JP2003095970A - 皮膚化粧料および飲食品 - Google Patents

皮膚化粧料および飲食品

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 天然物の中から抗炎症作用、抗酸化作用また
は抗老化作用を有するものを見いだし、それを有効成分
として含有する抗炎症剤、抗酸化剤および抗老化剤、並
びにそれを配合した皮膚化粧料および飲食品を提供す
る。 【解決手段】 五指毛桃からの抽出物を、抗炎症剤、抗
酸化剤または抗老化剤の有効成分として含有するととも
に皮膚化粧料および飲食品に配合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は植物抽出物を有効成
分とする抗炎症剤、抗酸化剤および抗老化剤、並びに植
物抽出物を配合した皮膚化粧料および飲食品に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】炎症性の疾患、例えば接触性皮膚炎(か
ぶれ)、乾癬、尋常性天疱瘡、その他肌荒れを伴う各種
皮膚疾患等の原因や発症機構は多種多様であるが、その
原因としてサイクリックAMPホスホジエステラーゼによ
る血小板凝集によるものが知られている。また、脂肪の
代謝促進に関与しているサイクリックAMPを分解する酵
素、サイクリックAMPホスホジエステラーゼの作用を抑
制することで、細胞内サイクリックAMPの濃度が上昇し
て脂肪代謝が活発になり、肥満が解消されることが知ら
れている。
【0003】血小板凝集は、アラキドン酸カスケードの
ホスホリパーゼA2の活性化を招き、それにより放出され
たロイコトリエンB4やプロスタグランジンE2等が炎症反
応を引き起こす。このため、血小板の凝集を阻害・抑制
する物質によりアレルギー性疾患や炎症性疾患を予防・
治療する試みがなされており、そのような血小板凝集阻
害物質として、アスピリン、チクロピジン、スルフィピ
ラゾン等が用いられてきた。しかしながら、これらの物
質はいずれも副作用があり、安全性の点で問題となって
いた。
【0004】また、血小板の凝集は血小板中のサイクリ
ックAMPの濃度と関係があり、サイクリックAMPホスホジ
エステラーゼによってサイクリックAMPが分解されてサ
イクリックAMPの濃度が低下すると、血小板は凝集しや
すくなる。従って、サイクリックAMPホスホジエステラ
ーゼの作用を抑制してサイクリックAMP濃度の低下を防
止すれば、血小板凝集を防止できるものと考えられる。
【0005】一方、近年、特に生体成分を酸化させる要
因として、活性酸素が注目されており、その生体への悪
影響が問題となっている。活性酸素は、生体細胞内のエ
ネルギー代謝過程で生じるものであり、スーパーオキサ
イド(即ち酸素分子の一電子還元で生じるスーパーオキ
シドアニオン(・O2-)、過酸化水素(H2O2)、一重項
酸素(O2)、ヒドロキシラジカル(・OH)等がある。
これら活性酸素は食細胞の殺菌機構にとって必須であり
ウイルスや癌細胞の除去に重要な働きを果たしている
が、活性酸素の過剰な生成は生体内の膜や組織を構成す
る生体内分子を攻撃し、各種疾患を誘発する。例えば、
活性酸素は、コラーゲン等の生体組織を分解、変性ある
いは架橋したり、油脂類を酸化して細胞に障害を与える
過酸化脂質を生成したりすると考えられており、活性酸
素によって引き起こされるこれらの障害が、皮膚のしわ
形成や皮膚の弾力性低下等の老化の原因になるものと考
えられている。
【0006】皮膚のしわ形成や皮膚の弾力性低下等の老
化の原因としては、活性酸素以外にも種々の原因が考え
られる。すなわち、皮膚の真皮・表皮は、表皮細胞、線
維芽細胞およびこれらの細胞の外にあって皮膚構造を支
持するエラスチン、コラーゲン等の細胞外マトリックス
によって構成されており、若い皮膚においてはこれらの
皮膚組織の相互作用が恒常性を保つことにより水分保
持、柔軟性、弾力性等が確保され、肌は外見的にも張り
や艶があってみずみずしい状態に維持される。ところ
が、紫外線、空気の著しい乾燥、過度の皮膚洗浄等、あ
る種の外的因子の影響があったり加齢が進んだりする
と、細胞外マトリックスの主要構成成分であるコラーゲ
ンの産生量が減少し、架橋による弾性低下を起こす。そ
の結果、皮膚は保湿機能や弾力性が低下し、角質は異常
剥離を始めるから、肌は張りや艶を失い、荒れ、シワ、
くすみ等の老化症状を呈するようになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】炎症反応を阻害・抑制
し、炎症性疾患を予防・治療するには、その原因となる
サイクリックAMPホスホジエステラーゼによるサイクリ
ックAMPの分解等を阻害・抑制することが有用であると
考えられる。
【0008】また、活性酸素や生体内ラジカルの発生の
阻害・抑制により、過酸化脂質の生成の抑制等を通じて
