JP2000212058A - 皮膚化粧料、活性酸素消去剤、エラスタ―ゼ阻害剤およびコラゲナ―ゼ阻害剤 - Google Patents

皮膚化粧料、活性酸素消去剤、エラスタ―ゼ阻害剤およびコラゲナ―ゼ阻害剤

Info

Publication number
JP2000212058A
JP2000212058A JP11051338A JP5133899A JP2000212058A JP 2000212058 A JP2000212058 A JP 2000212058A JP 11051338 A JP11051338 A JP 11051338A JP 5133899 A JP5133899 A JP 5133899A JP 2000212058 A JP2000212058 A JP 2000212058A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
skin
extract
rhizome
cosmetic
collagenase
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11051338A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000212058A5 (ja
Inventor
Susumu Yamamoto
進 山本
Toshimitsu Kanbara
敏光 神原
Akinori Kiso
昭典 木曽
Enyou Shiyuu
艶陽 周
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Maruzen Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Maruzen Pharmaceutical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Maruzen Pharmaceutical Co Ltd filed Critical Maruzen Pharmaceutical Co Ltd
Priority to JP11051338A priority Critical patent/JP2000212058A/ja
Publication of JP2000212058A publication Critical patent/JP2000212058A/ja
Publication of JP2000212058A5 publication Critical patent/JP2000212058A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 活性酸素種消去作用、エラスターゼ阻害作
用、コラゲナーゼ阻害作用等を有する植物体抽出物を配
合して皮膚の老化を予防・改善する作用を付与した多機
能皮膚化粧料を提供する。 【解決手段】 水、メタノール、エタノール、プロパノ
ール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン、プロ
ピレングリコールまたはこれらの混合物からなる群から
選ばれた溶媒を用いてフユベゴニアの根茎部を抽出処理
して得られる抽出物を利用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、皮膚の荒れ、シ
ワ、タルミ等を予防または改善する作用を有する皮膚化
粧料、および、化粧料構成成分として好適な活性酸素消
去剤、エラスターゼ阻害剤およびコラゲナーゼ阻害剤に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】皮膚は紫外線等の環境因子の刺激を直接
受けるため活性酸素が発生しやすい器官であるから、活
性酸素濃度の上昇に起因する障害を起こすことが多い。
すなわち、炎症を起こしたり紫外線を受けたりした皮膚
では多量のスーパーオキサイド(O )が生成し、そ
れはSOD(スーパーオキサイドジスムターゼ)等の作
用で過酸化水素(H)となるが、さらにヒドロキ
シラジカル(HO・)、一重項酸素()等に逐次
変化する。また、皮膚のハリや弾力性の維持に重要な役
割を果たしているエラスチンやコラーゲンの架橋と断片
化を起こさせることで皮膚の弾力性を低下させ、シワや
タルミを生じさせる。過剰の活性酸素種はまた皮膚脂質
のスクワランや細胞膜脂質を酸化することにより細胞の
働きを低下させ、シワ、タルミ、肌荒れ等を増悪させ
る。
【0003】これら活性酸素種による酸化障害は、通常
はSOD、カタラーゼ、グルタチオン、パーオキシダー
ゼ等の活性酸素消去作用により活性酸素種が低濃度に維
持されることによって回避されているが、活性酸素の生
成量が多い場合にその一部が消去しきれずに残ると、上
述のような障害が起こる。
【0004】活性酸素種の発生原因となる紫外線はまた
エラスチンに特異的に作用するエラスターゼやコラーゲ
ンに作用するコラゲナーゼの働きを活性化し、それによ
りエラスチンやコラーゲンの分解を促進して皮膚のハリ
や弾力を衰えさせる。エラスターゼやコラゲナーゼの作
用は加齢によっても活発化して同様の結果を招く。
【0005】そこで、皮膚老化の予防と改善のために使
用する目的で活性酸素種消去作用、エラスターゼ阻害作
用、コラゲナーゼ阻害作用等を有する物質の探索が行わ
れ、活性酸素種消去に関してはグルタチオン、ビタミン
C、同E、同B、ブチルヒドロキシトルエン、ブチル
ヒドロキシアニリン等が有効であることが確認された
