JP2004130313A - 重ね隅肉溶接継手の疲労強度向上方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】2枚の金属板1、2を重ね合わせた端部を溶接した重ね隅肉溶接継手の溶接止端部4の近傍を超音波振動端子6で打撃する疲労強度向上方法であって、前記超音波振動端子6の直径Dが2〜8mmであり、かつ、前記隅肉溶接継手の溶接止端部4を第1の原点とし、前記超音波振動端子6の隅肉溶接継手側における側面の、第1の原点に対する相対位置をxとし、前記金属板表面に平行な隅肉脚長をWとするとき、−W/4≦x≦W/2を満足する範囲を超音波振動端子6で打撃することを特徴とする重ね隅肉溶接継手の疲労強度向上方法。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、橋梁、機械品、自動車、自動二輪の部品など、金属板を用いた溶接構造物の溶接部の特性向上方法に関し、具体的には、2枚の金属板を重ね合わせた端部を溶接した重ね隅肉溶接継手の疲労強度向上方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、構造物の軽量化を目的として、使用される鋼材の高強度化と薄肉化が進む中、溶接部の疲労強度を再現性良く、かつ効果的に高める技術の開発が強く望まれている。
一般に、橋梁や自動車車体のような金属板を用いた溶接構造物における溶接継手形状として、2枚の金属板を重ね合わせた端部を溶接した重ね隅肉継手が多く用いられており、溶接方法としては、アーク溶接、レーザ溶接をはじめ、プラズマ溶接、電子ビーム溶接など、多種多様な溶接方法が適用されている。
【0003】
例えば、図3に、重ね隅肉溶接継手をアーク溶接で作製する場合の例を示す。図3において、アーク溶接のエネルギ密度は低く貫通能力が乏しいため、金属板1,2を重ね合わせ、重ね合わせ部の端部にアークを照射し、溶接ワイヤからの溶融した溶接金属3が金属板1、2の重ね合わせ端部近傍の一部に溶け込むように溶接ビードを形成する、いわゆる重ね隅肉溶接を行う。
図3に示すように、重ね隅肉溶接継手では溶接金属3が金属板2の表面に繋がる部分、つまり溶接止端部4が形状的に急変するために重ね隅肉溶接継ぎ手において特に応力集中部となりやすい。その溶接止端部4の応力集中度は一般に、溶接止端角(θ)や溶接止端部の曲率半径(ρ)に依存すると言われており、これらの値が小さくなる場合に応力集中度が大きくなる。
また、溶接時は、溶接入熱により溶接部の溶融金属とその周囲の鋼板との間に大きな温度勾配が生じ、これよる溶接金属と母材の膨張量の差に起因して溶接止端部で引張残留応力が生じる。特にアーク溶接では入熱が大きいため、溶接止端部にはほぼ母材の降伏強度に相当するほどの引張残留応力が生じやすく、これが溶接継ぎ手の疲労強度を低下させる原因となる。
したがって、従来のアーク溶接による重ね隅肉継手では、時間的に変動する荷重、即ち疲労荷重が継手に加わると、疲労き裂が応力集中が高く、引張残留応力の大きくなりやすい溶接止端部4に発生し、溶接継手の疲労強度は母材のそれと比較し大きく低下するという問題があった。
【0004】
また、近年、レーザ溶接機の高出力化と高品質化が進み、特に自動車車体へレーザ溶接が適用されるケースが増えつつある。このレーザ溶接を用いて重ね隅肉溶接を行なう場合、アーク溶接に比べて溶接止端部での引張残留応力は多少少なくなるが溶接止端部の形状に起因する応力集中は同じように生じるため、アーク溶接同様、重ね隅肉溶接継手の疲労強度は母材のそれと比べ低下が著しい。
以上のように溶接継手の特性として良好な疲労強度を得ることは極めて重要であり、これまで様々な疲労強度の改善技術が提案されてきた。
例えば、特開2000−218370号公報には、アーク溶接を用いた中・厚鋼板のT型または十字継ぎ手重ね継手の重ね隅肉溶接において、溶接前に金属板表面にアルミナ(Al2O3)などの酸化物を塗布し溶接することで、溶融金属の粘性を低下させて溶接止端角を増大し、応力集中を緩和させる疲労強度改善法が開示されている。この方法では酸化物を鋼板に塗布するための前処理が必要であるから製造コスト及び生産性が低下し、工業的には好ましい方法とは言い難い。
【0005】
