JP3390082B2 - グラウト用のセメント混和材及びセメント組成物 - Google Patents
グラウト用のセメント混和材及びセメント組成物Info
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Description
において使用されるグラウト用のセメント混和材及びセ
メント組成物に関する。
をつくり出すことができることから、広範囲に使用され
る材料であるが、収縮するという課題を有しており、こ
の収縮を補う目的で、数多くのセメント混和材が提案さ
れている(特開昭53-13650号公報や特開昭53-31170号公
報など)。これらのセメント混和材は、膨張性を付与す
るものであり、セメントの収縮を補うことに関して優れ
ている材料である。
は、通常の膨張物質と流動化剤とを主成分とするものな
どが提案された(特公昭48-9331号公報や特公昭56-6381
号公報など)。しかしながら、これらの材料はいずれ
も、作業性や充填性に優れ、グラウト工事を円滑に完了
させる材料であるが、最近では、グラウト材料に要求さ
れる物性が著しく高まっており、これら要求物性を満足
できない場合が生じているのが実状であった。
あること、流動性が良好であり、その保持性が優れてい
ること、及びブリージングがないこと等が挙げられ、こ
れら全ての要求物性を満足することが要求されている。
防止を目的として、微粉砕した高炉スラグやフライアッ
シュなどの潜在水硬性物質を配合したセメント組成物が
積極的に使用されている。しかしながら、従来のグラウ
ト用セメント混和材は、潜在水硬性物質を配合したセメ
ント組成物に混和しても十分な膨張性が発揮されず、無
収縮性に乏しく、目的とする構造物との一体化を図るこ
とができないという課題があった。
検討を重ねた結果、特定のセメント混和材を使用するこ
とにより、前記課題が解決できる知見を得て本発明を完
成するに至った。
料とCaF2原料とを含む混合物を熱処理して生成する膨張
物質であって、CaOとCaF2とを有効成分とする鉱物から
なり、かつ、該鉱物中のCaF2が、CaOとCaF2との合計100
重量部中10〜30重量部であるブレーン値4,000cm2/g以上
の膨張物質と、流動化剤とを含有してなるグラウト用の
セメント混和材であり、該膨張物質と、非晶質カルシウ
ムアルミネートと、流動化剤とを配合してなるグラウト
用のセメント混和材であり、セメントと該グラウト用の
セメント混和材とからなるセメント組成物である。
やコストにより、任意に選択されうるものであり、特に
限定されるものではないが、例えば、CaO原料として
は、石灰石や消石灰などのCaCO3質やCa(OH)2質などが、
また、CaF2原料としては、天然に産出するホタル石や工
業副産物としてのCaF2などが挙げられる。原料中に存在
するSiO2、Fe2O3、CaSO4、MgO、及びTiO2等の不純物混
入は、本発明の目的を実質的に阻害しない範囲内では特
に限定されるものではない。
である膨張物質のCaF2が、CaOとCaF 2の合計100重量部中
10〜30重量部となるようにすることが必要であり、15〜
25重量部となるようにすることが好ましい。CaF2が10重
量部未満では、強度発現性が低下する場合があり、30重
量部を超える量では、十分な寸法安定性が得られない場
合がある。
物の含有量により、CaF2の分解温度が大きく変化するた
め、焼成時の焼成温度は特に限定されるものではない
が、通常、焼成温度は1,000〜1,450℃程度が好ましい。
原料の混合方法は特に限定されるものではなく、通常の
方法が可能である。膨張物質を製造する熱処理方法とし
ては特に限定されるものではなく、例えば、ロータリー
キルンによる焼成や電炉による溶融などのいずれの方法
も可能である。
/g以上であり、5,000〜9,000cm2/gが好ましく、6,000〜
7,000cm2/gがより好ましい。4,000cm2/g未満ではブリー
