JP2001139710A - 多孔性樹脂フィルム - Google Patents

多孔性樹脂フィルム

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JP2001139710A
JP2001139710A JP32076999A JP32076999A JP2001139710A JP 2001139710 A JP2001139710 A JP 2001139710A JP 32076999 A JP32076999 A JP 32076999A JP 32076999 A JP32076999 A JP 32076999A JP 2001139710 A JP2001139710 A JP 2001139710A
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resin film
porous resin
porous
film according
ink
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Sanehiro Shibuya
修弘 渋谷
Yasuo Iwasa
泰雄 岩佐
Seiichiro Iida
誠一郎 飯田
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Yupo Corp
Original Assignee
Yupo Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水系インクや水系糊の溶媒となる水分の吸収
性の良い多孔性フィルムの提供、及び、インクジェット
記録に於いて、インクの吐出量が多い場合にベタ印刷し
ても濃度ムラなくインクを吸収できる記録媒体を提供す
る。更にこのような優れた性質を有する記録媒体を構成
する多孔性樹脂フィルムを提供する。 【解決手段】 Japan TAPPI No.51−
87 により測定される液体吸収容積が、0.5ml/
2 以上の範囲にあることを特徴とする多孔性樹脂フィ
ルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水系液体吸収性及
びインク吸収性に優れた多孔性樹脂フィルムに関する。
更に本発明は、特にインクジェット記録特性が良好で、
精細な画像を形成することができる記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、耐水性に優れたフィルム系合成紙
は樹脂を主成分とするもので、油性インキやUV硬化型
インキを使用するオフセット印刷やシール印刷、昇華型
ないしは溶融型熱転写などを主用途としてきた。しかし
ながら、用途拡大に伴い、水性インキを使用する印刷方
法や、環境に配慮した水系糊への適性向上要求が高まっ
ている。そのために、水系インクや水系糊、ないしは、
それらの溶媒となる水分の吸収性の良い合成紙が必要と
なってきている。また、近年のマルチメディアの技術進
歩に伴って、インクジェット方式のプリンターが業務
用、民生用を問わず広く普及している。インクジェット
方式のプリンターは、マルチカラー化および画像の大型
化が容易であり、印刷コストが安い等の多くの特徴を有
している。中でも、油性インクに比べて環境面や安全面
に関する問題を生じにくい水性インクを利用したインク
ジェットプリンターは、最近の主流になっている。
【0003】インクジェットプリンターは、文字だけで
なく画像の処理をも含んだハードコピーを得る方法とし
て広く使われている。その為、印刷後の画像にはより精
細さが要求されるようになっている。画像の精細さは、
記録媒体上に印刷されたインクの乾燥性に左右される。
例えば、複数の記録媒体へ連続的に印刷する場合、印刷
した記録媒体の上に別の記録媒体が重なることがある。
このとき、印刷した記録媒体のインクの吸収が不十分で
あると、インクが重ねた記録媒体上に付着してしまい、
画像汚れの原因になってしまう。
【0004】画像の精細さを高めるために、合成紙、プ
ラスチックフィルムまたはパルプ紙などの記録媒体上に
親水性樹脂または無機微細粉末を有するインク受容性材
料をコーティングする方法が広く採用されている(特開
平3−82589号公報、特開平9−216456号公
報)。一方、親水性樹脂を主成分とするインク受容層を
熱ラミネーション法またはエクストルージョンラミネー
ション法によって形成したインクジェット用記録媒体も
提案されている(特開平8−12871号公報、特開平
9−1920号公報、特開平9−314983号公
報)。しかしながら、パルプ紙にインク受容層をコーテ
ィングした記録媒体は、インクの吐出量が多い場合には
ボコつきが起こりやすく、また、プラスチックフィルム
にインク受容層をコーティングした記録媒体は、インク
の吐出量が多い場合には吸収能力不足となるケースがあ
るのでコーティング層を厚くする必要があり、コーティ
ング工程を多数回必要とするなどの問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、これらの従
来技術の問題を解消することを解決すべき課題とした。
すなわち本発明は、水系インクや水系糊の溶媒となる水
分の吸収性の良い多孔性フィルムの提供、及び、インク
ジェット記録に於いて、インクの吐出量が多い場合にベ
タ印刷しても濃度ムラなくインクを吸収できる記録媒体
を提供することを解決すべき課題とした。また、本発明
は、このような優れた性質を有する記録媒体を構成する
多孔性樹脂フィルムを提供することも解決すべき課題と
した。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決することを目的として鋭意研究を行った結果、J
apan TAPPI No.51−87 により測定
される液体吸収容積が、0.5ml/m2 以上の範囲に
あることを特徴とする多孔性樹脂フィルムが水系液体の
吸収が良好であり、更に表面接触角が110°以下の多
孔性樹脂フィルムがインクの吐出量が多い場合でも濃度
ムラなくインクを吸収することができ、インクジェット
等の記録媒体として好適であることを見出し、本発明を
完成するに至った。
【0007】すなわち本発明は、Japan TAPP
I No.51−87 により測定される液体吸収容積
が0.5ml/m2 以上の範囲にあることを特徴とする
多孔性樹脂フィルムであり、好ましくは多孔性樹脂フィ
ルムの水に対する平均接触角が110°以下であり、多
孔性樹脂フィルムは表面及び内部に空孔を有し、より好
ましくは、空孔率が10%以上であることを特徴とする
多孔性樹脂フィルムである。多孔性樹脂フィルム表面の
空孔は1×106 個/m2 以上、表面の空孔の平均直径
が0.01〜50μmの範囲にあるものが好ましい。好
ましい実施態様として、多孔性樹脂フィルムを構成する
樹脂が熱可塑性樹脂であり、無機または有機微細粉末を
70〜10重量%含有するものであり、よりに好ましく
は無機または有機微細粉末の平均粒子径が0.01〜2
0μmの範囲にあるものであり、更に好ましくは無機ま
たは有機微細粉末の比表面積が0.5m2 /g以上の範
囲にあるものである。
【0008】多孔性樹脂フィルムを構成する樹脂として
好ましくは、樹脂が親水性熱可塑樹脂、または非親水性
熱可塑性樹脂と親水性熱可塑樹脂との混合物であり、非
親水性熱可塑性樹脂がポリオレフィン系樹脂であり、親
水性熱可塑樹脂の30分間の吸水倍率が5g/g以上の
範囲、ないしは溶解するのものである。親水性熱可塑性
樹脂として好ましくは、アルキレンオキシド化合物およ
びジカルボン酸化合物との反応生成物である。本発明の
実施態様として、より好ましくは、延伸されているもの
である。本発明には、多孔性樹脂フィルム表面に酸化処
理を施したもの、さらに、多孔性樹脂フィルムを使用し
た積層体も含まれる。また、多孔性樹脂フィルムないし
は積層体を使用した記録媒体、ないしはこれらに色剤定
着層を設けたインクジェット記録用の記録媒体も含まれ
る。
【0009】
【発明の実施の形態】以下において、本発明の多孔性樹
脂フィルムおよび記録媒体について詳細に説明する。本
発明の多孔性樹脂フィルムの液体吸収容積は、0.5m
l/m2 以上、好ましくは3〜2600ml/m2 、よ
り好ましくは6〜100ml/m2 の範囲である。ま
た、水性インク用記録媒体用途においては、特に好まし
くは6〜50ml/m2 である。0.5ml/m2 未満
では水性インクや水性糊の吸収が不充分である。また、
吸収量を増やすためには多孔性フィルムの厚さも考慮す
る必要があるので、用途次第で上限は適宜決められる。
【0010】本発明での多孔性樹脂フィルムの液体吸収
容積とは、Japan, TAPPI, No.51−87
(紙パルプ技術協会、紙パルプ試験方法No.51−8
7、ブリストー法)に準拠して測定されるものであり、
本発明に於いては吸収時間が2秒以内の測定値を液体吸
収容積とする。測定溶媒は水70重量%とエチレングリ
コール30重量%の混合溶媒を100重量%として着色
用染料を加えてなるものを使用して測定される。着色用
染料としては、マラカイトグリーン等を使用し、その量
は混合溶媒100重量部に対し、それに加えて2重量部
程度であるが、測定に使用する溶媒の表面張力を大きく
変化させない範囲であれば、使用する着色用染料の種類
及び量は特に限定されない。
【0011】測定機としては、例えば熊谷理機工業株式
会社製、液体吸収性試験機が挙げられる。また、より短
い吸収時間における液体吸収容積が大きい方が、水性糊
等を使用した場合に紙の端からのはみ出しが少なくな
る。本発明に於いては40ミリ秒以内の液体吸収容積が
