JP6983963B1 - セメント組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】良好な強度を維持し、優れた中性化抵抗性を発揮し、硬化物とした際に粉吹きを低減できるセメント組成物を提供する。【解決手段】γ−2CaO・SiO2、3CaO・2SiO2、α−CaO・SiO2、及びカルシウムマグネシウムシリケートからなる群から選ばれる1種又は2種以上の非水硬性化合物と、サルフォアルミネートセメントとを含み、前記非水硬性化合物の含有量が5〜40質量%であるセメント組成物である。【選択図】なし

Description

本発明は、土木分野、建築分野等で用いられるセメント組成物に関する。
超速硬セメントは短時間で硬化し、初期強度発現性に優れることから緊急補修工事や寒冷地での施工で使用される。超速硬セメントとしては、ポルトランドセメントに非晶質カルシウムアルミネート等の急硬材を混和したセメントや、特殊なクリンカー組成を有する超速硬セメントが知られている。
特殊なクリンカー組成を有する超速硬セメントは、具体的にはカルシウムフロロアルミネート(C11・CaF)や、イーリマイト(3CaO・3Al・CaSO)等の化合物を主成分として含有する。これらのうち、焼成温度を低くしたり、製造時の二酸化炭素排出量を少なくしたりすることが可能という理由から、イーリマイトを含有するカルシウムサルフォアルミネートセメント(「SAC」ともいう)の研究が盛んに行われるようになった。
例えば、特許文献1では、炭酸ガス雰囲気で加熱処理したイーリマイトを含有してなるセメント組成物が提案され、当該セメント組成物を使用することにより、製造時のCO排出量が少なく、従来よりも硬化時間を短縮でき、長期間貯蔵しても硬化時間の変動が少なくなることが記載されている。
また特許文献2では、粉体成分として、γ−CS、製鋼スラグ粉末の1種または2種と、ポルトランドセメントを含有し、上記の合計含有量に占めるγ−CS、製鋼スラグ粉末の合計が25〜95質量%であり、水セメント比W/Cが80〜250質量%である配合のコンクリート混練物が提案されている。そして、セメント使用量の抑制によるCO排出量の削減、及び炭酸化養生によるCOの吸収を利用して、従来一般的なコンクリートと比べ、トータルのCO排出量を大幅に低減したプレキャストコンクリート製品が実現可能となったことが記載されている。
特開2016−17025号公報 特開2011−168436号公報
しかしながら、炭酸ガスがコンクリート内に浸入すると、アルカリ性物質と反応し、中性化が進む。鉄筋周辺のコンクリートが中性化すると、鉄筋の腐食抑制効果が損なわれる。鉄筋が腐食することで生じる錆は、膨張することでコンクリートにひび割れを生じさせるため、コンクリートの耐久性が低下する。
特許文献1及び特許文献2はこの中性化ついては何ら開示していない。また、硬化物とした際に、イーリマイトに起因する粉吹きの現象が発生することがあり、美観維持の観点から、そのような現象は低減されることが好ましい。
以上から本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであり、良好な強度を維持し、優れた中性化抵抗性を発揮し、硬化物とした際に粉吹きを低減できるセメント組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記問題を解決するために鋭意研究を行った結果、特定の非水硬性化合物とサルフォアルミネートセメントとを含み、非水硬性化合物を所定割合で含有するセメント組成物が上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、下記のとおりである。
[1] γ−2CaO・SiO、3CaO・2SiO、α−CaO・SiO、及びカルシウムマグネシウムシリケートからなる群から選ばれる1種又は2種以上の非水硬性化合物と、サルフォアルミネートセメントとを含み、前記非水硬性化合物の含有量が5〜40質量%であるセメント組成物。