皮膚のしわの形成や弾力性低下等の皮膚の老化を予防・
治療できるものと考えられる。
【0009】さらに、コラーゲン産生の促進を通じた細
胞外マトリックスのコントロールにより、皮膚のしわの
形成や弾力性低下等の皮膚の老化を予防・治療できるも
のと考えられる。
【0010】そこで、本発明は、第一に、天然物の中か
らサイクリックAMPホスホジエステラーゼ阻害作用を有
するものを見いだし、それを有効成分とした抗炎症剤を
提供することを目的とする。
【0011】また、本発明は、第二に、天然物の中から
活性酸素消去作用および/またはラジカル消去作用を有
するものを見いだし、それを有効成分とした抗酸化剤を
提供することを目的とする。
【0012】さらに、本発明は、第三に、天然物の中か
らコラーゲン産生促進作用を有するものを見いだし、そ
れを有効成分とした抗老化剤を提供することを目的とす
る。
【0013】さらに、本発明は、第四に、天然物の中か
ら抗炎症作用、抗酸化作用または抗老化作用を有するも
のを見いだし、それを配合した皮膚化粧料を提供するこ
とを目的とする。
【0014】さらに、本発明は、第五に、天然物の中か
ら抗炎症作用、抗酸化作用または抗老化作用を有するも
のを見いだし、それを配合した飲食品を提供することを
目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、五指毛桃からの抽出物を有効成分として
含有することを特徴とする抗炎症剤、抗酸化剤または抗
老化剤を提供するとともに、五指毛桃からの抽出物を配
合したことを特徴とする皮膚化粧料または飲食品を提供
する。
【0016】本発明の抗炎症剤において、前記抽出物
が、サイクリックAMPホスホジエステラーゼ阻害作用を
有することが好ましい。また、本発明の抗酸化剤におい
て、前記抽出物が、活性酸素消去作用および/またはラ
ジカル消去作用を有することが好ましい。また、本発明
の抗老化剤において、前記抽出物が、コラーゲン産生促
進作用を有することが好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明において、「五指毛桃からの抽出物」に
は、五指毛桃を抽出原料として得られる抽出液、該抽出
液の希釈液もしくは濃縮液、該抽出液を乾燥して得られ
る乾燥物、またはこれらの粗精製物もしくは精製物のい
ずれもが含まれる。
【0018】抽出原料として用いる植物は、五指毛桃
(Ficus simplicissima Lour.)である。五指毛桃は、
別名ソヨウヨウ(粗葉榕)とも呼ばれるクワ科に属する
低木または亜高木であって、中国南部、南西部等に分布
している。なお、五指毛桃の根は、慢性気管支炎、肺結
核、関節リウマチ等に応用されていたが、抗炎症作用、
抗酸化作用および抗老化作用を有することはこれまで知
られていなかった。
【0019】抽出原料として用いる植物の構成部位は特
に限定されるものではなく、例えば、葉部、樹皮、枝部
等の地上部、根部、花部、果実等の構成部位を抽出原料
として用いることができるが、これらのうち特に根部を
抽出原料として用いることが好ましい。
【0020】五指毛桃からの抽出物に含有される抗炎症
物質、抗酸化物質または抗老化物質の詳細は不明である
が、植物の抽出に一般に用いられている抽出方法によっ
て、五指毛桃から抗炎症作用、抗酸化作用または抗老化
作用を有する抽出物を得ることができる。例えば、抽出
原料を乾燥した後、そのまま、または粗砕機を用いて粉
砕し、抽出溶媒による抽出に供することにより得ること
ができる。この際、抽出原料の乾燥は天日で行ってもよ
いし、通常使用される乾燥機を用いて行ってもよい。ま
た、五指毛桃は、ヘキサン、ベンゼン等の非極性溶媒に
よって脱脂等の前処理を施してから抽出原料として使用
してもよい。脱脂等の前処理を行うことにより、五指毛
桃からの極性溶媒による抽出処理を効率よく行うことが
できる。
【0021】抽出溶媒としては、水若しくは親水性有機
溶媒またはこれらの混合液を室温または溶媒の沸点以下
の温度で用いることが好ましい。
【0022】抽出溶媒として使用し得る水としては、純
水、水道水、井戸水、鉱泉水、鉱水、温泉水、湧水、淡
水等の他、これらに各種処理を施したものが含まれる。
水に施す処理としては、例えば、精製、加熱、殺菌、ろ
過、イオン交換、浸透圧の調整、緩衝化等が含まれる。
従って、本発明において抽出溶媒として使用し得る水に
は、精製水、熱水、イオン交換水、生理食塩水、リン酸
緩衝液、リン酸緩衝生理食塩水等も含まれる。
【0023】抽出溶媒として使用し得る親水性有機溶媒
としては、例えば、メタノール、エタノール、プロピル
アルコール、イソプロピルアルコール等の炭素数1〜5
の低級アルコール;アセトン、メチルエチルケトン等の
低級脂肪族ケトン;1,3−ブチレングリコール、プロ