0.8ml/m2 以上、より好ましくは1〜500ml
/m 2 の範囲である。さらに、上述の液体吸収容積の測
定に付随して測定される液体吸収速度は、より大きい方
が重色部の吸収や乾燥によりよい結果を与える傾向があ
る。本発明に於いては20ミリ秒〜400ミリ秒の間に
おける吸収速度が、一般的には0.02ml/{m2
(ms)1/2 }以上の範囲であり、より好ましくは、
0.1〜100ml/{m2 ・(ms)1/2 }の範囲で
ある。
【0012】本発明の多孔性樹脂フィルムの水に対する
表面接触角は、110°以下、好ましくは20〜100
°、より好ましくは20〜80°の範囲であり、またイ
ンクジェット記録では、特に45〜80°の範囲が好ま
しい。水性インクや水性媒体を用いる糊等の液体浸透を
よりよいレベルとするためには110°以下の範囲であ
る。また、水性インク液滴のフィルム紙面に平行な方向
への広がりと、フィルムの厚さ方向への浸透のバランス
をはかるという観点から、インク種類に応じて適宜選択
されるケースがある。
【0013】なお、本発明におけるフィルム表面の水接
触角は、市販の接触角計を用い、純水をフィルム表面に
滴下して1分後に同接触角計を用いて測定されるもので
ある。1試料にたいして測定を10回行い、1回の測定
毎に純水で表面が濡れていない未測定のフィルムに交換
して測定される接触角の平均値を水接触角とする。本発
明の接触角測定に使用可能な市販の接触角計の例として
協和界面化学(株)製、型式CA−Dが挙げらる。また
更に、10回の接触角測定における「最大値と最小値と
の差」が小さいほどインクや水性媒体を使用する液体の
吸収がより均一となる傾向となり、印字媒体としてより
よい印字品質を与えるが、一例としては、最大値と最小
値との差は40°以内、好ましくは、30°以内、より
好ましくは、15°以内である。
【0014】本発明の多孔性樹脂フィルムは表面に微細
な空孔を有しており、この空孔より表面に接触した水性
インクや水系の液体を吸収する。多孔性フィルム表面の
空孔の数や形状は、電子顕微鏡観察により求めることが
できる。多孔性フィルム試料より任意の一部を切り取
り、観察試料台に貼り付けて、観察面に金ないしは金−
パラジウム等を蒸着し、電子顕微鏡、例えば、日立製作
所(株)製の走査型電子顕微鏡S−2400等を使用し
て観察しやすい任意の倍率にて表面の空孔形状を観察す
ることができ、空孔数や空孔の大きさや空孔形状を知る
ことができる。観察する視野の面積における空孔数を、
単位面積当たりに換算し空孔数とする。多孔性フィルム
表面の単位面積当たりの空孔の数は、1×106 個/m
2 以上の範囲であり、水系液体の吸収をより速くすると
いう観点から、好ましくは1×108 個/m2 以上であ
る。また、表面強度をより良いレベルとするという観点
から、好ましくは、1×1015個/m2 以下、より好ま
しくは1×1012個/m 2 以下の範囲である。
【0015】また、多孔性フィルムの表面付近の空孔形
状は、円状、楕円状等様々であるが、それぞれの空孔の
最大径(L)とそれに直角な方向の最大の径(M)を測
定して平均したもの[(L+M)/2]をそれぞれの空
孔の平均直径とする。少なくとも20個の表面空孔につ
き繰り返して測定し、その平均値を本発明の多孔性フィ
ルムの表面の空孔の平均直径とする。より良いレベルの
液体吸収性を得るという観点から、平均直径は0.01
μm以上、より好ましくは0.1μm以上、更に好まし
くは1μm以上である。多孔性フィルムの表面強度をよ
り良いレベルとするためには、平均直径は10μm以
下、好ましくは50μm以下、より好ましくは30μm
以下である。
【0016】本発明の多孔性樹脂フィルムは内部に微細
な空孔を有する多孔質構造を有しており、水性インクの
吸収乾燥性をよりよいレベルとするという関連から、そ
の空孔率は10%以上であり、好ましくは20〜75%
であり、より好ましくは30〜65%の範囲である。空
孔率が75%以下であればフィルムの材料強度が良いレ
ベルとなる。内部に空孔があることは、断面の電子顕微
鏡観察により確かめることができる。なお、本発明にお
ける空孔率は、次式で示される空孔率、ないしは断面の
電子顕微鏡写真観察した領域に空孔が占める面積割合
(%)を示す。次式で表される空孔率と面積割合は同じ
ものである。具体的には、多孔性樹脂フィルムをエポキ
シ樹脂で包埋して固化させた後、ミクロトームを用いて
例えばフィルムの厚さ方向に対して平行かつ面方向に垂
直な切断面を作製し、この切断面をメタライジングした
後、走査型電子顕微鏡で観察しやすい任意の倍率、例え
ば500倍から2000倍に拡大し観察したり、電子顕
微鏡像を撮影して画像解析することにより、観察した領
域の空孔面積を空孔率としてもよい。面積比の求め方の
一例として、空孔部分をトレーシングフィルムにトレー
スし塗りつぶした図を画像解析装置(ニレコ(株)製:
型式ルーゼックスIID)で画像処理を行い、空孔の面積
割合(%)を求めて空孔率とすることもできる。
【0017】
【式1】
【0018】また、本発明の多孔性樹脂フィルムを表面
に有する積層体の場合は、該積層体及びこれから本発明
の多孔性樹脂フィルム層を取り除いた部分の厚さと坪量
(g/m2 )より本発明の多孔性樹脂フィルム層の厚さ
と坪量を算出し、これより密度(ρ)を求め、さらに構
成成分の組成より非空孔部分の密度(ρ0 )を求めて上
記の式により求めることもできる。さらに、内部空孔の
形状やその寸法は、走査型電子顕微鏡で観察しやすい任
意の倍率、例えば200倍ないしは2000倍に拡大し
て観察することができる。内部空孔の寸法は、少なくと
も10個の内部空孔の面方向の寸法と厚さ方向の寸法を
測定してそれぞれを平均したものとする。
【0019】多孔性フィルムの空孔の面方向の平均寸法
は、0.1〜1000μm、好ましくは1〜500μm
の範囲である。多孔性フィルムの機械的強度をよりよい
レベルにするという観点から、空孔のフィルムの面方向
の最大寸法は1000μm以下が良い。また、より高い
レベルの水系液体吸収性を得るという観点からフィルム
の面方向の最大寸法は、0.1μm以上が好ましい。多
孔性フィルムの空孔の厚さ方向の平均寸法は、通常0.
01〜50μm、好ましくは0.1〜10μmの範囲で
ある。水系液体の吸収向上には、厚さ方向の寸法が大き
い方が良いが、フィルムの適度な機械的強度を得るとい
う観点から、用途に応じて上限が選定可能である。
【0020】<多孔性樹脂フィルムの組成、製造法>本
発明の多孔性樹脂フィルムのなかで、好ましくは、親水
性樹脂を含む熱可塑性樹脂30〜90重量%および無機
または有機微細粉末70〜10重量%を含有するもので
ある。熱可塑性樹脂は、非親水性熱可塑性樹脂と親水性
熱可塑性樹脂との混合物からなるものであってもよい
し、親水性熱可塑性樹脂のみからなるものであってもよ
い。熱可塑性樹脂として、好ましくは、非親水性熱可塑
性樹脂と親水性熱可塑性樹脂との混合物である。熱可塑
性樹脂と親水性熱可塑性樹脂との混合物からなる場合
は、非親水性熱可塑性樹脂100重量部に対して、親水
性熱可塑性樹脂を5〜100重量部の割合で含有するこ
とが好ましく、より好ましくは10〜60重量部の範囲
である。
【0021】本発明の多孔性樹脂フィルムにおいて使用
される非親水性熱可塑性樹脂としては、高密度ポリエチ
レン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン等のエ
チレン系樹脂、あるいはプロピレン系樹脂等のポリオレ
フィン系樹脂、ポリメチル−1−ペンテン、エチレン−
環状オレフィン共重合体、ナイロン−6、ナイロン−
6,6、ナイロン−6,10、ナイロン−6,12、ナ
イロン−6,T等のポリアミド系樹脂、ポリエチレンテ
レフタレートやその共重合体、ポリエチレンナフタレー
ト、脂肪族ポリエステル等の熱可塑性ポリエステル系樹
脂、ポリカーボネート、アタクティックポリスチレン、
シンジオタクティックポリスチレン、ポリフェニレンス
ルフィド等の熱可塑性樹脂が挙げられる。これらは2種
以上混合して用いることもできる。
【0022】これらの中でも、耐薬品性や低比重、コス
ト等の観点より、好ましくは、エチレン系樹脂、あるい
はプロピレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂であり、
より好ましくは、プロピレン系樹脂である。プロピレン
系樹脂としては、プロピレンを単独重合させたアイソタ
クティック重合体ないしはシンジオタクティック重合体
を例示することができる。また、エチレン、1−ブテ
ン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、4−メチル−1−ペ
ンテン等のα−オレフィンとプロピレンとを共重合体さ
せた、様々な立体規則性を有するポリプロピレンを主成
分とする共重合体を使用することもできる。共重合体は
2元系でも3元系以上の多元系でもよく、またランダム
共重合体でもブロック共重合体でもよい。プロピレン系
樹脂には、プロピレン単独重合体よりも融点が低い樹脂
を2〜25重量%配合して使用することが好ましい。そ
のような融点が低い樹脂として、高密度ないしは低密度
のポリエチレンを例示することができる。
【0023】親水性熱可塑性樹脂は、水に対して溶解ま
たは膨潤する特性を有し、常温以上の温度で塑性を有す
るものであれば特に制限されない。例えば、合成樹脂で
あるポリビニルアルコールやその共重合体ないしは架橋
体、ポリビニルピロリドンやその共重合体等のポリビニ
ル系樹脂;2−ヒドロキシエチル基2−ヒドロキシプロ
ピル基等のヒドロキシアルキル基を含むアクリル酸、メ
タクリル酸、ないしはマレイン酸のエステルの重合体や
