JP2008031008A - 低収縮モルタル組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】アルミナセメント、骨材、膨張材、および一般式(1)で表されるA成分が10〜90質量%、一般式(2)で表されるB成分が10〜90質量%の割合からなる乾燥収縮低減剤を含有することを特徴とする低収縮モルタル組成物。
一般式(1) HO{(AO)a(C2H4O)b}−H
ただし、AOは炭素数3および/または4のオキシアルキレン基を表し、a、bはそれぞれ、1≦a、1≦bであり、また、2≦(a+b)≦30、0.4≦a/bである。ランダム付加物でもブロック付加物でも良い。
一般式(2) R´O(A´O)n´−H
ただし、R´は炭素数で2〜8のアルキル基を表し、A´Oは炭素数2および/または3のオキシアルキレン基を表し、n´は1〜10を表す。
【選択図】なし
Description
モルタルの乾燥収縮によるひび割れ防止対策として、従来から乾燥収縮低減剤が使用されている。例えば、炭素数1〜4の低級アルコールのアルキレンオキサイド付加物(特許文献1)、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイドのブロックまたはランダム化合物(特許文献2)、フェノールまたはアルキルフェノールのアルキルオキサイド付加物(特許文献3)、ビスフェノールのアルキルオキサイド付加物(特許文献4)、鎖状炭化水素にエチレンオキサイドとプロピレンオキサイド付加物(特許文献5)等が知られている。
(1)アルミナセメント、骨材、膨張材、および一般式(1)で表されるA成分が10〜90質量%、一般式(2)で表されるB成分が10〜90質量%の割合からなる乾燥収縮低減剤を含有することを特徴とする低収縮モルタル組成物。
一般式(1) HO{(AO)a(C2H4O)b}−H
ただし、AOは炭素数3および/または4のオキシアルキレン基を表し、a、bはそれぞれ、1≦a、1≦bであり、また、2≦(a+b)≦30、0.4≦a/bである。ランダム付加物でもブロック付加物でも良い。
一般式(2) R´O(A´O)n´−H
ただし、R´は炭素数で2〜8のアルキル基を表し、A´Oは炭素数2および/または3のオキシアルキレン基を表し、n´は1〜10を表す。
(2)乾燥収縮低減剤が液体である(1)の低収縮モルタル組成物。
(3)スラグ、シリカフューム、およびフライアッシュの中から選ばれる一種以上の無機粉末を含有する(1)または(2)の低収縮モルタル組成物。
(4)ポリマーディスパージョンを含有する(1)〜(3)のいずれかの低収縮モルタル組成物。
(5)繊維を含有する(1)〜(4)のいずれかの低収縮モルタル組成物。
(6)凝結促進剤を含有する(1)〜(5)のいずれかの低収縮モルタル組成物。
(7)消泡剤を含有する(1)〜(6)のいずれかの低収縮モルタル組成物。
A成分は、一般式(1) HO{(AO)a(C2H4O)b}−Hで表されるものである。一般式(1)に示されるAOは、炭素数3および/または4のオキシアルキレン基を表す。炭素数3はオキシプロピレン基、炭素数4はオキシブチレン基を表す。AOは炭素数が5以上であるとセメントと混和する場合、混合による均一化が期待できず、乾燥収縮低減効果が小さくなるので炭素数4以下が好ましい。AOがオキシプロピレン基とオキシブチレン基との共重合の場合は、ランダム付加でもブロック付加でもよい。a、bは、それぞれ、1≦a、1≦bを示し、また、2≦(a+b)≦30、0.4≦a/bを示す。好ましくは12≦(a+b)≦30である。また、1≦a/b≦10がより好ましく、さらに好ましくは1≦a/b≦5である。a、bがこの範囲を外れるとセメントと混和する場合、空気連行性が大きくなり、強度低下を生じ、乾燥収縮低減効果も小さくなる場合がある。(AO)と(C2H4O)との組み合わせは、ランダム付加物でもブロック付加物でも良い。
B成分は、一般式(2) R´O(A´O)n´−Hで表されるものである。一般式(2)で示されるRは、炭素数2〜8のアルキル基を表し、例えば、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、n−ヘプチル基、イソヘプチル基、n−オクチル基、イソオクチル基を表し、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基が好ましく、n−ブチル基がより好ましい。A´Oは炭素数2および/または3のオキシアルキレン基を表す。炭素数2はオキシエチレン基、炭素数3はオキシプロピレン基を表す。nは1〜10を表し、A´Oが2種以上のオキシアルキレン基の場合は、オキシエチレン基、オキシプロピレン基の重合形態は特に限定されず、ランダム共重合、ブロック共重合、ランダム共重合/ブロック共重合であって良い。nが10を超えると、乾燥収縮低減効果が小さくなるので10以下が好ましく、1〜5がさらに好ましい。
