JP2004051423A - セメント混和材及びセメント組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ポリマーとγ− 2CaO・SiO2を含有してなるセメント混和材。本発明のセメント混和材及びセメント組成物を使用することにより、本発明のセメント混和材及びセメント組成物を使用することにより、従来のポリマーセメントモルタル組成物に比較し、中性化抵抗性に優れる効果を奏するため、土木・建築分野における補修材料に適する。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、主に、土木・建築分野において使用されるセメント混和材及びセメント組成物に関する。本発明では特に限定しない限り部や%は質量基準である。
【0002】
【従来の技術とその課題】
一般に、ポルトランドセメントにポリマーエマルジョンや骨材を配合したポリマーセメントモルタルはよく知られている(特公平02−10112公報等)。
【0003】
これらのポリマーセメントモルタル組成物は耐水性に優れており、主に、建築物の内壁や外壁などに使用されてきた。また、最近は橋脚や床版等の劣化部を除去したあとの断面修復材として使用され、補修材料としての需要が高まってきている。今後、高速道路等の高架橋や下水道関連施設などの重要構造物の補修にも使用されるものと期待される。
【0004】
また最近、コンクリートの耐久性問題が大きくクローズアップされ、コンクリートの耐久性向上への関心が高まっている。
【0005】
コンクリートの劣化要因には中性化や塩害などがある。しかしながら、これらは相反する要求性能である。なぜなら、塩害はコンクリート中の水酸化カルシウム量が多いほど影響を受けやすい。一方、中性化は水酸化カルシウム生成量が少ないほど影響を受けやすいためである。
【0006】
塩害はおもに海岸近くのコンクリート構造物で発生し、飛来塩分等に由来する塩化物イオンが表面からコンクリート内部に浸透することにより鉄筋が腐食し、その結果構造物としての耐力の低下やコンクリート片の剥落等の劣化を引き起こす現象である。
【0007】
塩害の影響を受けにくいコンクリートを得るためには、高炉スラグ、フライアッシュ及びシリカフュームなどの潜在水硬性物質を多量に混和して、セメントの水和から生成する水酸化カルシウムを消費させて、水酸化カルシウム量の少ないコンクリートとすることが有効である。例えば、市販の高炉セメントを利用することが最も簡便な方法であり、現状でもある程度の対策を講じることが可能である。
【0008】
一方、中性化は水酸化カルシウムが大気中の二酸化炭素と反応して炭酸化されることにより引き起こされる現象である。したがって、水酸化カルシウム生成量の少ないコンクリートほど影響を受けやすく、高炉セメントなどの耐塩化物浸透性に優れる材料は、逆に中性化しやすいとされている。今日では中性化を効果的に抑制する技術の開発が強く求められている。
【0009】
今後、重要構造物などの補修需要が高まる中で、コンクリート構造物としての耐久性を高めるような材料を提供することは喫緊の課題といえる。
【0010】
本発明者は、鋭意努力を重ねた結果、ポリマーとγ− 2CaO・SiO2を含有してなるセメント混和材を使用することにより、優れた中性化抑制効果を有するポリマーセメント組成物が得られるとの知見を得て本発明を完成するに至った。
【0011】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、ポリマーとγ− 2CaO・SiO2を含有してなるセメント混和材であり、さらに高炉徐冷スラグを含有してなるセメント混和材であり、セメントと、該セメント混和材を含有してなるセメント組成物であり、さらに、セメントが高炉セメントであることを特徴とする該セメント組成物である。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0013】
本発明で使用するポリマーは、特に限定された物ではなく、公知の種々の物が使用できるが、通常、スチレンブタジエンゴムなどの合成ゴムラテックス、ポリアクリル酸エステルやエチレン酢酸ビニルなどの樹脂エマルジョン、エチレン酢酸ビニル、酢酸ビニルビニルバーサテートなどの再乳化形粉末樹脂等、又はこれらの混合物が使用可能である。