ピレングリコール、グリセリン等の炭素数2〜5の多価
アルコールなどが挙げられる。
【0024】水と親水性有機溶媒との混合液を抽出溶媒
として使用する場合には、低級アルコールの場合は水1
0重量部に対して1〜90重量部、低級脂肪族ケトンの
場合は水10重量部に対して1〜40重量部、多価アル
コールの場合は水10重量部に対して10〜90重量部
添加することが好ましい。
【0025】本発明において抗炎症作用、抗酸化作用ま
たは抗老化作用を有する抽出物を得るにあたり特殊な抽
出方法を採用する必要はなく、室温または還流加熱下
で、任意の装置を用いて抽出することができる。
【0026】具体的には、抽出溶媒を満たした処理槽に
抽出原料を投入し、必要に応じて時々攪拌しながら、3
0分から2時間静置して可溶性成分を溶出した後、ろ過
して固形物を除去し、得られた抽出液から抽出溶媒を留
去し、乾燥することにより抽出物が得られる。抽出溶媒
量は通常、抽出原料の5〜15倍量(質量比)であり、
抽出条件は、抽出溶媒として水を用いた場合には、通常
50〜95℃で1〜4時間程度である。また、抽出溶媒
として水とエタノールとの混合溶媒を用いた場合には、
通常40〜80℃で30分〜4時間程度である。
【0027】得られた抽出液は、該抽出液の希釈液若し
くは濃縮液、該抽出液の乾燥物、またはこれらの粗精製
物若しくは精製物を得るために、常法に従って希釈、濃
縮、乾燥、精製等の処理を施してもよい。
【0028】得られた抽出液は、そのままでも抗炎症
剤、抗酸化剤または抗老化剤として使用することができ
るが、濃縮液またはその乾燥物としたものの方が利用し
やすい。五指毛桃からの抽出物の製剤化は常法に従って
行うことができる。製剤化する場合、保存や取扱いを容
易にするために、デキストリン、シクロデキストリン等
の薬学的に許容され得るキャリアーその他任意の助剤を
添加することができ、五指毛桃からの抽出物を粉末状、
顆粒状、錠剤状等、任意の剤形に製剤化することができ
る。
【0029】また、五指毛桃からの抽出物は特有の匂い
を有しているため、その生理活性の低下を招かない範囲
で脱色、脱臭等を目的とする精製を行うことも可能であ
るが、化粧料や飲食品などに添加する場合には大量に使
用するものではないから、未精製のままでも実用上支障
はない。精製は具体的には、活性炭処理、吸着樹脂処
理、イオン交換樹脂処理等によって行うことができる。
【0030】以上のようにして得られる五指毛桃からの
抽出物は、抗炎症作用、抗酸化作用または抗老化作用を
有しており、それぞれの作用を利用して抗炎症剤、抗酸
化剤または抗老化剤として使用することができる。
【0031】ここで、五指毛桃からの抽出物の抗炎症作
用は、例えば、サイクリックAMPホスホジエステラーゼ
阻害作用に基づいて発揮される。但し、五指毛桃からの
抽出物の抗炎症作用は、上記作用に基づいて発揮される
抗炎症作用に限定されるわけではない。なお、五指毛桃
からの抽出物は、サイクリックAMPホスホジエステラー
ゼ阻害作用を有しているので、サイクリックAMPホスホ
ジエステラーゼ阻害剤の有効成分として利用することが
でき、このサイクリックAMPホスホジエステラーゼ阻害
剤を本発明の抗炎症剤の有効成分としてもよい。
【0032】また、五指毛桃からの抽出物の抗酸化作用
は、例えば、活性酸素消去作用及び/又はラジカル消去
作用に基づいて発揮される。但し、五指毛桃からの抽出
物の抗酸化作用は、上記作用に基づいて発揮される抗酸
化作用に限定されるわけではない。ここで、「活性酸
素」には、スーパーオキサイド、過酸化水素、ヒドロキ
シラジカル、一重項酸素等が含まれる。また、「ラジカ
ル」とは、不対電子を1つまたはそれ以上有する分子ま
たは原子を意味し、スーパーオキサイド、ヒドロキシラ
ジカル、DPPH等が含まれる。なお、五指毛桃からの
抽出物は、活性酸素消去作用またはラジカル消去作用を
有しているので、活性酸素消去剤またはラジカル消去剤
の有効成分として利用することができ、これら活性酸素
消去剤および/またはラジカル消去剤を本発明の抗酸化
剤の有効成分としてもよい。
【0033】また、五指毛桃からの抽出物の抗老化作用
は、例えば、コラーゲン産生促進作用に基づいて発揮さ
れる。すなわち、五指毛桃からの抽出物は、線維芽細胞
によるコラーゲンの産生を促進して真皮層に十分なコラ
ーゲンが補給されるようにする作用を有する。但し、五
指毛桃からの抽出物の抗老化作用は、上記作用に基づい
て発揮される抗老化作用に限定されるわけではない。な
お、五指毛桃からの抽出物は、コラーゲン産生促進作用
を有しているので、コラーゲン産生促進剤の有効成分と
して利用することができ、このコラーゲン産生促進剤を
本発明の抗老化剤の有効成分としてもよい。
【0034】五指毛桃からの抽出物は、炎症性疾患の予
防・改善や皮膚の老化の防止・改善に有用である共に、
皮膚に適用した場合の使用感と安全性に優れているの
