JP2002293591A - セメント混和材及びセメント組成物 - Google Patents
セメント混和材及びセメント組成物Info
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Abstract
能、膨張性能、強度発現性に優れ、短時間でコンクリー
ト製品を製造することが可能となるセメント混和材及び
セメント組成物を提供すること。 【解決手段】 遊離石灰と、無水セッコウと、アウイ
ン、カルシウムフェライト、カルシウムアルミノフェラ
イト、カルシウムシリケートより選ばれる1種又は2種
以上の水硬性化合物を主要な構成化合物とする膨張材
と、生石灰又は生石灰及び無機硫酸塩とを含有してなる
セメント混和材であり、セメントと、該セメント混和材
とを含有してなるセメント組成物である。さらに、前記
セメント組成物に骨材と水を添加し混練してなるコンク
リートであり、該コンクリートを型枠に流し込んで製造
してなるコンクリート製品を構成とする。
Description
分野において使用されるセメント混和材及びセメント組
成物並びにそれらを用いたコンクリート及びコンクリー
ト製品に関する。
造ることが可能な優れた材料である。この特徴を生か
し、ボックスカルバートや様々な形の消波ブロックなど
のコンクリート製品が製造されている。この製造方法と
しては、以下のようなものが一般的である。すなわち、
セメント、水、細骨材、粗骨材、減水剤及び各種混和材
(剤)を練り混ぜたコンクリートを型枠に流し込み、振
動を与え締め固め、これを型枠ごと蒸気養生槽に移し、
数時間前養生した後、約20℃/hの速度で昇温する。
所定の温度で2〜3時間程度保持した後、大気中で自然
冷却してから脱型する。
法では型枠の脱型までに時間がかかるため、どんなに効
率よく作業を進めても、1日当たり型枠1つから1つの
製品を製造するのが限界であった。そのため、リチウム
塩等の凝結促進剤を添加し高温養生する方法(特開昭6
0−21839号公報)が提案されているが、凝結促進
剤は短時間で作用し初期の強度発現に寄与するものの、
反応が余りに早いため、型枠に流し込む時間が充分に取
れなく、コンクリートを強制的に流し込んだ場合、局所
的に充填されていない部分いわゆるジャンカが生じ、耐
久性が大幅に低下する場合があった。また、凝結促進剤
の使用量を少なくすれば水和反応を遅らせ、コンシステ
ンシーを保つことが可能となるが、当然コンクリート自
体の硬化も遅れるので、当初の目的である生産性の向上
は望めない。そこで、前記課題を解消すべく本発明者ら
は種々検討を重ねた結果、特定のセメント混和材を使用
することにより解決できるとの知見を得て、本発明を完
成するに至った。
離石灰と、無水セッコウと、アウイン、カルシウムフェ
ライト、カルシウムアルミノフェライト、カルシウムシ
リケートより選ばれる1種又は2種以上の水硬性化合物
を主要な構成化合物とする膨張材と、生石灰又は生石灰
及び無機硫酸塩とを含有してなるセメント混和材であ
り、セメントと、該セメント混和材とを含有してなるセ
メント組成物である。さらに、前記セメント組成物に骨
材と水を添加し混練してなるコンクリートであり、該コ
ンクリートを型枠に流し込んで製造してなるコンクリー
ト製品である。
る。
材は、遊離石灰と、無水セッコウと、アウイン、カルシ
ウムフェライト、カルシウムアルミノフェライト、カル
シウムシリケートより選ばれる1種又は2種以上の水硬
性化合物(以下、水硬性化合物と略記する)を主要な構
成化合物とする。遊離石灰、無水セッコウ、水硬性化合
物の配合割合については、特に限定されるものではない
が、膨張材100部中、遊離石灰は20〜70部が好ま
しく、40〜60部がより好ましい。また、水硬性化合
物は5〜45部が好ましく、10〜40部がより好まし
い。さらに、無水セッコウは5〜40部が好ましく、1
