JP2006176394A - セメント組成物用消泡剤組成物 - Google Patents

セメント組成物用消泡剤組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】気温に関係なく、広範囲な温度領域で使用できるセメント組成物用の消泡剤組成物の提供。
【解決手段】(A)成分として下記一般式(1)
Figure 2006176394

(式中、Rは炭素数3〜22の脂肪族炭化水素基を表し、mは1〜3の数を表し、nは10〜80の数を表す)で表されるアルキレンオキシド付加物と、(B)成分として下記の一般式(2)
Figure 2006176394

(式中、pおよびp’はそれぞれ独立した8〜80の数を表し、qは3〜50の数を表す。)で表される界面活性剤とを含有するセメント組成物用消泡剤組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、モルタルやコンクリートなどのセメント組成物用の消泡剤および、それらの消泡剤を添加したセメント組成物、さらにセメント組成物を成型品にする製造方法に関する。
セメントペースト、モルタル、コンクリート、石膏などのセメント組成物は、土木・建築構造物や成形品などに広く使用されている。近年、コンクリートやモルタルなどのセメント組成物に対する要求は、施工性の改善、骨材の品質悪化に対する改善、単位水量の低減など、品質向上に向けて一段と厳しくなってきており、これらの要求を満たすべく様々なセメント用混和剤が開発されている。
しかしながら、これら混和剤の添加により、セメント組成物中に連行される空気量が増大することが知られている。この空気量が過度に増えると、セメントの圧縮強度や凍結融解抵抗性などの耐久性が低下する原因となるとともに、空気泡の混入により、得られるセメント成型品の外観上の品質を低下させるという問題がある。
このため、セメント組成物には消泡剤が使用されており、セメント組成物用の消泡剤としては、鉱油系消泡剤、エステル系消泡剤、アミン系消泡剤、アミド系消泡剤、ポリエーテル系消泡剤、シリコン系消泡剤などが知られている(例えば、特許文献1〜3を参照)。
特開昭61−111950号公報 特開2000−247704号公報 特開2003−265904号公報
しかし、これらの消泡剤は、温度によって性能のばらつきがあり、年間を通して同じ消泡剤は使用できなかった。例えば、夏場に使用できる消泡剤も、冬場などの気温が低い時期には消泡効果が落ち、逆に、冬場は使用できるが夏場は使用できないなどの問題が生じていた。そのため、コンクリート用の消泡剤は、夏場と冬場で使用消泡剤を変更しているのが実情である。
従って、本発明が解決しようとする課題は、気温に関係なく、広範囲な温度領域で使用できるセメント組成物用の消泡剤組成物を提供することにある。
そこで本発明者らは鋭意検討し、特定の構造を有する2種類の化合物の組み合わせにより、セメント組成物に対する消泡効果が、温度によって左右されないことを見出し、本発明を完成させるに至った。すなわち、本発明は、(A)成分として、下記の一般式(1)
Figure 2006176394
(式中、Rは炭素数3〜22の脂肪族炭化水素基を表し、mは1〜3の数を表し、nは10〜80の数を表す。)で表されるアルキレンオキシド付加物と、
(B)成分として、下記の一般式(2)
Figure 2006176394
(式中、pおよびp’はそれぞれ独立した8〜80の数を表し、qは3〜50の数を表す。)で表される界面活性剤とを含有することを特徴とするセメント組成物用消泡剤組成物である。
本発明の効果は、従来使用されてきたセメント組成物用消泡剤と同等以上の消泡効果を持ち、かつ広範囲な温度領域でも、その消泡効果を維持するセメント組成物用消泡剤組成物を提供したことにある。
