JP2006175511A - 変形矯正方法およびそれを用いた溶接構造物 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来のような線状加熱を用いることなく、特殊な技能を要しないうえ、材料の品質についてマイナス効果をもたらさない変形矯正方法およびそれを用いた溶接構造物を提供する。
【課題を解決するための手段】溶接構造物の溶接部における曲がりを矯正する変形矯正方法であって、前記溶接部における曲がりが正の側における溶接金属部、溶接止端部、熱影響部の1または2以上を含む部分の表面に超音波による打撃処理を施して、前記曲がりを許容値以下に矯正することを特徴とする変形矯正方法およびそれを用いた溶接構造物。
【選択図】図1

Description

本発明は、溶接構造物の溶接部における曲がりを矯正する変形矯正方法およびそれを用いた溶接構造物に関する。
具体的には、例えば、パイプやフランジ部を有する構造材等を含む、溶接部を有する構造物の変形矯正方法およびそれを用いた溶接構造物に関する。
溶接構造物は溶接によって導入される引張残留応力によって歪みを生じ、寸法に誤差を生じるため、特に、鋼橋、船舶などの高品質な溶接構造物においては、歪みを一定値以下に確保することが基準等で定められており,事前に歪を低減するために,溶接開先の形状,施工順序の検討が一般的に行われる。
しかしながら,このような対策だけでは不十分であり、多くの場合,矯正による寸法の確保が必須となる。
その歪みを矯正するために、従来は、線状加熱が通常用いられていたが、これには特殊な技能が必要とされるのに加えて、鋼材の品質についても靱性や強度の低下といったマイナスの効果がしばしばもたらされるという問題点があった。
そこで、従来から以下のような種々の矯正方法が提案されている。
例えば、特開平8−267142号公報には、ハンマーを用いて溶接H型鋼を矯正する方法が提案され、また、特開平8−267142号公報には、圧下による矯正方法が提案されている。
しかし、特開平8−267142号公報や特開平8−267142号公報の方法は、対象が特定形状の構造物に限定されており、どのような形態の構造物にも適用できる訳ではなかった。
また、特開平11−179428号公報には、加熱による矯正方法が開示されている。
しかし、特開平11−179428号公報に開示された方法は、通常の溶接構造物の場合には、加熱位置の判断、加熱時間の判断などは熟練者が自分で判断して実施するので、高度な技能を要するという問題点があった。
さらに、特開2004−130313号公報には、2枚の重ね合わせた端部を溶接した重ね隅肉溶接継手の溶接止端部の近傍を超音波振動端子で打撃する疲労強度向上方法が提案されている。
しかし、本発明のように、超音波による打撃処理を変形矯正に用いるという技術思想は全く開示されていなかった。
特開平8−267142号公報 特開平11−179428号公報 特開2004−130313号公報
このように、溶接構造物は溶接によって導入される引張残留応力によって歪みを生じ、寸法に誤差を生じる。
その矯正のために従来用いられていた線状加熱には特殊な技能が必要とされるのに加えて、材料の品質についても靱性や強度の低下といったマイナスの効果がもたらされるという問題点があった。
そこで、本発明は、従来のような線状加熱を用いることなく、特殊な技能を要しないうえ、材料の品質についてマイナス効果をもたらさない変形矯正方法およびそれを用いた溶接構造物を提供することを課題とする。
本発明者は、前述のような従来技術の問題点を解決し、溶接部近傍に超音波による打撃処理を施して圧縮歪みを付与し、引張残留応力を解放することによって溶接歪みを緩和させる変位を与えて溶接歪みの低減を行うことができ、従来の線状加熱のように特殊な技能を要しないうえ、溶接部の疲労強度も高くなり、品質の高い溶接構造物が得られる変形矯正方法およびそれを用いた溶接構造物を提供するものであり、その要旨とするところは特許請求の範囲に記載した通りの下記内容である。