【0014】
ポリマーの使用量は、セメント100部に対して、固形分換算で2〜30部が好ましく、5〜20部がより好ましい。2部未満では耐水性や付着強度等のポリマー添加効果が顕著でない場合があり、30部を超えると作業性が悪化する場合がある。
【0015】
本発明で使用するγ− 2CaO・SiO2は2CaO・SiO2で表される化合物のうちで、低温相として知られるものであり、高温相であるα−2CaO・SiO2やβ−2CaO・SiO2とは異なるものである。これらは、いずれも2CaO・SiO2で同じ化学組成を有するが、結晶構造は異なっている。セメントクリンカ中に存在する2CaO・SiO2はβ− 2CaO・SiO2であり、γ− 2CaO・SiO2は含まれない。β−2CaO・SiO2は水硬性を有するが、本発明のγ− 2CaO・SiO2のような中性化抑制効果を示すものではない。
【0016】
本発明のγ−2CaO・SiO2を工業的に製造する方法は特に限定されないが、一般的には(1)CaO源として生石灰、消石灰、及び/又は炭酸カルシウムなどのカルシウム源、(2)酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、及び/又はボーキサイトなどのアルミニウム源を熱処理する方法等が挙げられる。熱処理温度は特に限定されるものではなく、使用する原料によっても異なるが、通常、850℃〜1,600℃程度の範囲で行えばよく、1,000℃〜1,500℃程度が熱処理効率の面から好ましい。
【0017】
γ−2CaO・SiO2の粒度はブレーン比表面積値で3,000〜8,000cm2/gが好ましく、4,000〜6,000cm2/gがより好ましい。ブレーン比表面積値が3,000cm2/g以下では、中性化抑制効果が充分に得られない場合があり、ブレーン比表面積値が8,000cm2/gを超えると過剰な粉砕動力が必要となる場合がある。
【0018】
本発明のγ− 2CaO・SiO2を工業的に製造する際には、不純物の存在は特に限定されるものではなく、本発明の目的を実質的に阻害しない範囲では特に問題とならない。その具体例としては、例えば、Al2O3、MgO、TiO2、MnO、Na2O、S、Cr2O3、P2O5、及びFe2O3等が挙げられる。
【0019】
また、共存する化合物としては、トライカルシウムシリケート3CaO・SiO2、ランキナイト3CaO・2SiO2、及びワラストナイトCaO・SiO2などのγ−2CaO・SiO2以外のカルシウムシリケート、メルヴィナイト3CaO・MgO・2SiO2、アケルマナイト2CaO・MgO・2SiO2、及びモンチセライトCaO・MgO・SiO2などのカルシウムマグネシウムシリケート、ゲーレナイト2CaO・Al2O3・SiO2及びアノーサイトCaO・Al2O3・2SiO2などのカルシウムアルミノシリケート、アケルマナイト2CaO・MgO・2SiO2とゲーレナイト2CaO・Al2O3・SiO2の混晶であるメリライト、MgO・SiO2及び2MgO・SiO2などのマグネシウムシリケート、遊離石灰、遊離マグネシア、カルシウムフェライト2CaO・Fe2O3、カルシウムアルミノフェライト4CaO・Al2O3・Fe2O3、リューサイト(K2O、Na2O)・Al2O3・SiO2、スピネルMgO・Al2O3、並びにマグネタイトFe3O4を含む場合がある。
【0020】
γ− 2CaO・SiO2の使用量は、セメント100部に対して、3〜200部が好ましく、10〜50部がより好ましい。3部未満では充分な中性化抑制効果が得られない場合がある。200部を超えると作業性が悪化する場合がある。
【0021】
本発明では、 γ− 2CaO・SiO2とポリマーの混合方法は、特に限定されるものではなく、それぞれの材料を施工時に混合しても良いし、予めその一部、或いは全部を混合しておいても差し支えない。
【0022】
また、水硬性物質などの粉体の表面にポリマーを噴霧して粉状のポリマーを得る方法が知られているが(特開平5−287081、特開平6−56493等)、本発明においても、これらの方法によりγ−2CaO・SiO2の表面にポリマーを噴霧して、粉状ポリマーとすることは輸送コストや現場施工での計量ミスをなくすという面からも好ましい。
