性疾患や皮膚の老化を防止及び/又は改善するのに有用である。
また、本発明の抗老化剤によれば、コラゲナーゼ阻害作用を通じて、皮膚のしわの形成や弾力性低下等の老化現象を効果的に予防・治療することができる。
また、本発明の抗炎症剤によれば、サイクリックAMPホスホジエステラーゼ阻害作用を通して、これらの関与する炎症を効果的に予防又は改善することができる。更に、本発明の抗酸化剤、抗老化剤及び抗炎症剤は、皮膚に適用した場合の使用感と安全性に優れているので皮膚化粧料に配合するのに好適なものである。
また、本発明の皮膚化粧料は、炎症性疾患や皮膚の老化を防止及び/又は改善するのに有用である。
(抗酸化剤、抗老化剤、及び抗炎症剤)
本発明の抗酸化剤、抗老化剤、及び抗炎症剤は、いずれもネオベグエア・マハファレンシスの抽出物及びセドレロプシス・グレベイの抽出物の少なくともいずれかを含んでなり、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
前記ネオベグエア・マハファレンシスの抽出物及びセドレロプシス・グレベイの抽出物はそれぞれ単独で用いることもできるが、作用効果を効率よく発揮し得る観点から併用して用いることが好ましい。両者を併用する場合には、前記ネオベグエア・マハファレンシスの抽出物と、前記セドレロプシス・グレベイの抽出物とを質量比で1:9〜9:1で混合することが好適である。
本発明の抗酸化剤、抗老化剤、及び抗炎症剤は、いずれもネオベグエア・マハファレンシスの抽出物及びセドレロプシス・グレベイの抽出物の少なくともいずれかを含んでなり、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
前記ネオベグエア・マハファレンシスの抽出物及びセドレロプシス・グレベイの抽出物はそれぞれ単独で用いることもできるが、作用効果を効率よく発揮し得る観点から併用して用いることが好ましい。両者を併用する場合には、前記ネオベグエア・マハファレンシスの抽出物と、前記セドレロプシス・グレベイの抽出物とを質量比で1:9〜9:1で混合することが好適である。
前記ネオベグエア・マハファレンシス(学名:Neobeguea mahafalensis)は、センダン科の植物であり、10〜25メートル、幹は直径40cmになる大木である。
前記セドレロプシス・グレベイ(学名:Cedrelopsis grevei)は、センダン科の植物であり、20メートル、幹が10〜40cmある大木である。エッセンシャルオイルとして使用されている。
前記セドレロプシス・グレベイ(学名:Cedrelopsis grevei)は、センダン科の植物であり、20メートル、幹が10〜40cmある大木である。エッセンシャルオイルとして使用されている。
前記ネオベグエア・マハファレンシス、又はセドレロプシス・グレベイの使用部位は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、葉部、枝部、根部、樹皮部、果実部などの構成部位を原料として用いることができるが、これらのうちネオベグエア・マハファレンシスは特に樹皮部、セドレロプシス・グレベイは特に枝部を抽出原料として用いることが好ましい。
前記ネオベグエア・マハファレンシスの抽出物及びセドレロプシス・グレベイの抽出物の少なくともいずれかが含有する活性酸素消去作用、ラジカル消去作用、コラゲナーゼ阻害作用、及びサイクリックAMPホスホジエステラーゼ阻害作用の少なくともいずれかを有する物質の詳細は不明であるが、該物質は植物の抽出に一般に用いられている抽出方法により得ることができる。
なお、前記抽出液、該抽出液の希釈液を乾燥して得られる乾燥物、又はこれらの粗精製物もしくは精製物のいずれもが含まれる。例えば、ネオベグエア・マハファレンシスの樹皮部、あるいはセドレロプシス・グレベイの枝部を乾燥した後、そのまま又は粗砕機を用い粉砕して溶媒抽出に供することにより得ることができる。乾燥は天日で行ってもよいし、通常使用される乾燥機を用いて行ってもよい。また、ネオベグエア・マハファレンシスの樹皮部、及びセドレロプシス・グレベイの枝部は、ヘキサン、ベンゼン等の非極性溶媒によって脱脂等の前処理を施してから抽出原料として使用してもよい。脱脂等の前処理を行うことにより、極性溶媒による抽出処理を効率よく行うことができる。
前記抽出に用いる溶媒としては、水、親水性有機溶媒、又はこれらの混合液を室温又は溶媒の沸点以下の温度で用いることが好ましい。
前記水としては、例えば、純水、水道水、井戸水、鉱泉水、鉱水、温泉水、湧水、淡水等の他、これらに各種処理を施したものが含まれる。水に施す処理としては、例えば、精製、加熱、殺菌、ろ過、イオン交換、浸透圧の調整、緩衝化等が含まれる。従って、本発明において抽出溶媒として使用し得る水には、精製水、熱水、イオン交換水、生理食塩水、リン酸緩衝液、リン酸緩衝生理食塩水等も含まれる。
