JP2004051422A - 吹付け工法用セメント組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】中性化抑制効果に優れ、ひび割れが少ない吹付け用コンクリート補修材料を提供する。
【解決手段】セメント、粘調剤、及びγ−2CaO・SiOを含有してなる吹付け用セメント組成物。吹付け施工時のセメントモルタル等の跳ね返りや脱落が少なく、効率的な施工が可能となり、厚塗りや大断面の施工ができるだけでなく、中性化抑制効果に優れ、ひび割れが少ない等の効果を奏するため、建築・土木分野におけるコンクリート補修材料に適する。
【選択図】  なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、土木、建築分野で使用される吹付け用セメント組成物に関する。本発明では特に限定しない限り部や%は質量基準である。
【0002】
【従来の技術と課題】
一般に、ポルトランドセメントにポリマーエマルジョンや骨材を配合したポリマーセメントモルタルはよく知られている(特公平02−10112号公報等)。
【0003】
これらのポリマーセメントモルタル組成物は耐水性に優れており、主に、建築物の内壁や外壁などに使用されてきた。また、最近は橋脚や床版等の劣化部を除去したあとの断面修復材として使用され、補修材料としての需要が高まってきている。今後、高速道路等の高架橋や下水道関連施設などの重要構造物の補修にも使用されるものと期待されている。
【0004】
このようなコンクリートの表面仕上げ及び断面修復には、主にセメントモルタルが使用されている。セメントモルタルは、通常、モルタルミキサー等でセメント、骨材、及び水を攪拌・混合して製造される。
【0005】
その施工方法としては、コテで塗り付けて仕上げを行うことが多いが、熟練が必要な上、10mm以上の厚塗りは困難で多大な労力がかかるという課題があった。そのため、セメントモルタルをポンプで圧送して吹付ける方法が提案されている(特開平9−12379号公報、特開平9−296453号公報、特開平10−216628号公報)。
【0006】
しかしながら、吹付けたセメントモルタルが跳ね落ちたりダレたりして目的とする施工が難しいという課題があった。又、セメント分のこわばりにより、ポンプ圧送性が悪化し、施工性を悪くするという問題もあった。
【0007】
また、コンクリートが置かれた環境によっては、補修した箇所が再び劣化し、再修復工事が必要な場合もある。このように厳しい環境に設置されたコンクリート構造物の補修に用いるため、劣化に強い補修材料が求められている。
【0008】
コンクリートの劣化要因には中性化や塩害などがある。しかしながら、これらは相反する要求性能である。なぜなら、塩害はコンクリート中の水酸化カルシウム量が多いほど影響を受けやすい。一方、中性化は水酸化カルシウム生成量が少ないほど影響を受けやすいためである。
【0009】
塩害はおもに海岸近くの橋梁等のコンクリート構造物で発生し、飛来塩分等に由来する塩化物イオンが表面からコンクリート内部に浸透することにより鉄筋が腐食し、その結果構造物としての耐力の低下やコンクリート片の剥落等の劣化を引き起こす現象である。
【0010】
塩害の影響を受けにくいコンクリートを得るためには、高炉スラグ、フライアッシュ及びシリカフュームなどの潜在水硬性物質を多量に混和して、セメントの水和から生成する水酸化カルシウムを消費させて、水酸化カルシウム量の少ないコンクリートとすることが有効であり、例えば、市販の高炉セメントを利用することが最も簡便な方法であり、現状でもある程度の対策を講じることが可能である。
【0011】
一方、中性化は水酸化カルシウムが大気中の二酸化炭素と反応して炭酸化されることにより引き起こされる現象である。したがって、水酸化カルシウム生成量の少ないコンクリートほど中性化の影響を受けやすく、高炉セメントなどの耐塩化物浸透性に優れる材料は、逆に中性化しやすいとされている。
【0012】
このように、今日では、高炉セメントなどの耐塩化物浸透性を低下させることなく中性化抑制効果を高める技術の開発が強く求められている。今後、重要構造物などの補修需要が高まる中で、施工性に優れ,コンクリート構造物としての耐久性を高めるような材料を提供することは喫緊の課題といえる。
