JP2014074143A - ポリオレフィン微多孔膜 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐電圧が高く、電池のセパレータとして使用したときに電池の安全性及びサイクル特性を向上させることのできるポリオレフィン微多孔膜、そのポリオレフィン微多孔膜を含む蓄電デバイス用セパレータ、及びそのセパレータを備える蓄電デバイスを提供すること。
【解決手段】ポリオレフィン樹脂と無機粒子とを含む微多孔膜であって、
前記無機粒子のD50平均粒子径が0.1μm以上9μm未満であり、
前記無機粒子の比表面積が5m2/g以上55m2/g未満である、
ポリオレフィン微多孔膜。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリオレフィン微多孔膜、蓄電デバイス用セパレータ及び蓄電デバイスに関する。
微多孔膜は、様々な孔径、孔形状、孔数を有し、その特異な構造により発現され得る特性から幅広い分野に利用されている。例えば、リチウムイオン二次電池や電気二重層キャパシタなどの蓄電池には、正負極間の接触を防ぎ、イオンを透過させる機能を有するセパレータと呼ばれる電解液を保持した微多孔膜が正負極間に設けられている。近年では、リチウムイオン二次電池は、その消費電力の上昇に伴い、安全性の向上が求められている。
このようなセパレータが果たす重要な機能の一つに正負極間の接触を防ぐ隔膜としての役割があり、安全性の指標として、セパレータの耐電圧や突刺強度が挙げられる。耐電圧はセパレータがどの程度の電圧まで短絡せずに、電極間で絶縁体として存在しうるかという、セパレータの絶縁性能を示している。セパレータが薄くなるに従い、電極間距離が短くなるため、セパレータにはより高い耐電圧が求められる。また、突刺強度は電池に混入した異物や充放電によって生ずる分解物やデンドライトが、セパレータを突き破って短絡を起こさせずに電極間で絶縁体として存在しうるかという、セパレータの安全性を示している。電池の高容量化を達成するために電極活物質を多く詰め込もうとすると、セパレータの厚さはより薄いことが求められる。しかしながら、セパレータが薄い場合にはその強度が下がってしまうため、より高い強度を有するセパレータが求められる。
特許文献1には、ポリオレフィンと非ポリオレフィン系熱可塑性樹脂とを含む微多孔膜において、1〜10μmの径を有する微粒子を添加することにより機械的特性及び耐熱性のバランスに優れた微多孔膜を提供できることが記載されている。
特許第4234392号
しかしながら、近年、電池の高出力化に伴い、さらなる高い耐電圧が求められるようになっており、特許文献1に記載された技術では十分ではない。また、突刺強度に関しても、特許文献1に記載された技術では十分ではない。また、蓄電池において、サイクル特性の向上もより一層求められている。
本発明は、耐電圧が高く、電池のセパレータとして使用したときに電池の安全性及びサイクル特性を向上させることのできるポリオレフィン微多孔膜、そのポリオレフィン微多孔膜を含む蓄電デバイス用セパレータ、及びそのセパレータを備える蓄電デバイスを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記事情に鑑みポリオレフィン樹脂と微粒子とを含む微多孔膜について鋭意検討したところ、微粒子として特定の平均二次粒子径と比表面積を有する無機粒子を用いると、ポリオレフィン微多孔膜の耐電圧及び突刺強度が高くなり、しかも、このような無機粒子を含有するポリオレフィン微多孔膜を電池のセパレータとして使用すると、電池のサイクル特性を向上させることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
[1]
ポリオレフィン樹脂と無機粒子とを含む微多孔膜であって、
前記無機粒子のD50平均粒子径が0.1μm以上9μm未満であり、
前記無機粒子の比表面積が5m2/g以上55m2/g未満である、
ポリオレフィン微多孔膜。
[2]
前記無機粒子は酸化亜鉛を主成分として含む、上記[1]記載のポリオレフィン微多孔膜。
[3]
前記ポリオレフィン樹脂が、粘度平均分子量が25万以上300万以下であるポリエチレンを含む、上記[1]又は[2]記載のポリオレフィン微多孔膜。
[4]
前記ポリオレフィン樹脂と前記無機粒子との総量中に占める前記無機粒子の割合が15質量%以上85質量%以下である、上記[1]〜[3]のいずれか記載のポリオレフィン微多孔膜。
[5]
上記[1]〜[4]のいずれか記載のポリオレフィン微多孔膜を含む蓄電デバイス用セパレータ。
