JPH11130499A - 吹付材用セメント組成物とその吹付施工方法 - Google Patents

吹付材用セメント組成物とその吹付施工方法

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JPH11130499A
JPH11130499A JP9300307A JP30030797A JPH11130499A JP H11130499 A JPH11130499 A JP H11130499A JP 9300307 A JP9300307 A JP 9300307A JP 30030797 A JP30030797 A JP 30030797A JP H11130499 A JPH11130499 A JP H11130499A
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quick
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Yasuhisa Taguma
靖久 田熊
Shigeru Matsuura
茂 松浦
Yoshifumi Hosokawa
佳史 細川
Kumiko Kobayashi
小林久美子
Koichi Soeda
孝一 副田
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Taiheiyo Cement Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 急結材を用いて吹付施工を行う際に、アル
カリ成分を必要とせず、あるいは大幅に少ないアルカリ
添加量で優れた急結効果が得られる吹付材用セメント組
成物の提供。 【解決手段】セメント成分中に、アルミン酸カルシウム
成分を10〜35重量%含有し、あるいはアルミン酸カ
ルシウム成分と共に石膏を無水物換算で3〜30重量%
含有する吹付材用セメント組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、地下の掘削空間や
トンネル、あるいは橋脚等の天井および壁面にセメント
モルタルやコンクリートを一定の厚みで吹き付け施工す
る場合に用いられる吹付材用のセメント組成物に関す
る。より詳しくは、急結材を添加してコンクリートを急
結させる際に、アルカリフリー急結剤を使用しても優れ
た急結吹付効果を発揮し、またアルカリ含有急結剤を使
用した場合には従来よりも大幅に少ない使用量で良好な
吹付効果が得られる吹付材用セメント組成物に関する。
【0002】なお、本発明において吹付材用セメント組
成物とは、セメント、モルタル、コクリートを含めた総
称である。特に示さない限り%は重量%である。また、
セメント成分とは水および骨材を除いた成分であり、セ
メント、アルミン酸カルシウム、石膏、石灰類および水
酸化アルミニウムを含む成分を云う。
【0003】
【従来の技術】地下掘削空間やトンネル掘削面の補強工
事として、モルタルやコンクリートを圧縮空気等で壁面
に吹き付けて瞬時に硬化させるいわゆるショットクリー
ト工法が広く採用されている。この吹付コンクリート
は、吹付直前にコンクリートに急結材を混合して凝結時
間を著しく短縮したものが用いられている。
【0004】この急結材として、(イ)珪酸ソーダや、ア
ルミン酸カルシウムにアルカリ塩を加えたものが従来用
いられており、これはセメントに対して数%の使用量で
高い急結効果が得られるので広く使用されたきた。しか
し、この急結材はアルカリを多量に含み強アルカリ性で
あるため、コンクリートの長期強度を著しく損なう問題
があり、また、作業者に対する悪影響や環境汚染を生じ
る問題もある。
【0005】そこで、アルカリ含有量を大幅に低減した
急結材(アルカリ含有量が概ね2%以下、一般にアルカ
リフリー急結材と云う)も用いられている。これらのう
ち、(ロ)アルミン酸カルシウムと石膏を急結成分とした
急結材が知られているが、この急結剤はアルカリ塩を用
いたものより急結効果が低く、十分な急結性を得るには
セメントの10重量%以上の使用量を必要とし、高い急
結性を得るには20重量%程度必要である。このような
多量の使用はセメントとの混合性を損ね、作業性も低下
する。
