JP3820208B2 - 重ね溶接継手の疲労強度向上方法 - Google Patents

重ね溶接継手の疲労強度向上方法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、橋梁、自動車、自動二輪の部品など、金属板を用いた溶接構造物の溶接部の特性向上方法に関し、具体的には、2枚の金属板を重ね合わせて中央部を溶接した重ね溶接継手の疲労強度向上方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、溶接構造物の軽量化を目的として、使用される鋼材の高強度化と薄肉化が進む中、溶接部の疲労強度を再現良く、かつ効果的に高める技術の開発が強く望まれている。
一般に、自動車や自動二輪の部品などのような金属板を用いた溶接構造物における溶接継手形状として、2枚の金属板を重ね合わせて中央部を溶接した重ね溶接継手が多く用いられており、溶接方法としては、アーク溶接、レーザ溶接をはじめ、プラズマ溶接、電子ビーム溶接など、多種多様な溶接方法が適用されている。
【0003】
重ね溶接継手の特性として良好な疲労強度を得ることは極めて重要であり、これまで様々な疲労強度の改善技術が提案されてきた。
例えば、特開平5−156213号公報には、2枚の被着体において、重ね部の片側あるいは両側の板を凹形状となるように予め加工した後、接合部を押し付けながら接着し、破壊の起点となる接着端にき裂閉口荷重を発生させ、静的な引張強度および疲労強度を向上させる方法が開示されている。
しかし、本法の接合法は接着を前提とし、他の溶接法は考慮されていない。また、接着剤の耐久性やコストが問題となる場合があった。
また、特開平10−193164号公報には、2枚の薄鋼板を用いた重ね隅肉溶接継手において、TIGアークなどの熱源を用い、下側鋼板の溶接部近傍を、溶接部と平行に、鋼板が溶融しない程度に加熱することで、疲労き裂発生点である止端部近傍の残留応力を引張から圧縮に変化させ、疲労強度を向上させる方法が開示されている。
しかし、本手法は重ね隅肉継手への応用は可能であって、本明細にある重ね溶接継手には適用できなかった。
【0004】
また、特開平5−329672号公報には、リムとディスクとを接合し、重ね溶接継手部を有するロードホイールを製造するに際し、継手重ね合わせ部の接合幅Wと板厚Tの比、W/Tを0.3以上、ビード長Lと板厚Tの比、L/Tを1.5以上を満足するように溶接し、繰り返し荷重下で、ビードが重ね合わせ面で破断することのない高い疲労強度を持つロードホイールの製造方法が開示されている。
しかし、本手法は、用途がロードホイールに限定されており、異なる部品形状や材料、応力付加条件では、これら溶接部サイズで、十分に疲労強度を発揮できなかった。
また、特開2000−202563号公報には、引張強さが430〜1000MPaの高強度鋼板を用いて重ね溶接継手をするに際し、0.2%耐力、引張強さ、硬さを鋼板特性に依存した範囲を設けたリベットを使用し、該リベットを打ち込んだのち、リベット先端を変形させて機械的に接合することを特徴とし、高い静的引張強さと疲労強度を有する継手を作製する方法が開示されている。
しかし、本手法はリベットの使用を前提とした点状の接合部であるため、レーザ、プラズマ、電子ビーム溶接といった連続的な溶接部を持つ溶接継手に比べると、疲労強度は低くなってしまう。また、リベットのコストが問題となり、採用できない場合もあった。
【0005】
また、USP6171415公報には、溶接部に超音波振動を与えることによって、疲労強度を向上させる方法に関する従来技術として、アーク溶接直後に溶接アークによって熱せられた溶接シーム部に沿って超音波振動を付与する方法が開示されている。
しかし、この従来技術は、溶接直後の高温状態の溶接ビードに超音波振動を与えることを前提としているため、溶接金属及びその周囲の母材部が高温のため降伏強度が低く、打撃応力の付加によっても溶接止端部に圧縮残留応力は導入されにくく、また、一旦圧縮残留応力が導入されたとしても、その後の室温までの冷却過程で熱収縮によりキャンセルされるため、溶接止端部の圧縮残留応力導入による疲労強度向上効果は十分に得られない。また、超音波振動子で打撃する範囲などの溶接止端部の圧縮残留応力導入のための具体的な条件の開示がないため、この方法を用いても安定して所定レベル以上の疲労強度を向上することは難しい。
