JP2011245545A - 溶接継手 - Google Patents

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Abstract

【課題】鋼橋など優れた疲労特性が要求される鋼構造物に好適な、溶接部に新たな応力集中部となる変形を与えずに圧縮残留応力を導入し疲労強度を向上させた溶接継手を提供する。
【解決手段】疲労き裂伝播抵抗性に優れた鋼材を母材とする鋼材の溶接継手であって、溶接止端周辺の鋼材表面に、その先端に面積が4mm以上の平坦な四角形、好ましくは矩形を有する、ハンマーピーニングまたは超音波衝撃装置の振動端子によって溶接ビードに沿って連続形成された打撃痕を有し、前記打撃痕は、前記振動端子によって、溶接止端より母材側に2mmまでの領域に、最大深さが0.03mm以上0.40mm未満に形成されたことを特徴とする溶接継手。
【選択図】図1

Description

本発明は、鋼橋など優れた疲労特性が要求される鋼構造物に好適な溶接継手で、溶接部に新たな応力集中部となる変形を与えずに圧縮残留応力を導入し疲労強度を向上させたものに関する。
近年、鋼橋の老朽化に伴い腐食や疲労に伴う損傷事例の報告が増加している。これらの防止にはまず検査体制を確立することが必要であるが、特に疲労損傷の場合は、通過車両などの作用外力を軽減したり、設計製作面からの溶接品質の向上が重要である。
溶接部は、割れなどの欠陥が存在したり、溶接止端の形状が不適で応力集中部となると繰り返し応力に溶接残留応力の影響が重畳して疲労ノッチが発生しやすく、疲労破壊をもたらす場合があるため、その防止のため種々の観点からの提案がなされている。
特許文献1は、溶接部の疲労強度向上方法およびそれを用いた溶接構造物に関し、溶接止端の近傍を超音波振動しながら打撃して塑性変形させる加工装置で、特定寸法の溝を所定の打撃条件で加工することで高速に作業者の熟練度に依存しないで安定して疲労強度を向上させることが記載されている。
特許文献2は、レーザ衝撃ピーニング方法に関し、レーザ光源からのパルスレーザビームを使用して、表面の薄層もしくはプラズマを形成する表面のコーティングを瞬間的に気化させてその爆発力により表面の一部に局所的に圧縮力を発生させる方法で、ガスタービンエンジンのファン動翼に圧縮残留応力を導入させることが記載されている。
特許文献3は、溶接継手の疲労特性改善打撃処理方法及びその装置に関し、先端が特定寸法の打撃ピンを用いて、溶接止端に打撃痕による特定寸法の溝部が形成されるように鋼板表面を圧縮して溶接部に圧縮残留応力を導入することが記載されている。
非特許文献1は、ハンマーピーニング及びTIG処理による高強度鋼(SM570)の溶接継手部の疲労強度向上法に関し、ハンマーピーニングを施すと疲労強度が低下する場合があるため、溶接止端の応力集中や残留応力を低減させる新たなハンマーピーニング法について検討した結果が記載されている。
通常、ハンマーピーニングは、作業者が手持ちのピーニング装置を溶接止端にチップ先端(振動端子とも言う)が斜め上方から当たるように持って、ピーニング装置の荷重を溶接止端に預けるようにして作業を行い作業負荷を軽減している。
そのため、図9に示す母材1にリブ2を直立させた面外ガセット継手にハンマーピーニングを施した場合、ピーニング装置のチッパー5の先端により溶接止端に応力集中箇所となる深い溝が形成され、溶接ビード3の先端部から疲労き裂7が発生する場合がある。
非特許文献1にはハンマーピーニングの前にグラインダで溶接止端の一部を予め研削すると疲労ノッチの発生防止に有効であることが紹介され、ハンマーピーニングを3パス程度の複数回行うことを提案している。
特開2006−175512号公報 特開2006−159290公報 特開2010−29897号公報