【0006】一方、(ハ)シリカゾルやアルミナゾル、硫
酸アルミニウムなどを主成分とした急結材も知られてい
る。このアルカリフリー急結材はアルカリを含まず、或
いはアルカリ含有量が極めて低いために前述のアルカリ
による問題を回避できる利点がある。しかし、現状で
は、このアルカリフリー急結材はアルカリを多量に含む
急結材に比べて初期の急結性能が低く、凝結や初期強度
がアルカリ含有急結材の数分の1程度である。このた
め、実際の吹付工事では、急結材を多量に使用するか、
あるいはコンクリートの水セメント比を小さくしたり、
微粉末を混合してコンクリートの粘性を高めるなどの工
夫が必要であり、それでもコンクリートの吹付厚みを厚
くできないなどの欠点を有している。特に、水に溶解し
た液体タイプのアルカリフリー急結材の場合には、急結
材の添加量を増やすとコンクリート中の水セメント比が
大きくなるため、水セメント比を小さくすることができ
ず、施工が難しい。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、吹付コンク
リート材における従来の上記問題を解決したものであっ
て、急結性能の低いアルカリフリー急結材を用いても、
あるいはアルカリ含有急結材を用いた場合でも従来より
も大幅に少ない使用量で優れた急結吹付効果を発揮する
吹付材用セメント組成物およびその吹付施工方法を提供
するものである。
【0008】すなわち、本発明は、(1)セメント成分中
に、アルミン酸カルシウム成分を10〜35重量%含有
することを特徴とする吹付材用セメント組成物に関する
ものである。さらに本発明は、(2)セメント成分中に、
アルミン酸カルシウム成分を10〜35重量%、および
石膏を無水物換算で3〜30重量%含有することを特徴
とする吹付材用セメント組成物に関するものである。
【0009】本発明のセメント組成物は、(3)セメント
成分中に、酸化カルシウム換算で1〜10重量%の石灰
類および/または0.5〜10重量%の水酸化アルミニウ
ムを含有するものを含む。本発明のセメント組成物は、
(4)アルミン酸カルシウム成分が、3CaO・Al2O3、12CaO・
7Al2O3、CaO・Al2O3、3CaO・3Al2O3・CaSO4、11CaO・7Al2O3
・CaF2、あるいはこれらの2種以上の混合物であるもの
を含む。本発明のセメント組成物は、(5)アルミン酸カ
ルシウム成分が、セメントクリンカー中に含有されてお
り、またはセメントクリンカー製造後にセメント成分に
追加混合されたものであるものを含む。
【0010】また、本発明は、(6)上記(1)〜(5)のいず
れかに記載する吹付材用セメント組成物に、アルカリフ
リー急結材を添加して用いる吹付施工方法に関する。上
記施工方法は、(7)液状のアルカリフリー急結材を用い
る方法を含む。
【0011】以下に本発明を実施例と共に具体的に説明
する。(I)セメント組成物 本発明の吹付材用セメント組成物は、そのセメント成分
中に、アルミン酸カルシウム成分を10〜35重量%含
有し、あるいはアルミン酸カルシウムと共に石膏を3〜
30重量%含有することを特徴とするものである。
【0012】従来の吹付コンクリートは、吹付直前に急
結材をコンクリートに添加するものであり、急結成分は
吹付直前にコンクリートに混合される。アルミン酸カル
シウムと石膏を用いる急結材の一部には、石膏をセメン
ト側に配合する例も知られているが、この場合もアルミ
ン酸カルシウムは従来と同様に吹付時に混合されるもの
である。
【0013】これに対して、本発明は、予めセメント成
分中にアルミン酸カルシウムないしアルミン酸カルシウ
ムと石膏を配合することにより急結効果を高め、アルカ
リ成分を必要とせずに、あるいは従来よりも大幅に少な
いアルカリ添加量で優れた急結効果を得られるようにし
た。従って、本発明の吹付材用セメント組成物によれば
アルカリフリー急結材を用いても従来より高い急結効果
が達成される。また、アルカリ塩を含有する急結材を用
いた場合には、従来よりも大幅に少ない使用量で優れた
急結効果が得られる。
【0014】本発明において、アルミン酸カルシウムと
は、CaOとAl2O3を主要な構成成分とする化合物であっ
て、3CaO・Al2O3、12CaO・7Al2O3、CaO・Al2O3、CaO・2Al2O