[2] 前記サルフォアルミネートセメントに含まれるイーリマイトと前記非水硬性化合物に対する前記非水硬性化合物の質量割合(非水硬性化合物/(非水硬性化合物+イーリマイト)×100)が10〜90質量%である[1]に記載のセメント組成物。
[3] 前記非水硬性化合物がγ−2CaO・SiOである[1]又は[2]に記載のセメント組成物。
[4] [1]〜[3]のいずれかに記載に記載のセメント組成物の製造方法であって、前記非水硬性化合物と前記サルフォアルミネートセメントを同時に粉砕して混合する粉砕混合工程を含むセメント組成物の製造方法。
[5] 鉄筋コンクリートを構成するセメント組成物として、[1]〜[3]のいずれかに記載に記載のセメント組成物を含有させる鉄筋コンクリートの中性化抑制方法。
[6] 鉄筋コンクリートを構成するセメント組成物として、[1]〜[3]のいずれかに記載に記載のセメント組成物を含有させる鉄筋コンクリートの表面美観保持方法。
本発明によれば、良好な強度を維持し、優れた中性化抵抗性を発揮し、硬化物とした際に粉吹きを低減できるセメント組成物を提供することができる。
以下、本発明の実施形態(本実施形態)について詳細に説明する。なお、本明細書で使用する部や%は特に規定のない限り質量基準である。
本実施形態に係るセメント組成物は、γ−2CaO・SiO、3CaO・2SiO、α−CaO・SiO、及びカルシウムマグネシウムシリケートからなる群から選ばれる1種又は2種以上の非水硬性化合物と、サルフォアルミネートセメントとを含む。
非水硬性化合物とサルフォアルミネートセメントとを組み合わせることで、良好な強度を維持することができる。また、炭酸化反応により非水硬性化合物の緻密化が進行する。特に非水硬性化合物の含有量が5〜40%であることで、炭酸(塩)化促進効果の一つである、優れた中性化抵抗性が発揮される。さらに、硬化物とした際に、エトリンガイト(イーリマイトとセッコウ等の水和反応から生成)の炭酸化反応等に起因する粉吹きの現象を低減できる。
以下、各成分等について説明する。
(γ−2CaO・SiO
γ−2CaO・SiOとは、2CaO・SiOで表される化合物のうちで、低温相として知られるものであり、高温相であるα−2CaO・SiOやα’−2CaO・SiO、β−2CaO・SiOとは全く異なるものである。これらはいずれも、2CaO・SiOで表されるが、結晶構造や密度は異なっている。
(3CaO・2SiO
3CaO・2SiOとは、偽ケイ灰石にCaOを含有する鉱物でランキナイトと呼ばれる。水和活性は無く化学的に安定な鉱物であるが、炭酸(塩)化促進効果が大きい。
(α−CaO・SiO
α−CaO・SiO(α型ワラストナイト)とは、CaO・SiOで表される化合物のうちで、高温相として知られるものであり、低温相であるβ−CaO・SiOとは全く異なるものである。これらはいずれも、CaO・SiOで表されるが、結晶構造や密度は異なっている。
天然に産出するワラストナイトは低温相のβ−CaO・SiOである。β−CaO・SiOは針状結晶を有し、ワラストナイト繊維等のような無機繊維質物質として利用されてはいるが、本実施形態に係るα−CaO・SiOのような炭酸(塩)化促進効果はない。
(カルシムマグネシウムシリケート)
カルシムマグネシウムシリケートとは、CaO−MgO−SiO系化合物を総称するものであるが、本実施形態では、3CaO・MgO・2SiO(CMS)で表されるメルヴィナイト(Merwinite)であることが好ましく、メルヴィナイトによれば大きい炭酸(塩)化促進効果が達成される。
上記のような非水硬性化合物は1種でも2種以上でもよいが、セメント組成物中5〜40%含む。5%未満では、中性化抑制効果と表面美観の保持効果を付与できず、40%を超えると、初期強度発現性が低下してしまう。セメント組成物中の非水硬性化合物の含有量は、7〜35%であることが好ましく、10〜30%であることがより好ましい。