他にも、溶接止端部近傍にショットピーニング処理を行うことで圧縮残留応力を付与する方法が知られている。
この方法は、溶接止端部などの疲労き裂発生の起点となる部位の表面に、1mm弱の鋼球を多数打ち付けその内部に圧縮残留応力を付与する手法であるが、重ね溶接継手の疲労き裂発生点は鋼板の重ね合わせ面におけるボンド端部であり、表面には存在してないため、このような方法では鋼板重ね合わせ面に存在するボンド端部への圧縮残留応力の導入の効果は得られなかった。
【0006】
その上、ショットピーニングによる残留応力付与深さは最大で数百μm程度と言われ、板厚が0.5mm以上の金属板では疲労強度向上が得られないこととなる。さらには、この手法では疲労強度の向上代が安定しないという問題があった。
さらに、溶接金属の加熱再溶融により溶接止端部形状の改善あるいは引張残留応力の軽減が可能であることが知られている。しかし、これは重ね隅肉継手のように応力集中部が溶接部材の表面に存在する場合にのみ適用可能であって、本明細の重ね継手には採用できなかった。
以上のように、従来の疲労強度の向上技術を、自動車車体などに数多く採用されている重ね継手に採用することは困難であった。たとえ採用できても疲労強度向上代が安定しない、あるいは低いレベルに留まっていた。
【0007】
【特許文献1】
特開平5−156213号公報
【特許文献2】
特開平10−193164号公報
【特許文献3】
特開平5−329672号公報
【特許文献4】
特開2000−202563号公報
【特許文献5】
USP6171415公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前述のような従来技術の問題点を解決し、2枚の金属板を重ね合わせて中央部を溶接した重ね溶接継手の疲労強度向上方法を提供することにより、金属板を用いた溶接構造物の信頼性を一層向上させることを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は前述の課題を解決するために鋭意検討の結果なされたものであり、2枚の高張力鋼板を重ね合わせて中央部をレーザ溶接した重ね溶接継手の溶接ビード止端部の近傍を超音波振動端子で打撃する疲労強度向上方法およびそれを用いた溶接構造物の製造方法を提供するものであり、その要旨とするところは特許請求の範囲に記載した通りの下記内容である。
(1)板厚がt1、t2の2枚の下記( A )式の炭素当量Ceqが0.35を超える高張力鋼板を重ね合わせて中央部をレーザ溶接した重ね溶接継手の溶接ビード止端部の近傍を超音波振動端子で打撃する疲労強度向上方法であって、前記板厚がt1の高張力鋼板表面において、いずれか一方の溶接止端部を第1の原点、他方の溶接止端部を第2の原点とし、超音波振動端子の直径Dを2〜8mmとし、かつ、該超音波振動端子の中心軸の、第1の原点に対する相対位置をx1、第2の原点に対する相対位置をx2とするとき、前記板厚がt1の高張力鋼板表面における−t1≦x1≦t1を満足する位置と−t1≦x2≦t1を満足する位置の両方の位置を超音波振動端子で打撃する際に、発振機により超音波を発振後、トランスデューサによってその周波数を20〜60k Hz に変換し、さらに、ウェーブガイドにてその振幅を増幅させて、前記超音波振動端子を30〜40μmの振幅で機械的に振動させることによって、打撃部の表面において平滑性を維持しつつ前記高張力鋼板の重ね合わせ面におけるボンド端部近傍に残留圧縮応力を導入することを特徴とする重ね溶接継手の疲労強度向上方法。
Ceq=C+Si/24+Mn/6 ・・・(A)
【0010】