ジングが発生しやすく、9,000cm2/gを越えると、9,000c
m2/gを越えるまで粉砕することが困難であり、その使用
効果の増加が期待できない傾向がある。
混練物に流動性を付与するものであって、例えば、ポリ
アルキルアリルスルホン酸塩の縮合物、ナフタレンスル
ホン酸塩の縮合物、ポリカルボン酸塩、及びデキストリ
ン等が挙げられる。具体的には、ポリアルキルアリルス
ルホン酸塩の縮合物として、第一工業製薬社製商品名
「セルフロー110P」や出光石油化学社製商品名「IPC」な
どが、また、ナフタレンスルホン酸塩の縮合物として、
花王社製商品名「マイティー100」や三洋化成工業社製商
品名「三洋レベロンP」などが、そして、ポリカルボン酸
塩として、三菱化成社製商品名「クインフロー750」等が
挙げられる。デキストリンとは、デンプンを酸と共に加
熱分解し冷水可溶としたものをいい、別名ばい焼デキス
トリンとも呼ばれるものである。これらの流動化剤は全
て粉末状で使用することができ、本発明ではこれらのう
ちの一種又は二種以上を使用することが可能である。
によって一義的には決定できないが、通常、膨張物質と
流動化剤からなる、また、膨張物質、後記非晶質カルシ
ウムアルミネート、及び流動化剤からなるグラウト用の
セメント混和材100重量部中0.5〜13重量部が好ましく、
2〜10重量部がより好ましい。0.5重量部未満では流動
性が十分に得られない場合があり、13重量部を超えて使
用すると、強度発現性が悪くなる恐れがある。
ネートは、CaO原料とAl2O3原料とを溶融し、急冷して得
られたクリンカーを粉砕することによって得られる。溶
融温度は、不純物によって変化するが、1,500〜1,700℃
が好ましい。非晶質カルシウムアルミネートは、そのCa
O含有量が35〜45重量%のものが好ましい。CaO含有量が
35重量%未満では膨張性が不十分になる場合があり、45
重量%を超えると流動性が低下して作業性が悪くなる恐
れがある。非晶質カルシウムアルミネートの粒度は特に
限定されるものではなく、ブレーン値で2,000〜6,000cm
2/gが好ましい。2,000cm2/g未満では十分な寸法安定性
が得られない場合があり、6,000cm2/gを超えると流動性
が悪くなる恐れがある。
は、膨張物質、非晶質カルシウムアルミネート、及び流
動化剤からなるグラウト用のセメント混和材100重量部
中10〜40重量部が好ましく、20〜30重量部がより好まし
い。10重量部未満では強度発現性が悪くなる場合があ
り、40重量部を超えると、十分な寸法安定性が得られな
い場合がある。
は、膨張物質、非晶質カルシウムアルミネート、及び流
動化剤をグラウト用のセメント混和材として使用する。
本発明のグラウト用のセメント混和材の使用量は、使用
する目的により異なるが、通常、セメントとグラウト用
のセメント混和材との合計100重量部中3〜15重量部が
好ましく、5〜12重量部がより好ましい。3重量部未満
では十分な寸法安定性が得られない場合があり、15重量
部を越えると過膨張する場合がある。
超早強、及び中庸熱等の各種ポルトランドセメント、こ
れらポルトランドセメントにポゾラン物質を混合した各
種混合セメント、並びに、アルミナセメント等が挙げら
れるが、特に混合セメントに本発明のグラウト用のセメ
ント混和材を使用するとその効果が顕著である。
たものを使用することは、材料分離抵抗性の増大やブリ
ージング防止などの面から好ましい。
性を持たず、アルカリと反応して水硬性を発揮するポゾ
ラン物質を示し、具体的には、高炉スラグ、フライアッ
シュ、及びシリカヒュームやシリカフラワー等が挙げら
れる。本発明ではこれらのうちの一種又は二種以上の使
用が可能である。潜在水硬性物質の配合量は特に限定さ
れるものではないが、通常、セメントとグラウト用のセ
メント混和材からなるセメント組成物の合計100重量部
に対し、80重量部未満とすることが好ましい。潜在水硬