3、3CaO・3Al2O3・CaSO4、11CaO・7Al2O3・CaF2、11CaO・7Al
2O3・CaCl2、2CaO・Al2O3・SiO2等の化学式で表される結晶
質または非晶質の化合物、あるいはこれらの2種以上の
混合物であり、この中にいわゆるカルシウムアルミノフ
ェライト相(4CaO・Al2O3・Fe2O3)は含まない。アルミン
酸カルシウム成分とはこれらのアルミン酸カルシウム自
体あるいはアルミン酸カルシウムを生じる成分を云う。
また、本発明のアルミン酸カルシウム量とはセメント成
分に含まれるこれらC127、C3A、CAなどの合計量
を云う。
【0015】アルミン酸カルシウムはセメント中の石膏
から溶出する硫酸イオン(SO4 2-)の存在によってエトリ
ンガイトを活発に生成させ、針状の結晶を成長させて初
期の急結性を高める作用を果たす。本発明では、このア
ルミン酸カルシウムを予めセメント成分に混合しておく
ことにより、その溶出イオンの濃度が吹付の際に十分に
飽和し、吹付時に急結成分として混合する場合に比べて
より良好な急結効果が得られる。
【0016】特にアルミン酸カルシウムのうち、3CaO・A
l2O3、12CaO・7Al2O3、CaO・Al2O3、3CaO・3Al2O3・CaSO4
11CaO・7Al2O3・CaF2、およびこれらの2種以上の混合物
は、比較的CaOとAl2O3の含有率が高く、CaO/Al2O3のモ
ル比が1以上であり、アルミン酸カルシウムの中でも活
性が高く優れた性能を与えるので好ましい。
【0017】アルミン酸カルシウムはセメントクリンカ
ーに通常含まれている成分であり、普通、早強の各ポル
トランドセメントには各々約8〜9%前後、中庸熱ポル
トランドセメントには約3%前後含まれている。本発明
のセメント組成物は、これらの各種セメントにおいて通
常含まれるアルミン酸カルシウム量よりも多い量を含有
する。すなわち、本発明の吹付材用セメント組成物は、
セメント成分中に10〜35%、好ましくは12〜20
%のアルミン酸カルシウムを含有する。
【0018】アルミン酸カルシウムの含有量が多いほど
急結性が高くなるが、アルミン酸カルシウム含有量が多
過ぎるとベースコンクリートの流動性が低下し、可使時
間が短くなる。また、その量が少な過ぎると所望の急結
効果が得られないので上記含有量の範囲が適当である。
【0019】上記含有量のアルミン酸カルシウムはセメ
ントクリンカーの製造段階で生成させても良く、あるい
は通常のセメントにアルミン酸カルシウム成分を追加混
合しても良い。セメントクリンカーの製造段階では、例
えばポルトランドセメント系のセメントをベースとする
場合には、SiO2とFe2O3の配合量を減らし、Al2O3量を増
やすことにより、CaO・3Al2O3等の量を増やすことができ
る。また、超速硬性セメントで用いられているように、
蛍石(CaF2)を原料に使用してフッ素を導入することによ
り、多量の11CaO・7Al2O3・CaF2を生成させることができ
る。
【0020】一方、アルミン酸カルシウムを追加混合す
るセメントとしては、通常の吹付けコンクリート用のセ
メントとして使用されている普通ポルトランドセメン
ト、早強ポルトランドセメント等が用いられる。さら
に、高炉セメントやフライアッシュセメント等を用いる
ことができる。なお、より高い急結性を得るには、普通
ポルトランドセメントや早強ポルトランドセメントを用
いるのが好ましい。
【0021】アルミン酸カルシウムをセメントに追加混
合する場合、このアルミン酸カルシウムは、石灰石、生
石灰、アルミナ、ボーキサイト、アルミ灰、粘土、珪
石、石膏、蛍石等から選ばれる原料を粉砕混合し、高温
焼成あるいは溶融してクリンカーを得た後に粉砕して得
られる。その際に不純物相として生成される3CaO・Si
O2、2CaO・SiO2やフリーのCaO等を少量含んでいても良い
が,良好な初期急結性能のためにはこれらの不純物相は
少ない方がより好ましい。
【0022】本発明のセメント組成物は、好ましくは、
アルミン酸カルシウムと共に石膏を含有する。石膏はセ
メントの基本成分であり、例えばポルトランドセメント
系では無水物換算で約2〜4%含有されている。本発明
の好ましいセメント組成物は通常含まれる量よりやや多