また、特開平11−104865号公報には、第1部材の外表面の端部近傍にレーザを照射して第1部材と第2部材の重ね合わせ部分を溶融凝固させ、溶接止端部における溶接止端角を90度以上に設定することで応力集中を緩和させた、疲労強度に優れたレーザ重ね隅肉溶接継手およびその溶接方法が開示されている。しかし、この方法において溶接止端角が90度以上の溶接継手形状を実現するための具体的な溶接方法は十分開示されておらず、また、溶接止端曲率半径については全く考慮されてなく、仮にここで言う溶接止端角が実現できたとしても溶接止端曲率半径が小さい重ね溶接継手では、十分な応力集中の緩和は得られずその疲労強度は低いものとなる。
また、特開昭55−153692号公報には、重ね継手あるいは当て金溶接継手の隅肉溶接において、補強盛りを行い溶着金属の喉厚と脚長を金属板板厚の√2倍以上とし、疲労強度を向上させる溶接方法が開示されている。しかし、この方法は通常の重ね隅肉溶接継手に比べ喉厚および脚長を増大させるための補強盛をするために溶接効率を低下させ、また、溶接部の外観を低下させるため好ましくない。
【0006】
また、溶接の後処理による疲労強度の向上手法としては従来、▲1▼グラインディング、▲2▼TIGドレッシング、▲3▼ショットピーニング、▲4▼ハンマーピーニングが用いられてきた。これらの手法は、応力集中部となる溶接止端部の形状を整形して応力集中を緩和する、もしくは残留応力を変化させて疲労強度を向上するというものである。しかし、これらについても、以下のような問題点があった。
グラインディング、TIGドレッシングは、止端の形状をよくするものであるが、いずれも著しく作業効率が悪かった。
また、グラインディングは、止端の疲労向上効果には効果があるものの、喉厚が減ることによりルート側の疲労強度を落とす傾向があった。
ショットピーニング、ハンマーピーニングは、疲労強度向上効果はあるが、ショットピーニングは巨大な機械が必要であるうえ、種々のユーティリティが必要となる。
【0007】
また、ハンマーピーニングは反動が大きく、処理結果が安定せず、時にはかえって疲労強度を低下させてしまうことがある。また、このハンマーピーニングは、あまりに大きな塑性変形を与えるために、薄い板に対しては使いにくいという欠点もあった。
さらに、ハンマーピーニングは、数Hzの低周波の機械加工を継手部に施すため、加工表面の凹凸が激しく、その山部に応力が集中し、継手部に繰り返し荷重がかかると、この応力集中部から亀裂が生じるため継手全体の疲労強度がかえって低下する場合があるという問題点があった。
【0008】
また、溶接止端部近傍にショットピーニング処理を行うことで圧縮残留応力を付与できる。ここに、ショットピーニング処理は、疲労き裂発生の起点となる部位に、1mm弱の鋼球を多数打ち付け圧縮残留応力を付与する手法である。
さらに、溶接金属の加熱再溶融により溶接止端部形状の改善あるいは引張残留応力の軽減が可能であることも知られている。
しかし、このショットピーニング処理は、大きな機械と鋼球、およびその飛散を防ぐためのチャンバー等の大がかりなユーティリティーを必要とする。
さらに、溶接金属の再加熱を行うと、新たな溶接変形が生じるため高い寸法精度が必要な溶接構造体には採用されないという問題点があった。また、施工効率も著しく低い。
また、溶接部に超音波振動を与えることによって、疲労強度を向上させる方法に関する従来技術としては、例えば、USP6171415公報に、アーク溶接直後に溶接アークによって熱せられた溶接シーム部に沿って超音波振動を付与する方法が開示されている。
しかし、この従来技術は、溶接直後の高温状態の溶接ビードに超音波振動を与えることを前提としているため、溶接金属及びその周囲の母材部が高温のため降伏強度が低く、打撃応力の付加によっても溶接止端部に圧縮残留応力は導入されにくく、また、一旦圧縮残留応力が導入されたとしても、その後の室温までの冷却過程で熱収縮によりキャンセルされるため、溶接止端部の圧縮残留応力導入による疲労強度向上効果は十分に得られない。また、超音波振動子で打撃する範囲などの溶接止端部の圧縮残留応力導入のための具体的な条件の開示がないため、この方法を用いても安定して所定レベル以上の疲労強度を向上することは難しい。
