JP2001316148A - セメント混和材及びセメント組成物 - Google Patents
セメント混和材及びセメント組成物Info
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Abstract
与することが可能なセメント混和材及びセメント組成物
を提供すること。 【解決手段】 CaO原料、Al2O3原料、Fe2O3原
料及びCaSO4原料を熱処理して得られる物質であっ
て、遊離石灰、カルシウムアルミノフェライト、カルシ
ウムフェライト及び無水セッコウを含有してなるセメン
ト混和材であり、セメントと、該セメント混和材とを含
有してなるセメント組成物を構成とする。
Description
分野において使用されるセメント混和材及びセメント組
成物に関する。
や曲げ耐力の向上は、コンクリート構造物の信頼性、耐
久性、美観等の観点から極めて重要であり、これらを改
善する効果のあるセメント混和材である、膨張材の更な
る技術の進展が望まれている。従来より、セメント・コ
ンクリートに膨張性を与えるセメント混和材としては、
例えば、遊離石灰−アウイン−無水セッコウ系膨張材
(特公昭42-21840号公報)や、遊離石灰−カルシウムシ
リケート−無水セッコウ系膨張材(特公昭53-31170号公
報)等があった。
高性能化を目的として、高流動コンクリートや高強度コ
ンクリートの開発が盛んに行われているが、これら高性
能コンクリートでは膨張材の効果が十分に発揮されない
ことが指摘されており、混和率が小さくても大きな膨張
を付与できる膨張性能の優れた膨張材の開発が待たれて
いるのが実状である。なお、本発明においてコンクリー
トとは、セメントペースト、モルタル及びコンクリート
を総称するものである。
体系から、性能規定型の設計体系への移行が検討されて
おり、これまでやや軽視されていた耐久性についても明
確な性能規定が定められ、ひび割れの耐久性に対する影
響の定量化がなされるものと考えられる。特に、ひび割
れを低減するためには膨張材を使用することが有効であ
り、膨張材の使用量を低減して経済的負担を小さくする
ことが不可欠である。
は膨張性能が小さく、30℃以上の高温において流動性
の保持性能が劣るという課題があった。本発明はこれら
の膨張材の課題を解決しさらなる進展を試みた結果、特
定のセメント混和材を使用することにより、前記課題が
解決できるとの知見を得て本発明を完成するに至った。
原料、Al2O3原料、Fe2O3原料及びCaSO4原料
を熱処理して得られる物質であって、遊離石灰、カルシ
ウムアルミノフェライト、カルシウムフェライト及び無
水セッコウを含有してなるセメント混和材であり、セメ
ントと、該セメント混和材とを含有してなるセメント組
成物である。
る。
ルシウムアルミノフェライト、カルシウムフェライト及
び無水セッコウを含有してなり、その割合については特
に限定されるものではないが、セメント混和材100部
中、遊離石灰は30〜70部が好ましく、40〜60部
がより好ましい。また、カルシウムアルミノフェライト
は5〜22.5部が好ましく、10〜15部がより好ま
しい。カルシウムフェライトは5〜22.5部が好まし
く、10〜15部がより好ましい。更に、無水セッコウ
は5〜30部が好ましく、10〜25部がより好まし
い。セメント混和材中の各化合物の割合が前記範囲にな
いと、膨張性能、凝結性状及び流動性の保持性能が十分
でない場合がある。なお、本発明で使用する部、%は質
量単位を表す。
と呼ばれるものである。本発明のカルシウムアルミノフ
ェライトとは、CaO−Al2O3−Fe2O3系化合物を
総称するものであり、特に限定されるものではないが、
CaOをC、Al2O3をA、Fe2O3をFと表すと、C
4AF、C6A2F、C6AF2等の化合物がよく知られて
いる。通常は、C4AFとして存在していると考えて良
い。本発明では、カルシウムアルミノフェライトを以
下、C4AFと略記する。本発明のカルシウムフェライ
トとは、CaO−Fe2O3系化合物を総称するものであ
り、特に限定されるものではないが、CaOをC、Fe
2O3をFと表すと、CFやC2F等の化合物が挙げられ
