JP2013234263A - ポリオレフィン製微多孔膜及びその製造方法 - Google Patents

ポリオレフィン製微多孔膜及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】良好なサイクル特性と高い耐電圧特性を両立した電池を提供することができるセパレータとして好適なポリオレフィン製微多孔膜を提供する。
【解決手段】バブルポイントが500〜700kPaであり、長さ方向(MD)引張強度/幅方向(TD)引張強度の比が1.0〜5.5であり、シャットダウン温度が130〜140℃であるポリオレフィン製微多孔膜。
【選択図】なし

Description

本発明はポリオレフィン製微多孔膜、及びその製造方法に関する。
ポリオレフィン製微多孔膜は優れた電気絶縁性、イオン透過性を示すことから電池やコンデンサー等におけるセパレータとして広く利用されている。近年、携帯機器の高機能化、小型化に伴い高出力密度、高容量密度が特徴のリチウムイオン二次電池が多く使用されており、このような電池用セパレータにも主としてポリオレフィン微多孔膜が用いられている。
リチウムイオン二次電池用セパレータの基本的な役割は、正極と負極の間に配置されて両極の短絡を防ぐと共に、その微多孔構造によってイオンを透過させるものである。
近年ではリチウムイオン二次電池の高出力化や高容量化のニーズが高まり、セパレータに求められる特性も多岐に渡っている。例えば、電池の高容量化には、電極活物質の充填量を増やすために、セパレータの薄膜化が求められ、電池の高出力化には、一度に大量のイオン透過を可能にするため、より大孔径で高い気孔率のセパレータを用いることが効果的であると考えられている。
電池性能に加えて電池の安全性を確保するためにも、セパレータは重要な役割を果たしており、例えば、内部短絡に対する安全性が求められている。電池作製時に異物が混入したり、外部からの力によって電池が変形することで、セパレータが破膜することがある。破膜によって正負極間で短絡が起こると、電池内部の温度が上昇し、最終的には熱暴走、発火にまで至るおそれがある。この時、セパレータにおいて安全性を確保する方法としては、高強度に設計することにより破膜をさせずに短絡を防ぐ方法や、破膜後のセパレータの挙動を制御することで、電池内部の温度上昇を抑制できることが分かっている。内部短絡に対する安全性に寄与するセパレータの因子としては、強度や引張伸度、混合樹脂の融点やポリマー鎖の配向等が挙げられる。
また、リチウムイオン二次電池に特有のニーズとして、セパレータのシャットダウン特性も求められる。これは、電池内部が過熱した際にセパレータが溶融して電極を覆う被膜となって電流を遮断する特性であり、その被膜が安定に存在することにより電池の安全性を確保する機能である。シャットダウンに寄与する因子としては、使用するポリマーの融点や孔径の均一性等が挙げられる。
セパレータの耐電圧特性も重要な性能として位置付けられる。耐電圧とは、セパレータがどの程度の電圧まで短絡せずに、電極間で絶縁体として存在しうるかという絶縁性能を示しており、耐電圧特性が高いほど電池の安全性、信頼性向上に貢献できる。耐電圧には気孔率や孔径が大きく寄与していると考えられる。例えば、極度に大きい孔径部分が存在すると、その孔径が原因で低い電圧での短絡が発生しやすくなる。
例えば、特許文献1では、長さ方向(MD)の引張破断伸度、MDと膜幅方向(TD)の引張破断伸度の比、及びバブルポイントを規定した膜が提案されている。
特許文献2では、MD引張弾性率とTD引張弾性率の比、最大孔径、及び120℃の熱収縮を規定した膜が提案されている。
特許文献3では、可塑剤の抽出前後に適度な延伸を行うことにより、特定範囲の透水量/透気量バランスとバブルポイントを有する中孔径で緻密な孔構造を実現している。
特開2010−202828号公報 特開2010−007053号公報 特開2004−323820号公報
しかしながら、特許文献1に記載された膜は、内部短絡時に膜の亀裂を走りにくくし、短絡面積を抑制できるという特徴や、良好なサイクル特性を有するとしているものの、高い耐電圧特性やスリット性能を得るまでには至っていない。
特許文献2に記載された膜は、スリット工程での不良率低減効果や、オーブン試験に対する安全性が高いとされている。しかしながら、高い耐電圧特性と高気孔率の両立の面で課題が残る。
特許文献3に記載された膜は、電池として高い初期容量とサイクル特性を両立するとされている。しかしながら、低シャットダウン性は不十分であり、また、透気度と気孔率のバランスから孔径を推測すると耐電圧特性には改善の余地がある。
本発明は、上記事情に鑑み、良好なサイクル特性と高い耐電圧特性とを両立した電池を実現することのできるセパレータとして好適なポリオレフィン製微多孔膜を提供することを課題とする。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、特定の物性が特定範囲に調整されたポリオレフィン製微多孔膜(以下、単に「微多孔膜」と略記することがある。)が上記課題を達成し得ることを見出し、本発明をなすに至った。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
[1]
バブルポイントが500〜700kPaであり、長さ方向(MD)引張強度/幅方向(TD)引張強度の比が1.0〜5.5であり、シャットダウン温度が130〜140℃であるポリオレフィン製微多孔膜。
[2]
突刺強度が0.2〜0.4N/μmである、上記[1]記載のポリオレフィン製微多孔膜。