なお、非水硬性化合物が2種以上である場合、上記含有量は、2種以上の非水硬性化合物の合計量をいう。
上記の非水硬性化合物の中でも、特にγ−2CaO・SiOは、製造時にダスティングと呼ばれる粉化現象をともなうため他化合物に比べて粉砕に要するエネルギーが少ないこと、長期にわたって炭酸(塩)化促進効果が大きいこと、また、中性化抑制効果が大きい点で好ましい。γ−2CaO・SiOによる効果を得る観点から、非水硬性化合物中、γ−2CaO・SiOは、25%以上であることが好ましく、30%以上であることがより好ましい。
本実施形態に係る非水硬性化合物は、CaO原料、SiO原料、MgO原料等を適宜所定のモル比で配合して熱処理することによって得られる。CaO原料としては、例えば、石灰石等の炭酸カルシウム、消石灰等の水酸化カルシウム、アセチレン副生消石灰、廃コンクリート塊から発生する微粉末、等が挙げられる。SiO原料としては、例えば、ケイ石や粘土、さらには、シリカフュームやフライアッシュに代表されるような産業副産物として発生する様々なシリカ質ダスト等が挙げられる。MgO原料としては、例えば、水酸化マグネシウムや塩基性炭酸カルシウム、ドロマイト等を挙げることができる。なお、熱処理時の非エネルギー由来CO排出量の削減からも、アセチレン副生消石灰、廃コンクリート塊から発生する微粉末等、CaOを含む産業副産物から選ばれる一種又は二種以上からの利用が好ましい。
熱処理方法は特に限定されるものではないが、例えば、ロータリーキルンや電気炉等によって行うことができる。その熱処理温度は、一義的に定められるものではないが、通常、1,000〜1,800℃程度の範囲で行われ、1,200〜1,600℃程度の範囲で行われることが多い。
本実施形態は、既述の非水硬性化合物を含む産業副産物を用いることもできる。この際には不純物が共存する。このような産業副産物として、製鋼スラグ等が挙げられる。
CaO原料、SiO原料、MgO原料には不純物を含む場合があるが、本発明の効果を阻害しない範囲内では特に問題とはならない。不純物の具体例としては、例えば、Al、Fe、TiO、MnO、NaO、KO、S、P、F、B、フッ素、塩素等が挙げられる。また、共存する化合物としては、遊離酸化カルシウム、水酸化カルシウム、カルシウムアルミネート、カルシウムアルミノシリケート、カルシウムフェライトやカルシウムアルミノフェライト、カルシウムフォスフェート、カルシウムボレート、マグネシウムシリケート、リューサイト(KO、NaO)・Al・SiO、スピネルMgO・Al、及びマグネタイトFe等が挙げられる。
なお、セメント組成物中、既述の非水硬性化合物以外に、水硬性の2CaO・SiOが混在していることも可能であり、最大35%まで混在可能である。
非水硬性化合物を定量する方法として、粉末X線回折法により結晶相を同定した後、化学分析値から各結晶相を算出する方法、及び、粉末X線回折法によるリートベルト法等が挙げられる。
非水硬性化合物のブレーン比表面積は特に限定されるものではないが、1,500cm/g以上が好ましく、また上限は8,000cm/g以下が好ましい。なかでも、2,000〜6,000cm/gがより好ましく、3,000〜6,000cm/gが最も好ましい。ブレーン比表面積が2,000cm/g以上であることで、良好な材料分離抵抗性が得られ、炭酸(塩)化促進効果が充分になる。また、8,000cm/g以下であることで粉砕する際の粉砕動力が大きくならず経済的であり、また、風化が抑制され品質の経時的な劣化を抑えることができる。
(サルフォアルミネートセメント)
サルフォアルミネートセメントは、カルシア原料とアルミナ原料、三酸化硫黄原料等を混合し、キルンで焼成、あるいは、電気炉で溶融、冷却して得られる3CaO・3Al・CaSO(Yeelimite)と2CaO・SiO(Blite)を主成分とするクリンカーに適量の石灰石と石膏を加えて粉砕した水硬性セメントであり、中華人民共和国国家規格GB20472−2006「サルフォアルミネートセメント」に規定されるセメントである。サルフォアルミネートセメントは、急硬型サルフォアルミネートセメント、低アルカリ型サルフォアルミネートセメント、自己応力型サルフォアルミネートセメントに分類され、通常市販されているものが使用できる。