で、皮膚化粧料に配合するのに好適である。皮膚化粧料
には、本発明の抗炎症剤、抗酸化剤または抗老化剤のい
ずれか1種を配合してもよいし、2種以上を組み合わせ
て配合してもよい。
【0035】五指毛桃からの抽出物を配合し得る皮膚化
粧料は特に限定されないが、その具体例としては、軟
膏、クリーム、乳液、ローション、パック、入浴剤、リ
ップクリーム、口紅等が挙げられる。
【0036】本発明の皮膚化粧料における五指毛桃から
の抽出物の配合量は、皮膚化粧料の種類や抽出物の生理
活性等によって適宜調整することができるが、好適な配
合率は標準的な抽出物に換算して約0.001〜10重
量%である。
【0037】本発明の皮膚化粧料には、五指毛桃からの
抽出物の抗炎症作用、抗酸化作用および抗老化作用の妨
げにならない限り、その皮膚化粧料の製造に通常使用さ
れる各種主剤および助剤、その他任意の助剤を使用する
ことができる。本発明の皮膚化粧料は、炎症性疾患の予
防・治療および皮膚の老化防止・改善に関し、五指毛桃
からの抽出物のみが主剤となるものに限られるわけでは
ない。
【0038】五指毛桃からの抽出物と共に皮膚化粧料構
成成分として利用可能なものの具体例としては、グリセ
リン、コラーゲン、ヒアルロン酸およびその塩、コンド
ロイチン酸およびその塩、キチン、キトサン等の保湿
剤;パラジメチルアミノ安息香酸アミル等の紫外線吸収
剤;グリセロリン脂質、スフィンゴリン脂質等の複合脂
質;β−カロチン、油溶性甘草エキス、リコカルコン
A、バイカリン、バイカレインその他の活性酸素消去作
用を有する物質;アズレン、グリチルリチン酸およびそ
の塩類、グリチルレチン酸およびその誘導体、酸化亜鉛
等の抗炎症作用物質;リボフラビン、トコフェロール、
アスコルビン酸、葉酸等のビタミンおよびその誘導体
類;ホホバ油、ラノリン、流動パラフィン、スクワラ
ン、イソステアリルアルコール等の油性成分;ステアリ
ル硫酸ナトリウム、セシル硫酸ジエタノールアミン、ス
テアリン酸グリセリン等の界面活性剤;エリソルビン酸
ナトリウム等の酸化防止剤;エチルパラベン等の防腐
剤;オウバク抽出物、カミツレ抽出物、カンゾウ根抽出
物、ローズマリー抽出物、マロニエ抽出物等の植物性抽
出物、コレステロール類;植物ステロール類;リポプロ
テイン類;ビフィズス菌培養物、乳酸菌培養物、酵母抽
出物、ブクリョウ抽出物等の微生物由来成分;褐藻抽出
物、紅藻抽出物等の藻類抽出物;γ−オリザノール等の
血行促進剤;硫黄等の抗脂漏剤;香料;アルコール;カ
ルボキシポリマー等の増粘剤;チタンイエロー、ベニバ
ナその他の着色料等が挙げられる。
【0039】五指毛桃からの抽出物は、消化管で消化さ
れるようなものではないことが確認されているので、任
意の飲食品や栄養補助食品に配合するのに好適である。
その場合の配合量は、添加対象飲食品の一般的な摂取量
を考慮して成人1日当たりの抽出物摂取量が約1〜10
00mgになるようにするのが適当である
【0040】五指毛桃からの抽出物を配合し得る飲食品
は特に限定されないが、その具体例としては、清涼飲
料、炭酸飲料、栄養飲料、果実飲料、乳酸飲料等の飲料
(これらの飲料の濃縮原液および調整用粉末を含む);
アイスクリーム、アイスシャーベット、かき氷等の冷
菓;そば、うどん、はるさめ、ぎょうざの皮、しゅうま
いの皮、中華麺、即席麺等の麺類;飴、チューインガ
ム、キャンディー、ガム、チョコレート、錠菓、スナッ
ク菓子、ビスケット、ゼリー、ジャム、クリーム、焼き
菓子等の菓子類;かまぼこ、ハム、ソーセージ等の水産
・畜産加工食品;加工乳、発酵乳等の乳製品;サラダ
油、てんぷら油、マーガリン、マヨネーズ、ショートニ
ング、ホイップクリーム、ドレッシング等の油脂および
油脂加工食品;ソース、たれ等の調味料;スープ、シチ
ュー、サラダ、惣菜、漬物などが挙げられる。
【0041】以上説明した本発明の抗炎症剤、抗酸化
剤、抗老化剤、皮膚化粧料並びに飲食品は、ヒトに対し
て好適に適用されるものであるが、それぞれの作用効果
が奏される限り、ヒト以外の動物に対して適用すること
もできる。
【0042】
【実施例】以下、製造例、試験例および配合例を示して
本発明を具体的に説明するが、本発明は、下記の各例に
何ら限定されるものではない。
【0043】〔製造例1〕五指毛桃(Ficus simpliciss
ima Lour.)の根の乾燥物を細切りしたもの200g
に、水、50%エタノール(水とエタノールとの重量比
1:1)、エタノールをそれぞれ2000mL加え、還
流抽出器で80℃、2時間加熱抽出し、熱時濾過した。
残渣についてさらに同様の抽出処理を行った。得られた
抽出液を合わせて減圧下に濃縮し、さらに乾燥して各部
位の抽出物を得た。抽出物の収率は表1のとおりであっ
た。
【0044】[表1]試料NO. 抽 出 溶 媒 抽出率(%) 1 水 7.2 2 50%エタノール 8.7 3 エタノール 8.4