共重合体ないしはそれらの架橋体、ポリアクリルアミド
やその共重合体、アクリロニトリルの重合体や架橋重合
体の加水分解物、アクリル酸やメタクリル酸の重合体や
その共重合体ないしはそれらの架橋体等のポリアクリル
系樹脂やその塩(例えばナトリウム塩やカリウム塩、リ
チウム塩、1〜4級アンモニウム塩等);ポリマレイン
酸やマレイン酸共重合体ないしはそれらの架橋体等の樹
脂やその塩(例えばナトリウム塩やカリウム塩、リチウ
ム塩、1〜4級アンモニウム塩等)、酢酸ビニルとメタ
クリル酸メチルの共重合体の加水分解物;水溶性ナイロ
ン;ウレタン系樹脂、すなわち、水溶性ポリウレタン、
高吸水性ポリウレタン、熱可塑性ポリウレタン;ポリエ
チレンオキシドやその共重合体、ポリプロピレンオキシ
ドやその共重合体等のポリアルキレンオキシド系樹脂;
ポリエーテルアミド、ポリエーテルエステルアミド;ポ
リビニルアミン、ポリアリルアミンやその共重合体等を
使用することができる。
【0024】また、「高分子加工」1984年9号第3
2〜38頁等の文献に記されている樹脂より選択するこ
とも可能である。なかでも、常温以上の温度で塑性を示
し、フィルム成形が比較的容易な樹脂を用いることが好
ましい。さらに、水系溶媒、ないしは水性インクの吸収
をより良くするという観点から、常温30分間で溶解な
いしは吸水倍率が5倍以上であり、より好ましくは吸水
倍率が8〜50倍の範囲である。吸水倍率は、親水性樹
脂を押し出し機を接続したTダイや熱プレス成形により
約0.1mmの厚さに成形し、常温、例えば25℃の蒸
留水に30分間浸漬して吸水させ、吸水後の重量を吸水
前の重量で割って得られるものである。
【0025】なお、アラビアゴム、トランガントゴム、
コーンスターチ、小麦デンプン、コラーゲン等の熱に非
常に弱い天然樹脂は、プラスチックを溶融する温度で使
用することが困難であるため、好適な親水性熱可塑性樹
脂ではない。なかでも、常温以上の温度で塑性を有し、
フィルム成形が比較的容易なポリアルキレンオキシド系
樹脂を用いることが好ましい。本発明で使用するポリア
ルキレンオキシド系樹脂として、アルキレンオキシドと
二塩基酸、ないしはカルボキシル基を3個以上有する多
塩基酸との反応生成物、ポリアルキレンオキシド化合物
とジカルボン酸化合物やその低級アルキルエステル化合
物ないしはカルボキシル基を3個以上有するカルボン酸
やその低級アルキルエステル化合物との反応生成物を例
とし、エステル結合を含むポリエステル系ポリアルキレ
ンオキシド、ポリアルキレンオキシド化合物とイソシア
ネート基を2個以上有する化合物との反応生成物を例と
し、ウレタン結合を含むポリウレタン系ポリアルキレン
オキシド、ポリアルキレンオキシド化合物とジアルキル
カーボネート等の炭酸ジエステル化合物との反応生成物
を例とする炭酸エステル結合を含むポリアルキレンオキ
シド、アミド結合を含むポリアルキレンオキシド、尿素
やチオ尿素結合を含むポリアルキレンオキシド、スルフ
ィド結合ないしはスルホニル結合を含むポリアルキレン
オキシド、燐酸エステル結合や亜燐酸エステル結合を含
むポリアルキレンオキシド等を挙げることができる。
【0026】これらの内で、非親水性熱可塑性樹脂との
混合分散性をよりよいレベルとするという観点からエス
テル結合を含むポリアルキレンオキシドが好ましい。使
用するアルキレンオキシドの種類は特に制限されない。
例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,
2−エポキシブタン、1,2−エポキシペンタン、1,
2−エポキシヘキサン、およびその他の炭素数30まで
のα−オレフィンオキシドが挙げられる。これらのうち
で、好ましくは、エチレンオキシド、プロピレンオキシ
ド、1,2−エポキシブタン、1,2−エポキシヘキサ
ンである。これらのアルキレンオキシドは単独で用いて
もよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。2種
以上のアルキレンオキシドを用いる場合は、それらを1
種ずつ反応させてもよいし、2種以上を混合して反応さ
せてもよい。
【0027】ポリアルキレンオキシド化合物の種類はと
くに制限されるものではないが、上記のアルキレンオキ
シドの重合体ないしは共重合体であり、重量平均分子量
が5,000〜30,000であるものが好ましい。フ
ィルム成形性をよりよいレベルとするためには重量平均
分子量が5,000以上である。また、ポリアルキレン
オキシド系樹脂の製造においてアルキレンオキシド付加
反応の反応速度が比較的速く、生産性が良いのは30,
000以下の範囲である。ポリアルキレンオキシド化合
物は、アルキレンオキシドを付加重合させることによっ
て得ることができる。例えば、活性水素を2個有する有
機化合物に、アルキレンオキシドを付加重合させて得ら
れるポリアルキレンオキシド化合物を好ましく用いるこ
とができる。
【0028】活性水素を2個有する有機化合物として
は、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、
1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、
ネオペンチルグリコール、ビスフェノールA、ポリテト
ラメチレングリコール、シクロヘキサン−1,4−ジメ
タノール等の脂環式ジオール、ブチルアミン、ラウリル
アミン、オクチルアミン、シクロヘキシルアミン、アニ
リン等のアミン類が挙げられるがこれらに限定されるも
のではない。これらの活性水素を2個有する有機化合物
は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用い
てもよい。これらの中で、好ましくは、エチレングリコ
ール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、
ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、
1,6−ヘキサンジオールより選ばれるものである。
【0029】活性水素を2個有する有機化合物に付加重
合させるアルキレンオキシドの種類は特に制限されな
い。例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、
1,2−エポキシブタン、1,2−エポキシペンタン、
1,2−エポキシヘキサン、およびその他の炭素数30
までのα−オレフィンオキシドを挙げることができる。
これらのアルキレンオキシドは単独で用いてもよいし、
2種以上を組み合わせて用いてもよい。2種以上のアル
キレンオキシドを用いる場合は、それらを1種ずつ反応
させてもよいし、2種以上を混合して反応させてもよ
い。
【0030】好ましいポリアルキレンオキシド化合物
は、活性水素を2個有する有機化合物に、エチレンオキ
シドを付加重合させ、ついで炭素数4以上のアルキレン
オキシドを付加重合させ、更にエチレンオキシドを付加
重合させることにより得られる化合物である。このよう
な方法により得られたポリアルキレンオキシド化合物を
ジカルボン酸化合物と反応させることにより、非親水性
樹脂、なかでもポリオレフィン系樹脂との相溶性が比較
的良好なポリアルキレンオキシド系樹脂を提供すること
が可能になる。したがって、当該ポリアルキレンオキシ
ド系樹脂とポリオレフィン系樹脂を混合したフィルム
は、印刷時のインクを吸収が良好となり、また吸収の均
一性が向上する。
【0031】ポリアルキレンオキシド化合物と反応させ
るカルボン酸ないしはその低級アルキルエステル化合物
は、カルボン酸基またはカルボン酸誘導基を分子内に2
つ以上、好ましくは2つ有する化合物であればその構造
は特に制限されない。具体例として、炭素数6〜36、
好ましくは炭素数8〜24の範囲の直鎖状、分岐状、脂
環式、ないしは芳香属ジないしはトリカルボン酸、およ
び、これらのジないしはトリカルボン酸の低級アルキル
エステルの少なくとも一方、芳香属ジないしはトリカル
ボン酸などが挙げられる。
【0032】さらに具体的には、セバシン酸、1,10
−デカメチレンジカルボン酸、1,14−テトラデカメ
チレンジカルボン酸、1,18−オクタデカメチレンジ
カルボン酸、1,32−ドトリアコンタメチレンジカル
ボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、フタル酸、テレ
フタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸の種
々の異性体、4,4’−ビフェニレンジカルボン酸及び
これらの低級アルキルエステルが挙げられる。これらの
うちで好ましいのは、炭素数12〜36の直鎖状ジカル
ボン酸、および炭素数12〜36の直鎖状ジカルボン酸
の低級アルキルエステルの少なくとも一方である。より
詳細に説明すると、炭素数12〜36の飽和直鎖脂肪族
ジカルボン酸、炭素数12〜36の不飽和直鎖脂肪族ジ
カルボン酸、およびそれらの低級アルキルエステルが好
ましく用いられる。
【0033】より好ましくは上記化合物において、炭素
数12〜26の直鎖状ジカルボン酸およびその低級アル
キルエステル、特に好ましくは炭素数16〜24の直鎖
状ジカルボン酸およびその低級アルキルエステルであ
る。上記炭素数12〜36の直鎖状ジカルボン酸として
は、具体的には、1,10−デカメチレンジカルボン
酸、1,14−テトラデカメチレンジカルボン酸、1,
18−オクタデカメチレンジカルボン酸、1,32−ド
トリアコンタメチレンジカルボン酸等が挙げられる。上
記その低級アルキルエステルとしては、これらジカルボ
ン酸のメチルエステル、ジメチルエステル、エチルエス