前記水としては、例えば、純水、水道水、井戸水、鉱泉水、鉱水、温泉水、湧水、淡水等の他、これらに各種処理を施したものが含まれる。水に施す処理としては、例えば、精製、加熱、殺菌、ろ過、イオン交換、浸透圧の調整、緩衝化等が含まれる。従って、本発明において抽出溶媒として使用し得る水には、精製水、熱水、イオン交換水、生理食塩水、リン酸緩衝液、リン酸緩衝生理食塩水等も含まれる。
前記親水性有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の炭素数1〜5の低級アルコール;アセトン、メチルエチルケトン等の低級脂肪族ケトン;1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の炭素数2〜5の多価アルコールなどが挙げられ、これら親水性有機溶媒と水との混合溶媒などを用いることができる。なお、水と親水性有機溶媒との混合系溶媒を使用する場合には、前記低級アルコールの場合には、水10質量部に対して低級アルコール1〜90質量部が好ましい。前記低級脂肪族ケトンの場合には、水10質量部に対して低級脂肪族ケトン1〜40質量部が好ましい。前記多価アルコールの場合には、水10質量部に対して多価アルコール1〜90質量部が好ましい。
本発明において、活性酸素消去作用、ラジカル消去作用、コラゲナーゼ阻害作用、及びサイクリックAMPホスホジエステラーゼ阻害作用の少なくとも1つを有する抽出物を得るにあたり特殊な抽出方法を採用する必要はなく、室温又は還流加熱下で、任意の装置を用いて抽出することができる。
具体的には、抽出溶媒を満たした処理槽にネオベグエア・マハファレンシスの樹皮部、あるいはセドレロプシス・グレベイの枝部を投入し、必要に応じて時々攪拌しながら、30分から2時間静置して可溶性成分を溶出した後、ろ過して固形物を除去し、得られた抽出液から抽出溶媒を留去し、乾燥することにより抽出物が得られる。抽出溶媒量は通常、抽出原料の5〜15倍量(質量比)であり、抽出条件は、抽出溶媒として水を用いた場合には、通常50〜95℃で1〜4時間程度である。また、抽出溶媒として水とエタノールとの混合溶媒を用いた場合には、通常40〜80℃で30分〜4時間程度である。
具体的には、抽出溶媒を満たした処理槽にネオベグエア・マハファレンシスの樹皮部、あるいはセドレロプシス・グレベイの枝部を投入し、必要に応じて時々攪拌しながら、30分から2時間静置して可溶性成分を溶出した後、ろ過して固形物を除去し、得られた抽出液から抽出溶媒を留去し、乾燥することにより抽出物が得られる。抽出溶媒量は通常、抽出原料の5〜15倍量(質量比)であり、抽出条件は、抽出溶媒として水を用いた場合には、通常50〜95℃で1〜4時間程度である。また、抽出溶媒として水とエタノールとの混合溶媒を用いた場合には、通常40〜80℃で30分〜4時間程度である。
なお、溶媒で抽出することにより得られる抽出液は、抽出溶媒が安全性の高いものであればそのまま配合して本発明の抗酸化剤、抗老化剤、及び抗炎症剤として用いることができるが、濃縮液又はその乾燥物としたものの方が利用しやすい。抽出液の乾燥物を得るにあたっては、吸湿性を改善するためにデキストリン、シクロデキストリン等のキャリアーを添加してもよい。
得られた抽出液は、該抽出液の希釈液若しくは濃縮液、該抽出液の乾燥物、又はこれらの粗精製物若しくは精製物を得るために、常法に従って希釈、濃縮、乾燥、精製等の処理を施してもよい。
前記ネオベグエア・マハファレンシスの抽出物、及びセドレロプシス・グレベイの抽出物は、特有のにおいを有しているが、不快なものではなく、そのまま皮膚化粧料の原料として利用できる。しかし、必要ならば活性の向上や脱色・脱臭を目的とする精製を施したり、任意な助剤と混合して製剤化しても良い。
得られた抽出液は、該抽出液の希釈液若しくは濃縮液、該抽出液の乾燥物、又はこれらの粗精製物若しくは精製物を得るために、常法に従って希釈、濃縮、乾燥、精製等の処理を施してもよい。
前記ネオベグエア・マハファレンシスの抽出物、及びセドレロプシス・グレベイの抽出物は、特有のにおいを有しているが、不快なものではなく、そのまま皮膚化粧料の原料として利用できる。しかし、必要ならば活性の向上や脱色・脱臭を目的とする精製を施したり、任意な助剤と混合して製剤化しても良い。
以上のようにして得られる抽出物は、活性酸素消去作用、ラジカル消去作用、コラゲナーゼ阻害作用、及びサイクリックAMPホスホジエステラーゼ阻害作用の少なくとも一つを有するので、当該抽出物を抗酸化剤、抗老化剤又は抗炎症剤として利用できるとともに、活性酸素消去剤、ラジカル消去剤、コラゲナーゼ阻害剤、又はサイクリックAMPホスホジエステラーゼ阻害剤としても利用することができる。本発明の各種薬剤を皮膚に適用する際、直接皮膚に適用してもよいし、皮膚化粧料に配合し、これを適用してもよい。
本発明の抗酸化剤は、活性酸素消去作用及びラジカル消去作用の少なくともいずれかを通して、活性酸素や生体内ラジカルを消去し、皮膚の老化及びこれに伴って生じる各種皮膚疾患を予防及び/又は改善することができる。ここで、前記「活性酸素」には、スーパーオキサイド、過酸化水素、ヒドロキシラジカル、一重項酸素等が含まれる。また、前記「ラジカル」とは、不対電子を1つ又はそれ以上有する分子又は原子を意味し、スーパーオキサイド、ヒドロキシラジカル、DPPH(ジフェニルピクリルヒドラジド)等が含まれる。