【0045】〔試験例1〕サイクリックAMPホスホジ
エステラーゼ阻害試験 製造例1で得られた抽出物について、下記の試験法によ
りサイクリックAMPホスホジエステラーゼ阻害作用を
試験した。
【0046】5mMの塩化マグネシウムを含有するトリ
ス塩酸緩衝液(pH7.5)0.2mLに胎児血清アル
ブミン溶液0.1mLおよびサイクリックAMPホスホ
ジエステラーゼ溶液0.1mLを加え、さらに試料溶液
0.05mLを加え、37℃で5分間プレインキュベー
ションした。次いで、サイクリックAMP溶液0.05
mLを加え、37℃で60分間インキュベーションし
た。沸騰浴中で3分間煮沸して反応を停止させ、4℃で
3500rpm遠心分離し、上清中の反応基質・5'−
AMPを高速液体クロマトグラフィーにより定量した。
試料溶液を添加せずに同様の酵素反応と反応基質の分析
を行い、試料無添加時の反応基質量に対する試料添加時
の反応基質量の比率より、試料のサイクリックAMPホ
スホジエステラーゼ阻害率(%)を求めた。
【0047】試料溶液の試料濃度を段階的に減少させて
上記の測定を繰り返し、サイクリックAMPホスホジエ
ステラーゼの活性を50%阻害する試料濃度IC
50(ppm;μg/mL)を内挿法により求めた。その
結果を表2に示す。
【0048】 [表2]試料NO. 抽 出 物 IC 50 (ppm) 1 水抽出物 76.4 2 50%エタノール抽出物 50.0 3 エタノール抽出物 67.3
【0049】表2に示す結果から、五指毛桃の根部から
の抽出物がサイクリックAMPホスホジエステラーゼ阻
害作用を有することが確認された。また、このサイクリ
ックAMPホスホジエステラーゼ阻害作用の程度は、抽
出物の濃度によって調節できることが確認された。
【0050】〔試験例2〕スーパーオキサイド消去試験
(NBT法) 製造例1で得られた抽出物について、下記の試験法によ
りスーパーオキサイド消去作用を試験した。
【0051】3mMキサンチン、0.05M Na2CO
3緩衝液(pH10.2)、3mMEDTA、BSA溶
液、および0.75mM NBT各0.1mLを試験管
にとり、これに試料溶液0.1mLを添加し、25℃で
10分間放置した。次いで、キサンチンオキシダーゼ溶
液を加えて素早く攪拌し、25℃で20分間静置した。
その後6mM塩化銅0.1mLを加えて反応を停止さ
せ、波長560nmにおける吸光度を測定した。このと
き測定した吸光度を「酵素溶液添加, 試料溶液添加時の
吸光度」という。
【0052】また、同様の操作と吸光度の測定を、酵素
溶液を添加せずに行った。このとき測定した吸光度を
「酵素溶液無添加, 試料溶液添加時の吸光度」という。
【0053】また、試料溶液を添加せずに蒸留水を添加
した場合についても同様の測定を行った。このとき測定
した吸光度を「酵素溶液添加, 試料溶液無添加時の吸光
度」という。
【0054】また、酵素溶液を添加せず、さらに試料溶
液を添加せずに蒸留水を添加した場合についても同様の
測定を行った。このとき測定した吸光度を「酵素溶液無
添加, 試料溶液無添加時の吸光度」という。そして、次
式によりスーパーオキサイド消去率(%)を求めた。
【0055】消去率(%)={1−(A−B)/(C−
D)}×100
【0056】上記式中、「A」は「酵素溶液添加, 試料
溶液添加時の吸光度」、「B」は「酵素溶液無添加, 試
料溶液添加時の吸光度」、「C」は「酵素溶液添加, 試
料溶液無添加時の吸光度」、「D」は「酵素溶液無添
加, 試料溶液無添加時の吸光度」を表す。
【0057】試料濃度を段階的に減少させて上記消去率
の測定を行い、スーパーオキサイドの消去率が50%に
なる試料濃度(ppm;μg/mL)を内挿法により求
めた。その結果を表3に示す。
【0058】 [表3]試料NO. 抽 出 物 50%消去試料濃度(ppm) 1 水抽出物 101.4 2 50%エタノール抽出物 96.2 3 エタノール抽出物 104.6
【0059】表3に示す結果から、五指毛桃の根部から
の抽出物がスーパーオキサイド消去作用を有することが
確認された。また、このスーパーオキサイド消去作用の
程度は、抽出物の濃度によって調節できることが確認さ
れた。
【0060】〔試験例3〕DPPHに対するラジカル消
去試験 製造例1で得られた抽出物について、下記の試験法によ
り非常に安定なラジカルであるDPPHを使用してラジ
カル消去作用を試験した。
【0061】1.5×10−4M DPPHエタノール
溶液3mLに試料溶液3mLを加え、直ちに容器を密栓
して振り混ぜ、30分間静置した。その後、波長520
nmの吸光度を測定した。コントロールとして、試料溶
液の代わりに試料溶液を溶解した溶媒を用いて同様に操
作し、波長520nmの吸光度を測定した。また、ブラ
ンクとして、エタノールに試料溶液3mLを加えたのち