が、いずれも皮膚化粧料に配合した場合の安定性と安全
性に難があった。
【0006】近年は安全性の点で有利な天然物から活性
酸素消去作用を有する物質を得ようとする試みが広く行
われ、その結果、可能性あるものとしてウワミズザクラ
のプルヌソールA、ユーカリ等のエラグ酸、大麦、黒
米、黒インゲン等の穀類のフラボノイド類、茶のカテキ
ン、ゴマのセサミン類、セージ、ローズマリー等のハー
ブ類に含まれるカルノソールやロズマノール等が見いだ
されたが、概して効果が少なく、比較的有効なものも、
原料植物体からの収量が極端に少なく実用困難;皮膚を
刺激する性質がある;化粧料に配合した場合の溶解性や
安定性が悪い;などの問題点があって、満足できるもの
はなかった。
【0007】また、エラスターゼ阻害に関してはイジ
ュ、ユーカリ、コミカンソウ等の抽出物が有効であるこ
とが確認された(特開平9−95420,同9−871
37,同9−87136)。しかしながら、これらの抽
出物は安定性や使用感に難があり、必ずしも満足できる
ものではなかった。コラゲナーゼ阻害に関してはメリッ
サ、ノイバラ、ザクロ等の抽出物が有効とされている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の目的
は、活性酸素種消去作用、エラスターゼ阻害作用、コラ
ゲナーゼ阻害作用等、皮膚老化の予防と改善に有効な作
用を有し、且つ入手容易な植物体から好収率で得られ、
しかも皮膚化粧料構成成分としての適性も備えた物質を
見いだし、それを配合することにより皮膚の老化を予防
・改善する作用を付与した多機能皮膚化粧料を提供する
ことにある。
【0009】本発明のさらに別の目的は、各種皮膚外用
剤の構成成分として好適な活性酸素消去剤、エラスター
ゼ阻害剤およびコラゲナーゼ阻害剤を提供することにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すること
に成功した本発明の皮膚化粧料は、メタノール、エタノ
ール、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコ
ール等の親水性有機溶媒、水、またはこれらの混合物を
抽出溶媒とする抽出によりフユベゴニアの根茎部より得
られた抽出物を含有させてなるものである。
【0011】また、本発明による活性酸素消去剤、エラ
スターゼ阻害剤およびコラゲナーゼ阻害剤は、いずれも
フユベゴニアの根茎部より抽出された活性物質を有効成
分とするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】フユベゴニア(学名:Berge
nia ciliata)はアフガニスタン、パキスタ
ン等に自生するユキノシタ科の常緑多年草である。この
植物の根茎部は、収斂、抗壊血病作用があり、下痢、脾
臓拡張、腎臓や肺の疾患に対する薬になることが知られ
ている。しかし、その利用は民間療法的なものであり、
有効成分やその薬理作用の詳細は解明されていない。フ
ユベゴニアの根茎部に活性酸素種種消去作用、エラスタ
ーゼ阻害作用、コラゲナーゼ阻害作用等を有する物質が
含まれていることも、もちろん知られていなかった。
【0013】フユベゴニアの根茎部から抽出され活性酸
素種消去作用等の有用作用を示す物質は、化学構造まで
は確認されていないが、水溶性であり、また多くの化粧
料に配合しても安定であり、さらに経皮的に人体内によ
く吸収される性質のものである。しかも、皮膚に塗布し
ても皮膚を刺激したり炎症を起こさせたりすることがな
い。したがって、皮膚化粧料に配合してその有用作用を
活用するのにきわめて好都合な性質を備えている。
【0014】フユベゴニアの根茎部から上記有用作用を
示す物質を抽出するには各種の親水性有機溶媒、水、ま
たはこれらの混合物を使用することができるが、特に好
ましい抽出溶媒はメタノール、エタノール、1,3−ブ
チレングリコール、プロピレングリコール、水、または
これらの混合物である。
【0015】抽出処理に付するフユベゴニアの根茎部
は、生のものでも乾燥物でも差し支えない。抽出原料
は、あらかじめヘキサン等の非極性溶媒を用いて脂質を
抽出しておくと、有用成分を効率よく抽出することがで
きる。
【0016】抽出条件および抽出に用いる装置は特に限
定されないが、好適には重量比で5〜15倍量の抽出溶
媒にフユベゴニアの根茎部を浸漬し、常温ないし100
℃程度の加熱下にゆるやかに撹拌しながら可溶性成分を
溶出させる。濾過または遠心分離して得られた抽出液か
ら溶媒を留去するとペースト状の濃縮物が得られ、さら
に乾燥すれば、固形の抽出物が得られるが、本発明の化
粧料に配合するフユベゴニア根茎部抽出物は固形の抽出
物である必要はなく、上記抽出液またはその濃縮液の状
態のものであってもよい。これらはそのまま本発明の皮
膚化粧料構成成分として使用することができるが、本発
明の目的達成を妨げない限り、活性炭処理、吸着樹脂処
理、イオン交換樹脂処理、液−液向流分配等の方法によ
り精製してから用いてもよい。
【0017】皮膚化粧料に対するフユベゴニア根茎部抽
出物の好適配合率は皮膚化粧料の種類によっても異なる
が、おおむね0.001〜10重量%(特に好ましくは
0.05〜2重量%)である。
【0018】本発明による皮膚化粧料の代表的な形態と
しては、軟膏、クリーム、乳液、ローション、パック、
入浴剤等があるが、これらに限定されるわけではない。
【0019】フユベゴニア根茎部抽出物を配合すること
によって他の皮膚化粧料構成成分の選択が制限されるこ
とはなく、たとえばアボガド油、コメヌカ油、コメ胚芽
