JP2006169421A - 多孔質フィルム用填剤及び該填剤を配合してなる多孔質フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】樹脂との混合が容易で、樹脂中での分散性が良好で、例えば、アルカリ電池などの電極間の隔膜(セパレータ)として有用である。
【解決手段】無機粒子が、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、脂環族カルボン酸、芳香族スルフォン酸、樹脂酸、それらの塩、それらのエステル、アルコール系界面活性剤、ソルビタン脂肪酸エステル類、アミド系界面活性剤、アミン系界面活性剤、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、アルファオレフィンスルフォン酸ナトリウム、長鎖アルキルアミノ酸、アミンオキサイド、アルキルアミン、第四級アンモニウム塩から選ばれる少なくとも1種の界面活性剤(A)と、縮合リン酸、その塩、多価カルボン酸、その塩から選ばれる少なくとも1種の、アルカリ土類金属に対してキレート能を有する化合物(B)とで表面処理された無機粒子からなることを特徴とする多孔質フィルム用填剤である。
【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂との混合が容易で樹脂中での分散性も良好、かつ不純物や粗大粒子が少ない表面処理無機粒子からなる多孔質フィルム用填剤、及び該填剤を配合してなる多孔質フィルムに関する。更に詳しくは、例えば樹脂や他の添加剤との予備混合時の作業性が良好で、溶融混練時の樹脂の分子鎖の切断(分子劣化)が殆どない上に良好な吐出性を有し、かつ粒子同士や他の添加剤、樹脂との再凝集を起こしにくく、更に不純物や粗大粒子を殆ど有しないことから、例えば強度劣化を起こしにくい多孔質フィルムが得られ、また粒径操作が可能であることとフィルム中に極めて均一に分散させることが可能であることから、空隙径の分布幅を均一に制御した多孔質フィルムが得られるなど、多孔質フィルムに優れた性能を付与する填剤及び該填剤を配合してなる多孔質フィルムに関する。
合成樹脂からなる多孔質フィルムは、合成紙、衛生材料、医療用材料、建築用材料、農業用透気性シート、各種電池のセパレータ等の多種多様な用途で使用されており、いずれの用途においても更なる改良と発展が求められている。
例えば、携帯電話やノートパソコン等のモバイル機器に使用されているリチウム二次電池は、他の電池よりも容積や重量に対して高エネルギー密度を有していることから、1990年代初頭に実用化されて以来、高い生産量と使用量の伸び率を示している。
そして、各種モバイル機器の更なる性能向上に伴い、それらの主電源たるリチウム二次電池にも更なる性能向上が求められ、正負の両電極と同様、セパレータにも性能向上が求められている。
リチウム二次電池は、正負の両極とそのリード線、両極間で短絡を防止しつつ充放電時にリチウムイオンの行き来が可能な貫通孔を有する多孔質フィルムセパレータ、リチウムイオンの移動媒体としてセパレータに含浸させた有機溶媒(電解液)、及び電解液の漏出防止目的でパッケージした金属容器からなる。
高容量の電池を得るには、両極の面積が広く、かつ両極中のイオンの移動がしやすいものほど好ましい。通常のリチウム電池は薄膜状の正極・セパレータ・負極を積層捲回することにより、広い有効電極面積を確保している。
セパレータはその本来の目的である両極の絶縁性に加えて、イオンが透過しやすいほど内部抵抗が低下し電池としての性能が向上する点から、より薄く、高空孔率、高通気性を有することが望まれる。
しかし、セパレータの機能である絶縁性と内部抵抗の低減は相反するものであり、単純に薄くすれば良いものでなく、更に寸法安定性、電解液に対する耐腐食性、捲回時の作業性、価格等にも考慮すべきである。加えて昨今のセパレータには、その安全性確保の概念から、誤接続等により異常電流が発生すると電池内の温度が上昇し、樹脂が溶融して孔を塞いで電池反応を停止させるシャットダウン機能が必要である。
以上の要求に対して、選択可能な樹脂やフィルムの膜厚等は、用途毎に制限されているのが実情である。
これまで、リチウム二次電池用セパレータとして、おむつやベッドカバー等の衛生用品や手袋等の衣料の素材として使用されている多孔性フィルムが使用されている。
しかし、要請される要求により適した多孔質フィルムの研究開発が進められており、例えば平均粒径0.01〜10μmの樹脂粒子とβ核剤をポリプロピレンに配合してポリプロピレン組成物をフィルムに加工し、これをロール延伸して多孔性フィルムを得る方法が提案されている。(特許文献1参照)
更に、電池の内部抵抗について多孔性フィルムの空孔の大きさに着目し、熱可塑性樹脂に平均粒径が1μm以下の無機粒子を特定量配合して一次フィルムを作成し、次いで該一次フィルムを特定条件で延伸することによって多孔質フィルムの空孔の大きさを制御し、低い内部抵抗を具備したセパレータ用フィルムの提案がなされている。(特許文献2参照)
特開平9−176352号報 特開2002−201298号報
しかし、従来の多孔質フィルムでは、ますます進展する大容量・高出力化のみならず、今後、期待される大型電池や自動車用バッテリー用途には能力不足であり、更なる改良が求められている。
例えば、先に挙げた特許文献1の方法では、得られた多孔質フィルムをセパレータとして使用したリチウム電池は、理由は定かでないが電池の内部抵抗が高くなり、正・負両極の改良によって得られた出力が浪費されてしまい、セパレータフィルムとして満足できるものではなかった。
また、特許文献2の方法で多孔質フィルムを製造すると、使用する粒子の粒度の不均一が原因と思われる絶縁不良を示す部位が多く、それらの検査や除去、ならびに回収率の点からコストアップを招き、更に得られた電池の内部抵抗も高く好ましくない。
空孔を有するフィルムを作成する現在の方法は、大別すると無機粒子を配合し一軸ないし二軸に延伸して粒子と樹脂間にボイドと呼ばれる空隙を生成させる方法と、酸・アルカリ等によって粒子自体を溶解する方法が挙げられる。いずれの方法においてもフィルム中に形成される空隙ないし空孔の大きさにバラツキが少なく、かつ、空隙のフィルム面内における分布が一様な多孔質フィルムとする必要がある。このためには、フィルム用樹脂組成物中での無機粒子の均一な分散が求められ、更に粒子自体にも不純物が少なく、両電極間の短絡を誘発するような粗大粒子のない粒度分布のシャープなものが求められる。
