JP2004331565A - 皮膚コラーゲン産生促進剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】皮膚の荒れ、シワ、弾性低下等を防止するのに有用な皮膚コラーゲン産生促進剤、皮膚コラーゲン産生促進用飲食品及び皮膚コラーゲン産生促進用化粧料を提供する。
【解決手段】ラクトパーオキシダーゼ及び/またはラクトパーオキシダーゼをペプシンやパンクレアチンなどのタンパク質分解酵素で分解して得られるラクトパーオキシダーゼ分解物を皮膚コラーゲン産生促進剤、皮膚コラーゲン産生促進用飲食品及び皮膚コラーゲン産生促進用化粧料の有効成分とする。このラクトパーオキシダーゼやラクトパーオキシダーゼ分解物には、皮膚のコラーゲン量を増加させる働きがある。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、皮膚の荒れ、シワ、弾性低下等を防止するのに有用な皮膚コラーゲン産生促進剤、皮膚コラーゲン産生促進用飲食品及び皮膚コラーゲン産生促進用化粧料に関する。さらに詳しくは、本発明は、ラクトパーオキシダーゼ及び/またはラクトパーオキシダーゼをタンパク質分解酵素で分解して得られるラクトパーオキシダーゼ分解物を有効成分とする皮膚コラーゲン産生促進剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、皮膚のメカニズムに関する研究が進められ、皮膚の乾燥感や肌荒れ等の原因としてマクロ的には、加齢による新陳代謝の減衰によるもののほかに、太陽光(紫外線)、乾燥、酸化等の作用が複雑に関与していることが確認されてきた。これらの因子による作用によって、真皮の最も主要なマトリックス成分であるコラーゲン繊維が顕著に減少していることが明らかとなってきた。コラーゲン繊維によって保たれていた皮膚のハリや弾力性といった張力保持機構が紫外線等の作用によって、破壊されると、皮膚はシワやたるみを増した状態になる。また、コラーゲンはその分子中に水分を保持することができ、それにより、皮膚をしっとりとした状態に保つことにも役立っているから、外的因子により、コラーゲンが破壊されると肌は、乾燥し、荒れた状態になる。
以上のことから、真皮層の主要な成分の一つであるコラーゲンの生合成を促進させることにより、皮膚のシワやたるみを防止でき、しかも安全性の点でも問題のない皮膚コラーゲン産生促進剤が望まれていた。
【0003】
ラクトパーオキシダーゼは、乳中に存在し、ヘム鉄を含む糖タンパク質であるが、その詳細な構造はいまだ明らかにされていない。ラクトパーオキシダーゼの利用については、生体内で過酸化脂質の生成抑制効果があることを見いだし、視力低下、運動能力低下、免疫機能低下等を防ぐ老化防止剤とした例(特許文献1参照。)、肝機能改善剤として利用した例(特許文献2参照。)、低う触作用があることから低う触栄養組成物として利用した例(特許文献3参照。)が開示されている。しかし、ラクトパーオキシダーゼ及びそのタンパク質分解酵素で分解して得られる酵素分解物が皮膚コラーゲン産生促進作用を持ち、皮膚コラーゲン産生促進剤として有用であることについては知られていない。
【0004】
【先行技術文献】
【特許文献1】
特開平5−124980号公報
【特許文献2】
特開2001−226289号公報
【特許文献3】
特開平9−107917号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、皮膚の乾燥感や肌荒れ、しわやタルミを防止でき、しかも安全性の点でも問題のない、コラーゲンの生合成を促進する物質を有効成分とする皮膚コラーゲン産生促進剤を提供することを課題とする。また、本発明は、そのような物質を配合した皮膚コラーゲン産生促進用飲食品及び皮膚コラーゲン産生促進用化粧料を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、これらの課題を解決するために、広く食品素材に含まれている皮膚コラーゲン産生促進作用を示す物質について、鋭意、探索を進めていたところ、ラクトパーオキシダーゼあるいはそのラクトパーオキシダーゼをペプシンやパンクレアチンなどのタンパク質分解酵素で分解して得られるラクトパーオキシダーゼ分解物が、皮膚のコラーゲン量を増加させることができる、すなわち、コラーゲン産生促進作用があることを見出した。そして、このラクトパーオキシダーゼやラクトパーオキシダーゼ分解物を皮膚コラーゲン産生促進剤、皮膚コラーゲン産生促進用飲食品及び皮膚コラーゲン産生促進用化粧料の有効成分として利用できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