【0013】
本発明者は、鋭意検討を重ねた結果、特定の吹付け用セメント組成物を使用することにより、吹付け施工時のモルタル等(以下、セメントペースト、モルタル及びコンクリートを総称してモルタルという)の跳ね返りや脱落が少なく、効率的な施工が可能となり、厚塗りや大断面の施工ができるだけでなく、中性化抑制効果に優れ,ひび割れが少ない等の効果を奏するとの知見を得て本発明を完成するに至った。
【0014】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、セメント、粘調剤、及びγ−2CaO・SiOを含有してなる吹付け用セメント組成物であり、セメント100部に対して、粘調剤0.05〜1部及びγ−2CaO・SiOを5〜30部含有してなる該吹付け用セメント組成物であり、セメント100部に対して超微粉末物質1〜10部を含有してなる該吹付け用セメント組成物であり、セメント100部に対して、セメント混和用ポリマーディスパージョンを固形分で1〜20部を含有してなる該吹付け用セメント組成物であり、セメント100部に対して、膨張材3〜10部を含有してなる該吹付け用セメント組成物である。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。本発明で使用するセメントは特に限定されないが、ポルトランドセメントを含有するセメントを用いることが好ましく、たとえば普通、早強、超早強、低熱、または中庸熱などの各種ポルトランドセメント、これらポルトランドセメントに高炉水砕スラグ、フライアッシュ、又はシリカを混合した各種混合セメント、あるいは、ポルトランドセメントに石灰石粉末などを混合した石灰石フィラーセメントなどが挙げられる。
【0016】
本発明の粘調剤は、モルタルの粘度を調整するものを意味し、特に限定されるものではないが、一般に水溶性高分子物質と呼ばれているもので、メチルセルロース(MC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリビニルアルコール(PVA)、アクリル酸、及びポリエチレンオキサイド(PEO)等が挙げられる。
【0017】
粘調剤の配合量は、通常、セメント100部に対して、0.05〜1部が好ましく、0.1〜0.8部がより好ましい。0.05部未満では、モルタルの跳ね返りや脱落の防止、ポンプ圧送性の改善ができない場合があり、1部を超えると空気量が増え過ぎてポンプ圧送性に悪影響を与える場合がある。粘調剤の混合方法は、特に限定されるものではないが、例えば、予めセメントや水に分散しておくことが好ましい。
【0018】
本発明で使用するγ−2CaO・SiOは2CaO・SiOで表される化合物のうちで、低温相として知られるものであり、高温相であるα−2CaO・SiOやβ−2CaO・SiOとは異なるものである。これらは、いずれも2CaO・SiOで同じ化学組成を有するが、結晶構造は異なっている。セメントクリンカ中に存在する2CaO・SiOはβ−2CaO・SiOである。β−2CaO・SiOは水硬性を有するが、本発明のγ−2CaO・SiOのような中性化抑制効果を示すものではない。
【0019】
γ−2CaO・SiOのブレーン比表面積は3,000〜8,000cm/gが好ましく、4,000〜6,000cm/gがより好ましい。ブレーン比表面積が3,000cm/g未満では、中性化抑制効果が充分に得られない場合がある。ブレーン比表面積が8,000cm/gを超えても中性化抑制効果の更なる向上は期待できず、逆に粉砕に時間がかかりエネルギーのロスが大きくなる。
【0020】
本発明のγ−2CaO・SiOを工業的に製造する方法は特に限定されないが、一般的には(1)CaO源として生石灰、消石灰、及び/又は炭酸カルシウムなどのカルシウム源、(2)酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、及び/又はボーキサイトなどのアルミニウム源を熱処理する方法等が挙げられる。熱処理温度は特に限定されるものではなく、使用する原料によっても異なるが、通常、850℃〜1,600℃程度の範囲で行えばよく、1,000℃〜1,500℃程度が熱処理効率の面から好ましい。