【0023】
本発明で使用する高炉徐冷スラグ粉末(以下、徐冷スラグという)は徐冷されて結晶化した高炉スラグの粉末である。徐冷スラグは、通常、ドライピット、あるいは、畑と呼ばれる冷却ヤードに溶融スラグを流し込み、自然放冷により冷却され、結晶質の塊状スラグとして得られる。
【0024】
高炉徐冷スラグの成分は高炉水砕スラグと類似した組成を有しており、具体的には、SiO2、CaO、Al2O3、及びMgO等を主要な化学成分とし、その他、TiO2、MnO、Na2O、S、P2O5、及びFe2O3等が挙げられる。
【0025】
また、化合物としては、ゲーレナイト2CaO・Al2O3・SiO2とアケルマナイト2CaO・MgO・2SiO2の混晶である、いわゆるメリライトを主成分とし、その他、ダイカルシウムシリケート2CaO・SiO2、ランキナイト3CaO・2SiO2、ワラストナイトCaO・SiO2などのカルシウムシリケート、メルヴィナイト3CaO・MgO・2SiO2、モンチセライトCaO・MgO・SiO2などのカルシウムマグネシウムシリケート、アノーサイトCaO・Al2O3・2SiO2、リューサイト(K2O、Na2O)・Al2O3・SiO2、スピネルMgO・Al2O3、マグネタイトFe3O4、さらに、硫化カルシウムCaS、硫化鉄FeSなどの硫化物等を含む場合がある。この化学成分の割合は特に限定されるものではないが、通常、主成分であるSiO2は25〜45%、CaOは30〜50%、Al2O3は10〜20%、及びMgOは3〜10%程度であり、微量成分であるNa2O、K2O、Fe2O3、MnO、TiO2、及びSなどは各々2%以下である。
【0026】
本発明で使用する高炉徐冷スラグ微粉末は徐冷されて結晶化した高炉スラグを特定の粒度まで粉砕して用いることが好ましい。徐冷スラグの粒度は特に制限されないが、ブレーン比表面積値で4,000cm2/gを超えることが好ましく、4,500cm2/g以上がより好ましく、5,000cm2/g以上が最も好ましい。ブレーン比表面積値が4,000cm2/g以下では優れた初期強度や耐酸性が得られない場合がある。また、ブレーン比表面積値は、大きすぎると混練水量が多くなるために強度発現性や耐久性が悪くなる場合があり、8,000cm2/g以下が好ましい。
【0027】
徐冷スラグのガラス化率は30%以下が好ましく、10%以下がより好ましい。ガラス化率が30%を超えると水和熱が大きくなる場合がある。
【0028】
ガラス化率(X)は、X(%)=(1−S/S0)×100として求められる。ここで、Sは粉末X線回折法により求められる徐冷スラグ中の主要な結晶性化合物であるメリライト(ゲーレナイト2CaO・Al2O3・SiO2とアケルマナイト2CaO・MgO・2SiO2の固溶体)のメインピークの面積であり、S0は徐冷スラグを1,000℃で3時間加熱し、その後、5℃/分の冷却速度で冷却したもののメリライトのメインピークの面積を表す。
【0029】
本発明の徐冷スラグの使用量は特に限定されるものではなく、セメントとセメント混和材からなるセメント組成物100部に対し、外割添加で5〜100部が好ましく、10〜30部がより好ましい。5部未満では徐冷スラグの添加による更なる中性化抑制効果を発揮できない可能性があり、100部より多く使用してもさらなる効果の増進が見込めないばかりか、作業性が悪化する場合がある。
【0030】
本発明のセメント混和材の使用量は特に限定されるものではなく、セメント100部に対して、5〜200部が好ましく、10〜50部がより好ましい。5部未満では所定の性能を発揮できない可能性があり、200部より多い場合は強度の低下が大きくなる可能性がある。
【0031】
本発明で使用するセメントは特に限定されないが、ポルトランドセメントを含有するセメントを用いることが好ましく、たとえば普通、早強、超早強、低熱、または中庸熱などの各種ポルトランドセメント、これらポルトランドセメントに高炉水砕スラグ、フライアッシュ、又はシリカを混合した各種混合セメント、あるいは、ポルトランドセメントに石灰石粉末などを混合した石灰石フィラーセメントなどが挙げられる。
【0032】