[3]
平均孔径が0.1μm以下である、上記[1]又は[2]記載のポリオレフィン製微多孔膜。
[4]
上記[1]〜[3]のいずれか記載のポリオレフィン製微多孔膜を含む電池用セパレータ。
[5]
上記[4]記載の電池用セパレータと、正極と、負極と、電解液と、を含むリチウムイオン二次電池。
[6]
上記[1]記載のポリオレフィン製微多孔膜の製造方法であって、下記(1)〜(5)の各工程、
(1)ポリオレフィン樹脂と、可塑剤と、無機粉体と、を混合する混合工程、
(2)前記混合工程により得られた混合物を溶融混練する混練工程、
(3)前記混練工程で得られた混練物を、スリットから押出し、冷却してシート状に成形するシート成形工程、
(4)前記シート成形工程で得られたシート状の成形物から可塑剤と、必要に応じて無機粉体とを抽出する抽出工程、
(5)前記抽出工程で得られたシート状の多孔体を延伸する延伸工程、
を含み、前記延伸工程における総延伸倍率が12倍以上である製造方法。
[7]
前記延伸工程におけるMDとTDの延伸倍率の比(MD/TD延伸倍率比)が1.0〜2.0である、上記[6]記載の製造方法。
本発明により、良好なサイクル特性と高い耐電圧特性とを両立した電池を実現することのできるセパレータとして好適なポリオレフィン製微多孔膜が提供される。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」と略記する。)について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
本実施形態におけるポリオレフィン製微多孔膜は、バブルポイントが500〜700kPaであり、長さ方向(MD)引張強度/幅方向(TD)引張強度の比が1.0〜5.5であり、シャットダウン温度が130〜140℃である。
本実施形態におけるポリオレフィン製微多孔膜は、膜厚方向に連通孔を有し、例えば、三次元網状骨格構造を有するものであり、電池用セパレータとして使用した場合に、良好なサイクル特性と高い耐電圧特性を両立した電池を提供することができる。
サイクル試験後の電池容量は、セパレータの電解液保持性が高いほど良好であると共に、充放電に伴う電解液の分解物が、セパレータの目詰まりを起こすことでイオン透過性が低下し、劣化すると考えられている。そのため、セパレータの孔は目詰まりしても閉塞することなく透過性を保てるように、ある程度の大孔径であり且つ高気孔率であることが、サイクル特性の面で好ましい。また、例えばリチウムイオン二次電池の場合、繰返し充放電することに伴って負極上に金属リチウムデンドライトが生成することがある。このリチウムデンドライトに起因して、正極と負極の間に微弱な電流が流れると、電圧が降下し、例えば保存試験における容量の劣化(電池寿命の低下)が進行すると考えられている。この場合、セパレータの孔が大孔径であるほど正極と負極間での導通ポイントが増えるため、より小孔径なセパレータほど容量維持の面で好ましい。これは電池試験にて評価できるが、現象としてはセパレータの絶縁性に影響を受けるものであるため、セパレータの耐電圧特性で評価することもできる。
上述したように、高透過性と耐電圧特性を付与するためには、相反する特徴がセパレータには求められ、従来技術においては、サイクル特性と高い耐電圧特性を両立したセパレータを実現することは困難であった。そこで本発明者らは鋭意検討の結果、バブルポイントを500〜700kPa、引張強度のMD/TD比を1.0〜5.5、シャットダウン温度を130〜140℃に規定したポリオレフィン製微多孔膜が、サイクル特性に有利な大孔径の特徴を有しながらも、高い耐電圧特性を有する電池用セパレータとなり得ることを見出した。しかもそのセパレータは、内部短絡に対する安全性にも優れるものであった。
内部短絡に対する安全性の評価手法の1つとしては、電池の側面から人為的に釘を貫通させ強制的に短絡させる釘刺し試験がある。釘刺し試験では、釘刺し箇所においてセパレータが破膜した場合、正極と負極が直接反応し、このときの発熱によってセパレータが溶融する。その後さらに穴が拡大して短絡面積が拡がり、最終的には熱暴走にまで至ることがある。この際、正極活物質が分解して酸素が放出されると、安全性の低い電池では発火へと至ると考えられる。
すなわち、貫通による破膜部の孔の拡大を抑制することが発熱を抑える点で重要と考えられる。例えば、セパレータのMD/TD方向のポリマー鎖の配向に異方性が強い場合、一度穴が空くと、より配向の強い方向に沿って亀裂が拡大する。逆に等方的であるほど、孔の広がりは抑制されると考えられる。
また、セパレータそのものの突刺強度を上げることは、異物や外力からの破膜を防ぐ効果があるため、安全性の面で好ましい。
バブルポイントは微多孔膜の最大孔径を計る指標の一つであり、最大孔径は耐電圧との関係が深い。最大孔径が大きすぎるとセパレータの耐電圧が低くなり充分な絶縁性を保つことができず、また、微弱電流による電圧降下も起きやすくなる。逆に、最大孔径が小さすぎると、上述したとおり、透過性の低下を招く。そのため、セパレータは高い透過性と高い絶縁性能を両立する孔構造を有することが必要である。本実施形態におけるポリオレフィン製微多孔膜のバブルポイントは、電圧降下の抑制、及び耐電圧特性の観点から、500kPa以上に調整されており、電解液分解物による目詰まりを防ぎ良好なサイクル特性やレート特性を実現する観点から、700kPa以下に調整されている。バブルポイントは、より好ましくは500〜650kPaである。