0〜30部がより好ましい。膨張材中の各化合物の組成
割合が前記範囲内にないと、優れた膨張性能が得られな
い場合がある。なお、本発明で使用する配合割合を示す
部、%は質量単位である。
は、CaO−Al2O3−CaSO4系を総称するもので
あり、特に限定されるものではないが、一般的に3Ca
O・3Al2O3・CaSO4で表されるものである。本
発明の膨張材中に含まれるカルシウムアルミノフェライ
トとは、CaO−Al2O3−Fe2O3系を総称するもの
であり、特に限定されるものではないが、一般的にCa
OをC、Al2O3をA、Fe2O3をFとすると、C4A
FやC6A2F等の化合物がよく知られている。通常は、
C4AFとして存在していると考えて良い。同様に、膨
張材中に含まれるカルシウムフェライトとは、CaO−
Fe2O3系を総称するものであり、特に限定されるもの
ではないが、上記の標記方法では、C2F等の化合物が
よく知られている。また、膨張材中に含まれるカルシウ
ムシリケートとは、CaO−SiO2系を総称するもの
であり、特に限定されるものではないが、一般的にCa
OをC、SiO2をSとすると、C2SやC3Sがよく知
られている。通常は、C3Sとして存在していると考え
て良い。以下、本発明では、カルシウムアルミノフェラ
イトをC4AFと、カルシウムフェライトをC2Fと、カ
ルシウムシリケートをC3Sと略記する。
材を製造する際、CaO原料、Al 2O3原料、Fe2O3
原料、SiO2原料及びCaSO4原料を熱処理して、遊
離石灰、水硬性化合物及び無水セッコウからなるクリン
カ−を合成することが好ましい。遊離石灰、水硬性化合
物及び無水セッコウを別々あるいは一部を別々に合成
し、それらを混合しても本発明に使用される組成の膨張
材も使用可能であるが、優れた膨張性能を得るためには
全部を一度に焼成することが好ましい。
料、SiO2原料及びCaSO4原料を熱処理して膨張材
を製造したかどうかは、例えば、粉砕物中の100μm
以上の粗粒子の顕微鏡観察を行い、その粒子中に遊離石
灰、水硬性化合物及び無水セッコウが混在していること
を確認することによって判別できる。
製造する際の熱処理温度であるが、1100〜1600
℃の範囲が好ましく、1200〜1500℃の範囲がよ
り好ましい。1100℃未満では、得られたセメント混
和材の膨張性能が十分でなく、1600℃を超えると無
水セッコウが分解する恐れがある。
げられ、Al2O3原料としては、ボ−キサイトやアルミ
残灰等が挙げられ、Fe2O3原料としては、銅カラミや
鉄粉及び市販の酸化鉄等が挙げられ、SiO2原料とし
ては、市販の二酸化ケイ素や珪石が挙げられ、CaSO
4原料としては、二水セッコウ、半水セッコウ及び無水
セッコウ等が挙げられる。これら原料中には各種の不純
物が存在し、その具体例としては、MgO、TiO2、
P2O5、Na2O、K2O等が挙げられ、本発明の目的を
実質的に阻害しない範囲では特に問題とはならない。
を粉砕することにより製造され、その粒度は特に限定さ
れるものではないが、通常、ブレ−ン比表面積で150
0〜6000cm2/gが好ましく、2500〜400
0cm2/gがより好ましい。1500cm2/g未満で
は、強度発現性が悪くなる場合があり、6000cm2
/gを超えると優れた膨張性能が得られない場合があ
る。
れるものではなく、市販されているあらゆるものを用い
ることが可能である。一般に生石灰はその焼成度によっ
て大きく5種類に分類されており、その評価方法は、日
本石灰協会の4N−塩酸による粗粒滴定試験法による。
これによると、4N−塩酸の総量が800ml以上では
極軟焼生石灰、800〜650mlでは軟焼生石灰、6
50〜300mlでは中軟焼生石灰、300〜130m
lでは硬焼生石灰、130ml以下では極硬焼生石灰で
ある。