また、本発明では、ポリマー、γ−2CaO・SiO2、高炉徐冷スラグ、セメントなどの他に、高炉水砕スラグ微粉末、石灰石微粉末、フライアッシュ、及びシリカフューム等の混和材料、無機系及び/又は有機系の凝集剤、無機硫酸塩、減水剤、AE減水剤、高性能減水剤、高性能AE減水剤、消泡剤、防錆剤、防凍剤、収縮低減剤、凝結調整剤、ベントナイト等の粘土鉱物、並びに、ハイドロタルサイト等のアニオン交換体等のうちの一種又は二種以上を、本発明の目的を実質的に阻害しない範囲で使用することが可能である。
【0033】
本発明では、各材料の混合方法は特に限定されるものではなく、それぞれの材料を施工時に混合しても良いし、予めその一部、或いは全部を混合しておいても差し支えない。混合装置としては、既存の如何なる装置も使用可能であり、例えば、傾胴ミキサー、オムニミキサー、ヘンシェルミキサー、V型ミキサー、及びナウターミキサー等が挙げられる。
【0034】
本発明のセメント組成物を用いて得られるモルタルの用途としては、コンクリート構造物の劣化部分の断面修復に用いる断面修復材などとして、コテ塗り又は吹付け等の方法でコンクリート構造物の補修に用いる用途に適する。
【0035】
【実施例】
以下、実験例により本発明をさらに詳しく説明する。なお、表中の「C×%」はセメント100部に対する配合量(部)であることを示す。
【0036】
実験例1
γ−2CaO・SiO2粉末及びポリマーからなるセメント混和材を、セメントと混合してポリマー/セメント比(P/C比)=10%となるようにセメント組成物を調製する。このセメント組成物を使用し、水/セメント比=45%、セメント/砂比=1/3のモルタルを調製した。
【0037】
このとき、 γ−2CaO・SiO2粉末は表1に示すように、比較も含め、セメントの重量に対して0〜150%となるように調製した。また、 γ− 2CaO・SiO2粉末を不活性の無機粉末とみなし、その重量分を砂から差し引いた。また、比較のため石灰石微粉末をγ− 2CaO・SiO2粉末の代わりに使用した供試体も作製した。
【0038】
このモルタル組成物について、フロー値175±5になるように減水剤を適量添加した。また、材齢1日で脱型後、20℃、R.H.60%で乾燥養生を行ったモルタルの材齢3日及び28日における圧縮強度を測定した。その結果を表1に示す。
【0039】
<使用材料>
ポリマーA :市販のエチレン酢酸ビニル系樹脂エマルジョン、固形分55%
γ−2CaO・SiO2粉末:試薬1級の炭酸カルシウム2モルと二酸化ケイ素1モルを配合して混合粉砕した後、電気炉において1450℃で3時間焼成し、炉外に取り出して自然放冷により冷却して合成した。この時ダスティングし、ブレーン比表面積値1,800cm2/gまで粉化した。この粗粉をブレーン比表面積値4,000cm2/gまでさらに粉砕した。
セメント:市販の普通ポルトランドセメント、密度3.15g/cm3、ブレーン比表面積値3,500cm2/g
石灰石微粉末:青海鉱山産石灰石をブレーン比表面積値4,000cm2/gに粉砕したもの。密度2.71g/cm3
水 :水道水
減水剤 :市販のメラミンスルホン酸系高性能減水剤
砂 :JIS標準砂
【0040】
<測定方法>
フロー試験:JIS R 5201に準じて測定。
圧縮強度 :4×4×16cm供試体を作製し、JIS R 5201に準じて材齢28日強度を測定。
中性化深さ:4×4×16cm供試体を作製し、材齢28日まで20℃水中養生を施した後、大気圧下30℃、相対湿度60%、炭酸ガス濃度5%の環境で促進中性化を行い、8週間後に供試体を輪切りし、断面にフェノールフタレインアルコール溶液を塗布して中性化深さを確認。
【0041】
【表1】
【0042】
実験例2
ポリマーをA〜Dの4種のものを用い、 γ−2CaO・SiO2粉末は重量比でセメントに対して15%混和した。γ− 2CaO・SiO2粉末の比較として石灰石微粉末を同様にセメント重量に対して15%混和したものを用いた。なお、ポリマーの配合は固形分換算値とした。実験例1と同様にγ−2CaO・SiO2粉末を不活性の無機粉末とみなし、その重量分を砂から差し引いた。その他は実験例1と同様に試験を行った。結果を表2に示す。
【0043】
<使用材料>
ポリマーB:市販のアクリル酸エステル系樹脂エマルジョン、固形分50%