【0021】
本発明のγ−2CaO・SiOを工業的に製造する際には、不純物の存在は特に限定されるものではなく、本発明の目的を実質的に阻害しない範囲では特に問題とならない。その具体例としては、例えば、Al、MgO、TiO、MnO、NaO、S、P、及びFe等が挙げられる。また、共存する化合物としては、トライカルシウムシリケート3CaO・SiO、ランキナイト3CaO・2SiO、ワラストナイトCaO・SiOなどの2CaO・SiO以外のカルシウムシリケート、メルヴィナイト3CaO・MgO・2SiO、アケルマナイト2CaO・MgO・2SiO、モンチセライトCaO・MgO・SiOなどのカルシウムマグネシウムシリケート、ゲーレナイト2CaO・Al・SiO、アノーサイトCaO・Al・2SiOなどのカルシウムアルミノシリケート、並びに、アケルマナイト2CaO・MgO・2SiOとゲーレナイト2CaO・Al・SiOの混晶であるメリライト、MgO・SiOや2MgO・SiOなどのマグネシウムシリケート、遊離石灰、遊離マグネシア、カルシウムフェライト2CaO・Fe、カルシウムアルミノフェライト4CaO・Al・Fe、リューサイト(KO、NaO)・Al・SiO、スピネルMgO・Al、マグネタイトFeを含む場合がある。
【0022】
本発明のγ−2CaO・SiOを工業的に製造する方法は特に限定されないが、一般的には(1)CaO源として生石灰、消石灰、及び/又は炭酸カルシウムなどのカルシウム源、(2)酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、及び/又はボーキサイトなどのアルミニウム源を熱処理する方法等が挙げられる。熱処理温度は特に限定されるものではなく、使用する原料によっても異なるが、通常、850℃〜1,600℃程度の範囲で行えばよく、1,000℃〜1,500℃程度が熱処理効率の面から好ましい。
【0023】
γ−2CaO・SiOの使用量は、セメント100部に対して、5〜30部が好ましく、7〜25部がより好ましい。5部未満では充分な中性化抑制効果が得られない場合がある。30部を超えると作業性が悪化する場合がある。
【0024】
本発明の超微粉末物質(以下、超微粉という)は、とくに限定されるものではないが、例えば、金属シリコンやフェロシリコン合金等製造する際に副生するシリカフューム、溶融シリカを製造する際に副生するシリカダスト、超微粉砕したスラグ及びベントナイト等が挙げられ、平均粒径が10μm以下のものが好ましく、1μm以下のものがより好ましい。
【0025】
超微粉の配合量は、通常、セメント100部に対して、1〜10部が好ましく、2〜5部がより好ましい。1部未満では、モルタルの材料分離防止が期待できない上、モルタルが跳ね返ったり、脱落し易く、10部を超えて配合してもその効果の向上が期待できない場合がある。超微粉の混合方法は、特に限定されるものではないが、例えば、予めセメントに分散しておくことが好ましい。
【0026】
本発明で使用するセメント混和用ポリマーディスパージョン(以下単にポリマーと称す)は、特に限定されないが、通常、天然ゴムラテックス、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、メタクリル酸メチルブタジエンゴム、及びアクリロニトリルブタジエンゴムなどの合成ゴムラテックス、ポリアクリル酸エステル、エチレン酢酸ビニル、スチレンアクリル酸エステル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ポリプロピオン酸ビニル、ポリプロピレン、エポキシ樹脂、アスファルト、ゴムアスファルト、及びパラフィンなどの樹脂エマルジョン、エチレン酢酸ビニル、酢酸ビニルビニルバーサテート、スチレンアクリル酸エステル、及びポリアクリル酸エステルなどの再乳化形粉末樹脂等、又はこれらの混合物が使用可能である。
【0027】
ポリマーの配合量は、通常、セメント100部に対して、固形分量で1〜20部が好ましく、3〜7部がより好ましい。1部未満では、モルタルの跳ね返り防止や付着強度の改善ができない場合があり、20部を超えて配合してもさらなる効果の向上が期待できない場合がある。ポリマーの混合方法は、特に限定されるものではないが、例えば、予めセメントや水に分散させておくことが好ましい。