(2) 前記板厚がt2の高張力鋼板表面において、いずれか一方の溶接止端部を第3の原点、他方の溶接止端部を第4の原点とし、超音波振動端子の直径Dを2〜8mmとし、かつ、該超音波振動端子の中心軸の、第3の原点に対する相対位置をy1、第4の原点に対する相対位置をy2とするとき、前記板厚がt2の高張力鋼板表面における−t2≦y1≦t2を満足する位置と−t2≦y2≦t2を満足する位置の両方の位置を超音波振動端子で打撃する際に、発振機により超音波を発振後、トランスデューサによってその周波数を20〜60k Hz に変換し、さらに、ウェーブガイドにてその振幅を増幅させて、前記超音波振動端子を30〜40μmの振幅で機械的に振動させることによって、打撃部の表面において平滑性を維持しつつ前記高張力鋼板の重ね合わせ面におけるボンド端部近傍に残留圧縮応力を導入することを特徴とする(1)に記載の重ね溶接継手の疲労強度向上方法。
【0011】
) 前記2枚の高張力鋼板の板厚がt1、t2で、t1≧t2のとき、ビード幅Wをt2以上とすることを特徴とする(1)または(2)に記載の重ね溶接継手の疲労強度向上方法。
) 前記超音波振動端子で打撃するときの重ね溶接継手の温度が300℃以下であることを特徴とする(1)乃至(3)のいずれかに記載の重ね溶接継手の疲労強度向上方法。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について、図1を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明の重ね溶接継手の疲労強度向上方法における実施形態を示す図である。
図1において、重ね合わされた金属板1および金属板2は、溶接金属3により溶接されており、4は金属板1の表面における一方の溶接止端部(第1の原点)、5は金属板1の表面における他方の溶接止端部(第2の原点)、6は金属板2の表面における一方の溶接止端部(第3の原点)、7は金属板2の表面における他方の溶接止端部(第4の原点)、8は超音波振動端子、9は超音波振動端子の直径D、x1は第1の原点に対する超音波振動端子の中心軸の相対位置、x2は第2の原点に対する超音波振動端子の中心軸の相対位置、y1は第3の原点に対する超音波振動端子の中心軸の相対位置、y2は第4の原点に対する超音波振動端子の中心軸の相対位置を示す。
【0013】
本発明においては、2枚の金属板の板厚をt1、t2とし、板厚がt1の金属板表面において、いずれか一方の溶接止端部を第1の原点、他方の溶接止端部を第2の原点とし、超音波振動端子の直径Dを2〜8mmとし、かつ、該超音波振動端子の中心軸の、第1の原点に対する相対位置をx1、第2の原点に対する相対位置をx2とするとき、
前記板厚がt1の金属板について、−t1≦x1≦t1を満足する位置と−t1≦x2≦t1を満足する位置を超音波振動端子で打撃する。但し、x1は、第1の原点から金属板側の方向を負(−)とし、その反対方向、つまり第1の原点から溶接金属側の方向を正(+)とする。また、x2は、第2の原点から溶接金属側の方向を負(−)とし、その反対方向、つまり第2の原点から金属板側の方向を正(+)とする。
まず、超音波振動端子の直径Dを2〜8mmの範囲内とする。
Dを2mm以上とするのは、Dが2mmより小さいと超音波振動端子の強度が不足するため、打撃の際、端子が座屈する可能性があるからである。
また、Dを8mm以下とするのは、Dが8mmより大きいと、端子の接触面積が大きいため打撃圧力不足となり、十分な圧縮残留応力を付与できできず、十分な疲労強度向上効果が得られなくなるからである。また、打撃対象が薄い金属の場合、超音波振動端子の打撃により、金属板が局部的な変形でなく、マクロな塑性変形を引き起こす可能性があり、形状不良や応力集中増加による疲労強度の低下の原因となり好ましくないるからである。
【0014】
次に、超音波振動端子による打撃位置は、以下の理由で、上記の−t1≦x1≦t1を満足する位置と−t1≦x2≦t1を満足する位置の両方の位置とする。
図2は、本発明における超音波振動端子による打撃位置と疲労限強度の関係を表す図である。