以上のように、従来の疲労強度の向上技術を、自動車車体をはじめとする重ね隅肉溶接継手に採用することは困難であり、たとえ採用できても疲労強度向上代が低いレベルに留まっていた。
【0009】
【特許文献1】特開2000−218370号公報
【特許文献2】特開平11−104865号公報
【特許文献3】特開昭55−153692号公報
【特許文献5】USP6171415公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前述のような従来技術の問題点を解決し、2枚の金属板を重ね合わせた端部を溶接した重ね隅肉溶接継手の疲労強度向上方法を提供することにより、金属板を用いた溶接構造物の信頼性を一層向上させることを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は前述の課題を解決するために鋭意検討の結果なされたものであり、2枚の金属板を重ね合わせた端部を溶接した重ね隅肉溶接継手の近傍の特定範囲を超音波振動端子で打撃する疲労強度向上方法を提供するものであり、その要旨とするところは特許請求の範囲に記載した通りの下記内容である。
【0012】
(1)2枚の金属板を重ね合わせた端部を溶接した重ね隅溶接肉継手の溶接止端部の近傍を超音波振動端子で打撃する疲労強度向上方法であって、
前記超音波振動端子の直径Dが2〜8mmであり、
かつ、前記隅肉溶接継手の溶接止端部を第1の原点とし、前記超音波振動端子の隅肉溶接継手側における側面の、第1の原点に対する相対位置をxとし、前記金属板表面に平行な隅肉脚長Wとするとき、−W/4≦x≦W/2を満足する範囲を超音波振動端子で打撃することを特徴とする重ね隅肉溶接継手の疲労強度向上方法。
(2)前記2枚の金属板の板厚をt1、t2とし、重ね合わせた金属板のルート端部を第2の原点とし、超音波振動端子の中心軸の、第2の原点に対する相対位置をyとするとき、
板厚がt1の金属板について−t1≦y≦t1を満足する範囲、および/または、板厚がt2の金属板について−t2≦y≦t2を満足する範囲を超音波振動端子で打撃することを特徴とする(1)に記載の重ね隅肉溶接継手の疲労強度向上方法。
【0013】
(3)前記2枚の金属板を溶接する前に、該金属板に機械的な拘束または溶接変形を拘束する曲げ加工を予め施すことを特徴とする(1)または(2)に記載の重ね隅肉溶接継手の疲労強度向上方法。
(4)前記2枚の金属板は、引張強度が400MPa以上の高強度鋼板であることを特徴とする請求項1乃至請求項3に記載の重ね隅肉溶接継手の疲労強度向上方法。
(5)前記超音波振動端子で打撃するときの隅肉継手の温度が300℃以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項4に記載の重ね隅肉溶接継手の疲労強度向上方法。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について、図1乃至図7を用いて詳細に説明する。
<第1の実施形態>
図1は、本発明の重ね隅肉溶接継手の疲労強度向上方法における第1の実施形態を示す図である。
図1において、重ね合わされた金属板1および金属板2は、溶接金属3により隅肉溶接されており、4は溶接止端部、5は金属板表面に平行な隅肉脚長W、6は超音波振動端子、7は超音波振動端子の直径D、8は超音波振動端子の隅肉継手側における側面、xは隅肉継手の溶接止端部(第1の原点)に対する超音波振動端子の隅肉継手側における側面8の相対位置を示す。
このとき、超音波振動端子の直径Dを2〜8mmとし、かつ、隅肉継手の溶接止端部(第1の原点)に対する超音波振動端子の隅肉継手側における側面8の相対位置xと、金属板表面に平行な隅肉脚長Wとの関係で、−W/4≦x≦W/2を満足する範囲を超音波振動端子6で打撃することにより、重ね隅肉継手疲労強度を向上させることができる。但し、上記xは、溶接止端部を原点とし、原点から重ね合わせ端部側の方向を負(−)とし、その反対方向を正(+)とする。
【0015】