直ちに波長520nmの吸光度を測定した。測定された
各吸光度より、次式によりラジカル消去率(%)を算出
した。
【0062】 ラジカル消去率(%)={1−(B−C)/A}×100
【0063】上記式中、「A」は「コントロールの吸光
度」、「B」は「試料溶液を添加した場合の吸光度」、
「C」は「ブランクの吸光度」を表す。
【0064】試料濃度を段階的に減少させて上記消去率
の測定を行い、DPPHラジカルの消去率が50%にな
る試料濃度(ppm;μg/mL)を内挿法により求め
た。その結果を表4に示す。
【0065】 [表4]試料NO. 抽 出 物 50%消去試料濃度(ppm) 1 水抽出物 156 2 50%エタノール抽出物 135 3 エタノール抽出物 147
【0066】表4に示す結果から、五指毛桃の根部から
の抽出物がDPPHラジカル消去作用を有することが確
認された。また、このDPPHラジカル消去作用の程度
は、抽出物の濃度によって調節できることが確認され
た。
【0067】〔試験例4〕コラーゲン産生促進作用の試
験 製造例1で得られた抽出物について、下記の試験法によ
りコラーゲン産生促進作用を試験した。
【0068】Websterらの方法(Anal.Bi
ochem.,Vol.96,220,1979)に準拠し
て試験を行った。ヒトの線維芽細胞を24穴プレートに
播種し、37℃、5%CO2−95%airの下にて、
試料添加培地(試料濃度:200ppm)で数日間培養
した後、β−アミノプロピオニトリルと[3H]−プロ
リンとを添加し、更に24時間培養した。当該培養液全
体にペプシン/酢酸溶液を加えて4℃下で16時間消化
し、次いでこの消化液にキャリアーを加えて0.7mo
l/L食塩水溶液で沈殿させ、更に中性条件下で再溶解
させて、4.2mol/L食塩水溶液で再沈殿させた。
得られた沈殿物を20%エタノールで洗浄した後、その
沈殿物の放射活性を測定した。そして、コラーゲン産生
促進率(%)を、試料無添加時の放射活性を100%と
して算出した。その結果を表5に示す。
【0069】 [表5]試料NO. 抽 出 物 コラーゲン産生促進率(%) 1 水抽出物 127 2 50%エタノール抽出物 118 3 エタノール抽出物 139
【0070】表5に示す結果から、五指毛桃の根部から
の抽出物がコラーゲン産生促進作用を有することが確認
された。
【0071】〔試験例5〕製造例1で得られた50%エ
タノール抽出物を含有するローション状の塗布液aおよ
び50%エタノール抽出物を含有しないほかは塗布液a
と同じ組成の塗布液b(対照)を調製し、それらについ
てカミソリ負け防止効果を試験した。なお、カミソリ負
けは、ひげ等の毛を剃った後、皮膚が赤くなりヒリヒリ
痛んだり、腫れて熱を持ったり痒くなったりする症状で
あり、カミソリでひげ等の毛を剃った後の皮膚に細かい
切り傷ができ、そこから細菌が感染して炎症が起こるこ
とによって生じる症状である。
【0072】各塗布液の組成は以下の表6のとおりであ
る。なお、塗布液aおよび塗布液bともに全量を100
mLとした。
【0073】
【0074】カミソリ負けする男性被験者20名を10
名ずつ2群に分け、1群に塗布液aを、他の群に塗布液
bを、ひげ剃り直後の皮膚に塗布し、以下の判定基準で
カミソリ負け改善効果を評価した。
【0075】カミソリ負けが消失した場合には「著効あ
り」、カミソリ負けが弱くなった場合には「有効」、カ
ミソリ負けがやや弱くなった場合には「やや有効」、カ
ミソリ負けに変化が認められない場合には「無効」と判
定し、「無効」と判定した被験者が20%未満である場
合には「A」、20%以上50%未満である場合には
「B」、50%以上80%未満である場合には「C」、
80%以上である場合には「D」と評価した。
【0076】その結果、塗布液aのカミソリ負け防止効
果は「A」と評価され、塗布液bのカミソリ負け防止効
果は「D」と評価された。なお、カミソリ負け防止効果
についての判定と同時に、肌に対する刺激(ヒリヒリ
感)の程度について感想を求めたところ、全ての被験者
が両塗布液とも刺激を感じないと答えた。
【0077】この結果によって、五指毛桃の根部からの
抽出物がカミソリ負け防止作用、すなわち抗炎症作用を
有することが確認された。
【0078】〔試験例6〕製造例1で得られたエタノー
ル抽出物を配合した乳液(以下「実施例乳液」とい
う。)を常法に従って調整した。実施例乳液の組成を以
下に示す。
【0079】 五指毛桃根エタノール抽出物(製造例1) 1.0g セチルアルコール 0.5g ミツロウ 2.0g オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(10E.0) 1.0g モノステアリン酸グリセリル 1.0g ヒアルロン酸 0.1g プロピレングリコール 5.0g エタノール 3.0g パラオキシ安息香酸メチル 0.3g 香料 0.03g 精製水 残部(全量を100mLとする)