(1)溶接構造物の溶接部における曲がりを矯正する変形矯正方法であって、前記溶接部における曲がりが正の側における溶接金属部、溶接止端部、熱影響部の1または2以上を含む部分の表面に超音波による打撃処理を施して、前記曲がりを許容値以下に矯正することを特徴とする変形矯正方法。
(2)前記超音波の周波数を20kHz〜60kHzとすることを特徴とする(1)に記載の変形矯正方法。
(3)前記超音波による打撃処理の打痕を互いにラップさせ、かつ、該打痕の深さを0.05mm以上とすることを特徴とする(1)または(2)に記載の変形矯正方法。
(4)前記超音波による打撃処理は、棒状のピンを用いて超音波を付与することを特徴とする(1)乃至(3)に記載の変形矯正方法。
(5)前記棒状のピンの直径Dを7mm以下、長さLを5cm以下とすることを特徴とする(4)に記載の変形矯正方法。
(6)前記溶接部に沿った打痕を有する処理帯を2条以上設け、この処理帯の間隔を、前記ピンの直径D以下の距離とすることにより、前記打痕が部分的に重なるようにすることを特徴とする(4)または(5)に記載の変形矯正方法。
(7)(1)乃至(6)のいずれかに記載の変形矯正方法を施すことにより、溶接金属部、溶接止端部、熱影響部の1または2以上を含む部分の表面に、深さが0.1mm以上で、直径Dが7mm以下の打痕が互いにラップするように形成された溝を有し、かつ、前記溶接部に沿った方向には、少なくとも2条以上の互いにラップした打痕を有し、該溶接部の曲がりが許容値以下であることを特徴とする溶接構造物。
本発明によれば、溶接部近傍に超音波による打撃処理を施して圧縮歪み付与し、引張残留応力を解放することによって溶接歪みを緩和させる変位を与えて溶接歪みの低減を行うことができ、従来の線状加熱のように特殊な技能を要しないうえ、溶接部の疲労強度も高くなり、品質の高い溶接構造物が得られる変形矯正方法およびそれを用いた溶接構造物を提供することができ、曲げ矯正のための加工位置の判断、曲げ矯正作業の終点判断、複雑な曲げ矯正に対する対処が容易であるとともに、従来の線状加熱方法に比べて曲げ矯正の作業環境も大幅に改善されるうえ、変形が矯正されると共に、溶接部の疲労強度も高くなり、品質の高い鋼溶接構造物が得られるなど、産業上有用な著しい効果を奏する。
本発明を実施するための最良の形態について図1乃至図5を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明における変形矯正方法の実施形態を例示する図である。
図1において、1は溶接金属部、2は溶接止端部、3は熱影響部を示し、溶接部の変形は、図1に示すように、本来の構造物の形状に対して突出する側を正(+)とし、陥没する側を負(−)とする。
例えば、フランジ部を溶接で製造しようとすると、フランジ部が形状不良のために曲がってしまうことがある。 このためには、歪み矯正を行い、フランジ部をウエッジに対して直角にする必要がある。 このような曲がりは特に板厚の薄い部分側に発生する。
そこで、本発明者等は、熟練度を要する従来の線状加熱に比べて、簡易な変形矯正方法を探究してきた。
従来の線状加熱においては、溶接による引張応力による曲げをキャンセルできる場所を選定して、加熱による「引張応力」を与える。
この場合に加熱する場所は、経験的に選定するか、有限要素法等で計算することでキャンセルできる場所を選定していた。
一方、溶接により生じる引張応力は、溶接金属が温度低下に伴なって収縮しようとすることで生じる。この引張応力により曲げ変形が生じるが、この引張応力は、溶接部近傍に生じる。
従って、本発明者等は、溶接による引張応力が生じた結果として歪みが生じている部位に圧縮歪みを直接作用させて、この圧縮歪みで変形を生じさせて、溶接による歪みによる曲げを軽減して、溶接構造物を基準内の形状にすることを検討してきた。
ちなみに、溶接金属が温度低下に伴なって収縮しようとする際に、母材が拘束すると、溶接部を含む範囲には、残留応力が発生する。 この場合には、応力が増加することで、疲労強度が低下する。 しかし、曲げが生じた時には、引張応力は緩和されるので、疲労強度の低下はそれほど顕著ではない。