油、ラノリン、スクワラン等の油性成分;グリセリン、
1,3−ブチレングリコール、コラーゲン、ヒアルロン
酸およびその塩、コンドロイチン硫酸およびその塩、キ
トサン、キチン等の保湿剤;グリセロリン脂質、スフィ
ンゴ脂質、グリセロ糖脂質、スフィンゴ糖脂質等の複合
脂質;SOD、カタラーゼ、β−カロチン、イチョウ葉
抽出物、ビタミンCおよびその誘導体、ビタミンEおよ
びその誘導体、オウゴン抽出物、クジン抽出物等の活性
酸素消去作用物質;グアイアズレン、カマアズレンおよ
びその誘導体;グリチルリチン酸、グリチルレチン酸お
よびその塩、グリチルレチン酸誘導体、酸化亜鉛等の抗
炎症剤;その他各種植物抽出物、増粘剤、防腐剤、紫外
線吸収剤、香料、酸化防止剤、水、アルコール等、皮膚
化粧料製造に通常使用される成分を任意に配合すること
ができる。
【0020】フユベゴニア根茎部抽出物またはそれを適
宜精製したものは、そのまま、あるいは他の活性物質や
成形助剤と共に、任意の剤形の活性酸素消去剤、エラス
ターゼ阻害剤またはコラゲナーゼ阻害剤とすることがで
きる。
【0021】
【実施例】抽出例1 乾燥したフユベゴニアの根茎部の粗砕物1kgを水10
リットルに投入し、還流加熱下に5時間抽出した。その
後、濾過して得られた抽出液を減圧下に濃縮してペース
ト状物を得、それを凍結乾燥して粉末状抽出物225g
を得た。
【0022】抽出例2 乾燥したフユベゴニアの根茎部の粗砕物1kgを80重
量%エタノール10リットルに投入し、還流加熱下に5
時間抽出した。その後、濾過して得られた抽出液を減圧
下に濃縮してペースト状物を得、それを凍結乾燥して粉
末状抽出物208gを得た。
【0023】抽出例3 乾燥したフユベゴニアの根茎部の粗砕物1kgをn−ヘ
キサン抽出に付して脂質を抽出、除去し、残渣を減圧下
に乾燥したのちエタノール10リットルに投入し、室温
で10時間抽出した。得られた抽出液を減圧下に濃縮し
てペースト状物を得、それを凍結乾燥して、粉末状抽出
物142gを得た。
【0024】抽出例4 乾燥したフユベゴニアの根茎部の粗砕物1kgを50重
量%1,3−ブチレングリコール7リットルに投入し、
95℃で5時間抽出した。冷却後、濾過して得られた濾
液を5℃に5日間静置し、生じたオリや沈殿をケイソウ
土濾過により除去し、澄明な抽出液(固形分濃度10.
9重量%)4.4リットルを得た。
【0025】抽出例5 フユベゴニアの生根茎部粗砕物1kgをエタノール10
リットルに投入し、還流加熱下に5時間抽出した。得ら
れた抽出液を減圧下に濃縮してペースト状物を得、それ
を凍結乾燥して、粉末状抽出物28gを得た。
【0026】抽出例6 乾燥したフユベゴニアの枝の粗砕物1kgを1,3−ブ
チレングリコール7リットルに投入し、95℃で5時間
抽出した。冷却後、濾過して得られた濾液を5℃に5日
間静置し、生じたオリや沈殿をケイソウ土濾過により除
去し、澄明な抽出液(固形分濃度12.8重量%)4.
9リットルを得た。
【0027】試験例1 上記各例で得られたフユベゴニア根茎部抽出物につい
て、スーパーオキサイド消去作用、一重項酸素消去作
用、およびDPPH(ジフェニルピクリルヒドロラジカ
ル)に対するラジカル消去作用を試験した。試験法は次
のとおりである。
【0028】スーパーオキサイド消去作用(NBT
法):3mMキサンチン、0.05MNaCO緩衝
液(pH10.2)、3mM EDTA、BSA溶液お
よび0.75mM NBT0.1mlを試験管にとり、
これに試料溶液0.1mlを添加し、25℃で10分間
放置する。次いでキサンチンオキシダーゼ溶液を加えて
素早く撹拌し、25℃で20分間静置する。その後6m
M塩化銅を加えて反応を停止させ、560nmにおける
吸光度を測定する。同様の操作と吸光度測定を、酵素溶
液を添加せずに行う。さらに、試料溶液を添加せずに蒸
留水を添加した場合についても同様の測定を行い、次式
によりスーパーオキサイド消去率を求める。
【0029】消去率(%)=〔1−(St−So)/
(Bt−Bo)〕×100 但し St:試料溶液添加,酵素溶液添加時の吸光度 So:試料溶液添加,酵素溶液無添加時の吸光度 Bt:試料溶液無添加,酵素溶液添加時の吸光度 Bo:試料溶液無添加,酵素溶液無添加時の吸光度
【0030】試料溶液の試料濃度を段階的に変更して上
記抑制率の測定を行い、活性酸素産生の抑制率が50%
になる試料溶液の濃度を内挿法により求める。
【0031】一重項酸素消去作用:容積10mlの透明
ガラス瓶中で2%赤血球懸濁液5ml、試料を所定濃度
で含むpH7.4の等張リン酸緩衝液5ml、および光
増感剤(10mMヘマトポルフィリン−20mM水酸化
ナトリウム溶液)0.01mlを混合する。得られた溶
液をメリーゴーランド上、7.5Wハロゲンランプで3
5分間均一に照射してを発生させ、赤血球の溶血
を生じさせる。この反応溶液1mlを採取し、等張リン
酸緩衝液2mlを加えて混合後、4℃で3000rpm
・5分間の遠心分離を行う。次いで上清を採取し、波長
540nmの吸光度を測定する。別に、赤血球を一部溶
血させた上記反応溶液1mlをとり、これに蒸留水2m
lを加えて完全に溶血させたものを対照液とし、同様に
吸光度測定を行う。測定された吸光度より次式により一
重項酸素消去率を求める。
【0032】 一重項酸素消去率(%)=(1−B/A)×100 但し A:対照液の吸光度 B:反応溶液上清の吸光度 試料溶液の試料濃度を段階的に変更して上記消去率の測
定を行い、一重項酸素の消去率が50%になる試料溶液
の濃度を内挿法により求める。
【0033】DPPHに対するラジカル消去作用:1.