[6]
上記[5]記載の蓄電デバイス用セパレータと、正極と、負極と、電解液とを含む蓄電デバイス。
本発明によれば、耐電圧が高く、電池のセパレータに使用したときに電池の安全性及びサイクル特性を向上させることのできるポリオレフィン微多孔膜、そのポリオレフィン微多孔膜を含む蓄電デバイス用セパレータ、及びそのセパレータを備える蓄電デバイスを提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」と略記する。)について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
本実施形態におけるポリオレフィン微多孔膜は、ポリオレフィン樹脂と無機粒子とを含む微多孔膜であって、前記無機粒子のD50平均粒子径が0.1μm以上9μm未満であり、前記無機粒子の比表面積が5m2/g以上55m2/g未満である。
本実施形態におけるポリオレフィン微多孔膜(以下、単に「微多孔膜」ともいう。)は、ポリオレフィン樹脂と無機粒子とを含むポリオレフィン樹脂組成物にて形成される。本実施形態において用いられるポリオレフィン樹脂とは、オレフィン炭化水素を単量体成分として含む重合体をいい、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、及び1−オクテン等のモノマーを重合して得られる重合体(ホモ重合体や共重合体、多段重合体等)が挙げられる。なお、ポリオレフィン樹脂が、オレフィン炭化水素とそれ以外の共重合体である場合、オレフィン炭化水素の共重合割合は50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることが更に好ましい。これら重合体は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
また、ポリオレフィン樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン(密度0.910g/cm3以上0.930g/cm3未満)、線状低密度ポリエチレン(密度0.910〜0.940g/cm3)、中密度ポリエチレン(密度0.930g/cm3以上0.942g/cm3未満)、高密度ポリエチレン(密度0.942g/cm3以上)、超高分子量ポリエチレン(密度0.910〜0.970g/cm3)、アイソタクティックポリプロピレン、アタクティックポリプロピレン、ポリブテン、エチレンプロピレンラバーを用いてもよい。
ここで、ポリオレフィン微多孔膜を電池セパレータとして用いる場合には、電池の高温保存特性を向上させる観点から、ポリオレフィン樹脂が高密度ポリエチレンを含むことが好ましい。高密度ポリエチレンのポリオレフィン樹脂中に占める割合は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは35質量%以上、更に好ましくは50質量%以上であり、100質量%であってもよい。
また、ポリオレフィン微多孔膜の耐熱性を向上させる観点から、ポリオレフィン樹脂はポリプロピレンを含むことが好ましい。ポリプロピレンのポリオレフィン樹脂中に占める割合は、好ましくは1質量%以上、より好ましくは5質量%以上、更に好ましくは15質量%以上である。また、ポリプロピレンのポリオレフィン樹脂中に占める割合は、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、更に好ましくは30質量%以下である。ポリプロピレンの割合を1質量%以上とすることは、ポリオレフィン微多孔膜の耐熱性を向上させる観点から好ましい。また、ポリプロピレンの割合を20質量%以上とすることは、延伸性を良好にし、透気度の優れる微多孔膜を実現する観点から好ましい。一方、ポリプロピレンの割合を50質量%以下とすることは、延伸性をより良好にし、高い突刺強度を有する微多孔膜を実現する観点から好ましい。
ポリオレフィン樹脂の粘度平均分子量(複数のポリオレフィン樹脂が用いられる場合には、各々のポリオレフィン樹脂について測定される値を意味する。)は、好ましくは25万以上、より好ましくは50万以上、更に好ましくは70万以上、特に好ましくは100万以上であり、上限としては、好ましくは300万以下、より好ましくは250万以下である。当該粘度平均分子量を25万以上とすることは、ポリオレフィン樹脂組成物を溶融成形する際にメルトテンションを高く維持し良好な成形性を確保する観点、並びに、ポリオレフィン樹脂の分子に対して十分な絡み合いを付与し微多孔膜の強度を高める観点から好ましい。また、ポリオレフィン樹脂組成物を溶融混練して押出しする際の負荷を上昇させ、無機粒子の分散性を向上させる(品質の良い微多孔膜を実現する)観点からも好ましい。一方、粘度平均分子量を300万以下とすることは、ポリオレフィン樹脂組成物の均一な溶融混練を実現し、そのシートの成形性、特に厚み安定性を向上させる観点から好ましい。