まず、超音波振動端子の直径Dが2〜8mmとするのは、超音波振動端子6の直径Dが、8mmを超えると、超音波振動端子6による打撃面積が大きすぎて打撃圧力が不足し、止端部近傍に圧縮残留応力を効果的に付与できないうえ、超音波振動端子6は通常ある曲率を持った凸形状であり、その最も打撃効果の高い中心部分が溶接止端部4から外れるため、打撃により溶接止端部4に圧縮残留応力を効果的に付与できないからである。また、溶接止端角(図3におけるθ)が大きい場合には、溶接金属3と超音波振動端子6の側面とが接触して、溶接止端部4に超音波振動端子6が届かない場合がある。
他方、端子径Dが小さくなり過ぎると打撃圧力が高くなり過ぎ、打撃した部分の凹みが大きく外観不良となるうえ、逆に疲労強度や静的強度の低下をもたらす。さらには超音波振動端子の座屈も生じる。従って、端子径Dは2mm以上とすることが好ましい。
【0016】
図4は、本発明の第1の実施形態における超音波振動端子による打撃位置と疲労限強度の関係を表す図である。
図4において、横軸は、隅肉溶接止端部に対する超音波振動端子の隅肉継手側における側面の位置x(mm)を示し、縦軸は、溶接継ぎ手の疲労限強度(kN)を示す。なお、xは、溶接止端部を原点とし、原点から重ね合わせ端部側の方向を負(−)とし、その反対方向を正(+)とした。また、使用した超音波振動端子の直径Dは3mmで固定し、金属板表面に平行な隅肉脚長Wは1.8mmと2.5mmの2水準で行った。
図4から、溶接継ぎ手の疲労限強度を向上するための超音波振動端子の最適な打撃位置は、隅肉止端部に対する超音波振動端子の隅肉継手側における側面の位置xと金属板表面に平行な隅肉脚長Wとの関係で決まり、xが−W/4<x≦W/2の範囲内において、疲労限強度が著しく向上し、この範囲から外れると疲労強度の改善が殆ど、あるいは全く得られない。
本発明の第1実施形態において、図4などの実験結果を技術的根拠として、超音波振動端子6による打撃範囲を−W/4<x≦W/2と規定した。これは、溶接止端部4の近傍のこの範囲を超音波振動端子6で打撃することによって、溶接止端部の形状を良好にして応力集中を緩和させるとともに、溶接時の溶接金属とその周辺の鋼板との熱膨張差によって溶接止端部4の近傍に発生する引張残留応力を低減するか、さらには、圧縮残留応力に変えることができるからである。なお、これらの効果をより顕著に得るためには溶接止端部の打撃範囲に数mm幅で、かつ打撃前の表面に対して深さ数百μm程度の圧痕を形成するように打撃することが好ましい。
なお、本発明においては、金属板の重ね隅肉継手に適用できる溶接方法であれば、溶接方法は問わず、一般に用いられる、アーク溶接、レーザ溶接のほか、プラズマ溶接や電子ビーム溶接などが適用できる。
【0017】
なお、本発明に使用する超音波振動の発生装置は特に問わないが、発振機により超音波を発振後、トランスデューサーによりその周波数を20〜60kHzに変換し、さらに、ウェーブガイドにてその振幅を増幅させて、直径2mm〜8mmφのピンからなる超音波振動端子を20〜40μmの振幅で機械的に振動させることによって、打撃部の表面において、平滑性を維持しつつ打撃前の表面に対して深さ数百μm程度の圧痕を形成することができる。この超音波振動発生装置は、以下の実施形態にも共通して用いることができる。
【0018】
<第2の実施形態>
図2は、本発明の重ね隅肉溶接継手の疲労強度向上方法における第2の実施形態を示す図である。
図2において、重ね合わされた金属板1および金属板2は、溶接金属3により隅肉溶接されており、9はルート端部、t1は金属板1の板厚、t2は金属板2の板厚、6は超音波振動端子、yはルート端部(第2の原点)に対する超音波振動端子の中心軸10の相対位置を示す。
このとき、上記の本発明の第1の実施形態で規定した条件の他に、さらに、板厚がt1の金属板1について、重ね合わせ面におけるルート端部(第2の原点)に対する超音波振動端子の中心軸10の相対位置yが−t1≦y≦t1を満足する範囲、および/または、板厚がt2の金属板2について、上記yが−t2≦y≦t2を満足する範囲を超音波振動端子6で打撃することにより、重ね隅肉継手疲労強度をより向上させることができる。但し、上記yは、重ね合わせ面におけるルート端部を原点とし、原点から溶接止端部側の方向を正(+)とし、その反対方向を負(−)とする。
【0019】