テル、ジエチルエステル、プロピルエステル、ジプロピ
ルエステル等が挙げられる。これらは単独で用いてもよ
いし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0034】これらのうちで、特に好ましくは、活性水
素を2個有する有機化合物として、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジ
プロピレングリコール、1,4−ブタンジオールより選
ばれるものに、アルキレンオキシドとしてエチレンオキ
シドを主成分とし、プロピレンオキシド、1,2−エポ
キシブタン、1,2−エポキシヘキサンより選ばれるも
のを付加重合して得られる分子量が10,000〜3
0,000の範囲にあるポリアルキレンオキシドを炭素
数12〜36の範囲の脂肪族ジカルボン酸ないしはその
低級アルキルエステルと共重合して得られ、全体の分子
量が20,000〜200,000、さらに好ましくは
80,000〜160,000の範囲にあるものであ
る。
【0035】本発明の多孔性樹脂フィルムにおいては、
多孔性とするために有機または無機微細粉末を含有させ
ることが好ましい。有機または無機微細粉末の量は、一
例として10〜70重量%であるが、有機微細粉末の場
合には比重が小さいものが多く、好ましくは10〜50
重量%、より好ましくは15〜40重量%であり、無機
微細粉末の場合には、好ましくは20〜65重量%、よ
り好ましくは40〜65重量%の範囲である。空孔を増
やすためには微細粉末の量が多い方がよいが、多孔性樹
脂フィルムの表面の強度を良いレベルとするという目的
のためには70重量%以下が良い。
【0036】有機または無機微細粉末の種類は特に制限
されない。無機微細粉末としては、重質炭酸カルシウ
ム、軽質炭酸カルシウム、凝集型軽質炭酸カルシウム、
種々の細孔容積を有するシリカ、ゼオライト、クレー、
タルク、酸化チタン、硫酸バリウム、酸化亜鉛、酸化マ
グネシウム、珪藻土、酸化珪素、シリカなど水酸基含有
無機微細粉末の核の周囲にアルミニウム酸化物ないしは
水酸化物を有する複合無機微細粉末等を例示することが
できる。中でも重質炭酸カルシウム、クレー、珪藻土を
使用すれば、安価であり、延伸により成形する場合に
は、空孔形成性がよいために好ましい。
【0037】有機微細粒子としては、空孔形成の目的よ
り、上述の非親水性熱可塑性樹脂として使用する熱可塑
性樹脂よりも融点ないしはガラス転移点が高くて非相溶
性の樹脂より選択される。具体例としては、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ
アミド、ポリカーボネート、ポリエチレンナフタレー
ト、ポリスチレン、アクリル酸エステルないしはメタク
リル酸エステルの重合体や共重合体、メラミン樹脂、ポ
リフェニレンサルファイト、ポリイミド、ポリエールエ
ーテルケトン、ポリフェニレンサルファイド等を例示す
ることができる。なかでも、非親水性熱可塑性樹脂とし
て、ポリオレフィン系樹脂を使用する場合には、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、
ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエチレンナフタレ
ート、ポリスチレンより選ばれるものが好ましい。
【0038】無機ないしは、有機の微細粉末のうちで、
燃焼時の発生熱量が少ないという観点から、より好まし
くは無機微細粉末である。本発明に使用する無機または
有機微細粉末の平均粒子径は、好ましくは0.01〜2
0μm、より好ましくは0.1〜10μm、更に好まし
くは、0.5〜10μmの範囲である。親水性熱可塑性
樹脂や非親水性熱可塑性樹脂との混合の容易さから0.
01μm以上が良い。また、延伸により内部に空孔を発
生させて吸収性を向上させる場合に、延伸時のシート切
れや表面層の強度低下等のトラブルを発生させにくくす
るという観点から20μm以下が好ましい。
【0039】本発明に使用する無機ないしは有機の微細
粉末の粒子径は、一例として粒子計測装置、例えば、レ
ーザー回折式粒子計測装置「マイクロトラック」(株式
会社日機装製、商品名)により測定した累積で50%に
あたる粒子径(累積50%粒径)により測定することが
できる。また、溶融混練と分散により非親水性樹脂や親
水性樹脂中に分散した微細粉末の粒子径は、多孔質フィ
ルム断面の電子顕微鏡観察により粒子の少なくとも10
個を測定してその粒子径の平均値として求めることも可
能である。本発明に使用する無機または有機微細粉末の
比表面積は、BET法により測定され、一例として0.
1〜1000m2 /g、より好ましくは、0.2〜70
0m2 /g、更に好ましくは、0.5〜100m2 /g
の範囲である。
【0040】比表面積が大きい無機ないしは有機の微細
粉末を使用すると水系溶媒やインクの吸収がより良くな
る傾向となる。また、親水性熱可塑性樹脂や非親水性熱
可塑性樹脂との混合分散において、分級による分散不十
分や随伴する空気による発泡などのトラブルが起きやす
くなる傾向がある場合は、使用に適した比表面積上限は
適宜選定される。また、種々の吸油量のものが使用可能
であり、一例として、吸油量(JIS−K5101−1
991等)が1〜300ml/100g、好ましくは1
0〜200ml/gの範囲である。本発明の多孔性樹脂
フィルムに使用する微細粉末は、上記の中から1種を選
択してこれを単独で使用してもよいし、2種以上を選択
して組み合わせて使用してもよい。2種以上を組み合わ
せて使用する場合には、有機微細粉末と無機微細粉末の
組み合せであってもよい。
【0041】これらの微細粉末を熱可塑性樹脂中に配合
混練する際に、必要に応じて分散剤、酸化防止剤、相溶
化剤、難燃剤、紫外線安定剤、着色顔料等を添加するこ
とができる。また、本発明の多孔性樹脂フィルムを耐久
資材として使用する場合には酸化防止剤や紫外線安定剤
等を添加するのが好ましい。さらに、有機微細粉末を使
用する場合は、相溶化剤の種類や添加量が有機微細粉末
の粒子形態を決定することから重要である。有機微細粉
末用の好ましい相溶化剤として、エポキシ変性ポリオレ
フィン、マレイン酸変性ポリオレフィンが挙げられる。
また、相溶化剤の添加量は、有機微細粉末100重量部
に対して0.5〜10重量部にするのが好ましい。
【0042】親水性熱可塑性樹脂を非親水性熱可塑性樹
脂や無機ないしは有機の微細粉末とと溶融混練などの方
法により混合する際に、必要に応じて分散改良剤を添加
することは分散の改良や分散安定性向上、ないしは表面
接触角の測定における最大値と最小値の差を小さくして
水系液体吸収をより均一にするのに有効である。分散改
良剤としては、エポキシ基含有樹脂、例えば、エチレン
−グリシジルメタクリレート共重合体、エチレン−酢酸
ビニル−グリシジルメタクリレート共重合体、グリシジ
ルメタクリレートグラフト変性ポリプロピレン、エポキ
シ化ポリブタジエン系重合体、酸変性ポリオレフィン、
例えばマレイン酸変性ポリプロピレン、ヒドロキシ基含
有ポリオレフィン、例えば2−ヒドロキシエチルメタク
リレートグラフト変性ポリプロピレン、アミノ変性ポリ
オレフィン、例えば3,3−ジメチルアミノエチル−メ
タクリレートグラフト変性ポリプロピレンなどに例示さ
れる極性樹脂系分散改良剤や、有機リン化合物、例え
ば、フォスファイト化合物、フォスフォナイト化合物、
より具体的には、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニ
ル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,
6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリ
スリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリス
リトールジホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペン
タエリスリトールジホスファイト、テトラキス(2,4
−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビスフェニレ
ンジホスフォナイトなどに例示されるリン系分散改良剤
が挙げられる。
【0043】インキの吸収をより良いレベルとするとい
う観点から、極性樹脂系分散改良剤の使用量は、通常、
非親水性の熱可塑性樹脂100重量部に対して0.1重
量部以上、好ましくは0.5〜30重量部、より好まし
くは1〜15重量部であり、リン系分散改良剤の使用量
は、通常、非親水性の熱可塑性樹脂100重量部に対し
て0.01重量部以上、好ましくは0.1〜5重量部、
より好ましくは0.2〜3重量部である。
【0044】本発明の多孔性樹脂フィルムの構成成分の
混合方法としては、公知の種々の方法が適用でき、特に
限定されないが、混合の温度や時間も使用する成分の性
状に応じて適宜選択される。溶剤に溶解ないしは分散さ
せた状態での混合や、溶融混練法が挙げられるが、溶融
混練法は生産効率が良い。粉体やペレットの状態の熱可
塑性樹脂や無機ないしは有機の微細粉末及び、親水化剤
をヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、スーパーミ
キサー等で混合した後、一軸や二軸の混練機にて溶融混
練し、ストランド状に押し出してカッティングし、ペレ
ットとする方法や、ストランドダイより水中に押し出し
てダイ先端に取り付けられた回転刃をでカッティングす
る方法が挙げられる。また、粉体、液状ないしは水や有