したがって、本発明は、この皮膚コラーゲン産生促進活性を有するラクトパーオキシダーゼ及び/またはラクトパーオキシダーゼをタンパク質分解酵素で分解して得られるラクトパーオキシダーゼ分解物を有効成分とする皮膚コラーゲン産生促進剤に関する。また、本発明は、これらのラクトパーオキシダーゼ及び/またはラクトパーオキシダーゼ分解物を配合した皮膚コラーゲン産生促進用飲食品や皮膚コラーゲン産生促進用化粧料に関する。
【0008】
本発明で皮膚コラーゲン産生促進剤とは、経口投与あるいは塗布等により、皮膚コラーゲン産生促進効果を発揮するものを言うものとする。また、本発明では、この皮膚コラーゲン産生促進剤のうち、粉末剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、ドリンク剤などに製剤化してそのまま、あるいは製剤化した後、栄養剤や飲食品などに配合して経口投与するものを皮膚コラーゲン産生促進用飲食品と言うものとする。また、本発明では、皮膚コラーゲン産生促進剤のうち、軟膏、ゲル、クリーム、スプレー剤、貼付剤、ローション等に製剤化して肌に塗布するものを皮膚コラーゲン産生促進用化粧料と言うものとする。また、本発明では、医薬品であるが、製剤化してそのまま経口投与するものを便宜上、前記皮膚コラーゲン産生促進用飲食品の中に含め、医薬品であるが、製剤化して肌に塗布するものを便宜上、前記皮膚コラーゲン産生促進用化粧料の中に含めるものとする。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の皮膚コラーゲン産生促進剤の特徴は、ラクトパーオキシダーゼ及び/またはラクトパーオキシダーゼをタンパク質分解酵素で分解して得られるラクトパーオキシダーゼ分解物を有効成分とすることにある。
【0010】
ラクトパーオキシダーゼは哺乳動物の乳から調製する。給源としては、ウシ、水牛、ヒト、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ウマ等の乳があげられる。ラクトパーオキシダーゼは、公知の物質であって、市販されているものであるが、それを製造するには、公知の方法、例えばスルホン化担体を用いてラクトパーオキシダーゼを精製する方法(特開平3−109400号公報)を工業的に有利に利用することができる。また、本発明では、遺伝子工学的手法により生産されたラクトパーオキシダーゼも使用し得る。
【0011】
ラクトパーオキシダーゼ分解物は、上記のラクトパーオキシダーゼをトリプシン、パンクレアチン、キモトリプシン、ペプシン、パパイン、カリクレイン、カテプシン、サーモライシン、V8プロテアーゼ等のタンパク質分解酵素で分子量が10,000以下となるように限定分解したペプチド混合物である。分子量下限は500以上が好ましい。
【0012】
本発明の皮膚コラーゲン産生促進剤は、経口投与あるいは塗布することにより、皮膚コラーゲン産生促進効果を発揮する。
本発明の皮膚コラーゲン産生促進剤を経口投与するに際しては、有効成分であるラクトパーオキシダーゼあるいはラクトパーオキシダーゼ分解物をそのままの状態で用いることもできるが、常法に従い、粉末剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、ドリンク剤などに製剤化して用いることもできる。本発明において、粉末剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤等の経口剤は、例えば、澱粉、乳糖、白糖、マンニット、カルボキシメチルセルロース、コーンスターチ、無機塩類等を用いて常法によって製剤化される。この種の製剤には、前記賦形剤の他に、結合剤、崩壊剤、界面活性剤、滑沢剤、流動性促進剤、着色料、香料等を適宜使用することが出来る。より具体的には、結合剤としては、例えば、澱粉、デキストリン、アラビアガム末、ゼラチン、ヒドロキシプロピルスターチ、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、結晶性セルロース、エチルセルロース、ポリビニルピロリドンが挙げられる。また、崩壊剤としては、例えば、澱粉、ヒドロキシプロピルスターチ、カルボキシメチルセルロースナトリウム、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶性セルロース、カルボキシメチルセルロース等が挙げられる。界面活性剤としては、大豆レシチン、蔗糖脂肪酸エステル等が、滑沢剤としては、タルク、ロウ、蔗糖脂肪酸エステル、水素添加植物油等が、流動性促進剤としては無水ケイ酸、乾燥水酸化アルミニウム、ケイ酸マグネシウムなどが挙げられる。