また、現在のリチウムイオン電池は既述の如く、シャットダウン機能が必要であることから、融点の低いポリオレフィン系樹脂が使用されており、それらへの配合が安価かつ安易に可能で良好であることが求められる。
本発明は上述の状況に鑑みてなされたもので、多孔質フィルム基材となる樹脂との混合が容易で、該樹脂中での分散性が良好で不純物や粗大粒子が少ない表面処理無機粒子からなる多孔質フィルム用填剤と該填剤を配合してなる多孔質フィルムを提供するもので、例えば樹脂や他の添加剤との予備混合時の作業性が良好で、溶融混練時の樹脂の分子鎖の切断(分子劣化)が殆どない上に良好な吐出性を有し、かつ粒子同士や他の添加剤等との再凝集を起こしにくく、更に不純物や粗大粒子が殆どないことから、例えば強度劣化を起こしにくい多孔質フィルムが得られ、また粒径操作が可能であることとフィルム中に極めて均一に分散させることが可能であることから、空隙径の分布幅を均一に制御した多孔質フィルムが得られるなど、多孔質フィルムに優れた性能を付与する填剤及び該填剤を配合してなる多孔質フィルムを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題の解決のため鋭意検討した結果、不純物や粗大粒子が極めて少なく、粒度分布がシャープな無機粒子に、界面活性剤と、アルカリ土類金属に対してキレート能を有する化合物とを表面処理剤として併用することにより、樹脂に対して極めて分散性の優れた表面処理無機粒子が得られること、及び得られた表面処理無機粒子の樹脂への配合が容易で、かつ再凝集などを起こさず良好に分散できること、更に該表面処理無機粒子を配合した多孔質フィルム用樹脂組成物が、例えば一軸ないし二軸に延伸したフィルムに使用された場合に良好なボイドを生成し、例えばリチウム二次電池のセパレータとして有用である等、上記課題が解決されることを見いだし本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の請求項1は、無機粒子が、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、脂環族カルボン酸、芳香族スルフォン酸、樹脂酸、それらの塩、それらのエステル、アルコール系界面活性剤、ソルビタン脂肪酸エステル類、アミド系界面活性剤、アミン系界面活性剤、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、アルファオレフィンスルフォン酸ナトリウム、長鎖アルキルアミノ酸、アミンオキサイド、アルキルアミン、第四級アンモニウム塩から選ばれる少なくとも1種の界面活性剤(A)と、縮合リン酸、その塩、多価カルボン酸、その塩から選ばれる少なくとも1種の、アルカリ土類金属に対してキレート能を有する化合物(B)とで表面処理された無機粒子からなることを特徴とする多孔質フィルム用填剤である。
本発明の請求項2は、無機粒子が炭酸カルシウム又は硫酸バリウムであることを特徴とする請求項1記載の多孔質フィルム用填剤である。
本発明の請求項3は、界面活性剤(A)が脂肪酸塩であることを特徴とする請求項1記載の多孔質フィルム用填剤である。
本発明の請求項4は、界面活性剤(A)が、C数16以上の直鎖脂肪酸塩を50〜90重量%、C数10〜14の直鎖脂肪酸塩を1〜50重量%含む組成を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の多孔質フィルム用填剤である。
本発明の請求項5は、アルカリ土類金属に対してキレート能を有する化合物(B)の縮合リン酸が、環状縮合リン酸又はメタリン酸であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の多孔質フィルム用填剤である。
本発明の請求項6は、無機粒子に対し、界面活性剤(A)が0.1〜15重量%、アルカリ土類金属に対してキレート能を有する化合物(B)が0.05〜5重量%であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の多孔質フィルム用填剤である。
本発明の請求項7は、下記の(1)から(4)の粒度特性を満足することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の多孔質フィルム用填剤である。
(1) 0.3≦D50≦1.5 [μm]
(2) 0.02 ≦Dx≦0.6 [μm]
(3) Da≦5 [μm]
(4) 3≦Sw≦40 [m2/g]
ただし
50 : Leeds & Northrup社製Microtrac(マイクロトラック)FRA で測定した篩上積算 平均粒子径 [μm]
Dx : 走査型電子顕微鏡を用い倍率20,000倍の観測を行い、任意に100 個の粒子を選 択し、最大と最小のものから各々20個除いた残りの平均粒子径 [μm]
Da : Leeds & Northrup社製Microtrac(マイクロトラック) FRAで測定した時に示す 最大粒子径 [μm]
Sw : 窒素吸着法によるBET式比表面積 [m2 /g]
本発明の請求項8は、樹脂に配合されることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の多孔質フィルム用填剤である。
本発明の請求項9は、樹脂がポリオレフィン系樹脂であることを特徴とする請求項8記載の多孔質フィルム用填剤である。
本発明の請求項10は、請求項1〜9のいずれか1項記載の多孔質フィルム用填剤を含有してなることを特徴とする多孔質フィルムである。
本発明の請求項11は、電池の電極間の隔膜用であることを特徴とする請求項10記載の多孔質フィルムである。
本発明の請求項12は、電池がリチウム二次電池であることを特徴とする請求項11記載の多孔質フィルムである。
本発明の多孔質フィルム用填剤は、樹脂との混合が容易で、且つ樹脂中での分散性が良好であり、例えば電池の電極間のセパレーターとして有用な多孔質フィルムを提供することができる。また、本発明の多孔質フィルム用填剤は、樹脂との混合が速やかに行える他に、例えばミキサーの内壁面や攪拌・混合用の羽根への付着が少なく、ミキサー内部での付着が誘引する変質樹脂や凝集物の発生も少なくなり、混合の作業性及び後工程での混練押出機でのストレーナーの目詰まり等の発生も少ない等の特徴を有する。