本実施形態において、無機粒子の材料としては特に限定はなく、例えば、酸化亜鉛、アルミナ、チタニア、ジルコニア、マグネシア、セリア、イットリア、などの酸化物系セラミックス;窒化チタン、窒化ホウ素等の窒化物系セラミックス;硫酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、チタン酸カリウム、タルク、カオリンクレー、カオリナイト、ハロイサイト、パイロフィライト、モンモリロナイト、セリサイト、マイカ、アメサイト、ベントナイト、ゼオライト等のセラミックス;ガラス繊維が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
無機粒子としては、酸化亜鉛を主成分として含むことが好ましい。ここで、「酸化亜鉛を主成分とする」とは、無機粒子中に占める酸化亜鉛の割合が30質量%以上であることを意味する。酸化亜鉛の無機粒子中に占める割合は、好ましくは40質量%以上、より好ましくは50質量%以上であり、100質量%であってもよい。
無機粒子が酸化亜鉛を含むと、高温における保存特性(容量維持率)、電気化学的安定性が向上する傾向にあるため好ましい。酸化亜鉛を主成分として含む無機粒子は、市販品又は天然に存在するものを入手するか、あるいは常法により合成することができるが、中でも、粒径、形状を制御しやすく、電気化学素子に悪影響を及ぼすイオン性不純物の量をコントロールできる合成酸化亜鉛を用いることが好ましい。市販の酸化亜鉛を主成分として含む無機粒子としては、例えば、住友大阪セメント社製「ZnO350」などのZnOシリーズ、ハクスイテック社製の「Zincox Super F−1」などのZincox Superシリーズが挙げられる。
本実施形態における無機粒子の平均二次粒子径(D50平均粒子径)は、0.1μm以上9μm未満である。平均二次粒子径の下限としては2μm以上であることが好ましく、2.1μm以上であることがより好ましい。また、平均二次粒子径の上限としては7μm以下であることが好ましく、4μm以下であることがより好ましい。
ここで、無機粒子の平均二次粒子径(D50平均粒子径)については、粒度分布測定装置を用いて測定した粒径分布において、累積頻度が50%となる粒径をD50平均粒子径(体積平均粒子径)とする。
本実施形態における無機粒子の比表面積は、5m2/g以上55m2/g未満である。無機粒子の比表面積の下限としては7m2/g以上であることが好ましく、10m2/g以上であることがより好ましい。また、無機粒子の比表面積の上限としては50m2/g以下であることが好ましく、48m2/g以下であることがより好ましい。
ここで、無機粒子の比表面積は、BET法により測定した値をいう。
無機粒子の平均二次粒子径(D50平均粒子径)と比表面積(BET比表面積)が上記範囲にあると、無機粒子を含むポリオレフィン微多孔膜の耐電圧が高くなり、これをセパレータとして用いた電池の安全性が向上し、更に、電池のサイクル特性も高くなる。
本実施形態におけるポリオレフィン樹脂組成物において、上記ポリオレフィン樹脂と上記無機粒子の総量中に占める上記無機粒子の割合は、好ましくは15質量%以上、より好ましくは20質量%以上であり、また、上限としては、好ましくは85質量%以下、より好ましくは80質量%以下である。当該割合を15質量%以上とすることは、レート特性を向上させる観点やポリオレフィン微多孔膜の透気度を低くして透過性を向上させる観点から好ましい。一方、当該割合を85質量%以下とすることは、高強度を発現させる観点から好ましい。
上記ポリオレフィン樹脂組成物には必要に応じて、フェノール系、リン系、イオウ系等の酸化防止剤;ステアリン酸カルシウム及びステアリン酸亜鉛等の金属石鹸類;紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、防曇剤、着色顔料など、各種添加剤を混合してもよい。そのような添加剤の、ポリオレフィン樹脂組成物への配合量は、ポリオレフィン樹脂100質量部に対して好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.3質量部以上であり、上限としては、通常10質量部以下、好ましくは5質量部以下である。