MD引張強度/TD引張強度の比は、押出成形による引取りや延伸によって形成されるポリマー鎖の配向に関係する。本実施形態におけるポリオレフィン製微多孔膜は、貫通による破膜部の孔の拡大を抑える観点から、MD/TD引張強度の比は1.0〜5.5に調整されている。さらに、MD/TD引張強度の比が上記範囲内にあることは、セパレータリールからの繰出し時に膜のバタツキを抑え、高速捲回時の耳立ち不良を抑制できる観点からも好ましい。
本実施形態におけるポリオレフィン製微多孔膜の平均孔径としては、耐電圧特性を高める観点から0.1μm以下であることが好ましく、0.09μm以下であることがより好ましい。また、サイクル特性に影響を与える透過性の観点から、0.08μm以上であることが好ましい。
本実施形態におけるポリオレフィン製微多孔膜の突刺強度は、電池内への異物混入やリチウムデンドライトによる突き破れを抑制する観点から、0.2N/μm以上であることが好ましく、電池製造工程における捲回のし易さの観点から、0.4N/μm以下であることが好ましい。
本実施形態におけるポリオレフィン製微多孔膜の膜厚は、強度の観点から5μm以上であることが好ましく、電池高容量化の観点から50μm以下であることが好ましい。微多孔膜の膜厚は10〜30μmであることがより好ましい。
本実施形態におけるポリオレフィン製微多孔膜の気孔率は、透過性の観点から35%以上であることが好ましく、強度や捲回性の観点から60%以下であることが好ましい。微多孔膜の気孔率は40〜55%であることがより好ましい。
本実施形態におけるポリオレフィン製微多孔膜の透気度は、安全性と自己放電抑制の観点から10sec/100cc以上であることが好ましく、イオン透過性の観点から500sec/100cc以下であることが好ましい。微多孔膜の透気度は100〜220sec/100ccであることがより好ましい。
本実施形態におけるポリオレフィン製微多孔膜のシャットダウン温度は、安全性の観点から140℃以下であり、サイクル特性の観点から130℃以上である。シャットダウン温度が低いほど異常発熱時における熱暴走の早期抑制に効果的であり、また、内部短絡に対する安全性も高まる。シャットダウン温度が高いほど高温下における孔の閉塞を抑制できるため、高温状態のサイクル特性に優れる。微多孔膜のシャットダウン温度は、好ましくは134℃〜137℃である。
本実施形態におけるポリオレフィン製微多孔膜の熱収縮率は、特に110℃条件下でのTD方向において25%以下であることが好ましく、さらには22%以下であることが好ましい。微多孔膜の熱収縮率が上記範囲であると、内部短絡のリスクが低減する傾向にある。
なお、本実施形態におけるポリオレフィン製微多孔膜に関する上記各パラメータの調整方法としては、ポリオレフィン樹脂の分子量、ポリオレフィン樹脂の割合や、下記製造工程における延伸温度、延伸倍率等を調整する方法、熱処理条件を調整する方法等が挙げられる。
本実施形態におけるポリオレフィン製微多孔膜は、例えば、下記(1)〜(5)の各工程、
(1)ポリオレフィン樹脂と、可塑剤と、必要に応じて無機粉体と、を、例えばヘンシェルミキサー等で混合する混合工程、
(2)前記混合工程により得られた混合物を押出機内等で溶融混練する混練工程、
(3)前記混練工程で得られた混練物を、例えばTダイス等のスリットから押出し、冷却してシート状に成形するシート成形工程、
(4)前記シート成形工程で得られたシート状の成形物から可塑剤と、必要に応じて無機粉体とを抽出する抽出工程、
(5)前記抽出工程で得られたシート状の多孔体を延伸する延伸工程、
を含む製造方法により製造することができる。
なお、上記各工程に加えて、抽出工程の後に乾燥する工程や、延伸工程の後に熱処理する工程を更に含んでもよい。
また、前記微多孔膜の製造においては、シートを延伸した後に可塑剤を抽出(抽出前延伸)してもよいが、特定の伸度、及び均一で適度に大きな孔径の微多孔膜を得やすくなるため、可塑剤や無機粉体を抽出した後に延伸(抽出後延伸)することが好ましい。
前記ポリオレフィン樹脂としては、例えば、各種のポリエチレン成分、ポリプロピレン成分、又はそれらを混合したものが挙げられる。
前記ポリエチレン成分としては、密度が0.94g/cm3超である高密度ポリエチレン、密度が0.93〜0.94g/cm3の範囲内にある中密度ポリエチレン、密度が0.93g/cm3未満である低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン等が挙げられる。膜強度を高くする観点からは、高密度ポリエチレン及び中密度ポリエチレンが好ましく、それらを単独で使用しても、或いは混合物として使用してもよい。
前記ポリエチレン成分としては、粘度平均分子量(Mv)が100万以上250万以下の超高分子量ポリエチレン(中でも、ホモポリエチレン)、Mvが10万以上30万以下かつ融点が130℃以下の直鎖状低密度ポリエチレンを含むことが好ましい。また、高密度ポリエチレンとしては、エチレン単位に対して、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、オクテン等のα−オレフィンの単位を4mol%以下の割合で含む共重合体であってもよい。高密度ポリエチレンのMvとしては、50万以下が好ましく、10万以上30万以下であることがより好ましい。
超高分子量ポリエチレンは、溶融粘度が高いため、製膜時における樹脂の混練性を向上させる効果があり、且つ膜の強度維持及び熱に対する耐破膜性の向上にも効果がある。また、直鎖状低密度ポリエチレンを混合することにより、より低い温度で、速い速度でのシャットダウンを達成することができる。