本発明の消泡剤組成物を構成する(A)成分は、前記一般式(1)で表されるものである。一般式(1)におけるRは、R(OH)mで表されるアルコールから、水酸基を除いたものであり、炭素数3〜22の脂肪族炭化水素基を表す。mが1の時はモノアルコールであり、その時のRは、例えば、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、2級ブチル基、ターシャリブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、2級ペンチル基、ネオペンチル基、ターシャリペンチル基、ヘキシル基、2級ヘキシル基、ヘプチル基、2級ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、2級オクチル基、ノニル基、2級ノニル基、デシル基、2級デシル基、ウンデシル基、2級ウンデシル基、ドデシル基、2級ドデシル基、トリデシル基、イソトリデシル基、2級トリデシル基、テトラデシル基、2級テトラデシル基、ヘキサデシル基、2級ヘキサデシル基、ステアリル基、エイコシル基、ドコシル基、2−ブチルオクチル基、2−ブチルデシル基、2−ヘキシルオクチル基、2−ヘキシルデシル基、2−オクチルデシル基、2−ヘキシルドデシル基、2−オクチルドデシル基、モノメチル分枝−イソステアリル基などのアルキル基;オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、テトラデセニル基、オレイル基などのアルケニル基が挙げられる。また、一般式(1)におけるRは、天然油脂から誘導される混合アルコールから水酸基を取り除いた基であってもよい。これらの天然油脂としては、例えば、アマニ油、エノ油、オイチシカ油、オリーブ油、カカオ脂、カポック油、白カラシ油、ゴマ油、コメヌカ油、サフラワー油、シアナット油、シナキリ油、大豆油、茶実油、ツバキ油、コーン油、ナタネ油、パーム油、パーム核油、ひまし油、ひまわり油、綿実油、ヤシ油、木ロウ、落花生油などの植物性油脂;馬脂、牛脂、牛脚脂、牛酪脂、豚脂、山羊脂、羊脂、乳脂、魚油、鯨油などの動物性油脂が挙げられる。これらの天然油脂から誘導される混合アルコールには、炭素数23以上のアルコールが含まれる場合もあるが、これらは本発明の効果を阻害しない範囲内で含んでもよく、好ましくは、炭素数23以上のアルコールが30質量%以下、より好ましくは20質量%以下、さらに好ましくは10質量%以下、最も好ましくは炭素数23以上のアルコールを除去することである。
これらの脂肪族炭化水素基の中でも、炭素数8〜18のアルキル基またはアルケニル基が好ましく、炭素数10〜18のアルキル基またはアルケニル基がより好ましく、炭素数12〜18のアルキル基またはアルケニル基がさらに好ましい。
前記一般式(1)においてmが2のとき、R(OH)mで表されるアルコールはジオール化合物となる。これらのジオール化合物としては、例えば、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、イソプレングリコール(3−メチル−1,3−ブタンジオール)、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,2−オクタンジオール、オクタンジオール(2−エチル−1,3−ヘキサンジオール)、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール、1,2−デカンジオール、1,2−ドデカンジオール、1,2−テトラデカンジオール、1,2−ヘキサデカンジオール、1,2−オクタデカンジオール、1,12−オクタデカンジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素化ビスフェノールA、ソルバイド、2,5−ジメチル−3−ヘキシン−2,5−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、ビス(ヒドロキシメチル)ベンゼンなどが挙げられる。
これらのジオール化合物の中でも、炭素数3〜18のジオール化合物が好ましく、炭素数3〜10がより好ましく、炭素数3〜8のジオール化合物がさらに好ましい。