本発明の抗老化剤は、コラゲナーゼ阻害作用を通じて、皮膚の老化及びこれに伴って生じる各種皮膚疾患を予防及び/又は改善することができる。
本発明の抗炎症剤は、サイクリックAMPホスホジエステラーゼ阻害作用を通じて、接触性皮膚炎(かぶれ)、乾癬、尋常性天疱瘡等の皮膚疾患を始めとした各種炎症性疾患を予防及び/又は改善することができる。
本発明の抗老化剤は、コラゲナーゼ阻害作用を通じて、皮膚の老化及びこれに伴って生じる各種皮膚疾患を予防及び/又は改善することができる。
本発明の抗炎症剤は、サイクリックAMPホスホジエステラーゼ阻害作用を通じて、接触性皮膚炎(かぶれ)、乾癬、尋常性天疱瘡等の皮膚疾患を始めとした各種炎症性疾患を予防及び/又は改善することができる。
前記ネオベグエア・マハファレンシスの抽出物、及びセドレロプシス・グレベイの抽出物は、抗酸化作用、抗老化作用、及び抗炎症作用の少なくともいずれかを有するとともに、皮膚に適用した場合の使用感や安全性に優れているため、皮膚化粧料に配合するのに好適である。前記ネオベグエア・マハファレンシスの抽出物、及びセドレロプシス・グレベイの抽出物を皮膚化粧料に配合することによって、皮膚化粧料に抗酸化作用、抗老化作用及びは抗炎症作用の少なくともいずれかを付与することができる。
(皮膚化粧料)
本発明の皮膚化粧料は、本発明の前記抗酸化剤、前記抗老化剤及び前記抗炎症剤の少なくともいずれかを含むこと以外には、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択したその他の成分を含んでいてもよい。
なお、前記ネオベグエア・マハファレンシスの抽出物、及びセドレロプシス・グレベイの抽出物を配合する皮膚化粧料は、抽出物の生理活性を妨げないような任意の主剤、助剤に配合したものであってもよいし、当該抽出物を主成分とするものであってもよい。
本発明の皮膚化粧料は、本発明の前記抗酸化剤、前記抗老化剤及び前記抗炎症剤の少なくともいずれかを含むこと以外には、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択したその他の成分を含んでいてもよい。
なお、前記ネオベグエア・マハファレンシスの抽出物、及びセドレロプシス・グレベイの抽出物を配合する皮膚化粧料は、抽出物の生理活性を妨げないような任意の主剤、助剤に配合したものであってもよいし、当該抽出物を主成分とするものであってもよい。
前記その他の成分としては、活性酸素消去作用、ラジカル消去作用、コラゲナーゼ阻害作用、及びサイクリックAMPホスホジエステラーゼ阻害作用の妨げとならない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択した成分が挙げられ、例えば、美白剤、収斂剤、殺菌・抗菌剤、紫外線吸収剤、保湿剤、細胞賦活剤、油脂類、ロウ類、炭化水素類、脂肪酸類、アルコール類、エステル類、界面活性剤、香料、などが挙げられる。これらの成分は、前記ネオベグエア・マハファレンシスの抽出物、及びセドレロプシス・グレベイの抽出物と共に併用した場合、相乗的に作用して、通常期待される以上の優れた使用効果をもたらすことがある。
前記ネオベグエア・マハファレンシスの抽出物、及びセドレロプシス・グレベイの抽出物を配合し得る皮膚化粧料の種類は特に限定されるものではなく、その具体例としては軟膏、クリーム、乳液、ローション、パック、ファンデーション、等が挙げられる。
前記皮膚化粧料における前記ネオベグエア・マハファレンシスの抽出物、及びセドレロプシス・グレベイの抽出物の少なくともいずれかの好適配合率は、皮膚化粧料全体量の0.0001%〜10質量%が好ましく、0.001〜1質量%がより好ましい。
なお、前記皮膚化粧料は、直接皮膚に塗布してもよいし、フィルム、シート、不織布、などに含浸させて皮膚に貼付して使用してもよい。また、前記皮膚化粧料は、人体のみならず、動物にも適用することができる。
前記皮膚化粧料における前記ネオベグエア・マハファレンシスの抽出物、及びセドレロプシス・グレベイの抽出物の少なくともいずれかの好適配合率は、皮膚化粧料全体量の0.0001%〜10質量%が好ましく、0.001〜1質量%がより好ましい。
なお、前記皮膚化粧料は、直接皮膚に塗布してもよいし、フィルム、シート、不織布、などに含浸させて皮膚に貼付して使用してもよい。また、前記皮膚化粧料は、人体のみならず、動物にも適用することができる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。
(製造例1)
−ネオベグエア・マハファレンシスの水抽出物−
ネオベグエア・マハファレンシスの樹皮部の乾燥物を細切りしたもの300gに水3Lを加え、還流抽出器で80℃にて2時間加熱抽出し、熱時濾過した。残渣についてさらに同様の抽出処理を行った。得られた抽出液を合わせて減圧下に濃縮し、さらに乾燥して溶媒抽出の抽出物を得た。抽出物の収率は表1に示すとおりであった。
−ネオベグエア・マハファレンシスの水抽出物−