IMPROVING FATIGUE STRENGTH OF WELDED JOINTS BY HAMMER PEENING TIG−DRESSING:Kengo ANAMI、Chitoshi MIKI、Hideki TANI、Haruhito YAMAMOTO、Structual Eng./Earthquake Eng.、JSCE、Vol.17、NO.1、57s−68s.2000 April)
ところで、溶接構造物を製造する際、作業環境、作業能率および溶接継手性能を考慮した溶接方法が選定され、溶接部の疲労強度向上のため、特許文献1等に記載の溶接部の疲労強度向上方法が施されるが、疲労特性に優れた溶接継手の特徴が明確であれば、溶接方法の選定と同様に最適な疲労強度向上方法を選定することが可能となる。
特許文献3記載の打撃処理方法は、先端曲率半径が金属材料の厚さの1/2以下かつ2〜10mmの打撃ピンを用い、打撃ピンが打撃中に溶接金属に触れない範囲までの母材金属材料表面に打撃痕を与えるものであるが、効率的に圧縮残留応力を導入するのは困難である。
また、特許文献1記載の超音波によるピーニング方法は使用する装置が従来の空気圧でチップを駆動する装置と比較すると高価で入手も困難である。特許文献2記載のレーザ衝撃ピーニング方法は、素材の前処理が必要で、且つ装置が高価で大きく、鋼橋製造に適用することは難しい。
そこで、本発明は、上記課題を解決するため、疲労特性に優れた溶接継手を提供することを目的とする。
本発明者らは溶接継手の疲労強度を向上させるため、特に疲労き裂が発生しやすい止端部の溶接による引張残留応力を軽減させる方法について鋭意検討し、ハンマーピーニングによる打撃痕を溶接止端より母材側に離して形成した場合に、打撃による最大の圧縮残留応力を溶接止端に導入することが可能なことを見出した。本発明は上記知見をもとに更に検討を加えてなされたもので、すなわち、本発明は
1.質量%で、C:0.04〜0.20%、Si:0.05〜0.50%、Mn:0.5〜1.8%、P:0.05%以下、S:0.02%以下、残部が実質的にFeからなり、ミクロ組織が(1)〜(3)の特徴を有するフェライトとパーライトの二相組織で、面積率65〜85%のフェライトを有する鋼材を用いて作製し、ハンマーピーニングまたは超音波衝撃処理された、鋼材の溶接継手であって、
振動端子によって溶接ビードに沿って鋼材表面に連続形成された打撃痕を有し、前記振動端子は、先端部が、面積が4mm以上の平坦な四角形で、前記打撃痕は、前記振動端子によって、溶接止端から母材側に2mmまでの領域に、最大深さが0.03mm以上0.40mm未満に形成されたことを特徴とする溶接継手。
(1)L面およびT面のパーライト平均間隔:15〜30μm
(2)L面およびT面のフェライト平均粒径:10〜20μm
(3)パーライト塊形状:L(L)≦3Z(L)、T(T)≦3Z(T)
ここで、L(L):L面でのパーライト塊のL方向平均長さ、Z(L):L面でのパーライト塊のZ方向平均長さ
T(T):T面でのパーライト塊のT方向平均長さ、Z(T):T面でのパーライト塊のZ方向平均長さ
2.前記四角形が矩形であることを特徴とする1記載の溶接継手。
本発明によれば、溶接部の疲労強度に優れた溶接継手が得られ、産業上、極めて有用である。
本発明に係る溶接継手により疲労特性が向上する原理を説明する概略図。 振動端子の先端部の形状が、打撃で生じる圧縮残留応力に及ぼす影響を示す図で、(a)は先端部の形状、(b)は打撃中心からの圧縮残留応力の分布状態を示す図。 図2(a)に示す振動端子のX、Y断面方向を説明する図。 本発明で規定する鋼材のL、T、Z面およびL、T、Z方向を説明する図。 パーライト平均間隔と(実き裂長さ)/(き裂伝播方向の直線距離)の関係 を示す図。 (実き裂長さ)/(き裂伝播方向の直線距離)と疲労き裂伝播速度の関係を示す図。 パーライト塊形状と疲労き裂伝播速度比の関係を示す図。 実施例の疲労試験体を示し、(a)は平面図、(b)は側面図。 面外ガセット継手にハンマーピーニングを施す状況を説明する図。