前記一般式(1)においてmが3のとき、R(OH)mで表されるアルコールはトリオール化合物となる。これらのトリオール化合物としては、例えば、グリセリン、1,2,3−ブタントリオール、1,2,4−ブタントリオール、2−メチル−1,2,3−プロパントリオール、1,2,3−ペンタントリオール、1,2,4−ペンタントリオール、1,3,5−ペンタントリオール、2,3,4−ペンタントリオール、2−メチル−2,3,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、2,3,4−ヘキサントリオール、2−エチル−1,2,3−ブタントリオール、トリメチロールプロパン、4−プロピル−3,4,5−ヘプタントリオール、2,4−ジメチル−2,3,4−ペンタントリオールなどが挙げられる。
これらのトリオール化合物の中でも、炭素数3〜8のトリオール化合物が好ましく、炭素数3〜6のトリオール化合物がより好ましい。
一般式(1)で表されるnは、10〜80の数を表し、好ましくは12〜60、さらに好ましくは15〜50、最も好ましくは15〜30である。nが10未満および80より大きい数の場合、得られる消泡剤組成物の消泡性が不十分になる。
一般式(1)で表わされる化合物の製造方法は特に限定されず、公知の方法で製造することができる。例えば、R(OH)mで表されるアルコールとプロピレンオキシドを、触媒の存在下、0.03MPa〜1MPaの圧力下、50℃〜180℃で反応する方法であるが、反応温度は70℃〜160℃が好ましく、80℃〜150℃がさらに好ましい。反応温度が50℃よりも低くなると、上記反応の反応速度が遅くなるため反応が終結しない場合があり、反応温度が180℃を超えると、生成物に着色などの問題が生じる場合がある。また、圧力が0.03MPaより低いと、反応装置内に入れることのできるプロピレンオキシドの量が少なすぎて、反応に時間がかかってしまう場合があり、1MPaを超えると、反応装置内のプロピレンオキシドの量が多くなり、反応を制御することが困難になる場合がある。
使用できる触媒としては、例えば、硫酸やトルエンスルフォン酸などの強酸;四塩化チタン、塩化ハフニウム、塩化ジルコニウム、塩化アルミニウム、塩化ガリウム、塩化インジウム、塩化鉄、塩化スズ、フッ化硼素などの金属ハロゲン化物;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ソヂウムメチラート、炭酸ナトリウムなどのアルカリ金属やアルカリ土類金属の水酸化物、アルコラート物、炭酸塩;酸化アルミニウム、酸化カルシウム、酸化バリウム、酸化ナトリウムなどの金属酸化物;テトライソプロピルチタネート、ジブチル錫ジクロライド、ジブチル錫オキサイドなどの有機金属化合物が挙げられる。
本発明の消泡剤組成物を構成する(B)成分は、前記一般式(2)で表されるものである。一般式(2)におけるqは3〜50の数であり、好ましくは3〜30の数、さらに好ましくは3〜20の数である。qが50を超えると(B)成分の融点が上がり、本発明の組成物が固化するなど、製品安定性に悪影響を与える場合があり、3より小さい場合、本発明の組成物の消泡性能が不十分になる。
pおよびp’はHO−(C24O)q−Hで表されるポリエチレングリコールの二つの水酸基にそれぞれ付加した、プロピレンオキシドの平均付加モル数を示し、それぞれ独立した8〜80の数であり、好ましくは8〜50の数であり、より好ましくは10〜30の数である。プロピレンオキシドの平均付加モル数が8未満、および80を超える場合は、本発明の組成物の消泡性能が不十分になる。
qの数よりポリエチレンオキシドの総分子量が求められるが、一般式(2)で表されるブロック共重合体の総分子量に占めるポリエチレンオキシドの総分子量は、好ましくは3〜50質量%、さらに好ましくは5〜40質量%、最も好ましくは5〜30質量%である。ポリエチレンオキシドの割合が3質量%未満、および50質量%を超えると、本発明の組成物の消泡性能が不十分になる。
一般式(2)で表わされる化合物の製造方法は特に限定されず、公知の方法で製造することができる。例えば、HO−(C24O)q−Hで表されるポリエチレングリコールとプロピレンオキシドとを、触媒の存在下、0.03MPa〜1MPaの圧力下、50℃〜180℃で反応する方法であるが、反応温度は70℃〜160℃が好ましく、80℃〜150℃がさらに好ましい。反応温度が50℃よりも低くなると、上記反応の反応速度が遅くなるため反応が終結しない場合があり、反応温度が180℃を超えると、生成物に着色などの問題が生じる場合がある。また、圧力が0.03MPaより低いと、反応装置内に入れることのできるプロピレンオキシドの量が少なすぎて、反応時間がかかってしまう場合があり、1MPaを超えると、反応装置内のプロピレンオキシドの量が多くなり、反応を制御することが困難になる場合がある。