本発明に用いられる界面活性剤(A)としては、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、脂環族カルボン酸、芳香族スルフォン酸、樹脂酸、それらの塩、それらのエステルや、アルコール系界面活性剤、ソルビタン脂肪酸エステル類、アミド系界面活性剤やアミン系界面活性剤、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、アルファオレフィンスルフォン酸ナトリウム、長鎖アルキルアミノ酸、アミンオキサイド、アルキルアミン、第四級アンモニウム塩等が例示され、これらは単独で又は必要に応じ2種以上組み合わせて用いられる。
飽和脂肪酸としては、カプリン酸・ラウリン酸・ミリスチン酸・パルミチン酸・ステアリン酸等が挙げられ、不飽和脂肪酸としては、オレイン酸・リノール酸・リノレン酸等が挙げられ、脂環族カルボン酸としては、シクロペンタン環やシクロヘキサン環の末端にカルボキシル基を持つナフテン酸等が挙げられ、芳香族スルフォン酸としては、直鎖アルキルベンゼンスルフォン酸・分岐アルキルベンゼンスルフォン酸・ドデシルベンゼンスルフォン酸等が挙げられ、樹脂酸としてアビエチン酸・ピマル酸・ネオアビエチン酸等が挙げられる。
アルコール系界面活性剤としては、アルキル硫酸エステルナトリウム・アルキルエーテル硫酸エステルナトリウム等が挙げられ、ソルビタン脂肪酸エステル類としては、ソルビタンモノラウレートやポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート等が挙げられ、アミド系やアミン系界面活性剤としては、脂肪酸アルカノールアミド、アルキルアミンオキシド等が挙げられ、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル類としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル等が挙げられ、長鎖アルキルアミノ酸としては、ラウリルベタイン、ステアリルベタイン等が挙げられる。
アミンオキサイドとしては、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、アルキルアミンオキサイド等が挙げられ、アルキルアミンとしては、ステアリルアミンアセテート等が挙げられ、第四級アンモニウム塩としては、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライドや第四級アンモニウムサルフェート等が挙げられる。
上記の各種酸の塩としては、例えば、カリウム、ナトリウム等のアルカリ金属塩が挙げられ、具体的にはラウリン酸カリウム、ミリスチン酸カリウム、パルミチン酸カリウム、パルミチン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸ナトリウム等の飽和脂肪酸塩、オレイン酸カリウム、オレイン酸ナトリウム等の不飽和脂肪酸塩、ナフテン酸鉛、シクロヘキシル酪酸鉛等の脂環族カルボン酸塩、直鎖アルキルベンゼンスルフォン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム等の芳香族スルフォン酸塩、アビエチン酸カリウムやナトリウムが挙げられる。
また、上記の各種酸のエステルとしては、例えば、カプロン酸エチル、カプロン酸ビニル、アジピン酸ジイソプロピル、カプリル酸エチル、カプリン酸アリル、カプリン酸エチル、カプリン酸ビニル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジイソプロピル、イソオクタン酸セチル、ジメチルオクタン酸オクチルドデシル、ラウリン酸メチル、ラウリン酸ブチル、ラウリン酸ラウリル、ミリスチン酸メチル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸セチル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸イソセチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸イソトリデシル、パルミチン酸メチル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸オクチル、パルミチン酸セチル、パルミチン酸イソステアリル、ステアリン酸メチル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸ステアリル、ステアリン酸コレステリル、イソステアリン酸イソセチル、ベヘニン酸メチル、ベヘニン酸ベヘニル等の飽和脂肪酸エステル、オレイン酸メチル、リノール酸エチル、リノール酸イソプロピル、オリーブオレイン酸エチル、エルカ酸メチル等の不飽和脂肪酸エステルが挙げられ、他に長鎖脂肪酸高級アルコールエステル、ネオペンチルポリオール( 長鎖・中鎖を含む) 脂肪酸系エステルおよび部分エステル化合物、ジペンタエリスリトール長鎖脂肪酸エステル、コンプレックス中鎖脂肪酸エステル、12- ステアロイルステアリン酸イソセチル、12- ステアロイルステアリン酸イソステアリル、12- ステアロイルステアリン酸ステアリル、牛脂脂肪酸オクチルエステル、多価アルコール脂肪酸アルキルグリセリルエーテルの脂肪酸エステル等の耐熱性特殊脂肪酸エステル、安息香酸エステル系に代表される芳香族エステルが挙げられる。
上記界面活性剤は単独で又は必要に応じ2種以上組み合わせて用いられる。
上述の界面活性剤の中でも飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、脂環族カルボン酸、芳香族スルフォン酸、樹脂酸の各塩で表面処理された無機粒子は、樹脂に配合された際に樹脂の絶縁性や耐熱性等を阻害することなく分散性も良好で好ましく、とりわけ脂肪酸のアルカリ金属塩の混合物が更に好ましい。
飽和脂肪酸のアルカリ金属塩については、その組成がパルミチン酸・ステアリン酸・アラキジン酸・ベヘン酸等のC数16以上の直鎖脂肪酸のアルカリ金属塩が50〜90重量%、カプリン酸・ラウリン酸・ミリスチン酸等のC数10〜14の直鎖脂肪酸のアルカリ金属塩が1〜50重量%の割合で存在することが好ましい。C数16以上の直鎖脂肪酸のアルカリ金属塩については、ステアリン酸・オレイン酸等のC数18以上の直鎖脂肪酸のアルカリ金属塩、特にカリウム塩が好ましい。C数10〜14の直鎖脂肪酸のアルカリ金属塩については、分散性の点でC数12のラウリン酸が好ましい。