5×10−4M DPPHメタノール溶液3mlに試料
溶液3mlを加え、直ちに容器を密栓して振り混ぜ、3
0分間静置する。その後、520nmの吸光度を測定す
る。対照試験として、試料溶液の代わりにその溶媒を用
いて同様に操作し、520nmの吸光度を測定する。ま
た、空試験として、メタノールに試料溶液3mlを加え
たのち直ちに520nmの吸光度を測定する。測定され
た各吸光度より、次式によりラジカル消去率を算出す
る。
【0034】 消去率(%)=〔1−(B−C)/A〕×100 但し A:対照試験の吸光度 B:試料溶液を添加した場合の吸光度 C:空試験の吸光度
【0035】試料溶液の試料濃度を段階的に変更して上
記消去率の測定を行い、DPPHラジカルの消去率が5
0%になる試料溶液の濃度を内挿法により求める。
【0036】試験結果を表1に示す。なお、抽出例4お
よび抽出例6による抽出液については一部を濃縮、乾燥
して調製した試験用の乾燥試料を用いて試験した(後記
試験例2,3においても同じ)。
【0037】
【表1】
【0038】試験例2 前記抽出例で得られたフユベゴニア根茎部抽出物につい
て、下記の方法でエラスターゼ活性阻害作用を試験し
た。
【0039】試験法:96穴マイクロプレートを用意
し、1穴に対して試料溶液(溶媒:DMSO+水)50
μlおよびエラスターゼ溶液50μlを添加し、さらに
基質溶液100μlを添加し混合する。25℃で50分
間反応させた後、波長415nmの吸光度を測定する。
上記と同様の酵素反応と吸光度測定を、試料溶液の代わ
りに試料溶液と等量の溶媒のみを添加して行う。さら
に、それぞれの場合について、エラスターゼ溶液の代わ
りにその溶媒の緩衝液を添加して同じ操作と測定を行
う。 (エラスターゼ溶液はシグマ社・エラスターゼT
ypeIIIをpH8のトリス塩酸緩1mlに溶解し使
用時に250倍に希釈したものを使用する。基質溶液に
は、シグマ社のN−SUCCINYL−ALA−ALA
−ALA−p−NITROANILIDEをDMSOに
溶解した濃度45.14mg/mlの溶液をトリス塩酸
緩衝液で100倍に希釈して使用する。)
【0040】測定結果より、下記の式によりエラスター
ゼ阻害率を算出する。 エラスターゼ阻害率(%)=〔1−(A−B)/(C−
D)〕×100 但し A:試料溶液添加,酵素添加時の吸光度 B:試料溶液添加,酵素無添加時の吸光度 C:試料無添加,酵素添加時の吸光度 D:試料無添加,酵素無添加時の吸光度 試料溶液の濃度を種々変更して上記阻害率の測定を行
い、エラスターゼの活性を50%阻害する試料溶液濃度
を内挿法により求める。試験結果を表2に示す。
【0041】
【表2】 エラスターゼ阻害作用 抽出物 50%阻害濃度(ppm) 抽出例1 4.5 抽出例2 5.0 抽出例4 8.6 抽出例5 8.6 抽出例6 9.8
【0042】試験例3 前記抽出例で得られたフユベゴニア根茎部抽出物につい
て、下記の方法でコラゲナーゼ活性阻害作用を試験し
た。
【0043】試験法:試料溶液(溶媒:トリス塩酸緩衝
液)50μl、コラゲナーゼ溶液50μlおよび基質溶
液400μlを混合し、37℃で30分間インキュベー
ションする。次いで25mMクエン酸溶液1mlで反応
を停止し、酢酸エチル5mlで抽出する。得られた抽出
液について、波長320nmの吸光度(対照液:酢酸エ
チル)を測定する。上記と同様の酵素反応と吸光度測定
を、試料溶液の代わりに試料溶液と等量の蒸留水を添加
して行う。さらに、それぞれの場合について、コラゲナ
ーゼ溶液の代わりに蒸留水を添加して同じ操作と測定を
行う。
【0044】(コラゲナーゼ溶液はシグマ社のコラゲナ
ーゼTypeIVを蒸留水1mlに溶解させ、使用時に
50倍に希釈したものを使用する。基質溶液には、20
mMの塩化カルシウムを含有するトリス塩酸緩衝液にB
ACHEM Fenichemikalien AG社
Pz−ペプチドを濃度が0.5Mになるように溶解して
使用する。)
【0045】測定結果より、下記の式によりコラゲナー
ゼ阻害率を算出する。 コラゲナーゼ阻害率(%)=〔1−(A−B)/(C−
D)〕×100 但し A:試料溶液添加,酵素添加時の吸光度 B:試料溶液添加,酵素無添加時の吸光度 C:試料無添加,酵素添加時の吸光度 D:試料無添加,酵素無添加時の吸光度
【0046】試料溶液の濃度を種々変更して上記阻害率
の測定を行い、コラゲナーゼの活性を50%阻害する試
料溶液濃度を内挿法により求める。試験結果を表3に示
す。
【0047】
【表3】 コラゲナーゼ阻害作用 抽出物 50%阻害濃度(ppm) 抽出例1 15.4 抽出例2 19.0 抽出例4 28.5 抽出例5 22.6 抽出例6 30.2
【0048】実施例1 抽出例2で得られたフユベゴニア根茎部抽出物を配合し
た下記組成の乳液を乳液製造の常法に従い製造した。
【0049】 フユベゴニア根茎部抽出物 0.5g セチルアルコール 0.5g ミツロウ 2g オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O)1g グリセリンモノステアリン酸エステル 1g ヒアルロン酸ナトリウム 0.1g プロピレングリコール 5g エタノール 3g エチルパラベン 0.3g 香料 0.03g 精製水 残部(全量を100mlとする)
【0050】上記乳液、およびフユベゴニア根茎部抽出
物を配合しないほかは上記と同じ原料から同様にして製
造された比較例乳液について、下記の塗布試験を行なっ
た。
【0051】被験者:19〜45歳の女性多数の中か
ら、下記判定1の評価基準で評価1または2に当たる肌