本実施形態におけるポリオレフィン微多孔膜の製造方法としては、例えば、下記(1)〜(5)の各工程を含む製造方法を用いることができる。
(1)ポリオレフィン樹脂と、無機粒子と、可塑剤とを含む混合物を溶融混練して混練物を得る混練工程、
(2)上記混練工程の後、上記混練物をシート状に成形してシート状成形体を得る成形工程、
(3)上記成形工程の後、上記シート状成形体を好ましくは20倍以上200倍以下の面倍率で延伸し、上記シート状成形体の加工物である延伸物を形成する延伸工程、
(4)上記延伸工程の後、上記延伸物から可塑剤を抽出して多孔体を形成する多孔体形成工程、
(5)上記多孔体形成工程の後、上記多孔体に対し、上記ポリオレフィン樹脂の融点以上、(ポリオレフィン樹脂の融点+40℃)以下の温度条件で熱処理を行う熱処理工程。
上記(1)の工程で用いられる可塑剤は、ポリオレフィン樹脂と混合した際にポリオレフィン樹脂の融点以上において均一溶液を形成し得る不揮発性溶媒であることが好ましい。また、可塑剤は常温において液体であることが好ましい。可塑剤としては、例えば、流動パラフィン及びパラフィンワックス等の炭化水素類;フタル酸ジエチルヘキシル及びフタル酸ジブチル等のエステル類;オレイルアルコール及びステアリルアルコール等の高級アルコール類が挙げられる。
特にポリオレフィン樹脂にポリエチレンが含まれる場合、可塑剤として流動パラフィンを用いることは、ポリオレフィン樹脂と可塑剤との界面剥離を抑制し、均一な延伸を実施する観点、及び高突刺強度を実現する観点から好ましい。また、可塑剤としてフタル酸ジ−2−エチルヘキシルを用いることは、混練物を溶融押出しする際の負荷を上昇させ、無機粒子の分散性を向上させる(品質の良い微多孔膜を実現する)観点から好ましい。
上記(1)の工程の混練物において、ポリオレフィン樹脂と無機粒子と可塑剤との総量中に占める無機粒子の割合は5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましく、15質量%以上であることが更に好ましく、上限としては、45質量%以下であることが好ましく、40質量%以下であることがより好ましく、35質量%以下であることが更に好ましい。当該割合が5質量%以上であることにより、ポリオレフィン樹脂を含有する微多孔膜の耐熱性が良好となる傾向にある。一方、当該割合が45質量%以下であることにより、微多孔膜の強度が向上することに加えて、微多孔膜を電池用セパレータとして使用した際に、高温保存時の容量低下が起こり難く、信頼性に優れる傾向にある。特に、30質量%以下である場合、この傾向が顕著となるため好ましい。
可塑剤の混練物中に占める割合は、好ましくは30質量%以上、より好ましくは40質量%以上であり、上限としては、好ましくは80質量%以下、より好ましくは70質量%以下である。当該割合を30質量%以上とすることは、成形性を確保する観点、及び、ポリオレフィンの結晶領域におけるラメラ晶を効率よく引き伸ばす観点から好ましい。ここで、ラメラ晶が効率よく引き伸ばされることは、ポリオレフィン鎖の切断が生じずにポリオレフィン鎖が効率よく引き伸ばされることを意味し、均一かつ微細な孔構造の形成や、ポリオレフィン微多孔膜の強度及び結晶化度の向上に寄与し得る。一方、当該割合を80質量%以下とすることは、溶融成形時のメルトテンションを高く維持し、成形性を確保する観点から好ましい。
ポリオレフィン樹脂と無機粒子と可塑剤とを混練する方法としては、例えば、以下の(a)及び(b)の方法が挙げられる。
(a)ポリオレフィン樹脂と無機粒子とを押出機、ニーダー等の樹脂混練装置に投入し、樹脂を加熱溶融してそれらを混練しながら更に可塑剤を導入し混練する方法。
(b)予めポリオレフィン樹脂と無機粒子と可塑剤とを、ヘンシェルミキサー等を用い所定の割合で予備的に混練する工程を経て、それらの混練物を押出機に投入し、樹脂を加熱溶融させながら更に可塑剤を導入し混練する方法。
上記(b)の方法における予備混練に際しては、無機粒子の分散性を向上させ、高倍率の延伸を破膜することなく実施する観点から、ポリオレフィン樹脂及び無機粒子に対し、下記式(A)で表される条件を満足する量の可塑剤を配合して予備的に混練することが好ましい。
0.2≦(可塑剤質量/無機粒子質量)≦1.2 (A)
上記(2)の工程は、例えば、上記混練物をTダイ等を介してシート状に押し出し、熱伝導体に接触させて冷却固化させる工程である。当該熱伝導体としては、金属、水、空気、又は可塑剤自身を使用できる。また、冷却固化をロール間で挟み込むことにより行うことは、シート状成形体の膜強度を増加させる観点、並びにシート状成形体の表面平滑性を向上させる観点から好ましい。