【0028】
本発明に係る膨張材とは、特に限定されるものではないが、その具体例としては、例えば、カルシウムサルホアルミネート系と称される遊離石灰−アウイン−セッコウ系の膨張材や、石灰系と称される遊離石灰−カルシウムシリケート−セッコウ系の膨張材が市販されている。また、これまでに、遊離石灰−セッコウ系の膨張材、遊離石灰−カルシウムアルミノフェライト−セッコウ系膨張材、遊離石灰−カルシウムフェライト−セッコウ系膨張材などが提案されており、本発明では、いかなるものも使用可能である。
【0029】
膨張材の粒度は、特に限定されるものではないが、通常、ブレーン比表面積値で2,000〜5,000cm/gのものが市販されており、これを使用することができる。膨張材の混合方法は、特に限定されるものではないが、例えば、予めセメントに分散しておくことが好ましい。
【0030】
本発明の吹付け用セメント組成物に、砂、砂利及び軽量骨材等の骨材を配合して使用する場合の配合割合は、特に限定されるものではないが、通常、セメントと骨材の容積比1:1〜1:3.5が好ましく、1:1.5〜1:3.0がより好ましい。セメントの割合が多すぎるとダレ易く、少なすぎると跳ね返り易くなる場合がある。
【0031】
本発明の吹付け用セメント組成物と混合する水量は、モルタルのポンプ圧送性、吹付け性及び硬化物性を得るため、通常、セメント100部に対して、30〜70部が好ましい。30部未満では、モルタルの流動性が低下する場合があり、70部を超えると材料分離が生じたり、強度発現性が低下したりする場合がある。
【0032】
本発明ではこれらの他に急結剤を用いることも可能である。急結剤は、初期強度発現性を向上させるために輸送中のポリマーセメントモルタルに合流混合して使用するものであり、一般に市販されている急結剤であれば使用可能である。例えば、カルシウムアルミネート系、カルシウムサルホアルミネート系、アルミン酸塩系、硫酸アルミニウム系、及びケイ酸塩系等が挙げられる。これらの急結剤のうちアルミン酸塩系、硫酸アルミニウム系、又はケイ酸塩系の液体急結剤が、作業性が良く好ましい。
【0033】
急結剤の使用量は、セメントモルタル100部に対して、固形分換算で0.5〜7部が好ましく、2〜5部がより好ましい。0.5部未満だと十分な短時間強度が発現しない恐れがあり、7部を超えると長期の強度発現性を阻害する恐れがある。
【0034】
本発明の吹付け用セメント組成物の施工方法としては、特に限定されるものではなく、湿式吹付けの何れにも適用できる。例えば、モルタル及び急結剤を別々にポンプで圧送し、Y字管や二重管を用いて合流混合し、吹付けノズルで圧搾空気を合流させて吹付ける方法等がある。吹飛ばし性をよくするために、吹付け先端を細くした吹付けノズルを用いることが好ましく、吹付けノズル先端にパイプをセットしてモルタルの飛散を防止する方法も可能である。又、吹付け方法によって、材料の混合方法が異なる場合があり、例えば乾式吹付けでは、粉末タイプのポリマーと粘調剤については、予め水に分散して使用することが好ましい。
【0035】
本発明では、セメント、本混和材、砂や砂利などの骨材の他に、高炉徐冷スラグ微粉末、石灰石微粉末等の混和材料、減水剤、AE減水剤、高性能減水剤、高性能AE減水剤、消泡剤、防錆剤、防凍剤、収縮低減剤、凝結調整剤、ベントナイト等の粘土鉱物、並びに、ハイドロタルサイト等のアニオン交換体等のうちの1種又は2種以上を、本発明の目的を実質的に阻害しない範囲で使用することが可能である。
【0036】
本発明における水の使用量は、従来のセメント材料のw/c比(水/セメント比)に相当する水/結合材比を20〜60%とすることが好ましい。水/結合材比が20%未満では流動性が不足する場合があり、60%を超えると強度不足の原因となるおそれがある。
【0037】
【実施例】
以下、実験例により本発明を詳細に説明する。
【0038】
実験例1
環境温度20℃において、表1に示すセメント100部、粘調剤a、超微粉イ、ポリマーA、膨張剤Aを混合し、さらに砂及び水を混合して左官モルタルミキサーで混練りし、水セメント比が45%、セメントと砂の容積比が1:2.5のモルタルを調製した。但し、超微粉と膨張材はセメント内割としてセメントと置換し、γ−2CaO・SiOは骨材として砂と置換した。