荒れと判定された者25名を選抜して被験者とした。
【0052】塗布試験:各被験者に、顔の左半分に実施
例1の乳液を、右半分には比較例乳液を、朝夕各1回、
30日間塗布させた。
【0053】〔判定1・荒れ肌改善効果〕塗布試験終了
後、シルフロ(FLEXICL DEVELOPMEN
TS LTD製)によるレプリカ法を用いて顔の肌のレ
プリカをとり、50倍のマイクロスコープで皮紋の状態
および角質剥離状態を観察し、下記評価基準で肌の状態
を判定した。
【0054】 評点 評価 1 角層の剥離が非常に多い。皮溝・皮丘が消失している。(肌荒れ状態) 2 角層の剥離が多い。皮溝・皮丘が明瞭でない。(肌荒れ状態) 3 角層が若干剥離している。皮溝・皮丘は認められるが平坦。(普通肌) 4 角層の剥離が僅かに認められる。皮溝・皮丘が鮮明。(比較的美しい肌) 5 角層の剥離が殆ど無い。皮溝・皮丘が鮮明で整っている。(美しい肌)
【0055】試験結果を表4に示す。実施例乳液を塗布
した部分は比較例乳液を塗布した部分に比べて顕著に肌
荒れが改善されていた。
【0056】
【表4】
【0057】〔判定2・くすみ改善効果〕乳液塗布開始
前と塗布終了後の肌について、くすみの指標となるメラ
ニン量およびエリスマ量をメグサメーター(日本ユーロ
テック社製)により測定し、30日間の塗布によるメラ
ニン量およびエリスマ量の低下率から下記の評価基準で
くすみ改善効果を判定した。
【0058】
【0059】結果を表5に示す。実施例乳液を塗布した
肌は比較例乳液を塗布した肌に比べてくすみの点でも明
らかに改善されていた。
【0060】
【表5】
【0061】〔判定3・官能評価〕使用感と肌への効果
について、実施例品と比較例品を比較した場合の優劣を
被験者全員に質問した。回答の集計結果は表6のとおり
で、官能評価によっても前記機器による評価結果と合致
する効果と優れた使用感が確認された。
【0062】
【表6】
【0063】実施例2 抽出例2によるフユベゴニア根茎部抽出物を配合した下
記組成のクリームを、クリーム製造の常法に従い製造し
た。 フユベゴニア根茎部抽出物 1.5g セトステアリルアルコール 4g スクワラン 40g ミツロウ 3g 還元ラノリン 5g エチルパラベン 0.3g オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O)2g グリセリンモノステアリン酸エステル 2g 1,3−ブチレングリコール 5g 香料 0.03g グリセリン 5g 精製水 残部(全量を100mlとする)
【0064】実施例3 抽出例3によるフユベゴニア根茎部抽出物を配合した下
記組成の化粧水を、化粧水製造の常法に従い製造した。 フユベゴニア根茎部抽出物 1g グリセリン 4g 1,3−ブチレングリコール 4g エタノール 7g オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O)0.5g メチルパラベン 0.05g クエン酸 0.01g クエン酸ソーダ 0.1g 香料 0.05g 精製水 残部(全量を100mlとする)
【0065】実施例4 抽出例4によるフユベゴニア根茎部抽出液を配合した下
記組成のパックを常法により製造した。 フユベゴニア根茎部抽出液 10g(固形分として0.329g) ポリビニルアルコール 15g ポリエチレングリコール 3g プロピレングリコール 7g エタノール 10g メチルパラベン 0.05g 香料 0.05g 精製水 残部(全量を100mlとする)
【0066】実施例5 抽出例5によるフユベゴニア根茎部抽出物を配合した下
記組成の入浴剤を常法により製造した。 フユベゴニア根茎部抽出物 2g モノラウリン酸ソルビタン 1g オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O)1.5g カルボキシビニルポリマー 0.05g メチルパラベン 0.1g 1,3−ブチレングリコール 10g 変性アルコール 10g 香料 少量 精製水 残部(全量を100mlとする)
【0067】実施例6 抽出例6によるフユベゴニア根茎部抽出液を配合した下
記組成の乳液を製造した。 フユベゴニア根茎部抽出液 10g(固形分として0.067g) セチルアルコール 0.5g ミツロウ 2g オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O) 1g グリセリンモノステアリン酸エステル 1g ヒアルロン酸ナトリウム 0.1g プロピレングリコール 5g エタノール 3g エチルパラベン 0.3g 香料 0.03g 精製水 残部(全量を100mlとする)
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 39/06 A61K 31/00 639C 43/00 643D A61K 35/78 35/78 C (72)発明者 木曽 昭典 広島県尾道市向東町14703−10丸善製薬株 式会社内 (72)発明者 周 艶陽 広島県尾道市向東町14703−10丸善製薬株 式会社内 Fターム(参考) 4C083 AA082 AA111 AA112 AC072 AC102 AC122 AC302 AC422 AC442 AC482 AD112 AD332 AD512 CC02 CC04 CC05 CC07 CC25 DD23 DD31 EE03 4C088 AB12 AC13 BA08 BA09 BA10 CA04 MA17 MA22 MA28 MA63 NA14 ZA89 ZC21