直鎖脂肪酸のアルカリ金属塩の組成中のC数16以上の直鎖脂肪酸の含有量が50重量%未満では、50重量%以上のものに比べて、理由は定かでないが無機粒子の樹脂中での分散性が若干悪くなり、90重量%を越えると、90重量%以下のものに比べて、樹脂と粒子の間で生成する空隙(ボイド)が小さすぎる傾向があり好ましくない。また、脂肪酸組成中のC数10〜14の直鎖脂肪酸の含有量が1重量%未満では、1重量%以上のものに比べて添加効果が不十分で好ましくなく、反対に50重量%を越えると50重量%以下のものよりも樹脂との親和性が損なわれ、白化現象や成形後の樹脂表面へのブリード等の問題を起こしやすくなる傾向があるので好ましくない。
上述の直鎖脂肪酸のアルカリ金属塩を界面活性剤(A)として用いる場合、各々の組成の脂肪酸を選択・混合して調整することが好ましいが、本発明の効能を阻害しない範囲で、同等の組成の市販の石鹸等を使用してもよい。
界面活性剤(A)の使用量は無機粒子の比表面積に応じて変わり、一般的に比表面積が大なものほど使用量は大きくなる。
しかし、多孔質フィルムの基材となる樹脂のMI値等の諸物性や、コンパウンド時に添加する活剤をはじめとする諸条件によって変動するので一概には規定しにくいが、通常、無機粒子に対して0.1 重量%以上15重量%である。
使用量が0.1 重量%未満では充分な分散効果が得られず、一方、15重量%を越えると、多孔質フィルム表面へのブリード、多孔質フィルムの強度の低下等が問題となってくる。
なお、本発明における界面活性剤(A)の使用量は、表面処理される無機粒子の比表面積Swxに比例し、下記式(1)で表される量を中心に±20%以内の範囲で使用すれば、本発明の効果を発現する上でより良好であることが判明している。
〔界面活性剤(A)の無機粒子に対する使用量(%)〕
=1/3×〔表面処理前の無機粒子のBET比表面積Swx〕 (1)
本発明に用いられる、アルカリ土類金属に対してキレート能を有する化合物(B)としては、例えばエチレンジアミン四酢酸やニトリロ三酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、トリエチレンテトラアミン六酢酸等に代表されるアミノカルボン酸系キレート剤、ヒドロキシエチリデン二亜リン酸、ニトリロトリスメチレンホスホン酸等のホスホン酸系キレート剤や、ポリ塩化アルミ等のアルミニウム化合物からなる水処理剤、ポリアクリル酸、クエン酸等の多価カルボン酸やその塩、ポリアクリル酸のマレイン酸やイタコン酸の共重合物の塩、あるいは、ポリリン酸、縮合リン酸に代表されるリン酸類やその塩類が例示される。
多価カルボン酸の塩としては、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸アンモニウム等、共重合物の塩としてはアクリル酸・マレイン酸の共重合物(重合比 100:80等)のアンモニウム塩、アクリル酸・メタクリル酸の共重合物(重合比 100:80等)のアンモニウム塩等、リン酸類の塩としてはヘキサメタリン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム等が挙げられ、これらは単独、又は必要に応じ2種以上組み合わせて用いられる。
本発明においては、これらアルカリ土類金属に対してキレート能を有する化合物(B)において、リチウム二次電池の如き高度な絶縁性が要求される場合、ポリリン酸、縮合リン酸、及び多価カルボン酸、またはこれらの塩が好ましく、中でも縮合リン酸の環状縮合リン酸又はメタリン酸が好ましい。
アルカリ土類金属に対してキレート能を有する化合物(B)の使用量は、界面活性剤(A)で述べた如く無機粒子の比表面積や用いる樹脂、コンパウンド条件等に応じて変わるので一概には規定しにくいが、通常、無機粒子に対して0.05重量%以上5重量%以下が好ましい。
使用量が0.05重量%未満では充分な分散効果が得られず、一方、5重量%を越えて添加しても効果の更なる向上が認められず好ましくない。
なお、アルカリ土類金属に対してキレート能を有する化合物(B)の使用量は、表面処理される無機粒子の比表面積Swxに比例し、下記式(2)で表される量を中心に±20%以内の範囲で使用すれば、本発明の効果を発現する上でより良好であることが判明している。
〔化合物(B)の無機粒子に対する使用量(%)〕
=1/9×〔表面処理前の無機粒子のBET比表面積Swx〕 (2)
本発明に用いられる無機粒子は、一般に水不溶性のものなら特に制限はないが、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、塩基性炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、ヒドロキシタルサイト、ヒドロキシアパタイト、タルク、クレー等のように主成分、副成分あるいは不純物としてアルカリ土類金属を含有するものが好適で、特に、炭酸カルシウム、塩基性炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、ヒドロキシタルサイト、ヒドロキシアパタイトが好適である。
中でも硫酸バリウムと炭酸カルシウムが安全かつ安価に入手しやすく、さらに粒径操作が比較的に容易であり、粒子中に含まれる不純物も少ない上に除去も容易であるため好ましく、特に炭酸カルシウムは製造においても工程全体が安全で、原料自体も国内で良質な石灰石を豊富に産出するのでより好ましい。
炭酸カルシウムは、一般に石灰石を機械的に粉砕し、該粉砕物を分級して各種グレードに調整する重質炭酸カルシウムと、石灰石を高温で焼成して得られる生石灰と水を反応させて石灰乳を調整し、その石灰乳に石灰石焼成時に発生する炭酸ガスを導通させて炭酸カルシウムを合成する炭酸ガス化合法、石灰乳に炭酸ソーダを反応させる石灰−炭酸ソーダ法、塩化カルシウムに炭酸ソーダを反応させる塩化カルシウム−炭酸ソーダ法等の化学的方法によって調整する沈降製炭酸カルシウム(合成炭酸カルシウム)の2種に大別される。