図2は、板厚t1が1.2または0.8mmの金属板1と板厚t2が1.2mmの金属板2とからなる重ね溶接継ぎ手において、金属板1表面における一方の溶接止端部(第1の原点)振動端子の中心軸の相対位置x1を0mmに固定し、他方の溶接止端部(第2の原点)に対する超音波に対する超音波振動端子の中心軸の相対位置x2を変化させて、それぞれの位置を超音波振動端子で打撃した時のx2(mm)を横軸とし、その時の重ね溶接継ぎ手の疲労限強度(kN)を縦軸としてこれらの関係を示した。なお、x2は、第2の原点から溶接金属側の方向を負(−)とし、その反対方向、つまり第2の原点から金属板側の方向を正(+)とした。
図2から、重ね溶接継ぎ手の疲労限強度を向上するための超音波振動端子の最適な打撃位置は、金属板1表面における一方の溶接止端部(第1の原点)に対する超音波振動端子の中心軸の相対位置x1、および、他方の溶接止端部(第2の原点)に対する超音波振動端子の中心軸の相対位置x2と、金属板1の板厚t1との関係で決まり、t1=1.2mmの場合は、−1.2mm≦x2≦1.2mmを満足する位置、t1=0.8mmの場合は、−0.8mm≦x2≦0.8mmを満足する位置をそれぞれ超音波振動端子で打撃することにより、疲労限強度(kN)が著しく向上し、この範囲から外れると疲労強度の改善が殆ど得られない。
ここで、超音波振動端子の最適な打撃位置が金属板1の板厚t1に依存するのは、発明者らの調査結果から超音波振動端子の打撃による荷重や衝撃力の広がりは打撃方向に対し±45度程度方向が限界であるからと考えられる。
なお、上記の超音波振動端子の中心軸の位置x1の第1の原点は、金属板1の一方の表面における両止端のうち打撃端子の中心軸に近い方とし、x2の第2の原点は、金属板1の一方の表面における両止端のうち打撃端子の中心軸に遠い方とする。本発明では、図2を技術的根拠として、上記のように超音波振動端子による打撃位置を−t1≦x1≦t1を満足する位置と−t1≦x2≦t1を満足する位置の両方の位置に規定した。
通常の重ね溶接継ぎ手では、鋼板表裏面の溶接止端部に限らず2枚の金属板の厚み方向の溶接金属と母材とのボンド部の近傍において、溶接時の入熱によって生じる溶接金属と鋼板との熱膨張差に起因して引張残留応力が発生するが、特に、鋼板重ね合わせ面においては、この引張残留応力に加えて切り欠き形状起因の応力集中部となるため、疲労荷重が加わると疲労き裂の発生点となり重ね溶接継手の疲労強度を低下させる最大の原因となる。
本発明では、超音波振動端子による打撃によって、重ね溶接継ぎ手において特に疲労き裂の発生点となりやすい鋼板重ね合わせ面におけるボンド端部近傍に応力を付与することができるため、そのボンド端部近傍の引張残留応力を低減するか、または圧縮残留応力に変えることにより疲労強度を向上させることができる。
疲労き裂の発生点は重ね合わせ面のボンド端部近傍であるから、その部分に応力を付与するためには、そこから最短距離の金属板表面を超音波振動端子で打撃することが望ましく、その観点から打撃位置の原点を重ね合わせ面のボンド端部直上の位置とすべきであるが、そのボンド端部は金属板表面から判別できないので、打撃の中心位置(原点)を金属板表面の溶接止端部とした。なお、通常の重ね溶接継ぎ手において、金属板表面の溶接止端部とボンド端部直上の位置とは非常に近いため実用上の支障はない。
【0015】
本発明では、図1に示される金属板1の表面における両溶接止端部4,5、および、金属板2の表面における両溶接止端部6,7のうちのいずれかを超音波振動端子で打撃することにより、重ね溶接継ぎ手の疲労強度を向上することは可能である。
金属板2の表面における両方の溶接止端部6,7を超音波振動端子で打撃する場合の打撃位置y1,y2も上記と同じ理由で、金属板2の板厚t2との関係で、−t2≦y1≦t2および−t2≦y2≦t2を満足する位置とする。
また、重ね溶接継ぎ手の疲労強度をより向上させるためには、両方の金属板の表面における両溶接止端について、超音波振動端子による打撃処理を実施するのが好ましく、特に、板厚が厚い場合には、その効果は一層大きくなる。
【0016】