超高分子量ポリエチレンが前記ポリオレフィン樹脂中に占める割合としては、ポリオレフィン樹脂全量を100質量%とした場合に、5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましい。上限としては、成型加工性の観点から、40質量%以下であることが好ましい。直鎖状低密度ポリエチレンが前記ポリオレフィン樹脂中に占める割合としては、30質量%以上であることが好ましく、強度の観点から、50質量%以下であることが好ましい。超高分子量ポリエチレンと直鎖状低密度ポリエチレンを上記の割合で混合させることにより、低いシャットダウン温度と高い耐熱破膜性を両立させることができる傾向にある。
前記ポリプロピレン成分としては、例えば、プロピレンのホモポリマーや、プロピレンとエチレンとを共重合させたコポリマーが挙げられる。これらは1種を単独で、又は2種以上を併用してもよい。ポロプロピレンの粘度平均分子量(Mv)としては、高温特性の観点から15万以上であることが好ましく、膜品位の観点から100万以下であることが好ましい。
前記可塑剤としては、例えば、フタル酸ジオクチル(以下、「DOP」と記述する。)、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジブチル等のフタル酸エステル;アジピン酸エステルやグリセリン酸エステル等の有機酸エステル類;リン酸トリオクチル等のリン酸エステル類;流動パラフィン;固形ワックス;ミネラルオイル等が挙げられる。ポリエチレンとの相溶性の観点からは、フタル酸エステルが特に好ましい。これらは単独で用いても、併用してもよい。
前記無機粉体としては、シリカ、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、アルミナ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリンクレー、タルク、酸化チタン、カーボンブラック、珪藻土類などが挙げられる。これらは単独で用いても、併用してもよい。分散性や抽出の容易さの観点からは、特にシリカを使用することが好ましい。
(1)工程におけるポリオレフィン樹脂と可塑剤と無機粉体とのブレンド比は特に限定されないが、ブレンド原料100質量%中のポリオレフィン樹脂の割合は、強度と製膜性の観点から25〜50質量%が好ましい。
また、前記可塑剤が前記ブレンド原料100質量%中に占める割合としては、好ましくは30質量%以上、より好ましくは40質量%以上であり、上限としては、好ましくは80質量%以下、好ましくは60質量%以下である。当該割合を80質量%以下とすることは、溶融成形時のメルトテンションを高く維持し、成形性を確保する観点から好ましい。一方、当該割合を30質量%以上とすることは、成形性を確保する観点、及び、ポリオレフィンの結晶領域におけるラメラ晶を効率よく引き伸ばす観点から好ましい。ここで、ラメラ晶が効率よく引き伸ばされることは、ポリオレフィン鎖の切断が生じずにポリオレフィン鎖が効率よく引き伸ばされることを意味し、均一かつ微細な孔構造の形成や、ポリオレフィン製微多孔膜の強度に寄与する結晶化度の向上に効果がある。
更に、前記ブレンド原料100質量%中の無機粉体の割合は、均一な孔径を得る観点から1質量%以上であることが好ましく、製膜性の観点から10〜40質量%であることが好ましい。
上記配合例としては、例えば、ポリオレフィン樹脂25〜50質量部、可塑剤30〜60質量部、及び無機粉体10〜40質量部を、合計が100質量部となるように配合する例が挙げられる。
なお、前記ポリオレフィン樹脂、無機粉体、可塑剤に加え、必要に応じて酸化防止剤、耐電防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、アンチブロッキング剤等の各種添加剤を添加することができる。
(1)工程における混合は、ヘンシェルミキサー、V−ブレンダー、プロシェアミキサー、リボンブレンダー等の一般的な混合機を用いて行うことができる。
(2)工程では、混合物は、押出機、ニーダー等の溶融混練装置により混練される。
(3)工程では、得られた混練物を、例えば、Tダイスやリングダイスを用いた溶融成形によりシート状に成形する。このとき、ギアーポンプを介して成形するのが、寸法安定性の面で好ましく、ギアーポンプ前圧力を一定に制御して成形するのが、寸法安定性の面で特に好ましい。
(3)工程において、溶融押出しされたシート状の成形物の冷却方法としては、例えば、エアーにて冷却する方法、ダイス吐出樹脂温度より20〜120℃低く温調したロールにて接触させて冷却する方法、ダイス吐出樹脂温度より20〜120℃低いカレンダーロールにて圧延成形してシート状に成形しながら冷却する方法等を用いることができる。中でも、ダイス吐出樹脂温度より20〜120℃低いカレンダーロールにて圧延成形してシート状に成形しながら冷却する方法を用いるのが膜厚み均一性の面で好ましい。ダイス吐出樹脂温度とカレンダーロール温度の差は40〜80℃であることがより好ましい。また、ロールを使用する際、ダイスとロールのシートとの接点の距離は5〜500mmの範囲に調整して成形するのが好ましい。ダイス吐出温度は、通常の熱電対温度計にて端子をダイスに触れないようにし、吐出樹脂に接触させることにより測定することができる。