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水、親水性有機溶媒またはこれらの混合
    物を抽出溶媒とする抽出によりフユベゴニアの根茎部よ
    り得られた抽出物を含有することを特徴とする皮膚化粧
    料。
  2. 【請求項2】 水、メタノール、エタノール、1,3−
    ブチレングリコール、プロピレングリコールまたはこれ
    らの混合物を抽出溶媒とする抽出によりフユベゴニアの
    根茎部より得られた抽出物を含有することを特徴とする
    皮膚化粧料。
  3. 【請求項3】 フユベゴニアの根茎部より抽出された活
    性酸素消去作用を有する物質を有効成分とする活性酸素
    消去剤。
  4. 【請求項4】 フユベゴニアの根茎部より抽出されたエ
    ラスターゼ阻害作用を有する物質を有効成分とするエラ
    スターゼ阻害剤。
  5. 【請求項5】 フユベゴニアの根茎部より抽出されたコ
    ラゲナーゼ阻害作用を有する物質を有効成分とするコラ
    ゲナーゼ阻害剤。
JP11051338A 1999-01-22 1999-01-22 皮膚化粧料、活性酸素消去剤、エラスタ―ゼ阻害剤およびコラゲナ―ゼ阻害剤 Pending JP2000212058A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11051338A JP2000212058A (ja) 1999-01-22 1999-01-22 皮膚化粧料、活性酸素消去剤、エラスタ―ゼ阻害剤およびコラゲナ―ゼ阻害剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11051338A JP2000212058A (ja) 1999-01-22 1999-01-22 皮膚化粧料、活性酸素消去剤、エラスタ―ゼ阻害剤およびコラゲナ―ゼ阻害剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000212058A true JP2000212058A (ja) 2000-08-02
JP2000212058A5 JP2000212058A5 (ja) 2005-09-29