量の石膏を含有する。すなわち、本発明のセメント組成
物は、セメント成分中に無水物換算で3〜30重量%、
好ましくは5〜15重量%の石膏を含有する。
【0023】石膏は、アルミン酸カルシウムによるエト
リンガイトの生成に対して、硫酸イオンやカルシウムイ
オンを補填し、急結性の向上に寄与するばかりでなく、
コンクリートの混練時に、急結材が添加されるまでの凝
結を適度に調整して流動性を維持する役割をも果たす。
石膏としては、二水石膏、半水石膏、無水石膏をいずれ
も使用できる。
【0024】さらに、本発明のセメント組成物は、アル
ミン酸カルシウムや石膏と共に、石灰類や水酸化アルミ
ニウムを混合するものを含む。すなわち、本発明のセメ
ント組成物は以下の成分を含有する態様を含む。 (i)アルミン酸カルシウム、(ii)アルミン酸カルシウム
と石膏、(iii)アルミン酸カルシウムと石灰類、(iv)ア
ルミン酸カルシウムと水酸化アルミニウム、(v)アルミ
ン酸カルシウムと石膏および石灰類、(vi)アルミン酸カ
ルシウムと石膏および水酸化アルミニウム、(vii)アル
ミン酸カルシウムと石灰類および水酸化アルミニウム。
【0025】石灰類や水酸化アルミニウムは、アルミン
酸カルシウムによるエトリンガイトの生成に対して、カ
ルシウムやアルミニウムを補填して急結性を高める作用
を果たし、さらに石灰類は1日以降の強度を向上させ
る。なお、ここで石灰類とは消石灰(Ca(OH)2)および生
石灰(CaO)を指す。
【0026】石灰類および水酸化アルミニウムの含有量
は、セメント成分中、石灰類がCaO換算で1〜10重量
%が適当であり、1.5〜5重量%が好ましい。また、
水酸化アルミニウムは0.5〜10重量%が適当であ
り、1〜5重量%が好ましい。これらの量が多過ぎる
と、アルミン酸カルシウムやエーライト(3CaO・SiO2)、
ビーライト(2CaO・SiO2)等の水硬性成分の量を相対的に
低下させるので適当ではなく、また少な過ぎると上記効
果が得られない。
【0027】(II)吹付施工方法 本発明のセメント組成物は、水を加えて混練した後に、
吹付時にノズル内で急結材と混合されて吹付施工され
る。この吹付施工において、従来のセメントを使用した
場合に比べて格段に高い急結性を発現させることができ
る。
【0028】先に述べたように、珪酸ソーダや、アルミ
ン酸カルシウムにアルカリ塩を加えてなるアルカリ含有
の急結材は高い急結効果を示し、例えば、普通ポルトラ
ンドセメントからなるコンクリートに混合した場合、初
期強度が数分以内に急激に増加する。ところが、普通ポ
ルトランドセメント等に硫酸アルミニウム等からなるア
ルカリフリー急結材を用いた場合にはアルカリ含有急結
材よりも急結効果が低く、同程度の使用量では初期強度
が数分の1程度である。
【0029】一方、本発明の吹付材用セメント組成物は
アルカリフリーの急結材を併用した場合でも優れた急結
効果を発揮する。例えば、普通ポルトランドセメントか
らなる本発明のセメント組成物に従来と同程度のアルカ
リフリー急結材を混合すると初期強度が数分以内に大幅
に増加し、通常の普通ポルトランドセメントにアルカリ
フリー急結材を用いた場合に比べて初期強度が2〜20
倍程度高くなる。
【0030】アルカリフリー急結材のうち、水に溶解し
た液状の急結材は、その使用量を増加させると、同時に
水の量が増え、コンクリートの水セメント比が大きくな
り、コンクリートの性状を損なう虞があるので使用量が
限られ、従来は十分な急結効果が得られない場合がある
が、本発明のセメント組成物では少ない使用量で優れた
急結効果が得られるので、液状の急結材に対してより一
層効果的である。
【0031】また、本発明のセメント組成物からなる吹
付けコンクリートには、通常使用されるシリカヒュー
ム、石灰石微粉末、高炉スラグ、フライアッシュ等のポ
ゾラン性物質を添加して使用することができ、また膨張
材、増粘材、分離低減剤、減水剤、AE剤等の無機系或
いは有機系の混和材(剤)を併用することができる。
【0032】
【実施例】以下に本発明の実施例を比較例と共に示す。
なお、本発明は以下の範囲に限定されるものではない。
【0033】実施例1 石灰石、珪石、ボーキサイト、ベンガラを原料とし、C
3A:15重量%、C3S:55重量%、C2S:20重量