【0080】実施例乳液と、五指毛桃根エタノール抽出
物を含まないほかは実施例乳液と同じ組成の比較例乳液
について、下記の評価試験を行った。 被験者:22〜40歳の女性多数の中から、皮溝・皮丘
が消え、広範囲の角質がめくれているか(表7に示す評
点が1)、または皮溝・皮丘が不鮮明で角質が部分的に
めくれており(表7に示す評点が2)、肌荒れと判定さ
れた者20名を選抜して被験者とした。
【0081】塗布試験:各被験者に、顔の右半分には実
施例乳液を、左半分には比較例乳液を、朝夕各1回、3
0日間塗布させた。
【0082】[判定1:肌荒れ改善効果]塗布試験終了
後、シルフロ(FLEXICL DEVELOPMENTS LTD製)によるレ
プリカ法を用いて顔のレプリカをとり、50倍の顕微鏡
で皮紋の状態および角質剥離状態を観察し、表7に示す
評価基準で肌の状態を判定した。判定結果を表8に示
す。
【0083】 [表7] 評点 評価 1 皮溝・皮丘が消え、広範囲の角質がめくれている。(肌荒れ状態) 2 皮溝・皮丘が不鮮明。角質が部分的にめくれている。(肌荒れ状態) 3 皮溝・皮丘が認められるが平坦である。(普通肌) 4 皮溝・皮丘が鮮明である。(比較的美しい肌) 5 皮溝・皮丘がきわめて鮮明で整っている。(美しい肌)
【0084】 [表8]評点 試験開始前 実施例乳液塗布部 比較例乳液塗布部 1 11名 0名 9名 2 9名 0名 7名 3 0名 6名 2名 4 0名 12名 2名 5 0名 2名 0名
【0085】表8に示されるように、実施例乳液を塗布
した領域は、比較例乳液を塗布した領域に比べて顕著に
肌荒れ(皮膚の老化)が改善された。
【0086】[判定2・官能評価]使用感と肌への効果に
ついて、実施例乳液と比較例乳液とを比較した場合の優
劣を被験者全員に質問した。回答の集計結果を表9に示
す。
【0087】 [表9] 評 価 項 目 実施例乳液が良い 比較例乳液が良い 優劣なし 肌ヘのなじみ 15名 2名 3名 しっとり感 17名 1名 2名 肌へののび 16名 2名 2名 肌荒れ改善の満足感 16名 1名 3名 肌色改善の満足感 14名 3名 3名 シワの数と深さの改善 16名 2名 2名
【0088】表9に示される結果より、官能評価によっ
ても上記判定1と同様の効果と優れた使用感が確認され
た。
【0089】判定1および2の結果より、五指毛桃の根
部からの抽出物を配合した皮膚化粧料が皮膚の老化防止
・改善作用(肌荒れ改善作用)を有するとともに、皮膚
に適用した場合の使用感と安全性に優れていることが確
認された。
【0090】〔配合例1〕下記の組成の乳液を常法によ
り製造した。 五指毛桃水抽出物(製造例1) 1g ホホバオイル 4g オリーブオイル 2g スクワラン 2g セタノール 2g モノステアリン酸グリセリル 2g ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.0) 2.5g オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.0) 2g 1,3-ブチレングリコール 3g パラオキシ安息香酸メチル 0.15g 油溶性甘草エキス 0.1g カミツレエキス 0.1g オウバクエキス 0.1g グリチルリチン酸ジカリウム 0.1g 香料 0.05g 精製水 残部(全量を100gとする)
【0091】〔配合例2〕下記組成の化粧水を常法によ
り製造した。 五指毛桃50%エタノール抽出物(製造例1) 2g グリセリン 3g 1,3-ブチレングリコール 3g オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.0) 0.5g パラオキシ安息香酸メチル 0.15g シソエキス 0.1g アロエエキス 0.1g ワレモコウエキス 0.1g コンキオリン 0.1g クエン酸 0.1g クエン酸ソーダ 0.1g 香料 0.05g 精製水 残部(全量を100gとする)
【0092】〔配合例3〕下記組成のクリームを常法に
より製造した。 五指毛桃エタノール抽出物(製造例1) 1g 流動パラフィン 5g サラシミツロウ 4g トウキエキス 0.1g ニンジンエキス 0.1g ビワエキス 0.1g マロニエエキス 0.1g セタノール 3g スクワラン 10g ラノリン 2g ステアリン酸 1g オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.0) 1.5g モノステアリン酸グリセリル 3g 1,3-ブチレングリコール 6g パラオキシ安息香酸メチル 1.5g 香料 0.1g 精製水 残部(全量を100gとする)
【0093】〔配合例4〕下記組成のパックを常法によ
