JP7181355B1 - セメント混和材、セメント混和材の製造方法及びセメント組成物 - Google Patents

セメント混和材、セメント混和材の製造方法及びセメント組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】多量にセメントを置換しても初期強度を確保することができ、かつ炭酸塩(化)養生によって良好な強度発現性を付与できるセメント混和材を提供すること。【解決手段】γ-2CaO・SiO2、3CaO・2SiO2、α-CaO・SiO2、及びカルシウムマグネシウムシリケートからなる群から選ばれる少なくとも1種の非水硬性化合物とイーリマイトを含むセメント混和材であって、イーリマイトの含有量が0.1~10質量%であるセメント混和材である。【選択図】なし

Description

本発明は、土木分野、建築分野等で用いられるセメント混和材、セメント混和材の製造方法及びセメント組成物に関する。
コンクリートは原材料としてセメントを多量に使用するため、CO排出量の大きい材料であるとされる。これは主として、セメントの生産過程で、炉の燃焼エネルギーを得るために化石燃料を多量に使用することに加え、石灰石の脱炭酸反応(CaCO→CaO+CO)が生じることによる。コンクリートとしてのCO排出量を低減することは地球温暖化対策の一環として重要なテーマとなっている。
コンクリート製品を製造する際に排出されるCOのトータル量を低減するためには、セメント代替として特殊混和材や産業副産物(高炉スラグ微粉末、フライアッシュなど)を多量に配合させることによりセメント使用量を削減することが有効であり、種々研究が進められている。
一方で、γ-CS(γ-2CaO・SiO;ビーライトγ相とも呼ばれる)のような非水硬性化合物を混和材として配合したコンクリートを強制的に炭酸(塩)化養生させることにより、COを吸収させ、表層部を緻密化した耐久性の高いコンクリート製品を得る技術が知られている(例えば特許文献1)。γ-CSは水和反応せず、COと反応してCaCOとSiOに富むゲルを生成する。これらの生成物はセメントマトリクス中の空隙を埋め、コンクリート製品表層部の耐久性を飛躍的に向上させる。この場合、炭酸(塩)化養生でコンクリートに吸収されたCOの分だけコンクリート製品を得る上でのトータルCO排出量は削減されることになる。
また特許文献2では、粉体成分として、γ-CS、製鋼スラグ粉末の1種または2種と、ポルトランドセメントを含有し、上記の合計含有量に占めるγ-CS、製鋼スラグ粉末の合計が25~95質量%であり、水セメント比W/Cが80~250質量%である配合のコンクリート混練物が提案されている。そして、セメント使用量の抑制によるCO排出量の削減、及び炭酸(塩)化養生によるCOの吸収を利用して、従来の一般的なコンクリートと比べ、トータルのCO排出量を大幅に低減したプレキャストコンクリート製品が実現可能となったことが記載されている。
特開2006-182583号公報 特開2011-168436号公報
しかしながら、γ-CSのような非水硬性物質や産業副産物を多量に配合させ、水硬性のセメント使用量を削減すると、初期強度が低下し、コンクリートの型枠を脱型するまでの養生時間が多くかかることになり、炭酸(塩)化養生を施すまでに時間を要することになる。
なお、特許文献1及び特許文献2は初期強度については何ら開示していない。
以上から本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであり、多量にセメントを置換しても初期強度を確保することができ、かつ炭酸塩(化)養生によって良好な強度発現性を付与できるセメント混和材を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記問題を解決するために鋭意研究を行った結果、特定の非水硬性化合物とイーリマイトを含み、イーリマイトの含有量を所定の範囲とすることで、セメント混和材が上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、下記のとおりである。