(4)工程では、膜中の可塑剤、及び必要に応じて無機粉体の抽出を行う。可塑剤の抽出に用いられる溶剤としては、特に限定されないが、例えば、メタノール、エタノール、メチルエチルケトン、アセトン等の有機溶剤;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;テトラヒドロフラン等のエーテル類;塩化メチレン、1,1,1−トリクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類等が挙げられる。これらは単独で用いても、併用してもよい。一方、無機粉体の抽出に用いられる溶剤としては、特に限定されないが、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムのようなアルカリ水溶液が好適に用いられる。
(5)工程では、シート状の多孔体は少なくとも一軸方向に延伸される。一軸方向に延伸する方法は、ロール延伸でもテンターを用いた延伸でもよいが、高強度及び薄膜化の観点から、二軸延伸が好ましい。二軸延伸する場合は、逐次二軸延伸でも同時二軸延伸でもどちらでも構わないが、中〜大孔径の膜を得る観点からは逐次二軸延伸が好ましい。延伸する際には、多孔体を一枚でも複数枚重ねても構わないが、強度向上と信頼性の観点から、二枚以上重ねて延伸することが好ましい。延伸後、耐熱収縮性の向上のため、熱固定又は熱緩和等の熱処理を行うことが好ましい。
ここで二軸延伸の倍率としては、MD方向、TD方向を合わせた総延伸倍率として12倍以上が好ましく、上限としては、30倍以下が好ましい。総延伸倍率が12倍以上であると、膜厚方向へのポリマー層の圧縮が十分になされることで、曲路率の高い孔構造となる傾向にあり、30倍以下であると、破断による生産性低下のリスクが低減する傾向にある。
MD/TD延伸倍率比としては、1.0〜2.0であることが好ましく、1.0〜1.8であることがより好ましい。MD/TD延伸倍率比が上記範囲であると、大孔径でありながら高い耐電圧特性を有し、且つ、電圧低下による容量劣化をも抑制することが可能な孔構造を得られる傾向にある。その理由としては定かではないが、抽出後延伸にて前記倍率で延伸をすることで、従来技術では成し得なかった大孔径、且つ、曲路率の高い緻密な孔構造が得られるためと推測される。すなわち、高倍率な抽出後二軸延伸により、孔の大孔径化に加えて、ポリマー鎖の引き伸ばしが十分に行われるため、膜厚方向へのポリマー鎖と空隙部分の圧縮も大きくなされる。さらには、MD/TD延伸倍率比を規定することで、MD方向に走るポリマー鎖の太いフィブリルがTD方向に引き裂かれ、細かく枝分かれしたフィブリルが形成される。上記二つの現象が相まった結果として、膜の曲路率が高くなり、従来膜では得られなかった効果が発現されるものと考えられる。
ここで、例えば、先行技術を用いて上記延伸倍率を適用した場合、延伸倍率の増加に伴って膜の熱収縮が悪化することが分かった。熱収縮は高温時の電池の安全性に寄与し、特に円筒電池に対してはTD方向の収縮が小さいことが好ましい。本実施形態における技術では延伸倍率を上げた場合でも熱収縮を抑えるために、シート状の成形物の厚みを従来比から相当量増やしている。そうすることで延伸後の熱固定をより高い温度で処理することが可能となり、膜の残留応力を上げることなく、すなわち耐熱収縮性を悪化させることなく、本実施形態で規定している延伸倍率を適用でき、結果として孔構造の緻密化を達成しているものと考えられる。延伸前のシート状成形物の厚みとしては、250〜1000μmの範囲が好ましく、延伸時に成形物を重ね合わせる場合においては成形物全体の総厚みを示す。
また、気孔率を高くした場合であっても、高い突刺強度を発現できる理由についても、上記と同様の理由によるものと考えられる。
さらには、MD/TD延伸倍率比を上記範囲に調整することで、サイクル特性が向上する傾向にある。これは孔がより等方的となり、膜のイオン透過抵抗が低減されるためであると考えられる。
また、総延伸倍率とMD/TD延伸倍率比を規定することで、本実施形態におけるMD/TD引張強度比を達成することができる。その結果、異物等が原因の穴の拡大が抑制され安全性が高まる。
本実施形態におけるポリオレフィン製微多孔膜は、電池やコンデンサー等における隔離材や物質の分離に用いることができる。特に、安全性と実用性に優れた非水電解液電池用セパレータとして好適に用いることができる。
このような微多孔膜をセパレートとして用いて形成される電池(例えば、リチウムイオン二次電池)としては、捲回式の電池であれば、円筒型、角型のいずれでもよい。
本実施形態におけるリチウムイオン二次電池は、上述した電池用セパレータと、正極と、負極と、電解液と、を含む。リチウムイオン二次電池は、従来公知の方法により製造することができ、例えば、電池用セパレータを正極と負極の間に配置し、電解液を保持させることにより製造することができる。
正極、負極、電解液に限定はなく、公知のものを用いることができる。
正極材料としては、例えば、LiCoO2、LiNiO2、スピネル型LiMnO4、Li[NixMnyCoz]O2(x、y、zはx+y+z=1かつ0≦x<1、0≦y<1、0≦z<1を満たす)、オリビン型LiFePO4等のリチウム含有複合酸化物等が、負極材料としては、例えば、黒鉛質、難黒鉛化炭素質、易黒鉛化炭素質、複合炭素体等の炭素材料;シリコン、スズ、金属リチウム、各種合金材料等が挙げられる。
また、電解液としては、電解質を有機溶媒に溶解した電解液を用いることができ、このときの有機溶媒としては、例えば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート等が、電解質としては、例えば、LiClO4、LiBF4、LiPF6等のリチウム塩が挙げられる。