【0039】
このモルタルを加圧ポンプで10リットル/分の速度で吹付けノズルに圧送し、同時にコンプレッサーで7kg/cmの圧搾空気を1,200リットル/分の速度で吹付けノズルに圧送し、管径40mmの市販スプレーガン式吹付けノズル中で合流させ、モルタルを垂直面のコンクリート壁に吹飛ばした。
【0040】
吹付け後、コテ仕上げにより厚みを20mmに調整した。その結果を表1に示す。跳ね返り率は、吹付け時に付着せずに脱落したモルタルの質量比であり、ダレ率は、付着した後,硬化するまでに脱落したモルタルの質量比である。尚、ひび割れ発生状況は、吹付け後28日経過した時点で目視確認した。
【0041】
<使用材料>
セメント :普通ポルトランドセメント、密度3.15g/cm、市販品
骨材   :6号珪砂、比重2.65g/cm、市販品
水    :水道水
超微粉イ :シリカフュ―ム、平均粒径1μm以下、市販品
粘調剤a :メチルセルロース、市販品
ポリマーA:SBRラテックス、市販品
γ−2CaO・SiO:試薬1級の炭酸カルシウム2モルと二酸化ケイ素1モルを配合して混合粉砕した後、電気炉において1,450℃で3時間焼成し、炉外に取り出して自然放冷により冷却して合成した。この時ダスティングし、ブレーン比表面積1,800cm/gまで粉化した。これをブレーン比表面積4,000cm/gまでさらに粉砕した。膨張材α :カルシウムサルホアルミネート系、市販品
【0042】
【表1】
Figure 2004051422
【0043】
実験例2
実験例1の実験No.1−6の配合割合において、超微粉、粘調剤、ポリマー及び膨張材の種類を表2に示したように変えたこと以外は、実施例1と同様に行った。その結果を表2に示す。
【0044】
<使用材料>
超微粉ロ :ベントナイト(市販品)、平均粒径1μm以下、市販品
粘調剤b :ポリビニルアルコール、市販品
ポリマーA:SBRラテックス、市販品
ポリマーB:EVAエマルジョン、市販品
膨張材α :カルシウムサルホアルミネート系、市販品
膨張材β :石灰系、市販品
【0045】
【表2】
Figure 2004051422
【0046】
実験例3
実験例1の実験No.1−6の配合割合において、γ−2CaO・SiOの配合量を表3に示したように変えたモルタルを用いJIS A 1171に準拠して促進中性化試験を行った。その結果を表3に示す。
【0047】
【表3】
Figure 2004051422
【0048】
実験例4
ダスティングしたγ−2CaO・SiOを粉砕して粒度の異なる粉末を作製し、実験例1の実験No.1−6の配合で、γ−2CaO・SiOをの粒度を表4に示したように変えたモルタルを用いJIS A 1171に準拠して促進中性化試験を行った。その結果を表4に示す。
【0049】
【表4】
Figure 2004051422
【0050】
【発明の効果】
本発明のセメント組成物を用いることにより、吹付け施工時のセメントモルタル等の跳ね返りや脱落が少なく、効率的な施工が可能となり、厚塗りや大断面の施工ができるだけでなく、中性化抑制効果に優れ、ひび割れが少ない等の効果を奏するため、建築・土木分野におけるコンクリート補修材料に適する。

Claims (5)

  1. セメント、粘調剤、及びγ−2CaO・SiOを含有してなる吹付け用セメント組成物。
  2. セメント100部に対して、粘調剤0.05〜1部及びγ−2CaO・SiOを5〜30部含有してなる請求項1記載の吹付け用セメント組成物。
  3. セメント100部に対して超微粉末物質1〜10部を含有してなる請求項1又は請求項2記載の吹付け用セメント組成物。
  4. セメント100部に対して、セメント混和用ポリマーディスパージョンを固形分で1〜20部を含有してなる請求項1〜請求項3記載の吹付け用セメント組成物。
  5. セメント100部に対して、膨張材3〜10部を含有してなる請求項1〜請求項4記載の吹付け用セメント組成物。
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