本発明は鋼材の溶接継手であって、溶接金属や溶接止端を除いた、溶接止端周辺の鋼材表面に、溶接ビードに沿って打撃痕を連続形成することによって、溶接止端部に圧縮の残留応力を導入することを特徴とする。以下の説明において止端(溶接止端ともいう)は部材の面と溶接金属の表面との交線とする(図解溶接用語辞典日刊工業昭和46年9月20日第4版)。
図1は本発明に係る溶接継手により疲労特性が向上する原理を説明するための概略図で、母材1にリブ2を廻し溶接で溶接した溶接継手の側面図を示す。溶接ビード3の止端4から距離d離れた母材1の表面が、母材表面と垂直方向に幅Bのチップ(図示しない)で母材表面が加圧されて塑性変形(点線で表示)を生じた打撃痕となっている。
母材1の表面において打撃痕の位置(止端4からの距離dで規定)は、幅Bのチップにより打撃痕を形成する際、母材1に生じる圧縮残留応力が止端4の溶接による引張残留応力を打消して、その結果、止端4が圧縮残留応力を有するように、規定する。
本発明に係る溶接継手では、止端4での引張残留応力に及ぼす、打撃痕を形成する際に母材1に生じる圧縮残留応力の影響の指標として、母材表面を加圧して、母材表面に打撃痕を形成するために用いる振動端子の形状と、溶接止端より母材側に特定の幅の領域における打撃痕の最大深さを用いる。尚、本発明に係る溶接継手では、溶接止端を含めて溶接ビードを打撃しないことを原則とするが、作業開始の調整などで溶接ビードに塑性変形を与えない程度に一時的に打撃することは差し支えない。
先端部に面積が4mm以上の平坦な四角形を有する振動端子を用いるハンマーピーニングや超音波衝撃処理装置によって母材(平板)表面に対して振動端子の中心軸が垂直となるようにして打撃痕を形成し、止端4より母材1側に、底部までの最大深さが0.03mm以上0.40mm未満の打撃痕とする。振動端子は母材表面を垂直方向に打撃する。
図2は(a)に示した振動端子モデルに負荷を与えて母材を母材(平板、降伏強さ294MPa・引張強さ445MPaの12mm厚鋼板)表面に対して振動端子の中心軸が垂直となるようにして0.1mm押し込み、母材表面側に凹の変形を与えた後、負荷を解除した場合をシミュレートして応力分布をFEM解析で求めたものであり、打撃中心からの圧縮残留応力の分布状態を(b)に示す。
振動端子による圧縮残留応力は左右対称のため、図2(b)は振動端子の軸中心から右半分を示す。図2(a)のXZ断面、YZ断面は図3の規定による。図2(b)の縦軸は残留応力、(b)の横軸は、振動端子の軸中心からの距離を示し、1.振動端子の先端形状が矩形の場合(1.先端矩形)、X座標2mmが幅4mmの振動端子の右側の側面の位置で、X座標1.5mmが打撃痕の右端部となる。
振動端子の先端形状が矩形の場合(1.先端矩形)、先端が半球状のもの(2.先端球形)に比べて、一回の打撃で圧縮残留応力が鋼板表面に導入される範囲が広く、また、最大の圧縮残留応力に近い値が広い範囲で維持される。図2(b)では、300〜400MPaの圧縮残留応力が生じている幅は約3mmであるが、先端部が半球状の振動端子では幅約1mmである。
従って、振動端子の先端形状が平坦な四角形の場合(1.先端矩形)、先端が半球状のもの(2.先端球形)に比べて、少ない回数で同一箇所を繰返し打撃することが可能で、能率良く、安定して深い打撃痕形状が得られる。尚、母材の強度によっては打撃によって四角形の周囲にき裂が生じる場合があるので、能率を損なわない程度に、四角形の平坦部の周囲の角部に面取りを施しても良い。
振動端子先端の平坦な四角部は、面積が4mm未満の場合、母材表面と垂直方向に加圧することが困難となるため、4mm以上とする。
止端部4より母材1側に形成される打撃痕の底部までの最大深さが0.03mm未満では、止端に圧縮応力を付与することができず、一方、0.40mm以上では打撃痕周辺の塑性変形が過大となり新たな応力集中源となる。