膨張材の種類としては、特に限定されるものではなく、一般に市販されているものが使用できる。例えば、エトリンガイト系膨張材、石灰系膨張材、石灰−エトリンガイト複合系膨張材等が挙げられる。これらを2種以上混合して使用してもよい。
アルミナセメント:電気化学工業社製、アルミナセメント1号
膨張材:電気化学工業社製、CSA#20
砂:東海リテック社製、5、6、7号の各硅砂を等量配合、最大粒径1.2mm
水:水道水
乾燥収縮低減剤:表1に示す(イ)50質量部と表2に示す(ロ)50質量部の混合物
圧縮強度比:得られたモルタルを4×4×16cmの型枠に詰め、温度20℃、湿度60%の部屋で気中養生した。その時の測定材齢は1日及び28日。また、温度5℃、湿度60%の部屋で気中養生した。その時の測定材齢は1日、28日。圧縮強度の測定はJIS R 5201に準拠した。圧縮強度比は、各材齢において、本発明の乾燥収縮低減剤を含むモルタルの圧縮強度測定値/乾燥収縮低減剤無添加のモルタルの圧縮強度測定値として%で表した。
乾燥収縮低減比:JIS A 1129−3のモルタル及びコンクリートの長さ変化試験方法、ダイヤルゲージ法に準拠し温度20℃、湿度60%で材齢2日を基点とし材齢30日後の長さ変化を測定した。乾燥収縮低減比は、材齢30日後の本発明の乾燥収縮低減剤を含むモルタルの長さ変化測定値/乾燥収縮低減剤無添加のモルタルの長さ変化測定値として%で表した。
中性化深さ:JIS A 1171に準拠して測定した。
ポリマーディスパージョン:エロテックス社製、再乳化型粉末スチレン−アクリル系樹脂
無機粉末:シリカフューム、市販品、BET比表面積10m2/g
ダレ抵抗性:縦30cm×横30cm×厚み6cmのコンクリート製平版の表面を湿らせ、厚み2cmでモルタルを塗り付けて24時間後の付着状態を観察した。異常なければ○とし、はらんだり、ずれ落ちたりすれば×とした。試験は温度20℃、湿度60%の室内で行った。
繊維:クラレ社製、ビニロン繊維、繊維長6mm、繊維径26μm
硬化前のひび割れ抵抗性:横30cm×縦30cm×厚さ6cmのコンクリート平板に厚み1cmとなるように打設した。打設完了した試験体は、度60%、度5℃で、風機で風速1〜3mの風をあてた状態で1日後のひび割れ状況を確認した。ひび割れ発生が無ければ○とし、微細ひび割れまたは2本以内の場合は△、3本以上の場合は×とした。
凝結促進剤:エレメンティスジャパン社製、ベントンOC、リチウム含有粘土鉱物(ヘクトライト)、リチウム含有量1質量%
低温での硬化性状:5℃の恒温室において、4×4×16cmの型枠にモルタルを打設、その硬化時間(指で押してへこまない時点)を測定した。
消泡剤:ポリエーテル系消泡剤、市販品
単位容積質量:JIS A 1171に準拠して測定した。
Claims (7)
- アルミナセメント、骨材、膨張材、および一般式(1)で表されるA成分が10〜90質量%、一般式(2)で表されるB成分が10〜90質量%の割合からなる乾燥収縮低減剤を含有することを特徴とする低収縮モルタル組成物。
一般式(1) HO{(AO)a(C2H4O)b}−H
ただし、AOは炭素数3および/または4のオキシアルキレン基を表し、a、bはそれぞれ、1≦a、1≦bであり、また、2≦(a+b)≦30、0.4≦a/bである。ランダム付加物でもブロック付加物でも良い。
一般式(2) R´O(A´O)n´−H
ただし、R´は炭素数で2〜8のアルキル基を表し、A´Oは炭素数2および/または3のオキシアルキレン基を表し、n´は1〜10を表す。 - 乾燥収縮低減剤が液体である請求項1記載の低収縮モルタル組成物。
- スラグ、シリカフューム、およびフライアッシュの中から選ばれる少なくとも1種の無機粉末を含有する請求項1または2記載の低収縮モルタル組成物。
- ポリマーディスパージョンを含有する請求項1〜3のいずれか1項記載の低収縮モルタル組成物。
- 繊維を含有する請求項1〜4のいずれか1項記載の低収縮モルタル組成物。
- 凝結促進剤を含有する請求項1〜5のいずれか1項記載の低収縮モルタル組成物。
- 消泡剤を含有する請求項1〜6のいずれか1項記載の低収縮モルタル組成物。
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