ポリマーC:市販のスチレンブタジエン系ゴムラテックス、固形分45%
ポリマーD:市販のエチレン酢酸ビニル系再乳化形粉末樹脂、固形分100%
【0044】
【表2】
【0045】
実施例3
ポリマーを以下の2種のものを用い、 セメントと混合してポリマー/セメント比を各々変化させた。ただし、ポリマーの配合量は、固形分換算値とした。γ−2CaO・SiO2粉末は重量比でセメントの重量に対して15%混和したものを用いた。実験例1と同様にγ−2CaO・SiO2粉末を不活性の無機粉末とみなし、その重量分を砂から差し引いた。その他は実験例1と同様に試験を行った。結果を表3に示す。
【0046】
【表3】
注:P/Cは (ポリマーの固形分)/セメント の質量比であることを示す。単位は%。
【0047】
実験例4
γ−2CaO・SiO2粗粉を粉砕し、粒度別に5種のものを作製した。γ−2CaO・SiO2粉末は重量比でセメントの重量に対して外割で15%混和したものを用いた。その他は、実験例1と同様に試験を行った。結果を表4に示す。
【0048】
<使用材料>
γ−2CaO・SiO2粉末:実験例1と同じ製造方法で製造し、ダスティングしたγ− 2CaO・SiO2の粗粉をを表4に記載したブレーン比表面積値まで粉砕したものを用いた。
【0049】
【表4】
【0050】
実験例5
実験例1で作製したブレーン比表面積値4,000cm2/gのγ−2CaO・SiO2粉末、高炉徐冷スラグ微粉末及びポリマーからなるセメント混和材を、セメントと混合してポリマー/セメント比=10%となるようにセメント組成物を調製した。このセメント組成物を使用し、水/セメント比=45%、セメント/砂比=1/3のモルタルを調製した。このとき、γ− 2CaO・SiO2粉末はセメントの重量に対して15%となるように調製した。ただし、ポリマーの配合量は、固形分換算値を用いた。
【0051】
さらに高炉徐冷スラグ微粉末は表5に示すように、比較も含め、セメントの重量に対して0〜150%となるように配合した。また、γ−2CaO・SiO2粉末及び高炉徐冷スラグ微粉末を不活性の無機粉末とみなし、その重量分を砂から差し引いた。
【0052】
このモルタル組成物について、減水剤を適量添加しフロー値175±5になるように調整した。また、材齢1日で脱型後、20℃、R.H.60%で乾燥養生を行ったモルタルの材齢3日及び28日における圧縮強度を測定した。結果を表5に示す。
【0053】
<使用材料>
高炉徐冷スラグ微粉末:比重3.00、ブレーン比表面積4,500cm2/g、ガラス化率5%
水:水道水
減水剤:市販のメラミンスルホン酸系高性能減水剤
砂:JIS標準砂
【0054】
【表5】
【0055】
実験例6
セメントとして市販の高炉セメントB種を用いたこと以外は実験例1と同様に試験を行った。結果を表6に示す。
【0056】
【表6】
【0057】
【発明の効果】
本発明のセメント混和材及びセメント組成物は、従来のポリマーセメントモルタル組成物に比較し、中性化抵抗性に優れる効果を奏するため、土木・建築分野における補修材料に適する。
Claims (4)
- ポリマーとγ− 2CaO・SiO2を含有してなるセメント混和材。
- 請求項1記載のセメント混和材及び高炉徐冷スラグを含有してなるセメント混和材。
- セメントと、請求項1又は請求項2記載のセメント混和材を含有してなるセメント組成物。
- セメントが高炉セメントであることを特徴とする請求項3に記載のセメント組成物。
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(社)日本鉄鋼協会編, 鉄鋼便覧 第II巻 製銑・製鋼, vol. 第3版, JPN6008002645, 15 October 1979 (1979-10-15), JP, pages 496, ISSN: 0001005327 * |
柴田純夫: "Fe2O3を添加したCa2SiO4のβ→γ転移に及ぼす熱履歴の影響", 窯業協会誌, vol. 第92巻、第2号, JPN6008002644, 1984, JP, pages 71 - 76, ISSN: 0001005326 * |
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