本発明の条件を満たす表面処理炭酸カルシウムであれば、その製造方法による物性の差はないが、重質炭酸カルシウムは、その製法上の理由から、原料である石灰石が炭酸カルシウム以外の様々な元素からなる不純物を含有している為、例えば、その様な不純物を嫌う純度の高い炭酸カルシウムが必要とされる電池用セパレータ用途には好ましくない。更に粒度分布が総体的にブロードであり、一定以上の微細度を有する炭酸カルシウムは現在の粉砕・分級技術では製造できない点からも好ましくない。
石灰乳に炭酸ソーダを反応させる石灰−炭酸ソーダ法、塩化カルシウムに炭酸ソーダを反応させるソーダ法等は、得られる沈降性炭酸カルシウムの粒度がシャープで粒径操作が容易であること、含有する不純物が極めて少ないことから、電池用セパレータ用途に極めて有利である。
しかし、重質炭酸カルシウムや炭酸ガス化合法で作成する沈降製炭酸カルシウムの原料が石灰石および焼成に用いるコークス・軽油等だけであるのに対して、炭酸ソーダを用いる方法は、通常、原料である炭酸ソーダや塩化カルシウムを得るために石灰石と塩等を出発材料原料として工業的に生産しており、それを再び炭酸カルシウムに戻すことは、原料の入手においてコスト的に有利な条件が整った場合においても、昨今、注目されている環境への負荷の点で好ましくない。
また、対イオンの除去が必要となるため、反応後の粒子の洗浄に大量の水を要する点でもコストと環境への負荷の点で好ましくない。
石灰石を焼成し、得られた生石灰を水に溶かして得られる石灰乳と、焼成時に得られた炭酸ガスを反応させて得られる沈降製炭酸カルシウムは、得られる粒子が微細で一次粒子の粒径・形状も均一で含有する不純物も少なく、反応時の条件や反応後の工程によって粒度調整、粗大粒子除去も可能であり、得られる粒子の物性に対する経済性や環境への負荷の点でも優れており、例えば、電池セパレータ用途フィルムに用いる場合に好適である。
なお、電池セパレータ用途に用いる場合、原料である石灰石は不純物に留意して選択することが好ましく、焼成時の燃料は一般にコークスや軽油が使用されているが、コスト的に許される限り、不純物の観点から焼成は軽油で行うことがより好ましい。
また、反応で得られた炭酸カルシウム粒子は、それが水スラリー形態の時点で不純物および粗大粒子除去の目的から、デカンテーションといった重力や遠心力、浮力選鉱等を利用した分級、ならびに篩・フィルター等での除去を施すことが好ましい。
また、乾燥・解砕後に得られた炭酸カルシウムまたは表面処理炭酸カルシウム粉体に対しても、空気分級等の分級操作を行い、乾燥によって生じた凝集体を除去することが好ましい。
得られた炭酸カルシウム粒子に対する既述の界面活性剤(A)およびアルカリ土類金属に対してキレート能を有する化合物(B)を用いた表面処理方法は、例えばスーパーミキサーやヘンシェルミキサーと言ったミキサーを用い、粉体に直接表面処理剤を混合し、必要に応じて加熱して表面処理する一般に乾式処理と呼ばれる方法でも、また例えば界面活性剤(A)およびアルカリ土類金属に対してキレート能を有する化合物(B)を水または湯に溶解し、攪拌している炭酸カルシウムの水スラリーに添加して表面処理後、脱水、乾燥する一般に湿式処理と呼ばれる方法でも、また、その両者の複合方法でもよいが、炭酸カルシウム粒子表面への処理の度合いと経済的な観点から、主として湿式法単独が好ましく用いられる。
本発明における表面処理無機粒子は、下記の(1)から(4)の粒度特性を有することが好ましい。
(1) 0.3≦D50≦1.5 [μm]
(2) 0.02 ≦Dx≦0.6 [μm]
(3) Da≦5 [μm]
(4) 3≦Sw≦40 [m2/g]
ただし
50 : Leeds & Northrup社製Microtrac(マイクロトラック)FRA で測定した篩上積算 平均粒子径 [μm]
Dx : 走査型電子顕微鏡を用い倍率20,000倍の観測を行い、任意に100 個の粒子を選 択し、最大と最小のものから各々20個除いた残りの平均粒子径〔μm]
Da : Leeds & Northrup社製Microtrac(マイクロトラック) FRAで測定した時に示す 最大粒子径 [μm]
Sw : 窒素吸着法によるBET式比表面積 [m2 /g]
本発明における表面処理された無機粒子は、Leeds & Northrup社製マイクロトラックFRAで測定した平均粒径D50が0.3 ≦D50≦1.5[μm] の範囲内にあることが好ましく、0.3 ≦D50≦1.0[μm] であることがより好ましい。
平均粒径D50を0.3 μm未満にすることは技術上可能であるがコストの点で好ましくなく、D50が1.5 μmを越えると、一次粒子の凝集体で構成する二次粒子の凝集力が強く、樹脂中でも二次粒子のままで存在するため、例えば、電池セパレータ用フィルムには適さないので好ましくない。
本発明における表面処理された無機粒子の電子顕微鏡視野から測定される粒子径Dxは0.02≦Dx≦0.6 [μm] であることが好ましく、0.02≦Dx≦0.4[μm] がより好ましい。
粒子径Dxが0.6 μmを越えると、例えば、電池用セパレータフィルムに配合された場合に、目的以上の大きな空孔を作成するので好ましくなく、0.02μm未満だと粒子間の凝集力が強く、樹脂との配合時に分散しないため、粗大粒子と同じ挙動を示すことになり、電池用セパレータフィルムに配合された場合に、目的以上の大きな空孔を作成するので好ましくない。
本発明における表面処理された無機粒子は、上記マイクロトラックFRAで測定した時の最大粒径DaがDa≦5 [μm] の範囲内にあることが好ましく、Da≦3 [μm] であることがより好ましい。
最大粒径Daが5μmを越えると、例えば、電池用セパレータフィルムに配合された場合に、目的以上の大きな空孔を作成するので好ましくない。
なお、マイクロトラックFRAでの測定に用いる媒体は、粒子の表面処理に使用した表面処理剤によって適宜選択されるが、通常、親水性を示す表面処理剤で表面処理したものには水が、疎水性を示す表面処理剤で表面処理されたものにはメタノールないしエタノールが好ましく用いられる。
また、測定に際しては、測定に用いる水またはメタノール・エタノールスラリーに前分散として日本精機製作所製超音波分散機 Ultra Sonic Generator US-300Tを使用し、300 μAで60秒間照射した後に測定した。
本発明における表面処理された無機粒子は、窒素吸着法によるBET比表面積Swが3≦Sw≦40 [m2 /g] であることが好ましく、5≦Sw≦20 [m2 /g] 以下がより好ましい。