使用できる触媒としては、一般式(1)を製造するときに例示した、前記触媒を使用することができる。
(A)成分と(B)成分との比は、質量換算で(A):(B)=9:1〜1:9の範囲であることが好ましく、(A):(B)=7:3〜3:7であることがより好ましい。(A)成分の含有量が上記範囲よりも少ない時は、本発明の組成物の低温時の消泡性能が不十分になる場合があり、(B)成分の含有量が上記範囲よりも少ない時は、本発明の組成物の高温時の消泡性能が不十分になる場合がある。
本発明の消泡剤組成物の使用量は、特に限定されないが、セメント類やコンクリート、モルタルなどのセメント組成物100質量部に対して、0.001〜3質量部が好ましく、0.005〜1質量部がさらに好ましく、0.01〜1質量部が最も好ましい。使用量が0.001質量部未満の場合、充分な消泡効果が得られない場合があり、3質量部より多いと、セメント組成物からなる成型品の耐久性低下の原因になるとともに、経済的にも不利となる場合がある。
本発明の消泡剤組成物を担体に含浸させることにより粉体状の組成物とすることができる。上記の担体としては、例えば、骨材、細骨材、膨張剤、顔料などの固体若しくは粉体状のセメント組成物用添加剤;セライト、パーライト、ゼオライト、シリカなどの無機多孔質粉末;ウレタン樹脂、塩化ビニリデンなどを原料として得られる有機バルーンなどが挙げられる。なお、本発明の消泡剤組成物を担体に含浸させたものは、セメント類と混合しておいても、塊状にならないことから、予め、セメント類に配合しておくと、セメント類を混練する際に、消泡剤を計量して添加するという煩雑な作業が軽減できる。
本発明の消泡剤組成物が使用できるセメント類としては、例えば、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、耐硫酸塩ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、白色ポルトランドセメント、超速硬ポルトランドセメント、膨張セメント、酸性リン酸塩セメント、自硬性セメント、石灰スラグセメント、高炉セメント、高硫酸塩スラグセメント、フライアッシュセメント、キーンスセメント、ポゾランセメント、アルミナセメント、ローマンセメント、白セメント、マグネシアセメント、水滓セメント、カルシウムアルミネート、シリカセメント、ジェットセメント、石膏などが挙げられる。また、これらのセメントに砂、小石、石灰などを配合したコンクリートやモルタルにも使用することができる。
本発明の消泡剤組成物を配合したセメント組成物には、水の他、公知のセメント添加剤を必要に応じて添加することができる。セメント添加剤としては、例えば、小石、砂利、砂、木片、パルプなどの骨材若しくは細骨材;ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、メラミンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、ポリカルボン酸塩、スルホン化メラミン樹脂、リグニンスルホン酸、スルファニル酸ホルマリン縮合物などの公知の混和剤;ケトグルコン酸カルシウム、ミルクカゼイン、クエン酸ナトリウム、酒石酸ナトリウムカリウムなどの凝結遅延剤;AE剤(空気連行剤)、減水剤、AE減水剤、高性能AE減水剤、凝結促進剤、流動化剤、膨張剤、保水剤、増粘剤、防水剤、水溶性高分子、収縮低減剤、界面活性剤、顔料、着色料などが挙げられる。
本発明のセメント組成物は、本発明の消泡剤組成物を含有したセメント組成物である。本発明の消泡剤組成物をセメント成分に添加する方法は、特に限定されないが、消泡剤組成物のセメント成分への添加順序としては、例えば、(A)成分と(B)成分とを同時にセメント成分に添加する方法、(A)成分と(B)成分とを別々にセメント成分に添加する方法、(A)成分を含有したセメント成分と(B)成分を含有したセメント成分とを混合する方法などが挙げられ、消泡剤組成物のセメント成分への添加時期については、例えば、セメント組成物を練るときに添加する方法、或いは既に練り上がったセメント組成物に添加する方法、練る前のセメント成分に配合する方法などが挙げられる。これらはいずれの方法でもよいが、セメント組成物に本発明の消泡剤組成物を均一に分散させるという観点から、担体に含浸させた(A)成分と(B)成分とを、練る前のセメント成分に添加しておくことが好ましい。