機溶剤に溶解した状態の親水化剤を一旦熱可塑性樹脂や
無機ないしは有機の微細粉末に混合し、更に他の成分と
混合する方法などが挙げられる。使用される一軸や二軸
の混練機としては、種々のL/D(軸長/軸径)比や、
センダン速度、比エネルギー、滞留時間、温度等のもの
が使用成分の性状に合わせて選択可能である。
【0045】本発明の多孔性樹脂フィルムの厚さは特に
制限されない。例えば、10〜400μm、好ましくは
30〜100μmに調製することができる。本発明の多
孔性樹脂フィルムは、そのまま使用に供してもよいし、
さらに別の熱可塑性フィルム、ラミネート紙、パルプ
紙、不織布、布等に積層して使用してもよい。さらに、
積層する別の熱可塑性フィルムとしては、例えば、ポリ
エステルフィルム、ポリアミドフィルム、ポリオレフィ
ンフィルム等の透明または不透明なフィルムに積層する
ことができる。特に後述する実施例に記載されるような
適切な機能層を形成することによって記録媒体にするこ
とできる。
【0046】例えば、熱可塑性フィルムからなる基材層
の上に本発明の多孔性樹脂フィルムを表面層として積層
することによって記録媒体を調製することができる。本
発明の多孔性樹脂フィルムを表面層として有する記録媒
体は特にインクジェット記録用の記録媒体として有用で
ある。基材層の種類は特に制限されるものではないが、
例えばポリプロピレン系樹脂と無機微細粉末を含有する
フィルムを例示することができる。このように、本発明
の多孔性樹脂フィルムと他の他のフィルムとを積層する
ことによって形成される記録媒体は、例えば全体の厚さ
を50μm〜1mm程度にすることができる。
【0047】本発明の多孔性樹脂フィルムおよび記録媒
体は、当業者に公知の種々の方法を組み合わせることに
よって製造することができる。いかなる方法により製造
された多孔性樹脂フィルムや記録媒体であっても、本発
明の条件を満たす多孔性樹脂フィルムを利用するもので
ある限り本発明の範囲内に包含される。液体吸収容積
が、0.5ml/m2 以上である本発明の多孔性樹脂フ
ィルムの製造法としては、公知の種々のフィルム製造技
術やそれらの組合せが可能である。例えば、延伸による
空孔発生を利用した延伸フィルム法や、圧延時に空孔を
発生させる圧延法やカレンダー成形法、発泡剤を使用す
る発泡法、空孔含有粒子を使用する方法、溶剤抽出法、
混合成分を溶解抽出する方法などが挙げられる。これら
のうちで、好ましくは延伸フィルム法である。
【0048】延伸を行う場合には、必ずしも本発明の多
孔性樹脂フィルムだけを延伸しなくてもよい。例えば、
本発明の多孔性樹脂フィルムを基材層の上に形成した記
録媒体を最終的に製造しようとしている場合には、無延
伸の多孔性樹脂フィルムと基材層とを積層したうえでま
とめて延伸しても構わない。予め積層してまとめて延伸
すれば、別個に延伸して積層する場合に比べて簡便でコ
ストも安くなる。また、本発明の多孔性樹脂フィルムと
基材層に形成される空孔の制御もより容易になる。特に
記録媒体として利用する場合には、本発明の多孔性樹脂
フィルムが基材層よりも多くの空孔が形成されるように
制御し、多孔性樹脂フィルムがインク吸収性を改善しう
る層として有効に機能させることが好ましい。
【0049】延伸には、公知の種々の方法を使用するこ
とができる。延伸の温度は、非結晶樹脂の場合は使用す
る熱可塑性樹脂のガラス転移点温度以上、結晶性樹脂の
場合には非結晶部分のガラス転移点温度以上から結晶部
の融点以下の熱可塑性樹脂に好適な温度範囲内で行うこ
とができる。具体的には、ロール群の周速差を利用した
縦延伸、テンターオーブンを使用した横延伸、圧延、チ
ューブ状フィルムにマンドレルを使用したインフレーシ
ョン延伸、テンターオーブンとリニアモーターの組み合
わせによる同時二軸延伸などにより延伸することができ
る。
【0050】延伸倍率は特に限定されず、本発明の多孔
性樹脂フィルムの使用目的と用いる熱可塑性樹脂の特性
等を考慮して適宜決定する。例えば、非親水性の熱可塑
性樹脂としてプロピレン単独重合体ないしはその共重合
体を使用するときには、一方向に延伸する場合は約1.
2〜12倍、好ましくは2〜10倍であり、二軸延伸の
場合は面積倍率で1.5〜60倍、好ましくは10〜5
0倍である。その他の熱可塑性樹脂を使用するときに
は、一方向に延伸する場合は1.2〜10倍、好ましく
は2〜7倍であり、二軸延伸の場合には面積倍率で1.
5〜20倍、好ましくは4〜12倍である。さらに、必
要に応じて高温での熱処理を施すことができる。延伸温
度は使用する非親水性熱可塑性樹脂の融点より2〜16
0℃低い温度、非親水性熱可塑性樹脂としてプロピレン
単独重合体ないしはその共重合体を使用するときには、
好ましくはその融点より2〜60℃低い温度であり、延
伸速度は20〜350m/分であるのが好ましい。
【0051】本発明の熱可塑性樹脂延伸フィルムは、そ
のまま使用に供してもよいし、さらに別の基材(A)の
少なくとも片面に積層して積層体として使用してもよ
い。基材(A)としては、例えばポリエステルフィル
ム、ポリアミドフィルム、ポリオレフインフィルム等の
透明または不透明なフィルム、プラスチックボード、パ
ルプ紙、不織布、布、木板、金属板、等が挙げられる。
積層体における基材層が樹脂フィルムである場合には、
使用される樹脂や無機ないしは有機の微細粉末は、上記
の非親水性の熱可塑性樹脂の中から1種を選択して使用
してもよいし、2種以上を選択して組み合わせて使用し
てもよい。また、非親水性熱可塑性樹脂と親水性熱可塑
性樹脂を混合して使用してもよく、多孔性樹脂フィルム
に使用するものと同じものであってもよい。さらには、
延伸したものであってもよい。
【0052】非親水性熱可塑性樹脂と親水性熱可塑性樹
脂を混合して基材層(A)に使用する場合は、非親水性
熱可塑性樹脂100重量部に対して親水性熱可塑性樹脂
を10〜100重量部混合するのが好ましい。フィルム
基材層(A)は、一例として、熱可塑性樹脂を40〜8
5重量%および無機または有機微細粉末を60〜15重
量%含有する。また、基材層は多孔性樹脂フィルムに使
用するものと同一の微細粉末を使用してもよいし、異な
る微細粉末を使用してもよい。平均粒子径の範囲は、一
例として、基材層(A)が0.1〜10μm、好ましく
は0.6〜3μmの範囲内である。本発明の積層体に使
用する基材層(A)の厚さには特に制限はない。一例と
して、5〜1000μm、好ましくは20〜500μm
の範囲である。本発明の積層体の厚さに特に制限はな
く、用途に応じて適宜選択される。一例として、15〜
2000μm、好ましくは20〜500μm、より好ま
しくは25〜350μmである。
【0053】(表面酸化処理)本発明の多孔性樹脂フィ
ルムないしはこれを使用した積層体には、必要に応じて
表面酸化処理を施すことができる。表面酸化処理により
表面の親水性や吸収性の向上、ないしはインク定着剤や
インク受理層の塗工性の向上や基材との密着向上がはか
れるケースがある。表面酸化処理の具体例としては、コ
ロナ放電処理、フレーム処理、プラズマ処理、グロー放
電処理、オゾン処理より選ばれた処理方法などが挙げら
れ、好ましくはコロナ処理、フレーム処理であり、より
好ましくはコロナ処理である。
【0054】処理量は、コロナ処理の場合は600〜1
2,000J/m2 (10〜200W・分/m2 )、好
ましくは1,200〜9,000J/m2 (20〜18
0W・分/m2 )である。コロナ放電処理の効果を十分
に得るには600J/m2 (10W・分/m2 )以上で
あり、12,000J/m2 (200W・分/m2 )超
では処理の効果が頭打ちとなるので12,000J/m
2 (200W・分/m 2 )以下で十分である。フレーム
処理の場合は8,000〜200,000J/m2 、好
ましくは20,000〜100,000J/m2 が用い
られる。フレーム処理の効果を明確に得るには8,00
0J/m2 以上であり、200,000J/m2 超では
処理の効果が頭打ちとなるので200,000J/m2
以下で十分である。
【0055】本発明の多孔性樹脂フィルムないしはこれ
を使用した積層体を記録媒体として使用する場合には、
その表面には染料および顔料色剤を定着する色剤定着層
やインク受理層を形成することができる。吸収性が低い
樹脂フィルムに塗工する場合に比べ、水系溶媒吸収性の
良い本発明の多孔性樹脂フィルムとの組み合わせること
により、にじみの低減、吸収性の向上や色剤定着層やイ
ンク受理層の厚さを低減することも可能である。色剤定
着層はインクのドット形状を真円化し、より鮮明な画像
を得ると共に水または湿気による色剤流れを防止する機
能を有する。従って、本発明の多孔性樹脂フィルムをイ
ンクジェット記録媒体として使用する場合に色剤定着層
は特に有用である。
【0056】色剤定着層やインク受理層は塗工または貼
合により形成することができる。色剤定着性を向上させ
るためにはカチオン性を有する親水性樹脂および微細粉
末を用いるのが好ましい。例えばカチオン性共重合体と
して、ポリマーの主鎖または側鎖にアミノ基、もしくは
その変性物、第4級アンモニウム塩基等のカチオン基を
含有するものを用いることができる。インクジェット用
のインク受理層としては、インク速乾性を要求される分
野には顔料、水系バインダーを主成分とした多孔性イン
ク受理層を、また高光沢性を要求される場合には水系バ
インダーを主成分とした膨潤性インク受理層を設置する
ことができる。
【0057】顔料としては、合成シリカ、コロイダルシ
リカ、アルミナヒドロゾル、水酸化アルミニウム、タル
ク、炭酸カルシウム、クレイ、プラスチックピグメン
ト、硫酸バリウム、二酸化チタン等が挙げられる。中で