る。
aO原料、Al2O3原料、Fe2O3原料及びCaSO4
原料を熱処理して、遊離石灰、C4AF、カルシウムフ
ェライト及び無水セッコウからなるクリンカーを合成し
て製造することが必要である。遊離石灰、C4AF、カ
ルシウムフェライト及び無水セッコウを別々に合成し、
混合してセメント混和材を製造したのでは本発明の効果
は得られない。即ち、CaO原料、Al2O3原料及びF
e2O3原料を熱処理して、遊離石灰とC4AFからなる
クリンカーを合成し、これにカルシウムフェライトと無
水セッコウを混合して製造した場合や、遊離石灰、C4
AF及びカルシウムフェライトからなるクリンカーを合
成し、これに無水セッコウを混合して製造した場合に
は、本発明の効果は得られない。CaO原料、Al2O3
原料、Fe2O3原料及びCaSO4原料を熱処理して、
遊離石灰、C4AF、カルシウムフェライト及び無水セ
ッコウからなるクリンカーを合成したかどうかは、例え
ば、粉砕物中の100μm以上の粗粒子を顕微鏡観察等
を行い、その粒子中に遊離石灰、C4AF、C2F及び無
水セッコウが混在していることを確認することによって
判別できる。
ではないが、電気炉やキルン等を用いて、1100〜1
600℃の温度で焼成することが好ましく、1200〜
1500℃がより好ましい。1100℃未満では、得ら
れたセメント混和材の膨張性能が十分でなく、1600
℃を超えると無水セッコウが分解する場合がある。
挙げられ、Al2O3原料としてはボーキサイトやアルミ
残灰等が挙げられ、Fe2O3原料としては、銅カラミや
市販の酸化鉄が挙げられ、CaSO4原料としては、二
水セッコウ、半水セッコウ及び無水セッコウ等が挙げら
れる。これら原料中には不純物が存在する。その具体例
としては、SiO2、MgO、TiO2、P2O5、Na2
O、K2O等が挙げられ、本発明の目的を実質的に阻害
しない範囲では特に問題とはならない。
5未満の範囲であることが好ましい。珪酸率が0.5を
超えると優れた膨張性能が得られない場合がある。本発
明でいう珪酸率とは、クリンカー中のSiO2量、Al2
O3量及びFe2O3量より次式から算出される。 珪酸率=SiO2/(Al2O3+Fe2O3) また、クリンカー中のSiO2量は、5.0%以下が好
ましく、3.0%以下がより好ましい。5.0%を超え
ると優れた膨張性能が得られない場合がある。
定されるものではないが、通常、ブレーン比表面積で1
500〜9000cm2/gが好ましく、2500〜4
000cm2/gがより好ましい。セメント混和材のブ
レーン比表面積が1500cm2/g未満では、長期耐
久性が悪くなる場合があり、9000cm2/gを超え
ると充分な膨張性能が得られない場合がある。
限定されるものではないが、通常、セメントとセメント
混和材の合計からなるセメント組成物100部中、3〜
12部が好ましく、5〜9部がより好ましい。3部未満
では、充分な膨張性能が得られない場合があり、12部
を超えて使用すると過膨張となりクラックを生じる場合
や、凝結遅延性が現れる場合がある。
ト、早強、超早強、低熱及び中庸熱等各種ポルトランド
セメントと、これらセメントに、高炉スラグ、フライア
ッシュ及びシリカを混合した各種混合セメント、並びに
石灰石粉末等を混合したフィラーセメント等がある。
水剤、高性能減水剤、AE減水剤、高性能AE減水剤、
流動化剤、消泡剤、増粘剤、防錆剤、防凍剤、収縮低減
剤、高分子エマルジョン及び凝結調整剤、並びにセメン
ト急硬材、ベントナイト等の粘土鉱物及びハイドロタル
サイト等のアニオン交換体等のうちの1種又は2種以上
を、本発明の目的を実質的に阻害しない範囲で使用する
ことが可能である。
定されるものではなく、それぞれの材料を施工時に混合
しても良いし、予めその一部、或いは全部を混合してお
いても差し支えない。混合装置としては、既存の如何な
る装置も使用可能であり、例えば、傾胴ミキサ、オムニ
ミキサ、ヘンシェルミキサ、V型ミキサ及びナウタミキ
サ等が挙げられる。
る。
4原料を配合し、混合粉砕した後、1350℃で熱処理
して表2に示すような組成のクリンカーを合成し、ボー
ルミルを用いて、ブレーン比表面積3500±300c