性物質の配合量が80重量部を超えると、初期の強度発現
性が悪くなる恐れがある。
セメント組成物を用いて、セメント混練物を製造する際
に使用する混合装置としては、既存のいかなる撹拌装置
も使用可能であり、例えば、傾胴ミキサー、オムニミキ
サー、V型ミキサー、ヘンシェルミキサー、及びナウタ
ーミキサー等が使用可能である。また、前記材料の混合
は、それぞれの材料を施工時に混合してもよいし、あら
かじめ一部を、あるいは全部を混合しておいても差し支
えない。
ント混和材の他に、凝結調整剤、AE剤、AE減水剤、
高性能AE減水剤、増粘剤、砂や砂利などの骨材、セメ
ント急硬材、防錆剤、防凍剤、高分子エマルジョン、ベ
ントナイト等の粘土鉱物、ゼオライト、ハイドロタルサ
イト、及びハイドロカルマイト等のイオン交換体、硫酸
アルミニウムや硫酸ナトリウムなどの無機硫酸塩、無機
リン酸塩、ホウ酸、並びに、アルミニウム粉や鉄粉など
の金属粉等のうちの一種又は二種以上を、本発明の目的
を実質的に阻害しない範囲で併用することが可能であ
る。
る。
使用し、その混合物を最高焼成温度1,300℃で、ロータ
リーキルンを用いて焼成し、得られたクリンカーを粉砕
し、ブレーン値7,000±200cm2/gに調整して各膨張物質
を得た。セメント93重量部に、膨張物質90重量部、流動
化剤a8.5重量部、及び流動化剤b1.5重量部からなるグ
ラウト用のセメント混和材(以下セメント混和材という)
を、セメントとセメント混和材との合計100重量部中7
重量部混合し、さらに、細骨材100重量部と、水35重量
部とを混合し、モルタルを作製した。作製したモルタル
の、混練から30分後のJ14ロート値を測定し、ブリージ
ングの有無を観察し、4×4×16cmの供試体を作製して
圧縮強度と膨張率を測定した。結果を表1に示す。な
お、1日材令測定後は水中養生を行った。また、膨張物
質の組成は、JIS R 5202に従って、CaOとF2量を分析
し、さらにF 2量をCaF2に換算して求めた。
230cm2/g CaF2原料 :松下鉱産社製天然ホタル石粉末 セメントα:電気化学工業社製普通ポルトランドセメン
ト 細骨材 :新潟県姫川産、比重2.63 流動化剤a:第一工業製薬社製商品名「セルフロー110P」
主成分ポリアルキルアリルスルホン酸塩 流動化剤b:三洋化成社製商品名「クインフロー750」主
成分ポリカルボン酸塩 水 :水道水
テンシーの測定に準じ測定 ブリージング:JIS A 1123に準じて測定 圧縮強度 :供試体の材令1日の圧縮強度 膨張率 :土木学会「膨張コンクリート設計施工指針
(案)」、付録2.「膨張材を用いた充填モルタルの施工要
領(案)」を示す付属書「膨張材を用いた充填モルタルの膨
張率測定方法」に従い測定した初期膨張収縮率ただし、
表中の−は収縮側、+は膨張側を示す。
同様に行った。結果を表2に示す。
製高炉セメント(B種)
物質を粉砕し、粒度を変化したこと以外は、実施例2と
同様に行った。結果を表3に示す。
物質を使用し、流動化剤の種類と量を変化したこと以外
は実施例2と同様に行った。結果を表4に示す。ただ
し、流動化剤の量を変化させる場合は、セメント混和材
の量を一定とし、膨張物質の量を増減した。
フタレンスルホン酸塩 流動化剤d:日本コンスターチ社製商品名「HIDEX106」主
成分デキストリン
物質を使用し、流動化剤a8.5重量部と流動化剤b1.5重
量部とからなる流動化剤の量を変化したこと、また、
流動化剤a8.5重量部と流動化剤b1.5重量部とからなる
流動化剤を使用したこと以外は実施例2と同様に行っ
た。結果を表5に示す。ただし、流動化剤の量を変化さ
せる場合は、セメント混和材の量を一定とし、膨張物質
の量を増減した。
物質を使用し、セメントとセメント混和材の合計100重
量部に対するセメント混和材の量を変化させたこと以外
は実施例2と同様行った。結果を表6に示す。
ウムアルミネート(A−CA)イ25重量部、流動化剤a8.