も多孔質の合成シリカ、アルミナヒドロゾルが好まし
い。水系バインダーとしては、ポリウレタン系樹脂、ポ
リエステル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、アクリル酸エス
テル系樹脂、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、
酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−
ブタジエン共重合体、メタクリル酸メチル−ブタジエン
共重合体等の水系エマルジョンやポリビニルアルコー
ル、シラノール基を含むエチレン・ビニルアルコール共
重合体、ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリド
ン、メチルエチルセルロース、ポリアクリル酸ソーダ、
各種でんぷん、各種ゼラチン等の水溶性ポリマーが挙げ
られる。中でも顔料が多孔質の合成シリカ、アルミナヒ
ドロゾルである場合は、ポリビニルアルコール、シラノ
ール基を含むエチレン・ビニルアルコール共重合体が好
ましい。
【0058】本発明に使用するインク受理層にインク定
着性を要求される場合はインクセット剤が配合される。
インクセット剤としては、ポリエチレンイミンの3級ア
ンモニウム塩、4級アンモニウム基を共重合成分として
含むアクリル共重合体、ポリアミンポリアミドのエピク
ロルヒドリン付加物等のカチオン性ポリマーが挙げられ
る。更に、本発明に使用する色材定着層やインク受理層
には添加剤として、顔料分散剤、増粘剤、消泡剤、蛍光
増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、耐水化剤
等を適宜配合することもできる。
【0059】多孔性インク受理層の場合は、顔料/水系
バインダー/インクセット剤の割合が50〜90重量%
/10〜40重量%/0〜20重量%の割合が好まし
い。膨潤型インク受理層の場合は、水系バインダー/イ
ンクセット剤の割合が60〜100重量%/0〜40重
量%の割合が好ましい。インク受理層の塗工方法として
は、ブレード方式、ロッド方式、ワイヤーバー方式、ス
ライドホッパー方式、カーテン方式、エアーナイフ方
式、ロール方式、サイズプレス方式等の一般的な塗工方
法が用いられる。
【0060】インク受理層の乾燥塗工量は、要求される
インク吸収性、光沢、支持体の吸収性等によっても異な
るが、通常0.05〜100g/m2 、好ましくは、
0.1〜50g/m2 である。本発明において、インク
受理層は単層または2層以上の多層のどちらでも構わな
い。多層の場合は各層を異なる組成にすることも同一の
組成にすることもできる。多層を形成する場合は、2層
以上を一度に塗工しても1層づつ塗工しても良い。
【0061】本発明の多孔性樹脂フィルムには、使用目
的に応じてインクジェット印刷以外の印刷を行うことも
できる。印刷の種類や方法は特に制限されない。例え
ば、公知のビヒクルに顔料を分散したインクを用いたグ
ラビヤ印刷、水性フレキソ、シルクスクリーン等の公知
の印刷手段を用いて印刷することができる。また、金属
蒸着や、グロス印刷、マット印刷等により印刷すること
もできる。印刷する絵柄は、動物、景色、格子、水玉等
の天然物柄や抽象柄等から適宜選択することができる。
【0062】また、印刷用途以外にも、水系の液体を吸
収することを必要とする用途にも使用できる。例えば、
水性の粘着剤を用いた粘着ラベル、瓶缶類等の容器のラ
ベル用紙、吸水性フィルム、壁紙、ベニヤ板や石膏ボー
ドの表面化粧紙、水滴発生防止フィルム、食品用ドリッ
プ防止包装紙、コースター、工作用紙、折り紙、保水シ
ート、土壌乾燥防止シート、コンクリート乾燥補助資
材、乾燥剤、除湿剤等として利用することも可能であ
る。
【0063】
【実施例】以下に、実施例、比較例および試験例を挙げ
て本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例など
に示す材料、使用量、割合、操作等は、本発明の精神か
ら逸脱しない限り適宜変更することができる。したがっ
て、本発明の範囲は以下に示す実施例などに何ら制限さ
れるものではない。以下の手順に従って本発明の多孔性
樹脂フィルムと、これを使用する記録媒体および比較用
の樹脂フィルムを使用する記録媒体を製造した。
【0064】(実施例1) <基材層の調製と縦延伸>メルトフローレート(MF
R:230℃、2.16kg荷重)が1g/10分のポ
リプロピレン75重量%とメルトフローレート(MF
R:190℃、2.16kg荷重)が8g/10分の高
密度ポリエチレン5重量%との混合物に、平均粒子径3
μmの炭酸カルシウム20重量%を配合した組成物
[イ]を、250℃の温度に設定した押出機にて混練
し、ストランド状に押し出し、カッティングしてペレッ
トとした。この組成物[イ]を、250℃に設定した押
し出し機に接続したTダイよりシート状に押出し、これ
を冷却装置により冷却して無延伸シートを得た。次い
で、この無延伸シートを140℃に加熱した後、縦方向
に4.5倍延伸して、延伸シートを得た。尚、各実施例
中の樹脂成分ないしはこれと微細粉末との混合物の溶融
混練において、樹脂成分と微細粉末の合計重量を100
重量部として、これに加えて、酸化防止剤として、BH
T(4−メチル−2,6−ジ−t−ブチルフェノール)
0.2重量部と、イルガノックス1010(フェノール
系酸化防止剤、チバガイギー社製、商品名)0.1重量
部を添加した。
【0065】<表面の多孔性樹脂フィルムの形成>これ
とは別に、MFRが5g/10分のポリプロピレン(略
号:PP1)28重量%、とポリアルキレンオキシド系
樹脂(エチレンオキシド約90%とブチレンオキシド約
10%との共重合体で平均分子量約20,000のもの
とオクタデカメチレンジカルボン酸とのエステルで、全
体の平均分子量は約114,000、30分間の吸水倍
率は14g/g、略号:PEPO1)12重量%との混
合物に、平均粒子径3μm、BET法による比表面積が
1.8m2 /g、JIS−K5101−1991により
測定される吸油量が31ml/100gの炭酸カルシウ
ム(略号:炭カル1)58重量%を配合して二軸混練機
機にて組成物[ロ]を調製した。
【0066】この組成物を240℃(温度a)に設定し
た押し出し機にて押出した。得られたシートを上述の操
作により調製した5倍延伸シートの両面に積層し、55
℃(温度b)にまで冷却した後、155℃(温度c)に
加熱してテンターで横方向に8倍延伸した。その後、1
56℃(温度d)でアニーリング処理し、50℃(温度
e)にまで冷却し、耳部をスリットして3層(表側の吸
収層[ロ]/基材層[イ]/裏側吸収層[ロ]:肉厚7
2μm/40μm/23μm)構造の全厚135μmの
多孔性樹脂フィルム(記録媒体)を得た。尚、本明細書
の実施例に使用した炭酸カルシウム粉末の粒子径は、レ
ーザー回折式粒子計測装置「マイクロトラック」(株式
会社日機装製、商品名)により測定した累積50%粒径
である。
【0067】<評価>以下の評価は、上記積層体の表側
の吸収層について行った。 (1)液体吸収容積 上記の多孔性樹脂フィルムの2秒における液体吸収容積
は、7.6ml/m2であった。液体吸収容積は、Ja
pan TAPPI No.51−87 (紙パルプ技
術協会、紙パルプ試験方法No.51−87、ブリスト
ー法)に準拠し、熊谷理機工業株式会社製、液体吸収性
試験機を使用して液体吸収容積を測定した。測定溶媒は
水70重量%とエチレングリコール30重量%を混合
し、この混合溶媒100重量部に着色用染料として、マ
ラカイトグリーン2重量部を溶解したものである。
【0068】(2)多孔性樹脂フィルムの水に対する平
均接触角、その最大値と最小値の差 上記多孔性フィルムの表面の接触角は、純水をフィルム
表面に滴下して1分後に接触角計(協和界面化学(株)
製:型式CA−D)を用いて測定した。この測定を10
回行い(1回の測定毎に純水で表面が濡れていない未測
定のフィルムに交換)、10回測定した接触角の平均値
と、最大値と最小値との差を求めた。
【0069】(3)表面空孔の存在確認と表面空孔数及
び表面空孔寸法の測定 上記の多孔性フィルムの一部を切り取り、表面及び断面
に空孔が存在することを確認した。多孔性フィルム試料
より任意の一部を切り取り、観察試料台に貼り付けて、
観察面にメタライジングし、(株)日立製作所製の走査
型電子顕微鏡S−2400を使用し、500倍に拡大し
て表面の空孔の存在を確認した。また、電子顕微鏡像を
感熱紙に出力ないしは写真撮影し、表面の空孔数を計測
した結果、約1.2×109 個/m2 であった。次い
で、それぞれの、表面空孔の大きさを測定し、観察領域
内の50個の空孔の測定値を平均した結果、長径が1
5.1μm、短径が4.9μmであり、平均直径は約1
0μmであった。なお、各2つの空孔が微細粉末の左右
ないしは上下に連結している場合、微細粉末を中心に空
孔が生じているものとして2つの空孔は連結した一つの
空孔として計測した。
【0070】(4)内部空孔の存在確認と内部空孔率の
測定 上記の多孔性樹脂フィルムをエポキシ樹脂で包埋して固
化させた後、ミクロトームを用いて、フィルムの厚さ方
向に対して平行かつ面方向に垂直な切断面を作製し、こ
の切断面をメタライジングした後、(株)日立製作所製
の走査型電子顕微鏡S−2400を使用し、2000倍
に拡大して観察し、内部空孔の存在を確認した。観察し
た領域の電子顕微鏡像を感熱紙に出力して各層の厚さを
測定した。また、全体の厚さと坪量(g/m2 )を測定
し、ついで表面の吸収層を一定面積剥がし取り、残りの
フィルムの坪量と厚さを測定してれぞれの差より、多孔
