JP3390076B2 - セメント混和材及びセメント組成物 - Google Patents
セメント混和材及びセメント組成物Info
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- C04B28/14—Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements containing calcium sulfate cements
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Description
において使用されるセメント混和材及びセメント組成物
に関する。
をつくり出すことができることから、広範囲に使用され
る材料であるが、収縮するという課題を有しており、こ
の収縮を補う目的で、数多くのセメント混和材が提案さ
れている(特開昭53-13650号公報や特開昭53-31170な
ど)。これらのセメント混和材は、膨張性を付与するも
のであり、セメントの収縮を補うことに関して優れてい
る材料である。
は、拘束力をなんら受けない状態で、大きな膨張力を受
ければ受けるほど、強度発現性は低下するという課題を
有しており、強度発現性を低下させずに大きな膨張性を
付与できるセメント混和材の要望が高まりつつあった。
意努力を重ねた結果、特定の膨張物質と、無水セッコウ
を組み合わせたセメント混和材を使用することにより、
また、さらに、非晶質カルシウムアルミネートを併用す
ることにより、前記課題が解決できることを知見し本発
明を完成するに至った。
料とCaSO4原料を含む混合物を熱処理して生成する膨張
物質であって、CaOとCaSO4を有効成分とする鉱物からな
り、かつ、該鉱物中の成分割合は、CaSO4が、CaOとCaSO
4の合計100重量部中、10〜50重量部である膨張物質と、
無水セッコウとを含有してなるセメント混和材であり、
該膨張物質と、非晶質カルシウムアルミネ−トと、無水
セッコウとを含有してなるセメント混和材であり、該セ
メント混和材とセメントとを含有してなるセメント組成
物である。
ストにより、任意に選択されうるものであり、特に限定
されるものではないが、例えば、CaO原料としては、石
灰石や消石灰などのCaCO3質やCa(OH)2質などが、また、
CaSO4原料としては、無水セッコウ、半水セッコウ、及
び二水セッコウ等が挙げられる。原料中に存在するSi
O2、Fe2O3、CaF2、MgO、及びTiO2等の不純物の混入は、
本発明の目的を実質的に阻害しない範囲内では特に限定
されるものではない。
成物である膨張物質の化学組成として、CaSO4が、CaOと
CaSO4の合計100重量部中、10〜50重量部となるようにす
ることが必要であり、20〜40重量部が好ましい。CaSO4
が10重量部未満では、例えば、材令1日までに急激な膨
張性を示し、その膨張物質を用いた硬化体にクラックが
発生したり、強度発現性が低下する場合があり、CaSO4
の使用量が50重量部を超える量では膨張性が低下する傾
向がある。
物の含有量により、セッコウの脱硫酸分解温度が大きく
変化するため、焼成時の焼成温度は特に限定されるもの
ではないが、通常、焼成温度は1,100〜1,600℃程度が好
ましい。原料の混合方法は特に限定されるものではな
く、通常の方法が可能である。膨張物質を製造する熱処
理方法としては特に限定されるものではなく、例えば、
ロ−タリ−キルンによる焼成や電炉による溶融などのい
ずれの方法も可能である。
ないが、ブレーン値で1,500〜8,000cm2/gが好ましい。
1,500cm2/g未満では強度発現性が悪くなる傾向があり、
8,000cm2/gを越えると膨張性が十分に発揮されない場合
がある。
無水セッコウとからなるセメント混和材100重量部中、5
0〜90重量部が好ましく、60〜80重量部がより好まし
い。50重量部未満では膨張性が低下する場合があり、90
重量部を超えると強度発現効果が十分に得られない場合
がある。また、後述の非晶質カルシウムアルミネ−トを
併用する場合は、膨張物質、非晶質カルシウムアルミネ
−ト、及び無水セッコウからなるセメント混和材100重
量部中、50〜80重量部が好ましく、55〜65重量部がより
好ましい。50重量部未満では膨張性が低下する場合があ
り、80重量部を超えると強度発現効果が十分に得られな
い場合がある。
れるものではなく、天然に産出する天然無水セッコウの
他、半水セッコウや二水セッコウを熱処理して脱水させ
たものや工業副産物として発生するものなどの使用が可
能であるが、溶解速度が300mg/l・min以上の、溶解速度
が大きい無水セッコウの使用が好ましい。ここで、無水
セッコウの溶解速度とは、20℃の1リットルの水に、50
gの無水セッコウを加え、1分間、60rpmで攪拌し、上澄
み液中の硫酸イオンをイオンクロマトグラフィーで分析
し、CaSO4量に換算した値を示すものである。
のではないが、ブレーン値で2,500〜9,000cm2/gが好ま
しい。2,500cm2/g未満では長期耐久性が悪化する場合が
あり、9,000cm2/gを越えると膨張性が十分に発揮されな
い場合がある。
セッコウからなるセメント混和材100重量部中、10〜50
重量部が好ましく、20〜40重量部がより好ましい。10重