なお、本実施形態中に記載された各種パラメータについては、特に記載の無い限り、下記実施例における測定方法に準じて測定される。
次に、実施例及び比較例を挙げて本実施形態をより具体的に説明するが、本実施形態はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例中の物性は以下の方法により測定した。
(1)膜厚(μm)
東洋精機社製の微小測厚器「KBM」(商標)を用いて室温23℃で測定した。試料を100mm×100mmのサイズに切り出し、格子状に9分割した各格子の中心部の厚さを測定し、9点の平均値を膜厚とした。
(2)透気度(sec/100cc)
JIS P−8117準拠のガーレー式透気度計を用いて測定した。なお、本明細書では透気抵抗度を透気度として表記している。
(3)気孔率(%)
試料を100mm×100mmのサイズに切り出して体積(cm3)、質量(g)を求め、それらと樹脂密度(g/cm3)から、次式を用いて計算した。
気孔率(%)=(1−(質量/体積)/(樹脂密度))×100
なお、「実施例及び比較例」の膜密度は0.95(g/cm3)として算出した。
(4)突刺強度(N/μm)
カトーテック社製のハンディー圧縮試験機「KES−G5」(商標)を用いて測定した。針先端の曲率半径0.5mm、突刺速度2mm/秒で突刺試験を行い、最大突刺荷重を突刺強度とした。この測定値を膜厚(μm)で割ることにより、単位膜厚当りの突刺強度(N/μm)を求めた。
(5)バブルポイント(kPa)
ASTM E−128−61に準拠し、エタノールを用いて測定した。
(6)MD、TDの引張破断強度(MPa)
JIS K7127に準拠し、島津製作所社製の引張試験機「オートグラフAG−A型」(商標)を用いて、MD及びTDサンプル(形状;幅10mm×長さ100mm)について測定した。また、サンプルはチャック間距離を50mmとし、サンプルの両端部(各25mm)の片面にセロハンテープ(日東電工包装システム(株)製、商品名:N.29)を貼ったものを用いた。さらに、試験中のサンプル滑りを防止するために、引張試験機のチャック内側に厚み1mmのフッ素ゴムを貼り付けた。
引張破断強度(MPa)は、破断時の強度を、試験前のサンプル断面積で除すことで求めた。
なお、測定は、温度;23±2℃、チャック圧;0.30MPa、引張速度;200mm/minの条件で行った。
(7)平均孔径(ハーフドライ法)(μm)
ASTM F−316−86に準拠し、エタノールを用いて測定した。
(8)シャットダウン温度(℃)
規定の電解液を十分に含浸させた微多孔膜を、ガラス板に固定した厚さ10μmのニッケル箔で挟み込み、ガラス板を市販のクリップで固定した。ガラス板には熱電対を耐熱テープで固定しセルを作製した。
詳細に説明すると、一方のニッケル箔には耐熱テープを貼り合わせて箔中央部に15mm×10mmの窓の部分を残しマスキングした。窓部を微多孔膜で覆うように重ね、もう一方のニッケル箔で微多孔膜を挟み込んだ。なお規定の電解液とは1mol/Lのホウフッ化リチウム溶液であり、その溶媒はプロピレンカーボネート/エチレンカーボネート/γ-ブチルラクトン=1/1/2(体積比)である。
得られたセルをオーブン中に静置し、温度とニッケル箔間の電気抵抗を測定した。オーブンは30℃から200℃まで2℃/minの昇温速度で昇温させ、電気抵抗値は1kHzの交流にて測定した。
電気抵抗値が1000Ωに達するときの温度をシャットダウン温度とした。
(9)粘度平均分子量
ポリエチレン及びポリプロピレンの粘度平均分子量は、溶剤としてデカリンを用い、測定機器として、キャノンフェンスケ粘度計(SO100)を用いて測定温度135℃で粘度[η]を測定し、得られた粘度[η]から以下のChaiang式により算出した。
ポリエチレンの場合
[η]=6.77×10-4×Mv0.67
ポリプロピレンの場合
[η]=1.10×10-4×Mv0.80
(10)密度
ポリエチレン及びポリプロピレンの密度は、ASTM D1238に準拠して測定した。
(11)融点(℃)
島津製作所社製「DSC60」を用いて測定した。ポリマー3mgを測定サンプルとした。これを直径5mmのアルミ製オープンサンプルパンに載せ、クランピングカバーを乗せサンプルシーラーでアルミパン内に固定した。窒素雰囲気下、昇温速度10℃/minで30℃から200℃まで昇温後、200℃で5分間保持し、次に10℃/minで30℃まで温度を下げ、30℃で5分間保持し、最後に再度昇温速度10℃/minで200℃まで昇温し融解吸熱(DSC)曲線を測定した。1stヒートで得られる発熱を正方向としたDSC曲線において、JIS−K7121に記載の方法で得られる融解ピークを融点とした。
(12)TD熱収縮率(%)
ポリオレフィン製微多孔膜を各辺がMDとTDに平行となるように100mm四方に切り取り、120℃に温調したオーブン内に1時間放置した後に、TD熱収縮率を測定した。
(13)電池としての評価
下記の手順に従って円筒電池を作製した。
<正極の作製>
活物質としてリチウムコバルト複合酸化物LiCoO2を92.2質量%、導電剤としてリン片状グラファイトとアセチレンブラックをそれぞれ2.3質量%、バインダーとしてポリフッ化ビニリデン(PVDF)3.2質量%をN−メチルピロリドン(NMP)中に分散させてスラリーを調製した。このスラリーを正極集電体となる厚さ20μmのアルミニウム箔の片面にダイコーターで塗布し、130℃で3分間乾燥後、ロールプレス機で圧縮成形した。このとき、正極の活物質塗付量は250g/m2、活物質嵩密度は3.00g/cm3になるようにした。これを幅約57mmに切断して帯状にした。