上記(3)の工程における延伸方法としては、例えば、二軸延伸(同時二軸延伸、逐次二軸延伸)、多段延伸、多数回延伸等の方法が挙げられる。中でも、同時二軸延伸を採用することは、ポリオレフィン微多孔膜の突刺強度向上及び膜厚均一化の観点から好ましい。
また、上記(3)の工程における面倍率は、好ましくは20倍以上、より好ましくは25倍以上であり、上限としては、好ましくは200倍以下、より好ましくは100倍以下、更に好ましくは50倍以下である。当該面倍率を20倍以上とすることは、ポリオレフィン樹脂と無機粒子との界面を密着させ、ポリオレフィン微多孔膜の局所的かつ微小領域での耐圧縮特性を向上させる観点から好ましい。
上記(3)の工程における延伸温度は、ポリオレフィン樹脂の融点を基準温度として、好ましくは(融点−50℃)以上、より好ましくは(融点−30℃)以上、更に好ましくは(融点−20℃)以上であり、上限としては、好ましくは(融点−2℃)以下、より好ましくは(融点−3℃)以下である。延伸温度を(融点−50℃)以上とすることは、ポリオレフィン樹脂と無機粒子との界面、又はポリオレフィン樹脂と可塑剤との界面を良好に密着させ、ポリオレフィン微多孔膜の局所的かつ微小領域での耐圧縮特性を向上させる観点から好ましい。例えば、ポリオレフィン樹脂として高密度ポリエチレンを用いた場合、延伸温度は115℃以上132℃以下が好適である。ポリオレフィン樹脂として複数のポリオレフィンを混合して用いた場合、その融解熱量が大きい方のポリオレフィンの融点を基準とすることができる。
上記(4)の工程は、ポリオレフィン微多孔膜の突刺強度を向上させる観点から、上記(3)の工程の後に行うことが好ましい。抽出方法としては、上記可塑剤の溶剤に対して上記延伸物を浸漬する方法が挙げられる。なお、電池への有機溶媒の持ち込みを避けるためや、その後の熱処理で微多孔膜の外観不良や物性バラツキを避ける観点から、抽出後の微多孔膜中の可塑剤残存量を微多孔膜の質量に対して1質量%未満にすることが好ましい。
上記(5)の工程は、熱固定及び/又は熱緩和を行う工程であることが好ましい。ここで、(5)の工程における延伸倍率は、面倍率として好ましくは4倍未満、より好ましくは3倍未満である。面倍率を4倍未満とすることは、微多孔膜においてマクロボイドの発生や突刺強度低下を抑制する観点から好ましい。また、熱処理温度は、ポリオレフィン樹脂の融点を基準として、好ましくは(融点+40℃)以下、より好ましくは(融点+30℃)以下であり、下限としては、好ましくは融点以上である。熱処理温度を融点以上とすることは、膜の破れ等の発生を抑制する観点から好適である。一方、熱処理温度を(融点+40℃)以下とすることは、ポリオレフィン樹脂の収縮を抑制し、ポリオレフィン微多孔膜の熱収縮率を低減する観点から好適である。
なお、上記(5)の工程の後、得られたポリオレフィン微多孔膜に対して後処理を施してもよい。このような後処理としては、例えば、界面活性剤等による親水化処理、電離性放射線等による架橋処理が挙げられる。
本実施形態におけるポリオレフィン微多孔膜について、その突刺強度は、好ましくは1.0N/20μm(膜厚)以上、より好ましくは1.2N/20μm以上、更に好ましくは1.3N/20μm以上であり、上限としては、好ましくは20.0N/20μm以下、より好ましくは15.0N/20μm以下、更に好ましくは10.0N/20μm以下である。突刺強度を1.0N/20μm以上とすることは、電池捲回時における脱落した活物質等による破膜を抑制する観点から好ましい。また、充放電に伴う電極の膨張収縮によって短絡するリスクを低減し得る観点からも好ましい。一方、突刺強度を20.0N/20μm以下とすることは、加熱時の配向緩和による幅収縮を低減する観点から好ましい。なお、上記突刺強度は、ポリエチレン分子量、ポリオレフィン樹脂の割合、及び、上記(3)の工程における延伸温度、延伸倍率を調整する方法等により調整することが可能である。
微多孔膜の気孔率は、好ましくは50%以上、より好ましくは55%以上であり、上限としては、好ましくは90%以下、より好ましくは85%以下である。気孔率を50%以上とすることは、微多孔膜をリチウムイオン二次電池等の蓄電システムのセパレートとして用いた場合に出力を確保する観点から好適である。一方、気孔率を90%以下とすることは、高い突刺強度を確保する観点から好ましい。なお、上記気孔率は、前記(3)の工程における延伸温度、延伸倍率を調整する及び/又は前記(5)の熱固定及び熱緩和工程の温度、倍率を調整する方法等により調整することが可能である。