5重量部、及び流動化剤b1.5重量部からなるセメント混
和材を、セメントとセメント混和材の合計100重量部中
7重量部混合したこと以外は実施例1と同様に行った。
結果を表7に示す。
CaO原料とAl2O3原料とを配合した混合物を、1,650℃で
溶融し、急冷して得られたクリンカーを粉砕したもの、
ブレーン値3,410cm2/g、CaO含有量41%
と同様に行った。結果を表8に示す。
物質を使用し、流動化剤の量を変化させたこと以外は実
施例8と同様に行った。結果を表9に示す。ただし、流
動化剤の量を変化させる場合は、セメント混和材の量を
一定とし、膨張物質とA−CAの量を等量ずつ増減し
た。
物質を使用し、A−CAの種類と量を変化させたこと以
外は実施例8と同様に行った。結果を表10に示す。た
だし、A−CAの量を変化させる場合は、セメント混和
材の量を一定とし、膨張物質の量を増減した。
CaO原料とAl2O3原料とを配合した混合物を、1,650℃で
溶融し、急冷して得られたクリンカーを粉砕したもの、
ブレーン値3,150cm2/g、CaO含有量35% A−CAハ:CaO/Al2O3のモル比が10:7になるように
CaO原料とAl2O3原料とを配合した混合物を、1,650℃で
溶融し、急冷して得られたクリンカーを粉砕したもの、
ブレーン値3,090cm2/g、CaO含有量44% A−CAニ:CaO/Al2O3のモル比が10:11になるように
CaO原料とAl2O3原料とを配合した混合物を、1,650℃で
溶融し、急冷して得られたクリンカーを粉砕したもの、
ブレーン値3,010cm2/g、CaO含有量33% A−CAホ:CaO/Al2O3のモル比が10:6になるように
CaO原料とAl2O3原料とを配合した混合原料を、1,650℃
で溶融し、急冷して得られたクリンカーを粉砕したも
の、ブレーン値2,980cm2/g、CaO含有量48%
物質を使用し、セメントとセメント混和材の合計100重
量部中のセメント混和材の量を変化させたこと以外は実
施例8と同様に行った。結果を表11に示す。
使用することにより、潜在水硬性物質を含有するセメン
ト組成物においても良好なグラウト効果が得られる。
Claims (3)
- 【請求項1】 CaO原料とCaF2原料とを含む混合物を熱
処理して生成する膨張物質であって、CaOとCaF2とを有
効成分とする鉱物からなり、かつ、該鉱物中のCaF2が、
CaOとCaF2との合計100重量部中10〜30重量部であるブレ
ーン値4,000cm2/g以上の膨張物質と、流動化剤とを含有
してなるグラウト用のセメント混和材。 - 【請求項2】 CaO原料とCaF2原料とを含む混合物を熱
処理して生成する膨張物質であって、CaOとCaF2とを有
効成分とする鉱物からなり、かつ、該鉱物中のCaF2が、
CaOとCaF2の合計100重量部中10〜30重量部であるブレー
ン値4,000cm2/g以上の膨張物質と、非晶質カルシウムア
ルミネートと、流動化剤とを含有してなるグラウト用の
セメント混和材。 - 【請求項3】 セメントと、請求項1又は2記載のグラ
ウト用のセメント混和材とを含有してなるセメント組成
物。
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JPH07242453A JPH07242453A (ja) | 1995-09-19 |
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- 1994-03-08 JP JP3692794A patent/JP3390082B2/ja not_active Expired - Fee Related
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