<負極の作製>
活物質として人造グラファイト96.9質量%、バインダーとしてカルボキシメチルセルロースのアンモニウム塩1.4質量%とスチレン−ブタジエン共重合体ラテックス1.7質量%を精製水中に分散させてスラリーを調製した。このスラリーを負極集電体となる厚さ12μmの銅箔の片面にダイコーターで塗付し、120℃で3分間乾燥後、ロールプレス機で圧縮成形した。このとき、負極の活物質塗付量は106g/m2、活物質嵩密度は1.55g/cm3と高充填密度とした。これを幅約58mmに切断して帯状にした。
<非水電解液の調製>
エチレンカーボネート/エチルメチルカーボネート=1/2(体積比)の混合溶媒に、溶質としてLiPF6を濃度1.0mol/Lとなるように溶解させることにより調製した。
<セパレータ>
実施例及び比較例で得られた微多孔膜を60mmにスリットして帯状にすることにより作製した。
<電池組立て>
帯状負極、セパレータ、帯状正極、セパレータの順に重ね、巻取張力を250gf、捲回速度を45mm/秒として、渦巻状に複数回捲回することで電極板積層体を作製した。この電極板積層体を外径が18mmで高さが65mmのステンレス製容器に収納し、正極集電体から導出したアルミニウム製タブを容器蓋端子部に、負極集電体から導出したニッケル製タブを容器壁に溶接した。その後、真空下、80℃で12時間の乾燥を行った。
(13−1)電池捲回体の平均耐電圧
組立てた電池に対し、交流電圧(60Hz)を1.0KV/secの速度でかけていき、短絡した電圧値を耐電圧測定値とした。この測定値に20(μm)/膜厚(μm)を乗じることによって20μm換算耐電圧値とし、測定回数10回の平均値を平均耐電圧とした。
平均耐電圧は以下の基準に従って評価を行った。
平均耐電圧が1.4kV以上 ・・・ ◎
平均耐電圧が1.2kV以上 ・・・ ○
平均耐電圧が1.2kV未満 ・・・ ×
<電解液の注入>
アルゴンボックス内にて、組立てた電池容器内に前記した非水電解液を注入し、封口した。
<前処理>
組立てた電池を1/3Cの電流値で電圧4.2Vまで定電流充電した後、4.2Vの定電圧充電を8時間行い、その後1/3Cの電流で3.0Vの終止電圧まで放電を行った。次に、1Cの電流値で電圧4.2Vまで定電流充電した後、4.2Vの定電圧充電を3時間行い、その後1Cの電流で3.0Vの終止電圧まで放電を行った。最後に1Cの電流値で4.2Vまで定電流充電をした後、4.2Vの定電圧充電を3時間行い前処理とした。
(13−2)サイクル試験
上記前処理を行った電池を温度25℃の条件下で、放電電流1Aで放電終止電圧3Vまで放電を行った後、充電電流1Aで充電終止電圧4.2Vまで充電を行った。これを1サイクルとして充放電を繰り返し、初期容量に対する200サイクル後の容量保持率をサイクル特性として評価した。
サイクル試験は以下の基準に従って評価を行った。
容量保持率95%以上100%以下:◎
容量保持率90%以上95%未満:○
容量保持率90%未満:×
(13−3)釘刺し試験
上記前処理を行った電池に対し、直径2.5mmの釘を側面から5mm/secの速度で貫通させたときの電池表面の温度を計測した。
釘刺し試験は以下の基準に従って評価を行った。
最高到達温度が100℃未満:◎
最高到達温度が100℃以上120℃未満:○
最高到達温度が120℃以上:×
ポリオレフィン樹脂の原料としては、以下のものを用いた。
高密度ポリオレフィン
Mv12万、融点132℃、密度0.954g/cm3、プロピレン単位含有量1mol%のエチレン−プロピレン共重合体
直鎖状低密度ポリオレフィン
Mv15万、融点127℃、密度0.926g/cm3、エチレン単独重合体
超高分子量ポリオレフィン
Mv200万、融点134℃、密度0.936g/cm3、エチレン単独重合体
[実施例1]
表1に示す原料配合により得られたポリオレフィン樹脂34質量部に対し、DOP(フタル酸ジオクチル)45質量部、微粉シリカ(東ソーシリカ社製、商品名Nipsil LP)21質量部、酸化防止剤としてBHT(ジブチルヒドロキシトルエン)0.3質量部、及びDLTP(ジラウリルチオジプロピオネート)0.3質量部を、ヘンシェルミキサーで混合して造粒した。その後、Tダイスを装着した二軸押出機にて200℃で混練及び押出し、150℃に冷却されたカレンダーロールにて厚さ100μmのシート状に成形した。該成形物から塩化メチレンによりDOPを、水酸化ナトリウムにより微粉シリカを抽出した。該抽出後の膜を3枚重ねて120℃に加熱された延伸ロールでMDに4倍延伸した後、最大温度130℃のテンター内でTD方向に3.7倍に延伸した。得られたポリオレフィン製微多孔膜について各種特性を評価した。評価結果を表1に示す。
[実施例2]
表1に示す原料配合により得られた樹脂混合物を用いたこと以外は実施例1と同様の方法により厚さ135μmのシート状成形物を得て、該成形物からDOPと微粉シリカを抽出した。次いで、抽出後の膜を2枚重ねて122℃に加熱された延伸ロールでMDに5倍に延伸し、最大温度130℃のテンター内でTD方向に3倍に延伸したこと以外は、実施例1と同様にしてポリオレフィン製微多孔膜を得た。評価結果を表1に示す。
[実施例3]
表1に示す原料配合により得られた樹脂混合物を用いたこと以外は実施例1と同様の方法により厚さ150μmのシート状成形物を得て、該成形物からDOPと微粉シリカを抽出した。次いで、抽出後の膜を2枚重ねて120℃に加熱された延伸ロールでMDに5倍に延伸し、最大温度129℃のテンター内でTD方向に3倍に延伸したこと以外は、実施例1と同様にしてポリオレフィン製微多孔膜を得た。評価結果を表1に示す。