溶接による引張応力により曲げが生じた場合には、通常、発生した引張応力が大きい方に鋼板は曲げられる。
従って、溶接部の近傍を測定して、この部位で、鋼板が曲げられている方向の溶接部の近傍に圧縮歪みを作用させれば良い。
また、溶接部の近傍で曲げられている方向の表層近傍が引張応力の値としては、最大になっている。
そこで、表面近傍に圧縮歪みを効果的に作用させる方法を検討した。
まず、圧縮歪みを与えるには、塑性加工により材料の表面の面積を増やせば、その表面積が増えた部分には、圧縮歪みが生じる。
この、塑性加工により圧縮歪みを利用して、溶接により生じた曲げを矯正するためには、図1に示すように、溶接金属部1、溶接止端部2、熱影響部3のいずれかの部分、あるいはこれらを組み合わせた部分に塑性加工処理をするのが、効果的であることを見出した。
さらに、塑性加工処理の中で、材料の表面に打痕を残す方法が、打痕により部分的に圧縮歪みを付与できるので、曲げの矯正に対して効率良く圧縮歪みを与えることができることを見出した。
加えて、圧縮歪みを効果的に与えるには、図2に示すように、打痕は互いにラップするように、深さ0.05mm以上とすることが、良好であることを見出した。打痕は互いにラップしていることが必要で,必ずしも図2に示すように整然と並んでいる必要がない。互いの打痕の間隔はラップしていればよく,任意である。
打痕を生じさせるには、ハンマリングなどの方法もあるが、本発明者等は、超音波の作用により変形抵抗が減少する効果が生じることを利用した、超音波処理法を用いて互いにラップするような打痕を生じさせると、より効果的に圧縮歪みを導入することを考え、この方法での処理を試みた。
その結果、この超音波処理をするにあたり、処理部に棒状ピンを用いて金属に超音波処理をすると、溶接部近傍の鋼板の表面近傍に効果的に引張応力をキャンセルアウトできるだけの圧縮歪みを付加できて、曲げを矯正できることが判った。
さらに、超音波の伝達を効果的にするためには、図3に示すような棒状のピンの直径をD=7mm以下、長さをL=5cm以下のものを使用するのが良いことが判った
また、印加する超音波の振動数は20kHz〜60kHzの超音波を用いることが鋼板表面に圧縮応力を与え易いことが判った。
加えて、圧縮歪みを効果的に与えるには、打痕は互いにラップするように、深さ0.05mm以上を形成するようにする。
また、打痕をラップさせるには、図4に示すように、溶接金属部1に並行に2条以上の超音波で処理した処理帯を設け、各々の処理帯を形成する際に、各処理帯の中心間の距離が棒状のピンの直径D以下になる様に、超音波処理装置の位置を決めて処理をすることが好ましい。 この場合にラップした打痕で形成する溝のことを本発明では処理帯と称するが、この処理帯は2条以上ずらして重ね打ちしない場合には、歪み矯正の効果は少ない。この際の加圧力は、1kg〜5kgの範囲が適切である。
本発明において、構造材の曲げは、その部材の許容精度以下に矯正されるまで超音波加工処理を行う。 この場合には、主に棒状のピンの直径Dを調整して加工処理を行い。処理を実施しながら同時に変形を確認して作業を進める。
その部材の曲がりの許容値とは、構造体の用途に応じて設定される値であり、例えば、鋼橋の場合には、道路橋示方書(I共通偏・II鋼橋偏)・同解説:社団法人 日本道路協会、平成14年3月7日、発行所:丸善)に示されるように、板の平坦度でh/250(hは腹板高さ)、ないしw/150(wは腹板またはリブの間隔)、またはフランジの直角度で、b/200(bはフランジ幅)等で表される値である。
本発明による利点を以下に示す。
1)引張応力をキャンセルするのに、線状加熱の様に、別の場所に引張応力を与えることはしないので、応力を与える場所を熟慮する必要が無い。
2)応力は圧縮応力なので、曲げが実際に観察される溶接部近傍の曲げ量が正の部分に超音波振動を与えられた棒状のピンを当てて、処理すれば良いので、判断に熟慮を要しない。