超音波振動端子6による打撃範囲を、板厚がt1の金属板1について−t1≦y≦t1を満足する範囲とするのは、溶接により引張残留応力が生じやすいルート端部9とのほぼ最短距離の金属板1表面上または溶接金属3表面上の位置を超音波振動端子6により打撃することにより、その部分の引張残留応力を低減するか、さらには、圧縮残留応力に変えることができるからである。なお、上記のように超音波振動端子6による打撃範囲を、重ね合わせ面におけるルート端部(第2の原点)に対する超音波振動端子の中心軸10の相対位置yと金属板1の板厚t1との関係で、−t1≦y≦t1と規定するのは、超音波振動端子6による打撃位置からの荷重や衝撃力の広がりは45度程度が限界なので、その作用の及ぶ範囲を板厚の2倍の範囲として−t1≦x≦t1とした。
ルート端部での上記効果は、何れか片方の金属板1のみを打撃しても得られるが、より大きな効果を得るためには、金属板2についても金属板1と同様に、−t2≦y≦t2を満足する範囲を超音波振動端子6で打撃することが好ましい。一般に、重ね隅肉溶接継ぎ手では、重ね合わせ面におけるルート端部に比べ溶接止端部の方が疲労強度が低くなるため、本発明の第2実施形態において、本発明の第1の実施形態で規定した溶接止端部の打撃処理を行わずに、ルート端部に対する打撃処理だけをも、溶接継手の疲労強度は充分に向上することはできない。
但し、本発明の第1の実施形態で規定した溶接止端部の処理条件と第2の実施形態で規定したルート端部の処理条件を同時に満たす条件で実施することができれば、本発明の第1の実施形態のみによって両方の効果を同時に得ることが出来る。
【0020】
なお、本発明においては、金属板の重ね隅肉溶接継手に適用できる溶接方法であれば、溶接方法は特に問わず、一般に用いられる、アーク溶接、レーザ溶接のほか、プラズマ溶接や電子ビーム溶接などが適用できる。
【0021】
<好ましい実施形態>
通常溶接時には溶接入熱により、金属板は熱変形する。特に鋼材の板厚が薄い場合には、溶接中の金属板の熱変形は大きくなるため、その変形が重ね溶接継手のルート端部近傍にギャップが生じることがある。
一般に重ねすみ肉溶接継ぎ手のルート端部近傍にギャップが生じた場合、継ぎ手使用時に溶接部での変形が大きくなり、ルート端部での発生応力が高くなって、疲労強度が低下する傾向にある。
特に金属板の板厚が9mmより小さい場合、溶接時に金属板が熱変形しやすく、その変形によりルートギャップが増大し疲労強度を低下させる原因となるため、溶接時にルート端部を何らかの方法で拘束することが好ましい。
そこで、このような金属板の熱変形起因の疲労強度低下を抑制するために、金属板を溶接する前に、金属板を機械的な拘束または溶接変形を拘束する曲げ加工を予め施すことが好ましい。
【0022】
例えば、機械的な拘束の方法としては、施工しやすさという観点から、図5のように金属板1,2同士を、拘束治具11により金属板1,2の上下から直接荷重を与えて変形を拘束する方法が好ましく、また、曲げ加工の方法としては、図6のように2枚の金属板を重ね合わせて、溶接ビードの進行方向12に沿って曲加工する方法が好ましい。
本発明の第1実施形態または第2実施形態において、超音波振動端子による打撃によって溶接止端部またはルート端部に対して圧縮残留応力を付与させる効果を充分に発揮させるためには金属鋼板の引張強度が400MPa以上であることが好ましい。引張強度が400MPa未満では、超音波振動端子による打撃時に、溶接止端部またはルート端部において発生する残留応力がその外力によって降伏に至り、再分配されてしまう傾向があるが、高強度鋼は降伏しにくいので残留応力が分散しにくいからである。
【0023】
同様に、本発明の第1実施形態または第2実施形態において、超音波振動端子による打撃によって溶接止端部またはルート端部に圧縮残留応力を付与させる効果を充分に発揮させ、かつ、靱性低下を生じないためには重ね隅肉溶接継手の温度が300℃以下で溶接止端部またはルート端部の打撃処理を行うことが好ましい。
重ね隅肉溶接継手の温度が300℃以上では、超音波振動端子による打撃時に、溶接金属および金属板の降伏応力が低くなっているため、残留応力が打撃時の外力によって降伏に至り、再分配されてしまい、さらに打撃処理後も、室温までの温度低下過程での熱収縮により新たに引張残留応力が発生する可能性が高いからである。また、重ね隅肉溶接継手の温度が−10℃以下では、低温のため継手の靭性が劣化するため、−10℃以上で打撃処理を行うことがより好ましい。