本発明では、溶接止端から母材側に2mmまでの領域内に上述した深さを有する打撃痕を形成する。図2より、溶接止端に接して打撃痕が形成される場合(溶接止端がX座標1.5mmに位置する場合)でも圧縮残留応力を溶接止端に導入することが可能である。
また、鋼構造物には多方面から荷重が作用するので打撃痕は溶接ビードに沿って連続的に形成することが好ましいが、特に溶接ビードで疲労損傷の発生が危惧される部分に沿ってのみ打撃痕を形成しても良い。
振動端子先端が矩形の場合、打撃時は、打撃痕先端の長辺側を溶接止端に平行に打撃するのが好ましい。溶接止端に平行な部分が長くなるほど、圧縮残留応力が広い範囲で分布するからである。溶接止端に接して打撃する場合、打撃痕先端の母材側の長辺を溶接止端に接して打撃する。
本発明に係る溶接継手では、溶接金属や溶接止端に応力集中源となる変形が生じさせないため、溶接金属や溶接止端に打撃痕を形成しないように、振動端子の先端部の形状と、溶接止端より母材側に2mmまでの領域内において打撃痕を形成する位置とを適宜組み合わせる。振動端子の先端部は、面積が4mm以上の平坦な四角形において長短の辺の長さを変える。
打撃痕は繰り返し衝撃的な打撃を母材表面に与えるハンマーピーニングや超音波衝撃処理装置によって形成することが好ましい。打撃痕は、互いが一部または全てが重なるように複数回の打撃によって形成することが好ましい。
振動端子で母材表面を加圧する前に、溶接止端と母材の境界部にグラインダ研削などでr部を設けると母材表面の変形を溶接止端に及ばさずに、より大きな圧縮残留応力を溶接止端に導入させることが可能で好ましい。また、本発明による作用効果は、ハンマーピーニングまたは超音波衝撃処理のいずれであっても得られる。
本発明に係る溶接継手では、母材として疲労き裂伝播抵抗性に優れる鋼材を用いることで、疲労き裂発生危険部の安全性を格段に向上させる。疲労き裂伝播抵抗性に優れる鋼材のミクロ組織は、フェライトとパーライトの二相組織を主体として構成され、それらのL面、T面、Z面における面積率、形態を制御することにより、き裂伝播異方性が小さく、疲労き裂伝播抵抗性に優れた特性を備える。
[ミクロ組織形態]
き裂伝播異方性が小さく、疲労き裂伝播抵抗性に優れた性能を得るため、鋼材のフェライトとパーライトの面積率ならびにそれら組織のL面、T面、Z面(図4に規定)に代表される三次元的なミクロ組織形態として、パーライト間隔、フェライト粒径、パーライト三次元形状を次のように規定する。
1.フェライトとパーライトの面積率
延性や曲げ加工性を考慮し、ミクロ組織の主体組織をフェライトとパーライトから構成される二相組織とする。フェライト面積率は65%を下回る場合、延性や曲げ加工性が低下する。一方で85%を超える場合には十分な強度が得られない。
パーライト面積率は10%を下回る場合、後述する疲労き裂伝播特性の向上効果が発揮されない。一方、30%を超える場合には、溶接性、延性、曲げ加工性が低下する。
なお、本発明では残部組織としてベイナイト、マルテンサイトが混入することを許容する。但し、延性や曲げ加工性を考慮し、それら残部組織の面積分率は5%以下であることが好ましい。
2.L面およびT面のパーライト平均間隔
パーライト間隔は、疲労き裂が進展する方向にパーライトを効果的に配置し、このパーライトによりき裂先端での塑性域の形成を制御し、結果としてパーライトへの回り込みによるき裂の屈曲を誘起するために、平均間隔で15μm以上とする。
ただし、平均間隔で30μmを超えると回り込みの頻度が減少し、き裂伝播抵抗性が小さくなるため15〜30μmとする。平均間隔はき裂伝播の異方性を生じさせないため鋼板の任意の面について確保することが望ましく、代表させてL面およびT面で規定する。
3.L面およびT面のフェライト平均粒径