り製造した。 五指毛桃水抽出物(製造例1) 5g ポリビニルアルコール 15g ポリエチレングリコール 3g プロピレングリコール 7g レイシエキス 0.1g ローズマリーエキス 0.1g 酵母エキス 0.1g クマザサエキス 0.1g エタノール 10g パラオキシ安息香酸エチル 0.05g 香料 0.05g 精製水 残部(全量を100gとする)
【0094】〔配合例5〕下記の混合物を打錠して,錠
剤状栄養補助食品を製造した。 五指毛桃50%エタノール抽出物(製造例1) 50重量部 粉糖(ショ糖) 188重量部 グリセリン脂肪酸エステル 12重量部
【0095】〔配合例6〕下記の混合物を顆粒状に形成
して栄養補助食品を製造した。 五指毛桃エタノール抽出物(製造例1) 34重量部 ビートオリゴ糖 1000重量部 ビタミンC 167重量部 ステビア抽出物 10重量部
【0096】
【発明の効果】本発明によれば、抗炎症剤、抗酸化剤ま
たは抗老化剤が提供される。また、本発明によれば、抗
炎症作用、抗酸化作用または抗老化作用を有する皮膚化
粧料および飲食品が提供される。本発明の抗炎症剤によ
れば、サイクリックAMPホスホジエステラーゼによるサ
イクリックAMPの分解、活性酸素や生体内ラジカルの発
生等が関与する炎症を効果的に予防または改善すること
ができる。また、本発明の抗酸化剤によれば、活性酸素
消去作用や生体内ラジカル消去作用による生体成分の酸
化の防止を通じて、皮膚のしわの形成や弾力性低下等の
老化現象を効果的に予防・治療することができる。さら
に、本発明の抗老化剤によれば、コラーゲン産生促進作
用を通じて、皮膚のしわの形成や弾力性低下等の老化現
象を効果的に予防・治療することができる。本発明の抗
炎症剤、抗酸化剤および抗老化剤は、皮膚に適用した場
合の使用感と安全性に優れているので皮膚化粧料に配合
するのに好適なものである。また、本発明の皮膚化粧料
および飲食品は、炎症性疾患や皮膚の老化を防止および
/または改善するのに有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 7/00 A61K 7/48 7/48 A61P 3/04 A61P 3/04 7/02 7/02 11/00 11/00 17/00 17/00 17/06 17/06 29/00 29/00 101 101 39/06 39/06 43/00 111 43/00 111 A23L 2/00 F (72)発明者 川嶋 善仁 広島県尾道市向東町14703−10 丸善製薬 株式会社内 Fターム(参考) 4B017 LC03 LG15 4B018 MD61 ME06 ME10 MF01 4C083 AA082 AA111 AA112 AC022 AC071 AC102 AC122 AC182 AC242 AC302 AC422 AC442 AC482 AD042 AD112 AD212 AD222 AD332 AD492 AD512 AD642 CC04 CC05 CC07 DD15 DD16 DD23 DD27 DD31 EE06 EE07 EE12 EE13 4C088 AB34 AC01 AC11 BA08 CA03 MA52 MA63 NA14 ZA54 ZA59 ZA89 ZA96 ZB15 ZC20

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 五指毛桃(Ficus simplicissima Lou
    r.)からの抽出物を有効成分として含有することを特徴
    とする抗炎症剤。
  2. 【請求項2】 前記抽出物が、サイクリックAMPホスホ
    ジエステラーゼ阻害作用を有することを特徴とする請求
    項1記載の抗炎症剤。
  3. 【請求項3】 五指毛桃(Ficus simplicissima Lou
    r.)からの抽出物を有効成分として含有することを特徴
    とする抗酸化剤。
  4. 【請求項4】 前記抽出物が、活性酸素消去作用および
    /またはラジカル消去作用を有することを特徴とする請
    求項3記載の抗酸化剤。
  5. 【請求項5】 五指毛桃(Ficus simplicissima Lou
    r.)からの抽出物を有効成分として含有することを特徴
    とする抗老化剤。
  6. 【請求項6】 前記抽出物が、コラーゲン産生促進作用
    を有することを特徴とする請求項5記載の抗老化剤。
  7. 【請求項7】 五指毛桃(Ficus simplicissima Lou
    r.)からの抽出物を配合したことを特徴とする皮膚化粧
    料。
  8. 【請求項8】 五指毛桃(Ficus simplicissima Lou
    r.)からの抽出物を配合したことを特徴とする飲食品。
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