は、これを配合したコンクリートのコンシステンシーに
大きな影響を与える。すなわち、セメント混和材中の生
石灰の配合量が同一の場合、滴定量の多い生石灰ほどコ
ンシステンシーの低下が大きくなる。ゆえに本発明に使
用される生石灰の4N−塩酸滴定量は800ml以下で
あることが好ましく、400ml以下であることがより
好ましい。
定されるものではないが、通常、ブレ−ン比表面積で3
000〜7000cm2/gが好ましく、4000〜6
000cm2/gがより好ましい。3000cm2/g
未満では、強度発現性が悪くなる場合があり、7000
cm2/gを超えるとコンシステンシーの低下が生じる
恐れがある。
灰の配合量は、特に限定されるものではないが、セメン
ト混和材100部中、膨張材は20〜99部、生石灰は
1〜80部であることが好ましい。生石灰の含有量が前
記範囲よりも低い場合、充分な早強性が得られない場合
がある。逆に高い場合には、コンクリートのコンシステ
ンンシ−が低下したり、膨張が過大になり長期安定性が
悪くなる。
限定されるものではないが、硫酸ナトリウムや硫酸カリ
ウム、硫酸アルミニウム、硫酸鉄が好ましく、なかでも
硫酸ナトリウムが好ましい。これら無機硫酸塩を使用す
ることにより、型枠に流し込む前のコンクリートのコン
システンシーを損ねることなくコンクリートの硬化が促
進され、型枠脱型までの時間を短縮することが可能とな
る。具体的には通常数時間行う前養生を行わずに蒸気養
生を行い、コンクリート製品に必要とされる脱型強度
(10N/mm2)を得ることができる。
配合量は、特に限定されるものではないが、膨張材と生
石灰と無機硫酸塩からなるセメント混和材100部中、
無機硫酸塩1〜50部であることが好ましく、無機硫酸
塩1〜30部であることがより好ましい。前記範囲外の
場合、蒸気養生後に充分な強度が得られなかったり、硬
化後のコンクリートに白華と呼ばれる白い析出物が生成
する恐れがある。
限定されるものではないが、通常セメントと本発明の混
和材からなるセメント組成物100部中、3〜12部が
好ましく5〜10部がより好ましい。3部未満では充分
な膨張性能が得られない場合があり、12部を超えて使
用した場合にはコンクリートの長期耐久性が低下する場
合がある。
通セメント、早強、超早強、低熱及び中庸熱等各種ポル
トランドセメントと、これらセメントに、高炉スラグ、
フライアッシュ及びシリカを混合した各種混合セメン
ト、石灰石粉末等を混合したフィラーセメント、並びに
アルミナセメント等が挙げられ、これらのうちの1種又
は2種以上が使用可能である。
減水剤、高性能AE減水剤、流動化剤、消泡剤、増粘
剤、防錆剤、防凍剤、収縮低減剤、高分子エマルジョン
及び凝結調整剤、並びにセメント急硬材、セメント膨張
材、ベントナイトやゼオライト等の粘土鉱物、ハイドロ
タルサイト等のアニオン交換体等のうちの一種又は二種
以上を、本発明の目的を実質的に阻害しない範囲で使用
することが可能である。
されるものではなく、それぞれの材料を施工時に混合し
ても良いし、予めその一部、或いは全部を混合しておい
ても差し支えない。混合装置としては、既存の如何なる
装置も使用可能であり、例えば、傾胴ミキサ、オムニミ
キサ、ヘンシェルミキサ、V型ミキサ及びナウタミキサ
等が挙げられる。
る。
料及びCaSO4原料を配合し、混合粉砕した後、13
50℃で2時間熱処理して合成したクリンカーをブレ−
ン比表面積3000±200cm2/gに粉砕し、表1
に示す様々な組成の膨張材を製造した。これら膨張材8
0部と、ブレーン比表面積5200cm2/gに調製し
た生石灰C20部とを混合してセメント混和材とし、セ
メントとセメント混和材からなるセメント組成物100
部中、セメント混和材を8部配合し、単位セメント組成
物量が300kg/m3、水/セメント組成物比=40
%、s/a=45%、減水剤=セメント組成物量×0.