なお、本発明における金属板とは、普通鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウム鋼板などを云う。
また、本発明に使用する超音波振動の発生装置は特に問わないが、発振機により超音波を発振後、トランスデューサによってその周波数を20〜60kHzに変換し、さらに、ウェーブガイドにてその振幅を増幅させて、直径2mm〜8mmφのピンからなる超音波振動端子を30〜40μmの振幅で機械的に振動させることによって、打撃部の表面において、平滑性を維持しつつ打撃前の表面に対して深さ数百μm程度の圧痕を形成することができる。
なお、上記超音波振動は、その振動数が20kHz以上であるため、ショットピーニング法などの従来技術に比べて表面平滑性を損なわずに十分な圧縮残留応力を付与でき、かつ溶接ビード表面の形状を改善することができる。
打撃圧力が周波数に依存するため、20kHz以上で周波数の増加とともにこれらの効果は向上するが、超音波の振動数が60kHzを越えると、非常に高い超音波出力装置を必要とするほか、装置コストの面からも実用的でなく好ましくない。
【0017】
前記2枚の金属板は、下記(A)式の炭素当量Ceqが0.35を超える高張力鋼板で顕著な効果が得られる。
Ceq=C+Si/24+Mn/6 ・・・(A)
例えば、自動車においては、車体の軽量化を推進するため上記成分の範囲を満足する高張力鋼板の採用が進みつつある。
上記(A)式のCeq値が0.35を超える高張力金属板では切り欠き感受性が高まるため、重ね溶接継手のように重ね合わせ面におけるボンド端部が応力集中部となる場合は、その継手の疲労限は鋼材強度に依存せず、低強度の一般材とほぼ同レベルになり、高張力鋼板を採用するメリットがなくなってしまう。
本発明の超音波端子による打撃処理方法では、ショットピーニングなどの従来方法では不可能であった鋼板の重ね合わせ面におけるボンド端部近傍への残留圧縮応力の導入が可能となるため、上記(A)式のCeq値が0.35を超える高張力鋼板を適用した重ね溶接継手に対して疲労強度の向上効果は顕著に得られる。
【0018】
なお、本発明における重ね溶接継手に適用できる溶接方法は特に問わず、一般に用いられる、レーザ溶接をはじめ、プラズマ溶接、電子ビーム溶接など、エネルギ密度が高い熱源で、溶け込みの深い重ね溶接継手を作製できる溶接方法に適用可能である。
本発明における重ね溶接継手の溶接ビード幅Wについては、上記重ね溶接継手の疲労強度向上効果を維持しつつ、さらに、静的な引張荷重が働くときの溶接部破断を防止し、十分継手強度を確保するためには、2枚の金属板のうちの薄い金属板の板厚以上とすることが好ましい。つまり、2枚の金属板1,2の板厚t1,t2の関係がt1≧t2のとき、ビード幅Wは、W≧t2の関係を満たすことが好ましい。
また、超音波振動端子で打撃することによって重ね合わせ面におけるボンド端部近傍の所定範囲に圧縮残留応力を導入し、疲労強度の向上効果を安定して得るためには引張強度が重ね溶接継手の温度は300℃以下とすることが好ましい。
重ね溶接継手の温度が300℃以上では、超音波振動端子による打撃時に、溶接金属および金属板の降伏応力が低くなっているため、残留応力が打撃時の外力によって降伏に至り、再分配されてしまい、さらに打撃処理後に室温までの温度低下過程で熱収縮により新たに引張残留応力が発生する可能性が高くなる。
また、重ね溶接継手の温度が−10℃以下では、低温のため継手の靭性が劣化するため、−10℃以上で打撃処理を行うことがより好ましい。
本発明方法を適用した重ね溶接継手を用いて、自動車、自動二輪の部品などの溶接構造物を製造することによって、疲労強度が高く、長寿命の信頼性の高い溶接構造物を製造することができる。
【0019】
【実施例】
以下に本発明の実施例を用いてその効果を説明する。
表1に示す板厚、引張強度の鋼板2枚を重ね合わせ、重ねた中央部をレーザによって溶接した後、本発明の超音波振動端子による打撃処理を行った。継手サイズは40mm(幅)×250mm(長さ)で、重ね代40mmとした。