3)線状加熱の場合には、加熱した後に室温まで冷却した後に、曲げの矯正効果を確かめながら作業を繰り返す必要が有る。 一方、本発明の場合には、曲げの矯正ができたか否かは、超音波振動を与えられた棒状のピンを当てながら、その曲がりが矯正される様子をその場で確認しながら作業が進められるので、確認が極めて容易である。
4)線状加熱の場合には、加熱した後に室温まで冷却した後に、反対側に曲がったりした場合には、その矯正には、再び、加熱して応力を与える位置を熟慮することから始めなければならないが、本発明の場合には、超音波振動を与えられた棒状のピンを当てながら、その曲がりが矯正される様子をその場で確認しながら作業が進められるので、その心配が無い。万が一、反対側に曲がってしまった場合には、その正に曲がった側の表面から、超音波振動を与えられた棒状のピンを当てて曲げを再び矯正できる。
5)線状加熱の場合には、加熱バーナーを用いるので、作業者の高熱による負担が多い。 本発明の場合には、このような高熱環境では無いので、作業者の負担が小さい。
6)更に、直径D7mm以下、長さL5cm以下、超音波振動数20kHz以上の超音波振動を与えられた棒状のピンを当てた作業の場合には、1kg〜5kgの加圧力で充分な効果を得られるので、作業者の負担は非常に少ない。
7)更に、本発明の曲げ矯正では、溶接部の形状は問わない。例えば、溶接部の形状が不安定で、溶接部の近傍の鋼板が複雑に波打った形状になった時でも、波打った形状の曲がり状態に合わせて、部分毎に超音波振動を与えられた棒状のピンを当てる時間を加減して、圧縮応力量を調整すれば、溶接によって生じた波打った形状も矯正することができる。
この様に、本矯正方法を用いると、曲げ矯正のための加工位置の判断、曲げ矯正作業の終点判断、複雑な曲げ矯正に対する対処が容易であるとともに、従来の方法に比べて曲げ矯正の作業環境も大幅に改善されるうえ、本強制方法を用いた溶接構造物は、溶接金属部、溶接止端部、熱影響部の1または2以上を含む部分の表面に、深さが0.05mm以上で、直径が7mm以下の打痕が互いにラップするように形成された溝を有し、かつ、前記溶接部に沿った方向には、少なくとも2条以上の互いにラップした打痕を有し、該溶接部の曲がりを許容値以下にすることができる。
<発明例1>
溶接によって生じた曲げ部分の矯正を行うために以下の実験を行った。
まず、幅300mm、長さ300mm、厚み6又は9mmの板の中央部に直線状にアーク溶接を行い、溶融金属が収縮することで、溶接部近傍から曲がった試料を作成した。変形量は端部で最大6mmであった。材料は鋼種がSS400で厚みが6mmのもの,鋼種がSM400で厚みが9mmのもの,鋼種がSM570,で厚みが9mmのものを用いて、超音波打撃装置の超音波振動数は27kHzを選択した。
棒状ピンの長さは、予め試験を行い、長さLが2.5cmのものを選択した。予備試験の結果ではこれ以下の長さでは、超音波の伝わり方は同様であった。
図5には、超音波打撃装置のピンの直径Dを一定で板厚を変化させ、溶接部近傍に超音波を作用させた時に、変位がどの様に緩和されるか実験した結果を示す。
棒状ピンの形状を3mm直径で実験を行ったところ、板厚6mmでも9mmでも、曲げの矯正が可能であるが、板厚6mmの板では,完全に初期の変形6mmを短時間に矯正できた。また、板厚9mmの板では多少時間はかかるが,初期変形6mmの半分の3mmを矯正できた。これらの場合には、加工した部位には、ラップした打痕が観察された。
また、同じ領域を繰り返し処理する場合に、ラップした打痕が部分的に重なり処理帯が2条以上形成するように処理を行なったので、処理後の部位には間隔が2mm程度の溝が2条乃至4条認められた。また溝の深さは0.07mmから0.1mmであった。
なお、図5の横軸に示す処理時間の意味は、処理速度は一緒で、D以下にずらして重ね打ちした時間を示している。
直径Dが3mmのピンを用いた場合には、3分間で、7mmの曲げ変位が得られ、100mm/分の平均の処理速度でこの程度の曲げ矯正ができることが判った。
さらに速度を上げるためには、1)打痕を生じさせる打撃速度を増加させること、2)2機以上の超音波処理装置を並列に設置して、重ね打ちができる様にすること、等も可能である。