さらに、本実施形態では、サルフォアルミネートセメントのCaOやAlの一部が、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化鉄、アルカリ金属ハロゲン化物、アルカリ土類金属ハロゲン化物、アルカリ金属硫酸塩、及びアルカリ土類金属硫酸塩等と置換した化合物、あるいは、CaOとAlとを主成分とするものに、これらが少量固溶した化合物も使用できる。
サルフォアルミネートセメントの粒度は、初期強度発現性の面で、ブレーン比表面積3,000cm/g以上が好ましく、3,500cm/g以上がより好ましい。3,000cm/g未満であると硬化時間が長くなり、初期強度発現性が低下する場合がある。
サルフォアルミネートセメントに含まれるイーリマイトと非水硬性化合物に対する非水硬性化合物の質量割合(非水硬性化合物/(非水硬性化合物+イーリマイト)×100)は、中性化抑制効果と表面美観の保持効果の観点から、10〜90%であることが好ましく、20〜80%であることがより好ましい。
本実施形態のセメント組成物中のサルフォアルミネートセメントの含有量は、初期強度発現性の観点から、50%以上であることが好ましく、60〜95%であることがより好ましい。
本実施形態のセメント組成物に対する水の使用量は特に限定されるものではなく、通常の使用範囲が使用される。具体的には、セメント及び本混和材の合計100質量部に対して水の量は25〜60質量部が好ましい。25質量部以上であることで充分な作業性が得られ、60質量部以下であることで強度発現性及び炭酸(塩)化促進効果を十分にすることができる。
本実施形態のセメント組成物の粒度は、使用する目的・用途に依存するため特に限定されるものではないが、通常、ブレーン比表面積で2,500〜8,000cm/gが好ましく、3,000〜6,000cm/gがより好ましい。2,500cm/g以上であることで強度発現性が十分に得られ、8,000cm/g以下であることで作業性を良好にすることができる。
本実施形態のセメント組成物では、砂や砂利等の骨材、高炉水砕スラグ微粉末、高炉徐冷スラグ粉末、石灰石微粉末、フライアッシュ、及びシリカフューム、火山灰等天然ポゾラン等の混和材料、膨張材、急硬材、減水剤、AE減水剤、高性能減水剤、高性能AE減水剤、消泡剤、増粘剤、防錆剤、防凍剤、収縮低減剤、ポリマー、凝結調整剤、ベントナイト等の粘土鉱物、並びに、ハイドロタルサイト等のアニオン交換体等の添加剤等、通常のセメント材料に用いられる公知公用の添加剤や混和材を1種又は2種以上、本発明の目的を実質的に阻害しない範囲で使用することが可能である。
本実施形態のセメント組成物はそれぞれの材料を施工時に混合して作製してもよいし、あらかじめ一部あるいは全部を混合しておいても差し支えないが、少なくとも、非水硬性化合物とサルフォアルミネートセメントとは同時に粉砕して混合する粉砕混合工程を経ることが好ましい。当該工程を経ることで、炭酸化後に均一な表面美観を確保することができる。粉砕混合方法は、特に限定されない。例えば、ローラーミル、ジェットミル、チューブミル、ボールミル、振動ミル等の粉砕機を使用する方法が挙げられる。
また、各材料及び水の混合方法も特に限定されるものではなく、それぞれの材料を施工時に混合しても良いし、あらかじめ一部を、あるいは全部を混合しておいても差し支えない。また、材料の一部を水と混合した後に残りの材料を混合しても良い。
混合装置としては、既存のいかなる装置も使用可能であり、例えば、傾胴ミキサ、オムニミキサ、ヘンシェルミキサ、V型ミキサ、及びナウタミキサ等の使用が可能である。
本実施形態のセメント組成物の養生方法は特に限定されるものではなく、屋外養生、水中養生、気中乾燥養生、蒸気養生、オートクレーブ養生、及び強制炭酸化養生等を採用することが可能である。