上側の鋼板1は板厚t1が1.2mmで鋼材強度が805MPaのものと、板厚t1が0.8mmで鋼材強度が603MPaのものを用い、下側の鋼板2は板厚t2が2.0mmで鋼材強度が598MPaのものと、板厚t2が1.2mmで鋼材強度が805MPaのものを用いた。
レーザ溶接にはYAGレーザを用い、加工点出力を3.5kW、溶接速度を4.0m/min、焦点のビーム直径を0.45mmとした。シールド法はセンターシールドで、シールドガスに窒素を用いた。ビームの焦点位置は上側鋼板1の表面とした。このときビード幅Wは1.8mmであった。
超音波振動装置は、電源1kW、周波数25kHz、超音波振動端子の直径Dは3.0mm、振幅は30〜40μm、打撃処理速度は50cm/minとした。
【0020】
超音波振動端子による打撃処理を行った後の疲労特性を測定し、その測定値を打撃処理を施す前の測定値と比較し、疲労限の強度が10%以上向上したものを「OK」(良好)、それ以下のものを「NG」(不良)としている。
なお疲労試験条件は、荷重比(最小荷重/最大荷重)=0.05、繰返し速度=10Hzの片振り引張とした。
表1のNo.1〜4が本発明例である。No.1、4はそれぞれ板厚t1が1.2mm、0.8mmの上側鋼板1における両溶接止端部(x1=x2=0)に打撃処理を行った場合であり、No.2は上側鋼板1の板厚t1が1.2mm、下側鋼板2の板厚t2が2.0mmの上下両方の鋼板1,2における両溶接止端部(x1=x2=y1=y2=0)に打撃処理した場合であり、No.3は板厚t2が2.0mmの下側鋼板2における両溶接止端部(y1=y2=0)に打撃処理を行った場合である。いずれも超音波振動端子の直径Dおよび超音波振動端子の打撃位置x1、x2および/またはy1、y2が本発明で規定した範囲内であるため、良好な疲労特性を得ることができた。
一方、表1のNo.5〜14は、超音波振動端子の直径D、超音波振動端子の打撃位置x1、x2および/またはy1、y2の何れかが本発明で規定した範囲から外れるか、全く打撃処理をしない溶接ままの場合の比較例である。
No.5およびNo.6は板厚t1が1.2mmの上側鋼板1の溶接止端部からx1=−1.5mm離れた位置と溶接止端部(x2=0)、溶接止端部(x1=0)と溶接止端部からx2=+1.5mm離れた位置に直径Dが3mmの超音波振動端子で打撃処理を行ったが、いずれか一方の溶接止端部に対する打撃相対位置(x1=−1.5、x2=+1.5)が本発明範囲から外れており、疲労強度評価はどちらも不良であった。
No.7およびNo.8は板厚t2が2.0mmの下側鋼板2の溶接止端部からy1=−2.5mm離れた位置と溶接止端部(y2=0)、溶接止端部(y1=0)と溶接止端部からy2=+2.5mm離れた位置に直径Dが3mmの超音波振動端子で打撃処理を行ったが、いずれか一方の溶接止端部からの打撃位置が本発明範囲から外れており、疲労強度評価はどちらも不良であった。
No.9は板厚t1が1.2mmの上側鋼板1の両溶接止端部からそれぞれx1=−1.5mm、x2=+1.5mm離れた位置、板厚t2が2.0mmの下側鋼板2の両溶接止端部からそれぞれy1=−2.5mm、y2=+2.5mm離れた位置に直径Dが3mmの超音波振動端子で打撃処理した場合であるが、全溶接止端部からの打撃位置が本発明範囲から外れており、疲労強度評価は不良であった。
No.10およびNo.13は超音波振動端子による全く打撃処理を施さなかった場合であり、疲労強度評価は不良であった。
No.11およびNo.12は板厚t1が0.8mmの上側鋼板1の溶接止端部からx1=−1.0mm離れた位置と溶接止端部(x2=0)、溶接止端部(x1=0)と溶接止端部からx2=+1.0mm離れた位置に直径Dが5mmの超音波振動端子で打撃処理を行ったが、いずれか一方の溶接止端部に対する打撃相対位置(x1=−1.5、x2=+1.5)が本発明範囲から外れており、疲労強度評価はどちらも不良であった。
No.14は板厚t1が0.8mmの上側鋼板1の両溶接止端部(x1=0、x2=0)に直径Dが10mmの超音波振動端子で打撃処理を行ったが、超音波振動端子の直径Dが本発明範囲から外れており、疲労強度評価はどちらも不良であった。