フェライト粒径は、疲労き裂がフェライト粒界に衝突する回数が、き裂進展速度が低下する効果を得るために十分な回数となるように20μm以下とする。
ただし、粒径が小さすぎると上述のパーライト間での塑性域の形成を妨げるため10μm以上とし、10〜20μmとする。粒径き裂伝播の異方性を生じさせないために鋼板の任意の面について確保することが望ましく、代表させてL面およびT面で規定する。
4.パーライト塊三次元形状
本発明では、疲労き裂がパーライトに接近した際に生じるき裂先端の塑性域の形状変化を制御し、疲労き裂のパーライト回り込みによるき裂の屈曲進展を活用し疲労き裂伝播抵抗性を向上している。この効果をき裂伝播方向により異方性を生じせしめること無く、全方向に対して良好な疲労き裂伝播抵抗性が発揮されるように、パーライトの三次元的な形状を以下のように規定する。
すなわち、本発明の主たる目的は実構造物で懸念される、鋼板に対しての様々な方向への疲労き裂伝播に対して、等しく優れた疲労き裂伝播抵抗特性を備えることであり、そのため、各方向に対する疲労き裂伝播特性が等しくなるように、パーライト三次元形状を(1)式、(2)式で規定する。
L(L)≦3Z(L)・・・(1)式
T(T)≦3Z(T)・・・(2)式
ここで、L(L)はパーライト塊のL面でのL方向平均長さ、Z(L)はL面でのパーライト塊のZ方向平均長さ、T(T)はT面でのパーライト塊のT方向平均長さ、Z(T)はT面でのパーライト塊のZ方向平均長さをそれぞれ示す。図5〜7に、上述した1〜3の規定を満足するミクロ組織の効果を示す。
図5はパーライト平均間隔と(実き裂伝播長さ)/(き裂伝播方向の直線距離)との関係を示し、フェライト面積率、パーライト面積率、フェライト平均粒径、パーライト塊形状を本発明範囲内とした上で、パーライト平均間隔のみを変化させた鋼のT方向における疲労き裂伝播試験(試験条件:ΔK=20MPa√m一定)の結果より得たものである。
ここで(実き裂伝播長さ)/(き裂伝播方向の直線距離)が大きい場合は前述のパーライト部分でのき裂の屈曲、回り込みが多く発生し、結果として実伝播距離の増加、破面の凹凸の増加が生じていることを意味している。
(実き裂伝播長さ)はき裂の伝播した長さの全長で定義され、き裂が蛇行している場合は蛇行に沿った長さとする。き裂が枝分かれしている場合は、主き裂(最も伝播している長さが長いき裂)の長さとする。
(き裂伝播方向の直線距離)とは、き裂をき裂伝播方向に投影した際に得られる長さで定義する。き裂が蛇行している場合は、き裂伝播方向を、蛇行しつつ、き裂が進行する方向とし、当該方向にき裂を投影して得られる長さとする。き裂が枝分かれしている場合は、き裂伝播方向を、主き裂が進行する方向とし、当該方向に主き裂を投影して得られる距離とする。
当該鋼材は(実き裂伝播長さ)/(き裂伝播方向の直線距離)の値を1.1以上にすることを目標としており、図よりパーライト平均間隔で15〜30μmでこの値が達成されていることが認められる。
図6に図5で実施した試験で得られた実き裂伝播長さ/き裂伝播方向の直線距離と疲労き裂伝播速度の関係を示す。
上述のパーライト平均間隔の制御による実伝播距離の増加、破面凹凸の増加の結果、(実き裂伝播長さ)/(き裂伝播方向の直線距離)の増加とともに、特にこの値が1.1以上の場合に、疲労き裂伝播速度の低下、すなわち疲労き裂伝播抵抗性の向上が認められる。
図7はパーライト塊形状に関して、L(L)/Z(L):L面でのL方向平均長さとL面でのZ方向平均長さの比、T(T)/Z(T):T面でのT方向平均長さとT面でのZ方向平均長さの比で、これらと速度(Z)/速度(L):Z方向の疲労き裂伝播速度とL方向のき裂伝播速度の比、速度(Z)/速度(T):Z方向の疲労き裂伝播速度とT方向のき裂伝播速度の比の関係を示す。