Family

ID=12884149

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11051338A Pending JP2000212058A (ja) 1999-01-22 1999-01-22 皮膚化粧料、活性酸素消去剤、エラスタ―ゼ阻害剤およびコラゲナ―ゼ阻害剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000212058A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1220669A1 (en) * 1999-10-13 2002-07-10 Marco A. Chacon Therapeutic intervention to mimic the effect of caloric restriction
JP2003201214A (ja) * 2001-10-23 2003-07-18 Shiseido Co Ltd マトリックスメタロプロテアーゼ活性阻害剤
JP2004507505A (ja) * 2000-08-29 2004-03-11 コグニス・フランス・ソシエテ・アノニム 植物Cassiaalataの抽出物の使用
FR2848450A1 (fr) * 2002-12-16 2004-06-18 Coreana Cosmetics Co Ltd Composition cosmetique destinee a combattre les rides de la peau comprenant de l'extrait de bergenia emeinsis en tant que principe actif
JP2005015364A (ja) * 2003-06-25 2005-01-20 Maruzen Pharmaceut Co Ltd 抗酸化組成物、皮膚老化防止用組成物、抗炎症組成物及び脂質代謝改善用組成物
JP2011020974A (ja) * 2009-07-17 2011-02-03 Pias Arise Kk 皮膚外用組成物
CN113116778A (zh) * 2021-04-16 2021-07-16 广州中草世家化妆品有限公司 一种人参提取液及其制备方法及其应用