ネオベグエア・マハファレンシスの樹皮部の乾燥物を細切りしたもの300gに水3Lを加え、還流抽出器で80℃にて2時間加熱抽出し、熱時濾過した。残渣についてさらに同様の抽出処理を行った。得られた抽出液を合わせて減圧下に濃縮し、さらに乾燥して溶媒抽出の抽出物を得た。抽出物の収率は表1に示すとおりであった。
(製造例2)
−ネオベグエア・マハファレンシスの80質量%エタノール抽出物−
ネオベグエア・マハファレンシスの樹皮部の乾燥物を細切りしたもの300gに80質量%エタノール3Lを加え、還流抽出器で80℃にて2時間加熱抽出し、熱時濾過した。残渣についてさらに同様の抽出処理を行った。得られた抽出液を合わせて減圧下に濃縮し、さらに乾燥して溶媒抽出の抽出物を得た。抽出物の収率は表1に示すとおりであった。
−ネオベグエア・マハファレンシスの80質量%エタノール抽出物−
ネオベグエア・マハファレンシスの樹皮部の乾燥物を細切りしたもの300gに80質量%エタノール3Lを加え、還流抽出器で80℃にて2時間加熱抽出し、熱時濾過した。残渣についてさらに同様の抽出処理を行った。得られた抽出液を合わせて減圧下に濃縮し、さらに乾燥して溶媒抽出の抽出物を得た。抽出物の収率は表1に示すとおりであった。
(製造例3)
−セドレロプシス・グレベイの水抽出物−
セドレロプシス・グレベイの枝部の乾燥物を細切りしたもの300gに水3Lを加え、還流抽出器で80℃にて2時間加熱抽出し、熱時濾過した。残渣についてさらに同様の抽出処理を行った。得られた抽出液を合わせて減圧下に濃縮し、さらに乾燥して溶媒抽出の抽出物を得た。抽出物の収率は表1に示すとおりであった。
−セドレロプシス・グレベイの水抽出物−
セドレロプシス・グレベイの枝部の乾燥物を細切りしたもの300gに水3Lを加え、還流抽出器で80℃にて2時間加熱抽出し、熱時濾過した。残渣についてさらに同様の抽出処理を行った。得られた抽出液を合わせて減圧下に濃縮し、さらに乾燥して溶媒抽出の抽出物を得た。抽出物の収率は表1に示すとおりであった。
(製造例4)
−セドレロプシス・グレベイの80質量%エタノール抽出物−
セドレロプシス・グレベイの枝部の乾燥物を細切りしたもの300gに80質量%エタノール3Lを加え、還流抽出器で80℃にて2時間加熱抽出し、熱時濾過した。残渣についてさらに同様の抽出処理を行った。得られた抽出液を合わせて減圧下に濃縮し、さらに乾燥して溶媒抽出の抽出物を得た。抽出物の収率は表1に示すとおりであった。
−セドレロプシス・グレベイの80質量%エタノール抽出物−
セドレロプシス・グレベイの枝部の乾燥物を細切りしたもの300gに80質量%エタノール3Lを加え、還流抽出器で80℃にて2時間加熱抽出し、熱時濾過した。残渣についてさらに同様の抽出処理を行った。得られた抽出液を合わせて減圧下に濃縮し、さらに乾燥して溶媒抽出の抽出物を得た。抽出物の収率は表1に示すとおりであった。
(実施例1)
−スーパーオキサイド消去試験(NBT法)−
製造例1〜4で得られた抽出物について、下記の試験法によりスーパーオキサイド消去作用を試験した。
3mMキサンチン、0.05MのNa2CO3緩衝液(pH10.2)、3mMのEDTA、BSA溶液、及び0.75mMのNBT(ニトロブルーテトラゾリウム)を、試験管に各々0.1mLずつとり、これに製造例1〜4の各試料溶液0.1mLを添加し、25℃にて10分間放置した。次に、キサンチンオキシダーゼ溶液を加えて素早く攪拌し、25℃にて20分間静置した。その後、6mM塩化銅0.1mLを加えて反応を停止させて、波長560nmにおける吸光度を測定した。
同様の操作と吸光度の測定を、酵素溶液を添加せずに行った。更に、試料溶液を添加せずに蒸留水を添加した場合についても同様の測定を行った。
以上の測定結果から、下記数式1によりスーパーオキサイド消去率(%)を求めた。
−スーパーオキサイド消去試験(NBT法)−
製造例1〜4で得られた抽出物について、下記の試験法によりスーパーオキサイド消去作用を試験した。
3mMキサンチン、0.05MのNa2CO3緩衝液(pH10.2)、3mMのEDTA、BSA溶液、及び0.75mMのNBT(ニトロブルーテトラゾリウム)を、試験管に各々0.1mLずつとり、これに製造例1〜4の各試料溶液0.1mLを添加し、25℃にて10分間放置した。次に、キサンチンオキシダーゼ溶液を加えて素早く攪拌し、25℃にて20分間静置した。その後、6mM塩化銅0.1mLを加えて反応を停止させて、波長560nmにおける吸光度を測定した。
同様の操作と吸光度の測定を、酵素溶液を添加せずに行った。更に、試料溶液を添加せずに蒸留水を添加した場合についても同様の測定を行った。
以上の測定結果から、下記数式1によりスーパーオキサイド消去率(%)を求めた。
<数式1>
スーパーオキサイド消去率(%)={1−(A−B)/(C−D)}×100
但し、前記数式1中、Aは、酵素溶液及び試料溶液を添加したときの吸光度を表す。Bは、酵素溶液を添加せず、試料溶液を添加したときの吸光度を表す。Cは、酵素溶液を添加し、試料溶液を添加しないときの吸光度を表す。Dは、酵素溶液及び試料溶液を添加しないときの吸光度を表す。