図7に示す結果は、フェライト面積率、パーライト面積率、フェライト平均粒径、パーライト平均間隔を本発明範囲内とし、パーライト塊形状のみを変化させた鋼の疲労き裂伝播試験(試験条件:ΔK=20MPa√m一定)での結果より得たものである。
L(L)/Z(L)およびT(T)/Z(T)を3以下とすることで方向性の少ない(異方性の小さい)疲労き裂伝播特性が得られ、実構造物での、鋼板に対して様々な方向に進展する疲労き裂に対して、等しく優れた疲労き裂伝播抵抗性が実現される。
[成分組成]説明において%は質量%とする。

Cは強度を確保するため0.04%以上添加する。0.20%を超えて添加すると溶接性が阻害されるため、0.04〜0.20%、好ましくは0.06〜0.18%を添加する。
Si
Siは脱酸と強度を確保するため0.05%以上添加する。0.50%を超えて添加すると溶接性、靭性が劣化するため、0.05〜0.50%、好ましくは0.10〜0.40%とする。
Mn
Mnは焼入れ性の増加により、強度、靭性を確保させるため、0.5%以上添加する。1.8%を超えると溶接性を劣化させるため、0.5〜1.8%、好ましくは0.8〜1.6%を添加する。

Pは不純物で、靭性を劣化させるため、その含有量は少ないほど良く、製造コスト上、0.05%以下、好ましくは0.03%以下とする。

Sは不純物で、靭性を劣化させるため、その含有量は少ないほど良く、製造コスト上、0.02%以下、好ましくは0.01%以下とする。
以上が本発明に係る鋼の基本成分組成であるが、更に強度、靭性、溶接性を向上させたり、耐候性を付与する場合、Cu、Ni、Cr、Mo、Nb、V、Ti、Bの一種または二種以上を添加する。
Cu
Cuは固溶により強度を上昇させ、また耐候性を向上させるので、所望する特性に応じて添加する。添加する場合、0.4%を超えると溶接性が損なわれ、鋼材製造時に疵が生じやすくなるので0.4%以下とし、好ましくは、0.3%以下とする。
Ni
Niは低温靭性や耐候性を向上させ、またCuを添加した場合の熱間脆性を改善するので、所望する特性に応じて添加する。添加する場合、0.8%を超えると溶接性が損なわれ、鋼材コストが上昇するので0.8%以下とし、好ましくは、0.6%以下とする。
Cr
Crは強度を上昇させ、また耐候性を向上させるので、所望する特性に応じて添加する。添加する場合、0.4%を超えると溶接性と靭性が損なわれるので0.4%以下とし、好ましくは、0.3%以下とする。
Mo
Moは強度を上昇させるので、所望する特性に応じて添加する。添加する場合、0.4%を超えると溶接性と靭性が損なわれるので0.4%以下とし、好ましくは、0.2%以下とする。
Nb
Nbは圧延時のオーステナイト再結晶を抑制し細粒化を図ると同時に、加速冷却後の空冷時に析出し強度を上昇させるので、所望する特性に応じて添加する。添加する場合、0.05%を超えると靭性が損なわれるので0.05%以下とし、好ましくは0.03%以下とする。

Vは、加速冷却後の空冷時に析出し強度を上昇させるので、所望する特性に応じて添加する。添加する場合、0.05%を超えると溶接性と靭性が損なわれるので0.05%以下、好ましくは0.03%以下とする。
Ti
Tiは、強度を上昇させ、溶接部靭性を向上させるので、所望する特性に応じて添加する。添加する場合、0.03%を超えると鋼材コストが上昇するので0.03%%以下、好ましくは0.02%以下とする。

Bは焼入れ性を高め、強度を上昇させるので、所望する特性に応じて添加する。添加する場合、0.003%を超えると溶接性が低下するので、0.003%以下、好ましくは0.002%以下とする。
本発明に係る鋼材は上記に記載の成分の鋼を、1000℃以上、1300℃以下に加熱し、Ar点以上で累積圧下率50%以上の圧延を行いAr点以上で圧延を終了した後、ArからAr−60℃の温度域より650℃以下450℃以上まで、10℃/s以上で加速冷却することにより得られる。