本発明の樹脂配合セメント組成物は、本発明の消泡剤組成物および樹脂を含有したセメント組成物である。使用できる樹脂としては、例えば、アクリレート系エマルション樹脂、スチレン系エマルション樹脂、酢酸ビニル系エマルション樹脂、SBR(スチレン/ブタジエン)エマルション樹脂、ABS(アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン)エマルション樹脂、BR(ブタジエン)エマルション樹脂、IR(イソプレン)エマルション樹脂、NBR(アクリロニトリル/ブタジエン)エマルション樹脂、ハロゲン化オレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアリールエーテル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリαオレフィン樹脂などが挙げられ、これらの中でも、アクリレート系エマルション樹脂、スチレン系エマルション樹脂、酢酸ビニル系エマルション樹脂、SBR(スチレン/ブタジエン)エマルション樹脂、ABS(アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン)エマルション樹脂、BR(ブタジエン)エマルション樹脂、IR(イソプレン)エマルション樹脂、NBR(アクリロニトリル/ブタジエン)エマルション樹脂などが好適に使用できる。
アクリレート系エマルション樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル酸(エステル)の単独重合体または共重合体、(メタ)アクリル酸(エステル)/スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸(エステル)/酢酸ビニル共重合体、(メタ)アクリル酸(エステル)/アクリロニトリル共重合体、(メタ)アクリル酸(エステル)/ブタジエン共重合体、(メタ)アクリル酸(エステル)/塩化ビニリデン共重合体、(メタ)アクリル酸(エステル)/アリルアミン共重合体、(メタ)アクリル酸(エステル)/ビニルピリジン共重合体、(メタ)アクリル酸(エステル)/アルキロールアミド共重合体、(メタ)アクリル酸(エステル)/N,N―ジメチルアミノエチルエステル共重合体、(メタ)アクリル酸(エステル)/N,N−ジエチルアミノエチルビニルエーテル共重合体、シクロヘキシルメタクリレート系重合体などが挙げられる。
スチレン系エマルション樹脂としては、例えば、スチレン単独重合体、スチレン/アクリロニトリル共重合体、スチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/フマルニトリル共重合体、スチレン/マレインニトリル共重合体、スチレン/シアノアクリル酸エステル共重合体、スチレン/酢酸フェニルビニル共重合体、スチレン/クロロメチルスチレン共重合体、スチレン/ジクロロスチレン共重合体、スチレン/ビニルカルバゾール共重合体、スチレン/N,N−ジフェニルアクリルアミド共重合体、スチレン/メチルスチレン共重合体、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体、スチレン/アクリロニトリル/メチルスチレン共重合体、スチレン/アクリロニトリル/ビニルカルバゾール共重合体、スチレン/マレイン酸共重合体などが挙げられる。
酢酸ビニル系エマルション樹脂としては、例えば、酢酸ビニル単独重合体、酢酸ビニル/スチレン共重合体、酢酸ビニル/塩化ビニル共重合体、酢酸ビニル/アクリロニトリル共重合体、酢酸ビニル/マレイン酸(エステル)共重合体、酢酸ビニル/フマル酸(エステル)共重合体、酢酸ビニル/エチレン共重合体、酢酸ビニル/プロピレン共重合体、酢酸ビニル/イソブチレン共重合体、酢酸ビニル/塩化ビニリデン共重合体、酢酸ビニル/シクロペンタジエン共重合体、酢酸ビニル/クロトン酸共重合体、酢酸ビニル/アクロレイン共重合体、酢酸ビニル/アルキルビニルエーテル共重合体などが挙げられる。