スーパーオキサイド消去率(%)={1−(A−B)/(C−D)}×100
但し、前記数式1中、Aは、酵素溶液及び試料溶液を添加したときの吸光度を表す。Bは、酵素溶液を添加せず、試料溶液を添加したときの吸光度を表す。Cは、酵素溶液を添加し、試料溶液を添加しないときの吸光度を表す。Dは、酵素溶液及び試料溶液を添加しないときの吸光度を表す。
次に、試料溶液の濃度を段階的に減少させて上記スーパーオキサイド消去率の測定を行い、スーパーオキサイド消去率が50%になる試料濃度(μg/mL)を内挿法により求めた。結果を表2に示す。
(実施例2)
−一重項酸素消去試験−
製造例1〜4で得られた抽出物について、下記の試験法により一重項酸素消去作用を試験した。
透明ガラス瓶(10mL容)中で2%赤血球懸濁液5mL、製造例1〜4の各試料を所定濃度で含むpH7.4の等張リン酸緩衝液5mL、及び光増感剤(10mMヘマトポルフイリン−20mM水酸化ナトリウム溶液)0.01mLを混合した。得られた溶液をメリーゴーランド上で、7.5Wハロゲンランプを35分間均一に照射して一重項酸素(1O2)を発生させ、赤血球の溶血を生じさせた。この反応溶液1mLを採取し、等張リン酸緩衝液2mLを加えて混合した後、3,000rpmで4℃にて5分間遠心分離を行った。次に、上清を採取し、波長540nmの吸光度を測定した。
これとは別に、赤血球を一部溶血させた前記反応溶液1mLをとり、これに蒸留水2mLを加えて完全に溶血させたものをコントロールとし、上清液の場合と同様に吸光度測定を行った。
以上の測定結果から、下記数式2により一重項酸素消去率(%)を求めた。
−一重項酸素消去試験−
製造例1〜4で得られた抽出物について、下記の試験法により一重項酸素消去作用を試験した。
透明ガラス瓶(10mL容)中で2%赤血球懸濁液5mL、製造例1〜4の各試料を所定濃度で含むpH7.4の等張リン酸緩衝液5mL、及び光増感剤(10mMヘマトポルフイリン−20mM水酸化ナトリウム溶液)0.01mLを混合した。得られた溶液をメリーゴーランド上で、7.5Wハロゲンランプを35分間均一に照射して一重項酸素(1O2)を発生させ、赤血球の溶血を生じさせた。この反応溶液1mLを採取し、等張リン酸緩衝液2mLを加えて混合した後、3,000rpmで4℃にて5分間遠心分離を行った。次に、上清を採取し、波長540nmの吸光度を測定した。
これとは別に、赤血球を一部溶血させた前記反応溶液1mLをとり、これに蒸留水2mLを加えて完全に溶血させたものをコントロールとし、上清液の場合と同様に吸光度測定を行った。
以上の測定結果から、下記数式2により一重項酸素消去率(%)を求めた。
<数式2>
一重項酸素消去率(%)=(1−B/A)×100
但し、前記数式2中、Aは、コントロールの吸光度を表す。Bは、反応溶液の上清液の吸光度を表す。
一重項酸素消去率(%)=(1−B/A)×100
但し、前記数式2中、Aは、コントロールの吸光度を表す。Bは、反応溶液の上清液の吸光度を表す。
次に、試料濃度を段階的に減少させて上記消去率の測定を行い、一重項酸素の消去率が50%になる試料濃度(μg/mL)を内挿法により求めた。結果を表3に示す。
(実施例3)
−DPPH(ジフェニルピクリルヒドラジド)に対するラジカル消去試験−
製造例1〜4で得られた抽出物について、下記の試験法によりDPPHに対するラジカル消去作用を試験した。
1.5×10−4MのDPPHエタノール溶液3mLに、製造例1〜4の各試料溶液3mLを加え、直ちに容器を密栓して振り混ぜ、30分間静置した後、波長520nmの吸光を測定した。
コントロールとして、試料溶液の代わりに試料溶液を溶解した溶媒を用いて同様に操作し、波長520nmの吸光度を測定した。また、ブランクとして、エタノールに試料溶液3mLを加えた後、直ちに波長520nmの吸光度を測定した。
以上の測定結果から、下記数式3によりラジカル消去率(%)を算出した。
−DPPH(ジフェニルピクリルヒドラジド)に対するラジカル消去試験−
製造例1〜4で得られた抽出物について、下記の試験法によりDPPHに対するラジカル消去作用を試験した。
1.5×10−4MのDPPHエタノール溶液3mLに、製造例1〜4の各試料溶液3mLを加え、直ちに容器を密栓して振り混ぜ、30分間静置した後、波長520nmの吸光を測定した。
コントロールとして、試料溶液の代わりに試料溶液を溶解した溶媒を用いて同様に操作し、波長520nmの吸光度を測定した。また、ブランクとして、エタノールに試料溶液3mLを加えた後、直ちに波長520nmの吸光度を測定した。
以上の測定結果から、下記数式3によりラジカル消去率(%)を算出した。
<数式3>
ラジカル消去率(%)={1−(B−C)/A}×100
但し、前記数式3中、Aは、コントロールの吸光度を表す。Bは、試料溶液を添加したときの吸光度を表す。Cは、ブランクの吸光度を表す。
ラジカル消去率(%)={1−(B−C)/A}×100
但し、前記数式3中、Aは、コントロールの吸光度を表す。Bは、試料溶液を添加したときの吸光度を表す。Cは、ブランクの吸光度を表す。