[1]γ-2CaO・SiO、3CaO・2SiO、α-CaO・SiO、及びカルシウムマグネシウムシリケートからなる群から選ばれる少なくとも1種の非水硬性化合物とイーリマイトを含むセメント混和材であって、イーリマイトの含有量が0.1~10質量%であるセメント混和材。
[2]前記非水硬性化合物の含有量が60質量%以上である上記[1]に記載のセメント混和材。
[3]前記非水硬性化合物がγ-2CaO・SiOである上記[1]又は[2]に記載のセメント混和材。
[4]さらにイーリマイト以外の水硬性化合物を含有する上記[1]~[3]のいずれか1項に記載のセメント混和材。
[5]上記[1]~[4]のいずれか1項に記載のセメント混和材を製造する方法であって、CaO原料、Al原料、SiO原料、MgO原料、及びSO原料を用意し、これらを粉砕するとともに混合して混合物を得、該混合物を熱処理するセメント混和材の製造方法。
[6][1]~[4]のいずれか1項に記載のセメント混和材を含むセメント組成物。
本発明によれば、多量にセメントを置換しても初期強度を確保することができ、かつ、炭酸塩(化)養生によって良好な強度発現性を付与できるセメント混和材を提供することができる。
以下、本発明の実施形態(本実施形態)について詳細に説明する。なお、本明細書で使用する部や%は特に規定のない限り質量基準である。
[セメント混和材]
本実施形態に係るセメント混和剤は、γ-2CaO・SiO、3CaO・2SiO、α-CaO・SiO、及びカルシウムマグネシウムシリケートからなる群から選ばれる少なくとも1種の非水硬性化合物と、イーリマイトとを含む。
非水硬性化合物とイーリマイトとを組み合わせ、イーリマイトの含有量が0.1~10%であることで、良好な初期強度を維持することができる。
なお、上記非水硬性化合物は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
以下、各成分等について説明する。
<非水硬性化合物>
本発明のセメント混和材は、γ-2CaO・SiO、3CaO・2SiO、α-CaO・SiO、及びカルシウムマグネシウムシリケートからなる群から選ばれる少なくとも1種の非水硬性化合物を含有する。
(γ-2CaO・SiO
γ-2CaO・SiOとは、2CaO・SiOで表される化合物のうちで、低温相として知られるものであり、高温相であるα-2CaO・SiOやα’-2CaO・SiO、β-2CaO・SiOとは全く異なるものである。これらはいずれも、2CaO・SiOで表されるが、結晶構造や密度は異なっている。
γ-2CaO・SiOは非水硬性化合物であり、これを混和材として配合したコンクリートを強制的に炭酸(塩)化養生させることにより、COを吸収させ、表層部を緻密化した耐久性の高いコンクリート製品を得ることができる。より詳細には、γ-2CaO・SiOはCOと反応してCaCOとSiOに富むゲルを生成し、セメントマトリクス中の空隙を埋め、コンクリート製品表層部の耐久性を飛躍的に向上させる。さらに、炭酸(塩)化養生でコンクリートに吸収されたCOの分だけコンクリート製品を得る上でのトータルCO排出量は削減されることになり、環境保護の点からも好適な化合物である。
(3CaO・2SiO
3CaO・2SiOとは、偽ケイ灰石にCaOを含有する鉱物でランキナイトと呼ばれる。水和活性は無く化学的に安定な鉱物であるが、炭酸(塩)化による緻密化効果が大きい。
(α-CaO・SiO
α-CaO・SiO(α型ワラストナイト)とは、CaO・SiOで表される化合物のうちで、高温相として知られるものであり、低温相であるβ-CaO・SiOとは全く異なるものである。これらはいずれも、CaO・SiOで表されるが、結晶構造や密度は異なっている。
天然に産出するワラストナイトは低温相のβ-CaO・SiOである。β-CaO・SiOは針状結晶を有し、ワラストナイト繊維等のような無機繊維質物質として利用されてはいるが、本実施形態に係るα-CaO・SiOのような炭酸(塩)化による緻密化効果は小さい。
(カルシムマグネシウムシリケート)