これらの樹脂はいずれの分子量のものでも使用できるが、重量平均分子量が1000〜1,000万が好ましく、1万〜500万がより好ましい。また、これらの樹脂の配合量は、樹脂配合セメント組成物全体において、0.05〜50質量%を占める量が好ましく、0.1〜40質量%を占める量がより好ましく、0.5〜35質量%を占める量がさらに好ましい。また、本発明の樹脂配合セメント組成物に対する本発明の消泡剤組成物の配合量は、本発明の樹脂配合セメント組成物100質量部において、0.001〜3質量部を占める量が好ましく、0.005〜1質量部を占める量がさらに好ましく、0.005〜0.5質量部を占める量が最も好ましい。
本発明のセメント成型品の製造方法は、本発明のセメント組成物または樹脂配合セメント組成物を固化させて成型品を得る方法である。成型方法としては、特に限定されないが、型に入れて流し込む方法、床や地面などに流し込む方法、壁などに塗る方法などが挙げられ、また、固化促進などのためには、プレス装置などで加圧する方法、加熱処理する方法などが挙げられる。これらの中でも、建築物の床面などで使用される、セルフレベリング材としての利用が最適である。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。なお、以下の実施例中、部および%は特に記載が無い限り質量基準である。消泡剤として以下に示す化合物を用いた。
<A成分>
A−1 C1225O(C36O)20
A−2 C1633O(C36O)30
A−3 C1837O(C36O)40
A−4 1,2−オクタンジオールのプロピレンオキシド30モル付加物
A−5 トリメチロールプロパンのプロピレンオキシド30モル付加物
<B成分>
B−1 HO(C36O)20(C24O)6(C36O)20
エチレンオキシド含有割合10.1%
B−2 HO(C36O)50(C24O)20(C36O)50
エチレンオキシド含有割合13.1%
B−3 HO(C36O)50(C24O)30(C36O)50
エチレンオキシド含有割合18.5%
<その他成分>
C−1 C1835COO(C24O)9
C−2 C817NH2
C−3 C1835O(C36O)40(C24O)5
C−4 HO[(C36O)10(C24O)5]H
(ランダム重合品)
C−5 シリコーン系エマルジョン型消泡剤
(固形分19%;信越化学社製 KM−73)
C−6 HO(C24O)15(C36O)50(C24O)15
<消泡性試験>
下記の配合のセルフレベリング材および樹脂配合セメント組成物を、5℃、20℃および40℃の温度で、下記の方法で練り混ぜた後、内容積95mlの容器に入れ、練り上がり時の容重(単位容積あたりの質量)を測定した。この後、このセルフレベリング材をステンレス製バットに厚さが各1cmになるように流し込み、硬化した後にセルフレベリング材の表面に発生した泡の数を数えた。なお、単位容積あたりの質量が大きいほど、および表面の泡の数が少ないものほど、消泡性が高いことを表わす。消泡剤組成物の配合を表1に、試験結果を表2に示した。
<セルフレベリング材の配合:実施例1〜10および比較例1〜8>
・普通ポルトランドセメント 100部
・無水石膏 10部
・フライアッシュ 28部
・6号珪砂 143部
・ポリカルボン酸系流動化剤 1.8部
・セルロース系増粘剤(粘度グレード15000)0.2部
・本発明品または比較品の消泡剤組成物 0.35部
・水 85部
<樹脂配合セメント組成物の配合:実施例11〜14および比較例9〜10>
・普通ポルトランドセメント 100部
・無水石膏 10部
・フライアッシュ 28部
・6号珪砂 143部
・ポリカルボン酸系流動化剤 2部
・セルロース系増粘剤(粘度グレード15000)0.15部
・樹脂 3部
・本発明品または比較品の消泡剤組成物 0.5部
・水 90部
*樹脂:ブチルアクリレート/メタクリル酸メチル/アクリルアミド共重合体(共重合質量比=49/49/2)、重量平均分子量200万