質樹脂フィルム層の厚さと坪量(g/m2 )を求め、こ
れより坪量を厚さで割って吸収層の密度(ρ)を算出し
た。次いで、組成物[ロ]を230℃にて厚さ1mmの
プレスシートとし、密度(ρ0 )を測定し、次式により
空孔率を算出した。
【式2】
【0071】(5)インク吸収性 評価用カラーチャート(2cm×2cmの単色50%印
刷および単色100%印刷、2cm×2cmの重色20
0%印刷)を作製し、顔料インク(イエロー、マゼン
タ、シアン、ブラック)を用いてインクジェットプリン
ター(グラフテック(株)製:型式JP2115)によ
り各記録媒体の表面層である多孔性樹脂フィルムに印刷
した。その後、一定時間毎に濾紙を印刷部分に圧着し、
インクが濾紙へ逆戻りするか否かを観察した。インクが
濾紙へ逆戻りしなくなった時間を記録して、以下の基準
によりインク吸収性を評価した。 6:インクが濾紙へ逆戻りしなくなる時間が、印刷直
後。 5:インクが濾紙へ逆戻りしなくなる時間が、1分以
内。 4:インクが濾紙へ逆戻りしなくなる時間が、1分超、
2分以内。 3:インクが濾紙へ逆戻りしなくなる時間が、2分超、
3分以内。 2:インクが濾紙へ逆戻りしなくなる時間が、3分超、
4分以内。 1:インクが濾紙へ逆戻りしなくなる時間が、4分超、
5分以内。 0:5分超でもインクが濾紙へ逆戻りして乾燥せず。
【0072】(濃度ムラの評価)また、インクを吸収し
た後の濃度ムラについて、目視観察し、以下の基準で評
価した。 4:濃度ムラが全くない。 3:濃度ムラが少ない。 2:濃度ムラがある。 1:濃度ムラがあり、目立つ。
【0073】(にじみの評価)インクを吸収した後のに
じみについて、目視観察し以下の基準で評価した。 4:にじみがなく、画像が鮮明である。 3:にじみが少なく、画像の識別に支障がほとんどな
い。 2:にじみがあり、画像の識別に支障がある。 1:にじみが顕著で、使用に耐えない。
【0074】(印刷後の紙面のボコつきの評価)印刷終
了後、室内に1時間放置し、紙面のボコつき(凹凸)が
生じているか否かを、目視観察し、以下の基準で評価し
た。 3:ボコつきがなく、紙面が平らで印刷前と殆ど変化が
ない。 2:ボコつきが少ない。 1:ボコつきが目立つ。 上記の評価結果を以下の表1にまとめて示す。
【0075】(比較例1)非親水性熱可塑性樹脂(PP
−1)40重量%とし、微細粉末として炭カル1を60
重量%とし、親水性樹脂を加えないほかは、実施例1と
同様の操作により、フィルムを作成し、評価を行った。
2秒以内では使用した液体の吸収は殆ど起こらず、液体
吸収容積は0ml/m2 と判断した。評価結果を表2に
示した。 (比較例2)樹脂成分を親水性樹脂(PEPO1)30
重量%と非親水性熱可塑性樹脂(PP−1)70重量%
とし、微細粉末を加えず、さらにテンターでの延伸操作
を行なわないほかは、実施例1と同様の操作によりフィ
ルムを作成し、評価を行った。2秒以内では液体吸収は
殆ど起こらず、液体吸収容積は0ml/m2 と判断し
た。評価結果を表1に示した。
【0076】(実施例2〜4)表面の多孔性樹脂フィル
ムの形成において、ポリプロピレン、ポリアルキレンオ
キシド共重合体、及び炭酸カルシウムの組成比を表1記
載のものとし、温度a〜温度eを表2記載の温度とした
ほかは実施例1と同様の操作により多孔性樹脂フィルム
を得た。これらのものを実施例1と同様の操作により評
価した。結果を表1に示した。
【表1】 (実施例5)表面の多孔性樹脂フィルムの形成におい
て、ポリプロピレン、ポリアルキレンオキシド共重合
体、及び炭酸カルシウムの組成比を表1記載のものと
し、温度a〜温度eを表2記載の温度としたほかは実施
例1と同様の操作により多孔性樹脂フィルムを得た。こ
れらのものを、実施例1と同様の操作により評価した。
使用したポリアルキレンオキシドは、エチレンオキシド
約85%とブチレンオキシド約15%との共重合体で平
均分子量約20,000のものとテトラデカメチレンジ
カルボン酸とのエステルで、全体の分子量は約118,
000、30分間の吸水倍率は約13g/g(略号:P
EPO2)である。結果を表2に示した。
【0077】(実施例6〜9)表面の多孔性樹脂フィル
ムの形成において、ポリプロピレン、ポリアルキレンオ
キシド共重合体、及び炭酸カルシウムの組成比を表1記
載のものとし、温度a〜温度eを表2記載の温度とした
ほかは実施例1と同様の操作により多孔性樹脂フィルム
を得た。これらのものを、実施例1と同様の操作により
評価した。実施例7に使用したポリアルキレンオキシド
は、エチレンオキシド約90%とブチレンオキシド約1
0%との共重合体で平均分子量約20,000のものと
フタル酸とのエステルで、全体の分子量は約120,0
00、30分以内に水に溶解するもの(略号:PEPO
3)である。
【0078】実施例6〜9に使用した分散改良剤は、そ
れぞれ、エチレン−メタクリル酸グリシジル共重合体
(メタクリル酸グリシジルの共重合量は約12%、住友
化学(株)製、商品名ボンドファースト−2E、略号:
EX1)、エチレン−酢酸ビニル−メタクリル酸グリシ
ジル共重合体(メタクリル酸グリシジルの共重合量は約
12%、住友化学工業(株)製、商品名ボンドファース
ト−2B、略号:EX2)、エポキシ化スチレン−ブタ
ジエンブロック共重合体(ダイセル化学工業(株)製、
商品名エポブレンドA1005、エポキシ当量:約2,
000、略号:EX3)、ビス(2,6−ジ−tert
−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール
ジホスファイト(旭電化(株)製、商品名PEP−3
6、略号:P−1)であり、分散改良剤の添加量は非親
水性の熱可塑性樹脂100重量部に対する添加量(重量
部)である。結果を表2に示した。
【0079】(実施例10)使用する微細粉末を平均粒
子径2μmの重質炭酸カルシウム(比表面積2.2m2
/g、JIS−K5101−1991により測定される
吸油量が35ml/100g、略号:炭カル2)とし、
その他の成分を表1記載のものとしたほかは、実施例1
と同様の操作を行い、多孔性樹脂フィルムを得た。結果
を表2に示した。
【0080】
【表2】 (実施例11、12)表面の多孔性樹脂フィルムの形成
において、ポリプロピレン、ポリアルキレンオキシド共
重合体、及び微細粉末の組成比を表1記載のものとし、
温度a〜温度eを表2記載の温度としたほかは実施例1
と同様の操作により多孔性樹脂フィルムを得た。これら
のものを、実施例1と同様の操作により評価した。使用
した微細粉末は、実施例1に使用した「炭カル1」に加
え、白石中央研究所(株)製の炭酸カルシウム、商品名
カルライト−KT、平均粒子径約2μm、BET比表面
積38m2 /g、JIS−K5101−1991により
測定される吸油量が140ml/100g(略号:炭カ
ル3)、及び、富士シリシア化学(株)製のシリカ、商
品名サイリシア730、平均粒子径約3μm、BET比
表面積700m2 /g、JIS−K5101−1991
により測定される吸油量が95ml/100g、(略
号:シリカ1)である。以上の結果を表3に示した。
【0081】(実施例13)メルトフローレートが1g
/10分のポリプロピレン75重量%と高密度ポリエチ
レン(MFR10g/10分、190℃、2.16k
g)5重量%との混合物に、平均粒子径2μmの重質炭
酸カルシウム20重量%を混合し、二軸混練機にて混練
し、ストランド状に押し出してカッティングし、ペレッ
トとした(組成物[イ])。MFRが5g/10分のポ
リプロピレン(略号:PP1)40重量%とポリアルキ
レンオキシド系樹脂(略号:PEPO1)10重量%、
及び、上記の重質炭酸カルシウム「炭カル2」50重量
%、分散改良剤P−1(非親水性の熱可塑性樹脂100
重量部に対して0.4重量部)を混合し、230℃の温
度に設定した二軸混練機にて混練し、ストランド状に押
し出してカッティングし、ペレットとした(組成物
[ロ])。組成物「イ」と[ロ]をそれぞれ、2台の異
なる押し出し機が接続された多層ダイを用い、組成物
[イ]の両面に組成物[ロ]がダイ内で積層されるよう
にしてシート状に押出し、これを冷却装置により冷却し
て無延伸シートを得た。
【0082】次いで、この無延伸シートを143℃の温
度に加熱した後、縦方向に4.5倍延伸したのち冷却
し、延伸シートを得た。再度154℃の温度(温度c)
に加熱してテンターで横方向に8倍延伸した後、155
℃の温度(温度d)でアニーリング処理し、50℃の温
度(温度e)にまで冷却し、耳部をスリットして3層
([ロ]/[イ]/[ロ]:肉厚67μm/40μm/
23μm)構造の全厚130μmの多孔性樹脂フィルム
を得た。実施例1と同様の操作により評価を行った結果
を表3に示す。 (比較例3)ポリアルキレンオキシド系樹脂と分散改良
剤を使用せず、さらに、非親水性樹脂と炭酸カルシウム
の量を表2に示すように変更したほかは実施例13と同
様の操作を行い、フィルムを得た。評価結果を表2に示
した。
【0083】
【表3】
【0084】(実施例14)実施例1にて作製した多孔
性樹脂フィルムの両方面に80ワット・分/m2 (48
00J/m2 )の処理密度でコロナ処理を施した。この
ものにつき、実施例1と同様の要領で、評価を行った。
評価結果を表3に示した。
【0085】(実施例15)実施例1にて作製した多孔
性樹脂フィルムの両表面にフリンバーナー社(FLYN
N BURNER社)製フリンF3000ダイレクトフ
レームプラズマ処理機を用いて、印加エネルギー32,
000J/m2 にてフレーム処理を行った。このものに
つき、実施例1と同様の要領で、評価を行った。評価結
果を表4に示した。 (比較例4)比較例1にて作製した多孔性樹脂フィルム