微多孔膜の最終的な膜厚は、好ましくは2μm以上、より好ましくは5μm以上であり、上限としては、好ましくは100μm以下、より好ましくは60μm以下、更に好ましくは50μm以下である。膜厚を2μm以上とすることは、微多孔膜の機械強度を向上させる観点から好適である。一方、微多孔膜の膜厚を100μm以下とすることは、セパレータとして用いた場合に電池内部での占有体積が減るため、電池の高容量化の点において有利となる傾向にあるため好ましい。
微多孔膜の透気度は20μm換算で、好ましくは10秒以上、より好ましくは20秒以上であり、上限としては、好ましくは1000秒以下、より好ましくは500秒以下、更に好ましくは300秒以下である。透気度を10秒以上とすることは、蓄電デバイスの自己放電を抑制する観点から好適である。一方、透気度を1000秒以下とすることは、良好な充放電特性が得る観点から好適である。透気度は、上記(5)の熱処理工程の温度、倍率を調整する方法等により調整することが可能である。
微多孔膜の耐電圧は20μm換算で、好ましくは0.8kV以上、より好ましくは0.9kV以上である。耐電圧を0.8kV以上とすることは、微多孔膜をセパレータとして用いた場合に絶縁性を確保する観点から好適である。
本実施形態における蓄電デバイス用セパレータは上記微多孔膜を含むものであれば特に限定されず、上記微多孔膜は、特に非水電解液を用いるような蓄電デバイス用セパレータとして有用である。また、本実施形態における蓄電デバイスは、上記蓄電デバイス用セパレータを備えるものであれば特に限定されず、そのセパレータと、正極と、負極と、電解液とを含む。これらの蓄電デバイス用セパレータ及び蓄電デバイスは、上記微多孔膜を用いる他は、従来の構成と同様であってもよい。
上記蓄電デバイスは、例えば、上記微多孔膜を切断することにより、幅10〜500mm、好ましくは80〜500mm、長さ200〜4000m、好ましくは1000〜4000mの縦長形状のセパレータを作製し、当該セパレータを、正極−セパレータ−負極−セパレータ、又は、負極−セパレータ−正極−セパレータの順で重ね、円又は扁平な渦巻状に巻回して巻回体を得た後、当該巻回体を電池缶内に収納し、更に電解液を注入することにより製造することができる。なお、上記蓄電デバイスは、正極−セパレータ−負極−セパレータ、又は負極−セパレータ−正極−セパレータの順に平板状に積層し、袋状のフィルムでラミネートし、電解液を注入する工程を経て製造することもできる。
本実施形態における蓄電デバイスは高出力、長期信頼性に優れるので、電気自動車やハイブリッド自動車用として、特に有用である。
なお、上述した各種パラメータについては、特に記載のない限り、後述する実施例における測定方法に準じて測定される。
次に、実施例及び比較例により本実施形態をより具体的に説明するが、本実施形態はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例中の各物性は以下の方法により測定した。
(1)D50平均粒子径
50mLのポリ容器に無機粒子10質量部を精製水20質量部に加え、分散剤ディスパーサント5468(サンノプコ社製、ポリカルボン酸アンモニウム)を0.025質量部添加して蓋を閉めてから手で良く振って分散させた後に、粒度分布測定装置(日機装(株)社製 マイクロトラックMT3300II、レーザー回折・散乱法)を用いて粒径分布を測定し、累積頻度が50体積%となる粒径をD50平均粒子径とした。
(2)比表面積
マックソーブ HM model− 1201型((株)マウンテック製)を用いて、BET1点法に従って測定した。
(3)粘度平均分子量(Mv)
デカヒドロナフタリンへ試料の劣化防止のため2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールを0.1質量%の濃度となるように溶解させたもの(以下、「DHN」と略す。)を試料溶媒として用いた。微多孔膜をDHNへ0.1質量%の濃度となるように150℃で溶解させた。その溶液をろ過し、微細粒子を除去し試料溶液とした。もしくは、微細粒子は溶解するがポリオレフィン樹脂は溶解又は反応しない溶液に微多孔膜を浸漬することで、微細粒子を先に抽出除去した微多孔膜を用いた。作成した試料溶液を10mL採取し、キャノンフェンスケ粘度計SO100)により135℃での標線間通過秒数(t)を計測した。また、DHNを150℃に加熱した後、10mL採取し、同様の方法により粘度計の標線間を通過する秒数(tB)を計測した。得られた通過秒数t、tBを用いて次の換算式により極限粘度[η]を算出した。