BET式比表面積Swが40m2 /gを越えると分散性の点で好ましくなく、3m2 /g未満では、一次粒子が大き過ぎ、例えば電池用セパレータフィルムに配合された場合に目的以上の大きな空孔を作成するので、リチウム二次電池に使用される粒子としては適当ではない。
以上の如くして得られた表面処理無機粒子からなる多孔質フィルム用填剤は、各種樹脂、特にオレフィン系樹脂に配合されて各種用途の多孔質フィルム、特に電池セパレータのごとき多孔質フィルムの製造に使用される。
本発明に用いられる樹脂としては特に制限されるものではないが、例えばポリエステル、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン又はプロピレンと他のモノマーとの共重合体等が挙げられる。
なかでも、電池用セパレータフィルムとして用いる場合は、先述のシャットダウン機構の付与や、電池製作時のハンドリング、価格からポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂が好ましく、なかでもポリエチレンがより好ましい。
多孔質フィルム用填剤とこれらの樹脂との配合割合は特に限定されず、樹脂の種類や用途、所望する物性やコストによって大きく異なり、それらに応じて適宜決定すればよいが、電池用セパレータフィルムに使用される場合は、通常、樹脂100 重量部に対して60〜150 重量部であり、好ましくは80〜120 重量部程度である。
また、本発明の多孔質フィルム用填剤の効能を阻害しない範囲で、フィルム特性の向上を目的に脂肪酸、脂肪酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、ソルビタン脂肪酸エステル等の滑剤、可塑剤及び安定剤、酸化防止剤等を添加してもよく、更に一般にフィルム用樹脂組成物に用いられる添加物、例えば滑剤、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、中和剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、帯電防止剤、スリップ剤、着色剤等を配合してもよい。
本発明の多孔質フィルム用填剤と上述の各種添加剤を樹脂に配合する場合、通常、一軸あるいは二軸押出機、ニーダー、バンバリーミキサー等で加熱混練し、Tダイ等でシートを作成後に一軸または二軸で延伸して微細な孔を有する多孔質フィルム製品とされる。
また、混練後にTダイ押出、あるいはインフレーション成形等の公知の成形機を用いて製膜し、それらを酸処理して本発明の多孔質フィルム用填剤を溶解して微細な孔を有する多孔質フィルム製品としてもよい。
樹脂の形状にはペレット状、及び任意の粒径に調整されたパウダー(グラニュー)状があり、粒子の分散においてはパウダー状の樹脂を用い、ヘンシェルミキサー、タンブラー型ミキサー、リボンブレンダー等の公知のミキサーと称される混合機を用いて混合することが好ましい。
本発明の多孔質フィルム用填剤は、ペレット状樹脂と用いられた場合でも、本発明以外の粒子に比べて、樹脂中での分散性等で良好な物性を示すが、パウダー状の樹脂と混合して使用すると特に良好であり、加えて例えばヘンシェルミキサーで混合した場合、混合が速やかに行えるメリットの他に、ミキサーの内壁面や攪拌・混合用の羽根への付着が少なく、ミキサー内部での付着が誘引する変質樹脂や凝集物の発生も少なくなり、混合の作業性及び後工程での混練押出機でのストレーナーの目詰まり等の発生も少ない等の特徴を有している。
上記の加熱混練機も様々な機種や設定条件があり、原料の投入方法も、樹脂中での粒子の分散の他にも樹脂自体のMI値等への影響やコストを鑑みて適宜決定される。本発明の多孔質フィルム用填剤を樹脂に配合する場合も、それらを考慮して選択されるが、ヘンシェルミキサー等で適度な粒度範囲の樹脂パウダーと混合した混合物を、二軸混練機等の混練機のホッパーに定量的に投入する方法が好ましい。
混合機と製膜の間において、一旦、マスターバッチと称される本発明の多孔質フィルム用填剤を始めとする各種添加物を含有するペレットを作成し、その後に無添加の樹脂と併せて溶融・製膜しても良い。更に必要に応じ、上記工程中のTダイ押出機を複数個重ねたり、あるいは延伸時に張り合わせるような工程を導入して多層フィルムにしてもよく、また上記フィルムに印刷適性を付与する目的で、フィルム表面にプラズマ放電等の表面処理を施しインク受理層をコートすることも可能である。
以下、本発明を更に実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明の範囲はこれら実施例により何ら制限されるものではない。
尚、以下の記載において、特に断らないかぎり%は重量%を意味する。
実施例1
灯油を熱源に灰色緻密質石灰石を流動槽式キルンで焼成して得られた生石灰を、篩による異物除去後に水に溶解して消石灰スラリーとし、サイクロン等で更に異物や粗大粒子除去後に炭酸ガスと反応させ、しかる後にオストワルド熟成と称される炭酸カルシウムの粒子からの水中への溶出と吸着を繰り返して粒子成長を行わせ、BET比表面積が15m2 /gの沈降製炭酸カルシウムを10%含有する水スラリーを得た。
次に界面活性剤(A)として下記に示す組成で別途作成した混合処理剤A1を炭酸カルシウム固形分に対して5%を80℃の湯に溶解して界面活性剤(A)の水溶液を得、更にアルカリ土類金属に対してキレート能を有する化合物(以下、キレート化合物と記す)(B)としてヘキサメタリン酸ソーダ(試薬1級)を炭酸カルシウム固形分に対して1.67%を40℃の水に溶解してキレート化合物(B)の水溶液を得た。
先に得られた沈降製炭酸カルシウムスラリーを攪拌しつつ60℃に調整し、これに上述の界面活性剤(A)とキレート化合物(B)を添加し、4時間攪拌して表面処理炭酸カルシウムスラリーを得た。
得られた表面処理炭酸カルシウムスラリーをタナベウィルテック(株)製高速デカンターと350 メッシュの篩で異物並びに粗大粒子の除去を行い、脱水・乾燥・解砕し、更に得られた乾粉を空気分級機で分級を行い、表面処理炭酸カルシウム粉体を得た。
得られた表面処理炭酸カルシウム粉体は、D50が0.412 μm、Dxが0.15μm、Daが1.635 μm、Swが14.2m2 /gであった。
混合処理剤A1
ステアリン酸カリウム 65%