【0013】
さらには、これらのラクトパーオキシダーゼやラクトパーオキシダーゼ分解物をそのままあるいは製剤化した後、これを栄養剤や飲食品などに配合することも可能である。また、ビタミンC等従来からコラーゲン産生に有効な作用を持つと考えられている成分とともにラクトパーオキシダーゼやラクトパーオキシダーゼ分解物を配合すれば、一層の皮膚コラーゲン産生促進作用が期待できる。なお、ラクトパーオキシダーゼあるいはラクトパーオキシダーゼ分解物は、比較的熱に対して安定であるので、ラクトパーオキシダーゼあるいはラクトパーオキシダーゼ分解物を含む原料を通常行われるような条件で加熱殺菌することも可能である。
【0014】
本発明の皮膚コラーゲン産生促進剤を塗布するに際しては、その使用目的に応じて、通常用いられる公知の成分に配合することによって、液剤、固形剤、半固形剤等の各種剤形に調製することが可能で、好ましい組成物として軟膏、ゲル、クリーム、スプレー剤、貼付剤、ローション、粉末等が挙げられる。例えば、本発明の皮膚コラーゲン産生促進剤をワセリン等の炭化水素、ステアリルアルコール、ミリスチン酸イソプロピル等の高級脂肪酸低級アルキルエステル、ラノリン等の動物性油脂、グリセリン等の多価アルコール、グリセリン脂肪酸エステル、モノステアリン酸ポリエチレングリコール等の界面活性剤、無機塩、ロウ、樹脂、水及び要すればパラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸ブチル等の保存料に混合することによって、皮膚コラーゲン産生促進用化粧料や医薬品を製造することができる。
【0015】
本発明の皮膚コラーゲン産生促進剤の経口投与による有効量は、その製剤形態、投与方法、使用目的、及びこれを適用される患者の年齢、体重、病状により適宜規定され一定でないが、ラットを用いた動物実験の結果によると、皮膚コラーゲン産生促進作用を示すためにはラクトパーオキシダーゼあるいはラクトパーオキシダーゼ分解物をラット体重1kg当たり20mg以上摂取する必要があることが判った。したがって、外挿法によると、通常、成人一人当たり一日20mg以上のラクトパーオキシダーゼあるいはラクトパーオキシダーゼ分解物を摂取すれば効果が期待できるので、この必要量を確保できるよう飲食品に配合するか、あるいは、医薬として投与すれば良い。なお、投与は必要に応じて一日数回に分けて行うことも可能である。
【0016】
本発明の皮膚コラーゲン産生促進剤の塗布による有効量は、剤形により異なるが、適用する組成物全量を基準として、好ましくは、0.001〜2重量%となるように、ラクトパーオキシダーゼあるいはラクトパーオキシダーゼ分解物を配合すればよい。ただし、入浴剤のように使用時に希釈されるものは、さらに配合量を増やすことができる。
【0017】
次に、実施例及び試験例を示して本発明を詳細に説明するが、これらは単に本発明の実施態様を例示するのみであり、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。
【0018】
【実施例1】
陽イオン交換樹脂であるスルホン化キトパール(富士紡績社製)400gを充填したカラム(直径5cm×高さ30cm)を脱イオン水で十分に洗浄した後、このカラムに未殺菌脱脂乳40 l (pH 6.7)を流速25ml/minで通液した。通液後、カラムを脱イオン水で十分洗浄し、 2.0M塩化ナトリウムを含む 0.02M炭酸緩衝液(pH 7.0)で溶出した。そしてラクトパーオキシダーゼを含有する溶出画分をS−Sepharose FFカラム(アマシャムバイオサイエンス社製)に吸着させ、脱イオン水で十分洗浄し、10mMリン酸緩衝液(pH7.0)で平衡化した後、0〜2.0M塩化ナトリウムのリニアグラジエントで吸着した画分を溶出し、ラクトパーオキシダーゼを含む画分を回収した。そしてその画分をHiLoad 16/60 Superdex 75 pg(アマシャムバイオサイエンス社製)を用いたゲル濾過クロマトグラフィーで処理し、ラクトパーオキシダーゼ3.0gを得た。なお、このようにして得られたラクトパーオキシダーゼの純度は94%であり、そのまま皮膚コラーゲン産生促進剤として使用可能である。