%、C4AF:7重量%となるように配合して焼成し、ブ
レーン比表面積3500cm2/gに粉砕したセメントクリンカ
ー(M)を得た。このクリンカー(M)に、二水石膏および
半水石膏粉末をそれぞれ無水物換算で6重量%、または
5重量%となる量を混合してセメント成分(A)(B)を得
た。一方、アルミン酸カルシウムとして2種のクリンカ
ーを製造した。すなわち、生灰石とアルミナをCaOとAl2
O3のモル比で12:7および1:1となるように配合し
て粉砕した後にロータリーキルンで焼成してクリンカー
を得た。これを粉砕して12CaO・7Al2O3(C127)およびC
aO・Al2O3(CA)からなる比表面積5000cm2/gのアルミン
酸カルシウム粉末を得た。この粉末を秩父小野田社製の
普通ポルトランドセメント(C3A:9%、石膏:3%)に
追加混合して、表1に示す量のアルミン酸カルシウムを
含有するセメント成分(C)(D)を調製した。
【0034】急結材として、(ア)アルカリ含有急結材
(電気化学工業社製:ナトミック Type-5)、(イ)粉末のアルカ
リフリー急結材(硫酸アルミニウム、平均16水塩)、(ウ)液体ア
ルカリフリー急結材(沈降シリカ+硫酸アルミニウム:ローヌ・フ゜ーラン
社製 RHOCA Jet 50SC)の3種を用いた。上記セメント
成分に水を加えて混合したセメント組成物のペースト
(水セメント比50%)をポリエチレン容器中で1分間混練
した後に、急結材(ア,イ,ウ)をセメントに対して外割で
(ア)は7%、(イ)と(ウ)はそれぞれ12%添加し、5秒
間ハンドミキサで十分攪拌した後に、所定時間(急結材
添加後2,4,6,10分)経過後の凝結状態をプロクター貫入
抵抗値(ASTM C-403)により測定した。なお、比較試料と
して、上記セメント組成物に代えて普通ポルトランドセ
メントを用いたセメントペースト(急結材の使用量は実
施例の試料と同じ)について、プロクター貫入抵抗値を
同様に測定した(比較1〜3)。これらの結果を表2に
示した。
【0035】表2に示すように、セメント成分(A〜D)
からなる本発明のセメント組成物は、何れもアルカリ含
有急結材(ア)および粉末のアルカリフリー急結材(イ)を
用いた場合、急結材添加2分後で200PSI前後から8
00PSI以上の抵抗値を示し、4〜6分経過後にはかな
りの試料が1000PSIを上回る優れた急結効果が得ら
れる。一方、比較試料(比較1,2)は同種の急結材を用
いた実施例の試料に比べて急結効果が大幅に低い。ま
た、液体のアルカリフリー急結材(ウ)を用いた場合に
は、2分後の貫入抵抗値はやや低いが、本発明のセメン
ト成分(A〜D)を用いたセメント組成物は比較試料(比
較3)よりも格段に高い急結効果を示している。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】実施例2 実施例1のセメントクリンカーM(C3A:15%、比表
面積3500cm2/g)に対して、表3に示す配合量となるよう
に、二水石膏、消石灰、水酸化アルミニウムを加えてセ
メント成分(E)を調製した。一方、実施例1と同様の普
通ポルトランドセメント(C3A:9%、石膏:3%)に、
アルミン酸カルシウム(C127)、無水石膏、消石灰、
水酸化アルミニウムを、表3に示す配合量となるように
混合してセメント成分(F)を調製した。これらのセメン
ト成分(E,F)に対して急結材(ウ)を12%混合したセ
メントペーストについて実施例1と同様の貫入抵抗値を
測定した。この結果を表4に示した。何れの試料No.19
〜38も、実施例1の比較試料No.3に比べて格段に高い急
結効果を示しており、概ね、石灰および水酸化アルミニ
ウムの併用に伴って貫入抵抗値が向上している。
【0039】
【表3】
【0040】
【表4】
【0041】実施例3 実施例1および2で作製した、セメント成分に石膏を3
%以上含有する試料No.20、21、29、37と、石膏を3%
未満含有する試料4、6、19について、実施例1ないし2
と同様の条件で混練してセメントペーストとした。この
セメントペーストを日本工業規格(JIS R5201)に示され
たセメントモルタルフロー用のコーン(底面100mm)に詰
め、引き抜いたときの自重によるフローを、所定時間