カルシムマグネシウムシリケートとは、CaO-MgO-SiO系化合物を総称するものであるが、本実施形態では、3CaO・MgO・2SiO(CMS)で表されるメルヴィナイト(Merwinite)であることが好ましい。メルヴィナイトを用いることで大きい炭酸(塩)化促進による緻密化が達成される。
上記のような非水硬性化合物は1種でも2種以上でもよいが、セメント混和材中60%以上含むことが好ましく、80%以上含むことがより好ましい。60%以上であると、炭酸(塩)化養生による十分な緻密化効果が得られる。上限値については、特に制限はないが、貯蔵安定性の点から95%以下であることが好ましい。
なお、非水硬性化合物が2種以上である場合、上記含有量は、2種以上の非水硬性化合物の合計量をいう。
上記の非水硬性化合物の中でも、特にγ-2CaO・SiOは、製造時にダスティングと呼ばれる粉化現象をともなうため他化合物に比べて粉砕に要するエネルギーが少ないこと、長期にわたって炭酸(塩)化緻密化効果が大きい点で好ましい。γ-2CaO・SiOによる効果を得る観点から、非水硬性化合物中、γ-2CaO・SiOは、50%以上であることが好ましく、70%以上であることがより好ましい。上限値については特に制限はなく、非水硬性化合物中、γ-2CaO・SiOが100%であってもよい。
(イーリマイト)
本実施形態に係るイーリマイトとは、3CaO・3Al・CaSOで表される鉱物であり、セッコウ等の存在下で水和してエトリンガイト(3CaO・Al・3CaSO・32HO)を形成し初期強度の向上に寄与する。
イーリマイトの含有量は、0.1~10質量%の範囲であることが必須要件である。イーリマイトの含有量が0.1質量%未満では十分な初期強度を得ることができず、10質量%を超えると炭酸塩(化)養生をした際の強度発現性が低下する。
イーリマイトの含有量は、0.3~10質量%の範囲であることが好ましく、1~9質量%の範囲であることがさらに好ましく、2~7質量%の範囲が特に好ましい。かかる範囲の量でイーリマイトを含有することにより、初期強度を高めるとともに、炭酸塩(化)養生をした際の強度発現性を向上させることができる。
<水硬性化合物>
本実施形態に係るセメント混和材は、上記非水硬性化合物、イーリマイトの他に、イーリマイト以外の水硬性化合物を含んでいてもよい。水硬性化合物としては、セメント組成物に通常使用されるものであれば特に制限はなく、3CaO・SiO、2CaO・SiOで表されるカルシウムシリケート、4CaO・Al・Feや6CaO・2Al・Fe、6CaO・Al・Feで表されるカルシウムアルミノフェライト、2CaO・Fe等のカルシウムフェライトなどが挙げられる。これらの水硬性化合物は1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
[セメント混和材の製造方法]
本実施形態に係るセメント混和材は、CaO原料、Al原料、SiO原料、MgO原料、及びSO原料を用意し、適宜所定のモル比で配合し、これらを粉砕するとともに混合して混合物を得、該混合物を熱処理することで製造することができる。
CaO原料としては、例えば、石灰石等の炭酸カルシウム、消石灰等の水酸化カルシウム、アセチレン副生消石灰、廃コンクリート塊から発生する微粉末、等が挙げられる。
SiO原料としては、例えば、ケイ石や粘土、さらには、シリカフュームやフライアッシュに代表されるような産業副産物として発生する様々なシリカ質ダスト等が挙げられる。
MgO原料としては、例えば、水酸化マグネシウムや塩基性炭酸マグネシウム、ドロマイト等を挙げることができる。
Al原料としては、ボーキサイトやアルミ残灰等が挙げられ、CaSO原料(SO原料)としては二水石膏、半水石膏及び無水石膏が挙げられる。
なお、熱処理時の非エネルギー由来のCO排出量の削減の点からも、CaO原料としては、アセチレン副生消石灰、廃コンクリート塊から発生する微粉末等、CaOを含む産業副産物から選ばれる一種又は二種以上からの利用が好ましい。