【0019】
【実施例2】
実施例1で得られたラクトパーオキシダーゼ1gを水200mlに溶解し、最終濃度が0.01重量%となるようタンパク質分解酵素であるパンクレアチン(シグマ社製)を加え、37℃で5時間酵素処理した。そして、90℃で5分間加熱処理して酵素を失活させた後、凍結乾燥してラクトパーオキシダーゼ分解物 0.8gを得た。なお、このようにして得られたラクトパーオキシダーゼ分解物の分子量は、10,000以下であり、そのまま皮膚コラーゲン産生促進剤として使用可能である。
【0020】
【実施例3】
実施例1で得られたラクトパーオキシダーゼ1gを水200mlに溶解し、最終濃度が0.01重量%となるようタンパク質分解酵素であるトリプシン(シグマ社製)を加え、37℃で5時間酵素処理した。そして、90℃で5分間加熱処理して酵素を失活させた後、凍結乾燥してラクトパーオキシダーゼ分解物 0.9gを得た。なお、このようにして得られたラクトパーオキシダーゼ分解物の分子量は、10,000以下であり、そのまま皮膚コラーゲン産生促進剤として使用可能である。
【0021】
【試験例1】
実施例1で得られたラクトパーオキシダーゼ及び実施例2で得られたラクトパーオキシダーゼ分解物について、ラットを用いた動物実験によりコラーゲン産生促進作用を調べた。7週齢のWistar系雄ラットを、生理食塩水投与群(A群)、実施例1で得られたラクトパーオキシダーゼをラット体重1kg当たり20mg投与する群(B群)、実施例1で得られたラクトパーオキシダーゼをラット体重1kg当たり200mg投与する群(C群)、実施例2で得られたラクトパーオキシダーゼ分解物をラット体重1kg当たり20mg投与する群(D群)、実施例2で得られたラクトパーオキシダーゼ分解物をラット体重1kg当たり200mg投与する群(E群)の5試験群(n=6)に分け、それぞれを毎日1回ゾンデで投与して10週間飼育した。
皮膚のコラーゲン量については、ラットの真皮をNimniらの方法(Arch. Biochem. Biophys, 292頁, 1967年 参照)に準じて処理した後、可溶性画分に含まれるヒドロキシプロリン量を測定した。ヒドロキシプロリンはコラーゲンのみに含まれる特殊なアミノ酸で、コラーゲンを構成する全アミノ酸の約10%を占めることからコラーゲン量の推定ができる(浅野隆司ら,Bio Industory,12頁, 2001年 参照)。その結果を表1に示す。
【0022】
【表1】
Figure 2004331565
数値は、平均値±標準偏差(n=6)を示す。
また、※は対照群であるA群と比較して有意差があることを示す(p<0.05)。
【0023】
これによると、10週間後の可溶性画分中ヒドロキシプロリン量は、A群に比べ、B群、C群、D群及びE群で有意に高い値を示した。
このことから、ラクトパーオキシダーゼ及びラクトパーオキシダーゼ分解物には皮膚コラーゲン産生促進作用があることが明らかとなり、皮膚コラーゲン産生促進剤として有用であることが示された。
また、この皮膚コラーゲン産生促進作用はラクトパーオキシダーゼまたはラクトパーオキシダーゼ分解物をラット体重1kg当たり最低20mg投与した場合に認められることが明らかとなった。
【0024】
【実施例4】
表2に示す配合の皮膚コラーゲン産生促進用飲料を常法により製造した。製造した飲料の風味は良好で、常温1年間保存によっても風味が劣化することはなく、沈殿等の問題もなかった。
【0025】
【表2】
Figure 2004331565
【0026】
【実施例5】
表3に示す配合のドウを常法により作製し、成形した後、焙焼して皮膚コラーゲン産生促進用ビスケットを製造した。
【0027】
【表3】
Figure 2004331565
【0028】
【実施例6】
表4に示す配合の皮膚コラーゲン産生促進剤を製造した。
【0029】
【表4】
Figure 2004331565
【0030】
【試験例2】