なお、上記温度は鋼材の表面温度とし、冷却速度は鋼材の厚さ方向の平均冷却速度とする。また、Ar点はAr(℃)=910−310C−80Mn−20Cu−15Cr−55Ni−80Mo(但し、元素記号は鋼材中の各元素の質量%での含有量を表す。)等で求めることができる。
幅150mm×長さ500mm×板厚12mmの母材1(SM490Y)に、75mm×50mmのリブ2(SM490Y)を廻し溶接(ワイヤーMXZ200−1.2Φ、100%CO、240A−30V−40CPM、10.8KJ/cm)にて溶接した試験体に、先端が3mm×4mmの矩形の平坦部を有する振動端子によるハンマーピーニング(空気圧約6kg/cm、周波数90Hz、移動速度0.25mm/秒による)を溶接止端に当らないようにしながら、垂直に繰り返し打撃して行った。一部の試験片については溶接止端と打撃痕の間に母材部が残るように打撃した。打撃痕を形成した後、疲労試験に供した。
母材1(SM490Y:記号A〜E)は全て本発明範囲内の成分組成であるが、疲労き裂伝播速度(×10−6cm/Cycle)が遅く疲労き裂伝播抵抗性に優れる鋼材(記号A、C、D)と、ミクロ組織の調整により、同一成分組成の鋼材間(記号Bと記号E)で疲労き裂伝播速度(×10−6cm/Cycle)を変えたものを供試した。記号Bは、疲労き裂伝播速度(×10−6cm/Cycle)が遅く疲労き裂伝播抵抗性に優れる鋼材(本発明例)、 記号Eは、疲労き裂伝播速度(×10−6cm/Cycle)が速く疲労き裂伝播抵抗性に劣る鋼材(比較例)である。
疲労試験は、試験体に対して、母材1の両端をチャッキングし、リブ2の長手方向に繰返し応力を与えて行った。図8に試験体の平面図(a)と側面図(b)を示す。
表1に母材1(SM490Y)の成分組成、疲労き裂伝播速度、打撃痕の最大深さと幅、疲労試験結果を示す。打撃痕深さの測定は、レーザ変位計を用いて、鋼板表面に沿って0.1mm毎に行って最大深さを求めた。
表1より本発明に係る溶接継手は優れた疲労特性を有することが認められる。記号Dは、疲労き裂伝播速度(×10−6cm/Cycle)が遅い鋼材であるが、打撃痕の最大深さが本発明範囲外で疲労特性に劣り、記号Eは、疲労き裂伝播速度(×10−6cm/Cycle)が速く、打撃痕の最大深さも本発明範囲外で疲労特性に劣っていた。
1 母材
2 リブ
3 溶接ビード
4 溶接止端
5 チッパー(振動端子)

Claims (2)

  1. 質量%で、C:0.04〜0.20%、Si:0.05〜0.50%、Mn:0.5〜1.8%、P:0.05%以下、S:0.02%以下、残部が実質的にFeからなり、ミクロ組織が(1)〜(3)の特徴を有するフェライトとパーライトの二相組織で、面積率65〜85%のフェライトを有する鋼材を用いて作製し、ハンマーピーニングまたは超音波衝撃処理された、鋼材の溶接継手であって、
    振動端子によって溶接ビードに沿って鋼材表面に連続形成された打撃痕を有し、前記振動端子は、先端部が、面積が4mm以上の平坦な四角形で、前記打撃痕は、前記振動端子によって、溶接止端から母材側に2mmまでの領域に、最大深さが0.03mm以上0.40mm未満に形成されたことを特徴とする溶接継手。
    (1)L面およびT面のパーライト平均間隔:15〜30μm
    (2)L面およびT面のフェライト平均粒径:10〜20μm
    (3)パーライト塊形状:L(L)≦3Z(L)、T(T)≦3Z(T)
    ここで、L(L):L面でのパーライト塊のL方向平均長さ、Z(L):L面でのパーライト塊のZ方向平均長さ
    T(T):T面でのパーライト塊のT方向平均長さ、Z(T):T面でのパーライト塊のZ方向平均長さ
  2. 前記四角形が矩形であることを特徴とする請求項1記載の溶接継手。

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