(混練直後、30分後、60分後)ごとに測定し、流動性の変
化を評価した。この結果を表5に示した。表5に示すよ
うに、石膏を3%未満しか含有しないもの(試料No.4,6,
19)は石膏を3%以上含有するものよりもフローの低下
が大きく、石膏を3%以上含有するセメントは、石膏を
3%未満しか含有しないセメントよりもフレッシュペー
ストの流動性の低下を改善する効果が認められる。
【0042】
【表5】
【0043】実施例4 普通ポルトランドセメント(秩父小野田社製、C3A:9
%)に表6の配合量になるようにアルミン酸カルシウム
(C127)と無水石膏を混合して本発明に用いるセメン
ト成分を製造した。このセメント成分に減水剤、砂およ
び水を加えてベースモルタルを調製した。同様に、この
モルタル配合に粗骨材を加えて、ベースコンクリートを
調製した。このモルタルおよびコンクリートに対してア
ルカリフリーの液体急結材[実施例1の(ウ)]を12%混
合して吹付試験を行なった。急結材は吹付けノズル先端
でモルタルおよびコンクリートに混合した。吹付試験
は、垂直の壁面に直径約20cm、厚さ約10cmにモルタ
ルを吹付けた後、プロクター貫入抵抗値を測定した。さ
らに、その後、壁面に約1m2の範囲にコンクリートを
50リットル吹付けた後に、付着せずに落下したコンクリー
トの重量を測定し、リバウンド率を算出した。一方、比
較例として、上記アルミン酸カルシウムと無水石膏を予
め普通ポルトランドセメントに加えず、吹付時に急結材
と同時にモルタルおよびコンクリートに加えた場合につ
いて同様の評価を行った。なお、アルミン酸カルシウム
および石膏は液体急結材とは別系統で吹付けノズルから
モルタル、コンクリートに添加した。この結果を表7に
示した。
【0044】表7の結果から明らかなように、比較例に
対して本実施例の試料は何れも貫入抵抗値が約10倍程
度高い。また、リバウンド率も本実施例は比較例の数分
の1であり大幅に低い。このように、アルミン酸カルシ
ウムをセメントに予め配合してセメント成分中のアルミ
ン酸カルシウム含有量を高めておくことにより、吹付時
にアルミン酸カルシウムを混合するよりも、格段に優れ
た急結効果を得ることができる。これは、セメント成分
中のアルミン酸カルシウム含有量、あるいはアルミン酸
カルシウムと石膏の含有量を予め高めておくことによ
り、セメントを混練した際に、これらの溶出イオンが吹
付時に十分に飽和に達するため、吹付時に急結材と共に
アルミン酸カルシウムを加えるよりも良好な急結効果が
得られるものと考えられる。
【0045】
【表6】
【0046】
【表7】
【0047】実施例5 実施例2で製造した6種のセメント成分(試料No.21,24,
28,31,34,38)を用い、これに水と共に砂、粗骨材および
混和剤(高性能減水剤:竹本油脂社製、チューホ゛ールHP-11)を
所定量加えて混練し、表8に示す配合量のコンクリート
を調製した。比較例として、セメント成分に普通ポルト
ランドセメント(C3A:9%)のみを用いたもの(比較
7)、および普通ポルトランドセメント65重量%とア
ルミン酸カルシウム(C127)35重量%を混合したセ
メントを用いたもの(比較8)についても同様にコンクリ
ートを調製した。このコンクリートをポンプで圧送し、
吹付けノズル先端で2種のアルカリフリーの液体急結材
((エ):硫酸アルミニウム25%溶液、(ウ):沈降シリカ+硫酸アルミニウム、ロ
ーヌ・フ゜ーラン社製 RHOCA Jet 50SC)を別々に添加して、プル
アウト試験用皿および木箱に吹付けを行なった。なお、
急結材の添加量はセメント成分に対して12%である。
吹付けたコンクリートの硬化性能の評価として、凝結終
了後の3、6時間の材齢ではプルアウト試験を行い、さ
らに材齢1日および28日に、木箱に吹付けたコンクリ
ートから円柱状試験体(φ50mm×H100mm)を切り出して圧
縮強度を測定した。この結果を表9に示した。また、急
結材添加直後の早期時間材齢の硬化性能は、吹付けコン
クリートについて目視および触感で評価すると共に、別
途、コンクリートを目開き5mmの篩を通じて粗骨材を除
去したモルタルを採取し、これに上記アルカリフリー液
体急結材を添加したモルタルのプロクター貫入抵抗試験