[η]=((1.651t/tB−0.651)0.5−1)/0.0834
ポリエチレンについては、算出された[η]より、次式により粘度平均分子量(Mv)を算出した。
[η]=6.77×10-4Mv0.67
ポリプロピレンについては、算出された[η]より、次式によりMvを算出した。
[η]=1.10×10-4Mv0.80
(4)膜厚(μm)
東洋精機社製の微小測厚器KBM(商標)を用いて室温23℃で微多孔膜の膜厚を測定した。
(5)気孔率(%)
10cm×10cm角の試料を微多孔膜から切り取り、その体積(cm3)と質量(g)を求め、それらと膜密度(g/cm3)より、次式を用いて計算した。
気孔率(%)=(体積−質量/混合組成物の密度)/体積×100
なお、膜密度(混合組成物の密度)は、用いたポリオレフィン樹脂及び無機粒子の各々の密度並びに混合比から算出される値を用いた。
(6)透気度(sec)
JIS P−8117に準拠し、東洋精器(株)社製のガーレー式透気度計G−B2(商標)を用いて微多孔膜の透気度を測定した。また、得られた透気度(sec)から、膜厚20μm当たりの透気度を算出した。
(7)突刺強度(N)
カトーテック社製のハンディー圧縮試験器KES−G5(商標)を用いて、開口部の直径11.3mmの試料ホルダーで微多孔膜を固定した。次に固定された微多孔膜の中央部を、針先端の曲率半径0.5mm、突刺速度2mm/secで、25℃雰囲気下にて突刺試験を行うことにより最大突刺荷重を求め、それを突刺強度(N)とした。また、得られた突刺強度(N)から、膜厚20μm当たりの突刺強度を算出した。
(8)耐電圧(KV)
直径4cmのアルミニウム製電極で微多孔膜を挟み、15gの荷重をかけ、これを菊水電子工業社製の耐電圧測定機TOS9201に繋いで測定を実施した。測定条件は、交流電圧(60Hz)を1.0KV/secの速度でかけていき、短絡した電圧値を微多孔膜の耐電圧測定値とした。この測定値に20(μm)/膜厚(μm)を乗じることによって、20μm換算耐電圧値とした。
(9)電池特性
a.非水電解液の調製
エチレンカーボネート:エチルメチルカーボネート=1:2(体積比)の混合溶媒に、溶質としてLiPF6を濃度1.0mol/Lとなるように溶解させて非水電解液を調製した。
b.正極の作製
活物質としてリチウムコバルト複合酸化物LiCoO2を92.2質量%、導電剤としてリン片状グラファイトとアセチレンブラックをそれぞれ2.3質量%、バインダーとしてポリフッ化ビニリデン(PVDF)3.2質量%をN−メチルピロリドン(NMP)中に分散させてスラリーを調製した。このスラリーを正極集電体となる厚さ20μmのアルミニウム箔の両面にダイコーターで塗付し、130℃で3分間乾燥した後、ロールプレス機で圧縮成形した。このとき、正極の活物質塗付量は250g/m2,活物質嵩密度は3.00g/cm3になるようにした。これを電池幅に合わせて切断して帯状にして正極を得た。
c.負極の作製
活物質として人造グラファイト96.9質量%、バインダーとしてカルボキシメチルセルロースのアンモニウム塩1.4質量%とスチレン−ブタジエン共重合体ラテックス1.7質量%を精製水中に分散させてスラリーを調製した。このスラリーを負極集電体となる厚さ12μmの銅箔の両面にダイコーターで塗付し、120℃で3分間乾燥した後、ロールプレス機で圧縮成形した。このとき、負極の活物質塗付量は106g/m2、活物質嵩密度は1.35g/cm3になるようにした。
d.電池組立
セパレータを18mmφ,正極を面積2.00cm2、負極を面積2.05cm2の円形に切り出し、正極と負極の活物質面が対向するよう、正極、セパレータ、負極の順に重ね、蓋付きステンレス金属製容器に収納した。容器と蓋とは絶縁されており、容器は負極の銅箔と、蓋は正極のアルミ箔と接していた。この容器内に前記した非水電解液を注入して密閉した。室温にて1日放置した後、25℃雰囲気下、3mA(0.5C)の電流値で電池電圧4.2Vまで充電し、到達後4.2Vを保持するようにして電流値を3mAから絞り始めるという方法で、合計6時間電池作成後の最初の充電を行った。続いて、3mA(0.5C)の電流値で電池電圧3.0Vまで放電した。
e.サイクル特性
充放電は充放電装置(型式HJ−201BS、北斗電工社製)を用いた。25℃雰囲気下、6mA(1.0C)の電流値で電池電圧4.2Vまで充電し、到達後4.2Vを保持するようにして電流値を6mAから絞り始めるという方法で、合計3時間充電を行った。続いて6mA(1.0C)の電流値で電池電圧3.0Vまで放電した。これを1サイクルとして充放電を繰り返し、初期容量に対する100サイクル後の容量保持率をサイクル特性として表した。