次に、試料溶液の濃度を段階的に減少させて前記ラジカル消去率の測定を行い、DPPHに対するラジカルの消去率が50%になる試料濃度(μg/mL)を内挿法により求めた。結果を表4に示す。
(実施例4)
−過酸化水素消去試験−
製造例1〜4で得られた抽出物について、下記の試験法により過酸化水素消去作用を試験した。
過酸化水素の標準溶液(濃度1.5mM)10μLに、製造例1〜4の各試料溶液10μLを加え、37℃にて20分間インキュベーションした後、発色試薬〔DA−64(和光純薬製)を10mM、トライトンX-100を0.5質量%含む0.1MのPIPES緩衝液(pH7.0)にペルオキシダーゼ溶液(100unit/mL、和光純薬製)1mLを加え、全量を100mLに調整したもの〕2.98mLを添加し、37℃にて5分間インキュベーションした後、波長727nmにおける吸光度を測定した。
同様の操作と吸光度測定を、過酸化水素の標準溶液を添加せずに行った。更に、試料溶液を添加せずに蒸留水を添加した場合についても同様の測定を行った。
以上の測定結果から、下記数式4により過酸化水素の消去率を求めた。
−過酸化水素消去試験−
製造例1〜4で得られた抽出物について、下記の試験法により過酸化水素消去作用を試験した。
過酸化水素の標準溶液(濃度1.5mM)10μLに、製造例1〜4の各試料溶液10μLを加え、37℃にて20分間インキュベーションした後、発色試薬〔DA−64(和光純薬製)を10mM、トライトンX-100を0.5質量%含む0.1MのPIPES緩衝液(pH7.0)にペルオキシダーゼ溶液(100unit/mL、和光純薬製)1mLを加え、全量を100mLに調整したもの〕2.98mLを添加し、37℃にて5分間インキュベーションした後、波長727nmにおける吸光度を測定した。
同様の操作と吸光度測定を、過酸化水素の標準溶液を添加せずに行った。更に、試料溶液を添加せずに蒸留水を添加した場合についても同様の測定を行った。
以上の測定結果から、下記数式4により過酸化水素の消去率を求めた。
<数式4>
過酸化水素消去率(%)={1−(A−B)/(C−D)}×100
但し、前記数式4中、Aは、過酸化水素標準溶液及び試料溶液を添加したときの吸光度を表す。Bは、過酸化水素標準溶液を添加せず、試料溶液を添加したときの吸光度を表す。Cは、過酸化水素標準溶液を添加し、試料溶液を添加しないときの吸光度を表す。Dは、過酸化水素標準溶液及び試料溶液を添加しないときの吸光度を表す。
過酸化水素消去率(%)={1−(A−B)/(C−D)}×100
但し、前記数式4中、Aは、過酸化水素標準溶液及び試料溶液を添加したときの吸光度を表す。Bは、過酸化水素標準溶液を添加せず、試料溶液を添加したときの吸光度を表す。Cは、過酸化水素標準溶液を添加し、試料溶液を添加しないときの吸光度を表す。Dは、過酸化水素標準溶液及び試料溶液を添加しないときの吸光度を表す。
次に、試料溶液の濃度を段階的に減少させて前記過酸化水素消去率の測定を行い、過酸化水素消去率が50%になる試料濃度(μg/mL)を内挿法により求めた。結果を表5に示す。
(実施例5)
−コラゲナーゼ阻害試験−
製造例1〜4で得られた抽出物について、下記の試験法によりコラゲナーゼ阻害作用を試験した。
製造例1〜4の各試料溶液(溶媒:トリス塩酸緩衝液)50μL、コラゲナーゼ溶液50μL、及び基質溶液400μLを混合し、37℃にて30分間インキュベーションした。次いで、25mMクエン酸溶液1mLを加え反応を停止し、酢酸エチル5mLで抽出した。得られた抽出液について、波長320nmの吸光度(対照液:酢酸エチル)を測定した。上記と同様の酵素反応と吸光度測定を、試料溶液の代わりに試料溶液と等量の緩衝液を添加して行った。さらに、それぞれの場合について、コラゲナーゼ溶液の代わりに緩衝液を添加して同じ操作と測定を行った。
なお、コラゲナーゼ溶液は、コラゲナーゼTypeIV(シグマ社製)を緩衝液1mLに溶解させ、使用時に50倍に希釈したものを使用した。基質溶液には、20nmol/Lの塩化カルシウムを含有するトリス塩酸緩衝液にPz−ペプチド(BACHEM Fenichemikalien AG社製)を濃度が0.5mol/Lになるように溶解して使用した。
以上の測定結果から、下記数式5によりコラゲナーゼ阻害率を算出した。
−コラゲナーゼ阻害試験−
製造例1〜4で得られた抽出物について、下記の試験法によりコラゲナーゼ阻害作用を試験した。
製造例1〜4の各試料溶液(溶媒:トリス塩酸緩衝液)50μL、コラゲナーゼ溶液50μL、及び基質溶液400μLを混合し、37℃にて30分間インキュベーションした。次いで、25mMクエン酸溶液1mLを加え反応を停止し、酢酸エチル5mLで抽出した。得られた抽出液について、波長320nmの吸光度(対照液:酢酸エチル)を測定した。上記と同様の酵素反応と吸光度測定を、試料溶液の代わりに試料溶液と等量の緩衝液を添加して行った。さらに、それぞれの場合について、コラゲナーゼ溶液の代わりに緩衝液を添加して同じ操作と測定を行った。