本発明の重ね隅肉溶接継手の疲労強度向上方法を用いて、作動発生応力の大きな機械品、自動車の足回り品、自動車用ホイールなど、高い疲労強度が要求される金属板加工製品を製造することによって、疲労強度が高く、長寿命の信頼性の高い金属板加工製品を製造することができる。
【0024】
【実施例】
本発明の重ね隅肉継手の疲労強度向上方法の実施例を以下に示す。
表1に示す板厚、引張強度の鋼板2枚を重ね合わせ、重ねた端部をアーク溶接あるいはレーザ溶接によって隅肉溶接した後、本発明の超音波振動端子による打撃処理を行った。また、比較のために重ね隅肉溶接した後、本発明の超音波振動端子による打撃処理を行わない溶接ままの重ね隅肉溶接継ぎ手も作製した。継手サイズは40mm(幅)×250mm(長さ)×板厚(mm)、重ね代40mmとした。アーク溶接の場合、通常溶接材料を用いて重ね隅肉溶接を行った。このとき、1.2mm厚の鋼板に対しては、溶接電流120A、溶接速度は90cm/min、また、2.6mm厚の鋼板については、溶接電流160A、溶接速度60cm/minとした。
レーザ溶接にはYAGレーザを用い、加工点出力を3.0kW、溶接速度を5.0m/min、焦点のビーム直径を0.5mmとした。この際、シールドにはセンターシールドトーチ、ガスとして窒素を用いた。ビームの焦点位置は鋼板表面とし、ビームの狙い位置を重ね端部、あるいは端部より0.25mm内側とすることで金属板表面に平行な隅肉脚長Wを変化させた。
超音波振動装置は、電源1kw、周波数27kHzとし、超音波振動端子の振幅は30〜40μm、打撃処理速度は50cm/minとした。
【0025】
超音波振動端子による打撃処理を行った後の疲労特性を測定し、その測定値を予め同じ条件で溶接後に打撃処理を施さない場合のそれと比較し、疲労限の強度が10%以上向上したものを「OK」(良好)、それ以下のものを「NG」(不良)としている。なお疲労試験条件は、荷重比(最小荷重/最大荷重)=0.1、繰返し速度=10Hzの片振り引張とした。
表1のNo.1〜13が本発明例である。No.1およびNo.2は図1に示す鋼板表面に平行な隅肉脚長5が4.6mm、2.5mm、1.8mm、超音波振動端子の直径7が3.0mm、5.0mmの場合であるが、超音波振動端子の直径Dおよび超音波振動端子の打撃位置xが本発明で規定した範囲内であるため、いずれも、良好な疲労特性を得ることができた。
一方、表1のNo.14〜27は、超音波振動端子の直径Dおよび超音波振動端子の打撃位置xの何れかが本発明で規定した範囲から外れるか、全く打撃処理をしない溶接ままの場合の比較例である。
No.14およびNo.15は、脚長Wが4.6mm、超音波振動端子の直径Dが5.0mmの場合であり、No.16およびNo.17は、脚長Wが1.8mm、超音波振動端子の直径Dが3.0mmの場合であり、No.18およびNo.19は、脚長Wが2.5mm、超音波振動端子の直径Dが3.0mmの場合であり、いずれの場合も超音波振動端子の打撃位置xが本発明で規定した範囲から外れているために、疲労強度は低く、その評価はどちらも不良(NG)であった。
No.20および22は、超音波振動端子の直径Dがいずれも8.5mmと本発明で規定した範囲から外れており、かつ超音波振動端子の打撃位置xも本発明で規定した範囲から外れているために、疲労強度は低く、その評価はどちらも不良(NG)であった。
No.21および23は、超音波振動端子の直径Dが8.5mm、10.0mmと本発明で規定した範囲から外れているために、疲労強度は低く、その評価はどちらも不良(NG)であった。
また、No.24〜27は、溶接止端部およびルート端部、または、溶接止端部に対して超音波振動端子による打撃処理を施さなかった重ね隅肉溶接継ぎ手であり、疲労強度は低く、その評価はどちらも不良(NG)であった。
【0026】