【表1】
Figure 0003820208
【0021】
【発明の効果】
本発明によれば、2枚の金属板を重ね合わせて中央部を溶接した重ね溶接継手の重ね合わせ面におけるボンド端部近傍の特定位置を超音波振動端子で打撃することにより、従来と比較し良好な疲労強度を得ることができる重ね溶接継手の疲労強度向上方法を提供することにより、金属板を用いた溶接構造物の信頼性を一層向上させることができ、産業上有用な著しい効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の重ね溶接継手において超音波振動端子による打撃範囲を示す模式図である。
【図2】本発明における超音波振動端子による打撃位置と疲労限強度の関係を表す図面である。
【符号の説明】
1:金属板(上側)、
2:金属板(下側)、
3:溶接金属、
4:溶接止端部(超音波振動端子に近い側)、
5:溶接止端部(超音波振動端子から遠い側)、
6:溶接止端部(超音波振動端子に近い側)、
7:溶接止端部(超音波振動端子から遠い側)、
8:超音波振動端子、
9:超音波振動端子の直径D

Claims (4)

  1. 板厚がt1、t2の2枚の下記( A )式の炭素当量Ceqが0.35を超える高張力鋼板を重ね合わせて中央部をレーザ溶接した重ね溶接継手の溶接止端部の近傍を超音波振動端子で打撃する疲労強度向上方法であって、
    前記板厚がt1の高張力鋼板表面において、いずれか一方の溶接止端部を第1の原点、他方の溶接止端部を第2の原点とし、
    超音波振動端子の直径Dを2〜8mmとし、かつ、該超音波振動端子の中心軸の、第1の原点に対する相対位置をx1、第2の原点に対する相対位置をx2とするとき、
    前記板厚がt1の高張力鋼板表面における−t1≦x1≦t1を満足する位置と−t1≦x2≦t1を満足する位置の両方の位置を超音波振動端子で打撃する際に、発振機により超音波を発振後、トランスデューサによってその周波数を20〜60k Hz に変換し、さらに、ウェーブガイドにてその振幅を増幅させて、前記超音波振動端子を30〜40μmの振幅で機械的に振動させることによって、打撃部の表面において平滑性を維持しつつ前記高張力鋼板の重ね合わせ面におけるボンド端部近傍に残留圧縮応力を導入することを特徴とする重ね溶接継手の疲労強度向上方法。
    Ceq=C+Si/24+Mn/6 ・・・( A
  2. 前記板厚がt2の高張力鋼板表面において、いずれか一方の溶接止端部を第3の原点、他方の溶接止端部を第4の原点とし、
    超音波振動端子の直径Dを2〜8mmとし、かつ、該超音波振動端子の中心軸の、第3の原点に対する相対位置をy1、第4の原点に対する相対位置をy2とするとき、
    前記板厚がt2の高張力鋼板表面における−t2≦y1≦t2を満足する位置と−t2≦y2≦t2を満足する位置の両方の位置を超音波振動端子で打撃する際に、発振機により超音波を発振後、トランスデューサによってその周波数を20〜60k Hz に変換し、さらに、ウェーブガイドにてその振幅を増幅させて、前記超音波振動端子を30〜40μmの振幅で機械的に振動させることによって、打撃部の表面において平滑性を維持しつつ前記高張力鋼板の重ね合わせ面におけるボンド端部近傍に残留圧縮応力を導入することを特徴とする請求項1に記載の重ね溶接継手の疲労強度向上方法。
  3. 前記2枚の高張力鋼板の板厚がt1、t2で、t1≧t2のとき、溶接ビード幅Wをt2以上とすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の重ね溶接継手の疲労強度向上方法。
  4. 前記超音波振動端子で打撃するときの重ね溶接継手の温度が300℃以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の重ね溶接継手の疲労強度向上方法。
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