市販のラクトパーオキシダーゼ(シグマ社製)及び実施例2と同様の方法で市販のラクトパーオキシダーゼをタンパク質分解酵素で処理して得られたラクトパーオキシダーゼ分解物について、正常ヒト線維芽細胞株〔白人女性の皮膚より採取されたCCD45SK(ATCCRL 1506)〕を用いた実験によりコラーゲン産生促進作用を調べた。10容量%ウシ胎児血清(以下FBSと略記)含有変法イーグル培地(MEM、10‐101、大日本製薬社製)を用いて、正常ヒト線維芽細胞株を4×10個/ウエル/0.4mlとなるように24ウエルプレートに播種して、5%炭酸ガス、飽和水蒸気下、37℃で24時間培養した後、0.6容量%FBS含有変法イーグル培地に置換した。そして、市販のラクトパーオキシダーゼ(シグマ社製)及び実施例2と同様の方法で市販のラクトパーオキシダーゼをタンパク質分解酵素で処理して得られたラクトパーオキシダーゼ分解物を、各ウエルに0.1容量%となるように添加(n=6)して、24時間培養した後、β―アミノプロピオニトリルを50μg/ml、トリチウム−L−プロリンを1μCi/mlとなるように添加して、さらに24時間培養して培養液を得た。このようにして得られた培養液より、Websterらの方法(Analytical Biochemistry,220頁,1979年 参照)に従いコラーゲン画分を分画し、コラーゲン画分に取り込まれた放射能を測定した。なお、対照として、ラクトパーオキシダーゼ及びラクトパーオキシダーゼ分解物を添加しないで同様の試験を行った。その結果を表5に示す。
【0031】
【表5】
Figure 2004331565
数値は、平均値±標準偏差(n=6)を示す。
また、※は対照群と比較して有意差があることを示す(p<0.05)。
【0032】
これによると、ラクトパーオキシダーゼ及びラクトパーオキシダーゼ分解物を添加した群は、ラクトパーオキシダーゼ及びラクトパーオキシダーゼ分解物を添加していない群(対照)に比べて2倍程度のコラーゲン産生促進能を示した。
このことから、ラクトパーオキシダーゼ及びラクトパーオキシダーゼ分解物には、皮膚線維芽細胞に働きかけ、コラーゲン産生促進作用があることが明らかとなり、皮膚コラーゲン産生促進剤として有用であることが示唆された。
【0033】
【実施例7】
表6に示す配合の化粧水を常法により製造した。
【0034】
【表6】
Figure 2004331565
【0035】
【実施例8】
表7に示す配合のクリームを常法により製造した。
【0036】
【表7】
Figure 2004331565
【0037】
【試験例3】
実施例7で得られた化粧水及び実施例8で得られたクリームを用いて、実使用テストを行った。比較品としては、ラクトパーオキシダーゼを除いた以外は実施例7及び8と同じ配合のものを用いた。
顔面のたるみや小ジワが認められる乾燥肌を有する成人女子20人を、それぞれ10人ずつ無作為に2群(A、B群)に、また、手に肌荒れが認められる女子20人を、それぞれ10人ずつ無作為に2群(C、D群)に分け、A群の顔面には本発明品の化粧水を、B群の顔面には比較品の化粧水を、C群の手指には本発明品のクリームを、D群の手指には比較品のクリームを、それぞれ1日2回通常の使用状態と同様に10日間塗布してもらった。その結果、本発明品の化粧水は、比較品の化粧水に比べて、乾燥感の改善、肌荒れ等の改善が顕著であり、皮膚コラーゲン産生促進効果に優れていることが実証された。また、本発明品のクリームについても、比較品のクリームに比べて、乾燥感の改善、肌荒れに顕著な改善がみられ、肌荒れなどの自然増悪抑制効果を有することが明らかとなった。
【0038】
【発明の効果】
本発明によりラクトパーオキシダーゼ及び/またはラクトパーオキシダーゼ分解物を有効成分とする皮膚コラーゲン産生促進剤、皮膚コラーゲン産生促進用飲食品及び皮膚コラーゲン産生促進用化粧料が提供される。
本発明の皮膚コラーゲン産生促進剤、皮膚コラーゲン産生促進用飲食品及び皮膚コラーゲン産生促進用化粧料は、皮膚のコラーゲン産生を促進させる作用を有し、皮膚のシワやたるみ、乾燥感や肌荒れの予防や治療に有用である。

Claims (3)

  1. ラクトパーオキシダーゼ及び/またはラクトパーオキシダーゼをタンパク質分解酵素で分解して得られるラクトパーオキシダーゼ分解物を有効成分とする皮膚コラーゲン産生促進剤。
  2. 請求項1に記載のラクトパーオキシダーゼ及び/またはラクトパーオキシダーゼ分解物を配合した皮膚コラーゲン産生促進用飲食品。
  3. 請求項1に記載のラクトパーオキシダーゼ及び/またはラクトパーオキシダーゼ分解物を配合した皮膚コラーゲン産生促進用化粧料。
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