量部未満では十分な強度発現効果が得られない場合があ
り、50重量部を超えると膨張性が不十分になる場合があ
る。また、非晶質カルシウムアルミネ−トを併用する場
合は、膨張物質、非晶質カルシウムアルミネ−ト、及び
無水セッコウからなるセメント混和材100重量部中、10
〜40重量部が好ましく、20〜30重量部がより好ましい。
10重量部未満では十分な強度発現効果が得られない場合
があり、40重量部を超えると膨張性が不十分になる場合
がある。
トはCaO含有量が35〜45重量%のものが好ましい。CaO含
有量が35重量%未満では膨張性や強度発現性が不十分に
なる場合があり、45重量%を超えると流動性が低下して
作業性が悪化する恐れがある。非晶質カルシウムアルミ
ネ−トは、CaO原料とAl2O3原料を溶融し、急冷して得ら
れたクリンカ−を粉砕することによって得られる。非晶
質カルシウムアルミネ−トの粒度は特に限定されるもの
ではないが、ブレ−ン値で1,500〜6,000cm2/gが好まし
い。1,500cm2/g未満では十分な膨張性が得られない場合
があり、6,000cm2/gを超えると作業性が悪くなる恐れが
ある。
は、膨張物質、非晶質カルシウムアルミネート、及び無
水セッコウからなるセメント混和材100重量部中、5〜2
5重量部が好ましく、10〜20重量部がより好ましい。5
重量部未満では強度発現効果が得られ難い場合があり、
25重量部を超える量では膨張性が低下する場合や、セメ
ント、セメント混和材、及び水等を混練したセメント混
練物の流動性が低下して作業性が悪くなる場合がある。
る目的や用途に依存し、特に限定されるものではない
が、通常、ブレ−ン値で1,500〜8,000cm2/gの範囲で使
用することが好ましい。1,500cm2/g未満では、強度発現
性に悪影響をおよぼす恐れがあり、8,000cm2/gを越える
と膨張性が十分に発揮されない場合がある。
する目的により異なるが、セメント混和材が膨張物質と
無水セッコウからなる場合は、セメントとセメント混和
材の合計100重量部に対して、3〜15重量部が好まし
く、5〜12重量部がより好ましい。3重量部未満では膨
張性が十分でなく、15重量部を超えると異常膨張を起こ
す場合がある。また、セメント混和材が膨張物質、非晶
質カルシウムアルミネ−ト、及び無水セッコウからなる
場合は、3〜20重量部が好ましく、5〜15重量部がより
好ましい。3重量部未満では膨張性が十分ではなく、20
重量部を越えて使用すると異常膨張を起こす場合があ
る。
強、超早強、及び中庸熱等の各種ポルトランドセメン
ト、これらポルトランドセメントに、高炉スラグやシリ
カなどのポゾラン物質を混合した各種混合セメント、及
びアルミナセメント等が挙げられる。本発明のセメント
混和材は、特に混合セメントと併用する場合においてそ
の効果が顕著である。
他に、凝結調整剤、減水剤、高性能減水剤、AE剤、A
E減水剤、高性能AE減水剤、増粘剤、砂や砂利などの
骨材、セメント急硬材、防錆剤、防凍剤、高分子エマル
ジョン、ベントナイト等の粘土鉱物、ゼオライト、ハイ
ドロタルサイト、及びハイドロカルマイト等のイオン交
換体、硫酸アルミニウムや硫酸ナトリウムなどの無機硫
酸塩、無機リン酸塩、並びに、ホウ酸等のうちの一種又
は二種以上を本発明の目的を実質的に阻害しない範囲で
併用することが可能である。
限定されるものでなく、それぞれの材料を施工時に混合
してもよいし、あらかじめ一部を、あるいは全部を混合
しておいても差し支えない。混合装置としては、既存の
いかなる撹拌装置も使用可能であり、例えば、傾胴ミキ
サ−、オムニミキサ−、V型ミキサ−、ヘンシェルミキ
サ−、及びナウタ−ミキサ−等の使用が可能である。
限定されるものではなく、一般に行われる常温・常圧養
生、蒸気養生、高温・高圧蒸気養生、及び加圧養生等の
いずれの養生方法も適用可能であるが、蒸気養生を行っ
た場合に本発明の効果がより顕著である。蒸気養生を行
う場合は、常温・常圧において3〜8時間程度の前置き
養生を行うことがより好ましい。
る。
無水セッコウを使用し、その混合物を最高焼成温度1,40
0℃で、ロ−タリ−キルンを用いて焼成し、得られたク
リンカ−を粉砕し、ブレ−ン値で3,000±200cm2/gに調
整して膨張物質を得た。単位量が、各々セメント500kg/
m3、粗骨材960kg/m3、細骨材713kg/m3、及び水200kg/m3
の配合のコンクリ−トに、表1に示す膨張物質70重量部
と無水セッコウ30重量部からなるセメント混和材を、セ
メントとセメント混和材の合計100重量部に対して7重
量部配合し、コンクリート混練物を調製し、φ100mm、
L200mmの供試体を作製した。作製した供試体を、前置
き4時間の後、昇温速度16℃/hで昇温し、65℃で5時
間の蒸気養生を行い、自然放冷した。その後、各材令に
おける圧縮強度の測定を行った。また、JIS A 6202 B
法に準じて膨張率の測定を行った。なお、1日材令測定
後は水中養生を行った。結果を表1に併記する。
4,230cm2/g CaSO4原料 :天然無水セッコウ、ブレーン値5,830cm2/
g 無水セッコウ:天然セッコウ、溶解度352mg/l・min セメントα :電気化学工業社製普通ポルトランドセメ
