JP6537282B2 - アルカノールアミン系セメント添加剤、並びにセメント組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、アルカノールアミン系セメント添加剤、並びにセメント組成物に関する。
セメント添加剤は、一般に、モルタルやコンクリートなどのセメント組成物に含有させることにより、セメント組成物の諸物性を変化させる作用を有する。
セメント添加剤としては、セメント組成物の硬化物の強度性能の向上の要求が多くなってきている。例えば、セメント組成物の用途によっては、早期の強度発現が望まれており、各種検討がなされている(例、特許文献1、2)。
特表2003−527275号 特開2002−226245号
本発明の課題は、セメント組成物の硬化物の強度を長期にわたって向上させ得るセメント添加剤を提供することにある。また、そのようなセメント添加剤を含むセメント組成物を提供することにある。
本発明の添加剤は、一般式(1)で表されるアルカノールアミン骨格を含む、セメント添加剤。
Figure 0006537282
(一般式(1)中、Rは水素原子、メチル基、または−CHXであり、Rはメチル基、または−CHXであり、Xは、同一または異なって、Rまたは−O−(AO)−(CO)P−Rまたは−OCOR基を示し、AOは炭素数2〜10のオキシアルキレン基で、R、R、Rは炭素数1〜10のアルキル基またはアルケニル基であり、nは1〜500の整数、pは0または1である)
好ましい実施形態においては、前記一般式(1)中、Rが−CH、−CHCH、−CHCHCH、−CH(CH、−C(CH、−O−(AO)−(CO)P−Rまたは−OCOR基である
好ましい実施形態においては、前記一般式(1)中、Xが−O−(AO)−(CO)P−Rまたは−OCOR基である
本発明のセメント組成物は、本発明のセメント添加剤を含む。
本発明によれば、高い強度発現性を発現できるセメント添加剤を提供することができる。また、そのようなセメント添加剤を含むセメント組成物を提供することができる。
本発明のセメント添加剤は、具体的には、下記式で表される。
Figure 0006537282
(一般式(1)中、Rは水素原子、メチル基、または−CHXであり、Rはメチル基、または−CHXであり、Xは、同一または異なって、Rまたは−O−(AO)−(CO)P−Rまたは−OCOR基を示し、AOは炭素数2〜10のオキシアルキレン基で、R、R、Rは炭素数1〜10のアルキル基またはアルケニル基であり、nは1〜500の整数、pは0または1である)
一般式(1)中、Rは水素原子、メチル基、または−CHXを示す。本発明の効果を一層発現させ得る点で、好ましくは、Rはメチル基である。
一般式(1)中、Rはメチル基、または−CHXを示す。本発明の効果を一層発現させ得る点で、好ましくは、Rはメチル基である。
一般式(1)中、XはRを示し、Rは炭素数1〜10のアルキル基またはアルケニル基を示す。本発明の効果を一層発現させ得る点で、Rは、好ましくは、炭素原子数1〜7のアルキル基またはアルケニル基であり、より好ましくは、炭素原子数1〜5のアルキル基またはアルケニル基であり、特に好ましくは、炭素原子数1〜4のアルキル基またはアルケニル基であり、最も好ましくは、−CH、−CHCH、−CHCHCH、−CH(CH、−C(CHである。
一般式(1)中、Xは−O−(AO)−(CO)P−Rを示し、AOは炭素数2〜10のオキシアルキレン基を表す。本発明の効果を一層発現させ得る点で、AOは、好ましくは、炭素原子数2〜8のオキシアルキレン基であり、より好ましくは、炭素原子数2〜4のオキシアルキレン基である。また、AOが、オキシエチレン基、オキシプロピレン基、オキシブチレン基、オキシスチレン基等の中から選ばれる任意の2種類以上の場合は、AOの付加形態は、ランダム付加、ブロック付加、交互付加等のいずれの形態であっても良い。なお、親水性と疎水性とのバランス確保のため、オキシアルキレン基中にオキシエチレン基が必須成分として含まれることが好ましく、オキシアルキレン基全体の50モル%以上がオキシエチレン基であることがより好ましく、オキシアルキレン基全体の90モル%以上がオキシエチレン基であることがさらに好ましく、オキシアルキレン基全体の95モル%以上がオキシエチレン基であることが特に好ましく、オキシアルキレン基全体の100モル%がオキシエチレン基であることが最も好ましい。
一般式(1)中、Rは炭素数1〜10のアルキル基またはアルケニル基を示す。本発明の効果を一層発現させ得る点で、Rは、好ましくは、炭素原子数1〜7のアルキル基またはアルケニル基であり、より好ましくは、炭素原子数1〜6のアルキル基またはアルケニル基であり、特に好ましくは、炭素原子数2〜5のアルキル基またはアルケニル基であり、最も好ましくは、3−メチル−3−ブテニル基、2−メチル−2−プロぺニル基である。