以上のような本発明のセメント組成物は、鉄筋コンクリートを構成するセメント組成物として含有させて、鉄筋コンクリートの中性化抑制方法に適用することが好ましい。
鉄筋コンクリートを構成するセメント組成物として含有させて、鉄筋コンクリートの表面美観保持方法に適用することが好ましい。
以下、実施例及び比較例を用いて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を逸脱しない限り、下記の実施例に限定されるものではない。
[実験例1]
(1)非水硬性化合物、水硬性化合物の作製
非水硬性化合物A:γ−2CaO・SiO。試薬1級の炭酸カルシウムと試薬1級の二酸化ケイ素とをモル比2:1で混合し、1,400℃で2時間熱処理し、室温まで放置して作製した。ブレーン比表面積は3,500cm/gであった。
非水硬性化合物B:3CaO・2SiO。試薬1級の炭酸カルシウムと試薬1級の二酸化ケイ素とをモル比3:2で混合し、1400℃で2時間熱処理し、室温まで放置して作製した。ブレーン比表面積は3,500cm/gであった。


非水硬性化合物C:α−CaO・SiO。試薬1級の炭酸カルシウムと試薬1級の二酸化ケイ素とを1:1のモル比で混合し、1,500℃で2時間熱処理し、室温まで放置して作製した。ブレーン比表面積は3,500cm/gであった。
非水硬性化合物D:3CaO・MgO・2SiO。試薬1級の炭酸カルシウムと試薬1級の酸化マグネシウムと試薬1級の二酸化ケイ素とを3:1:2のモル比で混合し、1,400℃で2時間熱処理し、室温まで放置して作製した。ブレーン比表面積が3,500cm/gであった。
非水硬性化合物E:非水硬性化合物Aと非水硬性化合物Bとを混合して、それぞれ50%含む非水硬性化合物Eを作製した。ブレーン比表面積は3,500cm/gであった。
非水硬性化合物F:非水硬性化合物Aと非水硬性化合物Bと非水硬性化合物Cとを混合して、それぞれ33.4%、33.3%、33.3%含む非水硬性化合物Eを作製した。ブレーン比表面積は3,500cm/gであった。
水硬性化合物G:β−2CaO・SiO。試薬1級の炭酸カルシウムと試薬1級の二酸化ケイ素とをモル比2:1で混合し、1,400℃で2時間熱処理し、室温まで放置して、粉砕してXRDでγ−2CaO・SiOのピークが確認されなくなるまで同様の熱処理を繰り返した。β−2CaO・SiOのみのピークが確認された後、ブレーン比表面積が3,500cm/gの水硬性化合物Eを作製した。
[実験例1]
表1に示す非水硬性化合物A〜F又は水硬性化合物G10部とサルフォアルミネートセメント100部とを、ボールミルを用いて、ブレーン比表面積が4,000cm/gとなるよう同時に粉砕して混合することでセメント組成物を調製し、水/粉体比0.5のモルタルをJIS R 5201に準じて調製した。このモルタルを用いて、圧縮強さ、中性化抵抗性、及び表面美観を調べた。結果を表1に併記する。試験の環境温度は20℃で行った。
なお、上記「粉体」とは、非水硬性化合物A〜F又は水硬性化合物Gとサルフォアルミネートセメントとを合わせたものをいう
各材料の概要は下記のとおりである。
・サルフォアルミネートセメント:鄭州王楼セメント工業有限公司製、製品名「低アルカリサルフォアルミネートセメント 急硬型 42.5級」、ブレーン比表面積4000cm/g、SO/Alモル比0.6、イーリマイト含有量40%
・28日圧縮強さ
4×4×16cmの供試体を作製し、JIS R 5201に準じて材齢28日の圧縮強さを測定。
・中性化抵抗性:JIS R 5201「セメントの物理試験方法」に準じて4×4×16cmのモルタル供試体を作製し、材齢28日まで20℃水中養生を施した後、JIS A 1153「コンクリートの促進中性化試験方法」に準じて20℃・相対湿度60%・炭酸ガス濃度5%の環境で促進中性化を行い、8週間後に供試体を輪切りし、断面にフェノールフタレインアルコール溶液を噴霧して、供試体表面から内部にかけての非変色領域の最大長さを炭酸化深さとしてノギスを用いて測定した。炭酸化深さは小さいほど中性化抵抗性が高い。