熱処理方法は特に限定されるものではないが、例えば、ロータリーキルンや電気炉等によって行うことができる。その熱処理温度は、一義的に定められるものではないが、通常、1,000~1,800℃程度の範囲で行われ、1,200~1,600℃程度の範囲で行われることが多い。
本実施形態は、既述の非水硬性化合物を含む産業副産物を用いることもできる。この際には不純物が共存する。このような産業副産物として、製鋼スラグ等が挙げられる。
CaO原料、SiO原料、MgO原料、Al原料、SO原料には不純物を含む場合があるが、本発明の効果を阻害しない範囲内では特に問題とはならない。不純物の具体例としては、例えば、Fe、TiO、MnO、NaO、KO、P、F、B、フッ素、塩素等が挙げられる。また、共存する化合物としては、遊離酸化カルシウム、水酸化カルシウム、カルシウムアルミネート、カルシウムアルミノシリケート、カルシウムフェライトやカルシウムアルミノフェライト、カルシウムフォスフェート、カルシウムボレート、マグネシウムシリケート、リューサイト(KO、NaO)・Al・SiO、スピネルMgO・Al、及びマグネタイトFe等が挙げられる。
なお、セメント混和材中、既述の非水硬性化合物以外に、水硬性の2CaO・SiOが混在していてもよく、最大35%まで混在可能である。
非水硬性化合物、及びイーリマイトを定量する方法として、粉末X線回折法により結晶相を同定した後、化学分析値から各結晶相を算出する方法、及び、粉末X線回折法によるリートベルト法等が挙げられるが、本発明においては、粉末X線回折法により結晶相を同定した後、化学分析値から各結晶相を算出する方法を用いた。
本実施形態に係るセメント混和材は、同一粒子中に非水硬性化合物、及びイーリマイトが存在する粒子を含有していることが好ましい。同一粒子中に非水硬性化合物、及びイーリマイトが存在する粒子を得る方法としては、前述の製造方法において、適切な原料組成および熱処理条件の選択により得ることができる。
非水硬性化合物、及びイーリマイトが同一粒子中に存在しているかどうかは電子顕微鏡などによって確認することができる。具体的には、セメント混和材を樹脂で包埋し、アルゴンイオンビームで表面処理を行い、粒子断面の組織を観察するとともに、元素分析を行うことで非水硬性化合物、及びイーリマイトが同一粒子内に存在しているかを確認することができる。
セメント混和材のブレーン比表面積は特に限定されるものではないが、1,500cm/g以上が好ましく、また上限は8,000cm/g以下が好ましい。なかでも、2,000~6,000cm/gがより好ましく、3,000~6,000cm/gが最も好ましい。ブレーン比表面積が1,500cm/g以上であることで、良好な材料分離抵抗性が得られ、炭酸(塩)化促進効果が充分になる。また、8,000cm/g以下であることで粉砕する際の粉砕動力が大きくならず経済的であり、また、風化が抑制され品質の経時的な劣化を抑えることができる。
[セメント組成物]
本実施形態に係るセメント組成物は、本発明のセメント混和材を含む。
セメント混和材の使用量は特に限定されるものではないが、通常、セメントと本混和材の合計100部中5~80部が好ましく、5~60部がより好ましく、10~50部がさらに好ましい。5部以上であることで水和熱を低くすることができ、80部以下(特に50部以下)であることで初期強度発現性が良好となる。
本実施形態のセメント組成物に対する水の使用量は特に限定されるものではなく、通常の使用範囲でよい。具体的には、セメント及び本混和材の合計100部に対して水の量は25~60部が好ましい。25部以上であることで充分な作業性が得られ、60部以下であることで強度発現性及び炭酸(塩)化促進効果を十分に得ることができる。
本実施形態のセメント組成物で使用するセメントとしては、特に制限されないが、ポルトランドセメントを含有するものが好ましく、たとえば普通、早強、超早強、低熱、及び中庸熱等の各種ポルトランドセメントが挙げられる。また、これらポルトランドセメントに、高炉スラグ、フライアッシュ、又はシリカを混合した各種混合セメント、都市ゴミ焼却灰や下水汚泥焼却灰などを原料として製造された廃棄物利用セメント、いわゆるエコセメント(R)、及び石灰石粉末等を混合したフィラーセメント等が挙げられる。また、従来セメントに比べてCO排出量が少ないジオポリマーセメント、サルフォアルミネートセメント、石灰石焼成粘土セメント(LC3)も挙げられる。これらのうちの1種又は2種以上が使用可能である。