<練り混ぜ方法−1>
実施例1〜14および比較例1〜10の組成において、水以外の材料をヘンシェル式ミキサーで混合した後、所定量の水を加え、ホバートミキサーを用いて3分間混練してスラリー化した。
Figure 2006176394
Figure 2006176394
実施例10の配合比および製造方法
湿式シリカ100部をナウターミキサーに投入して撹拌する。撹拌しているナウターミキサー槽の中へ、11部のA−1および11部のB−1の混合物を、1時間かけて滴下し、滴下終了後さらに1時間撹拌して、湿式シリカに含浸させた本発明の消泡剤組成物を得た。なお、この組成物をセルフレベリング材への配合時には、セルフレベリング材内の消泡剤組成物量が、他の実施例と同様になるように添加した。
Figure 2006176394
Figure 2006176394
<練り混ぜ方法−2>
前記実施例1のセルフレベリング材の配合において、水および本発明の消泡剤組成物以外の材料を、ヘンシェル式ミキサーで混合した後、以下の方法で水と本発明の消泡剤組成物を加え、上記と同様の消泡試験を行った。
(1)(A)成分を添加して混合後に(B)成分を添加して混合し、その後水を加えてホバートミキサーを用いて3分間混練してスラリー化した。
(2)(A)成分を添加した後、水を加えてホバートミキサーで1分間混練し、そこに(B)成分を添加して、さらにホバートミキサーを用いて2分間混練してスラリー化した。
(3)水を加えてホバートミキサーで1分間混練した後、(A)成分および(B)成分を添加して、さらにホバートミキサーを用いて2分間混練してスラリー化した。
上記(1)〜(3)で得られた本発明のセメント組成物は、配合方法が違うだけで、配合内容は実施例1と同様のものである。なお、(1)を実施例15、(2)を実施例16、(3)を実施例17として、それぞれの性能を実施例1と比較して、配合方法による違いを検討した。その結果、実施例15〜17においても実施例1と同様に優れた結果が得られた。
Figure 2006176394
以上のように、本発明のセメント組成物用消泡剤組成物は、幅広い温度領域において安定した消泡性能を示している。また、本発明のセメント組成物用消泡剤組成物は担体に含浸させてもさせなくても、或いは、配合順序や配合時期を変えても、その効果に変化はないことがわかる。よって本発明のセメント組成物用消泡剤組成物は季節を問わず、また、配合方法も問わずに使用することが可能である。
本発明によれば、気温に関係なく、広範囲な温度領域で使用できるセメント組成物用の消泡剤組成物を提供することができる。

Claims (6)

  1. (A)成分として、下記の一般式(1)
    Figure 2006176394
    (式中、Rは炭素数3〜22の脂肪族炭化水素基を表し、mは1〜3の数を表し、nは10〜80の数を表す。)で表されるアルキレンオキシド付加物と、
    (B)成分として、下記の一般式(2)
    Figure 2006176394
    (式中、pおよびp’はそれぞれ独立した8〜80の数を表し、qは3〜50の数を表す。)で表される界面活性剤とを含有することを特徴とするセメント組成物用消泡剤組成物。
  2. (A)成分と(B)成分との比が、質量換算で(A):(B)=9:1〜1:9である請求項1に記載のセメント組成物用消泡剤組成物。
  3. 担体に浸含させて粉体状にされている請求項1に記載のセメント組成物用消泡剤組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のセメント組成物用消泡剤組成物を含有することを特徴とするセメント組成物。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のセメント組成物用消泡剤組成物および樹脂を含有することを特徴とする樹脂配合セメント組成物。
  6. 請求項4および5に記載のセメント組成物または樹脂配合セメント組成物を使用して成形することを特徴とするセメント成型品の製造方法。
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