一般式(1)中、nは、AOで表されるオキシアルキレン基の平均付加モル数を表し、1〜500の整数である。本発明の効果を一層発現させ得る点で、nは、好ましくは2〜500の整数であり、より好ましくは2〜400の整数であり、さらに好ましくは3〜300の整数であり、特に好ましくは5〜200の整数であり、最も好ましくは10〜100の整数である。
一般式(1)で表されるアルカノールアミン系添加剤としては、例えば、メトキシポリエチレングリコール、エトキシポリエチレングリコール、プロポキシポリエチレングリコール、ブトキシポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、ポリエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ポリエチレングリコールモノ(3−メチル−3−ブテニル)エーテル、ポリエチレングリコールモノ(2−メチル−2−プロペニル)エーテルとエピクロロヒドリンとを反応させたエポキシ化合物にアンモニア、モノエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、モノエタノールモノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミンを付加した化合物が挙げられる。本発明の効果を一層発現させ得る点で、好ましくは、ポリエチレングリコールモノ(3−メチル−3−ブテニル)エーテル、ポリエチレングリコールモノ(2−メチル−2−プロペニル)エーテルとエピクロロヒドリンとを反応させたエポキシ化合物にジイソプロパノールアミンを付加した化合物である。
一般式(1)中、−OCOR基のRは炭素数1〜10のアルキル基またはアルケニル基を示す。本発明の効果を一層発現させ得る点で、Rは、好ましくは、炭素原子数1〜7のアルキル基またはアルケニル基であり、より好ましくは、炭素原子数2〜6のアルキル基またはアルケニル基であり、特に好ましくは、炭素原子数3〜5のアルキル基またはアルケニル基であり、最も好ましくは、ビニル基、イソプロペニル基である。
一般式(1)で表されるアルカノールアミン系添加剤としては、メタクリル酸グリシジル、アクリル酸グリシジル、アリルグリシジルエーテルなどのグリシジル基含有単量体にアンモニア、モノエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、モノエタノールモノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミンなどを付加した化合物が挙げられる。本発明の効果を一層発現させ得る点で、好ましくは、メタクリル酸グリシジルにジイソプロパノールを付加した化合物である。
本発明の添加剤は、溶液の形態で使用しても良いし、シリカ系微粉末等の無機粉体に担持して乾燥させたりすることにより粉体化して使用しても良い。
本発明のセメント添加剤は、上記のような添加剤以外に、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な他の成分を含んでいても良い。
他の成分としては、例えば、セメント分散剤が挙げられる。セメント分散剤を用いる場合、本発明のセメント添加剤とセメント分散剤との配合比(添加剤/セメント分散剤)としては、使用するセメント分散剤の種類、配合条件、試験条件等の違いによって、任意の適切な配合比を設定し得る。このような配合比は、固形分換算での質量割合(質量%)として、好ましくは0〜0.5/100〜99.5であり、より好ましくは0.01〜0.3/99.99〜99.7であり、さらに好ましくは0.02〜0.1/99.98〜99.9である。他のセメント分散剤は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
セメント分散剤としては、例えば、分子中にスルホン酸基を有するスルホン酸系分散剤、ポリカルボン酸系分散剤などが挙げられる。
スルホン酸系分散剤としては、例えば、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、メチルナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、アントラセンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物等の、ポリアルキルアリールスルホン酸塩系スルホン酸系分散剤;メラミンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物等の、メラミンホルマリン樹脂スルホン酸塩系スルホン酸系分散剤;アミノアリールスルホン酸−フェノール−ホルムアルデヒド縮合物等の、芳香族アミノスルホン酸塩系スルホン酸系分散剤;リグニンスルホン酸塩、変性リグニンスルホン酸塩等のリグニンスルホン酸塩系スルホン酸系分散剤;ポリスチレンスルホン酸塩系スルホン酸系分散剤;などが挙げられる。