パルミチン酸ナトリウム 20%
ラウリン酸ナトリウム 15%
実施例2〜6
実施例1と同じ方法で、BET比表面積がSwx m2 /gの沈降製炭酸カルシウムを10%含有する水スラリーを得、実施例1と同様に操作を行い、表面処理炭酸カルシウム粉体を得た。得られた表面処理炭酸カルシウム粉体の各種物性を表1に示す。
実施例7
界面活性剤(A)を市販の石鹸(日本油脂製ノンサールSK-1)に変更する以外は、実施例1と同様に操作を行い、表面処理炭酸カルシウム粉体を得た。得られた表面処理炭酸カルシウム粉体の各種物性を表1に示す。
なお、使用した石鹸の代表的な組成を以下に示す。
ノンサールSK-1
パルミチン酸カリウム 27.4%
ステアリン酸カリウム 65.6%
アラキジン酸カリウム 1.4%
ベヘニン酸カリウム 1.0%
ミリスチン酸カリウム 2.0%
その他 2.6%
実施例8
界面活性剤(A)をステアリン酸カリウムに変更する以外は、実施例1と同様に操作を行い、表面処理炭酸カルシウム粉体を得た。得られた表面処理炭酸カルシウム粉体の各種物性を表1に示す。
実施例9
界面活性剤(A)をラウリン酸ナトリウムに変更する以外は、実施例1と同様に操作を行い、表面処理炭酸カルシウム粉体を得た。得られた表面処理炭酸カルシウム粉体の各種物性を表2に示す。
実施例10
界面活性剤(A)をオレイン酸ナトリウムに変更する以外は、実施例1と同様に操作を行い、表面処理炭酸カルシウム粉体を得た。得られた表面処理炭酸カルシウム粉体の各種物性を表2に示す。
実施例11
界面活性剤(A)をアビエチン酸ナトリウムに変更する以外は、実施例1と同様に操作を行い、表面処理炭酸カルシウム粉体を得た。得られた表面処理炭酸カルシウム粉体の各種物性を表2に示す。
実施例12
キレート化合物(B)をポリアクリル酸ナトリウムに変更する以外は、実施例1と同様に操作を行い、表面処理炭酸カルシウム粉体を得た。得られた表面処理炭酸カルシウム粉体の各種物性を表2に示す。
実施例13
キレート化合物(B)をポリ塩化アルミニウムに変更する以外は、実施例1と同様に操作を行い、表面処理炭酸カルシウム粉体を得た。得られた表面処理炭酸カルシウム粉体の各種物性を表2に示す。
実施例14
炭酸カルシウムに対する界面活性剤(A)の使用量を12%に変更する以外は、実施例1と同様に操作を行い、表面処理炭酸カルシウム粉体を得た。得られた表面処理炭酸カルシウム粉体の各種物性を表2に示す。
実施例15
炭酸カルシウムに対するキレート化合物(B)の使用量を2.8 %に変更する以外は、実施例1と同様に操作を行い、表面処理炭酸カルシウム粉体を得た。得られた表面処理炭酸カルシウム粉体の各種物性を表2に示す。
実施例16
反応後の熟成を行わない以外は、実施例1と同様に操作を行い、表面処理炭酸カルシウム粉体を得た。得られた表面処理炭酸カルシウム粉体の各種物性を表2に示す。
実施例17
特開平7−196316号公報に記載の方法に従い、1.5mol/Lの炭酸ナトリウム溶液100 L、1.35mol/Lの塩化カルシウム溶液100 L、0.04mol/Lの水酸化ナトリウム溶液を調整し、炭酸ナトリウム溶液と水酸化ナトリウム溶液を混合しその混合液と、塩化カルシウム溶液を各々16.0℃に調整した。
攪拌下の炭酸ナトリウム溶液と水酸化ナトリウム溶液の混合液200 Lに、塩化カルシウム溶液100 Lを200 秒かけて滴下し、滴下終了180 秒後、反応によって理論的に生成する炭酸カルシウムの0.8wt %相当量のヘキサメタ燐酸ナトリウムを添加し更に5分間攪拌した。
得られた炭酸カルシウムスラリーを、高速デカンター等で脱水・希釈を行い、対イオンと異物を除去した後に60℃に調整し、同時に混合処理剤A1を炭酸カルシウム固形分に対して2.9 %を80℃の湯に溶解して界面活性剤(A)の水溶液を作成して炭酸カルシウムスラリーに添加し、4時間攪拌して表面処理炭酸カルシウムスラリーを得た。
得られた表面処理炭酸カルシウムスラリーを乾燥・解砕し、更に得られた乾粉を空気分級機で分級を行い、表面処理炭酸カルシウム粉体を得た。得られた表面処理炭酸カルシウム粉体の各種物性を表3に示す。
実施例18
コークスを熱源に使用し、灰色緻密質石灰石をシャフト式キルンで焼成することと、異物除去の工程を行わない以外は実施例1と同様に操作を行い、表面処理炭酸カルシウム粉体を得た。得られた表面処理炭酸カルシウム粉体の各種物性を表3に示す。
実施例19 白色糖晶質石灰石と混合して10%のスラリーを作成後、該スラリーを湿式粉砕機ダイノーミルKB-20Bで湿式粉砕し、BET比表面積が1.2 m2 /gの炭酸カルシウムの水スラリーを得た。
次に、得られた炭酸カルシウムの水スラリーに、界面活性剤(A)として下記に示す組成で別途作成した混合処理剤A1を炭酸カルシウム固形分に対して0.8 %を80℃の湯に溶解して界面活性剤(A)の水溶液を得、更にアルカリ土類金属に対してキレート能を有する化合物(以下、キレート化合物と記す)(B)としてヘキサメタリン酸ソーダ(試薬1級)を炭酸カルシウム固形分に対して0.3 %を40℃の水に溶解してキレート化合物(B)の水溶液を得た。
先に得られた沈降製炭酸カルシウムスラリーを攪拌しつつ60℃に調整し、これに上述の界面活性剤(A)とキレート化合物(B)を添加し、4時間攪拌して表面処理炭酸カルシウムスラリーを得た。
得られた表面処理炭酸カルシウムスラリーをタナベウィルテック(株)製高速デカンターと350 メッシュの篩で異物並びに粗大粒子の除去を行い、脱水・乾燥・解砕し、更に得られた乾粉を空気分級機で分級を行い、表面処理炭酸カルシウム粉体を得た。
得られた表面処理炭酸カルシウム粉体の各種物性を表3に示す。
比較例1
キレート化合物(B)を処理剤として使用しない以外は実施例1と同様に操作を行い、表面処理炭酸カルシウム粉体を得た。得られた表面処理炭酸カルシウム粉体の各種物性を表3に示す。
比較例2
界面活性剤(A)を処理剤として使用しない以外は実施例1と同様に操作を行い、表面処理炭酸カルシウム粉体を得た。得られた表面処理炭酸カルシウム粉体の各種物性を表3に示す。
Figure 2006169421
Figure 2006169421
Figure 2006169421
実施例20〜38、比較例3、4