<比較例1>
一方、超音波振動を与えないで、棒状ピンに50Hz程度の機械的振動を与えて1kg〜5kgの加圧力で、同じ実験を行っても、ラップした打痕は付かずに、曲げ矯正効果は殆ど得られなかった。
<発明例2>
フランジの幅300mm、板厚12mm、ウエブ高さ600mm,板厚9mmとし、フランジとウエブとの溶接部が曲がって、その角度が90度以下になった側の溶接部の近傍(溶接金属部、溶接止端部)を下記条件で超音波処理した。
・振動数36kHz,
・棒状ピンの直径D3mm、長さL50mm
・印加荷重4kg
・打痕はラップさせて施工
その結果、各処理帯の幅が2mm、深さ0.05-0.5mm、の2条の打痕が互いにラップした跡がついた。
処理後の直角度は1.0mmになり、許容誤差であるb=300mmとした時の(b/200)の値である1.5mm以下になった。
<比較例2>
上記と同様の条件で、各処理帯の幅を2mm、深さを0.1〜0.7mmとして1条の打撃痕をつけた場合には、処理後の直角度が1.7mmと許容基準の1.5mm以上であり満足しなかった。
また、実験の結果、板厚が10mm以内の板は、溶接時に曲がり易く、殆どの場合の溶接後に変形を生じる。 しかし、圧縮歪みを与えて、曲げ矯正する場合には、10mm以内の板の方が矯正し易いことが判った。したがって、本方法は、10mm以内の板の矯正に対してより優れた効果を呈する。
尚、溶接方法は、アーク溶接に限らず、TIG溶接、抵抗溶接など溶接部の温度が上がり、冷却の際に収縮して溶接部に引張応力が生じ、部材を変形させることが生じる溶接方法で有れば適用可能であることがわかった。
本発明における変形矯正方法の実施形態を例示する図である。 本発明に用いる打痕の形状を例示する図である。 本発明に用いるピンの形状を例示する図である。 本発明における変形矯正方法の好ましい実施形態を例示する図である。 本発明における変形矯正方法の実験結果を示す図である。
符号の説明
1 溶接金属部
2 溶接止端部
3 熱影響部
D ピンの直径
L ピンの長さ

Claims (7)

  1. 溶接構造物の溶接部における曲がりを矯正する変形矯正方法であって、前記溶接部における曲がりが正の側における溶接金属部、溶接止端部、熱影響部の1または2以上を含む部分の表面に超音波による打撃処理を施して、前記曲がりを許容値以下に矯正することを特徴とする変形矯正方法。
  2. 前記超音波の周波数を20kHz〜60kHzとすることを特徴とする請求項1に記載の変形矯正方法。
  3. 前記超音波による打撃処理の打痕を互いにラップさせ、かつ、該打痕の深さを0.1mm以上とすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の変形矯正方法。
  4. 前記超音波による打撃処理は、棒状のピンを用いて超音波を付与することを特徴とする請求項1乃至請求項3に記載の変形矯正方法。
  5. 前記棒状のピンの直径Dを7mm以下、長さを5cm以下とすることを特徴とする請求項4に記載の変形矯正方法。
  6. 前記溶接部に沿った打痕を有する処理帯を2条以上設け、この処理帯の間隔を、前記ピンの直径D以下の距離とすることにより、前記打痕が部分的に重なるようにすることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の変形矯正方法。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の変形矯正方法を施すことにより、溶接金属部、溶接止端部、熱影響部の1または2以上を含む部分の表面に、深さが0.1mm以上で、直径Dが7mm以下の打痕が互いにラップするように形成された溝を有し、かつ、前記溶接部に沿った方向には、少なくとも2条以上の互いにラップした打痕を有し、該溶接部の曲がりが許容値以下であることを特徴とする溶接構造物。

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