ポリカルボン酸系分散剤としては、特公昭59−18338号公報、特開平7−223852号公報に記載の如くポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリル酸エステル系単量体、(メタ)アクリル酸系単量体、及び、これらの単量体と共重合可能な単量体から得られる共重合体; 特開平10−236858号公報、特開2001−220417号公報、特開2002−121055号公報、特開2002−121056号公報に記載の如く不飽和(ポリ)アルキレングリコールエーテル系単量体、マレイン酸系単量体又は(メタ)アクリル酸系単量体から得られる共重合体等の分子中に(ポリ)オキシアルキレン基とカルボキシル基とを有する各種ポリカルボン酸系分散剤などが挙げられる。
本発明のセメント添加剤は、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な他のセメント添加剤(材)を含有することができる。このような他のセメント添加剤(材)としては、例えば、以下の(1)〜(12)に例示するような他のセメント添加剤(材)が挙げられる。本発明のセメント添加剤とこのような他のセメント添加剤(材)との配合比は、用いる他のセメント添加剤(材)の種類や目的に応じて、任意の適切な配合比を採用し得る。
(1)水溶性高分子物質:メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等の非イオン性セルロースエーテル類;酵母グルカンやキサンタンガム、β−1.3グルカン類等の微生物醗酵によって製造される多糖類;ポリエチレングリコール等のポリオキシアルキレングリコール類;ポリアクリルアミド等。
(2)高分子エマルジョン:(メタ)アクリル酸アルキル等の各種ビニル単量体の共重合物等。
(3)硬化遅延剤:グルコン酸、グルコヘプトン酸、アラボン酸、リンゴ酸、クエン酸等のオキシカルボン酸もしくはその塩;糖及び糖アルコール;グリセリン等の多価アルコール;アミノトリ(メチレンホスホン酸)等のホスホン酸及びその誘導体等。
(4)早強剤・促進剤:塩化カルシウム、亜硝酸カルシウム、硝酸カルシウム、臭化カルシウム、ヨウ化カルシウム等の可溶性カルシウム塩;塩化鉄、塩化マグネシウム等の塩化物;硫酸塩;水酸化カリウム;水酸化ナトリウム;炭酸塩;チオ硫酸塩;ギ酸及びギ酸カルシウム等のギ酸塩;アルカノールアミン;アルミナセメント;カルシウムアルミネートシリケート等。
(5)オキシアルキレン系消泡剤:(ポリ)オキシエチレン(ポリ)オキシプロピレン付加物等のポリオキシアルキレン類;ジエチレングリコールヘプチルエーテル等のポリオキシアルキレンアルキルエーテル類;ポリオキシアルキレンアセチレンエーテル類;(ポリ)オキシアルキレン脂肪酸エステル類;ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル類;ポリオキシアルキレンアルキル(アリール)エーテル硫酸エステル塩類;ポリオキシアルキレンアルキルリン酸エステル類;ポリオキシプロピレンポリオキシエチレンラウリルアミン(プロピレンオキシド1〜20モル付加、エチレンオキシド1〜20モル付加物等)、アルキレンオキシドを付加させた硬化牛脂から得られる脂肪酸由来のアミン(プロピレンオキシド1〜20モル付加、エチレンオキシド1〜20モル付加物等)等のポリオキシアルキレンアルキルアミン類;ポリオキシアルキレンアミド等。
(6)オキシアルキレン系以外の消泡剤:鉱油系、油脂系、脂肪酸系、脂肪酸エステル系、アルコール系、アミド系、リン酸エステル系、金属石鹸系、シリコーン系等の消泡剤。
(7)AE剤:樹脂石鹸、飽和又は不飽和脂肪酸、ヒドロキシステアリン酸ナトリウム、ラウリルサルフェート、ABS(アルキルベンゼンスルホン酸)、アルカンスルホネート、ポリオキシエチレンアルキル(フェニル)エーテル、ポリオキシエチレンアルキル(フェニル)エーテル硫酸エステル又はその塩、ポリオキシエチレンアルキル(フェニル)エーテルリン酸エステル又はその塩、タンパク質材料、アルケニルスルホコハク酸、α−オレフィンスルホネート等。
(8)その他界面活性剤:各種アニオン性界面活性剤;アルキルトリメチルアンモニウムクロライド等の各種カチオン性界面活性剤;各種ノニオン性界面活性剤;各種両性界面活性剤等。
(9)防水剤:脂肪酸(塩)、脂肪酸エステル、油脂、シリコン、パラフィン、アスファルト、ワックス等。
(10)防錆剤:亜硝酸塩、リン酸塩、酸化亜鉛等。