の両方面に80ワット・分/m2 (4,800J/
2 )の処理密度でコロナ処理を施した。このものにつ
き、実施例1と同様の要領で、評価を行った。評価結果
を表4に示した。
【0086】(実施例16)実施例1にて作製した多孔
性樹脂フィルムに80ワット・分/m2 (4800J/
2 )の処理密度でコロナ処理を施した。このものを支
持体(片面指定)として次の組成のインク受理層用塗工
液を固形分含量が5g/m2 になるように塗布し、乾燥
した後、スーパーカレンダーで平滑処理を行ってインク
ジェット記録用紙を得た。 塗工液組成: 合成シリカ粉末(水澤化学工業(株)ミズカシルP−78D)100重量部 ポリビニルアルコール(クラレ(株)PVA−117) 30重量部 ポリアミンポリアミドエピクロルヒドリン付加物 (日本PMC(株) WS−570) 10重量部 ポリアクリル酸ソーダ(和光純薬工業(株)試薬) 5重量部 水 1600重量部 実施例1と同様の操作により評価を行った。結果を表4
に示す。
【0087】(実施例17)実施例1の多孔性フィルム
に実施例15と同様のコロナ処理を施したものを支持体
(片面指定)とし、次の組成のインク受理層用塗工液を
固形分含量が5g/m2 になるように塗布し、乾燥しイ
ンクジェット記録用紙を得た。 塗工液組成: アルミナゾル(日産化学工業(株)製アルミナゾルー100 、固形分10%) 100重量部 ポリビニルアルコール(クラレ(株)PVA−117) 10重量部 水 100重量部 評価結果を表4に示す。
【0088】(実施例18)実施例1の多孔性フィルム
に実施例15と同様のコロナ処理を施したものを支持体
として、その上に(片面指定)次の組成のインク受理層
用塗工液を固形分含量が5g/m2 になるように塗布
し、乾燥しインクジェット記録用紙を得た。 塗工液組成: ウレタン系バインダー (大日本インキ化学工業(株)SFコート剤8310、固形分13%)100重量部 ポリアミジン系ポリマー (ハイモ(株)製ハイマックスSC700 L、固形分30%) 2重量部 評価結果を表4に示す。
【0089】(比較例5)市販のパルプ紙ベースのイン
クジェット専用紙(エプソンスパーファイン専用紙MJ
A4SP1)を使用し、実施例1と同様の評価を行っ
た。結果を表4に示す。
【0090】
【表4】
【0091】表1〜表4から明らかなように、本発明の
多孔性樹脂フィルム(実施例1〜15)は、インク吐出
量が多い場合でも、濃度ムラが少なく、インク吸収性が
非常に良好である。これに対して、液体吸収量が本発明
の範囲を外れるフィルム(比較例1〜4)は、いずれも
インク吸収性が劣っている。また、実施例16〜18か
ら明らかなように、インク受理層を設けた場合には、イ
ンク吸収が良好であり、本発明の効果が明らかである。
さらには、各実施例と比較例5との対比より、本発明の
多孔性フィルムは印刷後の紙面のボコつきが無く、本発
明の効果が明らかである。
【0092】
【発明の効果】本発明の多孔性樹脂フィルムは、水系溶
媒やインク吸収性が極めて良好である。また、該多孔性
樹脂フィルムを用いた本発明の記録媒体は、インク吐出
量が多い場合でも、濃度ムラのない精細な画像を形成す
ることができる。したがって、本発明の多孔性樹脂フィ
ルムおよび記録媒体は、インクジェット記録媒体をはじ
めとする広範囲な印刷用途に好適に提供することができ
る。
【手続補正書】
【提出日】平成12年11月9日(2000.11.
9)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正内容】
【0024】また、「高分子加工」1984年9号第3
2〜38頁等の文献に記されている樹脂より選択するこ
とも可能である。なかでも、常温以上の温度で塑性を示
し、フィルム成形が比較的容易な樹脂を用いることが好
ましい。さらに、水系溶媒、ないしは水性インクの吸収
をより良くするという観点から、常温30分間で溶解な
いしは吸水倍率が5g/g以上であり、より好ましくは
吸水倍率が8〜50g/gの範囲である。吸水倍率は、
親水性樹脂を押し出し機を接続したTダイや熱プレス成
形により約0.1mmの厚さに成形し、常温、例えば2
5℃の蒸留水に30分間浸漬して吸水させ、吸水後の重
量を吸水前の重量で割って得られるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 23/00 C08L 67/02 67/02 B41J 3/04 101Y (72)発明者 飯田 誠一郎 茨城県鹿島郡神栖町東和田23番地 王子油 化合成紙株式会社鹿島工場内 Fターム(参考) 2C056 FC06 2H086 BA19 BA24 BA31 BA34 BA45 BA48 4F074 AA16 AA32 AA48 AA66 AA70 AA71 AA74 AA76 AA86 AA87 AC17 AC21 AC26 AC30 AC32 AC36 AE01 AE05 CA01 CA02 CA03 CA06 CA21 CB01 CB91 CC02Y CD15 CE02 CE84 CE86 DA02 DA03 DA24 DA52 DA54 DA59 4J002 BB031 BB041 BB121 BB161 BC031 BE022 BG012 BG042 BG052 BG072 BG102 BG132 BH022 BJ002 CF031 CF061 CG001 CH022 CK022 CL011 CL031 CM042 CN011 DE076 DE106 DE136 DE236 DG046 DJ006 DJ016 DJ036 DJ046

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Japan TAPPI No.51−
    87 により測定される液体吸収容積が、0.5ml/
    2 以上の範囲にあることを特徴とする多孔性樹脂フィ
    ルム。
  2. 【請求項2】 水に対する平均接触角が110°以下で
    あることを特徴とする請求項1に記載の多孔性樹脂フィ
    ルム。
  3. 【請求項3】 表面及び内部に空孔を有することを特徴
    とする請求項1または2に記載の多孔性樹脂フィルム。
  4. 【請求項4】 空孔率が10%以上であることを特徴と
    する請求項1〜3のいずれかに記載の多孔性樹脂フィル
    ム。
  5. 【請求項5】 表面に空孔が1×106 個/m2 以上存
    在することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載
    の多孔性樹脂フィルム。
  6. 【請求項6】 表面の空孔の平均直径が0.01〜50
    μmの範囲にあることを特徴とする請求項1〜5のいず
    れかに記載の多孔性樹脂フィルム。
  7. 【請求項7】 樹脂が熱可塑性樹脂であり、無機または
    有機微細粉末70〜10重量%を含有することを特徴と
    する請求項1〜6のいずれかに記載の多孔性樹脂フィル
    ム。
  8. 【請求項8】 無機または有機微細粉末の平均粒子径が
    0.01〜20μmの範囲にあることを特徴とする請求
    項1〜7のいずれかに記載の多孔性樹脂フィルム。
  9. 【請求項9】 無機または有機微細粉末の比表面積が
    0.5m2 /g以上の範囲にあることを特徴とする請求
    項8に記載の多孔性樹脂フィルム。
  10. 【請求項10】 樹脂が親水性熱可塑樹脂、または非親
    水性熱可塑性樹脂と親水性熱可塑樹脂との混合物である
    ことを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の多孔
    性樹脂フィルム。
  11. 【請求項11】 非親水性熱可塑性樹脂がポリオレフィ
    ン系樹脂であることを特徴とする請求項10に記載の多
    孔性樹脂フィルム。
  12. 【請求項12】 親水性熱可塑樹脂の30分間の吸水倍
    率が5g/g以上の範囲、ないしは溶解するのものであ
    ることを特徴とする請求項11に記載の多孔性樹脂フィ
    ルム。
  13. 【請求項13】 親水性熱可塑性樹脂が、アルキレンオ
    キシド化合物およびジカルボン酸化合物との反応生成物
    であることを特徴とする請求項12に記載の多孔性樹脂
    フィルム。
  14. 【請求項14】 延伸されていることを特徴とする請求
    項1〜13のいずれかに記載の多孔性樹脂フィルム。
  15. 【請求項15】 表面に酸化処理を施したものであるこ
    とを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載の多孔
    性樹脂フィルム。
  16. 【請求項16】 基材層の少なくとも片方の面に、請求
    項1〜15いずれかに記載の多孔性樹脂フィルムを有す
    ることを特徴とする積層体。
  17. 【請求項17】 請求項1〜16のいずれかに記載の多
    孔性樹脂フィルムないしは積層体を使用した記録媒体。
  18. 【請求項18】 請求項1〜17のいずれかに記載の多
    孔性樹脂フィルムないしは積層体を使用したインクジェ
    ット記録媒体。
  19. 【請求項19】 請求項1〜15のいずれかに記載の多
    孔性樹脂フィルムの少なくとも片方の面、ないしは積層
    体の多孔性樹脂フィルムの基材層と接していない面の少
    なくとも一方に色剤定着層を有することを特徴とするイ
    ンクジェット記録媒体。
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