なお、コラゲナーゼ溶液は、コラゲナーゼTypeIV(シグマ社製)を緩衝液1mLに溶解させ、使用時に50倍に希釈したものを使用した。基質溶液には、20nmol/Lの塩化カルシウムを含有するトリス塩酸緩衝液にPz−ペプチド(BACHEM Fenichemikalien AG社製)を濃度が0.5mol/Lになるように溶解して使用した。
以上の測定結果から、下記数式5によりコラゲナーゼ阻害率を算出した。
<数式5>
コラゲナーゼ阻害率(%)={1−(A−B)/(C−D)}×100
但し、前記数式5中、Aは、酵素添加、試料溶液添加時の吸光度を表す。Bは、酵素無添加、試料溶液添加時の吸光度を表す。Cは、酵素添加、試料溶液無添加時の吸光度を表す。Dは、酵素無添加、試料溶液無添加時の吸光度を表す。
コラゲナーゼ阻害率(%)={1−(A−B)/(C−D)}×100
但し、前記数式5中、Aは、酵素添加、試料溶液添加時の吸光度を表す。Bは、酵素無添加、試料溶液添加時の吸光度を表す。Cは、酵素添加、試料溶液無添加時の吸光度を表す。Dは、酵素無添加、試料溶液無添加時の吸光度を表す。
次に、試料濃度を段階的に減少させて上記阻害率の測定を行い、コラゲナーゼの活性を50%阻害する試料濃度(μg/mL)を内挿法により求めた。その結果は表6のとおりであった。
(実施例6)
−サイクリックAMPホスホジエステラーゼ阻害作用試験−
製造例1〜4で得られた抽出物について、以下のようにしてサイクリックAMPホスホジエステラーゼ阻害作用を試験した。
5mLの塩化マグネシウムを含有するトリス塩酸緩衝液(pH7.5)0.2mLに胎児血清アルブミン溶液0.1mL及びサイクリックAMPホスホジエステラーゼ溶液0.1mLを加え、更に、製造例1〜4の各試料溶液0.05mLを加え、37℃にて5分間インキュベーションした。
次いで、サイクリックAMPホスホジエステラーゼ溶液0.05mLを加え、37℃で60分間インキュベーションした。沸騰浴中で3分間煮沸して反応を停止させ、4℃、3500rpmで遠心分離し、上清中の反応基質である5’−AMPを高速液体クロマトグラフィーにより定量した。
また、試料溶液を添加せずに同様の酵素反応と反応基質の分析を行い、試料無添加時の反応基質量に対する試料添加時の反応基質量の比率より、試料のサイクリックAMPホスホジエステラーゼ阻害率(%)を求めた。
−サイクリックAMPホスホジエステラーゼ阻害作用試験−
製造例1〜4で得られた抽出物について、以下のようにしてサイクリックAMPホスホジエステラーゼ阻害作用を試験した。
5mLの塩化マグネシウムを含有するトリス塩酸緩衝液(pH7.5)0.2mLに胎児血清アルブミン溶液0.1mL及びサイクリックAMPホスホジエステラーゼ溶液0.1mLを加え、更に、製造例1〜4の各試料溶液0.05mLを加え、37℃にて5分間インキュベーションした。
次いで、サイクリックAMPホスホジエステラーゼ溶液0.05mLを加え、37℃で60分間インキュベーションした。沸騰浴中で3分間煮沸して反応を停止させ、4℃、3500rpmで遠心分離し、上清中の反応基質である5’−AMPを高速液体クロマトグラフィーにより定量した。
また、試料溶液を添加せずに同様の酵素反応と反応基質の分析を行い、試料無添加時の反応基質量に対する試料添加時の反応基質量の比率より、試料のサイクリックAMPホスホジエステラーゼ阻害率(%)を求めた。
次に、試料溶液の試料濃度を段階的に減少させて上記の測定を繰り返し、サイクリックAMPホスホジエステラーゼ活性の抑制率が50%になる濃度IC50(μg/mL)を内挿法により求めた(このIC50値が小さいほどサイクリックAMPホスホジエステラーゼ阻害作用が強い)。結果を表7に示す。
(配合実施例1)
下記組成の乳液を常法により製造した。
ホホバオイル 4.0g
オリーブオイル 2.0g
スクワラン 2.0g
セタノール 2.0g
モノステアリン酸グリセリル 2.0g
ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.O) 2.5g
オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O) 2.0g
1,3−ブチレングリコール 3.0g
ヒノキチオール 0.15g
香料 0.05g
ネオベグエア・マハファレンシス水抽出物(製造例1) 0.01g
セドレロプシス・グレベイ80%エタノール抽出物(製造例4) 0.01g
精製水 残部
合計 100g
下記組成の乳液を常法により製造した。
ホホバオイル 4.0g
オリーブオイル 2.0g
スクワラン 2.0g
セタノール 2.0g
モノステアリン酸グリセリル 2.0g
ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.O) 2.5g
オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O) 2.0g
1,3−ブチレングリコール 3.0g
ヒノキチオール 0.15g
香料 0.05g
ネオベグエア・マハファレンシス水抽出物(製造例1) 0.01g