ポロエチレン樹脂(三井化学製ハイゼックスミリオン340M)とポリエチレンワックス(三井化学製ハイワックス110 P)を7:3の割合で混合した混合ポリエチレン樹脂を作成し、実施例1〜19及び比較例1、2で得られた表面処理炭酸カルシウム粉体からなる多孔質フィルム用填剤と混合樹脂の体積比が3:7の割合でヘンシェルミキサーに仕込み、5分間混合して多孔質フィルム用填剤−樹脂混合物を得た。
得られた混合物を、T ダイを装着した東洋精機製二軸混練機2D25Wで溶融混練と製膜を行い、膜厚80μmのフィルムを得た。得られたフィルムを、テンターオーブン中で110 ℃の温度下で長さ方向に約5倍延伸し、多孔質フィルムを得た。
得られた多孔質フィルムについて下記の方法で各種物性を評価した。結果を表4〜6に示す。
[評価方法]
1)イオン透過性
イオンの透過性は、溶液中を移動するLiイオンを電気伝導度で測定することによって評価した。測定方法は、濾過試験等で使用されるフィルターホルダーと250ml ファンネル間に濾紙やフィルターの代りに本発明で得られた多孔質フィルム(予め47mm径に切り取っておく)を挟んでクランプで固定し、エチレンカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジメチルカーボネートを体積比30:35:35の混合溶液で満たした1L吸引瓶に差し込んだ後に、更に別の該混合溶液に電解質としてLiPF6 を1mol /L となる様に溶解した電解液200ml をファンネルに注ぎ、30分後に吸引瓶内の電解液の電気伝導度を測定することによって求めた。電気伝導度の値が大きい程、イオンの透過性が高くて良好といえる。
2)ガーレ通気度
JIS-P8117 に準じ、多孔質フィルムのガーレ値を東洋精機製B型デンソメーターで測定した。ガーレ通気度の値が小さい程、気体やイオンの透過性が高く好ましい。
3)平均細孔径
ASTM F316-86に準拠し、Perm-Porometer(PMI社製)でバブルポイント法により平均細孔径を測定した。
4)膜厚
膜厚計を用いて測定した。膜厚が小さいとイオンの透過性に有利であるが、両極間の絶縁性や突き刺し強度が弱くなるため、良好なイオンの透過性を維持しつつ膜厚も大きいものが好ましい。
5)総合評価
4:優
3:良
2:可
1:不可
Figure 2006169421
Figure 2006169421
Figure 2006169421
叙上のとおり、本発明の多孔質フィルム用填剤は、樹脂との混合が容易で、且つ樹脂中での分散性が良好であり、例えば電池の電極間のセパレーターとして有用な多孔質フィルムを提供することができる。

Claims (12)

  1. 無機粒子が、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、脂環族カルボン酸、芳香族スルフォン酸、樹脂酸、それらの塩、それらのエステル、アルコール系界面活性剤、ソルビタン脂肪酸エステル類、アミド系界面活性剤、アミン系界面活性剤、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、アルファオレフィンスルフォン酸ナトリウム、長鎖アルキルアミノ酸、アミンオキサイド、アルキルアミン、第四級アンモニウム塩から選ばれる少なくとも1種の界面活性剤(A)と、縮合リン酸、その塩、多価カルボン酸、その塩から選ばれる少なくとも1種の、アルカリ土類金属に対してキレート能を有する化合物(B)とで表面処理された無機粒子からなることを特徴とする多孔質フィルム用填剤。
  2. 無機粒子が炭酸カルシウム又は硫酸バリウムであることを特徴とする請求項1記載の多孔質フィルム用填剤。
  3. 界面活性剤(A)が脂肪酸塩であることを特徴とする請求項1記載の多孔質フィルム用填剤。
  4. 界面活性剤(A)が、C数16以上の直鎖脂肪酸塩を50〜90重量%、C数10〜14の直鎖脂肪酸塩を1〜50重量%含む組成を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の多孔質フィルム用填剤。
  5. アルカリ土類金属に対してキレート能を有する化合物(B)の縮合リン酸が、環状縮合リン酸又はメタリン酸であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の多孔質フィルム用填剤。
  6. 無機粒子に対し、界面活性剤(A)が0.1〜15重量%、アルカリ土類金属に対してキレート能を有する化合物(B)が0.05〜5重量%であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の多孔質フィルム用填剤。
  7. 下記の(1)から(4)の粒度特性を満足することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の多孔質フィルム用填剤。
    (1) 0.3≦D50≦1.5 [μm]
    (2) 0.02 ≦Dx≦0.6 [μm]
    (3) Da≦5 [μm]
    (4) 3≦Sw≦40 [m2/g]
    ただし
    50 : Leeds & Northrup社製Microtrac(マイクロトラック)FRA で測定した篩上積算 平均粒子径 [μm]
    Dx : 走査型電子顕微鏡を用い倍率20,000倍の観測を行い、任意に100 個の粒子を選 択し、最大と最小のものから各々20個除いた残りの平均粒子径〔μm]
    Da : Leeds & Northrup社製Microtrac(マイクロトラック) FRAで測定した時に示す 最大粒子径 [μm]
    Sw : 窒素吸着法によるBET式比表面積 [m2 /g]
  8. 樹脂に配合されることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の多孔質フィルム用填剤。
  9. 樹脂がポリオレフィン系樹脂であることを特徴とする請求項8記載の多孔質フィルム用填剤。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項記載の多孔質フィルム用填剤を含有してなることを特徴とする多孔質フィルム。
  11. 電池の電極間の隔膜用であることを特徴とする請求項10記載の多孔質フィルム。
  12. 電池がリチウム二次電池であることを特徴とする請求項11記載の多孔質フィルム。
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