[実施例4]
表1に示す原料配合により得られた樹脂混合物を用いたこと以外は実施例1と同様の方法により厚さ170μmのシート状に成形物を得て、該成形物からDOPと微粉シリカを抽出した。次いで、抽出後の膜を2枚重ねて122℃に加熱された延伸ロールでMDに5.2倍に延伸し、最大温度131℃のテンター内でTD方向に3.2倍に延伸したこと以外は、実施例1と同様にしてポリオレフィン製微多孔膜を得た。評価結果を表1に示す。
[実施例5]
表1に示す原料配合により得られた樹脂混合物を用いたこと以外は実施例1と同様の方法により厚さ200μmのシート状に成形物を得て、該成形物からDOPと微粉シリカを抽出した。次いで、抽出後の膜を2枚重ねて122℃に加熱された延伸ロールでMDに5倍に延伸し、最大温度133℃のテンター内でTD方向に4.5倍に延伸したこと以外は、実施例1と同様にしてポリオレフィン製微多孔膜を得た。評価結果を表1に示す。
[実施例6]
表1に示す原料配合により得られた樹脂混合物を用いたこと以外は実施例1と同様の方法により厚さ150μmのシート状に成形物を得て、該成形物からDOPと微粉シリカを抽出した。次いで、抽出後の膜を2枚重ねて120℃に加熱された延伸ロールでMDに5.4倍に延伸し、最大温度131℃のテンター内でTD方向に3.3倍に延伸したこと以外は、実施例1と同様にしてポリオレフィン製微多孔膜を得た。評価結果を表1に示す。
[比較例1]
表1に示す原料配合により得られた樹脂混合物を用いたこと以外は実施例1と同様の方法により厚さ80μmのシート状成形物を得て、該成形物からDOPと微粉シリカを抽出した。次いで、抽出後の膜を2枚重ねて120℃に加熱された延伸ロールでMDに3倍に延伸し、最大温度128℃のテンター内でTD方向に2.5倍に延伸したこと以外は、実施例1と同様にしてポリオレフィン製微多孔膜を得た。評価結果を表1に示す。
[比較例2]
表1に示す原料配合により得られた樹脂混合物を用いたこと以外は実施例1と同様の方法により厚さ100μmのシート状に成形物を得て、該成形物からDOPと微粉シリカを抽出した。次いで、抽出後の膜を2枚重ねて122℃に加熱された延伸ロールでMDに5倍に延伸し、最大温度128℃のテンター内でTD方向に1.9倍に延伸したこと以外は、実施例1と同様にしてポリオレフィン製微多孔膜を得た。評価結果を表1に示す。
[比較例3]
表1に示す原料配合により得られた樹脂混合物を用いたこと以外は実施例1と同様の方法により厚さ100μmのシート状に成形物を得て、該成形物からDOPと微粉シリカを抽出した。次いで、抽出後の膜を2枚重ねて122℃に加熱された延伸ロールでMDに5倍に延伸し、最大温度127℃のテンター内でTD方向に2.5倍に延伸したこと以外は、実施例1と同様にしてポリオレフィン製微多孔膜を得た。評価結果を表1に示す。
[比較例4]
表1に示す原料配合により得られた樹脂混合物を用いたこと以外は実施例1と同様の方法により厚さ150μmのシート状に成形物を得て、該成形物からDOPと微粉シリカを抽出した。次いで、抽出後の膜を2枚重ねて123℃に加熱された延伸ロールでMDに5倍に延伸し、最大温度133℃のテンター内でTD方向に3倍に延伸したこと以外は、実施例1と同様にしてポリオレフィン製微多孔膜を得た。評価結果を表1に示す。
表1に示したように、本実施形態におけるポリオレフィン製微多孔膜(実施例1〜6)は電池用セパレータとして用いることにより、良好なサイクル特性と高い耐電圧特性を両立した電池を実現することができる。
本発明によれば、良好なサイクル特性と高い耐電圧特性を両立したセパレータとして好適なポリオレフィン製微多孔膜が提供される。

Claims (7)

  1. バブルポイントが500〜700kPaであり、長さ方向(MD)引張強度/幅方向(TD)引張強度の比が1.0〜5.5であり、シャットダウン温度が130〜140℃であるポリオレフィン製微多孔膜。
  2. 突刺強度が0.2〜0.4N/μmである、請求項1記載のポリオレフィン製微多孔膜。
  3. 平均孔径が0.1μm以下である、請求項1又は2記載のポリオレフィン製微多孔膜。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項記載のポリオレフィン製微多孔膜を含む電池用セパレータ。
  5. 請求項4記載の電池用セパレータと、正極と、負極と、電解液と、を含むリチウムイオン二次電池。
  6. 請求項1記載のポリオレフィン製微多孔膜の製造方法であって、下記(1)〜(5)の各工程、
    (1)ポリオレフィン樹脂と、可塑剤と、無機粉体と、を混合する混合工程、
    (2)前記混合工程により得られた混合物を溶融混練する混練工程、
    (3)前記混練工程で得られた混練物を、スリットから押出し、冷却してシート状に成形するシート成形工程、
    (4)前記シート成形工程で得られたシート状の成形物から可塑剤と、必要に応じて無機粉体とを抽出する抽出工程、
    (5)前記抽出工程で得られたシート状の多孔体を延伸する延伸工程、
    を含み、前記延伸工程における総延伸倍率が12倍以上である製造方法。
  7. 前記延伸工程におけるMDとTDの延伸倍率の比(MD/TD延伸倍率比)が1.0〜2.0である、請求項6記載の製造方法。
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