セドレロプシス・グレベイ80%エタノール抽出物(製造例4) 0.01g
精製水 残部
合計 100g
(配合実施例2)
下記組成のクリームを常法により製造した。
流動パラフィン 5.0g
サラシミツロウ 4.0g
セタノール 3.0g
スクワラン 10.0g
ラノリン 2.0g
ステアリン酸 1.0g
オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O) 1.5g
モノステアリン酸グリセリル 3.0g
1,3−ブチレングリコール 6.0g
パラオキシ安息香酸メチル 1.5g
香料 0.1g
ネオベグエア・マハファレンシス80%エタノール抽出物(製造例2) 0.01g
セドレロプシス・グレベイ水抽出物(製造例3) 0.01g
精製水 残部
合計 100g
下記組成のクリームを常法により製造した。
流動パラフィン 5.0g
サラシミツロウ 4.0g
セタノール 3.0g
スクワラン 10.0g
ラノリン 2.0g
ステアリン酸 1.0g
オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O) 1.5g
モノステアリン酸グリセリル 3.0g
1,3−ブチレングリコール 6.0g
パラオキシ安息香酸メチル 1.5g
香料 0.1g
ネオベグエア・マハファレンシス80%エタノール抽出物(製造例2) 0.01g
セドレロプシス・グレベイ水抽出物(製造例3) 0.01g
精製水 残部
合計 100g
(配合実施例3)
下記組成のパックを常法により製造した。
ポリビニルアルコール 15g
ポリエチレングリコール 3g
プロピレングリコール 7g
エタノール 10g
パラオキシ安息香酸エチル 0.05g
香料 0.05g
ネオベグエア・マハファレンシス水抽出物(製造例1) 0.05g
セドレロプシス・グレベイ80%エタノール抽出物(製造例4) 0.05g
精製水 残部
合計 100g
下記組成のパックを常法により製造した。
ポリビニルアルコール 15g
ポリエチレングリコール 3g
プロピレングリコール 7g
エタノール 10g
パラオキシ安息香酸エチル 0.05g
香料 0.05g
ネオベグエア・マハファレンシス水抽出物(製造例1) 0.05g
セドレロプシス・グレベイ80%エタノール抽出物(製造例4) 0.05g
精製水 残部
合計 100g
本発明の抗酸化剤は、活性酸素消去作用や生体内ラジカル消去作用による生体成分の酸化の防止を通じて、皮膚のしわの形成や弾力性低下等の老化現象を効果的に予防・治療することができる。
また、本発明の抗老化剤は、コラゲナーゼ阻害作用を通じて、皮膚のしわの形成や弾力性低下等の老化現象を効果的に予防・治療することができる。
また、本発明の抗炎症剤は、サイクリックAMPホスホジエステラーゼ阻害作用を通して、これらの関与する炎症を効果的に予防又は改善することができる。
また、本発明の皮膚化粧料は、皮膚に適用した場合の使用感と安全性に優れ本発明の前記抗酸化剤、前記抗老化剤及び前記抗炎症剤を配合しているので、炎症性疾患や皮膚の老化を防止及び/又は改善するのに有用である。
また、本発明の抗老化剤は、コラゲナーゼ阻害作用を通じて、皮膚のしわの形成や弾力性低下等の老化現象を効果的に予防・治療することができる。
また、本発明の抗炎症剤は、サイクリックAMPホスホジエステラーゼ阻害作用を通して、これらの関与する炎症を効果的に予防又は改善することができる。
また、本発明の皮膚化粧料は、皮膚に適用した場合の使用感と安全性に優れ本発明の前記抗酸化剤、前記抗老化剤及び前記抗炎症剤を配合しているので、炎症性疾患や皮膚の老化を防止及び/又は改善するのに有用である。
Claims (7)
- ネオベグエア・マハファレンシス(Neobeguea mahafalensis)の抽出物及びセドレロプシス・グレベイ(Cedrelopsis grevei)の抽出物の少なくともいずれかを含むことを特徴とする抗酸化剤。
- 活性酸素消去作用及びラジカル消去作用の少なくともいずれかを有する請求項1に記載の抗酸化剤。
- ネオベグエア・マハファレンシス(Neobeguea mahafalensis)の抽出物及びセドレロプシス・グレベイ(Cedrelopsis grevei)の抽出物の少なくともいずれかを含むことを特徴とする抗老化剤。
- コラゲナーゼ阻害作用を有する請求項3に記載の抗老化剤。
- ネオベグエア・マハファレンシス(Neobeguea mahafalensis)の抽出物及びセドレロプシス・グレベイ(Cedrelopsis grevei)の抽出物の少なくともいずれかを含むことを特徴とする抗炎症剤。
- サイクリックAMPホスホジエステラーゼ阻害作用を有する請求項5に記載の抗炎症剤。
- 請求項1から2のいずれかに記載の抗酸化剤、請求項3から4のいずれかに記載の抗老化剤及び請求項5から6のいずれかに記載の抗炎症剤の少なくともいずれかを含有することを特徴とする皮膚化粧料。
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