・美観:中性化抵抗性を評価後、4cm×16cmの1つの面を、“亀の子たわし”で
10往復こすり、剥がれ落ちた粉状のものを計量器で計り取った。0.1g以下を粉吹き
「無」、0.1gを超えた場合は粉吹き「有」とした。
Figure 0006983963
なお、表1〜3中の質量比(X/(X+Y))は、サルフォアルミネートセメントに含まれるイーリマイトと非水硬性化合物A〜F若しくは水硬性化合物Gに対する非水硬性化合物A〜F若しくは水硬性化合物Fの質量割合であり、単位は%である。
[実験例2]
サルフォアルミネートセメントと、非水硬性化合物Aを表2に示す配合となるように混合割合を変えたこと以外は実験例1と同様にして、セメント組成物、及びモルタルを調製した。このモルタルを用いて、実験例1と同様にして、圧縮強さ、中性化抵抗性、及び表面美観を調べた。結果を表2に示す。
Figure 0006983963
[実験例3]
(サルフォアルミネートセメントの作製)
・サルフォアルミネートセメントA
それぞれ試薬である炭酸カルシウム粉末、アルミナ粉末、硫酸カルシウム粉末を用いて、焼成後にサルフォアルミネートセメント中のイーリマイト含有量が45%となるような配合でこれらを混合し、ロータリーキルンで1330℃焼成した後、ブレーン比表面積が4,000cm/gとなるように粉砕して、サルフォアルミネートセメントAを作製した。
・サルフォアルミネートセメントB
イーリマイト含有量が15%となるような配合とした以外はサルフォアルミネートセメントAの作製と同様な方法でサルフォアルミネートセメントBを作製した。
・サルフォアルミネートセメントC
イーリマイト含有量が7%となるような配合とした以外はサルフォアルミネートセメントAの作製と同様な方法でサルフォアルミネートセメントCを作製した。
サルフォアルミネートセメントの種類と配合を表3に示すように変えたこと以外は実験例1と同様にして、セメント組成物、及びモルタルを調製した。このモルタルを用いて、実験例1と同様にして、圧縮強さ、中性化抵抗性、及び表面美観を調べた。結果を表3に示す。
Figure 0006983963

表3中のサルフォアルミネートセメントの種類の「X」とは、実験例1で使用したサルフォアルミネートセメントを指す。
本発明は、特に土木分野、建築分野等で用いられるセメント組成物として好適に使用できる。

Claims (5)

  1. γ−2CaO・SiO2、3CaO・2SiO2、α−CaO・SiO2、及びカルシウムマグネシウムシリケートからなる群から選ばれる1種又は2種以上の非水硬性化合物と、サルフォアルミネートセメントとを含み、前記非水硬性化合物の含有量が5〜40質量%であり、
    前記サルフォアルミネートセメントに含まれるイーリマイトと前記非水硬性化合物に対する前記非水硬性化合物の質量割合(非水硬性化合物/(非水硬性化合物+イーリマイト)×100)が10〜90質量%であるセメント組成物。
  2. 前記非水硬性化合物がγ−2CaO・SiO2である請求項に記載のセメント組成物。
  3. 請求項1又は2に記載のセメント組成物の製造方法であって、
    前記非水硬性化合物と前記サルフォアルミネートセメントを同時に粉砕して混合する粉砕混合工程を含むセメント組成物の製造方法。
  4. 鉄筋コンクリートを構成するセメント組成物として、請求項1又は2に記載のセメント組成物を含有させる鉄筋コンクリートの中性化抑制方法。
  5. 鉄筋コンクリートを構成するセメント組成物として、請求項1又は2に記載のセメント組成物を含有させる鉄筋コンクリートの表面美観保持方法。
JP2020141003A 2020-08-24 2020-08-24 セメント組成物 Active JP6983963B1 (ja)

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