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1220669A1 (en) * 1999-10-13 2002-07-10 Marco A. Chacon Therapeutic intervention to mimic the effect of caloric restriction
EP1220669A4 (en) * 1999-10-13 2004-12-08 Marco A Chacon THERAPEUTIC MEASURE TO IMPROVE THE EFFECT OF A CALORY RESTRICTION
US7414077B2 (en) 1999-10-13 2008-08-19 Marco Chacon Therapeutic intervention to mimic the effect of caloric restriction
JP2004507505A (ja) * 2000-08-29 2004-03-11 コグニス・フランス・ソシエテ・アノニム 植物Cassiaalataの抽出物の使用
JP2013121968A (ja) * 2000-08-29 2013-06-20 Basf Beauty Care Solutions France Sas 植物Cassiaalataの抽出物の使用
JP2003201214A (ja) * 2001-10-23 2003-07-18 Shiseido Co Ltd マトリックスメタロプロテアーゼ活性阻害剤
FR2848450A1 (fr) * 2002-12-16 2004-06-18 Coreana Cosmetics Co Ltd Composition cosmetique destinee a combattre les rides de la peau comprenant de l'extrait de bergenia emeinsis en tant que principe actif
JP2005015364A (ja) * 2003-06-25 2005-01-20 Maruzen Pharmaceut Co Ltd 抗酸化組成物、皮膚老化防止用組成物、抗炎症組成物及び脂質代謝改善用組成物
JP4563659B2 (ja) * 2003-06-25 2010-10-13 丸善製薬株式会社 抗酸化組成物、皮膚老化防止用組成物、抗炎症組成物及び脂質代謝改善用組成物
JP2011020974A (ja) * 2009-07-17 2011-02-03 Pias Arise Kk 皮膚外用組成物
CN113116778A (zh) * 2021-04-16 2021-07-16 广州中草世家化妆品有限公司 一种人参提取液及其制备方法及其应用

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2000128765A (ja) 皮膚化粧料
JP2003113068A (ja) 皮膚化粧料
JP3502415B2 (ja) メイラード反応阻害剤
JP2000044485A (ja) 活性酸素種消去剤及び皮膚化粧料
JP2004359640A (ja) コラーゲン産生増強皮膚外用剤
JP4768097B2 (ja) 活性酸素消去剤、血小板凝集抑制剤、皮膚化粧料および浴用剤
JP2003201214A (ja) マトリックスメタロプロテアーゼ活性阻害剤
JP5196416B2 (ja) Limnocitruslittoralis抽出物を含有する化粧料組成物
JP2000212058A (ja) 皮膚化粧料、活性酸素消去剤、エラスタ―ゼ阻害剤およびコラゲナ―ゼ阻害剤
JPH0532556A (ja) 皮膚外用剤
JPH0332524B2 (ja)
JP4413387B2 (ja) コラーゲン産生促進剤、エラスターゼ活性阻害剤、コラゲナーゼ活性阻害剤及び皮膚化粧料
JP2003160497A (ja) 皮膚外用剤
JP2001122763A (ja) 外用組成物
JPH0450288B2 (ja)
JPS5913709A (ja) モイスチヤライザ−
JP3105664B2 (ja) 皮膚外用剤
JP2000239145A (ja) 抗アレルギー剤、美白剤および皮膚化粧料
JP2005213202A (ja) 抗酸化剤、抗老化剤及び抗炎症剤、並びに、皮膚化粧料
JP2021113172A (ja) ペプチジルアルギニンデイミナーゼ1発現促進剤
JP2002068956A (ja) 皮膚化粧料
JP2009221173A (ja) ケラチン状態改善剤
JP2001064145A (ja) 外用組成物
KR102656826B1 (ko) 프리클리페어열매, 서양측백나무잎 및 마돈나백합비늘줄기의 혼합 추출물을 함유하는 피부 보습용 화장료 조성물
JPH09263526A (ja) イヌカタヒバ有機溶媒抽出物を含有する化粧料組成物および医薬組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050510

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050510

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20050510

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060421

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060509

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060705

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20061219