(11)ひび割れ低減剤:ポリオキシアルキルエーテル等。
(12)膨張材;エトリンガイト系、石灰系等。
その他の公知のセメント添加剤(材)としては、セメント湿潤剤、増粘剤、分離低減剤、凝集剤、乾燥収縮低減剤、強度増進剤、セルフレベリング剤、防錆剤、着色剤、防カビ剤等を挙げることができる。これら公知のセメント添加剤(材)は1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
≪セメント組成物≫
本発明のセメント組成物は、本発明のセメント添加剤を含む。本発明のセメント組成物は、好ましくは、本発明のセメント添加剤とセメントと水を含む。
本発明のセメント組成物に含まれるセメントとしては、任意の適切なセメントを採用し得る。このようなセメントとしては、例えば、ポルトランドセメント(普通、早強、超早強、中庸熱、耐硫酸塩及びそれぞれの低アルカリ形)、各種混合セメント(高炉セメント、シリカセメント、フライアッシュセメント)、白色ポルトランドセメント、アルミナセメント、超速硬セメント(1クリンカー速硬性セメント、2クリンカー速硬性セメント、リン酸マグネシウムセメント)、グラウト用セメント、油井セメント、低発熱セメント(低発熱型高炉セメント、フライアッシュ混合低発熱型高炉セメント、ビーライト高含有セメント)、超高強度セメント、セメント系固化材、エコセメント(都市ごみ焼却灰、下水汚泥焼却灰の一種以上を原料として製造されたセメント)などが挙げられる。さらに、本発明のセメント組成物には、高炉スラグ、フライアッシュ、シンダーアッシュ、クリンカーアッシュ、ハスクアッシュ、シリカ粉末、石灰石粉末等の微粉体や石膏が添加されていても良い。本発明のセメント組成物に含まれるセメントは、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
本発明のセメント組成物には、細骨材(砂等)や粗骨材(砕石等)などの任意の適切な骨材が含まれていても良い。
このような骨材としては、例えば、砂利、砕石、水砕スラグ、再生骨材が挙げられる。また、このような骨材として、珪石質、粘土質、ジルコン質、ハイアルミナ質、炭化珪素質、黒鉛質、クロム質、クロマグ質、マグネシア質等の耐火骨材も挙げられる。
本発明のセメント組成物においては、その1mあたりの単位水量、セメント使用量、および水/セメント比としては任意の適切な値を設定し得る。このような値としては、好ましくは、単位水量が100kg/m〜185kg/mであり、使用セメント量が250kg/m〜800kg/mであり、水/セメント比(質量比)=0.1〜0.7であり、より好ましくは、単位水量が120kg/m〜175kg/mであり、使用セメント量が270kg/m〜800kg/mであり、水/セメント比(質量比)=0.12〜0.65である。このように、本発明のセメント組成物は、貧配合〜富配合まで幅広く使用可能であり、単位セメント量の多い高強度コンクリート、単位セメント量が300kg/m以下の貧配合コンクリートのいずれにも有効である。
本発明のセメント組成物中の、本発明のセメント添加剤の含有割合としては、目的に応じて、任意の適切な含有割合を採用し得る。このような含有割合としては、水硬セメントを用いるモルタルやコンクリート等に使用する場合には、セメント100質量部に対する、本発明のセメント添加剤の含有割合として、好ましくは0.01質量部〜10質量部であり、より好ましくは0.02質量部〜5質量部であり、さらに好ましくは0.05質量部〜3質量部である。このような含有割合とすることにより、単位水量の低減、強度の増大、耐久性の向上等の各種の好ましい諸効果がもたらされる。上記含有割合が0.01質量部未満の場合、十分な性能を発現できないおそれがあり、上記含有割合が10質量部を超える場合、発現できる効果が実質上頭打ちとなって経済性の面からも不利となるおそれがある。
本発明のセメント組成物中の本発明のセメント添加剤の含有割合としては、目的に応じて、任意の適切な含有割合を採用し得る。このような含有割合としては、セメント100質量部に対する本発明のセメント組成物の含有割合として、好ましくは0.01質量部〜10質量部であり、より好ましくは0.05質量部〜8質量部であり、さらに好ましくは0.1質量部〜5質量部である。上記含有割合が0.01質量部未満の場合、十分な性能を発現できないおそれがあり、上記含有割合が10質量部を超える場合、発現できる効果が実質上頭打ちとなって経済性の面からも不利となるおそれがある。
本発明のセメント組成物は、構成成分を任意の適切な方法で配合して調整すれば良い。例えば、構成成分をミキサー中で混練する方法などが挙げられる。
〔製造例1〕