を行なって評価した。これらの試験結果を表10に示し
た。
【0048】表10に示すように、本発明に係る量のア
ルミン酸カルシウムを含有するコンクリートを使用した
ものは、吹付後10分までの初期強度の増進が早い。ま
た、表9に示すように、3時間〜28日後の強度発現性
も良好である。一方、アルミン酸カルシウムが9重量%
の比較試料(比較7)は急結性が不足しており吹付材とし
て適しないものであった。また、アルミン酸カルシウム
量が過剰な比較試料(比較8)は急結材を添加する前にコ
ンクリートの硬化が早く、ポンプ圧送による吹付けがで
きなかった。
【0049】
【表8】
【0050】
【表9】
【0051】
【表10】
【0052】
【発明の効果】本発明の吹付材用セメント組成物は、急
結材を用いて吹付施工を行う際に、アルカリ成分を必要
とせずに、あるいは従来よりも大幅に少ないアルカリ添
加量で優れた急結効果が得られる。従って、これまで実
用が難しかったアルカリフリー急結材あるいはアルカリ
フリー液体急結材を容易に使用することができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C04B 22:14) 103:14 (72)発明者 小林久美子 千葉県佐倉市大作2丁目4番2号 秩父小 野田株式会社中央研究所内 (72)発明者 副田 孝一 千葉県佐倉市大作2丁目4番2号 秩父小 野田株式会社中央研究所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セメント成分中に、アルミン酸カルシウ
    ム成分を10〜35重量%含有することを特徴とする吹
    付材用セメント組成物。
  2. 【請求項2】 セメント成分中に、アルミン酸カルシウ
    ム成分を10〜35重量%、および石膏を無水物換算で
    3〜30重量%含有することを特徴とする吹付材用セメ
    ント組成物。
  3. 【請求項3】 セメント成分中に、酸化カルシウム換算
    で1〜10重量%の石灰類および/または0.5〜10重
    量%の水酸化アルミニウムを含有する請求項1または2
    に記載の吹付材用セメント組成物。
  4. 【請求項4】 アルミン酸カルシウム成分が、3CaO・Al2
    O3、12CaO・7Al2O3、CaO・Al2O3、3CaO・3Al2O3・CaSO4、11
    CaO・7Al2O3・CaF2、あるいはこれらの2種以上の混合物
    である請求項1、2または3に記載の吹付材用セメント
    組成物。
  5. 【請求項5】 アルミン酸カルシウム成分が、セメント
    クリンカー中に含有されており、またはセメントクリン
    カー製造後にセメント成分に追加混合されたものである
    請求項1〜4のいずれかに記載の吹付材用セメント組成
    物。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載する吹付
    材用セメント組成物に、アルカリフリー急結材を添加し
    て用いる吹付施工方法。
  7. 【請求項7】 液状のアルカリフリー急結材を用いる請
    求項6に記載の吹付施工方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012158959A (ja) * 2011-02-02 2012-08-23 Kajima Corp 吹付け工法
JP5129955B2 (ja) * 2004-06-15 2013-01-30 電気化学工業株式会社 吹付け用急結剤、吹付け材料、及びこれを用いた吹付け工法
JP2013189377A (ja) * 2013-07-02 2013-09-26 Ube Industries Ltd セメント組成物
KR20230073659A (ko) * 2021-11-19 2023-05-26 에스원건설 주식회사 알루민산 칼슘계 결합재 조성물 및 그의 제조방법
CN116621494A (zh) * 2023-06-28 2023-08-22 中国科学院兰州化学物理研究所 一种绿色环保无碱无氯液体速凝剂及其制备方法

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