サイクル特性(%)=(100サイクル後)放電容量/(1サイクル後)放電容量×100
実施例及び比較例で用いた無機粒子の各種物性を表1にまとめた。なお、無機粒子としては各種物性を有する酸化亜鉛を用いた。製造会社名は以下のとおりである。
Zincox Super F−1,F−3:ハクスイテック(株)製
VK−JS01,JS02,JS03:杭州万景新材料有限公司製
ZnO350:住友大阪セメント(株)製
また、その他の原料については以下のとおりである。
UH650M1(商標):Mv100万の超高分子量ポリエチレン、旭化成ケミカルズ(株)製
UH850(商標):Mv200万の超高分子量ポリエチレン、旭化成ケミカルズ(株)製
SH800(商標):Mv27万の高密度ポリエチレン、旭化成ケミカルズ(株)製
H−100M(商標):Mv40万のホモポリプロピレン、プライムポリマー(株)製
LP:流動パラフィン(スモイルP−350P(商標)、松村石油研究所社製)
[実施例1]
表2に示す配合量(単位は質量部)のポリオレフィン樹脂、無機粒子、及び可塑剤と、酸化防止剤としてペンタエリスリチル−テトラキス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]を0.2質量部、滑剤としてステアリン酸カルシウムを0.3質量部の割合で含む混合物を、ヘンシェルミキサーにて予備的に混合(予備混練)した。得られた予備混合物(予備混練物)をフィーダーにより二軸同方向スクリュー式押出機のフィード口に供給して溶融混練した。溶融混練条件を、設定温度200℃、スクリュー回転数100rpm、吐出量16kg/時間に設定して、予備混合物を溶融混練し、溶融混練物を得た。
続いて、得られた溶融混練物を、Tダイを経て表面温度30℃に制御された冷却ロール間に押し出し、厚み1450μmのシート状のポリオレフィン樹脂組成物を得た。
次に、連続して同時二軸テンターへ導き、縦方向に7倍、横方向に6.1倍に同時二軸延伸を行った。この時、同時二軸テンターの設定温度は122℃であった。
さらに横テンターに導き横方向に1.8倍延伸した後、最終出口で1.6倍となるように11%緩和して(熱緩和)、得られた微多孔膜に対して巻取りを行った。横方向への延伸時の設定温度は120℃、熱緩和時の設定温度は125℃であった。原料、製造条件、膜特性、及び電池特性を表2に示す。
[実施例2〜4]
表2に示す条件以外は実施例1と同様にして微多孔膜を得た。
[比較例1〜3]
表2に示す条件以外は実施例1と同様にして微多孔膜を得た。
実施例及び比較例で使用した原料、採用した製造条件、得られた微多孔膜の膜特性、電池特性を表2に示す。
実施例と比較例の比較から、無機粒子として本実施形態の範囲のD50平均粒子径及び比表面積を有するものを用いると、耐電圧及び突刺強度を高くでき、且つ電池特性(サイクル特性)を向上させることができることを確認できた。
本発明によれば、耐電圧及び突刺強度が高く、セパレータとして電池に使用したときに電池のサイクル特性を向上させることのできるポリオレフィン微多孔膜が提供される。当該ポリオレフィン微多孔膜は、安全性および信頼性に優れた非水電解液電池等の蓄電池用セパレータとして、或いは、燃料電池の一構成部品、加湿膜、ろ過膜等としての産業上利用可能性を有する。特に、電気自動車やハイブリッド自動車用の電池分野において有用である。

Claims (6)

  1. ポリオレフィン樹脂と無機粒子とを含む微多孔膜であって、
    前記無機粒子のD50平均粒子径が0.1μm以上9μm未満であり、
    前記無機粒子の比表面積が5m2/g以上55m2/g未満である、
    ポリオレフィン微多孔膜。
  2. 前記無機粒子は酸化亜鉛を主成分として含む、請求項1記載のポリオレフィン微多孔膜。
  3. 前記ポリオレフィン樹脂が、粘度平均分子量が25万以上300万以下であるポリエチレンを含む、請求項1又は2記載のポリオレフィン微多孔膜。
  4. 前記ポリオレフィン樹脂と前記無機粒子との総量中に占める前記無機粒子の割合が15質量%以上85質量%以下である、請求項1〜3のいずれか1項記載のポリオレフィン微多孔膜。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリオレフィン微多孔膜を含む蓄電デバイス用セパレータ。
  6. 請求項5記載の蓄電デバイス用セパレータと、正極と、負極と、電解液とを含む蓄電デバイス。
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