8%のコンクリートを調製した。このコンクリートのス
ランプを計測した後、型枠に流し込み、下記条件により
蒸気養生を行い脱型後の長さ変化率、圧縮強度(脱型時
(4h)と1日)を測定した。これらの結果を表1に併
記する。なお、膨張材は粉末X線回折装置(XRD)及
び化学分析により分析し、所定の化合物であることを確
認した。
準じて測定し、それ以外の化合物については計算により
求めた。つまり、Al2O3量からC4AF量を算出し、
残りのAl2O3量からアウイン量を求め、SiO2量か
らC3S量を算出し、次いでSO3量から無水セッコウ量
を算出した。 圧縮強度:JIS A 1108 長さ変化率:JIS A 6202 Bに準じて測定。
環境温度は20℃。 蒸気養生条件:コンクリートを型枠に流し込んだ後、た
だちに蒸気養生室内に移す。水蒸気により60℃/hの
速度で昇温し、60℃の状態で1時間保持する。その
後、蒸気を停止し2時間かけて自然冷却する。
するとコンクリートのコンシステンシーの保持性能、膨
張性能、強度発現性に優れることが分かる。
類を変えたこと以外は、実施例1と同様に実施した。結
果を表2に併記する。
ずれの生石灰を用いてもコンクリートのコンシステンシ
ーの保持性能、膨張性能、強度発現性に優れているが、
硬焼のものほど好ましいことが分かる。
石灰の配合割合を変えたこと以外は、実施例1と同様に
実施した。結果を表3に併記する。
すると、コンクリートのコンシステンシーを損なうこと
なく、優れた膨張性能、強度発現性を示すことが分か
る。
度を変えたこと以外は、実施例1と同様に実施した。結
果を表4に併記する。
すると、優れたコンクリートのコンシステンシーの保持
性能、膨張性能、強度発現性を示すことが分かる。 実施例5 実験No.1-4の配合において、膨張材80部と生石灰20
部の合計100部に対して、表5に示す様に無機硫酸塩
の配合割合及び種類を変えてセメント混和材を調製した
こと以外は、実施例1と同様に実施した。結果を表5に
併記する。
すると、白華の析出は無く、優れたコンクリートのコン
システンシーの保持性能、膨張性能、強度発現性を示す
ことが分かる。
セメント混和材からなるセメント組成物100部中のセ
メント混和材の配合量を変えたこと以外は、実施例1と
同様に実施した。結果を表6に併記した。
すると、優れたコンクリートのコンシステンシーの保持
性能、膨張性能、強度発現性を示すことが分かる。
成物を使用することにより、コンクリートのコンシステ
ンシーの保持性能、膨張性能、強度発現性に優れ、短時
間でコンクリート製品を製造することが可能となる。
Claims (4)
- 【請求項1】 遊離石灰と、無水セッコウと、アウイ
ン、カルシウムフェライト、カルシウムアルミノフェラ
イト、カルシウムシリケートより選ばれる1種又は2種
以上の水硬性化合物を主要な構成化合物とする膨張材
と、生石灰又は生石灰及び無機硫酸塩とを含有してなる
セメント混和材。 - 【請求項2】 セメントと、請求項1記載のセメント混
和材を含有してなるセメント組成物。 - 【請求項3】 請求項2に記載のセメント組成物に骨材
と水を添加し混練してなるコンクリート。 - 【請求項4】 請求項3に記載のコンクリートを型枠に
流し込んで製造してなるコンクリート製品。
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JP2001094617A JP4606631B2 (ja) | 2001-03-29 | 2001-03-29 | セメント混和材及びセメント組成物 |
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- 2001-03-29 JP JP2001094617A patent/JP4606631B2/ja not_active Expired - Fee Related
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