次に、表2に示す板厚、引張強度のアルミ板2枚を重ね合わせ、重ねた端部をアーク溶接によって隅肉溶接した後、本発明の超音波振動端子による打撃処理を行った。アルミ板材料は5083、アーク溶接は溶加材に5356を用いて重ね隅肉溶接を行った。このとき、溶接電流は150A、溶接速度は25cm/minとした。また、比較のために重ね隅肉溶接した後、本発明の超音波振動端子による打撃処理を行わない溶接ままの重ね隅肉溶接継ぎ手も作製した。材質、継手サイズ、溶接条件および試験方法は鋼板の場合と同様である。
表2のNo.31〜36が本発明例であり、図1に示す鋼板表面に平行な隅肉脚長5が4.6mm、超音波振動端子の直径7が3.0mm、5.0mmの場合であるが、超音波振動端子の直径Dおよび超音波振動端子の打撃位置xが本発明で規定した範囲内であるため、いずれも、良好な疲労特性を得ることができた。
一方、表2のNo.37〜39は比較例である。
No.37は、超音波振動端子による打撃処理を行わなかったため、疲労強度は低く、その評価はどちらも不良(NG)であった。
No.38およびNo.39は、超音波振動端子の打撃位置xが本発明で規定した範囲から外れているために、疲労強度は低く、その評価はどちらも不良(NG)であった。
【表1】
【表2】
【0027】
【発明の効果】
本発明によれば、2枚の金属板を重ね合わせた端部を溶接した重ね隅肉溶接継手の溶接止端部の近傍の特定範囲を超音波振動端子で打撃する疲労強度向上方法を提供することにより、金属板を用いた溶接構造物の信頼性を一層向上させることができ、産業上有用な著しい効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態における重ね隅肉溶接継手において超音波振動端子による打撃範囲を示す模式図である。
【図2】本発明の第2の実施形態における重ね隅肉溶接継手において超音波振動端子による打撃範囲を示す模式図である。
【図3】従来の重ね隅肉溶接継手の断面の一例を示す模式図である。
【図4】本発明の第1の実施形態における超音波振動端子による打撃位置と疲労限強度の関係を表す図である。
【図5】金属板を、機械的に(かしめて)拘束する方法の一例を示す図である。
【図6】金属板を曲げ加工して拘束する方法の一例を示す図である。
【符号の説明】
1、2:金属板、
3:溶接金属、
4:溶接止端部、
5:金属板表面に平行な隅肉脚長(W)、
6:超音波振動端子、
7:超音波振動端子直径(D)、
8:超音波振動端子の隅肉継手側の側面、
9:ルート端部、
10:超音波振動端子の中心軸、
11:拘束治具
12:溶接ビードの進行方向
Claims (5)
- 2枚の金属板を重ね合わせた端部を溶接した重ね隅肉溶接継手の溶接止端部の近傍を超音波振動端子で打撃する疲労強度向上方法であって、
前記超音波振動端子の直径Dが2〜8mmであり、
かつ、前記隅肉溶接継手の溶接止端部を第1の原点とし、前記超音波振動端子の隅肉溶接継手側における側面の、第1の原点に対する相対位置をxとし、前記金属板表面に平行な隅肉脚長をWとするとき、−W/4≦x≦W/2を満足する範囲を超音波振動端子で打撃することを特徴とする重ね隅肉溶接継手の疲労強度向上方法。 - 前記2枚の金属板の板厚をt1、t2とし、重ね合わせた金属板のルート端部を第2の原点とし、超音波振動端子の中心軸の、第2の原点に対する相対位置をyとするとき、
板厚がt1の金属板について−t1≦y≦t1を満足する範囲、および/または、板厚がt2の金属板について−t2≦y≦t2を満足する範囲を超音波振動端子で打撃することを特徴とする請求項1に記載の重ね隅肉溶接継手の疲労強度向上方法。 - 前記2枚の金属板を溶接する前に、該金属板に機械的な拘束または溶接変形を拘束する曲げ加工を予め施すことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の重ね隅肉溶接継手の疲労強度向上方法。
- 前記2枚の金属板は、引張強度が400MPa以上の高強度鋼板であることを特徴とする請求項1乃至請求項3に記載の重ね隅肉溶接継手の疲労強度向上方法。
- 前記超音波振動端子で打撃するときの隅肉溶接継手の温度が300℃以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項4に記載の重ね隅肉溶接継手の疲労強度向上方法。
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