本実施形態のセメント組成物では、低水結合材比の時、中性化抑制が強く求められている高炉セメントやエコセメントに対して有益であり、特に高炉セメントを含むことが最も好ましい。
本実施形態のセメント組成物の粒度は、使用する目的・用途に依存するため特に限定されるものではないが、通常、ブレーン比表面積で2,500~8,000cm/gが好ましく、3,000~6,000cm/gがより好ましい。2,500cm/g以上であることで強度発現性が十分に得られ、8,000cm/g以下であることで作業性を良好にすることができる。
本実施形態のセメント組成物では、セメント、本混和材の他に、砂や砂利などの骨材、高炉水砕スラグ微粉末、高炉徐冷スラグ粉末、石灰石微粉末、フライアッシュ、及びシリカフューム、火山灰など天然ポゾラン等の混和材料、膨張材、急硬材、減水剤、AE減水剤、高性能減水剤、高性能AE減水剤、消泡剤、増粘剤、防錆剤、防凍剤、収縮低減剤、ポリマー、凝結調整剤、ベントナイト等の粘土鉱物、並びに、ハイドロタルサイト等のアニオン交換体等の添加剤等、通常のセメント材料に用いられる公知の添加剤や混和材を1種又は2種以上、本発明の目的を実質的に阻害しない範囲で使用することが可能である。
本実施形態のセメント組成物はそれぞれの材料を施工時に混合して作製してもよいし、あらかじめ一部あるいは全部を混合しておいても差し支えない。また、各材料及び水の混合方法も特に限定されるものではなく、材料の一部を水と混合した後に残りの材料を混合しても良い。
混合装置としては、既存のいかなる装置も使用可能であり、例えば、傾胴ミキサ、オムニミキサ、ヘンシェルミキサ、V型ミキサ、及びナウタミキサ等の使用が可能である。
以下、実施例及び比較例を用いて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を逸脱しない限り、下記の実施例に限定されるものではない。
[実験例1](1-1~1-9)
CaO原料、SiO原料、MgO原料、Al原料、及びSO原料を表1に示す鉱物割合となるように配合し、混合粉砕した後、表1に記載の温度で2時間焼成してクリンカを合成し、ボールミルを用いてブレーン比表面積で3,000cm/gに粉砕して、セメント混和材を作製した。
なお、鉱物組成は粉末X線回折法により結晶相を同定した後、化学分析値から各結晶相を算出する方法により求めた。セメント混和材中には、非水硬性化合物、イーリマイトの他に水硬性化合物としてβ-2CaO・SiOが含まれていた。ここで蛍光X線装置としては、Rigaku社製走査型蛍光X線分析装置 「ZSX Primus IV」を用い、粉末X線回折装置としては、Rigaku社製全自動多目的X線回折装置「SmartLab」を用いた。
このセメント混和材を使用して、セメントとセメント混和材からなるセメント組成物100質量部中、セメント混和材を50質量部(混和材添加率50質量%)使用し、セメント組成物100質量部に対して、水50質量部(水/セメント組成物比50質量%)、セメント組成物/砂比=1/3(質量比)のモルタルを20℃の室内で調製した。型枠存置材齢1日で脱型後、温度20℃、相対湿度60%、CO濃度5%の環境下で材齢28日まで促進炭酸化養生を行い、圧縮強度を測定した。
(使用材料)
CaO原料:炭酸カルシウム(試薬1級)
SiO原料:二酸化ケイ素(試薬1級)
MgO原料:酸化マグネシウム(試薬1級)
Al原料:α-アルミナ(試薬1級)
SO原料:硫酸カルシウム二水和物(試薬1級)
砂:JIS標準砂
セメント:普通ポルトランドセメント、デンカ(株)製、比重3.15、ブレーン比表面積3,300cm/g
水:水道水
<評価方法>
圧縮強度:JIS R 5201「セメントの物理試験方法」に準じて材齢1日で脱型した直後、及び促進炭酸化養生材齢28日の圧縮強度を測定した。