m2/gに粉砕してセメント混和材を調製した。セメン
ト混和材を粉末X線回折法(以下、XRD)で同定し、
構成化合物を調べた。セメント混和材の化合物組成は、
化学組成とXRDの同定結果を基に計算により算出し
た。化学組成はJIS R 5202に準じて求めた。
その結果を表1に示す。
ント組成物100部中、セメント混和材を7部使用し、
水/セメント組成物比=50%、セメント組成物/砂比
=1/3のモルタルを4〜6℃の室内で調製して、長さ
変化率を測定した。また、市販の高性能AE減水剤をセ
メント組成物に対して1%添加し、セメント組成物/砂
比=1/2、水/セメント組成物比=38%のモルタル
を30〜33℃の室内で調製し、練り上げたモルタルの
流動性の保持性能は、タッピングなしのテーブルフロー
値(以下、フロー値と略す)を練り直後、及び60分経
過後に測定し、フロー値の低下により評価した。その結
果を表2に示す。
さ変化率を測定。 フロー低下値:JIS R 5201に準じテーブルフ
ロー値を測定し、練り上がりのフロー値から60分経過
後のフロー値を差し引いた値で表示。
を使用したモルタルは、低温での長さ変化率が大きく、
優れた膨張性能を示すと共に、高温でのフロー低下値が
小さく、良好な流動性の保持性能を有することが判る。
0部に対するセメント混和材の使用量を表3に示すよう
に変えたこと以外は、実施例1と同様に行った。結果を
表3に併記する。
量を増加すると、モルタルの低温での長さ変化率が大き
くなり、優れた膨張性能を示すと共に、モルタルの高温
でのフロー低下値が小さくなる傾向を示し、良好な流動
性の保持性能を有することが判る。
成物を使用することにより、従来にない膨張性能、及び
流動性の保持性能を付与することが可能となる。
Claims (2)
- 【請求項1】 CaO原料、Al2O3原料、Fe2O3原
料及びCaSO4原料を熱処理して得られる物質であっ
て、遊離石灰、カルシウムアルミノフェライト、カルシ
ウムフェライト及び無水セッコウを含有してなるセメン
ト混和材。 - 【請求項2】 セメントと、請求項1に記載のセメント
混和材とを含有してなるセメント組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000133320A JP4244262B2 (ja) | 2000-05-02 | 2000-05-02 | セメント混和材及びセメント組成物 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2001316148A true JP2001316148A (ja) | 2001-11-13 |
JP4244262B2 JP4244262B2 (ja) | 2009-03-25 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2000133320A Expired - Lifetime JP4244262B2 (ja) | 2000-05-02 | 2000-05-02 | セメント混和材及びセメント組成物 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002068802A (ja) * | 2000-08-28 | 2002-03-08 | Denki Kagaku Kogyo Kk | セメント混和材及びセメント組成物 |
JP2002068800A (ja) * | 2000-08-28 | 2002-03-08 | Denki Kagaku Kogyo Kk | セメント混和材及びセメント組成物 |
JP2008094674A (ja) * | 2006-10-13 | 2008-04-24 | Denki Kagaku Kogyo Kk | 鉄筋継手用充填材及びそれを用いた鉄筋継手充填施工方法 |
-
2000
- 2000-05-02 JP JP2000133320A patent/JP4244262B2/ja not_active Expired - Lifetime
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