温度計、攪拌機、滴下ロートを備えたガラス製反応容器にジイソプロパノールアミンを55.9g投入し、50℃に昇温した。滴下ロートからメタクリル酸グリシジル56.9gを3時間かけて滴下し、滴下終了後、さらに4時間撹拌を行った。
反応終了後、室温に放冷し、粘性液体としてメタクリル酸グリシジルにジイソプロパノールを付加した化合物であるGMA‐DIPA112gを得た。LCによる分析を行ったところ、LCのピーク面積から算出されるGMA‐DIPAの純度は82%であった。
〔実施例1〕
GMA−DIPAをセメントに対し、0.05質量%になるよう水に溶解させ、モルタル試験を行い、流動性および28日強度を測定した。
〔比較例1〕
GMA−DIPAを添加せずに、モルタル試験を行い、流動性および28日強度を測定した。
〔比較例2〕
GMA−DIPAの代わりにDIPA(ジイソプロパノールアミン)を0.05質量%になるよう水に溶解させ、モルタル試験を行い、流動性および28日強度を測定した。
〔比較例3〕
GMA−DIPAの代わりにTIPA(トリイソプロパノールアミン)を0.05質量%になるよう水に溶解させ、モルタル試験を行い、流動性および28日強度を測定した。
<モルタル試験条件>
JIS−R5201−1997に準拠した機械練り用練混ぜ機、さじ、フローテーブル、フローコーンおよび突き棒を使用した。この際、特記しない限りは、JIS−R5201−1997に準拠してモルタル試験を行なった。
試験に使用した材料およびモルタルの配合は、太平洋セメント社製普通ポルトランドセメント587g、JIS−R5201−1997に準拠したセメント強さ試験用標準砂1350g、セメント混和剤用ポリマーの水溶液と消泡剤とを含むイオン交換水264g、である。消泡剤は、気泡がモルタル組成物の強度に及ぼす影響を避けることを目的に添加し、空気量が3.0%以下になるようにした。具体的にはオキシアルキレン系消泡剤を、セメント混和剤用共重合体に対して0.1%になるような量で使用した。なお、モルタルの空気量が3.0%より大きい場合には、空気量が3.0%以下になるように消泡剤の添加量を調節した。
モルタルは、室温(20±2℃)にてホバート型モルタルミキサー(型番N−50、ホバート社製)を用いて、4分30秒間で調製した。具体的には、練り鉢に規定量のセメントを入れ、練混ぜ機に取り付け低速で始動させる。パドルを始動させて15秒後に規定量のセメント混和剤用ポリマーおよび消泡剤を含んだ水を15秒間で入れる。その後、砂を入れ、低速で30秒間練混ぜた後、高速にして、引き続き30秒間練混ぜを続ける。練り鉢を練混ぜ機から取り外し、120秒間練混ぜを休止した後、再度練り鉢を練混ぜ機へ取り付け、高速で60秒間練混ぜた後(1番始めに低速で始動させてから4分30秒後)、さじで左右各10回かき混ぜる。練混ぜたモルタルをフローテーブル上に置いたフローコーンに2層に分けて詰める。各層は、突き棒の先端がその層の約1/2の深さまで入るように、全面にわたって各々15回突き、最後に不足分を補い、表面をならし、1番始めに低速で始動させてから6分後に、フローコーンを垂直に持ち上げて取り去り、15秒間に15回の落下運動を与え、テーブルに広がったモルタルの直径を2方向について測定し、この平均値をフロー値とした。
混練後フロー値と空気量を測定し、圧縮強度試験用試料を作成し、以下の条件にて、28日後の圧縮強度を測定した。
供試体作成:50mm×100mm
供試体養生(28日):温度20℃、湿度60%、恒温恒湿空気養生を24時間行った後、27日間水中で養生
供試体研磨:供試体面 研磨(供試体研磨仕上げ機使用)
圧縮強度測定:自動圧縮強度測定器(前川製作所)
モルタル試験結果を表1に示す。
Figure 0006537282
DIPA:ジイソプロパノールアミン
TIPA:トリイソプロパノールアミン
表1から、実施例1と比較例1、2、3を比較すると、28日圧縮強度は、実施例1の方が高いことが分かる。すなわち、本発明のアルカノールアミン系添加剤は、高い長期強度を発現することができる。
本発明のセメント添加剤は、セメントペースト、モルタル、コンクリート等のセメント組成物に好適に用いられる。

Claims (2)

  1. 一般式(1)で表されるアルカノールアミン骨格を含む、セメント添加剤。
    Figure 0006537282
    (一般式(1)中、Rは水素原子、メチル基、または−CHXであり、Rはメチル基、または−CHXであり、Xは、同一または異なって、−O−(AO)−(CO)P−Rまたは−OCOR基を示し、AOは炭素数2〜10のオキシアルキレン基で、R、Rは炭素数1〜10のアルキル基またはアルケニル基であり、nは1〜500の整数、pは0または1である)
  2. 請求項1に記載のセメント添加剤を含む、セメント組成物。
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