Figure 0007181355000001
[実験例2](2-1)~(2-3)
実験例1の1-4で作製したセメント混和材を1100℃で1時間熱処理し、室温まで放置して、粉砕してXRDでセメント混和材中の非水硬性物質の含有率が表2に記載される数値となるまで同様の熱処理を繰り返した。実験例1と同様に試験を行った。結果を表2に示す。
Figure 0007181355000002
[実験例3](3-1)
CaO原料、SiO原料をモル比2:1で配合し、混合粉砕した後1400℃で2時間焼成し、ボールミルを用いてブレーン比表面積で3,000cm/gに粉砕して、γ-2CaO・SiOを得た。さらに、γ-2CaO・SiOを1100℃で1時間焼成し、室温まで放置して、粉砕してXRDでγ-2CaO・SiOのピークが確認されなくなるまで同様の熱処理を繰り返した。β-2CaO・SiOのみのピークが確認された後、ボールミルを用いてブレーン比表面積で3,000cm/gに粉砕して、β-2CaO・SiOを得た。
また、CaO原料、Al原料、SO原料である硫酸カルシウム二水和物をモル比3:3:1になるように配合し、混合粉砕した後1300℃で2時間焼成し、ボールミルを用いてブレーン比表面積で3,000cm/gに粉砕して、イーリマイトを得た。
得られたγ-2CaO・SiO、β-2CaO・SiO、イーリマイトをそれぞれ80部、15部、5部を混合し、セメント混和材を作製した。実験例1と同様に試験を行った結果を表3に示す。なお、表3中のセメント混和材欄の「+」は、各構成鉱物を別々に混合したことを表す。
Figure 0007181355000003
表1の結果より、本発明のセメント混和材を用いたセメント組成物は、初期強度を確保することができ、早期に炭酸(塩)化養生が可能であることがわかる。また、非水硬性化合物としてγ-2CaO・SiOを用いることで、圧縮強度が高くなることがわかる。さらに、イーリマイトの含有量が適切な範囲であると、さらに圧縮強度が高くなることがわかる。
表2の結果より、セメント混和材中の非水硬性化合物の含有量が50質量%以上であることによって、圧縮強度が高くなり、60質量%以上であるとさらに圧縮強度が高くなることがわかる。
さらに、表3の結果から、γ-2CaO・SiO、β-2CaO・SiO、及びイーリマイトを物理的に混合することでも、良好な圧縮強度が得られるが、CaO原料、SiO原料、MgO原料、Al原料、及びSO原料を混合粉砕、熱処理して作製したセメント混和材の方が、同様の組成を有していても圧縮強度がより高くなることがわかる。
本発明のセメント混和材は、特に土木分野、建築分野等で用いられるセメント混和材として有用であり、セメント組成物として好適に使用できる。

Claims (6)

  1. γ-2CaO・SiO、3CaO・2SiO、α-CaO・SiO、及びカルシウムマグネシウムシリケートからなる群から選ばれる少なくとも1種の非水硬性化合物とイーリマイトを含むセメント混和材であって、イーリマイトの含有量が~10質量%であるセメント混和材。
  2. 前記非水硬性化合物の含有量が60質量%以上である請求項1に記載のセメント混和材。
  3. 前記非水硬性化合物がγ-2CaO・SiOである請求項1又は2に記載のセメント混和材。
  4. さらにイーリマイト以外の水硬性化合物を含有する請求項1~3のいずれか1項に記載のセメント混和材。
  5. 請求項1~4のいずれか1項に記載のセメント混和材を製造する方法であって、CaO原料、Al原料、SiO原料、MgO原料、及びSO原料を用意し、これらを粉砕するとともに混合して混合物を得、該混合物を熱処理するセメント混和材の製造方法。
  6. 請求項1~4のいずれか1項に記載のセメント混和材を含むセメント組成物。
JP2021134146A 2021-08-19 2021-08-19 セメント混和材、セメント混和材の製造方法及びセメント組成物 Active JP7181355B1 (ja)

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