ント 粗骨材 :新潟県姫川産、Gmax=15mm、比重2.67 細骨材 :新潟県姫川産、比重2.63 水 :水道水 なお、膨張物質の組成は、JIS R 5202に従って、CaOとS
O3量を分析し、さらにSO3量をCaSO4に換算して求めた。
物質を用いて、セメントとセメント混和材の合計100重
量部に対するセメント混和材の配合量を表2に示すよう
に変化したこと以外は実施例1と同様に行った。結果を
表2に示す。
メント500kg/m3、粗骨材953kg/m3、細骨材708kg/m3、及
び水193kg/m3の配合のコンクリ−トに、減水剤をセメン
トとセメント混和材の合計100重量部に対して1重量部
配合したこと以外は実施例1と同様に行った。結果を表
3に示す。
分ナフタリンスルホン酸ホルマリン縮合物
0重量部中の無水セッコウの量を表4に示すように変え
たこと以外は実施例3と同様に行った。結果を表4に示
す。
ネ−ト(A−CA)15重量部、及び無水セッコウ25重量部
からなるセメント混和材を、セメントとセメント混和材
の合計100重量部に対して、10重量部配合したこと以外
は実施例1と同様に行った。結果を表5に併記する。
ニウムとのモル比が10:8の混合物を1,650℃で溶融
し、急冷して得られたクリンカ−を粉砕してブレ−ン値
3,410cm2/gとした。CaO含有量40%
ント混和材の合計100重量部に対するセメント混和材の
配合量を表6に示すように変化したこと以外は実施例5
と同様に行った。結果を表6に併記する。
と同様に行った。結果を表7に示す。
100重量部中の無水セッコウの量を変え、膨張物質とA
−CAの量を等量づつ増減してセメント混和材の量を一
定にしたこと以外は実施例7と同様に行った。結果を表
8に示す。
100重量部中のA−CAの種類と量を変え、膨張物質と
無水セッコウの量を等量づつ増減してセメント混和材の
量を一定にしたこと以外は実施例7と同様に行った。結
果を表9に示す。
ニウムとのモル比が10:10の混合物を1,650℃で溶融
し、急冷して得られたクリンカ−を粉砕してブレ−ン値
3,150cm2/gとした。CaO含有量35% A−CAハ :試薬1級の炭酸カルシウムと酸化アルミ
ニウムとのモル比が10:7の混合物を1,650℃で溶融
し、急冷して得られたクリンカ−を粉砕してブレ−ン値
3,090cm2/gとした。CaO含有量44%
とにより、特に、混合セメントに対して効果的な膨張性
が付与され、高強度発現性が良好なセメント組成物が得
られる。
Claims (3)
- 【請求項1】 CaO原料とCaSO4原料を含む混合物を熱処
理して生成する膨張物質であって、CaOとCaSO4を有効成
分とする鉱物からなり、かつ、該鉱物中のCaSO4が、CaO
とCaSO4の合計100重量部中、10〜50重量部である膨張物
質と、無水セッコウとを含有してなるセメント混和材。 - 【請求項2】 CaO原料とCaSO4原料を含む混合物を熱処
理して生成する膨張物質であって、CaOとCaSO4を有効成
分とする鉱物からなり、かつ、該鉱物中のCaSO4が、CaO
とCaSO4の合計100重量部中、10〜50重量部である膨張物
質と、非晶質カルシウムアルミネ−トと、無水セッコウ
とを含有してなるセメント混和材。 - 【請求項3】 セメントと、請求項1又は2記載のセメ
ント混和材とを含有してなるセメント組成物。
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JP00661594A JP3390076B2 (ja) | 1994-01-25 | 1994-01-25 | セメント混和材及びセメント組成物 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH07206492A JPH07206492A (ja) | 1995-08-08 |
JP3390076B2 true JP3390076B2 (ja) | 2003-03-24 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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WO2006134670A1 (ja) * | 2005-06-14 | 2006-12-21 | Denki Kagaku Kogyo Kabushiki Kaisha | セメント混和材及びセメント組成物 |
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JP7444619B2 (ja) * | 2020-01-23 | 2024-03-06 | デンカ株式会社 | セメント混和材 |
-
1994
- 1994-01-25 JP JP00661594A patent/JP3390076B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|
笠井芳夫,小林平几,セメント・コンクリート用混和材料,日本,技術書院,1986年5月15日,第141頁 |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07206492A (ja) | 1995-08-08 |
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